【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、流体の圧力を判定するよう構成された圧力判定ユニットが提供される。圧力判定ユニットは本体構造および変形検知器を備えている。本体構造は、(通常、加圧された液体である)流体を導くよう構成された流体路を備えている。本体構造は、第1の次元および第2の次元において延びる第1の表面を有している。本体構造の厚みは第3の次元へと延びている。変形検知器は、本体構造の第1の表面の第2の次元への拡長(elongation)に応答するよう構成されており、このような拡長に応答して、本体構造内の流体の圧力の値を示す信号を生成する。
【0014】
本発明の第1の局面によれば、本体構造の流体路は1つ以上の第1のチャネル区分を備えている。各第1のチャネル区分は、第2の次元へのこのような第1のチャネル区分の幅の少なくとも2倍である、第3の次元における高さを有している。好ましくは、高さは、第2の次元へのその幅の少なくとも3倍、より好ましくは少なくとも4倍である。それぞれの第1のチャネル区分に、そのような「細い」形状を与えることにより、加圧下の流体の影響下にあるチャネルの変形が、主に第2の次元への(チャネルの)変形となり、第2の次元への第1の表面の拡長につながり、次いで、これを変形検知器により検知することができる。チャネル内の圧力が、それぞれのチャネル形状、および、材料特性などの、本体構造の特定の特性、および、例えばこのような本体構造の製造の結果として生じる特性に特に影響されやすい方向への変形につながる場合のあることを理解されたい。
【0015】
このような「細い」形状を与えることが、第3の次元への変形よりも著しく大きい場合のある、第2の次元への変形へとつながることがある。この点で、それぞれのチャネルの上方または下方で局所的に起きる場合のある、第3の次元への第1のチャネル区分局所変形が、次いで、変形検知器に測定されたときに、第2の次元への変形へとつながり、そして圧力検知の誤差につながる場合のあることを理解されたい。このような細いチャネル形状を適用することにより、変形検知器によって供給された信号の圧力検知における信号対ノイズ比を向上することができる。
【0016】
本発明の第2の局面によれば、本体構造の流体路は複数の第1のチャネル区分を備えている。各チャネル区分は、流れの方向が実質的に第1の次元へとなるよう方向付けられている。第1のチャネル区分の少なくとも2つが、第1の次元に沿うそれぞれの列に配置されている。それぞれの中間区域が、それぞれの列に配置された隣接するチャネル区分の間に設けられており、中間区域は流体路の一部でない。これにより、変形プロファイル(すなわち、第1の次元に沿った第2の次元への変形のプロファイル)を構成し、または拡大縮小することができ、それにより、第2の次元への第1の表面の拡長に応答して変形検知器により生成される信号おいて、非線形効果を低減できる場合がある。
【0017】
本発明者により、中間区域を有さずに(それは流体路の一部でなく、それゆえに、このような中間区域内からの変形の影響を受けない)、列の(第1の次元における)長さ全体にわたって、それぞれの第1のチャネル区分を設けることが、特に本体構造の正面に沿った中央区域における、(より)大きな(第2の次元への)拡長につながる場合があることが発見されている。特に材料特性における非線形性のために、第2の次元への本体構造のこのような変形も、特に流体の圧力が増加している場合に(例えば500または1000バールを超える)、非線形効果の影響を受けるようになる。隣接するチャネル区分の間の列、および、好ましくはこのような列の中央または中央の近くに、このような中間区域を設けることで、非線形効果を低減することができ、第2の次元への拡長に応答した変形検知器の、結果として生じる信号は、より程度の大きな線形性を示すことができる(すなわち換言すれば、より非線形でなくなる)。
【0018】
それぞれの中間区域を、2つの隣接するチャネル区分を持たせることで設ける、または結果として生じさせることができ、2つの隣接するチャネル区分は、互いに流体的に結合されているが、隣接するチャネル区分の(第1および第3の次元へと設けられる)全チャネル断面にわたってではない。これは、隣接するチャネル区分の間の中間区域につながり、これらは流体路の一部でない。
【0019】
一実施形態では、流体路は、第1の次元に沿って、複数のそれぞれの列、好ましくは平行な列を備えている。流体路はさらに、複数の第2のチャネル区分を備えており、各第2のチャネル区分は、流れの方向が実質的に第2の次元にあるよう方向付けられている。
【0020】
少なくとも1つの第2のチャネル区分が、少なくとも1つの中間区域を貫通していてもよく、すなわち換言すれば、少なくとも1つの中間区域に包囲されていてもよい。
【0021】
好ましい実施形態では、第1の次元に沿った各列は2つのチャネル区分を備えており、2つのチャネル区分の間にそれぞれの中間区域を有している。第1の次元に沿った各列は、それぞれの第2のチャネル区分により結合されている。最後の列(または最初の列。数える順序による)はさらに、それぞれの第2のチャネル区分に結合されており、この第2のチャネル区分は、列の1つ以上のそれぞれの中間区域により包囲されている。そして、このような構造は、流路(例えば、第1のチャネル区分への供給路または戻り路)における第1(または最後)の第2のチャネル区分が列中のそれぞれの中間区域を通って配置され、かつ続けられた状態で、それぞれの第2のチャネル区分により、第1の次元に沿って互いに結合された複数の平行な列であってもよい。
【0022】
本発明の第3の局面によれば、圧力判定ユニットは、流体を導くよう構成された基準流体路を備える基準本体構造をさらに備えている。基準本体構造は(本体構造に類似して、または従って)、第1の次元および第2の次元において延びる第1の表面と、第3の次元における厚み(または高さ)とを有している。本体構造および基準本体構造の第1、第2および第3の次元は、必ずしも同一の空間的な方位を有していなくてもよく(例えば、本体構造の第1の次元は必ずしも、基準本体構造の第1の次元と同じまたは平行などでなくてもよく)、本体構造または基準本体構造に対してのみ関連している。
【0023】
第3の局面に係る圧力判定ユニットはさらに、基準本体構造内の流体の圧力の値を示す基準信号を生成することにより、基準本体構造の第1の表面の第2の次元への拡長に応答するよう構成された基準変形検知器を備えている。流体路および基準流体路は互いに流体的に結合されており、例えば、流体路および基準流体路は、いずれかの流体が直列の仕方でまず本体構造を通って、次いで基準本体構造を通って(もしくはその逆に)流れるような直列もしくは並列の仕方で結合されていてもよく、または、部分的な流れが本体構造の流体路を通って流れ、かつ別の部分的な流れが基準本体構造の基準流体路を通って流れるような並列の仕方で結合されていてもよい。
【0024】
第3の局面に係る圧力判定ユニットにおいてさらに、基準本体構造は、基準流体路内の圧力における変化の影響下で、その第1の表面上での(第3の次元への)厚みにおける変化のパターンを経験するように構成されており、これは、流体路内の圧力における変化の影響下で、その第1の表面上での本体構造の(第3の次元への)厚みにおける変化のパターンに実質的に一致している。すなわち、基準本体構造および本体構造の両方は、それぞれの流体路内の圧力における変化の結果生じるそれぞれの第1の表面上での厚みにおける変化のそれぞれのパターンが実質的に互いに一致するように構成されている。したがって、本体構造および基準本体構造の両方を通って流れる流体での圧力における変化は、それらのそれぞれの第1の表面における(第3の次元への)実質的に同一の変化のパターンにつながることになる。それぞれの第1の表面上の厚みにおけるこのような変化のパターンは、それぞれの本体構造内のそれぞれの流路を越えて、および/または、それぞれの本体構造内のそれぞれの流路の下方で局所的に起きる場合のある3次元の表面変形として理解することができる。このような局所的な変形は、それぞれの第3の次元(高さ)へのそれぞれの流路の変形(例えば拡長)の結果生じてもよく、通常(例えば、それぞれの形状および材料に応じて)、それぞれの本体構造内のそれぞれの流路(例えばチャネル)を越えて、および/または、それぞれの本体構造内のそれぞれの流路(例えばチャネル)の下方に、多かれ少なかれ局所的に限定されている。
【0025】
それぞれの第1の表面上に実質的に一致したパターンを有するこのような基準本体構造は、第2の次元への拡長に応答する変形検知器により提供されるときに、信号への、厚みにおけるこのような変化のパターンの効果を低減できる場合がある。上述したように、第1の表面の高さ(または厚み)におけるこのような局所的な変形も、第2の次元への変形につながり、そのため誤差信号につながる、すなわち換言すれば、変形検知器により提供される信号の精度の低下につながる場合がある。本体構造および基準本体構造上に、実質的に一致したパターンを有することで、例えば、両方の信号を比較すること、および/または、結果として生じる信号を一緒に分析することにより、測定の精度を向上することができる。
【0026】
一実施形態では、信号処理ユニットが、基準信号とともに信号を一緒に分析することにより、流体の圧力の値を導出するために設けられている。これは、好ましくは、信号から基準信号の少なくとも一部を減算することにより(もしくは、その逆)、または、その他のやり方で適切に信号を組み合わせ、そのようにして、それぞれの第1の表面上の厚みにおける変化の結果生じる効果を除去する、もしくは少なくとも低減することにより、実現されてもよい。好ましくは、当該技術で広く公知のホイートストンブリッジ構成を、基準信号とともに信号を一緒に分析するために使用することができる。
【0027】
一実施形態では、本体構造の流体路が1つ以上の第1のチャネル区分を備えており、各第1のチャネル区分が第2の次元への幅を有している。基準本体構造の基準流体路が1つ以上の第1の基準チャネル区分を備えており、各第1の基準チャネル区分が第2の次元への幅および第1の次元への長さを有している。第1のチャネル区分の幅は、第1の基準チャネル区分の幅に実質的に対応している。これにより、本体構造および基準本体構造の両方の第3の次元への変形に実質的に一致することが可能となる。
【0028】
一実施形態では、本体構造の流体路が1つ以上の第1のチャネル区分を備えており、各第1のチャネル区分が第3の次元への高さを有している。基準本体構造の基準流体路が1つ以上の第1の基準チャネル区分を備えており、各第1の基準チャネル区分が第3の次元への高さを有している。第1のチャネル区分の高さは、第1の基準チャネル区分の高さの少なくとも2倍(好ましくは少なくとも3倍、より好ましくは少なくとも4倍)である。これにより、本体構造の第2の次元への変形を、基準本体構造よりも著しく大きくすることができる。第1のチャネル区分の幅は、第1の基準チャネル区分の幅に実質的に対応し、その結果、結果として生じる基準信号が、第3の次元への(望ましくない)変形により主に判定される。基準信号を信号から減算すること(または、その逆)で、第3の次元へのこのような変形から生じる測定誤差を著しく低減することができる。
【0029】
それぞれの局面の上述した要素および実施形態も、特にHPLC用途のための圧力判定をさらに改善するために、いかなる組み合わせでも、互いに組み合わせる、および互いに適用することができることは明らかである。以下の実施形態は、各局面および局面の各組み合わせに関する。
【0030】
一実施形態では、本体構造が、互いに積層された複数の層を備えている。層は、第1の次元および第2の次元へと拡長され、各層は第3の次元への厚みを有している。第1の次元への拡大は、第2の次元への拡大よりも著しく小さいのが好ましい。それぞれのチャネルは、例えば、1つ以上の層の一部を切り取る、またはエッチングすることにより形成されてもよく、その結果、層が互いに(例えば、拡散レーザ接合(diffusion LASER bonding)により)積層されたときに、切り取られた、またはエッチングされた部分により、チャネルを設けることができる。
【0031】
一実施形態では、本体構造が、金属(好ましくは、例えば304L、306L、316Lなどのステンレス鋼などの鋼)、セラミック、ポリマー(好ましくはプラスチック材料)、複合材料、または他の適切な材料を備える材料の群の1つ以上の材料を備えている。本体構造が層を備えている場合、各層は、上述した材料の群の少なくとも1つの材料を備えていてもよい。
【0032】
一実施形態では、本体構造が、好ましくは拡散またはレーザ(LASER)接合により互いに接合された、複数の金属層により設けられている。層(例えば金属板)は、接合ステップに先立って穿孔およびエッチングされて成形されるのが好ましい。
【0033】
一実施形態では、(第1および/または第2のチャネル区分の)少なくとも1つのチャネル区分が複数の下位チャネルを備えており、下位チャネルは、(好ましくは第3の次元へと)平行な構成に配置されており、2つの隣接する下位チャネルのそれぞれが、下位チャネルの間にそれぞれの分離部(好ましくは膜)を有している。このような構成により、本体構造の第2の次元への拡長に関して、同一または類似の効果を実現できる場合がある。分離部は、特にチャネル寸法に比較して、第3の次元において、かなり薄くなるように設計されているのが好ましい。分離部は、不浸透性、半浸透性または浸透性であってもよい。分離部は、本体構造と同一の、または本体構造よりも高い弾性であるのが好ましい。分離部により分離された下位チャネルの構成は、特に層構造を使用したときに、本体構造に適用される製造プロセスに応じて有利な場合があり、その結果、それぞれの分離部が、層内の先細りとされた区域の結果生じる場合があり、または、それぞれの層により設けられることさえある。下位チャネルは、隣接する下位チャネルの間にそれぞれの分離部がある状態で、第3の次元へと互いに重なっているのが好ましい。下位チャネルは、第1および第2の次元へと、実質的に同一の区域を有しているのが好ましく、第1および第2の次元へのそれぞれの区域は、互いに整列されているのが好ましい。
【0034】
圧力判定ユニットは、流体の圧縮性が、顕著になる範囲の、または、200バールを超える、好ましくは500バールを超える、より好ましくは1000バールを超える範囲の圧力を判定するよう構成されていてもよい。
【0035】
一実施形態では、第3の次元は、第1の次元に実質的に垂直であり、かつ、第2の次元に実質的に垂直である。第1の次元、第2の次元および第3の次元はすべて、互いに実質的に垂直であるのが好ましい。
【0036】
一実施形態では、変形検知器は、ひずみゲージおよび/またはひずみゲージ圧力変換器である、または、ひずみゲージおよび/またはひずみゲージ圧力変換器を備えている。ひずみゲージおよび/またはひずみゲージ圧力変換器は、当該技術で広く公知のように、市販の部品であってもよい。
【0037】
一実施形態では、本体構造は、流体路が本体構造を通って蛇行するよう、構成されている。これにより、第2の次元へと本体構造を拡長することに関与する、有効な路長(path length)を増加させることができる。
【0038】
一実施形態では、本体構造の流体路は、複数の第1のチャネル区分と、連続した第1のチャネル区分の間を結合する複数の中間または第2のチャネルとを備えている。
【0039】
各第1のチャネル区分は、流れの方向が第1の次元にあるよう方向付けられているのが好ましい。
【0040】
本発明に係る圧力判定ユニットの実施形態は、移動相中の試料流体の複合物を分離するための分離システムにおいて適用することができる。流体分離システムは、少なくとも移動相ドライブおよび分離ユニットを備えている。移動相ドライブ(好ましくはポンピングシステム)は、流体分離システム内を移動相に通過させるよう構成されている。分離ユニット(好ましくはクロマトグラフィーカラム)は、移動相内の試料流体の複合物を分離するよう構成されている。そして、圧力判定ユニットは、移動相の圧力を判定するよう構成および適用されている。圧力判定ユニットは、移動相の流体路のいずれの部分に適用されてもよい。
【0041】
分離システムはさらに、試料流体を移動相内へ導入するようにされた試料発送器、試料流体の分離された複合物を検知するようにされた検知器、試料流体の分離された複合物を収集するようにされた収集ユニット、流体分離システムから受信したデータを処理するようにされたデータ処理ユニット、および、移動相を脱気するための脱気機器の少なくとも1つを備えていてもよい。
【0042】
本発明の実施形態は、Agilent 1220、1260および1290 Infinity LCシリーズまたはAgilent 1100 HPLCシリーズ(すべて出願人であるAgilent Technologiesが提供。www.agilent.com(参照により本明細書に組み込まれる)を参照)などの、従来より市販されている大半のHPLCシステムに基づいて実施されてもよい。
【0043】
HPLCシステムの一実施形態は、流体の圧縮性が顕著になる高圧へと、ポンプ作動チャンバ内の流体を圧縮するために、ポンプ作動チャンバ内での往復運動用にピストンを有するポンピング機器を備えている。
【0044】
HPLCシステムの一実施形態は、直列または並列に結合された、2つのポンピング機器を備えている。直列の場合、上記特許文献11に開示されるように、第1のポンピング機器の出口が、第2のポンピング機器の入口に結合されており、第2のポンピング機器の出口が、ポンプの出口を提供している。並列の場合、第1のポンピング機器の入口が、第2のポンピング機器の入口に結合されており、第1のポンピング機器の出口が、第2のポンピング機器の出口に結合されており、そのようにして、ポンプの出口を提供している。いずれの場合も、第1のポンピング機器の流体出口が、第2のポンピング機器の流体出口に対して、好ましくは本質的に180度、位相シフトされており、その結果、一方のポンピング機器のみがシステムに供給し、他方が流体を(例えば供給源から)取り入れ、そのようにして、出力での連続的な流れを提供することを可能にしている。しかし、例えば、ポンピング機器の間のポンピング周期の、(より)円滑な移行を提供するために、少なくとも特定の移行期の間、ポンピング機器の両方を並列に(すなわち並行して)作動させてもよいことは明らかである。位相シフトは、流体の圧縮性の結果としての、流体の流れにおける振動を相殺するために、変動してもよい。約120度の位相シフトを有するスリーピストンポンプを使用することも公知である。他の種類のポンプも公知であって、本発明に関連して作動可能である。
【0045】
分離装置は、固定相を提供するクロマトグラフィーカラムを備えているのが好ましい。カラムは、(例えば、50μm〜5mmの直径および1cm〜1mの長さを有する)ガラス、金属、セラミックもしくは複合材料のチューブ、または(上記特許文献12に開示された)マイクロ流体カラム、または出願人であるAgilent Technologiesが提供するAgilent 1200シリーズHPLC-Chip/MSシステムであってもよい。個々の部品は、異なる速度で溶離剤とともにカラムを通って伝播する間に、固定相により別々に保持され、互いに分離する。カラムの端で、それらは少なくとも一部が溶離し、互いに分離される。全クロマトグラフィー処理の間、溶離剤は、一連の留分としても収集されてもよい。カラムクロマトグラフィーにおける固定相または吸着剤は通常、固体材料である。カラムクロマトグラフィー用の最も一般的な固定相はシリカゲルであり、次がアルミナである。セルロース粉末が、過去においては、しばしば使用されてきた。イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー(RP)、アフィニティクロマトグラフィーまたは膨張床吸着(expanded bed adsorption)(EBA)も可能である。固定相は通常、微砕粉粉末もしくはゲルであり、かつ/または、表面を増加させるために微小孔性となっており、これは、EBAでは流動床が使用されるものの、特に化学的に変更可能である。
【0046】
(流体としての)移動相(または溶離剤)は、純粋溶媒または異なる溶媒の混合物であってもよい。添加剤も含んでいてもよく、すなわち、溶媒または溶媒の混合物中の上記添加剤の溶液であってもよい。例えば、対象となる複合物の滞留、および/または、クロマトグラフィーを通る移動相の量を調節するために選択することができる。移動相は、異なる複合物を効率的に分離できるよう選択することもできる。移動相は、例えば(しばしば水で希釈された)メタノールまたはアセトニトリルのような有機溶媒を備えていてもよい。勾配演算(gradient operation)用に、水および有機化合物が別体の容器に移送され、そこから、勾配ポンプがシステムへとプログラムされた混合体を移送する。一般に使用される他の溶媒は、イソプロパノール、THF、ヘキサン、エタノール、および/または、それらの組み合わせ、または、これらと上述した溶媒との組み合わせであってもよい。
【0047】
試料流体は、あらゆる種類の処理液、果汁などの天然試料、血漿などの体液を備えていてもよく、発酵ブロス(fermentation broth)のようなものからの反応の結果であってもよい。
【0048】
流体は液体であるのが好ましいが、気体および/または(例えば上記特許文献13に開示されているような、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)で例えば使用されるような)超臨界流体であっても、または、それらを備えていてもよい。
【0049】
移動相における圧力は、2〜200Mpa(20〜2000バール)、特に10〜150Mpa(100〜1500バール)、さらに特に50〜120Mpa(500〜1200バール)の範囲であってもよい。
【0050】
HPLCシステムはさらに、試料流体の分離された複合物を検知するための検知器、試料流体の分離された複合物を出力するための分留ユニット、または、それらの組み合わせを備えていてもよい。HPLCシステムのさらなる詳細は、出願人であるAgilent Technologiesが提供する上述したAgilent HPLCシリーズに関して、参照により本明細書に組み込まれる
www.agilent.comのもとで開示されている。
【0051】
本発明の実施形態は、あらゆる種類のデータ記憶媒体(data carrier)により保存または他の方法で提供することができ、かつ、適切なデータ処理ユニットにおいて、もしくは、適切なデータ処理ユニットにより実行されてもよい、1つ以上の適切なソフトウェアプログラムにより支持されていてもよい。ソフトウェアプログラムまたはルーチンは、制御ユニットにおいて、または、制御ユニットにより好適に適用することができる。