(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基材供給手段は、前記基材の一端を着脱可能に保持する一端保持部と、前記基材に接触する挿入部材と、前記一端保持部を前記折り畳み用収容部外に位置させた状態で前記挿入部材を前記折り畳み用収容部内に挿入する挿入部材駆動部を具備する
ことを特徴とする請求項3に記載の帯状部材形成固定装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る帯状部材形成固定装置を、
図1〜16を用いて説明する。
図1は、本実施形態の帯状部材形成固定装置の一例を有する、オートリールチェンジャ10を示す正面図である。オートリールチェンジャ10は、例えば内部に電子部品を収容するキャリアテープ(被固定部材)5(
図2に示す)をリールに巻回するとともに、リールに巻回されたキャリアテープ5の外周に位置するその長さ方向の端部に、所定の長さを有するシールテープ6(
図2に示す)を固定する機能を有する。
【0019】
シールテープ6は、長尺の帯状部材の一例であり、その一端面には粘着部材が設けられている。粘着部材が設けられる面は、粘着部材の粘着力によって、キャリアテープ5に貼り付け可能に形成されている。
【0020】
図1に示すように、オートリールチェンジャ10は、具体的には、リールに巻回される前の状態のキャリアテープ5をストックするテープストック部11と、キャリアテープ5を送り出し、または、切断するテープ送出切断部12と、ロール状のシールテープ6をセットするシールテープストック部13と、キャリアテープ5をリールに巻き取る巻取部14と、キャリアテープ5を巻回する前の状態にあるリールをストックする空リールストック部15と、リールに巻回されたキャリアテープ5をストックするストッカ部16と、リールに巻回されたキャリアテープ5の端部にシールテープ6を貼り付けるシールテープ形成貼付装置(帯状部材形成固定装置)20と、装置全体の動作を制御する制御装置110を有している。なお、
図1中では、制御装置110は、上述の構成に対して外側に配置されているように示されている。これは、制御装置110をわかりやすくするためである。制御装置110の位置は、
図1に示される位置に限定されるものではなく、例えば上述の構成が収容されるハウジング1内に、収容されてもよい。
【0021】
図2は、シールテープ形成貼付装置20を示す正面図である。なお、
図2は、シールテープ形成貼付装置20を示しており、周囲に配置される、上述の各構成要素は図示を省略している。
【0022】
図2に示すように、シールテープ形成貼付装置20は、シールテープ6を保持し、かつその端部に回動可能な回動ブロック(回動部)31を有するシールテープ形成ユニット30と、シールテープ形成ユニット30が保持するシールテープ6を切断するカッタユニット40と、シールテープ6をシールテープ形成ユニット30に供給するシールテープ供給ユニット(基材供給手段)50と、シールテープ形成ユニット30の回動ブロック31の位置決めを行う位置決め機構(位置決め手段)70と、回動ブロック31に設けられて回動ブロック31にシールテープ6を選択的に吸着する吸着ユニット(吸引手段、吸着手段)80と、キャリアテープ5をシールテープ6に押し付ける押し付けユニット(押し付け手段)90を有している。
【0023】
シールテープ形成ユニット30は、ユニット本体(装置本体)32と、シールテープ6を折り畳む折り畳みユニット(保持部、折り畳み手段、圧縮手段)33と、ユニット本体32の下端部に設けられて回動可能な回動ブロック31と、ユニット本体32を選択的に移動する第1のアクチュエータ(移動手段)39を有している。
【0024】
ユニット本体32は、一例として、直線状に延びる棒形状である。ユニット本体32は、後述される第1のアクチュエータ39によって、上下方向に沿って移動可能に形成されている。ユニット本体32は、上下方向に延びている。上下方向は、重力の作用する方向に平行な方向であり、重力の作用する方向を下方向、反対方向を上方向とする。
【0025】
ユニット本体32の上端部には、折り畳み用収容部34が設けられている。折り畳み用収容部34は、シールテープ形成ユニット30の上端面の周縁部に設けられて上方に延びる縦壁部34aと、縦壁部34aの上端部に連結されて上下方向に垂直な上壁部34bを有している。
【0026】
縦壁部34aは、ユニット本体32の上端面の周縁部の一部に設けられている。より具体的には、
図2において、両側部と正面部が開口するように、図中奥に位置する縁部に設けられている。ユニット本体32の上面32aと、縦壁部34aと、上壁部34bとによって囲まれる空間に、後述される折り畳みユニット33が設けられる。
【0027】
ユニット本体32の一方の側部Aから他方の側部Bに向かう方向を前方向、反対方向を後ろ方向とし、前後方向とする。なお、前後方向は、本実施形態を説明する上で便宜上定めたものである。
【0028】
折り畳みユニット33は、折り畳み用収容部34に設けられており、シールテープ6の一端部を折り畳むとともに、保持可能に形成されている。具体的には、折り畳みユニット33は、折り畳み用収容部34内に収容されて上下方向に移動可能に形成される圧着具35と、圧着具35を移動可能に駆動する第2のアクチュエータ(駆動部)36を有している。
【0029】
図3は、圧着具35の近傍を拡大して示す正面図である。
図3に示すように、圧着具35の底面35aは、上下方向に垂直な平面である。底面35aには、圧着部(圧縮部)37が設けられている。圧着部37は、底面35aに対して下方に突出している。圧着部37は、底面35aの図中奥行方向の中間位置において、前端から後端まで延びている。底面35aに対する圧着部37の高さは、均一である。
【0030】
圧着具35は、圧着部37が折り畳み用収容部34の底面34cに当接する位置と、底面34cと圧着部37との間に後述するシールテープ6を挿入する作業に必要な作業スペースを確保できる位置の間で、上下動可能である。なお、
図2に示すように、上面32aは、底面34cと同じである。第2のアクチュエータ36は、シールテープ形成ユニット30の上壁部34b上に設置されている。
【0031】
図2に示すように、回動ブロック31は、ユニット本体32の下端部に設けられている。回動ブロック31は、ユニット本体32に、回動軸38によって支持されており、回動軸38回りに第1の回動位置P1と第2の回動位置P2(
図4に示す)の間で回動可能に形成されている。
【0032】
回動ブロック31は、保持面(回動部側保持部)31aを有している。保持面31aは、平面である。第1の回動位置P1は、保持面31aが前後方向に垂直になる位置である。第2の回動位置P2については、後で具体的に説明する。また、回動ブロック31は、第1の回動位置P1にあるときに保持面31aに対して反対側に位置する部分に、後方に突出する突出部31bが設けられている。
【0033】
回動ブロック31が第1の回動位置P1にある状態において保持面31aの下端部には、カッタ収容溝部31cが形成されている。カッタ収容溝部31cは、後述されるカッタ41を収容可能な大きさを有している。
【0034】
カッタユニット40は、シールテープ6を切断可能に形成されるカッタ41と、カッタ41が取り付けられるカッタ取付台42と、カッタ取付台42を駆動する第3のアクチュエータ(カッタ駆動部、挿入部材駆動部)43を有している。
【0035】
第3のアクチュエータ43は、進退可能なロッド44を有している。第3のアクチュエータ43は、ロッド44が前後方向に進退可能となる姿勢で配置されている。
図18に示すように、ロッド44の前端にカッタ取付台42が取り付けられている。
図18は、カッタ取付台42の近傍を拡大して示す正面図である。カッタ取付台42は、前後方向に突出する突出部45を有している。突出部45は、上下方向に垂直な板形状であり、所定の厚みを有している。突出部45の上面46は、上下方向に垂直な平面である。カッタ41は、突出部45の上面46に固定されている。カッタ41の刃は、前方に向いているとともに、上下方向に垂直な方向に延びている。カッタ41は、シールテープ6(
図2に示す)を切断するために必要な幅を有している。つまり、カッタ41の幅(図中奥行く方向の長さ)は、シールテープ6の幅よりも大きい。
【0036】
ここで、シールテープ形成ユニット30に対する第3のアクチュエータ43の位置について、具体的に説明する。まず、シールテープ形成ユニット30の移動する位置について説明する。
【0037】
シールテープ形成ユニット30は、
図4に示すように、シールテープ形成ユニット30にシールテープ6が供給される位置と、
図5に示すように、供給されたシールテープ6をカッタ41で切断する位置と、
図6に示すように、シールテープ形成ユニット30にて切断されたシールテープ6をキャリアテープ5に貼り付ける位置の間で移動する。
【0038】
本実施形態では、一例として、シールテープ形成ユニット30にシールテープ6が供給される位置と、切断されたシールテープ6をキャリアテープ5に貼り付ける位置は、同じ位置である。この位置を、第1の位置P3とする。シールテープ6を切断する位置を第2の位置P4とする。
【0039】
第3のアクチュエータ43とカッタ取付台42の上下方向の位置は、
図5においてロッド44が前進することによって、第1の回動位置P1にある回動ブロック31のカッタ収容溝部31c内にカッタ41が挿入可能な位置であって、かつ、
図13に示すように、カッタ41が前進してカッタ収容溝部31cに収容されたときに、突出部45の先端面(一端保持部)47がカッタ収容溝部31cの下端縁部31dに接触可能な位置である。なお、
図13は、
図5におけるF13領域の拡大図である。第3のアクチュエータ43の位置は、固定されている。
【0040】
図2に示すように、シールテープ供給ユニット50は、シールテープストック部13から供給されるシールテープ6を導く複数のガイドローラ、本実施形態では一例として第1のガイドローラ51と、第2のガイドローラ52と、第3のガイドローラ53と、シールテープ6を折り曲げた状態で折り畳み用収容部34内に収容する折り畳み板(挿入部材)54と、シールテープ押さえ装置55を有している。
【0041】
第1のガイドローラ51は、第3のアクチュエータ43の近傍に設けられている。第2のガイドローラ52は、第3のアクチュエータ43の下方に設けられている。第3のガイドローラ53は、第2のガイドローラ52の近傍に設けられている。
【0042】
シールテープ形成ユニット30は、初期状態として、シールテープ6の先端部が、カッタ取付台42の突出部45の先端面47に、シールテープ6の粘着力によって貼り付けられている。ガイドローラ51,52,53は、シールテープストック部13から供給されるシールテープ6を、粘着面7が突出部45の先端面47に対向する姿勢で、ガイド可能に形成されている。
【0043】
第3のガイドローラ53が第3のアクチュエータ43の下方に配置されることによって、シールテープ6は、第3のガイドローラ53から突出部45の先端面47まで、上下方向に延びている。
【0044】
折り畳み板54は、カッタ取付台42の下端面に固定されている。折り畳み板54は、カッタ取付台42の前端から前方に突出している。折り畳み板54は、上下方向に垂直な平板形状であって、所定の厚みを有している。折り畳み板54の先端は、前後方向に、カッタ41の先端と同じ位置まで延びている。
【0045】
ここで、折り畳み用収容部34の位置について、具体的に説明する。
図4に示すように、折り畳み用収容部34は、シールテープ形成ユニット30が第1の位置P3にあるとき、第3のアクチュエータ43のロッド44が前進することによって、折り畳み板54が挿入される位置に配置されている。上述したように、折り畳み用収容部34の側部A,Bは、開口しており、折り畳み板54が進入可能に形成されている。また、折り畳み板54は、折り畳み用収容部34の底面34cと圧着具35の間に挿入される。
【0046】
折り畳み板54の説明に戻る。
図7は、
図4に示すF7−F7線に沿って示すシールテープ形成貼付装置20の断面図である。
図7は、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に挿入される前の状態にある折り畳み板54と折り畳み用収容部34を上方から見た状態を示している。
図8は、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に収容された状態を、
図7と同様に示す断面図である。なお、
図7,8中では、カッタ41とカッタ取付台42と後述するシールテープ押さえ装置55の挟持部材56(
図2に示す)は説明をわかりやすくするために、省略されている。
【0047】
図7,8に示すように、折り畳み板54には、ガイド凹部54aと、圧着部37が通る貫通溝部54bが形成されている。
図2に示すように、シールテープ形成貼付装置20の初期状態では、折り畳み板54は、カッタ取付台42の突出部45先端面47に固定された状態にあるシールテープ6に対向している。この状態で折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に挿入されることによって、折り畳み板54がシールテープ6を折り畳み用収容部34内に押し込む。
【0048】
ガイド凹部54aは、折り畳み板54によってシールテープ6が折り畳み用収容部34内に押し込まれる際に、シールテープ6を保持可能に形成されている。具体的には、ガイド凹部54aは、折り畳み板54の先端面に開口するとともに、先端面から後方に向かって延びている。ガイド凹部54aは、シールテープ6を収容可能な幅を有している。
【0049】
貫通溝部54bは、ガイド凹部54aの底面からさらに後方に延びており、折り畳み板54を厚み方向に貫通している。貫通溝部54bは、圧着部37が折り畳み用収容部34の底面34cに接触する位置まで圧着具35が下方に移動した際に、圧着部37が挿通可能に形成されている。このため、
図8に示すように折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に挿入された状態では、圧着部37と貫通溝部54b内に収容される。
【0050】
図2に示すように、シールテープ押さえ装置55は、カッタ取付台42において折り畳み板54の下方の部分に固定されている。シールテープ押さえ装置55は、シールテープ6をシールテープ形成ユニット30との間で挟持する棒形状の挟持部材56と、挟持部材56を進退可能に収容する収容部57と、収容部57内に配置された挟持部材56を外側に付勢するばね部材58を有している。収容部57は、挟持部材56の進退方向が前後方向に平行となる姿勢で、カッタ取付台42に固定されている。
【0051】
挟持部材56は、第3のアクチュエータ43のロッド44が、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に最後まで収容される前の状態まで延びたときに、折り畳み用収容部34において折り畳み板54の下方の部分に接触可能に形成されている。
【0052】
図17は、挟持部材56がシールテープ形成ユニット30に接触した後、第3のアクチュエータ43のロッド44がさらに前進した状態を拡大して示す正面図である。挟持部材56がシールテープ形成ユニット30に接触した後、第3のアクチュエータ43のロッド44がさらに前進することによって、
図17に示すように、挟持部材56がばね部材58の付勢力に抗って収容部57内に進入しながら、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に収容される。
【0053】
図2に示すように、位置決め機構70は、回動ブロック31を回動軸38回りに第1の回動位置P1から第2の回動位置P2に向かって付勢するばね部材71と、バー部材72を有している。ばね部材71の一端は、シールテープ形成ユニット30のユニット本体32の下端部に固定されている。ばね部材71の他端は、回動ブロック31に固定されている。
【0054】
バー部材72は、第2の位置P4にあるシールテープ形成ユニット30の回動ブロック31の突出部31bに上方から当接することによって回動ブロック31を回動軸38回りに回動して第1の回動位置P1に回動させる位置に配置されている。バー部材72は、上下方向と前後方向とに垂直な幅方向に延びている。
【0055】
吸着ユニット80は、回動ブロック31の保持面31aに開口する吸着孔81と、吸着孔81に連通する吸着配管82と、吸着配管82内に負圧を作用させる負圧発生ポンプ83を有している。
【0056】
押し付けユニット90は、キャリアテープ5がリールに巻き取られる際にその走行をガイドするキャリアテープガイド100に設けられている。押し付けユニット90は、押圧具91と、押圧具91を駆動する第4のアクチュエータ92を有している。第4のアクチュエータ92は、
図6に示すように、キャリアテープ5を、第1の位置P3にあるシールテープ形成ユニット30の回動ブロック31が保持するシールテープ6に押圧可能に形成されている。
【0057】
ここで、回動ブロック31の第2の回動位置P2について具体的に説明する。まず、キャリアテープ5の姿勢について、説明する。
図2に示すように、キャリアテープ5は、キャリアテープガイド100によって、リールに巻き取られる際の走行がガイドされている。走行がガイドされる際のキャリアテープ5の姿勢は上下方向に対して傾斜する姿勢である。
【0058】
図4は、第2の回動位置P2にある回動ブロック31が示されている。
図4に示すように、第2の回動位置P2は、保持面31aがキャリアテープ5に平行になる位置である。カッタ収容溝部31cは、保持面31aに形成されている。このため、保持面31aがキャリアテープ5に平行な姿勢になることによって、回動ブロック31に支持されるシールテープ6とキャリアテープ5とが互いに押し付け合うときに、カッタ収容溝部31cは、キャリアテープ5に干渉することはない。
【0059】
制御装置110は、アクチュエータ39,36,43,92と、負圧発生ポンプ83の動作を制御可能に形成される。
【0060】
次に、シールテープ形成貼付装置20の動作を説明する。
図2は、シールテープ形成貼付装置20が初期状態にある状態を示している。初期状態ではシールテープ形成ユニット30が第2の位置P4に移動し、圧着具35が上方に移動し、第3のアクチュエータ43のロッド44が後方に移動している。
【0061】
シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4にある状態では、回動ブロック31の突出部31bがバー部材72に接触することによって、回動ブロック31が第1の回動位置P1に位置決められる。また、シールテープ6の先端部は、カッタ取付台42の突出部45の先端面47に、シールテープ6の粘着力によって貼り付けられている。
【0062】
制御装置110は、
図9に示すように、第1のアクチュエータ39を制御して、シールテープ形成ユニット30を、第1の位置P3に移動する。シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4から第1の位置P3に移動する際に、回動ブロック31の突出部31bがバー部材72から離れる。突出部31bがバー部材72から離れると、ばね部材71の引っ張り力によって、回動ブロック31が回動軸38回りに第2の回動位置P2まで回動する。
【0063】
シールテープ形成ユニット30が第1の位置P3に到達すると、制御装置110は、折り畳み板54を折り畳み用収容部34内に挿入するべく、第3のアクチュエータ43を駆動する。第3のアクチュエータ43のロッド44が前進することによって、折り畳み板54が前進する。このとき、シールテープ6は、折り畳み板54のガイド凹部54a(
図7に示す)内に進入する。そして、
図4に示すように、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内において底面34cと圧着具35との間に挿入される。シールテープ6がガイド凹部54a内に入り込むことによって、折り畳み板54が前進しても、シールテープ6がガイド凹部54aから外れることが防止される。
【0064】
図3に示すように、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に挿入されている最中に、シールテープ押さえ装置55の挟持部材56がシールテープ6を挟んだ状態でシールテープ形成ユニット30に押し付けられる。このことによって、シールテープ6において折り畳み板54に対して下方に位置する部分は、挟持部材56とシールテープ形成ユニット30の間に挟持されて固定される。
【0065】
挟持部材56とシールテープ形成ユニット30との間にシールテープ6が挟持されて固定された後も第3のアクチュエータ43のロッド44が前進することによって、挟持部材56が収容部57内に退避する。このことによって、ロッド44の前進運動が阻害されることはない。
【0066】
また、挟持部材56とシールテープ形成ユニット30との間にシールテープ6が挟持されて固定されることによって、シールテープ6が繰り出されなくなる。このため、さらに折り畳み板54が折り畳み用収容部34内を前進することによって、折り畳み板54によってシールテープ6が引っ張られると、その張力によって、シールテープ6がカッタ取付台42の突出部45の先端面47から剥がれる。
【0067】
また、シールテープ6は、折り畳み板54のガイド凹部54a(
図7に示す)の底面54c(
図7に示す)に当接することによって、粘着面を内側に向けた姿勢で、底面54c(
図7に示す)に当接する部分で折り曲げられた状態となる。
【0068】
なお、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に最後まで挿入される位置まで移動されると、カッタ41は、圧着具35に形成されるカッタ収容部48内に進入する。カッタ収容部48は、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に挿入される際に、カッタ41が圧着具35に接触することを防止するために、カッタ41の進行方向に沿って凹んだ形状に形成されている。
【0069】
折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に最後まで挿入されると、制御装置110は、
図10に示すように、第2のアクチュエータ36を制御して、圧着具35を下方に移動する。圧着具35が下方に移動することによって、圧着具35の下端に形成される圧着部37が、折り曲げられたシールテープ6を間に挟んだ状態で、折り畳み板54の貫通溝部54b内に進入する。このことによって、シールテープ6は、圧着部37と折り畳み用収容部34の底面34cとの間で圧着されて折り畳まれる。シールテープ6は、折り畳まれると、シールテープ6の粘着力によって互いに固定されるので、折り畳まれた状態が維持される。
【0070】
制御装置110は、第2のアクチュエータ36を制御して、圧着部37と底面34cとの間にシールテープ6が挟持された状態を維持することによって、シールテープ6において折り畳まれた部分を、折り畳み用収容部34内に保持する。
【0071】
圧着具35によってシールテープ6が折り畳まれると、
図11に示すように、制御装置110は、第3のアクチュエータ43を制御して、折り畳み板54を折り畳み用収容部34から引き抜く。圧着部37の高さは、折り畳み板54の厚みよりも大きい。このため、圧着部37と底面34cとの間でシールテープ6が挟持されている状態であっても、折り畳み板54を引き抜くことができる。
【0072】
折り畳み板54が折り畳み用収容部34から引き抜かれると、制御装置110は、第1のアクチュエータ39を制御して、シールテープ形成ユニット30を、
図12に示すように、第2の位置P4に移動する。シールテープ6は、圧着部37と折り畳み用収容部34の底面34cの間に挟持されているため、シールテープ形成ユニット30が第1の位置P3から第2の位置P4に移動する際に、繰り出される。
【0073】
また、シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4に移動すると、回動ブロック31の突出部31bがバー部材72に押圧されることによって、回動ブロック31が第1の回動位置P1に回動する。さらに、シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4に保持されることによって、回動ブロック31が第1の回動位置P1に保持される。
【0074】
シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4に移動すると、吸着孔81とカッタ収容溝部31cは、繰り出されたシールテープ6によって覆われる。シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4に移動されると、制御装置110は、
図5に示すように、シールテープ6を切断するべく、第3のアクチュエータ43を駆動してロッド44を前進させる。
【0075】
ロッド44が前進することによって、カッタ41が、カッタ収容溝部31cに挿入される。このとき、
図13に拡大して示すように、シールテープ6にカッタ41が押し付けられることによって、シールテープ6が切断される。
【0076】
制御装置110は、第3のアクチュエータ43の駆動を開始するときに、同時に、吸着ユニット80の負圧発生ポンプ83を駆動する。負圧発生ポンプ83が駆動されることによって、保持面31aに開口する吸着孔81に負圧が作用する。
【0077】
また、カッタ41がカッタ収容溝部31c内に挿入されると、カッタ取付台42の先端面47とカッタ収容溝部31cの下端縁部31dとの間に、シールテープ6が挟持される。シールテープ6は、カッタ取付台42の先端面47と下端縁部31dとの間に挟持されることによって、粘着面7が先端面47に押し付けられる。このことによって、リールに巻回される側のシールテープ6の先端部が、カッタ取付台42の先端面47に固定される。つまり、初期状態と同じ状態になる。
【0078】
カッタ41によって切断されたシールテープ6は、吸着孔81に作用する負圧によって、保持面31aに吸着されて保持される。シールテープ6が切断されると、制御装置110は、
図14に示すように、第3のアクチュエータ43を制御して、カッタ41を後退させる。
【0079】
カッタ41がカッタ収容溝部31cから引き抜かれると、制御装置110は、
図6に示すように、シールテープ形成ユニット30を、第1の位置P3に移動する。シールテープ形成ユニット30が第2の位置P4から第1の位置P3に移動する際に、バー部材72が回動ブロック31の突出部31bから離間して、ばね部材71の作用により
回動軸38回りに第1の回動位置P1(
図5に示す)から第2の回動位置P2(
図6に示す)に向かって付勢されることによって、回動ブロック31が第1の回動位置P1から第2の回動位置P2に回動する。
【0080】
回動ブロック31の回動に合わせて、シールテープ6に対して吸着孔81が移動する。吸着孔81を通してシールテープ6に作用する吸引力は、回動ブロック31の回動に伴って吸着孔81がシールテープ6上を移動できる程度に設定されている。
【0081】
シールテープ6が第1の位置P3に移動されると、回動ブロック31の保持面31aは、キャリアテープ5に平行となる。制御装置110は、
図15に示すように、第4のアクチュエータ92を制御して、押圧具91を押し上げる。押圧具91が押し上げられることによって、キャリアテープ5が回動ブロック31に保持されたシールテープ6に押し付けられる。
【0082】
シールテープ6の粘着面7は、キャリアテープ5側に向いているため、シールテープ6にキャリアテープ5が押し付けられると、シールテープ6の粘着力によって、キャリアテープ5がシールテープ6に貼り付けられる。シールテープ6がキャリアテープ5に貼り付けられると、制御装置110は、
図16に示すように、第4のアクチュエータ92を制御して、押圧具91を下げる。
【0083】
制御装置110は、押圧具91が下げられると、第2のアクチュエータ36を駆動して圧着具35を上方に移動して圧着部37と底面34cとによるシールテープ6の挟持を解除するとともに、負圧発生ポンプ83の駆動を停止して吸着孔81によるシールテープ6の保持を解除する。
【0084】
シールテープ6の保持が解除されると、制御装置110は、キャリアテープ5をリールに巻回するべく、巻取部14(
図1に示す)を駆動する。巻取部14が駆動されることによって、シールテープ6は、巻回されるキャリアテープ5に追随して引き込まれる。
【0085】
このように構成されるシールテープ形成貼付装置20は、回動ブロック31を有するとともに、カッタ収容溝部31cが、回動ブロック31が第2の回動位置P2にあるときにシールテープ6をキャリアテープ5に貼り付ける作業を邪魔しない位置に設けられている。
【0086】
このため、シールテープ形成貼付装置20の構成を簡素にするとともに大型化することを防止できる。この点について、具体的に説明する。例えば、ユニット本体32に回動ブロック31を設けない場合は、ユニット本体32に対して別の構成となる、カッタ収容溝部31cを有するカッタダイスが必要になる。このカッタダイスは、シールテープ6の他端部を切断するために、ユニット本体32の下端部の近傍に位置する必要がある。さらに、カッタダイスは、切断された後のシールテープ6をキャリアテープ5に貼り付ける際に、この作業を邪魔することがないように、ユニット本体32から離れる必要がある。このため、カッタダイスを移動するためのアクチュエータが必要になる。
【0087】
このように、回動ブロック31を用いず、カッタダイスと、カッタダイスを移動するアクチュエータを有する構造では、その構成が複雑になる。また、カッタダイスとアクチュエータを備えるために装置が大型するとともに、カッタダイスの移動スペースを確保する必要があるため、装置がさらに大型化する。しかしながら、本実施形態では、シールテープ形成貼付装置20が回動ブロック31を有するため、構成を簡素にするとともに大型化することを防止できる。
【0088】
また、シールテープ形成貼付装置20が折り畳みユニット33を有するので、シールテープ6の端部を折り畳むことができる。シールテープ6の端部を折り畳むことによって、折り畳まれた端部は粘着面7が互いに向かい合い、それゆえ、この端部を作業者がつかんでもシールテープ6の粘着力によって作業者の手に貼り付くことがない。
【0089】
このため、キャリアテープ5に貼り付けられたシールテープ6を引っ張ることによってリールに巻回されたキャリアテープ5を引き出す作業の効率を向上することができる。
【0090】
また、折り畳みユニット33は、折り畳み用収容部34にシールテープ6を収容した後、このシールテープ6の端部を圧縮することによって折り畳むので、シールテープ6を効率よく折り畳むことができる。
【0091】
また、シールテープ供給ユニット50は、折り畳み板54でシールテープ6を折り畳み用収容部34内に押し込むため、シールテープ6が折り畳み板54によって折り曲げられた状態で折り畳み用収容部34内に供給される。このため、シールテープ6を効率よく折り畳むことができる。
【0092】
さらに、折り畳み板54が折り畳み用収容部34内に挿入される際に、シールテープ6の一端部がカッタ取付台42の先端面47に貼り付けられていることによって、シールテープ6を折り曲げやすくなる。さらに、シールテープ押さえ装置55によってシールテープ6が固定されるので、折り畳み用収容部34内でシールテープ6を折り曲げやすくするとともに、カッタ取付台42の先端面47に固定されたシールテープ6を自動的に剥がすことができる。
【0093】
また、折り畳み板54に貫通溝部54bが設けられることによって、折り畳み板54を折り畳み用収容部34内に挿入した状態で、言い換えると、折り畳み板54によってシールテープ6を折り曲げた状態を維持しながら、シールテープ6を折り畳むことができる。このため、シールテープ6を効率よく折り畳むことができる。
【0094】
また、折り畳みユニット33は、シールテープ6を折り曲げた後、折り曲げられたシールテープ6を保持する保持部としても機能する。このため、シールテープ形成ユニット30の構成を簡素にすることができる。
【0095】
また、第3のアクチュエータ43は、カッタ41を移動する機能と折り畳み板54を移動する機能を有している。このため、カッタ41と折り畳み板54をそれぞれ移動するために、各々別々にアクチュエータを設ける必要がない。このため、シールテープ形成貼付装置20の構成を簡素にすることができる。
【0096】
また、回動ブロック31にシールテープ6の他端部を保持する手段として、吸着ユニット80を設けている。吸着ユニット80によってシールテープ6が吸引されることによって保持面31aに保持される。このため、回動ブロック31が回動することによって吸着孔81とシールテープ6の他端部との相対位置が変化した場合に、その変化中においても、シールテープ6を保持面31aに保持し続けることができる。
【0097】
保持面31aが平面であることによって、保持面31aをキャリアテープ5に貼り付けるために適した姿勢にしたときに、カッタ収容溝部31cがキャリアテープ5に干渉することがない。言い換えると、本実施形態のように、保持面31aが平面であると、保持面31aがキャリアテープ5に平行になったときに、カッタ収容溝部31cがキャリアテープ5に干渉することがない。
【0098】
このため、保持面31aを平面にすることによって、保持面31aをキャリアテープ5に貼り付けるために適した姿勢にするだけで、同時に、回動ブロック31は、カッタ収容溝部31cがキャリアテープ5に干渉しない位置に回動されるようになる。つまり、保持面31aをキャリアテープ5に貼り付けるために適した位置に回動ブロック31を回動するだけでよいので、第2の回動位置P2の決定を容易に行うことができる。
【0099】
また、第2の位置P4に対して第1の位置P3が下方に位置して、シールテープ6の一端部が折り畳みユニット33に保持された後にシールテープ6の他端部が切断されることによって、切断された他端部は、重力によって自然に垂れ下がり、保持面31aと対向するようになる。
【0100】
なお、本実施形態では、切断される前の状態のシールテープ6は、基材の一例であり、切断された後のシールテープ6は、帯状部材の一例である。
【0101】
また、切断された後のシールテープ6は、重力によって垂れ下がることにより、他端部が保持面31aに対向するようになるので、他端部が確実に保持面31aに吸着される。このため、切断された後のシールテープ6の他端部を保持面31aに導くための機構が不要となるので、シールテープ形成貼付装置20の構成を簡素にすることができる。
【0102】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
以下に、本願出願の当初の特許請求範囲に記載された発明を付記する。
[1]
帯状の基材を所定の長さに切断して帯状部材を形成するとともに、形成された前記帯状部材を被固定部材に固定する帯状部材形成固定装置であって、
前記帯状の基材の一端部側を保持する保持部を有する装置本体と、
前記装置本体に前記帯状の基材の一端部側を供給する基材供給手段と、
前記装置本体の端部に設けられる回動部であって、前記帯状部材を保持する回動部側保持部と、前記帯状の基材を切断する第1の回動位置にあるときに前記回動部側保持部を挟んで前記装置本体に対して反対側であって前記帯状の基材と重なる部分であり、かつ、前記帯状部材を前記被固定部材に固定するべく前記被固定部材に相対的に押し付けられる第2の回動位置にあるときに前記被固定部材に干渉しない部分に設けられるカッタ収容溝部を具備して、前記第1の回動位置と前記第2の回動位置との間で回動可能な回動部と、
カッタと、
前記カッタを、前記第1の回動位置に位置決められる前記回動部の前記カッタ収容溝部内に移動して前記帯状の基材を切断するカッタ駆動部と、
前記カッタによって前記帯状の基材が切断されて前記帯状部材が形成された後、前記装置本体と前記被固定部材とを、前記帯状部材を前記被固定部材に固定する固定位置に相対的に移動する移動手段と、
前記帯状の基材を切断するときに前記回動部を前記第1の回動位置に位置決めし、かつ、前記帯状部材を前記被固定部材に固定するときに前記回動部を前記第2の回動位置に位置決めする位置決め手段
を具備することを特徴とする帯状部材形成固定装置。
[2]
前記基材の一端部を折り畳む折り畳み手段を具備し、
前記装置本体の前記保持部は、前記折り畳み手段によって折り畳まれた前記基材の一端部を保持する
ことを特徴とする[1]に記載の帯状部材形成固定装置。
[3]
前記折り畳み手段は、前記装置本体に形成される折り畳み用収容部を具備し、
前記基材供給手段は、前記基材を折り曲げられた姿勢で前記折り畳み用収容部内に収容し、
前記折り畳み手段は、前記折り畳み収容部内で前記基材を折り曲げ方向に圧縮して折り畳む圧縮手段を具備する
ことを特徴とする[2]に記載の帯状部材形成固定装置。
[4]
前記基材供給手段は、前記基材の一端を着脱可能に保持する一端保持部と、前記基材に接触する挿入部材と、前記一端保持部を前記折り畳み用収容部外に位置させた状態で前記挿入部材を前記折り畳み用収容部内に挿入する挿入部材駆動部を具備する
ことを特徴とする[3]に記載の帯状部材形成固定装置。
[5]
前記挿入部材は、貫通する貫通溝部を具備し、
前記圧縮手段は、前記貫通溝部を通して前記収容部の内面との間で前記基材を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する駆動部とを具備する
ことを特徴とする[4]に記載の帯状部材形成固定装置。
[6]
前記圧縮手段は、前記基材の一端部を折り畳んだ後、前記基材の一端部を挟持することによって保持し、前記保持部として機能する
ことを特徴とする[3]から[5]のうちのいずれか1に記載の帯状部材形成固定装置。
[7]
前記挿入部材駆動部は、前記カッタ駆動部として機能する
ことを特徴とする[4]に記載の帯状部材形成固定装置。
[8]
回動部側保持部は、前記回動部の表面に設けられる保持面と、前記帯状部材を前記保持面に吸着させる吸着手段とを具備する
ことを特徴とする[1]に記載の帯状部材形成固定装置。
[9]
前記吸着手段は、前記保持面を通して前記基材を吸引する吸引手段である
ことを特徴とする[8]に記載の帯状部材形成固定装置。
[10]
前記装置本体と前記被固定部材とが前記固定位置にあるときに、前記帯状部材と前記被固定部材とを互いに相対的に押し付け合う押し付け手段を具備する
ことを特徴とする[1]に記載の帯状部材形成固定装置。