特許第6274263号(P6274263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイコム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6274263-中継装置 図000002
  • 特許6274263-中継装置 図000003
  • 特許6274263-中継装置 図000004
  • 特許6274263-中継装置 図000005
  • 特許6274263-中継装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274263
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20180129BHJP
   H04W 68/00 20090101ALI20180129BHJP
【FI】
   H04M3/00 B
   H04W68/00
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-127353(P2016-127353)
(22)【出願日】2016年6月28日
(62)【分割の表示】特願2012-283576(P2012-283576)の分割
【原出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-192791(P2016-192791A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123940
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 辰一
(72)【発明者】
【氏名】園部 博崇
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−268153(JP,A)
【文献】 特開2011−135290(JP,A)
【文献】 特開2007−295135(JP,A)
【文献】 特開2009−171400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04M 1/00、
1/24− 3/00、
3/16− 3/20、
3/38− 3/58、
7/00− 7/16、
11/00−11/10、
99/00
H04W 4/00− 8/24、
8/26−16/32、
24/00−28/00、
28/02−72/02、
72/04−74/02、
74/04−74/06、
74/08−84/10、
84/12−88/06、
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末無線機と通信する中継用無線機が接続される無線機インタフェースと、
データ通信網であるネットワークに接続され、該ネットワークに接続された他の機器から、通信要求および前記端末無線機の一つを指定する無線機指定情報をSIPプロトコルのINVITEメッセージの形式で受信するネットワークインタフェースと、
前記無線機インタフェースおよびネットワークインタフェースに接続される制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記無線機指定情報と前記中継用無線機が音声信号とともに送信する呼出コードとを対応づけたテーブルを備え、
前記他の機器から前記INVITEメッセージを受信したとき、このINVITEメッセージに含まれている前記無線機指定情報を読み出し、読み出された無線機指定情報で前記テーブルを検索して対応する呼出コードを読み出し、読み出された呼出コードを前記無線機インタフェースを介して前記中継用無線機に送信し、該呼出コードを含む音声信号を送信するよう前記中継用無線機に指示する
中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線機に対する他の無線機や電話機からの通信をネットワークを介して中継する中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
相互に電波が到達しないエリアのトランシーバ同士が通信できるように、LANなどのネットワークで通信を中継する中継装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。また、特許文献1のシステムでは、中継装置の中継により、トランシーバと電話機との通信をも可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−135290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のシステムでは、1台の中継装置に対して複数のトランシーバが通信を行い、トランシーバを指定できないため、この中継装置を介した通信は、この中継装置に接続される全てのトランシーバに聴かれてしまう。
【0005】
そこで、中継装置からトランシーバを個別に呼び出して通信し、他のトランシーバに通信内容を傍受できないようにすることが考えられる。電話機の場合、外線番号+内線番号のように複数回のダイヤルは通常行われることであり、複数回のダイヤルで任意の通信相手(トランシーバ)を指定できることが望まれる。一方、携帯トランシーバ等の無線機の場合、片手で操作されボタン数も少ないため、簡単な操作で手早く目的の相手装置を個別呼出できることが望まれる。
【0006】
この発明は、電話機による着信とトランシーバからの着信の両方に対応して個別呼出ができるようにした中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の中継装置は、複数の端末無線機と通信する中継用無線機が接続される無線機インタフェースと、データ通信網であるネットワークに接続され、該ネットワークに接続された他の機器から、通信要求および前記端末無線機の一つを指定する無線機指定情報をSIPプロトコルのINVITEメッセージの形式で受信するネットワークインタフェースと、無線機インタフェースおよびネットワークインタフェースに接続される制御部と、を備える。制御部は、無線機指定情報と中継用無線機が音声信号とともに送信する呼出コードとを対応づけたテーブルを備え、他の機器からINVITEメッセージを受信したとき、このINVITEメッセージに含まれている無線機指定情報を読み出し、読み出された無線機指定情報でテーブルを検索して対応する呼出コードを読み出し、読み出された呼出コードを無線機インタフェースを介して中継用無線機に送信し、この呼出コードを含む音声信号を送信するよう中継用無線機に指示する。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、INVITEメッセージに含まれている無線機指定情報で端末無線機を指定して端末無線機に対して個別呼出を行う。これにより、簡略な手順で通信を成立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施形態である中継装置が適用される通信システムの構成図である。
図2】端末無線機であるトランシーバの記憶内容を示す図である。
図3】中継装置のブロック図である。
図4】中継装置の記憶部の記憶内容を示す図である。
図5】中継装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照してこの発明の中継装置が用いられる通信システムについて説明する。図1は、通信システムの構成図である。この通信システムは、中継装置2を用いて、端末無線機であるトランシーバ4相互の通話、および、トランシーバ4とIP電話機6または電話機8との間の通話を可能にしたシステムである。
【0012】
ネットワーク1はたとえばEthernet(登録商標)で構成されるLANやインターネットが適用可能である。このネットワーク1に複数の中継装置2(図1では2台)の中継装置2が接続されている。各中継装置2(2A,2B)は、それぞれ異なる通信エリアA,Bをカバーしている。中継装置2には、中継用無線機であるレピータ3(3A,3B)が接続されている。レピータ3は、据え置き型のトランシーバであり、いわゆるプッシュ・トゥ・トーク(Push to Talk:PTT)形式の半二重通信機器であっても、送受信を同時に行うことができる全二重通信機器であってもよい。レピータ3の通信圏内には、1または複数台(図示では2台)のトランシーバ4(4A−1,2、4B−1,2)が存在している。
【0013】
レピータ3とトランシーバ4とは相互に通信可能な形式のデジタルトランシーバである。デジタルトランシーバは、デジタル信号に変換された音声信号やデータを無線で送受信する。また、音声信号の送受信と同時に並行して宛先情報などの制御情報を送受信することができる。レピータ3は、トランシーバ4から受信したデジタル信号をパケット化して中継装置2に入力するとともに、中継装置2から入力されたパケットから音声信号や制御情報を取り出し、この音声信号や制御情報を時間軸のデジタル信号に変換して送信する。レピータ3が本発明の中継用無線機に対応し、トランシーバ4が本発明の端末無線機に対応する。
【0014】
また、ネットワーク1には、IP電話機6およびVoIPゲートウェイ7が接続されている。VoIPゲートウェイ7には電話機8が接続されている。VoIPゲートウェイは、ネットワーク1を介して音声信号を伝送するVoIP(Voice over Internet Protocol)手順と音声通話装置である電話機8とを中継するゲートウェイ装置である。
【0015】
以下の実施形態では、IP電話機6、電話機8、または、トランシーバ4B−1,2が、トランシーバ4A−1または4A−2と通信するために、中継装置2Aに対して通信要求を送ってくる場合について説明する。
【0016】
中継装置2は、簡易SIPサーバ機能を内蔵しており、以下のよう動作する。レピータ3を介してトランシーバ4から受信した信号に通信先の情報が含まれている場合、この通信先をTOヘッダに書き込んだINVITEメッセージを相手装置に送信する。また、他の機器からINVITEメッセージを受信した場合、このINVITEメッセージにトランシーバ4を指定する無線機識別情報が含まれていれば、このINVITEメッセージで指定されたトランシーバ4をレピータ3に呼び出させる。また、受信したINVITEメッセージにトランシーバ4を指定する無線機識別情報が含まれていない場合には、相手装置に無線機識別情報(セカンドダイヤル)を要求し、これに応じて送られてきた無線機識別情報で指定されるトランシーバ4をレピータ3に呼び出させる。
【0017】
トランシーバ4は、図2に示すように、自局を識別するID(無線機識別情報)、および、自局が所属するグループ番号を記憶しており、受信したデジタル信号に宛先情報として自局のIDまたは自局が所属するグループ番号が埋め込まれていれば、この信号を復調して音声信号をスピーカ等から出力する。また受信したデジタル信号に自局のIDまたは自局が所属するグループ番号が埋め込まれていない場合には、このデジタル信号を破棄する。なお、自局のIDや自局が所属するグループ番号は、受信した音声信号中に、たとえばスケルチコードとして挿入されている。
【0018】
図3は、中継装置2のブロック図である。また、図4は、記憶部24の記憶内容を示す図である。中継装置2は、制御部20を有するとともに、下流(レピータ3側)の端部に無線機インタフェース21、および、上流(ネットワーク1側)の端部にネットワークインタフェース22を備えている。無線機インタフェース21、ネットワークインタフェース22ともに、たとえばEthernet(登録商標)の物理層のコネクタなどが適用可能であり、デジタル通信の物理層やデータリンク層を担当する。
【0019】
無線機インタフェース21は、レピータ3から入力されたパケットを制御部20に入力するとともに、制御部20から入力されたパケットをレピータ3に転送する。ネットワークインタフェース22は、ネットワーク1経由で受信した他の機器からのパケットを制御部20に入力するとともに、制御部20から入力されたパケットをネットワーク1に送出する。
【0020】
制御部20は、マイコン等で構成され、機能的に、SIP処理部23、記憶部24、上りパケット処理部25および下りパケット処理部26を備えている。記憶部24には、図4に示す自局IPアドレス記憶エリア200、自局電話番号記憶エリア201、接続情報デーブル202、および、無線機番号テーブル203が設定されている。
【0021】
SIP処理部23は、トランシーバ4がネットワーク1上の他の機器と通信できるように以下の処理を実行する。レピータ3経由でトランシーバ4から発信要求を受信したとき、この発信要求に含まれている通信相手指定情報に基づいて、INVITEメッセージを編集して相手装置に送信する。
【0022】
記憶部24に設定されている接続情報テーブル202は、通信相手指定情報で識別される(他の中継装置2に接続されている)トランシーバ4と接続するための、接続情報を記憶している。すなわち、接続情報テーブル202には、通信相手のトランシーバ4に接続するための接続情報として、呼出種別(呼出がグループ呼出であるか個別呼出であるかの種別)および通信相手のトランシーバ4を識別するIDが記憶され、さらに、このトランシーバ4が接続される中継装置2のIPアドレスが記憶されている。
【0023】
SIP処理部23は、レピータ3経由でトランシーバ4から発信要求を受信したとき、この発信要求に含まれる通信相手指定情報に対応する接続情報を用いてINVITEメッセージを編集する。すなわち、IDとIPアドレスを組み合わせてURIを作成し、宛先(TOヘッダの内容)とする。たとえば、図4の接続情報テーブル202において、通信相手識別情報が*1であったとすると、URIは*0002@192.168.0.zzとなる。このように、トランシーバ4は簡略な通信相手識別情報(たとえば*1)を送信するのみで、通信相手を直接指定したINVITEメッセージを編集して送信することができる。
【0024】
また、ネットワーク1からINVITEメッセージを受信したとき、SIP処理部23は、そのINVITEメッセージのTOヘッダの情報に基づいて、自己の配下にあるトランシーバ4のうちどのトランシーバ4に対する呼び出しであるかを判断する。すなわち、TOヘッダに書き込まれているURIのうちのユーザパート(@よりも前の部分)を読み出し、これが「0000」でない、すなわち中継装置2自身を指定するものでない場合、このユーザパートをIDとして無線機番号テーブル203を検索して対応するトランシーバ4(無線機番号)を割り出す。無線機番号をレピータ3に転送し、割り出されたトランシーバ4に対して個別呼出を行うようレピータ3に指示を出す。また、URIのユーザパートが中継装置2を指定する「0000」であった場合には、発信元の機器に対してセカンドダイヤル(IDの送信)を要求する信号を返信して、この機器からIDを受信する。そして、受信したユーザ情報をIDとして無線機番号テーブル203を検索して対応するトランシーバ4を割り出す。割り出されたトランシーバ4に対して個別呼出を行うようレピータ3に指示を出す。こののち、SIP手順を進めて、通信(通話)のセッションを確立する。
【0025】
上りパケット処理部25は、通話セッション中に無線機インタフェース21を介してレピータ3から入力された上りの音声パケットから音声信号を読み出してRTPパケットに変換してネットワークインタフェース22に転送する処理を行う。下りパケット処理部26は、VOX(Voice Operated Relay)機能を有し、通話セッション中にネットワークインタフェース22から入力されたRTPパケットに含まれるオーディオ信号のレベルおよび持続時間を監視する。入力されたオーディオ信号のレベルおよび持続時間が、所定のしきい値以上になったとき、相手機器から発話音声が入力されているとして、このRTPパケットを、音声信号に呼出情報を埋め込んだ音声パケットに変換してレピータ3に転送する。レピータ3は、中継装置2から音声パケットが入力されると、PTTをオンしてこの音声パケットに含まれる音声信号を送信する。
【0026】
レピータ3とトランシーバ4との間で送受される無線機番号や通信相手指定情報などのデジタル信号は、音声信号の合間にある制御情報領域に書き込まれる。またスケルチコードとして無線機番号を書き込んでもよい。無線機番号が書き込まれたデジタル信号は、その無線機番号で識別されるトランシーバ4のみによって復調・再生される。この機能を利用して上記の選択呼出による個別通話を実現している。
【0027】
なお、上では、URIのユーザパートに通信相手のIDを書き込んだINVITEメッセージを送信することによって、通信相手を直接指定する例について説明したが、URIのユーザパートは中継装置2を指定するもの「0000」に固定しておき、TOヘッダのディスプレイネーム(Display Name)欄に通信相手のIDを書き込んで通信相手を直接指定するようにしてもよい。
【0028】
図5のフローチャートを参照して中継装置2のINVITEメッセージ受信時の動作を説明する。ネットワークインタフェース22を介してINVITEメッセージを受信したときこの処理が実行される。まず、受信したINVITEメッセージのTOヘッダ中にトランシーバ4を指定するIDが含まれているかを判定する(S10)。TOヘッダにIDが含まれている場合には(S10でYES)、トランシーバ4を直接指定するINVITEメッセージであるとして、無線機番号テーブル203を検索する(S11)。無線機番号テーブル203にこのIDが登録されている場合には(S12でYES)、無線機番号テーブルから対応する無線機番号を読み出し(S13)、この無線機番号をレピータ3に転送して対応するトランシーバ4に対して個別呼出をかけるよう指示する(S14)。こののち、このトランシーバ4と通信の相手機器との間で通話セッションが確立されるようにSIP手順を進める。なお、TOヘッダに含まれていたIDが無線機番号テーブル203に登録されていなかった場合には(S12でNO)、相手機器に対してBUSYを返信し(S15)、処理を終了する。
【0029】
一方、受信したINVITEメッセージにトランシーバ4を指定するIDが含まれていなかった場合には(S10でNO)、相手機器に対してセカンドダイヤルを指示する信号(セカンドダイヤル指示トーン)を返して(S20)、セカンドダイヤルすなわちIDの入力を促す。これに応じて相手機器からIDが送信されてくると(S21でYES)、このIDで無線機番号テーブル203を検索する(S25)。無線機番号テーブル203にこのIDが登録されている場合には(S26でYES)、無線機番号テーブルから対応する無線機番号を読み出し(S27)、この無線機番号をレピータ3に転送して対応するトランシーバ4に対して個別呼出をかけるよう指示する(S28)。こののち、このトランシーバ4と通信の相手機器との間で通話セッションが確立されるようにSIP手順を進める。なお、送られてきたIDが無線機番号テーブル203に登録されていなかった場合には(S26でNO)、相手機器に対してBUSYを返信し(S29)、処理を終了する。
【0030】
なお、S21でIDを受信しないまま一定時間が経過してタイムアウトした場合(S22でYES)もBUSYを返信して(S29)、処理を終了する。
【0031】
このように、トランシーバ4を指定するIDがINVITEメッセージのTOヘッダに含まれていた場合には、相手機器にセカンドダイヤルを要求することなく、IDで指定されたトランシーバ4に対して個別呼出を行い、INVITEメッセージのTOヘッダにIDが含まれていない場合には、相手機器に対してセカンドダイヤルを要求して、相手機器のユーザに改めてIDの入力・送信を促すようにしたことにより、携帯のトランシーバ4からは簡易な手順で発信が可能になるとともに、デスクトップの電話機からは誰にでもつなぐことのできる自由度の高い発信が可能になる。
【0032】
なお、IDおよび無線機番号が本発明の無線機指定情報に対応する。
【0033】
この実施形態では、電話機番号テーブルを用いて、IDを電話機番号に変換しているが、IDと電話機番号とを同じ文字列(数値)にすれば、変換することなく、IDで直接トランシーバ4を呼び出すことが可能になる。
【0034】
この実施形態では、TOヘッダに含まれていたIDを電話機番号に変換する電話機番号テーブルと、セカンドダイヤルによって送られてきたIDを電話機番号に変換する電話機番号テーブルを共通にしているが、これらを別のテーブルとして持ってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 ネットワーク
2 中継装置
3 レピータ
4 トランシーバ
6 IP電話機
7 VoIPゲートウェイ
8 電話機
図1
図2
図3
図4
図5