【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 特許法第30条第2項適用、平成25年11月14日に株式会社寺岡精工がイオンリテール株式会社イオン津田沼店で市場テストにより公開。平成25年12月17日に株式会社寺岡精工がイオンリテール株式会社イオン幕張新都心店に販売。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置を、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100の一例を示す正面図である。
図2は商品販売データ処理装置100の一例を示す斜視図である。
図3は商品販売データ処理装置100の一例を示す図である。詳細には、
図3(a)は商品販売データ処理装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図、
図3(b)は制御部1の機能ブロックの一例を示す図である。
【0011】
本実施形態では、商品販売データ処理装置100を撮像部(カメラ)付きのセルフ式計量装置に適用した場合を説明する。この商品販売データ処理装置100は、スーパーなどの店舗に設置され、商品の種類、個数、金額などの販売データを生成して、その販売データを、金銭登録機、ホストコンピュータなどに登録することができる。また、この商品販売データ処理装置100は、プリンタなどの印字部9を備え、印字部9により販売データに応じたラベルを発行することができる。
【0012】
本実施形態では、この店舗では、例えば、包装フィルムなどにより一つ一つ包装された握り寿司などの商品などを販売している。顧客はその商品を1個または複数個選んで容器に収容し、その商品を収容した容器を、撮像部付きのセルフ式計量装置である商品販売データ処理装置100の計量部7の計量皿などに載置する。
商品販売データ処理装置100は、商品の種類、商品の種類毎の個数などを撮像部8により撮像された画像データに対して画像認識処理を施すことにより特定する。
また、商品販売データ処理装置100は、計量部7の計量皿に載置された1つまたは複数の商品の質量を容器の質量も含めて計量し、適宜容器の質量を減算して1つまたは複数の商品の質量を算出し、その質量に基づいて各商品の個数を算出する。各商品の一個当たりの平均的な質量に関する情報は、予め記憶部などに記憶されている。また、商品販売データ処理装置100は、画像認識により特定された各商品の個数と、計量部7に載置された1つまたは複数の商品の質量に基づいて算出された各商品の個数とを比較し、比較の結果を報知する。
商品販売データ処理装置100は、商品、商品の個数、商品の種類などを印字したラベルを発行する。商品販売データ処理装置100による上記報知としては、比較の結果を示す情報をラベルに印字してもよい。顧客は上記ラベルを容器に貼付し、金銭登録機の設置された場所にて、所定の金額を支払う。
以下、商品販売データ処理装置100(セルフ式計量装置)の各構成要素を詳細に説明する。
【0013】
本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100は、制御部1(CPU)と、記憶部としてのROM2およびRAM3と、補助記憶部4と、操作部5と、表示部6と、計量部7と、撮像部8と、印字部9と、通信部10と、音声出力部11(スピーカ)と、などを有する。上記各構成要素は、バスなどの通信線12などにより電気的に接続されている(
図3など参照)。
【0014】
図1、
図2に示したように、商品販売データ処理装置100の装置本体部に、計量皿(不図示)などを備えた計量部7が設けられている。装置本体部には、プリンタなどの印字部9が設けられており、排紙口9aから印字部9により発行されたラベルが排紙される。
装置本体部の上部には支柱部により支持された操作部5や表示部6などが設けられている。本実施形態では、操作部5、表示部6としてタッチパネル装置を採用している。操作部5や表示部6、または、支柱部には、計量部7の計量皿などに載置された商品を撮像する撮像部8が設けられている。計量部7上に撮像部8の撮像範囲80(認識範囲)が設定されている(
図2参照)。
【0015】
制御部1(CPU)は、商品販売データ処理装置100の各構成要素を統括的に制御する。
【0016】
ROM2は本発明に係る各種プログラムや設定値などを記憶する。RAM3はプログラムを実行するためのワークエリアを有する。また、本実施形態では記憶部としてのRAM3は、少なくとも商品の単位質量情報を含む商品データを記憶する。
【0017】
補助記憶部4は、例えば、着脱自在なフラッシュメモリなどの記憶装置であり、商品販売データ処理装置100に関する設定情報などを保存可能である。
操作部5は、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどであり、操作者(客など)により操作され、所定の操作入力に応じた信号を制御部1に出力する。
表示部6は、制御部1の制御により、本発明に係る表示を行う。本実施形態では、タッチパネル式の表示部6を採用している。
【0018】
計量部7は、計量皿などを有し、計量皿などに載置された商品の質量を計量し、商品の質量を示す情報を制御部1に出力する。計量部7の計量皿は、規定の色、例えば白色とすることが好ましい。こうすることで、例えば、計量皿などに載置された商品や、商品に付された識別子のマークの形状や色相の認識率を上げることができる。
また、計量部7の計量皿は、撮像部8の撮像範囲内に凹部が形成されていることが好ましい。この計量部7の計量皿の凹部は、この凹部に商品を載置させるガイドとして機能し、商品の認識率を上げることができる。なお、計量部7の計量皿は、上記凹部にかぎらず、凸部でも、線等でも、撮像部8の撮像範囲(商品を置くべき位置)を操作者(顧客)が直接または間接的にわかるように構成されていればよい。
【0019】
撮像部8は商品を撮像する。本実施形態では、計量部7上の撮像範囲80(認識範囲)に載置された商品を撮像し、画像データを制御部1に出力する。撮像部8としては、CCD撮像装置、CMOS撮像装置などを挙げることができる。
尚、撮像部8の近傍に撮像範囲80(認識範囲)を照らすライトなどの発光部を設けてもよい。
【0020】
印字部9は、制御部1の制御により、物品を容器に収容した商品の販売データ(商品の種類、個数、金額など)をラベルに印字する。
【0021】
通信部10は、制御部1の制御により、有線式または無線式の通信路を介して金銭登録機、ホストコンピュータなどのコンピュータとデータ通信を行うことが可能である。
【0022】
音声出力部11(スピーカ)は、制御部1の制御により、商品販売データ処理装置100(セルフ式計量装置)に関する操作案内、エラー音などの音を所定のタイミングで発音可能である。
【0023】
制御部1(CPU)は、記憶部に記憶された制御用プログラムを実行することにより、コンピュータとしての商品販売データ処理装置100に、本発明に係る機能を実現させる。制御部1は、
図3(b)に示したように、種類認識部111と、数量特定部112と、個数算出部113と、判定部114と、報知部115と、などを有する。
【0024】
種類認識部111は、撮像部8が撮像した画像データに基づいて、商品の種類を認識する。詳細には、種類認識部111は、撮像部8により撮像された商品の画像から、商品の色、商品の形状、商品を内包する包装物に直接印字された又はシールなどの図形、文字、記号などに基づいて、記憶部に記憶されている商品の種類情報と照らし合わせて、商品の種類を特定する処理を行う。
【0025】
数量特定部112は、撮像部8で撮像した画像データに基づいて商品の個数を特定する。
【0026】
個数算出部113は、計量部7で計量した商品の質量と記憶部に記憶されている商品データに基づいて、商品の個数を算出する。
【0027】
判定部114は、数量特定部112で特定した商品の個数と、個数算出部113で算出した商品の個数とが一致するか否かを判定する。
【0028】
報知部115は、判定部114による判定結果を報知する処理を行う。報知部115による処理としては、スピーカなどの音声出力部11から判定結果を音により報知する処理、印字部9によりその判定結果を示す情報をラベルに印字する処理、表示部6により判定結果を表示する処理、などを挙げることができる。
【0029】
図4は商品販売データ処理装置で用いられる容器に収容された商品の一例を示す図である。
本実施形態では、例えば、包装フィルムなどにより一つ一つ包装された握り寿司などの商品などを、顧客が1個または複数個選んで容器に収容し、その商品を収容した容器を計量部の計量皿などに載置する。本実施形態では、各商品の種類毎に予め規定された色のシール(識別子)が包装フィルムの上面に視認可能に貼付されている。
【0030】
図5は商品販売データ処理装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
商品を収容した容器を計量部の計量皿などに載置した場合、撮像された商品の画像、商品の画像認識処理の進捗状況を示すプログレスバーなどが表示部に表示される。
【0031】
図6は商品販売データ処理装置の表示部に表示される商品の個数の一覧および加算ボタンの一例を示す図である。
図6に示した画像には、画像認識により特定された、各商品の種類毎に数量が表示される。また、
図6に示した画像には、「数は合っていますか?ご確認下さい。」などと、顧客に商品の個数の確認を促す文字や画像などが表示されている。この商品の個数の確認を促す文字や画像は、数量特定部で特定した商品の個数と、個数算出部で算出した商品の個数とが一致していない場合に表示されるように構成されていてもよい。
【0032】
また、
図6に示す画像には、判定部により、数量特定部で特定した商品の個数と個数算出部で算出した商品の個数とが一致しないと判定された場合、商品の個数を加算するための加算ボタンが操作可能に表示されている。こうすることで、顧客が商品の個数を容易に修正することができる。また、商品販売データ処理装置は、上記顧客により商品の個数などが操作された場合、商品の種類毎に、顧客により商品の個数などが操作された旨を示すマークや記号(+、−、*など)を印字部により発行するラベルに印字してもよい。
また、加算ボタンや減算ボタンを操作可能に表示するように構成し、例えば、130円寿司の数を減らす操作が行われ、50円寿司の個数を増やす操作が行われた場合、その旨を示すマークや記号をラベルに付してもよい。この場合、マークや記号は、同一でもよく、または、増減に応じたマーク「+」、「−」などをラベルに付してもよい。
また、
図6に示す画像には、ラベルを発行させるための発行ボタンンが操作可能に表示されている。
【0033】
図7は商品販売データ処理装置の印字部から発行されたラベルの一例を示す図である。詳細には、
図7(a)は商品の個数が適正と判別された場合に発行されるラベルの一例を示す図であり、
図7(b)は商品の個数が適正でないと判別された場合に発行されるラベルの一例を示す図である。
【0034】
図7(a)に示したラベルには、各商品の種類毎の個数、全商品の個数、製造年月日、賞味期限、商品の値段、店舗名、店舗の住所などが記載されている。
図7(b)に示したラベルには、各商品の種類毎の個数、全商品の個数、製造年月日、賞味期限、商品の値段、店舗名、店舗の住所などが記載され、更に、数量特定部で特定した商品の個数と個数算出部で算出した商品の個数とが一致しないと判定された場合や、商品の個数が顧客などの操作者により操作されて修正された場合などに、個数が一致しない旨を示す情報(
図7(b)に示した例では「*」などのマークや記号)が印字されている。
このように、本実施形態では、例えば、顧客などの操作者により商品の個数が修正されたことを示すマークや記号がラベルに印字されるので、店員がラベルにそのマークや記号を視認した場合、商品の個数が修正されたことを容易に認識することができ、チェック機能として非常に有効である。
【0035】
図8は商品販売データ処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図1〜
図8を参照しながら、商品販売データ処理装置の動作の一例を説明する。
【0036】
ステップS101において、制御部1は、計量部7からの信号に基づいて、計量部7の計量皿などに商品が載置されたか否かを判別し、商品が載置されたと判別した場合、ステップS102の処理に進み、商品が載置されていない場合、ステップS101の処理を繰り返す。
【0037】
ステップS102において、計量部7により商品の質量を計量し、制御部1は計量部7から商品の質量を示す情報を受信する。
【0038】
ステップS103において、制御部1は、撮像部8に計量部7の計量皿などに載置された商品を撮像させる処理を行い、撮像部8から画像データを受信する処理を行う。
【0039】
ステップS104において、制御部1の種類認識部111は、撮像部8からの画像データに基づいて商品の種類を特定する処理を行う。詳細には、制御部1は、撮像部8により撮像された画像データと、記憶部に記憶されている商品を特定する情報に基づいて、商品の種類を特定する。商品を特定する情報には、商品と色情報とが関連付けて記憶されている。
【0040】
ステップS105において、制御部1の数量特定部112は、撮像部8による画像データを基に各商品の数量を特定する処理を行う。
【0041】
ステップS106において、制御部1の個数算出部113は、計量部7で計量した商品の質量と記憶部に記憶されている商品データに基づいて、商品の個数を算出する処理を行う。
【0042】
ステップS107において、制御部1は、上記特定された商品の個数を表示部6に表示する処理を行う。本実施形態では、
図6に示したように、商品の種類、各商品の個数を一覧にして表示部6に表示する。
【0043】
ステップS108において、制御部1の判定部114は、数量特定部112と個数算出部113の処理結果が一致しているか否かを判定する。詳細には、判定部114は、数量特定部112で特定した商品の個数と、個数算出部113で算出した商品の個数とが一致するか否かを判定し、一致している場合にステップS109の処理に進み、一致していない場合にステップS110の処理に進む。
【0044】
ステップS109において、制御部1は、印字部9により通常のラベルを発行する処理を行い、ステップS112の処理に進む。
【0045】
ステップS110において、制御部1は、上記個数が不一致の旨を表示部6に表示させる処理を行う。詳細には、制御部1は、数量特定部112で特定した商品の個数と、個数算出部113で算出した商品の個数とが一致しない旨を表示させる処理を行う。
【0046】
ステップS111において、制御部1の報知部115は、印字部9により、上記個数が不一致の旨を印字部9により印字させる処理を行う。詳細には、制御部1は、数量特定部112で特定した商品の個数と、個数算出部113で算出した商品の個数とが一致しない旨を印字部9により印字させる処理を行う。この場合、報知部115は、顧客により商品の個数を操作したことを示す情報を印字部9により媒体に印字する処理を行ってもよい。
【0047】
ステップS112において、制御部1は、販売データを登録する処理を行う。詳細には、制御部1は、販売データをRAM3などの記憶部に記憶させる処理、通信部10を介して金銭登録機やホストコンピュータなどに販売データを登録する処理、などを行う。
商品の購入者(客)は上記ラベルを容器に貼付して、金銭登録機の設置された場所(レジ)にて店員を介して、又はセルフ式金銭支払機により直接、所定の金額を支払う。
【0048】
また、店員は、ラベルに上記個数が適正でない旨を示す情報や、商品の個数が顧客などの操作者により操作されて修正されたことを示す情報を視認やバーコード読取装置などにより知り得た場合、商品の種類や商品の個数を確認して、それらを訂正することができる。
【0049】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100は、撮像部8を有するセルフ式装置であり、商品に関する販売データを処理し、商品の個数が適正であるか否かを報知可能である。詳細には、商品販売データ処理装置100は、商品の単位質量情報を含む商品データを記憶する記憶部としてのRAM3やROM2と、商品を撮像する撮像部8と、撮像部8で撮像した画像データに基づいて商品の個数を特定する数量特定部112と、商品の質量を計量する計量部7と、計量部7で計量した商品の質量と記憶部に記憶されている商品データに基づいて、商品の個数を算出する個数算出部113と、数量特定部112で特定した商品の個数と、個数算出部113で算出した商品の個数とが一致するか否かを判定する判定部114と、判定部114による判定結果を報知する報知部115と、を有する。報知部115による処理としては、スピーカなどの音声出力部11から判定結果を音により報知する処理、印字部9によりその判定結果を示す情報をラベルに印字する処理、表示部6により判定結果を表示する処理、などを挙げることができる。
すなわち、報知部115により、撮像部8により撮像された画像データを基に得られた商品の個数と、計量部7で計量された商品の質量などを基に算出された商品の個数とに基づいて、その個数が適正であるか否かを報知可能な商品販売データ処理装置100を提供することができる。
【0050】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100は、判定部114により、数量特定部112で特定した商品の個数と個数算出部113で算出した商品の個数とが一致しないと判定された場合、商品の個数を加算するための加算ボタンを操作可能に表示する表示部6を有する。詳細には、制御部1が表示部6に、商品の個数を加算するための加算ボタンを操作可能に表示させる処理を行う。
このように、撮像部8により撮像された画像データを基に得られた商品の個数と、計量部7により計量された商品の質量などを基に算出された商品の個数とに基づいて、その個数が一致しない場合、表示部6にその旨を表示して、顧客(操作者)に実際の商品の個数と、商品販売データ処理装置100により特定された商品の個数とを比較することを促す。そして、商品の個数を修正するための修正ボタンを操作可能に表示部6に表示させる。顧客(操作者)は、例えば、表示部6に表示された商品の個数が適正でないと判断した場合、修正ボタンを操作して商品の個数を修正する。制御部1は、その顧客(操作者)による修正ボタンの操作に基づいて、商品の個数を修正することができる。
【0051】
尚、判定部114により、数量特定部112で特定した商品の個数と個数算出部113で算出した商品の個数とが一致しないと判定された場合、制御部1は、先ず、商品の個数を加算するための加算ボタンを操作可能に表示部6に表示させる処理を行うことが好ましい。こうすることで、顧客(操作者)により、商品販売データ処理装置100により認識された商品の個数に対して、適正な数となるよう加算する修正を行うことができる。
【0052】
また、制御部1は、商品の個数を減算するための減算ボタンを操作可能に表示部6に表示する処理を行ってもよい。制御部1は、減算ボタンが操作されたことを検出した場合、商品の個数を減算する処理を行う。また、制御部1は、減算ボタンが操作されたことを検出した場合であっても、商品販売データ処理装置100により認識された商品の数よりも少なくなることを禁止する処理を行う。こうすることで、顧客(操作者)により商品の数を不正に少なく操作されることを防止することができる。
商品販売データ処理装置100により認識された商品の数が顧客の操作により加算された場合にのみ、減算ボタンを操作可能に表示部6に表示する処理を行うことが好ましい。
【0053】
また、本発明の実施形態では、報知部115は、個数が一致しない旨を示す情報を印字部9により媒体に印字する処理を行う。例えば、個数が一致しない旨を示す情報を印字部9により紙などに印字して、ラベルを発行してもよい。
また、報知部115は、顧客により商品の個数を操作したことを示す情報を印字部9により媒体に印字する処理を行ってもよい。
印字部9により媒体に印字される上記情報の具体例としては、その店舗の店員にのみ意味が分かり、顧客には一見しただけではその意味が分からないような記号、文字、図形、バーコード、2次元バーコードなどであってもよい。
顧客は、印字されたラベル(媒体)を容器などに貼付して、レジにて精算を行う。その場合、店員は容器に貼付されたラベルに印字された記号、文字、図形などを見て、商品販売データ処理装置100により、画像認識による商品の個数と計量部7による計量結果に基づいて算出された商品の個数が一致しないこと、商品販売データ処理装置100により認識された商品の数が顧客に操作されたこと、などを認識することができる。
また、バーコードなどのようにバーコード読取装置(機械)により読み取り可能で、人間には一見して内容を読み取れない形態で、ラベルにその情報を印字してもよい。
【0054】
また、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理装置100は、撮像部8により撮像された画像データに基づいて、商品の種類を認識する種類認識部111を有する。このため、種類認識部111は、撮像部8により商品を撮像して得られた画像データに基づいて、商品の種類毎に個数を特定することができる。
【0055】
また、本発明の実施形態では、商品の種類毎に規定された、所定の色や所定の形状などの識別子が商品に付されている。詳細には、識別子を印刷したシールなどが商品に貼付されている。数量特定部112は、商品に付された識別子の色又は形状などに基づいて、撮像部8により商品と識別子を撮像した画像データに画像認識処理を施すことにより、商品の個数を特定する。このため、例えば、個体差の生じやすい商品そのものの色や形状と比較して、高い画像識別率の識別子(マークの色や形状など)を撮像部8により読み取ることで、商品の識別精度が高くなる。
【0056】
また、朝、昼、夜などの外部の環境の変化によって、撮像部8で撮像される画像データの各画素の各色の輝度値が大きく変化する。本実施形態では校正(キャリブレーション)として、予め基準となる標準器を用いて各色の輝度値の補正を行う。詳細には、例えば、各時間帯毎に、撮像部8で標準器を撮像し、その画像データに基づいて各色の輝度値を補正する補正値を特定して記憶部に記憶しておく。制御部1は、記憶部に記憶された各時間帯毎の補正値を用いて各色の輝度値を補正することで、画像から商品の種類、商品の個数などを確実に特定することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0058】
尚、上記実施形態では、容器に収容した商品を撮像部8により撮像したが、この形態に限られるものではなく、例えば、容器を用いずに商品を計量部7の計量皿に直接載置し、計量部7や撮像部8により計量や撮像を行いラベルを発行した後、商品を容器に収容し、その容器に発行したラベルを貼付するような形態であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、数量特定部112で特定した商品の個数と個数算出部113で算出した商品の個数とが一致しないと判定された場合や、商品の個数が顧客などの操作者により操作されて修正された場合などに、その旨を示す個数が一致しない旨を示す情報(マークや記号など)をラベルに印字したが、この形態に限られるものではない。
例えば、商品販売データ処理装置は、上記数量特定部112で特定した商品の個数と個数算出部113で算出した商品の個数とが一致しないと判定された場合や、商品の個数が顧客などの操作者により操作されて修正された場合などに、その旨を示す個数が一致しない旨を示す情報を含むバーコード(拡張バーコード)や2次元バーコードなどをラベルに印字してもよい。レジなどのバーコード読取装置は、ラベルに印刷されたバーコード(拡張バーコード)や2次元バーコードなどを読み取り、上記情報に基づいてその旨を報知する処理を行ってもよい。
具体的には、ラベルに印刷されるバーコードや2次元バーコードに、7桁などの所定の桁の数列を埋め込み、例えば、所定の桁の値が「0」の場合に「異常なし、レジにて不報知」、所定の桁の数値が「1」の場合に「何らかの変更等により異常あり、レジにて報知」などと規定してもよい。
また、例えば、所定の桁の数値が「0」の場合に「異常なし、レジにて不報知」、所定の桁の数値が「1」の場合に「商品の個数や値段が当初の値よりも減っている(店側が損する可能性がある場合)、その旨をレジにて報知」、所定の桁の数値が「2」の場合に「商品の個数や値段が当初より増えている(客側が損する可能性がある場合)、その旨をレジにて報知」など、報知の種類に応じた報知をレジにて行うように構成してもよい。こうすることで、レジを操作する店員が上記状況を簡単に、かつ確実に把握することができる。