【実施例】
【0072】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
【0073】
特に断りのない限り、各種物性の測定は温度23℃・相対湿度50%の環境下で行った。
【0074】
各エポキシ樹脂組成物を調製するために用いた材料は以下に示す通りである。
【0075】
<使用した材料>
成分[A]:エポキシ樹脂
・[A1]イソシアヌル酸型エポキシ樹脂
[A1]−1 “TEPIC(登録商標)”−S(エポキシ当量:100、日産化学工業(株)製)
[A1]−2 “TEPIC(登録商標)”−L(エポキシ当量:101、日産化学工業(株)製)
[A1]−3 “TEPIC(登録商標)”−PAS B22(エポキシ当量:190、日産化学工業(株)製)。
【0076】
・[A2]ビスフェノール型エポキシ樹脂
[A2]−1 “EPICLON(商標登録)”830(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:172、大日本インキ化学工業(株)製)
[A2]−2 “jER(商標登録)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:189、三菱化学(株)製)
[A2]−3 “エポトート(登録商標)”YDF−2001(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:475、東都化成(株)製)
[A2]−4 “jER(商標登録)”1001(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:470、三菱化学(株)製)
[A2]−5 “jER(商標登録)”4004P(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:910、三菱化学(株)製)
[A2]−6 “jER(商標登録)”1007(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:910、三菱化学(株)製)。
【0077】
・[A3]その他のエポキシ樹脂
[A3]−1 “スミエポキシ(登録商標)”ELM434(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量:120、住友化学工業(株)製)
[A3]−2 “jER(商標登録)”154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:175、三菱化学(株)製)。
【0078】
成分[B]:イミダゾール化合物
・[B1]一般式(I)に示す化合物
[B1]−1 G−8009L(イミダゾール当量:195、一般式(I)において、R
1およびR
2がエチル基、R
3およびR
4がメチル基、Xがヘキサメチレン基である化合物、第一工業製薬(株)製)。
【0079】
・[B2]一般式(II)に示す化合物
[B2]−1 “キュアダクト(登録商標)”P−0505(イミダゾール当量:280、一般式(II)において、R
5およびR
6がエチル基、R
7およびR
8がメチル基、Yがイソプロピリデン基である化合物、四国化成工業(株)製)。
【0080】
・[B3]その他のイミダゾール化合物
[B3]−1 “キュアゾール(登録商標)”2MZ−H(イミダゾール当量:82、2−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製)
[B3]−2 “キュアゾール(登録商標)”2PZ(イミダゾール当量:144、2−フェニルイミダゾール、四国化成工業(株)製)。
【0081】
・[B’]イミダゾール化合物以外の硬化剤
[B’]−1 “jERキュア(登録商標)”DICY7(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製)
[B’]−2 DCMU99(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、保土ヶ谷化学工業(株)製)。
【0082】
成分[C]:酸性化合物
・[C1]芳香族カルボン酸
[C1]−1 安息香酸(東京化成工業(株)製)。
【0083】
・[C2]ホウ酸エステル化合物 を含む混合物
[C2]−1 “キュアゾール(登録商標)”L−01B(酸性化合物としてホウ酸エステル化合物を5質量部含む混合物、四国化成工業(株)製)
[C2]−2 “キュアゾール(登録商標)”L−07N(酸性化合物としてホウ酸エステル化合物を5質量部含む混合物、四国化成工業(株)製)。
【0084】
<樹脂組成パラメータの算出方法>
(1)エポキシ樹脂組成物の[A2]の平均エポキシ当量の算出方法
n種類の[A2]のエポキシ樹脂を併用し、[A2]のエポキシ樹脂の総質量部がG’であり、エポキシ当量がEx(g/eq)の[A2]のエポキシ樹脂XがWx質量部含有されているエポキシ樹脂組成物の[A2]の平均エポキシ当量(g/eq)を、以下の数式(I)によって算出した(ここで、x=1、2、3、・・・、nである。)
【0085】
【数4】
【0086】
(2)エポキシ樹脂組成物の全エポキシ樹脂の平均エポキシ当量の算出方法
n種類の成分[A]のエポキシ樹脂を併用し、全エポキシ樹脂の総質量部がGであり、エポキシ当量がEy(g/eq)のエポキシ樹脂YがWy質量部含有されているエポキシ樹脂組成物の全エポキシ樹脂の平均エポキシ当量(g/eq)を、以下の数式(II)によって算出した(ここで、y=1、2、3、・・・、nである。)
【0087】
【数5】
【0088】
(3)エポキシ樹脂組成物のエポキシ基数に対するイミダゾール数の比の算出方法
全エポキシ樹脂の総質量部がGであり、エポキシ樹脂組成物中のイミダゾール化合物の質量部がW、そのイミダゾール当量がI(g/eq)であるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂組成物のエポキシ基数に対するイミダゾール数の比を、上記(2)の値を用いて以下の数式(III)によって算出した。
【0089】
【数6】
【0090】
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
(1)硬化剤マスターの調製
液状の[A2]ビスフェノール型エポキシ樹脂([A2]−1または[A2]−2のうち、樹脂組成に含まれるもの)を10質量部(全ての成分[A]のエポキシ樹脂100質量部に対して10質量部)用意した。ここに成分[B]のイミダゾール化合物、[B’] イミダゾール化合物以外の硬化剤、成分[C]の酸性化合物のうち、樹脂組成に含まれるものを添加し、ニーダーを用いて室温で混練した。混合物を三本ロールに2回通すことで、硬化剤マスターを調製した。
【0091】
(2)エポキシ樹脂組成物の調製
ニーダー中に、前記(1)で使用した液状の[A2]ビスフェノール型エポキシ樹脂10質量部を除いた成分[A]のエポキシ樹脂90質量部を投入した。混練しながら、150℃まで昇温した後、同温度で1時間保持することで、透明な粘調液を得た。混練を続けながら60℃まで降温した後、前記(1)で調製した硬化剤マスターを投入し、同温度で30分間混練することで、エポキシ樹脂組成物を得た。表1〜4に各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物の組成を示した。
【0092】
<エポキシ樹脂硬化物の作製方法>
上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従い調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で、130℃の温度で90分間硬化させ、厚さ2mmの板状のエポキシ樹脂硬化物を得た。
【0093】
<織物炭素繊維複合材料(以下、織物CFRP)の作製方法>
上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従い調製したエポキシ樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型紙上に塗布し、目付66g/m
2の樹脂フィルムを作製した。炭素繊維“トレカ(登録商標)”T300(東レ(株)製)を用いた二方向クロス(2/2綾織、目付198g/m
2)を用意し、これに2枚の樹脂フィルムを両面に貼り合わせた後、これをプリプレグ化装置で両面から加熱加圧含浸し織物プリプレグを得た。プリプレグの樹脂含有率は40質量%であった。
【0094】
この織物プリプレグの繊維方向を揃えて10プライ積層した後、ナイロンフィルムで隙間の無いように覆い、これをオートクレーブ中で130℃、内圧0.3MPaで2時間かけて加熱加圧成形して硬化し、織物CFRPを作製した。
【0095】
<物性評価方法>
(1)エポキシ樹脂組成物の保管安定性
エポキシ樹脂組成物の保管安定性は、以下の方法で得られたTg変化量によって評価した。直径4cmの円形の底面を持つ容器に、上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従い調製したエポキシ樹脂組成物を2g取り分け、温度25℃・相対湿度50%RHの環境に保った恒温恒湿槽内で7日間保管した。保管前後の樹脂それぞれ3mgをサンプルパンに量り取り、示差走査熱量分析計(Q−2000:TAインスツルメント社製)を用い、−50℃から100℃まで10℃/分の等速昇温条件で測定した。得られた熱量−温度曲線における変曲点の中点をガラス転移温度(以下、Tgと記す)とした。保管後のTgから保管前のTgを差し引いたものをTg変化量とした。Tg変化量が小さいほど、保管安定性は良好と判断される。
【0096】
(2)エポキシ樹脂硬化物のTg
上記<エポキシ樹脂硬化物の作製方法>に従い作製したエポキシ樹脂硬化物から、幅10mm、長さ40mm、厚さ2mmの試験片を切り出し、動的粘弾性測定装置(DMA−Q800:TAインスツルメント社製)を用い、変形モードを片持ち曲げ、スパン間を18mm、歪みを20μm、周波数を1Hzとし、40℃から200℃まで5℃/分の等速昇温条件で測定した。得られた貯蔵弾性率−温度曲線における貯蔵弾性率のオンセット温度をTgとした。
【0097】
(3)エポキシ樹脂硬化物の弾性率
上記<エポキシ樹脂硬化物の作製方法>に従い作製したエポキシ樹脂硬化物から、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、スパンを32mm、クロスヘッドスピードを100mm/分とし、JIS K7171(1994)に従って3点曲げを実施し、弾性率を測定した。試験片数n=6で測定した値の平均値を弾性率とした。
【0098】
(4)エポキシ樹脂硬化物の黄色度
上記<エポキシ樹脂硬化物の作製方法>に従い作製したエポキシ樹脂硬化物から3cm角、厚さ2mmの試験片を切り出した。この試験片について、分光測色計MSC−P(スガ試験機(株)製)を用い、JIS Z8722(2009)に従って透過物体色を測定し、三刺激値を求めた。イルミナントはD65、幾何条件e、測定方法は分光測色方法、有効波長幅は5nm、波長間隔は5nmとし、表色系はXYZ表色系とした。得られた三刺激値を基に、JIS K7373(2006)に従って黄色度を計算した。
【0099】
(5)織物CFRPの外観
上記<織物CFRPの作製方法>に従い作製した織物CFRPを40℃の水に7日間浸漬した。浸漬後の織物CFRPについて、織目部分の外観を目視で確認した。結果は、白色析出物が認められない場合をgood、認められる場合をpoorと表記した。
【0100】
(実施例1)
成分[A]のエポキシ樹脂として“TEPIC(登録商標)”−L 20質量部、“jER(商標登録)”828 25質量部、“エポトート(商標登録)”YDF2001 55質量部、成分[B]のイミダゾール化合物としてG−8009L 3質量部、成分[C]の酸性化合物として安息香酸 1質量部を用い、上記<エポキシ樹脂組成物の調製方法>に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。
【0101】
このエポキシ樹脂組成物についてTg変化量を測定したところ、+4℃であり、保管安定性は良好であった。
【0102】
得られたエポキシ樹脂組成物から、<エポキシ樹脂硬化物の作製方法>に従って、エポキシ樹脂硬化物を作製した。このエポキシ樹脂硬化物についてTg、曲げ弾性率、黄色度を測定したところ、Tgは135℃、曲げ弾性率は3.5GPa、黄色度は54であり、樹脂硬化物の物性は良好であった。また、得られたエポキシ樹脂組成物から織物CFRPを作製して外観を評価したところ、白色析出物は認められなかった。
【0103】
(実施例2〜19)
樹脂組成をそれぞれ表1および2に示したように変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。
【0104】
各実施例について、エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、弾性率、黄色度、織物CFRPの外観は表1および2に記載の通りであり、いずれも良好であった。
【0105】
(実施例20)
樹脂組成を表2に示したような酸性化合物を含まない組成に変更した以外は、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性は実施例1に対して若干劣るが、それ以外の物性評価結果は、実施例1とほぼ同程度で良好であった。
【0106】
(比較例1)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、弾性率、織物CFRPの外観は良好であったが、全エポキシ樹脂100質量部中[A2]の含有量が40質量部に満たず、エポキシ樹脂硬化物の黄色度が不良であった。
【0107】
(比較例2)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂硬化物のTg、弾性率、CFRPの外観は良好であったが、エポキシ樹脂組成物の保管安定性は若干低かった。また、全エポキシ樹脂100質量部中[A2]の含有量が40質量部に満たず、エポキシ樹脂硬化物の黄色度が不良であった。
【0108】
(比較例3)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、全エポキシ樹脂100質量部中[A1]の含有量が10質量部に満たず、エポキシ樹脂硬化物の弾性率が低かった。
【0109】
(比較例4)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、全エポキシ樹脂100質量部中[A1]の含有量が10質量部に満たず、エポキシ樹脂硬化物の弾性率が低かった。
【0110】
(比較例5)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、全エポキシ樹脂100質量部中[A1]の含有量が10質量部に満たず、エポキシ樹脂硬化物の弾性率が低かった。
【0111】
(比較例6)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、弾性率、織物CFRPの外観は良好であったが、全エポキシ樹脂100質量部中[A1]の含有量が40質量部を超え、エポキシ樹脂硬化物の黄色度が不良であった。
【0112】
(比較例7)
表3に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表3に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物の弾性率、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、[A2]の平均エポキシ当量が220g/eqに満たず、エポキシ樹脂硬化物のTgが低かった。
【0113】
(比較例8)
表4に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表4に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物の弾性率、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、[A2]の平均エポキシ当量が500g/eqを超え、エポキシ樹脂硬化物のTgが低かった。
【0114】
(比較例9)
表4に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表4に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物の弾性率、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、成分[B]の含有量が少なく、エポキシ基数に対するイミダゾール数の比が0.01に満たなかったため、エポキシ樹脂硬化物のTgが低かった。
【0115】
(比較例10)
表4に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表4に併せて示した。エポキシ樹脂硬化物のTg、弾性率、織物CFRPの外観は良好であったが、成分[B]の含有量が多く、エポキシ基数に対するイミダゾール数の比が0.06を超えたため、エポキシ樹脂組成物の保管安定性が低く、エポキシ樹脂硬化物の黄色度が不良であった。
【0116】
(比較例11)
表4に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表4に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物の弾性率、黄色度、織物CFRPの外観は良好であったが、成分[B]を含んでおらず、エポキシ樹脂硬化物のTgが低かった。
【0117】
(比較例12)
表4に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表4に併せて示した。エポキシ樹脂組成物の保管安定性、エポキシ樹脂硬化物のTg、弾性率、黄色度は良好であったが、成分[B]を含んでおらず、ジシアンジアミドを含んでいたため、織物CFRPに白色析出物が認められた。
【0118】
(比較例13)
表4に示した樹脂組成について、実施例1と同じ方法でエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、織物CFRPを作製した。物性評価結果は表4に併せて示した。エポキシ樹脂硬化物のTg、織物CFRPの外観は良好であったが、[A1]を含んでおらず、エポキシ樹脂硬化物の弾性率が低かった。また、成分[B]の含有量が多く、エポキシ基数に対するイミダゾール数の比が0.06を超えたため、エポキシ樹脂組成物の保管安定性とエポキシ樹脂硬化物の黄色度が不良であった。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】