(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274384
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】メタルガスケット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
F16J 15/08 20060101AFI20180129BHJP
F16J 15/00 20060101ALI20180129BHJP
F02F 11/00 20060101ALI20180129BHJP
F01N 13/10 20100101ALI20180129BHJP
【FI】
F16J15/08 M
F16J15/00 B
F02F11/00 L
F01N13/10
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-102392(P2012-102392)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-231450(P2013-231450A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇二
(72)【発明者】
【氏名】松木 伸剛
【審査官】
谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/024812(WO,A1)
【文献】
特開平08−093918(JP,A)
【文献】
特開2004−019668(JP,A)
【文献】
実開平07−045030(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/08
F01N 13/10
F02F 11/00
F16J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板に、密封対象空間の開口形状に開設された非円形の開口部と、この開口部の周囲に沿って延びるシールビードが形成され、このシールビードは、前記開口部のうち相対的に曲率が大きい開口縁に沿って延びるハーフビードと、相対的に曲率が小さい開口縁に沿って延びる跳ね上げビードが互いに連続したものであり、前記跳ね上げビードは、裾部から一方の斜面部及び嶺部を経て他方の斜面部に到る隆起形状をなすものであることを特徴とするメタルガスケット。
【請求項2】
金属板にその厚さ方向両側に配置した凹型と凸型によってビードを成形する工程と、前記金属板に開口縁が前記ビードの嶺部及び斜面部を経由する非円形の開口部を形成して、前記開口部のうち相対的に曲率が大きい前記開口縁が前記ビードの嶺部を経由する部分をハーフビードとし、相対的に曲率が小さい前記開口縁が前記ビードの斜面部を経由する部分を、裾部から一方の斜面部及び嶺部を経て他方の斜面部に到る隆起形状をなす跳ね上げビードとする工程と、を備えることを特徴とするメタルガスケットの製造方法。
【請求項3】
金属板にその厚さ方向両側に配置した凹型と凸型によってビードを成形する工程と、前記金属板に開口縁が前記ビードの嶺部及び斜面部を経由する非円形の開口部を形成して、前記開口部のうち相対的に曲率が大きい前記開口縁が前記ビードの嶺部を経由する部分をハーフビードとし、相対的に曲率が小さい前記開口縁が前記ビードの斜面部を経由する部分を、裾部から一方の斜面部及び嶺部を経て他方の斜面部に到る隆起形状をなす跳ね上げビードとする工程と、を備え、前記開口部のうち、開口縁が前記嶺部を経由する部分を、前記ビードの成形前に予め形成することを特徴とするメタルガスケットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気マニホールドと排気管との接合部やシリンダブロックとシリンダヘッドとの接合部等のシール手段として用いられるメタルガスケット及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気マニホールドと排気管あるいは吸気マニホールドと吸気管との接合部等のシール手段として用いられるメタルガスケットは、互いに対向する接合面間に挟着されて、前記接合面に開口した開口部を取り囲むように屈曲形成されたシールビードによって排ガスや空気と燃料との混合気などをシールするものである。
【0003】
ここで、排気マニホールドや吸気マニホールドの場合、排気管あるいは吸気管との接合部における開口形状が非円形(例えば方形環状)のものがあり、このような部分には、シールビードが前記開口形状と相似形をなすメタルガスケットが使用される(例えば特許文献1参照)。ところがこのようなメタルガスケットは、締付け荷重を受けた時に、曲線状に延びる部分よりもシールビードが直線状に延びる部分で変形しやすく、このためシールビードの直線状部分で面圧不足による漏れが発生しやすいといった問題がある。そしてこのような問題を解決するために、従来、面圧不足が発生しやすい部分のシールビードの幅や高さを大きくして剛性を高めることで、必要な面圧を確保することが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−014394号公報
【特許文献2】特開平08−159284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術によればシールビードの断面形状自体は全周ほぼ同一であるため、シールビードの幅や高さを変更することで調整可能な面圧の範囲が小さいものであった。
【0006】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、シールビードの面圧の部分的な低下を抑制して、長期にわたって優れたシール性を確保することの可能なメタルガスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るメタルガスケットは、金属板に、密封対象空間の開口形状に開設された非円形の開口部と、この開口部の周囲に沿って延びるシールビードが形成され、このシールビードは、前記開口部のうち相対的に曲率が大きい開口縁に沿って延びるハーフビードと、相対的に曲率が小さい開口縁に沿って延びる跳ね上げビードが互いに連続したもので
あり、前記跳ね上げビードは、裾部から一方の斜面部及び嶺部を経て他方の斜面部に到る隆起形状をなすものである。
【0008】
なお、ここでいうハーフビードとは、金属板の開口縁部が嶺部の端縁となる片側斜面による隆起形状のビードのこと
である。
【0009】
請求項1に記載の構成を備えるメタルガスケットにおいて、締め付け荷重を与えられた時のシールビードのばね定数は、ハーフビードからなる部分よりも跳ね上げビードからなる部分が
高くなる。このため、シールビードが非円形の開口部に沿って延びるものである場合に、例えばシールビードの曲率が大きい(曲率半径が小さい)ことによって面圧が上昇する部分はハーフビードからなるものとすることによって面圧の上昇を抑制し、シールビードの曲率が小さい(曲率半径が大きい)ことによって面圧が低下する部分は
跳ね上げビードからなるものとすることによって面圧の低下を抑制するといった、適切な調整を行うことができる。
【0010】
請求項2の発明に係るメタルガスケットの製造方法は、金属板にその厚さ方向両側に配置した凹型と凸型によってビードを成形する工程と、前記金属板に開口縁が前記ビードの嶺部及び斜面部を経由する
非円形の開口部を形成して、
前記開口部のうち相対的に曲率が大きい前記開口縁が前記ビードの嶺部を経由する部分をハーフビードとし、
相対的に曲率が小さい前記開口縁が前記ビードの斜面部を経由する部分を、裾部から一方の斜面部及び嶺部を経て他方の斜面部に到る隆起形状をなす跳ね上げビードとする工程と、を備えるものである。
【0011】
請求項3の発明に係るメタルガスケットの製造方法は、金属板にその厚さ方向両側に配置した凹型と凸型によってビードを成形する工程と、前記金属板に開口縁が前記ビードの嶺部及び斜面部を経由する
非円形の開口部を形成して、
前記開口部のうち相対的に曲率が大きい前記開口縁が前記ビードの嶺部を経由する部分をハーフビードとし、
相対的に曲率が小さい前記開口縁が前記ビードの斜面部を経由する部分を、裾部から一方の斜面部及び嶺部を経て他方の斜面部に到る隆起形状をなす跳ね上げビードとする工程と、を備え、前記開口部のうち、開口縁が前記嶺部を経由する部分を、前記ビードの成形前に予め形成するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明に係るメタルガスケットによれば、
シールビードのうち、曲率が大きい開口縁に沿った部分がハーフビードからなることによって面圧過大化を防止すると共に、曲率が小さい開口縁に沿った部分が跳ね上げビードからなることによって面圧過小化を防止することができるので、シールビードが非円形の開口部に沿って延びるものである場合の曲率の相違によるシールビードの面圧のばらつきを抑制して、長期にわたって優れたシール性を確保することができる。
【0014】
請求項2又は3の発明に係るメタルガスケットの製造方法によれば、請求項1の発明に係るメタルガスケットを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るメタルガスケットの好ましい実施の形態を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す実施の形態の要部断面図で、(A)は
図1におけるA−A断面図、(B)は
図1におけるB−B断面図である。
【
図3】本発明に係るメタルガスケットの製造方法の好ましい実施の形態において、金属板にポート穴部の一部となる予備穴を予め形成した状態を示す平面図である。
【
図4】本発明に係るメタルガスケットの製造方法の好ましい実施の形態において用いられる凸型を示す上面図である。
【
図5】
図4に示す凸型の要部断面図で、(A)は
図4におけるA−A断面図、(B)は
図4におけるB−B断面図である。
【
図6】本発明に係るメタルガスケットの製造方法の好ましい実施の形態において用いられる凹型を示す下面図である。
【
図7】
図6に示す凹型の要部断面図で、(A)は
図6におけるA−A断面図、(B)は
図6におけるB−B断面図である。
【
図8】本発明に係るメタルガスケットの製造方法の好ましい実施の形態において、金属板に凸型と凹型でビードを成形する工程を示す平面図である。
【
図9】
図8に示す凸型と凹型による成形工程の要部断面図で、(A)は
図8におけるA−A断面図、(B)は
図8におけるB−B断面図である。
【
図10】本発明に係るメタルガスケットの製造方法の好ましい実施の形態において、金属板に二次加工によってポート穴部を形成する工程を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るメタルガスケット及びその製造方法の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず
図1は、本発明に係るメタルガスケットの好ましい実施の形態を示すものであって、このメタルガスケットMGは、例えば自動車用内燃機関の排気マニホールドと排気管の接合面間に介装されるものである。
【0017】
メタルガスケットMGは、ステンレス、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、及びアルミニウム合板などから選択される弾性を有する薄板からなる金属板1に、ポート穴部2と、このポート穴部2と金属板1の外周縁との間の複数個所にあって不図示の排気マニホールドと排気管を結合するボルトを挿通するためのボルト挿通穴3が開設され、ポート穴部2の周囲に沿って延びるシールビード4が形成されている。
【0018】
ポート穴部2は請求項1〜3に記載された開口部に相当するものであって、排気マニホールド及び排気管による排ガス通路の投影形状、言い換えれば排気マニホールド及び排気管の接合面に開口した排ガス通路の開口形状を投影した略長円形状に開設されている。詳しくは、このポート穴部2の開口縁は、一対の半円弧状開口縁2aと、その間を延びる直線状開口縁2b及び緩曲線状開口縁2cからなる。緩曲線状開口縁2cは半円弧状開口縁2aよりも曲率がずっと小さい(曲率半径が大きい)ものとなっている。
【0019】
ポート穴部2の周囲に沿って延びるシールビード4は、半円弧状開口縁2aに沿った部分はハーフビード41からなり、直線状開口縁2b及び緩曲線状開口縁2cに沿った部分は跳ね上げビード42からなる。
【0020】
このうち、ハーフビード41は、
図1のA−A断面である
図2の(A)に示すように、外周裾部4aから斜めに立ち上がる外周斜面部4bを経由して平板状の嶺部4cに到る隆起形状であって、嶺部4cの内周側の端縁がポート穴部2における半円弧状開口縁2aとなっている。また、跳ね上げビード42は、
図1のB−B断面である
図2の(B)に示すように、外周裾部4aから斜めに立ち上がる外周斜面部4bと、その上端で上側へ凸の形状に屈曲した嶺部4cを経由して反対側の内周斜面部4dに到る隆起形状であって、内周斜面部4dの内周端縁が金属板1のポート穴部2における直線状開口縁2b又は緩曲線状開口縁2cとなっている。
【0021】
なお、ポート穴部2の開口縁における半円弧状開口縁2aから直線状開口縁2b又は緩曲線状開口縁2cへの移行部分(直線状開口縁2b又は緩曲線状開口縁2cから半円弧状開口縁2aへの移行部分)2dでは、シールビード4は、ハーフビード41から跳ね上げビード42(跳ね上げビード42からハーフビード41)へ連続的に移行している。
【0022】
以上のように構成されたメタルガスケットMGは、例えば自動車用内燃機関の排気マニホールドと排気管の接合面間で単一又は複数積層された状態で介装され、締め付けられることによって、シールビード4が圧縮変形され、その反発荷重によって密封に必要な面圧を得て、前記接合面間から排ガスが漏れるのを防止するものである。
【0023】
この種のメタルガスケットにおいて、図示の例のようにシールビード4の形状が非円形のものは、締付け荷重を受けた時に、曲率が大きい(曲率半径が小さい)部分でばね定数が高くなって面圧が過大になりやすくなる傾向があり、逆に曲率が小さい(曲率半径が大きく直線に近い)部分でばね定数が低くなって面圧不足を生じやすくなる傾向がある。しかしながら図示の実施の形態のメタルガスケットMGによれば、シールビード4のうち、曲率が大きい半円弧状開口縁2aに沿った部分がハーフビード41からなることによって面圧過大化を防止すると共に、曲率が小さい直線状開口縁2b又は緩曲線状開口縁2cに沿った部分が跳ね上げビード42からなることによって面圧過小化を防止することができる。
【0024】
図3〜
図10は、上述のメタルガスケットMGを製造するための方法を工程順に示すものである。すなわちメタルガスケットMGの製造においては、まず
図3に示すように、金属板1に、ボルト挿通穴3と、開口縁が
図1のポート穴部2における半円弧状開口縁2aとなる部分を有する一対の予備穴21と、一対の位置決め用穴22を開設する。これらは、金属板1の外縁の打ち抜きと同時に打ち抜き形成することができる。
【0025】
図4に示す凸型5は、その上面にビード成形用凸部50と、金属板1の位置決め用穴22と嵌合することによって上面に金属板1を位置決めセットするための複数の位置決め用凸部5aが形成されている。ビード成形用凸部50は、
図1に示すシールビード4の嶺部4cに対応するものであって、ハーフビード41を成形する部分(以下、ハーフビード成形凸部という)51と跳ね上げビード42を成形する部分(以下、跳ね上げビード成形凸部という)52からなり、
図5の(A)(B)にも示すように、ハーフビード成形凸部51は跳ね上げビード成形凸部52よりも幅広に形成されている。
【0026】
また、凸型5におけるビード成形用凸部50のうち、ハーフビード成形凸部51は三日月状の形状をなすものであって、その外縁51aはハーフビード41の嶺部41cの外縁に対応して延び、すなわち当該凸型5に
図3に示す金属板1をセットしたときに、予備穴21の外周側に位置するように形成されているのに対し、内縁51bは予備穴21内を通るように形成されている。
【0027】
一方、
図6に示す凹型6は、その下面にビード成形用凹部60が形成されている。参照符号6aは凸型5の位置決め用凸部5aと嵌合可能な位置決め用凹部又は穴である。ビード成形用凹部60は、
図1に示すシールビード4のハーフビード41を成形する部分(以下、ハーフビード成形凹部という)61と跳ね上げビード42を成形する部分(以下、跳ね上げビード成形凹部という)62からなり、
図7の(A)(B)にも示すように、ハーフビード成形凹部61は跳ね上げビード成形凹部62よりも幅が広く形成されている。また、ハーフビード成形凹部61は凸型5のハーフビード成形凸部51よりも幅広に形成され、跳ね上げビード成形凹部62は凸型5の跳ね上げビード成形凸部52よりも幅広に形成されている。
【0028】
詳しくは、凹型6のハーフビード成形凹部61の外縁61a及び跳ね上げビード成形凹部62の外縁62aは、
図1及び
図2に示すシールビード4の裾部4aと対応して延びるものであって、凸型5と組み合わせたときに、この凸型5のハーフビード成形凸部51の外縁51a及び跳ね上げビード成形凸部52の外縁52aより外周側に位置している。また、凹型6のハーフビード成形凹部61の内縁61b及び跳ね上げビード成形凹部62の内縁62bは、凸型5と組み合わせたときに、この凸型5のハーフビード成形凸部51の内縁51b及び跳ね上げビード成形凸部52の内縁52bより内周側に位置している。
【0029】
次に
図3に示す金属板1を、
図8及び
図9に示すように凸型5と凹型6の間に位置決めセットしてプレス成形すると、この金属板1は、ハーフビード成形凸部51とハーフビード成形凹部61の間では、予備穴21の存在によって、
図9の(A)に示すように、ハーフビード成形凸部51の外縁51aとハーフビード成形凹部61の外縁61aのみで屈曲され、予備穴21の半円弧状開口縁2aに沿ったハーフビード41が成形される。一方、跳ね上げビード成形凸部52と跳ね上げビード成形凹部62の間では、金属板1に予備穴21が存在しないため、この金属板1は、
図9の(B)に示すように跳ね上げビード成形凸部52の嶺部と跳ね上げビード成形凹部62の外縁62a及び内縁62bの3箇所で屈曲され、断面形状が山形のフルビード42’が成形される。
【0030】
次に、このようなハーフビード41及びフルビード42’からなるシールビードが成形された金属板1を、
図10に一点鎖線で示すように切断する。すなわち、一対の予備穴21,21とフルビード42’,42’で囲まれた領域(
図10に網掛けで示す領域)1aを打ち抜く。
【0031】
この工程では、
図9の(B)に示すフルビード42’における内周斜面部4dを内周裾部4e寄りの位置で切断することによって、
図1に示すように、ポート穴部2が形成されると共にこのポート穴部2の直線状開口縁2b及び緩曲線状開口縁2cに沿った跳ね上げビード42が形成され、メタルガスケットMGの製造が完了する。
【0032】
このため、ポート穴部2の半円弧状開口縁2aに沿ったハーフビード41と直線状開口縁2b及び緩曲線状開口縁2cに沿った跳ね上げビード42が連続したシールビード4を有するメタルガスケットMGを、容易に製造することができる。
【0033】
なお、ポート穴部2を形成する工程において、
図9の(B)に示す内周斜面部4dを内周裾部4eで切断すれば、直線状開口縁2b及び緩曲線状開口縁2cに沿った跳ね上げビード42の部分をフルビードからなるものとすることもでき、その他にも、凸型5及び凹型6のビード成形凸部及びビード成形凹部の形状と、ポート穴部2を形成する切断位置との関係において、半円弧状開口縁2aに沿った部分を跳ね上げビードからなるものとするなど、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 金属板
2 ポート穴部
2a 半円弧状開口縁
2b 直線状開口縁
2c 緩曲線状開口縁
4 シールビード
41 ハーフビード
42 跳ね上げビード
42’ フルビード
5 凸型
50 ビード成形用凸部
51 ハーフビード成形凸部
52 跳ね上げビード成形凸部
6 凹型
60 ビード成形用凹部
61 ハーフビード成形凹部
62 跳ね上げビード成形凹部
MG メタルガスケット