特許第6274455号(P6274455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6274455分子を操作するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274455
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】分子を操作するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20180129BHJP
【FI】
   G01N27/00 Z
【請求項の数】17
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-545035(P2015-545035)
(86)(22)【出願日】2013年8月14日
(65)【公表番号】特表2016-506495(P2016-506495A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】US2013054822
(87)【国際公開番号】WO2014084931
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年7月26日
(31)【優先権主張番号】13/690,149
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ロイユル、アジャイ、ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チャオ
【審査官】 吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−045944(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/028140(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0096268(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−10
14−24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子を操作するための方法であって、
前記分子を導電性流体で満たされたナノチャネル内に導入するステップと、
前記分子の速度を遅くすること、および前記分子を動けなくすることのうちの少なくとも1つを行うように前記ナノチャネル内部に第1の垂直電界を生成するステップと、
前記第1の垂直電界および水平電界によって前記分子を折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばすステップと、
前記分子の単量体を連続的に読み取るステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記分子が読み取りのために検知されるナノギャップに前記分子が接触する前に、前記第1の垂直電界が前記分子を動けなくする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の垂直電界が前記分子の第1の端部を保持し、一方、第2の端部が自由である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分子の前記第1の端部が保持されているときに、前記分子の前記第2の端部が引き伸ばされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の端部を前記第1の垂直電界によって保持しながら、前記分子が真っすぐになるまで、前記水平電界によって前記分子を引き伸ばす、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記単量体を読み取るときに、前記分子が前記分子の前記第2の端部のまたはその端部周辺の第2の垂直電界によって保持される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記分子を一セグメントだけ前進させるステップをさらに含み、前記前進させるステップが、
第1の端部で前記分子を保持するために前記第1の垂直電界を印加し、第2の端部で前記分子を保持するために第2の垂直電界を印加するステップと、
前記分子を一セグメントだけ前進させるように前記水平電界を印加しながらおよび前記分子を前記第2の端部で保持しながら、一パルスの間前記第1の端部の前記第1の垂直電界を解放するステップと、
一パルスの間前記第2の垂直電界を解放している間に、前記水平電界を印加することによっておよび前記第1の垂直電界を印加することによって前記分子を引き伸ばすステップと、
一セグメントだけ進めた前記分子を読み取るステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の垂直電界が、前記ナノチャネルに対して配置された第1の対のトラッピング電極によって生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の垂直電界が、前記第1の対のトラッピング電極とは異なる領域で前記ナノチャネルに対して配置された第2の対のトラッピング電極によって生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記水平電界が1対の電極によって生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の垂直電界が、前記分子を前記ナノチャネルの壁に固定する力を引き起こす、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の垂直電界が、前記分子を前記ナノチャネルの壁に固定する力を引き起こす、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記分子がデオキシリボ核酸であり、前記単量体が前記デオキシリボ核酸の塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記分子がリボ核酸であり、前記単量体が前記リボ核酸の塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
分子を操作するためのシステムであって、
前記分子が導入される、導電性流体で満たされたナノチャネルと、
前記ナノチャネルに対して配置された第1の対のトラッピング電極であって、前記分子の速度を遅くすること、および前記分子を動けなくすることのうちの少なくとも1つを行うように前記ナノチャネル内部に第1の垂直電界を生成するように構成され、前記第1の対のトラッピング電極と、
前記ナノチャネルに対して配置された1対の検知電極であって、前記分子の単量体を連続的に読み取るように構成された、前記1対の検知電極と、
前記ナノチャネル内部に第2の垂直電界を生成するように構成された、第2の対のトラッピング電極と
を備え
前記第1の垂直電界によって前記分子の第1の端部を保持しながら、水平電界によって前記分子を折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばし、
前記単量体を読み取るとき、前記分子が、前記分子の第2の端部で、またはその端部周辺で前記第2の垂直電界によって保持される、システム。
【請求項16】
前記分子が読み取りのために検知される前記1対の検知電極間のナノギャップに前記分子が接触する前に、前記第1の垂直電界が前記分子を動けなくする、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
分子を操作するためのシステムであって、
前記分子が導入される、導電性流体で満たされたナノチャネルと、
前記ナノチャネルに対して配置された第1の対のトラッピング電極であって、前記分子の速度を遅くすること、および前記分子を動けなくすることのうちの少なくとも1つを行うように前記ナノチャネル内部に第1の垂直電界を生成するように構成された、前記第1の対のトラッピング電極と、
前記ナノチャネルに対して配置された1対の検知電極であって、前記分子の単量体を連続的に読み取るように構成された、前記1対の検知電極と、
前記ナノチャネル内部に第2の垂直電界を生成するように構成された、第2の対のトラッピング電極と
を備え、
前記第1の垂直電界によって前記分子の第1の端部を保持しながら、水平電界によって前記分子を折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばし、
前記第1の対のトラッピング電極および前記第2の対のトラッピング電極が前記分子を一セグメントだけ前進させるように独立して制御され、前記制御が、
第1の端部で前記分子を保持するために前記第1の対のトラッピング電極の前記第1の垂直電界を印加し、第2の端部で前記分子を保持するために前記第2の対のトラッピング電極の前記第2の垂直電界を印加することと、
前記分子を一セグメントだけ前進させるように前記水平電界を印加しながら、および前記分子を前記第2の端部で保持しながら、一パルスの間前記第1の端部の前記第1の垂直電界を解放することと、
一パルスの間前記第2の垂直電界を解放している間に、前記水平電界を印加することによって、および前記第1の垂直電界を印加することによって前記分子を引き伸ばすことと、
一セグメントだけ進めた前記分子を読み取ることと、
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ細孔/ナノトレンチ・デバイス、より詳細にはナノ細孔/ナノトレンチ・デバイスにおける分子の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ細孔配列決定は、ヌクレオチドがデオキシリボ核酸(DNA)鎖上に生じる順番を決めるための方法である。ナノ細孔(細孔、ナノチャネル、孔などとも呼ばれる)は、内径が数ナノメートルのオーダの小さな孔であることがある。ナノ細孔配列決定の背後にある理論は、ナノ細孔が導電性流体に沈められ、電位(電圧)がナノ細孔に印加されるときに、何が起こるかに関する。これらの条件の下で、ナノ細孔を通るイオンの伝導によるわずかな電流を測定することができ、電流の量がナノ細孔のサイズおよび形状にきわめて敏感に反応する。DNAの一塩基または鎖がナノ細孔を通過する(または、DNA分子の一部が通過する)場合に、これによってナノ細孔を通る電流の大きさに変化を生じさせることができる。また、他の電気的または光学的センサをナノ細孔のまわりに配置することができ、それによってDNAがナノ細孔を通過する間にDNA塩基を識別することができる。
【0003】
DNAが最終的にナノ細孔を通過することができるように、DNAを様々な方法を使用することによって、ナノ細孔を通り抜けさせることができる。ナノ細孔のスケールは、針の目を通る糸のように、DNAを一度に一塩基ずつ長い紐としてこの孔を通過させることができる効果を有することができる。最近、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、タンパク質などの生体分子を迅速分析するためのセンサとしてナノ細孔を応用することに、ますます関心が高まっている。この技術は、配列決定のコストを$1000/ヒトゲノム未満に低下させる見込みがあるため、DNA塩基配列決定のためのナノ細孔の応用に特に重点が置かれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
固体バイオセンシング技法、例えば、人工的なナノ細孔およびチャネルは、DNA、RNA、タンパク質などを含む多くのタイプの分子を検知するためのフルイディクスに一体化された。現状の手法は、低コストで高精度の分子の検出、例えばDNA塩基配列決定において非常に有望であるが、まだいくつかの特定の要素が欠落している。すなわち、
(1)分子の正確な局所化および検知のための、数ナノメートルまでの限界寸法を有するよく制御された形状、
(2)分子の位置および速度を正確に制御するための効果的な分子のトラッピング機構、
(3)分子の正確なトンネリング認識のための一体化されたセンサ、
(4)分子のトラッピングと検知との間の独立制御および高速切替え、
(5)長い保管寿命および動作寿命を可能にする堅牢な構造設計、
(6)大規模生産のための平坦なVLSI(超大規模集積)技法との完全な両立性である。
上記の要素を一体化する固体バイオセンサの設計は、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によると、分子を操作するための方法が提供される。本方法は、分子を導電性流体で満たされたナノチャネル内に導入するステップと、ナノチャネル内部に第1の垂直電界を生成して、分子の速度を遅くする、または分子を動けなくする、あるいはその両方を行うステップとを含む。また、本方法は、第1の垂直電界および水平電界によって分子を折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばすステップと、分子の単量体を連続的に読み取るステップとを含む。
【0006】
実施形態によると、分子を操作するためのシステムが提供される。本システムは、分子が導入される、導電性流体で満たされたナノチャネルを含む。第1の対のトラッピング電極がナノチャネルに対して配置され、この第1の対のトラッピング電極がナノチャネル内部に第1の垂直電界を生成し、分子の速度を遅くする、または分子を動けなくする、あるいはその両方を行うように構成される。第1の対のトラッピング電極は、第1の垂直電界および水平電界によって分子を折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばすように構成される。1対の検知電極がナノチャネルに対して配置され、この1対の検知電極が分子の単量体を連続的に読み取るように構成される。
【0007】
さらなる特徴および利点は、本発明の技法を通して理解される。本発明の他の実施形態および態様は、本明細書で詳細に説明され、特許請求される本発明の一部と考えられる。利点および特徴を有する本発明をよりよく理解するために、説明および図面を参照されたい。
【0008】
本発明と見なされる主題は、本明細書の添付の特許請求の範囲において詳細に指摘され、明確に特許請求される。本発明の前述のおよび他の特徴ならびに利点は、添付図面とともに考慮される以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスの断面図である。
図2】実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスの三次元図である。
図3】実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスの垂直バイオポリマー・トラッピング機構の断面図である。
図4】実施形態による包み込み底部トラッピング電極に対する上部トラッピング電極と底部トラッピング電極間の断面図である。
図5】実施形態による平らな底部トラッピング電極に対する上部トラッピング電極と底部トラッピング電極間の断面図である。
図6】実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスの断面図であり、トラップされたバイオポリマー分子に対するトンネリング検知を示す。
図7】実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスの断面図であり、トンネリング接合電極がこの電極の2つの電気的に絶縁された部分間にナノギャップを有することを示す。
図8】実施形態によるトンネリング接合電極のナノギャップを形成するための2つの技法を示す図である。 図9〜11は、実施形態による分子を制御するための、および電気的なトンネリング配列決定のための金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスのプロセスを示す図である。
図9】1つのトラップを利用して分子をトラップし、真っすぐにするための断面図である。
図10】2つのトラップでトラップし、続いて分子を真っすぐにし、塩基ごとに分子の配列決定をするための断面図である。
図11】次の分子の配列決定をするために分子を外に移動させる図である。 図12〜16は、実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスに対する作製プロセスを示す図である。
図12】基板にナノトレンチを作製する上面図である。
図13】ナノチャネルを形成するために共形の誘電体堆積によってトレンチ・サイズを低減させることを示す上面図である。
図14】ナノチャネル上の金属M1、M2、およびM3の堆積を示す上面図である。
図15】上部ゲート誘電体材料によるナノチャネルの密閉を示す上面図である。
図16】上部ゲートM4の堆積を示す上面図である。
図17】実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイスにおいてナノチャネルの分子を操作するおよび検知するための方法である。
図18】実施形態に含まれてもよい、または実施形態と組み合わされてもよい、あるいはその両方であってもよい能力を有するコンピュータ(コンピュータ装置)の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態は、静電力を使用して帯電したバイオポリマーをナノ流体チャネル内に導入することと、ナノチャネル内部で垂直に静電界を生成しバイオポリマーを減速させる、または動けなくする、あるいはその両方を行うことと、バイオポリマーを折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばすことと、バイオポリマーを金属のナノギャップに移動させることと、バイオポリマーの単量体の特徴を連続的に読み取ることとを含む、帯電したバイオポリマーを検知するためのシステムを提供する。
【0011】
バイオポリマー、特に核酸(DNA、RNA)の正確で安価な検知は、多くの科学的およびバイオ医学用途の理解にとって重要である。バイオポリマーの電気的配列決定を行うための高スループットのおよび堅牢なデバイスは、有益である。
【0012】
生物学的なナノ細孔は、分子が脂質二重層の1〜2nm(ナノメートル)の膜貫通性のチャネルを通り抜けて移動するときのイオン電流レベルをモニタリングすることによってポリヌクレオチドを検出するために利用されてきた。急速な進歩にもかかわらず、生物学的なナノ細孔は、限られた動作条件(温度、電圧、および化学的環境)、短いデバイス寿命、ナノ細孔の遅い生産速度などのいくつかの問題に悩まされることがある。
【0013】
固体バイオセンシング技法、例えば、人工的なナノ細孔およびチャネルは、DNA、RNA、タンパク質などを含む多くのタイプの分子を検知するためのフルイディクスに一体化された。現状の手法は、低コストで高精度の分子の検出、例えばDNA塩基配列決定において非常に有望であるが、まだいくつかの特定の要素が欠落している。すなわち、
(1)分子の正確な局所化および検知のための、数ナノメートルまでの限界寸法を有するよく制御された形状、
(2)分子の位置および速度を正確に制御するための効果的な分子のトラッピング機構、
(3)分子の正確なトンネリング認識のための一体化されたセンサ、
(4)分子のトラッピングと検知との間の独立制御および高速切替え、
(5)長い保管寿命および動作寿命を可能にする堅牢な構造設計、
(6)大規模生産のための平坦なVLSI(超大規模集積)技法との完全な両立性である。
上記の要素を一体化する固体バイオセンサの設計は、有益である。
【0014】
実施形態は、生体分子検出のための固体の平坦なナノチャネル/ナノトレンチ構造に基づく技法およびシステムを提供する。本システムは、バイオポリマー・トラッピング、直線化、およびトンネリング検知をナノスケール流体システム全体に一体化し、構造的な幾何学形状の設計、材料(電極および誘電体)の選択、さらに将来のオンチップ回路との両立性においても大きな柔軟性が維持される。本システムは、バイオポリマーの動作制御および検知の両方に対して流体ナノチャネルを電極と一体化する。従来のイオン電流およびより正確な横断トンネル電流の両方を使用する検知方法が利用可能である。本システムの作製は、完全に現状のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)技術に基づくことができ、大規模で高スループット生産の実現が可能である。
【0015】
ここで、「ナノトレンチ」および「ナノチャネル」は両方とも、その深さおよび幅が十分にナノスケール(例えば、数ナノメートルから100ナノメートル)の範囲内にあるが、その長さがはるかに大きい(例えば、数10ナノメートルから数マイクロメートルの)一次元の大きさを指す。明瞭にするため、「ナノトレンチ」は、上部が大気に開口する構造を指すが、「ナノチャネル」は、上部が密封された構造を指す。バイオポリマーの電気的な検知の用途において、密封されたナノチャネルによって、より多くの機能要素(例えば、本明細書で論じるような上部電極)との一体化が可能となり、さらにバイオポリマーのより信頼性のあるより正確な制御が行われるため、密閉されたナノチャネルは、より優れたプラットホームと考えられる。
【0016】
さらに、本システムは、高分子(例えば、DNA、RNAおよびタンパク質)の直線化を行い、個々の単量体を、トンネリング検知電極を担持するナノ閉じ込め空間内に制御された速度で連続的に流し込む。単量体は、他の分子に化学的に結合してポリマーを形成することができる分子である。ナノ閉じ込めナノチャネルは、小さな径(例えば、100ナノメートル未満、とりわけ20ナノメートル未満)を有し、長いポリマーセグメントを均一に流すための、および高スループットで読み取るための十分な長さを有する。ナノチャネルには、ターゲット・ポリマーを特定位置に固定するための、またはここでは「トラッピング」と呼ばれる垂直の電極対が備わっている。また、ナノチャネルは、ポリマーの形状、速度、および位置を制御するための(例えば、ナノチャネル方向に沿った)一連の横方向電極と一体化される。トンネリング・センサは、間にナノギャップ(例えば、5ナノメートル未満、とりわけ1〜3nm)を有するナノチャネル内に埋め込まれたスプリット電極接合である。
【0017】
1つの特徴として、ポリマーは、ナノギャップ・センサと接触する前に垂直のトラッピング電極によって不動化される。垂直のトラッピング電極は、ナノチャネルの入口および出口の両方に2組の底部電極、さらに底部電極と対になって位置合わせされた2組の上部電極を含む。対になった上部および底部電極は、流体チャネルを囲む誘電体層によって分離される。
【0018】
帯電したポリマーがナノチャネル内に入ることによって、連続的なイオン電流の変化が生じ、これが引き金となって底部および上部電極に電位が印加され、こうして、電極間にはさまれたナノチャネル内に垂直電界が確立される。
【0019】
例えば、電極とナノチャネル間の誘電体層厚を低減させることによって、および高k誘電体材料を使用することによって、電界強度、したがって、ナノチャネル内のDNAに及ぼす力を最大化することができる。十分に大きな垂直静電力によって、ポリマーは、ナノチャネルの上部の天井部または底部の床部に押しやられ、こうしてチャネル側壁から大きな摩擦力を受ける。2つのマイクロサイズの入口/出口における外部電極、または隣接する水平の電極対、あるいはその両方が及ぼす電気泳動力が摩擦力よりもはるかに小さいならば、摩擦力は、ナノチャネル内のポリマーの移動速度を非常に遅くすることができ、一時的にポリマーをナノチャネル内部にトラップすることさえできる。
【0020】
1つの特徴として、帯電したポリマーは、横方向トラッピング電極によってトラップされ、次いで直線化される。帯電したポリマーに印加される垂直トラップ電界によって、小さなDCまたはAC電圧がトラッピング電極と入口/出口間に印加される。各力は、ナノチャネル内のトラップされていないポリマーが入口または出口を通って押し出されるように設計される。また、静電力は、トラップされたポリマーの両側を引っ張り、実質的にポリマーを直線化する。
【0021】
1つの特徴として、単量体、例えば、DNAおよびRNAに対する塩基の順次読み取りは、直線化されたポリマーをマイクロスケールの入口/出口を通過させ、ナノギャップ電極センサを担持するナノチャネル内に通すことによって達成される。単量体は、水平電界によって静電的に押し動かされ、ナノギャップ・センサを直線状に通過することを余儀なくされ、その結果トンネル電流が、単量体がブリッジとして働くスプリット検知電極を通って流れる。
【0022】
特徴として、スプリット検知電極は、テストされる異なる単量体に選択的に結合することができる化学的なリンカによって機能化される。単量体が検知電極間のナノギャップを通って流れると、単量体は、異なる強度で、異なる持続時間、リンカと結合し、したがって異なる大きさおよび持続時間を有する検知電流が生じる。次いで、単量体は、記録された電流レベルおよび増進/遮断持続時間により識別されうる。
【0023】
単量体は、修飾、例えば、異なる重金属原子で標識付けされてもよい。この場合、スプリット接合電極上のトンネル電流は、標識付けされた重金属原子と電極との相互作用に大いに依存する。
【0024】
また、上部電極は、追加の誘電体層によって閉じ込められ、バイア・ホールが穴開けされ、電極がすべてプロービングのために外部に接続される。そうした構成は、相互接続の長さを大幅に短縮し、したがって、寄生容量を低減させることができ、それに応じてノイズを著しく低減させる。また、そうした構成は、機能性ナノチャネル・ユニットそれぞれの占有面積を最小化し、したがって各チップ上のセンサの実装密度を最大化することができる。
【0025】
ここで図に目を向けると、図1は、実施形態によるデバイス100の断面図であり、図2は、デバイス100の三次元図である。デバイス100は、金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)の概略図である。図1および2は、全体に図1と呼ばれることがある。
【0026】
デバイス100は、誘電体層13を有する基板11上に構築された流体ナノチャネル31、ならびにナノチャネル31を囲む誘電体被覆材料18および19(例えば、上部誘電体被覆材料および底部誘電体被覆材料)を含む。誘電体層19は、ナノチャネルの密閉用である。また、デバイス100は、ナノチャネル31と交差する(M1と名付けられた)底部トラッピング電極15、および(M3と名付けられた)底部トラッピング電極17を含む。(M4aと名付けられた)上部トラッピング電極20は、底部トラッピング電極15(M1)に位置合わせされ、(M4bと名付けられた)上部トラッピング電極21は、底部トラッピング電極17(M3)に位置合わせされる。上部トラッピング電極20および21は、(同一であってもよい)誘電体層18および19、ならびにナノチャネル31によって、底部トラッピング電極15および17から分離される。(M2と名付けられた)トンネリング電極16は、(最も狭い位置105において)ナノチャネル31ならびに付属のマイクロチャネル入口および出口(図示せず)に位置合わせされる。トンネリング電極16は、検知電極、トンネリング接合電極、および(ナノギャップが電極間に形成されるため)スプリット電極と呼ばれることがある。ナノチャネル31は、導電性流体(導電性電解質など)で満たされる。導電性流体は、例えば、KCl、トリスCl、TEバッファなどを含むことができる。
【0027】
デバイス100は、目標位置で分子をトラップし、それらの形状を操作し、正確にそれらを検出することを含む、分子の精密な制御のために(バイオポリマー分子を含有する)導電性液体をマイクロ/ナノ閉じ込めに流し込むように設計される。バイオポリマー分子は、ポリ核酸、例えばDNA、RNAを含む任意の線状分子であってもよい。バイオポリマー分子150は、図2のナノチャネル31内に示されている。バイオポリマー分子150は、左側トンネリング電極M2aと右側トンネリング電極M2bの中間を通過する分子150の各塩基を連続的に検知するため(電圧源によって電圧を印加し、電流計によって電流を測定することによって、両方ともコンピュータ700によって実施されてもよい)、左側トンネリング電極M2aおよび右側トンネリング電極M2bを有するトンネリング電極16間に形成されたナノギャップ140内に配置されるように制御される。
【0028】
導電性流体/液体は、容器110からデバイス100の一方の側に(例えば、マイクロチャネル入口に)施され、ナノチャネル31を通ってもう一方の側に流れ、(最後には、マイクロチャネル出口から流れ出て)容器115に流入するように押し動かされうる。両方の容器110および115は、導電性流体で満たされる。ナノチャネル31に接続するマイクロチャネルの入口および出口は、バイオポリマー容器、さらにはそれぞれの容器110および115の外部バイアス電極120および125と接触するインターフェースの両方として使用される。バイオポリマー分子150は、導電性液体中で帯電し、したがって(バイアス電極120および125に接続された(コンピュータ700によって実施されてもよい)電圧源の電圧によって生成される電界の)電気泳動力によって押し動かされ、ナノチャネル31領域に流入することができ、そこで分子150の操作および検知が行われる。
【0029】
デバイス100において、高k誘電体材料(例えば、Al(ε=9)、HfO(ε=25)、TiO(ε=80)など、ここでkは材料の比誘電率、εは誘電率である)を誘電体層18および19に対する絶縁材料として使用して、ナノチャネル31を囲み、底部トラッピング電極15および17を上部トラッピング電極20および21から分離する。図2でさらに論じるように、バイオポリマー分子150は、一旦ナノチャネル31内へ入ると(ナノチャネル31を通って流れるイオン電流レベルの変化に基づいてコンピュータ700によって)検出され、次いで、上部および底部トラッピング電極20および15(M4a/M1)、または上部および底部トラッピング電極21および17(M4b/M3)、あるいはその両方に印加される垂直電界を使用してトラップされうる。
【0030】
図3、4、および5は、実施形態による金属絶縁体チャネル電界効果トランジスタ(MIC−FET)デバイス100の垂直バイオポリマー・トラッピング機構を示す。図3は、X−Z面に沿ったデバイス100の断面図である(Yはページの方向である)。図4は、Y−Z面に沿ったM1またはM3電極を横切る断面図であり、包み込み底部トラッピング電極M1/M3に対する上部および底部トラッピング電極間のバイオポリマー分子150の幾何学形状を示す。図5は、Y−Z面に沿ったM1またはM3電極を横切る断面図であり、平らな底部トラッピング電極M1/M3に対する上部および底部トラッピング電極間のバイオポリマー分子150の幾何学形状を示す。
【0031】
電圧が上部トラッピング電極20/21および底部トラッピング電極15/17に印加されると、(トラッピング電極への印加電圧の極性に応じて上向きまたは下向き矢印で示される)垂直電界205が、バイオポリマー分子150を上部誘電体層19または底部誘電体層18のいずれかにトラップする(押し付ける)ことができる上部トラッピング電極M4と底部トラッピング電極M1/M3との間に生成される。正電圧が上部トラッピング電極M4a/M4bに印加され、負電圧が底部トラッピング電極M1/M3に印加される場合、バイオポリマー分子150は、底部誘電体層18に押し付けられる。反対に、負電圧が上部トラッピング電極M4a/M4bに印加され、正電圧が底部トラッピング電極M1/M3に印加される場合、バイオポリマー分子150は、上部誘電体層19に押し付けられる。
【0032】
例えば、バイオポリマー分子150は、大きな静電力を受け、上向きにまたは下向きにナノチャネル壁(例えば、誘電体層18および19)に(上向きまたは下向きの垂直電界205によって)押しやられ、その結果ナノチャネル壁に対する強い摩擦力を受け、それに応じてバイオポリマー分子150の速度を遅くする。電圧が上部および底部トラッピング電極20および15、または上部および底部トラッピング電極21および17、あるいはその両方に印加される場合、摩擦力が電気泳動力に打ち勝つことができるという事実を考えると、バイオポリマー分子150の速度をゼロにまで低減させることができる。この場合、バイオポリマー分子150は、ナノチャネル31のオーバラップ電極領域内部にトラップされる。平坦な構成を使用して、バイオポリマー分子150を蛍光染料で染色することができ、トラッピングの挙動を顕微鏡下で、実時間で観察することができる。
【0033】
図4は、包み込み底部電極M1またはM3あるいはその両方に対して、(誘電体層19およびナノチャネル31を通る)垂直電界205線がバイオポリマー分子150をナノチャネル31の上部または底部に押し付けていることを示す。
【0034】
図5は、平らな底部電極M1またはM3あるいはその両方に対して、(誘電体層19、誘電体層51、ナノチャネル31、および誘電体層13を通る)垂直電界205線がバイオポリマー分子150をナノチャネル31の上部または底部に押し付けていることを示す。平らな底部電極を形成するために、図5は、底部トラッピング電極15および17を基板11上に直接堆積させ、誘電体層13を基板11ならびに底部トラッピング電極15および17の両方に堆積させる例を示す。誘電体層41を堆積させ、次いでエッチングしてチャネルを形成し、誘電体層51を堆積させる。
【0035】
図6は、トラップされたバイオポリマー分子150に対するDNAトンネリング検知を示すデバイス100の断面図である。M4aおよびM1電極が分子150をトラップすると、電圧バイアスVbがバイアス電極120および125に印加され、分子150をM4bおよびM3電極に向かってX方向に押し動かす。(バイアス電極120に印加された0.5ボルトおよびバイアス電極125に印加された−0.5ボルトを表わす)電圧バイアスVbによって生成された水平電界は、M4aとM1間の垂直電界205が分子150の一方の端部を保持しているときに、コイル状のバイオポリマー分子150を引き伸ばす(すなわち、直線化する、またはほどく)。分子150の自由端部は、電極M2aおよびM2bを通過してトラッピング電極M4bとM3間の領域に達する。分子150が真っすぐに伸ばされると、(トラッピング電極M4aおよびM1が左端部を保持し続けながら)電圧をトラッピング電極M4bおよびM3に印加してバイオポリマー分子150の自由端部をトラップすることができ、それによって両端部(左右)がトラップされる(適所に保持される)。ここで、検知電極M2aおよびM2bによって分子150を検知することができる。
【0036】
言いかえれば、トラップされた分子150に作用する反対方向の力が分子150をほぐし、真っすぐにする。(分子150をトラップするための)垂直電界および(ナノチャネル31を通って分子150を水平に移動させるための)水平電界の両方を利用するデバイス100によって、異なる(垂直および水平の)力の独立した制御が大きさおよび方向の両方において行われ、目標とするバイオポリマー分子150の位置および形状を制御する際の柔軟性が提供される。例えば、(分子150を、ナノチャネル31を通って移動させるように)電圧バイアスVbがバイアス電極120および125にまだ印加されている場合でさえ、トラッピング電極M4aおよびM1に印加される電圧を増加させて、分子150がナノチャネル31を通って移動しないようにすることができる。
【0037】
一旦、分子150がトラッピング電極M4aおよびM1、またはトラッピング電極M4bおよびM3、あるいはその両方の垂直電界によってトラップされると、当業者には理解されるように、(ナノセンサとして動作する)検知電極M2aおよびM2bに電圧を印加することによって、ナノチャネル31内で真っすぐにされたバイオポリマー分子150を測定することができる。
【0038】
分子の検知に対して、図7は、トンネリング接合電極16(M2aおよびM2b)が、この電極の電気的に分離された2つの部分(M2aとM2b)間のナノチャネル31に位置合わせされたナノギャップ140(G)を有することを示すデバイス100の断面図である。ナノギャップ140(G)は、(分子150上の)塩基、ヌクレオチドまたは単量体がナノギャップ140を通過するときの有意なトンネル電流の検出を確実に行うため、(例えば、5ナノメートル未満、とりわけ約2ナノメートルの)分子寸法を有する。これは、トンネリング検出が量子力学プロセスであり、ナノギャップ・サイズが増加するとともに、電流が指数関数的に低下するためである。デバイス100は、ナノギャップ140を精密に位置合わせし、そのサイズを5ナノメートル未満にまで制御し、このようにして信頼性のあるトンネリング検出を可能にする。ある場合には、ナノギャップ140は、5〜10ナノメートルであってもよい。感度のよい電流計を使用して、場合によっては前置増幅器と組み合わせて検出を行うことができる。
【0039】
一連の塩基または単量体事象を実際に収集する、イオン電流を使用する検出と比較して、トンネル電流は、個々の塩基または単量体の通過の事象を反映するためはるかに感度がよい。より正確に検出するため、トンネリング電極M2aおよびM2bは、被膜315によって化学的に機能化されてもよく、それによって、標的バイオポリマー分子150の個々の塩基、ヌクレオチドまたは単量体(例えば、DNAまたはRNAの分子に対する塩基)のトンネリング信号が塩基および単量体の異なる独特の特徴を反映する。例えば、被膜315は、特定の塩基および単量体の識別および検出を強化するために標的分子150の塩基および単量体に特に付着するように設計された自己組織化された検知化学物質である。一実施形態において、同一チップ上に作成された複数のナノチャネル31があってもよく、異なるナノチャネル31が異なる分子(すなわち、異なる被膜315)で機能化されたナノセンサ(すなわち、電極M2aおよびM2b)を有することができる。この場合、同じバイオポリマー分子150が何回も異なるナノチャネル31を同時に通り抜けることができ、こうして、大量のデータを速やかに収集することができ、これによって高速で正確な識別を行うためのバイオポリマー分子150に関する統計的な研究が可能となる。
【0040】
感度をより高くするため、異なる塩基および単量体に、例えば、重金属原子によって選択的に標識付けすることができ、それによって、指紋トンネリング信号が互いによりよいコントラストを有するようになる。
【0041】
図8は、図7の断面図に示す2つの検知電極16間のナノギャップ140を形成するための2つの技法を示す。図8において、図350は、シャドー(角度)蒸着によって2つの検知電極16(M2aおよびM2b)を作ることができることを示す。図355は、スパッタリングによって単一の検知電極16を作ることができることを示し、次に、図360は、印加電圧(v)によるエレクトロマイグレーションを使用して単一の電極16を2つの部分(M2aおよびM2b)に分離し、間にナノギャップ140を形成することを示す。
【0042】
図9、10、および11は、電気的なトンネリング配列決定のためのMIC−FETデバイス100のプロセスを示す。デバイス100によるプロセスは、全体に図9と呼ばれることがある図9、10、および11を通して続いているとして示される。
【0043】
分子150(例えば、DNA)は、ブロック405で電極120および125に印加された電圧バイアスVb(0.5ボルト)によって押し動かされx方向(左から右)に流れる。
【0044】
ブロック410で、z方向の垂直のトラッピング電位/電圧が(例えば、イオン電流が引き金となって)電極M1およびM4aに印加され、(DNA分子150を上または下に押しやり、ナノチャネル31壁に対する摩擦を引き起こすことによって)DNA分子150を停止させる。
【0045】
ブロック415で、x方向(水平)電界は、(電圧バイアスによって)x方向電界中でナノチャネル31内のDNA分子150を伸長し/引き伸ばし、一方電極M4aおよびM1は、強い垂直のトラッピング電界(したがって大きな摩擦力)によって分子150の左側端部を保持する。
【0046】
ブロック420は、デバイス100がDNA分子150をM3/M4b領域内へ伸長し続けていること、ならびに(電極M3およびM4bに印加される電圧によって)トラッピング電極M3およびM4bが活性化され、垂直のトラッピング電界を生成していること、分子150を引き伸ばすために、デバイス100が、電極M3およびM4bに印加される電圧をパルス化し、電圧バイアスVbを印加し続け、電極M1およびM4aに電圧を印加することによってM1およびM4aのトラッピングを保持していることを示す。
【0047】
ブロック425は、電極M1およびM4a(トラップ)、ならびに電極M3およびM4b(トラップ)のトラッピングを保持することと、電圧バイアスVbを除去することと、電極M2aおよびM2bに電圧を印加することによってナノギャップ140中でDNA塩基またはセグメントmを読み取ることとを示す。
【0048】
ブロック430は、(電圧バイアスVbを印加しながら、ならびにトラッピング電極M3およびM4bに電圧を印加しながら、一電圧パルスの間トラッピング電極M1およびM4aを解放することによって)一セグメントまたは一塩基あるいはその両方だけ分子150を前進させることと、(なおも電圧Vbを印加し、電極M1およびM4a(トラップ)に電圧を印加しながら、電極M3およびM4b(トラップ)の電圧をパルス化することによって)分子150を引き伸ばすことと、分子150のDNAセグメントm+1を読み取ることとを示す。ブロック430が繰り返され、分子150の塩基(例えば、セグメントm+1......最後のセグメントまで)のすべての配列決定を終える。
【0049】
ブロック435は、配列決定されたDNAがx方向の電圧バイアスVbの力によって遠ざけられ、第2のDNA分子150がナノチャネル31内へと移され、上で論じたように(ブロック405からスタートして)配列決定されようとしていることを示す。
【0050】
下記は、デバイス100のための作製プロセスの一例である。デバイス100の例示的な作製プロセスを、図12、13、14、15、および16に示す。図12は、基板11にナノトレンチを作製する上面図である。(最終的にナノチャネル31になる)リセスされたチャネル12が基板内に示されている。トレンチの横方向の寸法Wは、長さに沿って、および大きな範囲(例えば、数ナノメートルから数ミクロン以上)で連続的に変化させることができる。トレンチの深さは、ナノメートル・スケールからミクロン・スケール以上で設計されてもよい。狭いトレンチに対するパラメータの一例は、以下であってもよい。すなわち、25nm(幅G)*50nm(長さ)*25nm(深さ)である。広いトレンチに対するパラメータの一例は、以下であってもよい。すなわち、50nm(幅)*50nm(長さ)*25nm(深さ)である。
【0051】
図13は、共形の誘電体堆積によってナノトレンチ・サイズを低減させることを示す上面図である。誘電体被膜を基板11上に堆積させて誘電体層13を形成する。ここで、リセスされたチャネル12は、チャネル12内部に誘電体層13を有し、チャネル12の寸法をナノチャネル31にまで低減させる。誘電体層13に対する誘電体被膜材料は、SiO、Si、Al、HfO、TiOなどを含むことができる。また、誘電体被膜材料は、化学的な機能性を提供する。被膜方法は、ドライまたはウェット条件であってもよい。具体的には、共形の堆積方法(例えば、ALD、LPCVDなど)が使用されてもよい。
【0052】
誘電体被膜材料は、横方向寸法GをG=G−2tDieに低減させ、ここでGはチャネル14の最も狭い部分の新しい幅であり、tDIEは誘電体の厚さである。誘電体材料の共形被膜を、チャネル側壁上を含むすべてに堆積させ、したがってチャネル幅を低減させていることに留意されたい。パラメータの一例は、下記であってもよい。すなわち、狭いトレンチ幅(もとは約25nm)を約15nmに低減させるために施される堆積厚さが約5nmである。
【0053】
図14は、ナノチャネル31上の金属M1、M2、およびM3の堆積を示す上面図である。金属は、電極15、16、および17を形成するための導電性材料である。
【0054】
金属M1、M2、およびM3の幾何学形状(例えば、形状、長さ、幅、厚さ)は、異なってもよい。金属M1、M2、およびM3の材料は、異なる機能のために互いに異なってもよい。金属M1、M2、およびM3の材料を個々に堆積させることができ、表面は、化学的にまたは他の手段によって修飾される。金属M1およびM3は、DNA分子150を引き伸ばし、段階的に動かすための一群の横方向電極であってもよい。
【0055】
金属に対するパラメータの一例は、下記であってもよい。すなわち、金属の厚さが約5nm、M2の幅が5nm(目標)、M1およびM3の幅が約40nmである。狭いトレンチについては、M2での幅Gを約5nmにまでさらに低減させる。隣接電極の(例えば、M1とM2とM3との間の)間隔は、約50nmである。
【0056】
図15は、上部ゲート誘電体材料19によるナノチャネル31の密閉を示す上面図である。誘電体層19に対する絶縁材料は、ナノチャネル31の密閉のために使用される。また、この材料は、DNAをトラップする電界制御を行う。
【0057】
ブロック505は、誘電体層19下に密閉された(金属M3に当てはまる)金属M1の断面図を示し、ブロック510は、誘電体層19下に密閉された金属M2aおよびM2bの断面図を示す。
【0058】
図16は、上部ゲートM4の堆積を示す上面図である。金属M4aおよびM4bは、分子の操作に使用される上部ゲート材料である。M4は、M1、M2、およびM3に対する材料と同じであっても、または異なってもよい。M4は、垂直トラッピング電極20および21として、M1およびM3とのオーバラップ領域それぞれにおいて帯電した分子150の垂直電気制御を行う。M4は、幾何学形状がつながっている線または分離した線として設計されうる。
【0059】
また、図16は、当業者には理解されるように容器110および115に動作可能に接続された、マイクロ入口(左)およびマイクロ出口(右)などのマイクロチャネルを示す。
【0060】
図17は、デバイス100のナノチャネル31中で分子150を操作および検知する方法600である。(以下で論じる図18とともに)図1〜16を参照することができる。
【0061】
ブロック605で、バイアス電極120および125の電圧バイアスは、分子150を(容器110から)導電性流体で満たされたナノチャネル31内へと押し動かす(導入する)。
【0062】
ブロック610で、トラッピング電極15および20は、ナノチャネル31内部に第1の垂直電界(例えば、垂直電界205)を生成し、ナノチャネル31中で分子の速度を少なくとも遅くし、分子150を動けなくする。
【0063】
ブロック615で、分子150は、トラッピング電極15および20の第1の垂直電界、ならびに電極120および125の水平電界によって折りたたまれていない線状鎖に引き伸ばされる。ブロック620で、検知電極16は、分子150の単量体を(電圧源および電流計への接続を介して)連続的に読み取る。
【0064】
分子150が読み取りのために検知される(検知電極M2aとM2b間の)ナノギャップ140と接触する前に、(トラッピング電極M1およびM4aによる)第1の垂直電界205が分子150を動けなくする方法。第1の垂直電界が分子150の第1の端部を保持し、一方、第2の端部が自由である方法(例えば、ブロック410および415)。分子の第1の端部がトラッピング電極M1およびM4aによって保持されているときに、分子150の第2の端部が引き伸ばされる方法(例えば、ブロック415)。第1の端部を垂直電界によって保持しながら、分子150が真っすぐになるまで(電極120および125による)水平電界によって分子150が引き伸ばされる方法(例えば、ブロック415)。単量体を読み取るときに、分子150の第2の端部で、またはその端部周辺で(トラッピング電極M3およびM4bの)第2の垂直電界によって分子150が保持される方法(例えば、ブロック420および425)。
【0065】
本方法は、分子150を一セグメントだけ前進させ、このことは、第1の端部で分子を保持するために第1の垂直電界を印加し、第2の端部で分子を保持するために第2の垂直電界を印加すること(ブロック420および425)と、分子を一セグメントだけ前進させるように、水平電界を印加しながらおよび分子150を第2の端部で保持しながら、一パルスの間第1の端部の第1の垂直電界を解放すること(ブロック425および430)と、一パルスの間第2の電界を解放している間に、水平電界を印加することによっておよび第1の垂直電界を印加することによって分子を引き伸ばすこと(ブロック415および425)と、一セグメントだけ進めた分子150を読み取ること(ブロック430)と、を含む。
【0066】
第1の垂直電界が、ナノチャネル31に対して配置された第1の対のトラッピング電極M1およびM4aによって生成され、第2の垂直電界が、第1の対のトラッピング電極とは異なる領域においてナノチャネル31に対して配置された第2の対のトラッピング電極M3およびM4bによって生成される方法。第1の垂直電界が、分子をナノチャネル31の壁(例えば、極性に応じて底部または上部)に固定する力を引き起こし、第2の垂直電界が分子150をナノチャネル31の壁(例えば、極性に応じて底部または上部)に固定する力を引き起こす方法。
【0067】
分子150がデオキシリボ核酸であり、単量体がデオキシリボ核酸の塩基(ヌクレオチド)である方法。分子がリボ核酸であり、単量体がリボ核酸の塩基(ヌクレオシド)である方法。
【0068】
図18は、トラッピング電極15および20、トラッピング電極17および21、検知電極16、バイアス電極120および125に個々に接続されたそれぞれの電圧源によって印加される電圧の実施、制御、または調整、あるいはそれらすべてを行うことができる(例えば、試験および分析のためコンピュータ装置の一部としての)コンピュータ700の例を示す。コンピュータ700は、トラッピング電極15および20、トラッピング電極17および21、検知電極16、バイアス電極120および125に個々に接続されたそれぞれの電流計の(電流)測定の実施、制御、または調整、あるいはそれらすべてを行うことができる。
【0069】
また、本明細書で論じた様々な方法、手順、モジュール、流れ図、ツール、用途、回路、要素、および技法は、コンピュータ700の能力を組み込むまたは利用するあるいはその両方を行うことができる。さらに、コンピュータ700の能力を利用して、本明細書で論じた例示的な実施形態の特徴を実施することができる。コンピュータ700の能力の1つまたは複数を利用して、図1〜17において(当業者には理解されるように)本明細書で論じたいずれの要素も実施する、接続する、またはサポートする、あるいはそれらすべてを行うことができる。例えば、コンピュータ700は、任意のタイプの計算デバイス、または(電流計、電圧源、コネクタなどを含む)テスト装置、あるいはその両方であってもよい。コンピュータ700の(適切なソフトウェアおよびハードウェアを有する)入力/出力デバイス770は、ケーブル、プラグ、ワイヤ、電極、パッチ・クランプなどを介して、本明細書で論じたナノデバイスおよび構造を含むことができ、またはナノデバイスおよび構造に結合することができ、あるいはその両方を行うことができる。また、入力/出力デバイス770の通信インターフェースは、本明細書で論じたような電圧源、電流計、および電流トレースなど(例えば、電流の大きさおよび持続時間)と通信する、動作可能に接続する、電圧源、電流計、および電流トレースなどを読み取る、または制御する、あるいはそれらすべてを行うためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。入力/出力デバイス770のユーザ・インターフェースは、コンピュータ700と対話する、例えば、情報を入力する、選択する、異なる電圧源を独立して制御する、または各塩基、分子、生体分子などに対する電流トレースを表示する、視覚化するおよび記録する、あるいはそれらすべてを行うための、例えば、トラックボール、マウス、ポインティング・デバイス、キーボード、タッチ・スクリーンなどを含むことができる。
【0070】
一般に、ハードウェア・アーキテクチャの点では、コンピュータ700は、1つまたは複数のプロセッサ710、コンピュータ可読記憶装置720、およびローカル・インターフェース(図示せず)を介して通信可能に結合される1つまたは複数の入力または出力あるいはその両方の(I/O)デバイス770を含むことができる。例えば、ローカル・インターフェースは、限定されないが、当技術分野で知られているような、1つまたは複数のバス、あるいは他の有線もしくは無線接続であってもよい。ローカル・インターフェースは、さらなる要素、例えば、通信を可能にするコントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、中継器、および受信機を有することができる。さらに、ローカル・インターフェースは、前述の構成要素間で適切な通信を可能にするアドレス、制御、またはデータ接続、あるいはそれらすべてを含んでもよい。
【0071】
プロセッサ710は、メモリ720に記憶することができるソフトウェアを実行するためのハードウェア・デバイスである。プロセッサ710は、事実上任意のカスタム仕様のもしくは市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、データ信号プロセッサ(DSP)、またはコンピュータ700に関連付けられたいくつかのプロセッサ中の副処理装置であってもよく、プロセッサ710は、半導体ベースの(マイクロチップの形態の)マイクロプロセッサまたはマクロプロセッサであってもよい。
【0072】
コンピュータ可読メモリ720は、揮発性メモリ素子(例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)などのランダム・アクセス・メモリ(RAM))および不揮発性メモリ素子(例えば、ROM、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、テープ、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、ディスク、ディスケット、カートリッジ、カセットなど)のいずれか1つまたはそれらの組合せを含むことができる。さらに、メモリ720は、電子的、磁気的、光学的、または他のタイプの、あるいはそれらすべての記憶媒体を組み込むことができる。メモリ720は、様々な構成要素が互いに遠隔に位置するが、プロセッサ710によってアクセス可能な、分散アーキテクチャを有することができることに留意されたい。
【0073】
コンピュータ可読メモリ720内のソフトウェアは、1つまたは複数の個別のプログラムを含んでもよく、このプログラムのそれぞれが論理関数を実施するための実行可能命令の順序付きリストを備える。メモリ720内のソフトウェアは、適切なオペレーティング・システム(O/S)750、コンパイラ740、ソース・コード730、および例示的な実施形態の1つまたは複数のアプリケーション760を含む。図示するように、アプリケーション760は、例示的な実施形態の特徴、プロセス、方法、機能、および動作を実施するための多数の機能コンポーネントを備える。
【0074】
オペレーティング・システム750は、他のコンピュータ・プログラムの実行を制御することができ、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、通信制御、ならびに関連サービスを提供する。
【0075】
アプリケーション760は、ソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクト・コード)、スクリプト、または遂行される1組の命令を含む任意の他のエンティティであってもよい。ソースプログラムの場合、プログラムは、通常(コンパイラ740などの)コンパイラ、アセンブラ、インタープリタなどを介して翻訳され、これらは、O/S750とともに適切に動作するようにメモリ720内部に含まれても、含まれなくてもよい。さらに、アプリケーション760は、(a)データおよび方法のクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、あるいは(b)ルーチン、サブルーチン、もしくは関数、またはそれらすべてを有する手続き型プログラミング言語として記述することができる。
【0076】
入力/出力デバイス770は、例えば、限定されないが、マウス、キーボード、スキャナ、マイクロホン、カメラなどの入力デバイス(または周辺装置)を含んでもよい。さらに、入力/出力デバイス770は、例えば、限定されないが、プリンタ、表示装置などの出力デバイス(または周辺装置)も含むことができる。最後に、入力/出力デバイス770は、入力および出力の両方を通信するデバイス、例えば、限定されないが、(リモート・デバイス、他のファイル、デバイス、システム、またはネットワークへアクセスするための)NICもしくは変調器/復調器、無線周波数(RF)もしくは他のトランシーバ、電話のインターフェース、ブリッジ、ルータなどをさらに含んでもよい。また、入力/出力デバイス770は、インターネットまたはイントラネットなどの様々なネットワーク上で通信するための構成要素を含む。入力/出力デバイス770は、ブルートゥース(登録商標)接続および(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、シリアル・ポート、パラレル・ポート、ファイア・ワイア、HDMI(R)(高解像度マルチメディア・インターフェース)などによる)ケーブルを利用してプロセッサ710と接続されるまたは通信するあるいはその両方を行うことができる。
【0077】
アプリケーション760がハードウェアで実施される例示的な実施形態では、アプリケーション760は、それぞれが当技術分野でよく知られている以下の技術のいずれか1つまたは組合せによって実施されうる。すなわち、データ信号に対して論理機能を実施するための論理ゲートを有するディスクリートの論理回路(複数可)、適切な組合せ論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ゲート・アレイ(複数可)(PGA)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などである。
【0078】
本明細書で使用される術語は、特定の実施形態のみを記載するためであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈で明確にそうでないと述べない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。用語「備える」または「備えている」あるいはその両方は、本明細書で使用される場合、述べた特徴、整数、ステップ、動作、要素、または構成要素、あるいはそれらすべての存在を明示し、もう1つの他の特徴、整数、ステップ、動作、構成要素、またはこれらのグループ、あるいはそれらすべての存在または追加を排除しないことをさらに理解されるであろう。
【0079】
下記の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステップに加えて機能要素の対応する構造、材料、行為、および均等物は、具体的に特許請求されるような他の特許請求される要素と組み合わせて機能を行うための任意の構造、材料、または行為を含むことが意図されている。本発明の記載は、例示および説明の目的のために示されており、網羅的であることまたは開示された形態において本発明に限定されることは意図されていない。多くの変更形態および変形形態が本発明の範囲および趣旨から逸脱せずに、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理および実際的応用について最善の説明をするために、および当業者が企図する特定の使用に適するような様々な変更形態を有する様々な実施形態に対して本発明を理解することができるように選択され記載された。
【0080】
本明細書に示された流れ図は、一例に過ぎない。本発明の趣旨から逸脱せずに、本図面または本図面に記載されたステップ(または動作)に対する多くの変形形態があってもよい。例えば、各ステップは、異なる順に行われてもよく、またはステップは、追加され、削除され、もしくは変更されてもよい。これらの変形形態のすべては、特許請求される本発明の一部と考えられる。
【0081】
本発明に対する好ましい実施形態について記載したが、当業者は、現在および将来の両方において、添付の特許請求の範囲の範囲内にある様々な改善および改良を行うことができることを理解されるであろう。これら特許請求の範囲は、最初に記載された本発明に対する適切な保護を維持すると解釈されるべきである。
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