(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、帯状のカソード構造体と帯状のアノードとを直交方向に交互につづら折りする場合には、つづら折りを繰り返すにつれてカソードの電極本体とアノードの電極本体との位置がずれる可能性が高くなる。したがって、従来の電気化学セルにおいては、電極本体の位置がずれることを抑制する上で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、正極本体と負極本体との位置がずれることを抑制することができる電気化学セル及び電気化学セルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電気化学セルは、一方向に並んで配置された複数の正極本体と、隣り合う2つの前記正極本体を接続する正極本体接続部と、を有する帯状の正極電極と、前記一方向に並んで配置された複数の負極本体と、隣り合う2つの前記負極本体を接続する負極本体接続部と、を有する帯状の負極電極と、前記正極電極と前記負極電極との間に配置されたセパレータと、を備え、前記正極電極と前記負極電極とは、前記セパレータを介して、前記正極本体と前記負極本体とが前記一方向に互い違いに重なるように重ね合わされた帯状の重ね合わせ体とされ
、前記正極電極は、前記セパレータと一体化され、前記一方向に並んで配置された複数の構造体本体と、隣り合う2つの前記構造体本体を接続する構造体本体接続部と、を有する帯状の正極構造体とされ、前記正極電極の外形は、前記負極電極の外形よりも小さく、前記正極構造体の外形は、前記負極電極の外形と同じ大きさであり、前記重ね合わせ体は、前記構造体本体と前記負極本体とが前記一方向に互い違いに重なるように、前記正極構造体と前記負極電極とが重ね合わされて構成され、前記構造体本体の外形は、前記負極本体の外形と同じ大きさであることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、正極本体と負極本体とが一方向に互い違いに重なることによって、正極本体と負極本体との移動が規制される。加えて、正極電極と負極電極とが帯状の重ね合わせ体とされていることによって、重ね合わせ体の幅方向において正極本体と負極本体との位置合わせをし易い。したがって、正極本体と負極本体との位置がずれることを抑制することができる。ところで、2つの帯状電極を直交方向に交互につづら折りする場合には、つづら折り工程において折り畳む際の位置合わせが困難であり、複雑な機構が必要になるとともに、サイクルタイムも長くなる可能性がある。これに対し、この構成によれば、1つの帯状の重ね合わせ体をつづら折りすればよいため、つづら折り工程において折り畳む際の位置合わせが容易であり、複雑な機構を必要とせず、サイクルタイムを短くすることもできる。
加えて、正極電極がセパレータと別体にされている場合と比較して、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極本体と負極本体との位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
ところで、リチウムイオン二次電池の充電時においては、正極電極から負極電極に向けてリチウムイオンが移動している状態にある。このとき、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在すると、正極電極から移動してきたリチウムイオンがエッジ効果によって負極電極の端部に集中する。そのため、本来であれば負極活物質に吸収されるリチウムイオンが負極電極の端部に針状のリチウム金属(以下「リチウムデンドライト」という。
)として析出する可能性がある。このリチウムデンドライトは、セパレータを突き抜けて負極電極と正極電極とを短絡させる可能性がある。また、リチウムデンドライトが欠落して負極電極から電気接続が切れることにより、電池容量を低下させる可能性がある。その結果、電池の信頼性を低下させる可能性がある。ここで、帯状の電極(正極電極)をセパレータ袋体に収容する構成では、正極電極と負極電極との重ね合わせ作業時においてセパレータ袋体の側で位置決めする必要がある。そのため、セパレータ袋体の中の正極電極がずれてしまうと、前記重ね合わせ作業時において正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在する可能性が高くなる。仮に、負極電極の外形が正極電極の外形よりも小さいと、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することになる。これに対し、この構成によれば、正極電極の外形が負極電極の外形よりも小さいため、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池の信頼性をより一層高めることができる。
加えて、正極構造体の外形が負極電極の外形と異なる大きさである場合と比較して、正極構造体と負極電極との位置合わせがし易くなるため、正極本体と負極本体との位置がずれることを容易に抑制することができる。加えて、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。加えて、正極構造体と負極電極とのつづら折りも容易となる。
【0008】
上記の電気化学セルにおいて、前記正極本体接続部と前記負極本体接続部とは、前記重ね合わせ体の幅方向で互いに反対方向にずれていてもよい。
【0009】
ところで、正極本体接続部と負極本体接続部とが重ね合わせ体の幅方向で重なる位置に配置された場合には、正極本体接続部と負極本体接続部とが干渉する可能性がある。これに対し、この構成によれば、正極本体接続部と負極本体接続部とが干渉することを回避することができるため、前記干渉に起因して正極本体と負極本体との位置がずれることを抑制することができる。加えて、つづら折り工程において正極本体接続部と負極本体接続部とが絡むことも回避することができる。
【0016】
上記の電気化学セルにおいて
、前記構造体本体の外形は、前記負極本体の外形と同じ大きさの円形状をなしていてもよい。
【0017】
この構成によれば、構造体本体と負極本体とが重ね合わされてコイン状になるため、帯状の重ね合わせ体を折り畳んでコイン状のケースに収容する場合に好適である。
【0024】
上記の電気化学セルにおいて
、前記構造体本体接続部の幅方向の一方側には構造体側切欠きが形成され、前記構造体本体接続部の幅方向の他方側には構造体側切欠き非形成部が設けられ、
前記負極本体接続部の幅方向の一方側には負極側切欠きが形成され、前記負極本体接続部の幅方向の他方側には負極側切欠き非形成部が設けられ、前記重ね合わせ体は、前記構造体本体と前記負極本体とが前記一方向に互い違いに重なるように、前記構造体側切欠きに前記負極側切欠き非形成部が入り込み、かつ前記負極側切欠きに前記構造体側切欠き非形成部が入り込んで構成されていてもよい。
【0025】
この構成によれば、正極電極がセパレータと別体にされている場合と比較して、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。加えて、構造体側切欠きに負極側切欠き非形成部が入り込み、かつ負極側切欠きに構造体側切欠き非形成部が入り込んでいることによって、重ね合わせ体の幅方向における構造体本体接続部及び負極本体接続部の移動が規制される。したがって、正極本体と負極本体との位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0026】
上記の電気化学セルにおいて、前記重ね合わせ体は、つづら折り形状に折り畳まれた積層体とされていてもよい。
【0027】
この構成によれば、重ね合わせ体を積層体とした状態でケースに収容することができるため、電気化学セルをコンパクト化することができる。
【0028】
本発明の一態様に係る電気化学セルの製造方法は、一方向に並んで配置された複数の正極本体と、隣り合う2つの前記正極本体を接続する正極本体接続部と、を有する帯状の正極電極と、前記一方向に並んで配置された複数の負極本体と、隣り合う2つの前記負極本体を接続する負極本体接続部と、を有する帯状の負極電極と、前記正極電極と前記負極電極との間に配置されたセパレータと、を備えた電気化学セルの製造方法であって、前記正極電極と前記負極電極とを、前記セパレータを介して、前記正極本体と前記負極本体とが前記一方向に互い違いに重なるように重ね合わせて帯状の重ね合わせ体を形成する重ね合わせ体形成工程を含
み、前記重ね合わせ体形成工程の前、前記正極電極を前記セパレータと一体化して、前記一方向に並んで配置された複数の構造体本体と、隣り合う2つの前記構造体本体を接続する構造体本体接続部と、を有する帯状の正極構造体とする正極構造体形成工程を更に含み、前記正極構造体形成工程の前、前記正極電極の外形を、前記負極電極の外形よりも小さくし、前記正極構造体形成工程では、前記正極構造体の外形を、前記負極電極の外形と同じ大きさにし、前記重ね合わせ体形成工程では、前記構造体本体と前記負極本体とが前記一方向に互い違いに重なるように、前記正極構造体と前記負極電極とを重ね合わせ、前記正極構造体形成工程では、前記構造体本体の外形を、前記負極本体の外形と同じ大きさにすることを特徴とする。
【0029】
この方法によれば、正極本体と負極本体とが一方向に互い違いに重なることによって、正極本体と負極本体との移動が規制される。加えて、正極電極と負極電極とで帯状の重ね合わせ体を形成することによって、重ね合わせ体の幅方向において正極本体と負極本体との位置合わせをし易い。したがって、正極本体と負極本体との位置がずれることを抑制することができる。ところで、2つの帯状電極を直交方向に交互につづら折りする場合には、つづら折り工程において折り畳む際の位置合わせが困難であり、複雑な機構が必要になるとともに、サイクルタイムも長くなる可能性がある。これに対し、この方法によれば、1つの帯状の重ね合わせ体をつづら折りすればよいため、つづら折り工程において折り畳む際の位置合わせが容易であり、複雑な機構を必要とせず、サイクルタイムを短くすることもできる。
加えて、正極電極をセパレータと別体にした場合と比較して、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極本体と負極本体との位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
加えて、正極電極の外形が負極電極の外形よりも小さいため、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池の信頼性をより一層高めることができる。
加えて、正極構造体の外形を負極電極の外形と異なる大きさとした場合と比較して、正極構造体と負極電極との位置合わせがし易くなるため、正極本体と負極本体との位置がずれることを容易に抑制することができる。加えて、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することをより確実に回避することができる。加えて、正極構造体と負極電極とのつづら折りも容易となる。
【0030】
上記の電気化学セルの製造方法において、前記重ね合わせ体形成工程では、前記正極本体接続部と前記負極本体接続部とを、前記重ね合わせ体の幅方向で互いに反対方向にずらしてもよい。
【0031】
この方法によれば、正極本体接続部と負極本体接続部とが干渉することを回避することができるため、前記干渉に起因して正極本体と負極本体との位置がずれることを抑制することができる。加えて、つづら折り工程において正極本体接続部と負極本体接続部とが絡むことも回避することができる。
【0034】
上記の電気化学セルの製造方法において、前記正極構造体形成工程では、前記正極電極を、前記セパレータを構成する樹脂製の第一セパレータと樹脂製の第二セパレータとで挟んで覆った後、前記第一セパレータ及び前記第二セパレータ同士を熱融着してもよい。
【0035】
この方法によれば、第一セパレータ及び第二セパレータ同士を熱融着して一体形成することによって正極電極の移動が規制されるため、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極の位置ズレに起因して正極本体の位置がずれることを回避し、正極本体と負極本体との位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0040】
上記の電気化学セルの製造方法において
、前記正極構造体形成工程では、前記構造体本体の外形を、前記負極本体の外形と同じ大きさの円形状としてもよい。
【0041】
この方法によれば、構造体本体と負極本体とを重ね合わせてコイン状にすることができるため、帯状の重ね合わせ体を折り畳んでコイン状のケースに収容する場合に好適である。
【0048】
上記の電気化学セルの製造方法において、前記重ね合わせ体形成工程の前
、前記構造体本体接続部の幅方向の一方側に構造体側切欠きを形成するとともに、前記構造体本体接続部の幅方向の他方側に構造体側切欠き非形成部を設け、
かつ、前記負極本体接続部の幅方向の一方側に負極側切欠きを形成するとともに、前記負極本体接続部の幅方向の他方側に負極側切欠き非形成部を設け、前記重ね合わせ体形成工程では、前記構造体本体と前記負極本体とが前記一方向に互い違いに重なるように、前記構造体側切欠きに前記負極側切欠き非形成部を入り込ませ、かつ前記負極側切欠きに前記構造体側切欠き非形成部を入り込ませてもよい。
【0049】
この方法によれば、正極電極をセパレータと別体にした場合と比較して、正極電極の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。加えて、構造体側切欠きに負極側切欠き非形成部を入り込ませ、かつ負極側切欠きに構造体側切欠き非形成部を入り込ませることによって、重ね合わせ体の幅方向における構造体本体接続部及び負極本体接続部の移動が規制される。したがって、正極本体と負極本体との位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0050】
上記の電気化学セルの製造方法において、前記重ね合わせ体形成工程の後、前記重ね合わせ体を、つづら折り形状に折り畳んで積層体を形成してもよい。
【0051】
この方法によれば、重ね合わせ体を積層体とした状態でケースに収容することができるため、電気化学セルをコンパクト化することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、正極本体と負極本体との位置がずれることを抑制することができる電気化学セル及び電気化学セルの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、電気化学セルの一例として、コイン型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0055】
<第1実施形態>
[電池]
図1に示すように、電池1は、平面視円形をなしている。
図2を併せて参照し、電池1は、積層体2と、積層体2に含浸される不図示の電解質溶液と、積層体2を収容する外装体10と、を備えている。
【0056】
[積層体]
図3に示すように、積層体2は、帯状の重ね合わせ体3がつづら折り形状に折り畳まれたものである。言い換えると、積層体2は、つづら折り形状に折り畳まれた正極構造体4と、正極構造体4と互い違いに積層するようにつづら折り形状に折り畳まれた負極電極7と、を備えている。
【0057】
[重ね合わせ体]
重ね合わせ体3は、帯状をなしている。具体的に、
図4に示す重ね合わせ体3の展開状態において、重ね合わせ体3は、正極構造体4と負極電極7とが一方向に互い違いに重なるように重ね合わされた帯状とされている。重ね合わせ体3は、構造体本体4aと負極本体7aとが一方向に互い違いに重なるように、正極構造体4と負極電極7とが重ね合わされて構成されている。すなわち、
図4及び
図6を併せて参照し、正極電極5と負極電極7とは、セパレータ6を介して、正極本体5aと負極本体7aとが一方向に互い違いに重なるように重ね合わされた帯状の重ね合わせ体3とされている。
【0058】
以下、重ね合わせ体3の長手方向と直交する方向を「重ね合わせ体3の幅方向」という。図中符号3Lは、重ね合わせ体3の展開状態において、重ね合わせ体3の幅方向中心を通りかつ重ね合わせ体3の長手方向に平行な仮想直線(以下「重ね合わせ体軸線3L」という。)である。
【0059】
構造体本体接続部4bと負極本体接続部7bとは、重ね合わせ体3の幅方向で互いに反対方向にずれている。すなわち、重ね合わせ体3の展開状態において、正極本体接続部5b及びセパレータ本体接続部6bと、負極本体接続部7bとは、重ね合わせ体3の幅方向で互いに反対方向にずれている。
【0060】
[正極構造体]
図5に示すように、正極構造体4は、正極電極5と、正極電極5を覆うセパレータ6と、を備えている。正極構造体4は、正極電極5とセパレータ6とを一体化したものである。正極構造体4の外形は、負極電極7の外形と実質的に同じ大きさである。
【0061】
正極構造体4は、帯状をなしている。具体的に、
図6に示す正極構造体4の展開状態において、正極構造体4は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の構造体本体4aと、隣り合う2つの構造体本体4aを接続する構造体本体接続部4bと、を備えている。
【0062】
以下、正極構造体4の長手方向と直交する方向を「正極構造体4の幅方向」という。図中符号4Lは、正極構造体4の展開状態において、正極構造体4の幅方向中心を通りかつ正極構造体4の長手方向に平行な仮想直線(以下「構造体軸線4L」という。)である。
【0063】
構造体本体4aは、正極構造体4の幅方向で構造体本体接続部4bよりも外側に張り出している。構造体本体4aは、平面視で円形状をなしている。構造体本体4aの外形は、負極本体7a(
図7参照)の外形と実質的に同じ大きさの円形状をなしている。
構造体本体接続部4bは、正極構造体4の幅方向で、一方側にずれている。すなわち、構造体本体接続部4bは、正極構造体4の展開状態において、平面視で構造体軸線4Lを避けた位置に配置されている。
【0064】
[正極電極]
正極電極5は、帯状をなしている。具体的に、
図6に示す正極構造体4の展開状態において、正極電極5は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の正極本体5aと、隣り合う2つの正極本体5aを接続する正極本体接続部5bと、を備えている。
【0065】
以下、正極電極5の長手方向と直交する方向を「正極電極5の幅方向」という。図中符号5Lは、正極構造体4の展開状態において、正極電極5の幅方向中心を通りかつ正極電極5の長手方向に平行な仮想直線(以下「正極軸線5L」という。)である。正極軸線5Lは、平面視で構造体軸線4Lと重なっている。
【0066】
正極本体5aは、正極電極5の幅方向で正極本体接続部5bよりも外側に張り出している。正極本体5aは、平面視で円形状をなしている。
正極本体接続部5bは、正極電極5の幅方向で一方側にずれている。すなわち、正極本体接続部5bは、正極構造体4の展開状態において、平面視で正極軸線5Lを避けた位置に配置されている。
【0067】
図5に示すように、正極構造体4のつづら折り状態において、各正極本体5aは互いに実質的に平行に配置されている。正極本体接続部5bは、正極電極5の長手方向において各正極本体5aの端縁に連なっている。すなわち、正極本体接続部5bは、隣り合う2つの正極本体5a同士を直列に接続している。
【0068】
図3及び
図5を併せて参照し、正極電極5の外形は、負極電極7の外形よりも小さい。すなわち、正極電極5における正極本体接続部5b及び正極本体5aの外形は、負極電極7における負極本体接続部7b及び負極本体7aの外形よりも小さい。
【0069】
図2に示すように、正極電極5は、帯状の正極集電体30と、正極集電体30の両面に形成された正極活物質層32と、を備えている。
図5に示すように、正極電極5の一端部には、正極集電体30の延出部31が形成されている。延出部31は、正極集電体30のうち、正極電極5の長手方向において正極本体5aよりも外側に延びている部分である。
【0070】
例えば、正極集電体30は、アルミニウム及びステンレス等の金属材料で形成されている。正極活物質層32は、正極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。例えば、正極活物質層32は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等の複合金属酸化物で形成されている。例えば、導電助剤としては、カーボンブラック類、炭素材料及び金属微粉等が挙げられる。例えば、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料が挙げられる。例えば、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂材料が挙げられる。
【0071】
[セパレータ]
セパレータ6は、帯状をなしている。具体的に、
図6に示す正極構造体4の展開状態において、セパレータ6は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)のセパレータ本体6aと、隣り合う2つのセパレータ本体6aを接続するセパレータ本体接続部6bと、を備えている。セパレータ6は、正極電極5と負極電極7との間に配置されている。
【0072】
以下、セパレータ6の長手方向と直交する方向を「セパレータ6の幅方向」という。図中符号6Lは、正極構造体4の展開状態において、セパレータ6の幅方向中心を通りかつセパレータ6の長手方向に平行な仮想直線(以下「セパレータ軸線6L」という。)である。セパレータ軸線6Lは、平面視で構造体軸線4Lと重なっている。
【0073】
セパレータ本体6aは、セパレータ6の幅方向でセパレータ本体接続部6bよりも外側に張り出している。セパレータ本体6aは、平面視で円形状をなしている。
セパレータ本体接続部6bは、セパレータ6の幅方向で一方側にずれている。すなわち、セパレータ本体接続部6bは、正極構造体4の展開状態において、平面視でセパレータ軸線6Lを避けた位置に配置されている。
【0074】
図3及び
図5を併せて参照し、セパレータ6におけるセパレータ本体6a及びセパレータ本体接続部6bの外形は、負極電極7における負極本体7a及び負極本体接続部7bと実質的に同じ大きさである。
【0075】
セパレータ6は、リチウムイオン導電性を有する細孔構造の薄膜である。例えば、セパレータ6は、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)等のポリオレフィン並びにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料で形成されている。セパレータ6は、
図9に示す一対の第一セパレータ41
と第二セパレータ42
とが熱融着により一体化されることで形成されている。なお、
図5においては、
図9に示す一対の第一セパレータ41及び第二セパレータ42を切り出して負極電極7の外形と実質的に同じ大きさとされた状態の第一セパレータ41及び第二セパレータ42を示している。
【0076】
[負極電極]
負極電極7は、帯状をなしている。具体的に、
図7に示す負極電極7の展開状態において、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の負極本体7aと、隣り合う2つの負極本体7aを接続する負極本体接続部7bと、を備えている。
【0077】
以下、負極電極7の長手方向と直交する方向を「負極電極7の幅方向」という。図中符号7Lは、負極電極7の展開状態において、負極電極7の幅方向中心を通りかつ負極電極7の長手方向に平行な仮想直線(以下「負極軸線7L」という。)である。
【0078】
負極本体7aは、負極電極7の幅方向で負極本体接続部7bよりも外側に張り出している。負極本体7aは、平面視で円形状をなしている。
負極本体接続部7bは、負極電極7の幅方向で一方側にずれている。すなわち、負極本体接続部7bは、負極電極7の展開状態において、平面視で負極軸線7Lを避けた位置に配置されている。
【0079】
図3に示すように、負極電極7のつづら折り状態において、各負極本体7aは互いに実質的に平行に配置されている。負極本体接続部7bは、負極電極7の長手方向において各負極本体7aの端縁に連なっている。すなわち、負極本体接続部7bは、隣り合う2つの負極本体7a同士を直列に接続している。
【0080】
図2に示すように、負極電極7は、負極集電体20と、負極集電体20の両面に形成された負極活物質層22と、を備えている。なお、図示はしないが、負極集電体20は帯状をなしている。
図3に示すように、負極電極7の一端部には、負極集電体20の延出部21が形成されている。延出部21は、負極集電体20のうち、負極電極7の長手方向において負極本体7aよりも外側に延びている部分である。
【0081】
例えば、負極集電体20は、銅、ニッケル及びステンレス等の金属材料で形成されている。負極活物質層22は、負極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。例えば、負極活物質層22は、黒鉛等の炭素材料で形成されている。例えば、導電助剤としては、カーボンブラック類、炭素材料及び金属微粉等が挙げられる。例えば、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂材料が挙げられる。例えば、増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の樹脂材料が挙げられる。
【0082】
[外装体]
図1及び
図2を併せて参照し、外装体10は、正極缶体11と、負極缶体12と、正極缶体11と負極缶体12との間を電気的に絶縁するガスケット13と、を備えている。
正極缶体11及び負極缶体12は、有底円筒状をなしている。正極缶体11の内径は、負極缶体12の外径よりも大きい。負極缶体12の筒状部が正極缶体11に挿入された状態で、積層体2は、負極缶体12の底面と正極缶体11の底面との間に挟まれている。
【0083】
ガスケット13は、負極缶体12の筒状部の外周面と正極缶体11の筒状部の内周面との間に配置されている。これにより、積層体2が外装体10に封止されている。
図2及び
図3を併せて参照し、正極缶体11は、正極集電体30の延出部31と接続されており、正極端子として機能する。一方、負極缶体12は、負極集電体20の延出部21と接続されており、負極端子として機能する。なお、
図2においては、延出部31の図示を一部省略している。
【0084】
[電池の製造方法]
次に、上述した電池1の製造方法の一例について説明する。
図8に示すように、電池1の製造方法は、正極電極5を所定形状に加工する電極加工工程S1と、正極電極5をセパレータ6で覆う電極被覆工程S2と、正極電極5をセパレータ6と一体化した帯状の正極構造体4とする正極構造体形成工程S3と、正極構造体4と負極電極7とを重ね合わせて帯状の重ね合わせ体3とする重ね合わせ体形成工程S4と、重ね合わせ体3をつづら折り形状に折り畳むつづら折り工程S5と、を含む。
【0085】
まず(すなわち、電極加工工程S1の前)、正極活物質層32及び負極活物質層22を形成するための構成材料を含む塗布液(スラリー)を調整する。以下、正極活物質層32を形成するための構成材料を含む塗布液を「正極用スラリー」、負極活物質層22を形成するための構成材料を含む塗布液を「負極用スラリー」という。正極用スラリーは、上述の正極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。負極用スラリーは、上述の負極活物質、導電助剤、結着剤及び増粘剤等を含む。なお、スラリーの溶媒としては、結着剤及び増粘剤を溶解し、かつ活物質及び導電助剤を分散するものであればよい。
【0086】
次に、正極集電体30及び負極集電体20を用意する。
そして、正極集電体30の両面に正極用スラリーを塗布する。その後、正極用スラリーを乾燥させる。これにより、正極集電体30の両面に正極活物質層32を形成して正極用シートを得る。そして、正極用シートをスリッター等で上述した帯状に切り出して正極電極5を得る(電極加工工程S1)。
一方、負極集電体20の両面に負極用スラリーを塗布する。その後、負極用スラリーを乾燥させる。これにより、負極集電体20の両面に負極活物質層22を形成して負極用シートを得る。そして、負極用シートをスリッター等で上述した帯状に切り出して負極電極7を得る。
なお、電極加工工程S1では(すなわち、電極被覆工程S2の前)、正極電極5の外形を、負極電極7の外形よりも小さくする。
【0087】
次に、
図9に示すように、正極電極5を、セパレータ6を構成する第一セパレータ41と第二セパレータ42とで挟んで覆う(電極被覆工程S2)。以下、正極電極5を第一セパレータ41と第二セパレータ42とで挟んで覆ったものを「正極被覆体」という。第一セパレータ41及び第二セパレータ42は、展開状態(
図9の平面視)において、正極電極5の長手方向に延びる長方形状をなしている。なお、第一セパレータ41及び第二セパレータ42の外形は、正極電極5における正極本体5a及び正極本体接続部5bを覆い、かつ延出部31を露出させる程度の大きさであればよい。
【0088】
次に、第一セパレータ41
と第二セパレータ42
とを熱融着する(正極構造体形成工程S3)。正極構造体形成工程S3では、正極電極5を、セパレータ6と一体化した正極構造体4とする。
【0089】
例えば、正極構造体形成工程S3では、正極被覆体を、第一セパレータ41の側又は第二セパレータ42の側からアイロン等を押し当てる。すなわち、正極被覆体を、その厚み方向に圧縮させつつ加熱する。これにより、樹脂製の第一セパレータ41
と第二セパレータ42
とを熱融着させるとともに、樹脂製の第一セパレータ41及び第二セパレータ42と正極電極5の結着剤とを熱融着させて
図10に示す正極構造体シート4Aを得る。
そして、正極構造体シート4Aをスリッター等で上述した帯状に切り出して
図6に示す正極構造体4を得る。
【0090】
正極構造体形成工程S3では、一方向に並んで配置された複数の構造体本体4aと、隣り合う2つの構造体本体4aを接続する構造体本体接続部4bと、を形成する。このとき、展開状態において、正極構造体4の外形を、負極電極7の外形と実質的に同じ大きさにする。具体的に、構造体本体4aの外形を、負極本体7aの外形と実質的に同じ大きさの円形状とする。
【0091】
なお、正極構造体形成工程S3では、正極被覆体を第一セパレータ41の側又は第二セパレータ42の側からヒートカッター若しくは超音波カッターで切り出したり、又は正極被覆体にレーザーを照射したりする等の熱による切り出し方法で、
図6に示す正極構造体4を直接得ることもできる。上記熱による切り出し方法であれば、正極被覆体の切り出しと同時に第一セパレータ41及び第二セパレータ42の切断部分を熱融着させることができるため、作業の効率化を図る点で好適である。
【0092】
次に、正極構造体4と負極電極7とを重ね合わせて帯状の重ね合わせ体3とする(重ね合わせ体形成工程S4)。
【0093】
図11に示すように、重ね合わせ体形成工程S4では、構造体本体接続部4b(言い換えると、正極本体接続部5b)と負極本体接続部7bとを、重ね合わせ体3の幅方向で互いに反対方向にずらす。次に、構造体本体4aと負極本体7aとが一方向に互い違いに重なるように、正極構造体4と負極電極7とが重ね合わせる。すなわち、
図4及び
図6を併せて参照し、正極電極5と負極電極7とを、セパレータ6を介して、正極本体5aと負極本体7aとが一方向に互い違いに重なるように重ね合わせて帯状の重ね合わせ体3を形成する。
【0094】
次に、重ね合わせ体3をつづら折り形状に折り畳む(つづら折り工程S5)。
図12において、重ね合わせ体3の折り曲げ部を符号T1〜T7(一点鎖線)で示す。なお、折り曲げ部T1、T3、T5、T7は谷折りとなる部分であり、折り曲げ部T2、T4、T6は山折りとなる部分である。
【0095】
つづら折り工程S5では、重ね合わせ体3の接続部(すなわち、構造体本体接続部4b及び負極本体接続部7b)を、折り曲げ部T1に沿って矢印の方向V1に折り曲げる。
次に、重ね合わせ体3の接続部を折り曲げ部T2に沿って矢印の方向V2(すなわち、矢印の方向V1とは反対方向)に折り曲げる。
次に、重ね合わせ体3の接続部を折り曲げ部T3に沿って矢印の方向V3(すなわち、矢印の方向V2とは反対方向)に折り曲げる。
次に、重ね合わせ体3の接続部を折り曲げ部T4に沿って矢印の方向V4(すなわち、矢印の方向V3とは反対方向)に折り曲げる。
次に、重ね合わせ体3の接続部を折り曲げ部T5に沿って矢印の方向V5(すなわち、矢印の方向V4とは反対方向)に折り曲げる。
次に、重ね合わせ体3の接続部を折り曲げ部T6に沿って矢印の方向V6(すなわち、矢印の方向V5とは反対方向)に折り曲げる。
次に、重ね合わせ体3の接続部を折り曲げ部T7に沿って矢印の方向V7(すなわち、矢印の方向V6とは反対方向)に折り曲げる。
このように、重ね合わせ体3の接続部を、構造体本体4aと負極本体7aとが積層方向(積層体2の厚み方向)に互い違いに重なるように折り曲げていく。このようにつづら折りすることにより、上述した積層体2(
図3参照)を得る。
【0096】
そして、積層体2に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体2を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池1(
図2参照)が完成する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係る電池1は、一方向に並んで配置された複数の正極本体5aと、隣り合う2つの正極本体5aを接続する正極本体接続部5bと、を有する帯状の正極電極5と、前記一方向に並んで配置された複数の負極本体7aと、隣り合う2つの負極本体7aを接続する負極本体接続部7bと、を有する帯状の負極電極7と、正極電極5と負極電極7との間に配置されたセパレータ6と、を備え、正極電極5と負極電極7とは、セパレータ6を介して、正極本体5aと負極本体7aとが前記一方向に互い違いに重なるように重ね合わされた帯状の重ね合わせ体3とされている。また、本実施形態に係る電池1の製造方法は、一方向に並んで配置された複数の正極本体5aと、隣り合う2つの正極本体5aを接続する正極本体接続部5bと、を有する帯状の正極電極5と、前記一方向に並んで配置された複数の負極本体7aと、隣り合う2つの負極本体7aを接続する負極本体接続部7bと、を有する帯状の負極電極7と、正極電極5と負極電極7との間に配置されたセパレータ6と、を備えた電池1の製造方法であって、正極電極5と負極電極7とを、セパレータ6を介して、正極本体5aと負極本体7aとが前記一方向に互い違いに重なるように重ね合わせて帯状の重ね合わせ体3を形成する重ね合わせ体形成工程S4を含む。
【0098】
本実施形態によれば、正極本体5aと負極本体7aとが一方向に互い違いに重なることによって、正極本体5aと負極本体7aとの移動が規制される。加えて、正極電極5と負極電極7とが帯状の重ね合わせ体3とされていることによって、重ね合わせ体3の幅方向において正極本体5aと負極本体7aとの位置合わせをし易い。したがって、正極本体5aと負極本体7aとの位置がずれることを抑制することができる。ところで、2つの帯状電極を直交方向に交互につづら折りする場合には、つづら折り工程において折り畳む際の位置合わせが困難であり、複雑な機構が必要になるとともに、サイクルタイムも長くなる可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、1つの帯状の重ね合わせ体3をつづら折りすればよいため、つづら折り工程S5において折り畳む際の位置合わせが容易であり、複雑な機構を必要とせず、サイクルタイムを短くすることもできる。
【0099】
また、本実施形態では、正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとは、重ね合わせ体3の幅方向で互いに反対方向にずれている。
【0100】
ところで、正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとが重ね合わせ体3の幅方向で重なる位置に配置された場合には、正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとが干渉する可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとが干渉することを回避することができるため、前記干渉に起因して正極本体5aと負極本体7aとの位置がずれることを抑制することができる。加えて、つづら折り工程S5において正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとが絡むことも回避することができる。
【0101】
また、本実施形態では、正極電極5は、セパレータ6と一体化した帯状の正極構造体4とされている。
【0102】
本実施形態によれば、正極電極5がセパレータ6と別体にされている場合と比較して、正極電極5の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極本体5aと負極本体7aとの位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態では、正極電極5の外形は、負極電極7の外形よりも小さい。
【0104】
ところで、リチウムイオン二次電池の充電時においては、正極電極から負極電極に向けてリチウムイオンが移動している状態にある。このとき、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在すると、正極電極から移動してきたリチウムイオンがエッジ効果によって負極電極の端部に集中する。そのため、本来であれば負極活物質に吸収されるリチウムイオンが負極電極の端部にリチウムデンドライトとして析出する可能性がある。このリチウムデンドライトは、セパレータを突き抜けて負極電極と正極電極とを短絡させる可能性がある。また、リチウムデンドライトが欠落して負極電極から電気接続が切れることにより、電池容量を低下させる可能性がある。その結果、電池の信頼性を低下させる可能性がある。ここで、帯状の電極(正極電極)をセパレータ袋体に収容する構成では、正極電極と負極電極との重ね合わせ作業時においてセパレータ袋体の側で位置決めする必要がある。そのため、セパレータ袋体の中の正極電極がずれてしまうと、前記重ね合わせ作業時において正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在する可能性が高くなる。仮に、負極電極の外形が正極電極の外形よりも小さいと、正極電極が対向する部分に負極電極の端部が存在することになる。
これに対し、本実施形態によれば、正極電極5の外形が負極電極7の外形よりも小さいため、正極電極5が対向する部分に負極電極7の端部が存在することをより確実に回避することができる。したがって、短絡及び電池容量の低下を回避して電池1の信頼性をより一層高めることができる。
【0105】
また、本実施形態では、正極構造体4の外形は、負極電極7の外形と同じ大きさである。
【0106】
本実施形態によれば、正極構造体4の外形が負極電極7の外形と異なる大きさである場合と比較して、正極構造体4と負極電極7との位置合わせがし易くなるため、正極本体5aと負極本体7aとの位置がずれることを容易に抑制することができる。加えて、正極電極5が対向する部分に負極電極7の端部が存在することをより確実に回避することができる。加えて、正極構造体4と負極電極7とのつづら折りも容易となる。
【0107】
また、本実施形態では、正極構造体4は、前記一方向に並んで配置された複数の構造体本体4aと、隣り合う2つの構造体本体4aを接続する構造体本体接続部4bと、を備え、重ね合わせ体3は、構造体本体4aと負極本体7aとが前記一方向に互い違いに重なるように、正極構造体4と負極電極7とが重ね合わされて構成され、構造体本体4aの外形は、負極本体7aの外形と同じ大きさの円形状をなしている。
【0108】
本実施形態によれば、構造体本体4aと負極本体7aとが重ね合わされてコイン状になるため、帯状の重ね合わせ体3を折り畳んでコイン状のケースに収容する場合に好適である。
【0109】
また、本実施形態に係る電池1の製造方法では、正極構造体形成工程S3において、正極電極5を、セパレータ6を構成する樹脂製の第一セパレータ41と樹脂製の第二セパレータ42とで挟んで覆った後、第一セパレータ41
と第二セパレータ42
とを熱融着している。
【0110】
この方法によれば、第一セパレータ41
と第二セパレータ42
とを熱融着して一体形成することによって正極電極5の移動が規制されるため、正極電極5の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。したがって、正極電極5の位置ズレに起因して正極本体5aの位置がずれることを回避し、正極本体5aと負極本体7aとの位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0111】
なお、本実施形態では、正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとが重ね合わせ体3の幅方向で互いに反対方向にずれている例を挙げて説明したが、これに限らず、正極本体接続部5bと負極本体接続部7bとが重ね合わせ体3の幅方向で重なる位置に配置されていてもよい。
【0112】
<第2実施形態>
図13は、第2実施形態に係る重ね合わせ体203の展開状態を示す平面図であり、
図4に相当する図である。
第2実施形態は、構造体本体接続部204bがスリット207cに挿通されている点で第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0113】
[重ね合わせ体]
図13に示すように、重ね合わせ体203の展開状態において、重ね合わせ体203は、構造体本体204aと負極本体207aとが一方向に互い違いに重なるように、構造体本体接続部204bがスリット207cに挿通されて構成されている。
【0114】
すなわち、
図13及び
図14を併せて参照し、重ね合わせ体203は、正極本体と負極本体207aとが一方向に互い違いに重なるように、正極本体接続部がスリット207cに挿通されて構成されている。
なお、「正極本体」は、正極電極205のうち
図13の平面視で負極本体207aと重なる部分である。「正極本体接続部」は、正極電極205のうち
図13の平面視でスリット207cと重なる部分である。
【0115】
[正極構造体]
図14に示すように、正極構造体204は、正極電極205と、正極電極205を覆うセパレータ206と、を備えている。正極構造体204は、平面視で一方向に延びる帯状をなしている。
【0116】
具体的に、
図13及び
図14を併せて参照し、正極構造体204の展開状態において、正極構造体204は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の構造体本体204aと、隣り合う2つの構造体本体204aを接続する構造体本体接続部204bと、を備えている。
なお、「構造体本体204a」は、正極構造体204のうち
図13の平面視で負極本体207aと重なる部分である。「構造体本体接続部204b」は、正極構造体204のうち
図13の平面視でスリット207cと重なる部分である。
【0117】
構造体本体204aは、正極構造体204の幅方向で構造体本体接続部204bと実質的に同じ大きさとなっている。
構造体本体接続部204bは、正極構造体204の展開状態において、平面視で構造体軸線4Lと重なる位置に配置されている。
【0118】
[正極電極]
正極電極205は、
図14の平面視で一方向に延びる長方形の帯状をなしている。
【0119】
[セパレータ]
セパレータ206は、
図14の平面視で一方向に延びる長方形の帯状をなしている。セパレータ206の長手方向の長さは、正極電極205の長手方向の長さよりも短い。すなわち、セパレータ206の長手方向の長さは、正極電極205の延出部231を露出させる程度の長さとなっている。
【0120】
[負極電極]
負極電極207は、一方向に延びる帯状をなしている。具体的に、
図15に示す負極電極207の展開状態において、負極電極207は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の負極本体207aと、隣り合う2つの負極本体207aを接続する負極本体接続部207bと、を備えている。なお、図中符号221は、負極電極207の延出部である。
【0121】
負極本体207aは、負極電極207の幅方向で負極本体接続部207bと実質的に同じ大きさとなっている。
負極本体接続部207bには、負極本体接続部207bの幅方向(すなわち、負極電極207の幅方向)に長手を有するスリット207cが形成されている。
【0122】
図15の平面視で、スリット207cは、負極電極207の幅方向に延びる長方形状をなしている。
図13に示すように、スリット207cの長手方向の長さは、構造体本体接続部204bの幅よりも若干長くなっている。
【0123】
なお、スリット207cの平面形状は、長方形状に限らず、楕円形状等、長方形状以外の形状としてもよい。すなわち、スリット207cの平面形状は、構造体本体接続部204bを挿通可能な形状であればよい。
【0124】
[電池の製造方法]
図16は、第2実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。
第2実施形態は、重ね合わせ体形成工程において構造体本体接続部204bをスリット207cに挿通する点で第1実施形態と異なる。
以下、第2実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態における製造工程と同一の工程については説明を省略する。
【0125】
図16に示すように、重ね合わせ体形成工程の前、負極本体接続部207bに、負極本体接続部207bの幅方向(すなわち、負極電極207の幅方向)に長手を有するスリット207cを形成する。例えば、電極加工工程において、負極用シートをスリッター等で切り出して、スリット207cが形成された負極電極207を得る。
【0126】
加えて、重ね合わせ体形成工程の前、正極電極205をセパレータ206と一体化して、一方向に並んで配置された複数の構造体本体204aと、隣り合う2つの構造体本体204aを接続する構造体本体接続部204bと、を有する帯状の正極構造体204を形成する。
【0127】
次に、重ね合わせ体形成工程において、構造体本体204aと負極本体207aとが一方向に互い違いに重なるように、構造体本体接続部204bをスリット207cに挿通する。
【0128】
すなわち、正極本体と負極本体207aとが一方向に互い違いに重なるように、正極本体接続部をスリット207cに挿通する。例えば、重ね合わせ体形成工程においては、正極構造体204を、延出部231の側とは反対側から
図16に示す矢印の方向に移動させてスリット207cに挿通していき、帯状の重ね合わせ体203(
図13参照)を形成する。
【0129】
次に、つづら折り工程において、重ね合わせ体203をつづら折り形状に折り畳み、積層体を得る。そして、積層体に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池が完成する。
【0130】
以上説明したように、本実施形態は、負極本体接続部207bに、負極電極207の幅方向に長手を有するスリット207cが形成され、重ね合わせ体203は、正極本体と負極本体207aとが一方向に互い違いに重なるように、正極本体接続部がスリット207cに挿通されて構成されている。
【0131】
本実施形態によれば、正極本体接続部がスリット207cに挿通されていることによって、重ね合わせ体203の幅方向における正極本体接続部の移動が規制される。したがって、正極本体と負極本体207aとの位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0132】
また、本実施形態では、スリット207cは、負極本体接続部207bに形成され、正極電極205は、セパレータ206と一体化した帯状の正極構造体204とされ、正極構造体204は、一方向に並んで配置された複数の構造体本体204aと、隣り合う2つの構造体本体204aを接続する構造体本体接続部204bと、を備え、重ね合わせ体203は、構造体本体204aと負極本体207aとが前記一方向に互い違いに重なるように、構造体本体接続部204bがスリット207cに挿通されて構成されている。
【0133】
本実施形態によれば、正極電極205がセパレータ206と別体にされている場合と比較して、正極電極205の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。加えて、構造体本体接続部204bがスリット207cに挿通されていることによって、重ね合わせ体203の幅方向における構造体本体接続部204bの移動が規制され、正極本体接続部の移動が規制される。したがって、正極本体と負極本体207aとの位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0134】
なお、本実施形態では、スリット207cが負極本体接続部207bに形成されている例を挙げて説明したが、これに限らず、スリットが正極本体接続部に形成されていてもよい。すなわち、正極本体接続部又は負極本体接続部の何れか一方に、前記一方の幅方向に長手を有するスリットが形成され、重ね合わせ体は、正極本体と負極本体とが一方向に互い違いに重なるように、正極本体接続部又は負極本体接続部の何れか他方がスリットに挿通されて構成されていてもよい。
【0135】
<第3実施形態>
図17は、第3実施形態に係る重ね合わせ体303の展開状態を示す平面図であり、
図4に相当する図である。
第3実施形態は、構造体側切欠き304cに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに構造体側切欠き非形成部304dが入り込んでいる点で第1実施形態と異なる。なお、第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0136】
[重ね合わせ体]
図17に示すように、重ね合わせ体303の展開状態において、重ね合わせ体303は、構造体本体304aと負極本体307aとが一方向に互い違いに重なるように、構造体側切欠き304cに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに構造体側切欠き非形成部304dが入り込んで構成されている。
【0137】
すなわち、
図17及び
図18を併せて参照し、重ね合わせ体303は、正極本体と負極本体307aとが一方向に互い違いに重なるように、正極側切欠きに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに正極側切欠き非形成部が入り込んで構成されている。
なお、「正極本体」は、正極電極305のうち
図17の平面視で負極本体307aと重なる部分である。「正極本体接続部」は、隣り合う2つの正極本体を接続する部分である。「正極側切欠き」は、正極本体接続部のうち
図17の平面視で構造体側切欠き304cと重なる部分である。「正極側切欠き非形成部」は、正極本体接続部のうち平面視で構造体側切欠き非形成部304dと重なる部分である。
【0138】
[正極構造体]
図18に示すように、正極構造体304は、正極電極305と、正極電極305を覆うセパレータ306と、を備えている。正極構造体304は、平面視で一方向に延びる帯状をなしている。具体的に、正極構造体304の展開状態において、正極構造体304は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の構造体本体304aと、隣り合う2つの構造体本体304aを接続する構造体本体接続部304bと、を備えている。
【0139】
構造体本体接続部304bの幅方向の一方側には、前記幅方向に延びる構造体側切欠き304cが形成されている。構造体側切欠き304cは、正極構造体304の展開状態において、平面視で構造体軸線4Lと重なる位置まで窪んでいる。構造体本体接続部304bの幅方向の他方側には、構造体側切欠き非形成部304dが形成されている。
【0140】
[正極電極]
正極電極305は、
図18の平面視で一方向に延びる帯状をなしている。
【0141】
[セパレータ]
セパレータ306は、
図18の平面視で一方向に延びる帯状をなしている。セパレータ306の長手方向の長さは、正極電極305の長手方向の長さよりも短い。すなわち、セパレータ306の長手方向の長さは、正極電極305の延出部331を露出させる程度の長さとなっている。
【0142】
[負極電極]
負極電極307は、一方向に延びる帯状をなしている。具体的に、
図19に示す負極電極307の展開状態において、負極電極307は、一方向に並んで配置された複数(例えば本実施形態では8つ)の負極本体307aと、隣り合う2つの負極本体307aを接続する負極本体接続部307bと、を備えている。なお、図中符号321は、負極電極307の延出部である。
【0143】
負極本体接続部307bの幅方向の一方側には、前記幅方向に延びる負極側切欠き307cが形成されている。負極側切欠き307cは、負極電極307の展開状態において、平面視で負極軸線7Lと重なる位置まで窪んでいる。負極本体接続部307bの幅方向の他方側には、負極側切欠き非形成部307dが形成されている。
【0144】
[電池の製造方法]
図20は、第3実施形態に係る電池の製造方法を示す工程図である。
第3実施形態は、重ね合わせ体形成工程において、構造体側切欠き304cに負極側切欠き非形成部307dを入り込ませ、かつ負極側切欠き307cに構造体側切欠き非形成部304dを入り込ませる点で第1実施形態と異なる。
以下、第3実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。なお、第3実施形態においては、第1実施形態における製造工程と同一の工程については説明を省略する。
【0145】
図20に示すように、重ね合わせ体形成工程の前、正極本体接続部の幅方向の一方側に正極側切欠きを形成するとともに、正極本体接続部の幅方向の他方側に正極側切欠き非形成部を設ける。一方、負極本体接続部307bの幅方向の一方側に負極側切欠き307cを形成するとともに、負極本体接続部307bの幅方向の他方側に負極側切欠き非形成部307dを設ける。例えば、電極加工工程において、正極用シートをスリッター等で切り出して、正極側切欠きが形成された正極電極305を得る。一方、負極用シートをスリッター等で切り出して、負極側切欠き307cが形成された負極電極307を得る。
【0146】
加えて、重ね合わせ体形成工程の前、正極電極305をセパレータ306と一体化して、一方向に並んで配置された複数の構造体本体304aと、隣り合う2つの構造体本体304aを接続する構造体本体接続部304bと、を有する帯状の正極構造体304を形成する。さらに、構造体本体接続部304bの幅方向の一方側に構造体側切欠き304cを形成するとともに、構造体本体接続部304bの幅方向の他方側に構造体側切欠き非形成部304dを設ける。
【0147】
次に、重ね合わせ体形成工程において、構造体本体304aと負極本体307aとが一方向に互い違いに重なるように、構造体側切欠き304cに負極側切欠き非形成部307dを入り込ませ、かつ負極側切欠き307cに構造体側切欠き非形成部304dを入り込ませる。
【0148】
すなわち、正極本体と負極本体307aとが一方向に互い違いに重なるように、正極側切欠きに負極側切欠き非形成部307dを入り込ませ、かつ負極側切欠き307cに正極側切欠き非形成部を入り込ませる。例えば、重ね合わせ体形成工程においては、構造体側切欠き304cと負極側切欠き307cと
図20に示す矢印の方向に対向させた後、正極構造体304と負極電極307とを重ね合わせて帯状の重ね合わせ体303(
図17参照)を形成する。
【0149】
次に、つづら折り工程において、重ね合わせ体303をつづら折り形状に折り畳み、積層体を得る。そして、積層体に不図示の電解質溶液を含浸させた後、電解質溶液を含浸した積層体を外装体10内に封入することにより、本実施形態の電池が完成する。
【0150】
以上説明したように、本実施形態は、正極本体接続部の幅方向の一方側には正極側切欠きが形成され、正極本体接続部の幅方向の他方側には正極側切欠き非形成部が設けられ、負極本体接続部307bの幅方向の一方側には負極側切欠き307cが形成され、負極本体接続部307bの幅方向の他方側には負極側切欠き非形成部307dが設けられ、重ね合わせ体303は、正極本体と負極本体307aとが前記一方向に互い違いに重なるように、正極側切欠きに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに正極側切欠き非形成部が入り込んで構成されている。
【0151】
本実施形態によれば、正極側切欠きに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに正極側切欠き非形成部が入り込んでいることによって、重ね合わせ体303の幅方向における正極本体接続部及び負極本体接続部307bの移動が規制される。したがって、正極本体と負極本体307aとの位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0152】
また、本実施形態では、正極電極305は、セパレータ306と一体化した帯状の正極構造体304とされ、正極構造体304は、一方向に並んで配置された複数の構造体本体304aと、隣り合う2つの構造体本体304aを接続する構造体本体接続部304bと、を備え、構造体本体接続部304bの幅方向の一方側には構造体側切欠き304cが形成され、構造体本体接続部304の幅方向の他方側には構造体側切欠き非形成部304dが設けられ、重ね合わせ体303は、構造体本体304aと負極本体307aとが前記一方向に互い違いに重なるように、構造体側切欠き304cに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに構造体側切欠き非形成部304dが入り込んで構成されている。
【0153】
本実施形態によれば、正極電極305がセパレータ306と別体にされている場合と比較して、正極電極305の位置がずれることをより効果的に抑制することができる。加えて、構造体側切欠き304cに負極側切欠き非形成部307dが入り込み、かつ負極側切欠き307cに構造体側切欠き非形成部304dが入り込んでいることによって、重ね合わせ体303の幅方向における構造体本体接続部304b及び負極本体接続部307bの移動が規制される。したがって、正極本体と負極本体307aとの位置がずれることをより効果的に抑制することができる。
【0154】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0155】
例えば、上記実施形態では、電気化学セルの一例として、二次電池を例に挙げて説明したが、これに限らず、電気二重層キャパシタ及び一次電池等に上述した構成を適用してもよい。また、電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、これに限らず、金属リチウム二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池であってもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、正極電極がセパレータで覆われている例を挙げて説明したが、これに限らず、負極電極がセパレータで覆われていてもよい。
【0157】
また、上記実施形態では、積層体を外装体に封入してコイン型の電池とした例を挙げて説明したが、これに限らず、積層体をラミネートパックに封入し、積層体と電気的に接続したリード線をラミネートパックから外部に突出させた構成であってもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、重ね合わせ体をつづら折りする例を挙げて説明したが、これに限らず、重ね合わせ体を巻回、積層等してもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、電極被覆工程において、正極電極を、第一セパレータ及び第二セパレータとで挟んで覆う例を挙げて説明したが、これに限らず、袋状のセパレータで正極電極を覆ってもよい。
【0160】
また、上記実施形態では、正極電極の結着剤の材料をポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等とし、セパレータの材料をポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)等のポリオレフィン並びにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等とした例を挙げて説明したが、これに限らず、正極活物質層とセパレータとを熱融着することが可能な材料であればよい。
【0161】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。