(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成手段は、前記表示面にて表示された医用画像が3次元画像である場合には、前記医用画像において前記画素に表示された領域に対応するボクセルごとに、前記観察履歴情報を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、本願に係る画像処理装置の詳細について説明する。なお、第1の実施形態では、本願に係る画像処理装置を含む画像処理システムを一例に挙げて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る画像処理システム1の構成の一例を示す図である。
【0009】
図1に示すように、第1の実施形態に係る画像処理システム1は、画像処理装置100と、医用画像診断装置200と、画像保管装置300とを有する。
図1に例示する各装置は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)により、直接的、又は間接的に相互に通信可能な状態となっている。例えば、画像処理システム1にPACS(Picture Archiving and Communication System)が導入されている場合、各装置は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、医用画像等を相互に送受信する。
【0010】
かかる画像処理システム1は、医用画像診断装置200により収集された医用画像データから生成される医用画像を病院内に勤務する医師や検査技師に提供する。具体的には、第1の実施形態においては、画像処理装置100が、医用画像診断装置200によって収集された医用画像データから生成された医用画像を表示し、医師や検査技師は表示された医用画像の読影を行う。
【0011】
医用画像診断装置200は、例えば、X線診断装置、乳房X線撮影装置(マンモグラフィ(mammography)装置)、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、又はこれらの装置群等である。そして、医用画像診断装置200は、それぞれの技師の操作に応じて、例えば、投影データや、MR信号、ボリュームデータなどの医用画像データを収集する。また、医用画像診断装置200は、収集した医用画像データから生成されたボリュームレンダリング画像などの3次元の医用画像や、透視画像及びMPR画像などの2次元の医用画像などを生成する。
【0012】
そして、医用画像診断装置200は、収集した医用画像データ、或いは、医用画像データから生成した医用画像を画像保管装置300に送信する。なお、医用画像診断装置200は、医用画像データ或いは医用画像を画像保管装置300に送信する際に、付帯情報として、例えば、患者を識別する患者ID、検査を識別する検査ID、医用画像診断装置200を識別する装置ID、医用画像診断装置200による1回の撮影を識別するシリーズID等を送信する。
【0013】
画像保管装置300は、医用画像を保管するデータベースである。具体的には、画像保管装置300は、医用画像診断装置200から送信された医用画像データや、医用画像データから生成された医用画像、各医用画像データ或いは医用画像の付帯情報などを記憶部に格納し、これを保管する。
【0014】
画像処理装置100は、医用画像診断装置200、或いは、画像保管装置300から医用画像データ或いは医用画像を取得する。そして、画像処理装置100は、取得した医用画像データから医用画像を生成して表示したり、取得した医用画像を表示したりすることで読影医などの観察者に医用画像を提供する。ここで、画像処理装置100は、医用画像を観察した観察者ごとに観察履歴を生成し、生成した観察履歴に基づいて合成データを生成して表示することで、画像観察時の観察漏れや見落としを効果的に低減することを可能にする。以下、画像処理装置100の詳細について説明する。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る画像処理装置100の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、画像処理装置100は、入力部110と、表示部120と、通信部130と、記憶部140と、制御部150と、視点認識装置160を有する。例えば、画像処理装置100は、ワークステーションや、任意のパーソナルコンピュータなどであり、医用画像診断装置200や、画像保管装置300などとネットワークを介して接続される。
【0016】
入力部110は、マウス、キーボード、トラックボール等であり、画像処理装置100に対する各種操作の入力を操作者(例えば、読影医など)から受け付ける。具体的には、入力部110は、表示部120に表示させる医用画像の選択操作や、表示部120にて表示された医用画像の拡大操作、縮小操作、コントラストの調整操作などの各種操作を受付ける。
【0017】
表示部120は、モニタとしての液晶パネル等であり、医用画像などの各種情報を表示する。具体的には、表示部120は、操作者から各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、後述する制御部150による処理結果となる表示情報を表示する。通信部130は、NIC(Network Interface Card)等であり、他の装置との間で通信を行う。
【0018】
視点認識装置160は、表示部120に表示される画像を観察する読影医などの観察者の視点を認識する。具体的には、視点認識装置160は、観察者の視点が表示部120にて表示されている画像のどこに位置するかを認識する。例えば、視点認識装置160は、観察者を撮影するためのカメラなどである。
【0019】
記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などであり、後述する制御部150によって取得された医用画像データや、医用画像、付帯情報などを記憶する。また、記憶部140は、後述する制御部150による処理結果を記憶する。
【0020】
例えば、記憶部140は、
図2に示すように、画像データ記憶部141と、座標情報記憶部142と、観察履歴記憶部143と、合成データ記憶部144とを備える。画像データ記憶部141は、後述する制御部150によって医用画像診断装置200又は画像保管装置300から取得された医用画像データや医用画像、或いは、後述する制御部150が取得した医用画像データから生成した医用画像などを記憶する。
【0021】
座標情報記憶部142は、視点認識装置160によって取得された観察者の視点の情報を座標情報に変換するための座標情報を記憶する。例えば、座標情報記憶部142は、視点認識装置160によって取得された観察者の視点の位置を世界座標系の位置座標で表すための座標情報を記憶する。また、例えば、座標情報記憶部142は、表示部120の表示面の平面と視線との交点を、表示面上に張られた任意の2次元座標系における点座標として表すための座標情報を記憶する。
【0022】
観察履歴記憶部143は、表示部120の表示面にて表示された医用画像において視点認識装置160によって取得された画素に表示された領域を観察者によって観察された領域として示す観察履歴情報を記憶する。具体的には、観察履歴記憶部143は、後述する制御部150が視点認識装置160によって取得された観察者の視点の情報を用いて生成した観察履歴情報を記憶する。
【0023】
図3Aは、第1の実施形態に係る観察履歴記憶部143によって記憶される観察履歴情報の一例を示す図である。ここで、
図3Bは、
図3Aに示す観察履歴情報の一部を詳細に示した図である。例えば、観察履歴記憶部143は、
図3Aに示すように、観察者IDごとに画像IDが対応付けられ、画像IDごとに座標と履歴情報が対応付けられた観察履歴情報を記憶する。そして、例えば、観察履歴記憶部143は、
図3Aに示すように、履歴情報のパラメータとして、回数、時間、操作及び領域などを記憶する。
【0024】
ここで、
図3Aに示す「観察者ID」とは、画像処理装置100によって医用画像を観察する観察者(例えば、読影医など)を一意に特定するための識別子であり、観察者それぞれに付与される。また、
図3Aに示す「画像ID」とは、画像処理装置100によって表示される医用画像を一意に特定するための識別子であり、後述する制御部150によって取得された医用画像或いは生成された医用画像に対してシーケンシャルに付与される。また、
図3Aにおける「座標」とは、各医用画像における位置を示す座標を示す。また、
図3Aにおける履歴情報とは、観察者による観察の履歴を示す情報である。
【0025】
一例を挙げると、観察履歴記憶部143は、
図3Aに示すように、「観察者ID:A」に「画像ID:1、座標:(x
1,y
1)〜(x
n,y
n)」が対応付けられ、各座標に「履歴情報」のパラメータ「回数」、「時間」、「操作」、「領域」などが対応付けられた観察履歴情報を記憶する。すなわち、上記した情報は、「観察者ID」が「A」である観察者が、「画像ID」が「1」の画像を観察した際に、当該画像を構成する座標「(x
1,y
1)〜(x
n,y
n)」のそれぞれについて、観察した「回数」や「時間」、「操作」した内容、及び、その座標がどのような「領域」に属しているかなどを示す。
【0026】
観察履歴記憶部143は、「観察者ID:A」に対して、「画像IDが「2」の画像や、その他のIDの画像についても、上記した例と同様の情報を対応付けて記憶する。そして、観察履歴記憶部143は、「観察者ID」が「B」の観察者を含む、その他すべての観察者について、上記した観察履歴情報を記憶する。
【0027】
さらに、観察履歴記憶部143は、履歴情報の各パラメータについて、細かくデータを記憶することができる。
図3Bは、第1の実施形態に係る観察履歴記憶部143によって記憶される観察履歴情報の一例を示す図である。ここで、
図3Bは、
図3Aに示す観察履歴情報の履歴情報について詳細に示した図である。例えば、観察履歴記憶部143は、
図3Bに示すように、座標「(x
1,y
1)」に対応付けた履歴情報のパラメータの「回数」及び「時間」を観察された日にちごとと、「Total」とで記憶する。
【0028】
一例を挙げると、観察履歴記憶部143は、
図3Bに示すように、座標「(x
1,y
1)」に「回数、20120402:3」、「時間、20120402:20」、操作「拡大:1、縮小:0」を対応付けた観察履歴情報を対応づけて記憶する。すなわち、上記した情報は、座標「(x
1,y
1)」を「2012年4月2日」に「3回」観察し、そのときの時間が「20秒」であること、そして、そのときに座標「(x
1,y
1)」の拡大操作が「1回」実行されたことを示す。そして、観察履歴記憶部143は、観察された日付ごとに、観察された回数、時間、操作内容を対応付けた観察履歴情報を記憶する。さらに、観察履歴記憶部143は、例えば、回数及び時間について、日付ごとの値を合算した「Total」の値を記憶する。
【0029】
なお、
図3A及び
図3Bに示す観察履歴情報は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。また、これら観察履歴は後述する制御部150によって生成され、観察履歴記憶部143に格納される。
【0030】
図2に戻って、合成データ記憶部144は、後述する制御部150の処理によって生成された合成データを記憶する。具体的には、合成データ記憶部144は、観察履歴記憶部143によって記憶された観察履歴情報に基づいて、観察者が観察した領域を明示した医用画像を記憶する。なお、合成データの詳細については、後に詳述する。
【0031】
制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路であり、画像処理装置100の全体制御を行なう。
【0032】
制御部150は、
図2に示すように、例えば、取得部151と、視野設定部152と、観察履歴生成部153と、重み決定部154と、合成データ生成部155と、表示制御部156とを有し、画像観察時の観察漏れや見落としを効果的に低減することを可能にする合成データを生成して表示する。すなわち、制御部150は、上述した各部の処理により、観察者ごとに、医用画像の所定の領域ごとの観察履歴情報を生成して、生成した観察履歴情報を医用画像上に反映させた合成データを生成して表示する。
【0033】
取得部151は、
図2に示すように、画像データ取得部151aと、視点情報取得部151bとを有し、各種情報を取得する。画像データ取得部151aは、通信部130を介して、医用画像診断装置200又は画像保管装置300からデータを取得する。具体的には、画像データ取得部151aは、入力部110を介して操作者から受付けた指示に応じて、医用画像診断装置200又は画像保管装置300から医用画像データや、医用画像、付帯情報を取得して、記憶部140に格納する。
【0034】
例えば、画像データ取得部151aは、マンモグラフィ装置によって撮影されたマンモグラフィ画像や、X線CT装置によって撮像されたCT画像などの医用画像を取得する。また、画像データ取得部151aは、各医用画像診断装置200が医用画像を生成するために用いた投影データなどの医用画像データを取得する。そして、画像データ取得部151aは、取得した医用画像及び医用画像データを画像データ記憶部141に格納する。
【0035】
視点情報取得部151bは、表示部120の表示面における観察者の視点位置に対応する画素の情報を取得する。具体的には、視点情報取得部151bは、後述する表示制御部156の制御のもと表示部120にて表示された医用画像に対する観察者の視点位置の情報を、表示部120の表示面の各画素に対応する座標として取得する。
【0036】
より具体的には、視点情報取得部151bは、視点認識装置160により取得された情報から、観察者の視線(視線方向)を検出する。このとき、視点情報取得部151bは、観察者の目の位置を検出する処理も実行する。そして、視点情報取得部151bは、検出した観察者の視線方向と目の位置とを用いて観察者の視点を検出する。例えば、視点情報取得部151bは、表示部120の表示面に表示された医用画像のうち、観察者が注視する点である視点(注視点)を検出する。なお、視点情報取得部151bによる視線検出方法、および、視点検出方法としては、例えば強膜(白目)と角膜(黒目)の光の反射率の差を利用して眼球運動を測定するリンバストラッキング法(強膜反射法)等、従来から用いられているあらゆる方法を適用することができる。
【0037】
以下、カメラを用いる場合を一例に挙げて説明する。本実施形態に係る画像処理装置100は、例えば、
図4に示すような画像を表示部120にて表示し、それらに対する観察履歴情報を生成する。
図4は、第1の実施形態に係る表示部120にて表示される医用画像の一例を示す図である。ここで、
図4においては、左上にX線CT装置によって収集されたボリュームデータに含まれる管腔内を描出した仮想内視鏡画像(以下、フライスルー画像と記す)を示し、左下にマスク画像を示し、右側にフライスルー画像における視線方向に対する直交3断面のMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像を示す。
【0038】
なお、フライスルー画像は、ボリュームデータに含まれる管腔内に視点及び視線方向を設定して透視投影画像(PVR画像:Perspective Volume Rendering 画像)を生成し、管腔に沿って視点位置を移動させながらPVR画像を更新させた動画像である。また、マスク画像とは、注目したい領域以外を隠した画像、言い換えると、注目したい領域のみが示された画像である。
【0039】
例えば、表示部120は、表示制御部156の制御のもと、
図4に示すように、2次元画像や、3次元画像、静止画像及び動画像などの種々の医用画像を表示する。観察者(例えば、読影医)は、表示部120にて表示された医用画像を観察(読影)する。第1の実施形態に係る画像処理装置100は、視点認識装置160としてのカメラにより観察者の視点位置の情報を取得する。
【0040】
図5は、第1の実施形態に係る視点情報取得部151bによる処理の一例を説明するための図である。ここで、
図5に示すx軸及びy軸は、表示部120の表示面上に張られた直交座標系を構成する座標軸である。そして、これらの座標は、視点認識装置160としてのカメラ及び視点情報取得部151bによって検出可能な視線の領域に配置される。これらの座標の情報は、予め座標情報記憶部142に記憶される。
【0041】
例えば、視点情報取得部151bは、視点認識装置160としてのカメラによって撮像された観察者の映像から観察者の視線を検出し、検出した視線と表示部120の表示面との交点10を視線情報として算出する。具体的には、視点情報取得部151bは、座標情報記憶部142に記憶された表示部120の表示面に張られた座標の情報を参照して、x軸、y軸で張られた座標系上での交点10の座標を算出する。
【0042】
そして、視点情報取得部151bは、表示部120における画素において、算出した座標に対応する画素の情報を取得し、取得した画素にて表示されている医用画像の情報を取得する。具体的には、視点情報取得部151bは、取得した画素にて表示されている医用画像の画像IDと、当該医用画像において取得した画素にて表示されている位置(領域)の情報を取得する。例えば、視点情報取得部151bは、取得した画素に対応する医用画像における位置として、当該位置の医用画像における座標を取得する。そして、視点情報取得部151bは、取得した座標の情報を観察履歴生成部153に出力する。
【0043】
図2に戻って、視野設定部152は、観察者の視野領域を設定する。具体的には、視野設定部152は、観察者が一点を注視した時に見える範囲を設定する。ここで、視野設定部152によって設定される視野領域は、視覚の感度が所定の閾値を越える領域であり、例えば、中心視野である。
【0044】
一例を挙げると、視野設定部152は、表示制御部156に対して視野領域を設定するためのテスト画面を表示させる。そして、視野設定部152は、視点認識装置160によって取得される観察者の情報に基づいて、視線からのずれで示された視野領域を設定する。例えば、視野設定部152は、視線から2度ずれた角度内の領域を視野領域として設定する。なお、視野設定部152によって用いられる視野の設定方法としては、従来から用いられているあらゆる方法を適用することができる。
【0045】
観察履歴生成部153は、表示面にて表示された医用画像において前記取得手段によって取得された画素に表示された領域を前記観察者によって観察された領域として示す観察履歴情報を生成する。具体的には、観察履歴生成部153は、視点情報取得部151bによって取得された座標の情報と、視野設定部152によって設定された視野領域とから、観察者に視野領域内に含まれる医用画像における座標を算出する。言い換えると、観察履歴生成部153は、観察者によって観察されたであろう医用画像の領域を座標単位で算出する。
【0046】
例えば、観察履歴生成部153は、座標が視野領域内に含まれた回数や、視野領域内に含まれていた時間、当該座標が受付けた操作、当該座標が含まれる医用画像内での領域などを示す情報を観察履歴情報として生成して、観察履歴記憶部143に格納する。一例を挙げると、観察履歴生成部153は、
図3Bに示すような観察履歴情報を生成して、観察履歴記憶部143に格納する。なお、履歴情報の操作については、観察履歴生成部153は、入力部110が受付けた操作内容を、入力部110から通知されることにより取得する。
【0047】
ここで、観察履歴生成部153は、医用画像において画素に表示された領域ごとに、観察者による観察の程度を示す重み付けを付与した観察履歴情報を生成する。具体的には、観察履歴生成部153は、後述する重み決定部154によって決定された重み付けを反映させた観察履歴情報に更新する。
【0048】
重み決定部154は、観察者によって観察された医用画像における観察履歴の重み付けを決定する。具体的には、重み決定部154は、医用画像の座標ごとに観察者によって観察された程度を示す重み付けを決定する。例えば、重み決定部154は、医用画像の座標ごとに、操作の拡大、縮小に基づいて履歴情報に付加する重み付けを決定する。一例を挙げると、重み決定部154は、入力部110が拡大操作を受付けた領域に含まれる座標について、観察の程度を上げるように重み付けを決定する。
【0049】
すなわち、重み決定部154は、観察履歴情報の履歴情報に含まれる、例えば、回数などの値を実測値よりも高くする重み付けを決定する。逆に、入力部110が縮小操作を受付けた領域に含まれる座標について、重み決定部154は、例えば、回数などの値を実測値よりも低くする重み付けを決定する。なお、重み決定部154によって決定される重み付けは、観察者によって任意に決定することができ、いずれの履歴情報に対しても付与させることが可能である。
【0050】
重み決定部154によって重み付けが決定された場合には、観察履歴生成部153は、決定された重み付けを反映させた観察履歴情報に更新する。例えば、観察履歴生成部153は、重み決定部154によって、
図3Bに示す履歴情報の回数の値を実測値よりも高くする重み付けが決定されると、例えば、「20120402:3」を「20120402:4」に、「20120404:2」を「20120404:3」に更新し、さらに、「Total:5」を「Total:7」に更新する。同様に、観察履歴生成部153は、重み決定部154によって決定された重み付けに基づいて、履歴情報を更新する。
【0051】
合成データ生成部155は、視点情報取得部151bによって取得された画素に観察履歴生成部153によって生成された観察履歴情報を反映させた情報を表示させるための合成データを生成する。具体的には、合成データ生成部155は、観察履歴記憶部143にて記憶された観察履歴情報を参照して、医用画像の各座標に履歴情報を反映させた合成データを生成する。
【0052】
図6は、第1の実施形態に係る合成データ生成部155によって生成される合成データの一例を示す図である。
図6においては、
図4に示す医用画像の観察履歴に基づいて、合成データを生成する場合について示す。例えば、合成データ生成部155は、
図6に示すように、マスク画像上に観察履歴情報を反映した観察履歴21及び22を表示する。かかる場合には、合成データ生成部155は、医用画像と同一の座標平面上の各座標に観察履歴情報の履歴情報の値に応じた表示情報を配置して生成した画像を、マスク画像とは異なるレイヤにて重畳表示させる。
【0053】
ここで、合成データ生成部155は、観察履歴情報の履歴情報を単独、或いは複数を組み合わせて用いることができる。例えば、合成データ生成部155は、履歴情報の回数又は時間のどちらかの値を用いて合成データを生成することもできる。或いは、合成データ生成部155は、回数と時間とを組み合わせた(例えば、回数×時間)値を用いて合成データを生成することもできる。
【0054】
そして、合成データ生成部155は、履歴情報の値に応じて色合いや、濃淡、透過度などを変化させた表示情報を生成することができる。また、合成データ生成部155は、複数の履歴情報(例えば、回数及び時間)をそれぞれ異なる表示形態で同一の医用画像上に表示させることも可能である。
【0055】
上述したように、合成データ生成部155は、複数の履歴情報を単独、或いは複数を組み合わせて用いることができる。これに合わせて、重み決定部154も単独の履歴情報だけでなく、複数の履歴情報を組み合わせた値に対して重み付けを行うことも可能である。
【0056】
図2に戻って、表示制御部156は、医用画像を表示する際に、視点情報取得部151bによって取得された画素に観察履歴生成部153によって生成された観察履歴情報を反映させた情報を表示部120に表示するように制御する。具体的には、表示制御部156は、合成データ生成部155によって生成された合成データを表示部120にて表示するように制御する。
【0057】
例えば、表示制御部156は、
図6に示すように、観察履歴21及び22が重畳された合成データと、重畳前の医用画像(マスク画像)を並列で表示するように制御する。なお、表示制御部156は、合成データを単独で表示させることも可能である。このように、第1の実施形態に係る画像処理装置100は、読影をおこなった医用画像を再度表示する際に、医用画像において観察者が実際に視線を送った領域に観察履歴を示した合成データを表示することで、画像観察時の観察漏れや見落としを効果的に低減することを可能にする。
【0058】
次に、第1の実施形態に係る画像処理装置100の処理の手順について、
図7及び
図8を用いて説明する。
図7は、第1の実施形態に係る画像処理装置100による観察履歴情報の生成処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図15においては、医用画像診断装置200において、画像データが収集された後の処理について示す。
【0059】
図7に示すように、第1の実施形態に係る画像表示装置100においては、画像データ取得部151aが、医用画像データや、医用画像、付帯情報などのデータを取得(ステップS101)する。そして、視野設定部152が、テスト画像に基づいて観察者の視野領域を設定する(ステップS102)。そして、表示制御部156が、医用画像を表示して(ステップS103)、視点情報取得部151bが画面上の視点を認識したか、又は、入力部110が医用画像に対して操作が実行されたか否かを判定する(ステップS104)。
【0060】
ここで、画面上の視点を認識した、又は、医用画像に対して操作が実行された場合には(ステップS104肯定)、観察履歴生成部153は、認識された視点又は、操作された領域に対応する座標の観察履歴情報を作成する(ステップS105)。そして、観察の終了指示を受け付けると(ステップS106肯定)、重み決定部154が、重み付けを決定して、観察履歴生成部153が、観察履歴情報を更新する(ステップS107)。
【0061】
なお、画面上の視点を認識していない、及び、医用画像に対して操作が実行されていない場合(ステップS104否定)と、終了指示を受け付けていない場合(ステップS106否定)は、いずれかの処理の受付け待機状態となる。
【0062】
図8は、第1の実施形態に係る画像処理装置100による合成データの表示処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図8においては、観察履歴情報が生成された後の処理について示す。
図8に示すように、第1の実施形態に係る画像処理装置100においては、合成データの表示指示を受付けた場合に(ステップS201肯定)、合成データ生成部155が、指示を受付けた医用画像の観察履歴情報を取得する(ステップS202)。
【0063】
そして、合成データ生成部155は、取得した観察履歴情報に基づいて、合成データを生成する(ステップS203)。その後、表示制御部156は、合成データ生成部155によって生成された合成データを表示部120にて表示するように制御する(ステップS204)。なお、合成データの表示指示を受付けるまで待機状態である(ステップS201否定)。
【0064】
上述したように、第1の実施形態によれば、視点情報取得部151bが、表示部120の表示面における観察者の視点位置に対応する画素の情報を取得する。そして、観察履歴生成部153は、表示面にて表示された医用画像において視点情報取得部151bによって取得された画素に表示された領域を観察者によって観察された領域として示す観察履歴情報を生成する。表示制御部156は、医用画像を表示する際に、視点情報取得部151bによって取得された画素に観察履歴生成部153によって生成された観察履歴情報を反映させた情報を表示部120に表示するように制御する。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置100は、医用画像において観察者が実際に視線を送った領域に観察履歴を示した合成データを表示することができ、画像観察時の観察漏れや見落としを効果的に低減することを可能にする。
【0065】
また、第1の実施形態によれば、観察履歴生成部153は、医用画像において画素に表示された領域ごとに、観察者による観察の程度を示す重み付けを付与した観察履歴情報を生成する。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置100は、観察者がどの程度観察したかを考慮した観察履歴を示すことができ、画像観察時の観察漏れや見落としをより効果的に低減することを可能にする。
【0066】
また、第1の実施形態によれば、入力部110は、表示面にて表示された医用画像に対する観察者からの所定の操作を受付ける。観察履歴生成部153は、入力部110によって受付けられる医用画像に対する所定の操作に応じて重み付けを変化させ、変化させた重み付けを付与した観察履歴情報を生成する。従って、第1の実施形態に係る画像処理装置100は、医用画像に対する観察者の操作を考慮した観察履歴を示すことができ、画像観察時の観察漏れや見落としをさらに効果的に低減することを可能にする。
【0067】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態においては、医用画像の種類に関係なく、共通して実行される重み付けについて説明した。第2の実施形態では、医用画像の種類に応じて重み付けを変える場合について説明する。なお、第2の実施形態に係る画像処理装置100は、第1の実施形態に係る画像処理装置100と比較して、観察履歴生成部153及び重み決定部154の処理内容が異なる。以下、これらを中心に説明する。また、以下では、医用画像の種類として、マンモグラフィ画像を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0068】
第2の実施形態に係る観察履歴生成部153は、マンモグラフィ画像が対象となる場合には、履歴情報に操作内容として階調補正と、領域に対称領域を加えた観察履歴情報を生成する。
図9は、第2の実施形態に係る画像処理装置100によって表示されるマンモグラフィ画像の一例を示す図である。
【0069】
例えば、表示制御部156は、
図9に示すように、表示部120の表示領域を2つに分割し、左側に右の乳房の撮影画像を表示し、右側に左の乳房の撮影画像を表示する。この時、表示制御部156は、同じポジショニング(CC(頭尾方向撮影)またはMLO(内外斜位方向撮影)等)で撮影された左右の乳房の撮影画像を並べて表示する。読影医は、
図9に示すように表示された左右の乳房を見比べながら異なっている部分を見つけるように読影を行う。例えば、読影医は、
図9に示す領域R31とR32とを見比べて病変部位を見つける。
【0070】
また、マンモグラフィ画像においては、乳腺と脂肪とが同様に表示されるため、それらを区別するために、階調補正(コントラスト補正)をリアルタイムで実行するように推奨されている。そこで、第2の実施形態に係る観察履歴生成部153は、
図10に示すように、観察履歴情報における履歴情報の操作に階調補正を加え、さらに、履歴情報の領域に対称領域を加えた観察履歴情報を生成する。なお、
図10は、第2の実施形態に係る観察履歴生成部153によって生成される観察履歴情報の一例を示す図である。
【0071】
そして、第2の実施形態に係る重み決定部154は、階調補正や、対称領域の値に基づいて、重み付けを決定する。例えば、重み決定部154は、階調補正を行っている場合、或いは、左右の対称領域を観察している場合に、履歴情報の値を上昇させるように重み付けを決定する。逆に、階調補正を行っていない場合、或いは、左右の対称領域を観察していない場合に、重み決定部154は、履歴情報の値を下げさせるように重み付けを決定する。
【0072】
上述したように、第2の実施形態によれば、観察履歴生成部153は、医用画像の種類に応じて、当該医用画像における領域に応じて重み付けを変化させ、変化させた重み付けを付与した観察履歴情報を生成する。従って、第2の実施形態に係る画像処理装置100は、医用画像の特性に応じた重み付けを実行することができ、その特性に応じて観察履歴を変化させることを可能にする。
【0073】
(第3の実施形態)
上述した第1及び第2の実施形態においては、2次元画像を用いる場合について説明した。第3の実施形態では、3次元画像を用いる場合について説明する。なお、第3の実施形態に係る画像処理装置100は、第1の実施形態に係る画像処理装置100と比較して、視点情報取得部151b、観察履歴生成部153及び重み決定部154の処理内容が異なる。以下、これらを中心に説明する。また、以下では、3次元画像として、フライスルー画像を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0074】
第3の実施形態に係る視点情報取得部151bは、3次元画像が対象となる場合には、視点認識装置160によって取得された視点位置に対応する表示部120の表示面の座標にて表示されているボリュームデータの座標を取得する。すなわち、視点情報取得部151bは、視点位置に対応する表示部120の表示面の座標にて表示されている医用画像データにおけるボクセルを取得する。
【0075】
第3の実施形態に係る観察履歴生成部153は、ボクセルごとに観察履歴情報を生成する。
図11は、第3の実施形態に係る観察履歴生成部153によって生成される観察履歴情報の一例を示す図である。ここで、
図11は、
図3Aに示す観察履歴情報が3次元画像の場合の観察履歴情報の詳細について示した図である。
【0076】
例えば、観察履歴生成部153は、
図11に示すように、医用画像データのボクセルの座標「(x
1,y
1,z
1)」に対応付けた履歴情報のパラメータの「回数」及び「時間」を観察された日にちごとと、「Total」とで記憶させる観察履歴情報を生成する。なお、
図11に示す観察履歴情報は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。
【0077】
第3の実施形態に係る重み決定部154は、医用画像がフライスルー画像であった場合に、凹凸領域や、視点からの距離(奥行き位置)によって重み付けを変化させる。例えば、フライスルー画像を読影する場合には、読影医は、凹凸領域については慎重に観察する傾向にあるが、平坦部分は簡単な観察で終わってしまう場合がある。そこで、重み決定部154は、医用画像がフライスルー画像であった場合には、平坦部分のボクセルに対しては、履歴情報の値を下げさせるように重み付けを決定する。逆に、凹凸領域のボクセルに対しては、重み決定部154は、履歴情報の値を上昇させるように重み付けを決定する。
【0078】
また、重み決定部154は、医用画像がフライスルー画像であった場合に、視点からの距離に応じて、重み付けを変化させる。すなわち、フライスルー画像では、視点からの距離が遠い領域は、管腔内が精度高く描出されていない場合もあるため、視点からの距離に応じて重み付けを変化させる。
図12は、第3の実施形態に係る重み決定部154によって決定される奥行き方向の重み付けの変化の一例を示す図である。
【0079】
例えば、重み決定部154は、
図12の(A)に示す領域R41とR42とで重み付けを変化させる。すなわち、重み決定部154は、管腔内を視点移動させながら進んでいくフライスルー画像において、視点からの位置が近い領域R41については、履歴情報の値を上昇させるように重み付けを決定する。一方、視点からの位置が遠い領域R42については、重み決定部154は、履歴情報の値を下げさせるように重み付けを決定する。
【0080】
ここで、重み決定部154は、視点からの距離に対する重み付けの変化を線形或いは非線形で変化させることができる。例えば、重み決定部154は、
図12の(B)に示すように、重み付けと視点からの距離Dとの関係を線形43で変化させてもよく、或いは、重み付けと視点からの距離Dとの関係を非線形44で変化させてもよい。これにより、視点からの距離で重み付けを変化させる場合に、重み付けを柔軟に変化させることができる。
【0081】
また、重み決定部154は、医用画像が展開画像(例えば、VGP:Virtual Gross Pathology)であった場合に、展開軸からの距離に応じて、重み付けを変化させる。すなわち、展開画像では、展開軸からの距離が遠い領域は、歪みが発生している場合もあるため、展開軸からの距離に応じて重み付けを変化させる。
図13は、第3の実施形態に係る重み決定部154によって決定される展開画像の重み付けの変化の一例を示す図である。
【0082】
図13においては、
図13の(A)に展開前の大腸を示し、
図13の(B)にVGPを示す。なお、VGPとは、腸管の仮想中心線より円筒投影法を用いて展開している大腸を切り開いた画像である。
図13の(A)に示すように、大腸50を切断線51で展開した場合には、
図13の(B)に示すように、展開軸52を中心にして腸管が展開することとなる。
【0083】
ここで、重み決定部154は、
図13の(B)に示すように、展開軸52からの距離が遠くなるほど重み付けを小さくなるように重み付けを決定する。すなわち、重み決定部154は、展開軸52から離れるにしたがって、履歴情報の値を下げさせるように重み付けを決定する。なお、この場合においても、重み付けは、線形或いは非線形で変化させることができる。
【0084】
上述したように、医用画像がフライスルー画像やVGPである場合には、重み決定部154は、領域において重み付けを変化させる。従って、それら医用画像の場合には、観察履歴生成部153は、履歴情報の領域にそれらの情報をさらに加えた観察履歴情報を生成する。
図14は、第3の実施形態に係る観察履歴生成部153によって生成される観察履歴情報の一例を示す図である。ここで、
図14は、
図3Aに示す観察履歴情報がフライスルー画像やVPGの場合の観察履歴情報の詳細について示した図である。
【0085】
例えば、観察履歴生成部153は、
図14に示すように、医用画像データのボクセルの座標「(x
1,y
1,z
1)」に対応付けた履歴情報の領域に「凹凸領域」、「視点からの距離」及び「展開軸からの距離」を加えた観察履歴情報を生成する。なお、
図14に示す観察履歴情報は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。
【0086】
図11及び14に示すような観察履歴情報に基づいて、第3の実施形態に係る合成データ生成部155は、合成データを生成する。具体的には、合成データ生成部155は、観察履歴情報を参照して、医用画像が生成されたボリュームデータと同様の座標を有する仮想空間内に表示情報を配置して、3次元画像を生成する。ここで、合成データ生成部155は、2次元画像の場合と同様に、表示情報を種々の色合いや、濃淡、透過度などを変化させることができる。
【0087】
第3の実施形態に係る表示制御部156は、医用画像と合成データとを異なるレイヤでそれぞれ表示させて、医用画像と合成データとを重畳させる。例えば、表示制御部156は、
図15に示すように、フライスルー画像上に観察履歴23を重畳させた画像を表示部120にて表示させる。
図15は、第3の実施形態に係る合成データ生成部155によって生成される合成データの一例を示す図である。
【0088】
上述したように、第3の実施形態によれば、観察履歴生成部153は、表示面にて表示された医用画像が3次元画像である場合には、医用画像において画素に表示された領域に対応するボクセルごとに、観察履歴情報を生成する。従って、第3の実施形態に係る画像処理装置100は、3次元画像においても精度の高い観察履歴を表示させることができ、画像観察時の観察漏れや見落としを効果的に低減することを可能にする。
【0089】
(第4の実施形態)
これまで第1、第2及び第3の実施形態について説明したが、上述した第1、第2及び第3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0090】
上述した第1〜3の実施形態では、観察者によって観察された領域について、拡大縮小操作が実行された領域や、特徴的な領域などに対して、所定の重み付けを行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、観察者によって観察された点や領域から距離に応じて、重み付けを変化させる場合であってもよい。かかる場合には、例えば、重み決定部154は、観察者によって注視された点又は領域からの距離が長くなるに伴って、重みを小さくするような重み付けを実行する。なお、距離に応じた重みは、観察者によって任意に設定される。
【0091】
上述した第1〜3の実施形態では、1つの医用画像に1人の観察履歴を表示させる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、任意の人数の観察履歴を表示することが可能である。例えば、2人以上の観察履歴を表示させることが可能である。
【0092】
また、第1〜3の実施形態では、視点認識装置160としてカメラを用いる場合に説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、メガネ方式により観察者の視線情報を取得する場合であってもよい。
【0093】
また、第1〜3の実施形態では、医用画像診断装置200によって生成された医用画像を用いる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置100が医用画像データから医用画像を生成して、表示する場合であってもよい。かかる場合には、制御部150が2次元画像及び3次元画像の画像生成にかかる各種処理を実行する。
【0094】
また、第1〜3の実施形態では、観察者ごとに視野領域を設定する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、同一観察者に対して観察中に、定期的に視野領域の設定を行うようにしてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、画像処理装置100が、観察履歴情報を生成して、合成データを表示する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、医用画像診断装置200が観察履歴情報を生成して、合成データを表示する場合であってもよい。すなわち、例えば、上述した画像処理装置100が医用画像診断装置200に組み込まれる場合であってもよい。言い換えると、医用画像診断装置200の制御部150が、上述した画像データ取得部151a、視点情報取得部151b、視野設定部152、観察履歴生成部153、重み決定部154、合成データ生成部155及び表示制御部156を備え、上述した処理を実行するようにしてもよい。
【0096】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の画像処理装置によれば、画像観察時の観察漏れや見落としを効果的に低減することを可能にする。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。