(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該支持部は、該ベース部に支持され該載置面に対して該切断刃の側面が傾くように該ベース部に対して該切断部と共に傾動可能であり且つ該ロッドを支持する傾動支持部を有し、
該第1被挿通部は円筒形状をなし、
該第1連通孔は、該傾動支持部が傾動可能な範囲におけるいずれの傾動角度においても該第1被挿通部の該載置面側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の卓上切断機。
該支持部は、該ロッドと平行に延び該ロッドに対して相対移動不能なガイドバーと、筒形状をなし該第1被挿通部に接続され該第1被挿通部に対し相対移動不能で該ガイドバーが挿通される第2被挿通部と、を有し、該第2被挿通部に該ガイドバーが挿通された状態で該ガイドバーと該第2被挿通部とは互いに相対移動可能に構成され、
該第2被挿通部には、該ガイドバーとの相対移動を規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の卓上切断機。
該第1被挿通部と該ロッドとの間には、該第2シール部材に関して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第4シール部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の卓上切断機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の卓上切断機においては、木材等の切断時に発生する比較的大きな切屑が軸受部内へ侵入することを軸受部の両端に設けられた一対のシール部材によって阻止可能であるが、窯業系サイジング材の切断時に発生する微小な粉塵が軸受部内へ侵入することを阻止することは困難である。このため、軸受部内に微小な粉塵が侵入し、軸受部内の鋼球の転がり抵抗が増大し又は鋼球が回転不能となり、ロッドと摺接部との摺動性能が劣化し、切断精度が低下するという不具合が生じていた。
【0005】
そこで本発明は、ロッド部と摺接部との摺動性能の劣化を抑制し、高い切断精度を維持可能な卓上切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、被加工材を載置可能な載置面を有するベース部と、切断刃を回転可能に支承する切断部と、該ベース部に設けられ、該切断部が該載置面と対向するように該切断部を支持する支持部と、を備え、該支持部は、該載置面と平行且つ該切断刃の回転軸心と直交するスライド方向に延び該切断部を該スライド方向に移動可能に支持するロッドと、該ロッドを挿通させ該ロッドと摺接関係にある摺接部とを有し、該摺接部と該ロッドとの間には、該ロッドと該摺接部との該ロッドの軸方向における相対移動を円滑化する相対移動円滑部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における一端部及び他端部に設けられた第1シール部材及び第2シール部材と、該第1シール部材に対して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第3シール部材と、が備えられていることを特徴とする卓上切断機を提供する。
【0007】
このような構成によると、相対移動円滑部材の一端側には第1シール部材及び第3シール部材の2個のシール部材が設けられているため、微小な粉塵が相対移動円滑部材の一端側から相対移動円滑部材側に侵入することを抑制することができる。これにより、ロッドと摺接部との摺動性能の劣化を抑制し、高い切断精度を維持することができる。
【0008】
上記構成において、該摺接部と該ロッドとの間には、該第2シール部材に対して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第4シール部材がさらに備えられていることが好ましい。
【0009】
このような構成によると、相対移動円滑部材の他端側には第2シール部材及び第4シール部材の2個のシール部材が設けられているため、微小な粉塵が相対移動円滑部材の他端側から相対移動円滑部材の内部に侵入することを抑制することができる。これにより、ロッドと摺接部との摺動性能の劣化をより抑制し、高い切断精度を維持することができる。
【0010】
また、該第3シール部材は、該第1シール部材と離間した位置に設けられ、該第1シール部材と該第3シール部材との間には空間が画成されていることが好ましい。
【0011】
このような構成によると、第1シール部材と第3シール部材との間に空間が画成されているため、第3シール部材では侵入を阻止できなかった微小な粉塵が当該空間に一旦留まる。これにより、当該粉塵が相対移動円滑部材の内部に侵入するまでの時間を長くすることができ、ロッドと摺接部との摺動性能を長期間良好に維持することができる。
【0012】
また、該摺接部には、該空間と外部とを連通する第1連通孔が形成され、該摺接部は、該摺接部に対して着脱可能且つ該第1連通孔を閉塞する第1閉塞部材を有することが好ましい。
【0013】
このような構成によると、ユーザが第1連通孔を閉塞している第1閉塞部材を取り外すことで第1シール部材と第3シール部材との間に画成された空間に一旦留まった微小な粉塵が当該空間から第1連通孔を介して外部へ排出される。これにより、当該空間に一旦留まった微小な粉塵が相対移動円滑部材の内部に侵入することをより抑制することができ、ロッドと摺接部との摺動性能をより長期間良好に維持することができる。
【0014】
また、該支持部は、該ベース部に支持され該載置面に対して該切断刃の側面が傾くように該ベース部に対して該切断部と共に傾動可能であり且つ該ロッドを支持する傾動支持部を有し、該摺接部は円筒形状をなし、該第1連通孔は、該傾動支持部が傾動可能な範囲におけるいずれの傾動角度においても該摺接部の該載置面側に位置するように形成されていることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、傾動支持部が傾動可能な範囲において、常に第1連通孔が載置面側に位置するため、載置面と地面とが略平行になるように卓上切断機を設置している場合に第1連通孔は常に地面側に位置する。これにより、第1シール部材と第3シール部材との間に画成された空間に一旦留まった微小な粉塵が重力によって当該空間から第1連通孔を介して外部へ排出されるため、容易に当該粉塵を当該空間から排出することができ、卓上切断機のメンテナンスが容易になる。
【0016】
また、該第1連通孔は、該切断刃の側面が該載置面に対して垂直な状態において該摺接部の該載置面と対向する位置に形成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成によると、載置面と地面とが略平行になるように卓上切断機を設置している場合に、第1連通孔は地面に対向する。これにより、第1シール部材と第3シール部材との間に画成された空間に一旦留まった微小な粉塵が重力によって当該空間から第1連通孔を介して外部へより排出され易くなるため、卓上切断機のメンテナンスがより容易になる。
【0018】
また、該摺接部には、該空間と外部とを連通する第2連通孔が形成され、該第2連通孔は、該第1連通孔と対向する位置に形成され、該摺接部は、該摺接部に対して着脱可能且つ該第2連通孔を閉塞する第2閉塞部材を有することが好ましい。
【0019】
このような構成によると、ユーザが第1連通孔を閉塞している第1閉塞部材及び第2連通孔を閉塞している第2閉塞部材を取り外し、第2連通孔から洗浄油等を第1シール部材と第3シール部材との間に画成された空間に流し込むことで当該空間に一旦留まった微小な粉塵を第1連通孔から排出することができる。これにより、卓上切断機のメンテナンスがより容易となり、ロッドと摺接部との摺動性能をより長期間良好に維持することができる。
【0020】
また、該第3シール部材は、該ロッドと当接する第1当接部と、該第1当接部から該スライド方向において離間し該ロッドと当接する第2当接部と、を備えることが好ましい。
【0021】
このような構成によると、第3シール部材がスライド方向において互いに離間した第1当接部及び第2当接部を備えているため、ロッドと摺接部との摺動性能を確保し且つ微小な粉塵が相対移動円滑部材側に侵入することを抑制することができる。
【0022】
また、該支持部は、該ロッドと平行に延び該ロッドに対して相対移動不能なガイドバーと、筒形状をなし該摺接部に接続され該摺接部に対し相対移動不能で該ガイドバーが挿通される被挿通部と、を有し、該被挿通部に該ガイドバーが挿通された状態で該ガイドバーと該被挿通部とは互いに相対移動可能に構成され、該被挿通部には、該ガイドバーとの相対移動を規制する規制部材が設けられていることが好ましい。
【0023】
このような構成によると、被挿通部とガイドバーとの相対移動を規制することができる。これにより、ユーザは所望の位置において切断作業を行うことができ、作業性が向上する。
【0024】
また、該規制部材は、該ロッドを中心として該摺接部及び該被挿通部を回動させる方向に該ガイドバーを押圧することで該相対移動を規制することが好ましい。
【0025】
このような構成によると、ガイドバーに対して被挿通部の相対移動を規制する場合に規制部材はロッドを中心として摺接部及び被挿通部を回動させる方向にガイドバーを押圧するため、ロッドの半径方向における摺接部とロッドとの位置関係が変化することを抑制することができる。これにより、摺接部とロッドとの間にガタが発生することを抑制でき、摺接部とロッドとの摺動性能を良好に保つことができる。
【0026】
また、該相対移動円滑部材は、直動ベアリングであることが好ましい。
【0027】
このような構成によると、簡易な構成によりガイド部と摺接部との摺動性能を向上させることができる。
【0028】
また、該支持部は、該ベース部から延び該ロッドを固定するホルダを更に有し、該摺接部は該ロッドに対して該相対移動円滑部材を介して摺動可能に設けられると共に該切断部を支持することが好ましい。
【0029】
また、該支持部は、該ベース部から延び該摺接部を固定するホルダを更に有し、該ロッドは、該摺接部に対して該相対移動円滑部材を介して摺動可能に設けられると共に該切断部を支持することが好ましい。
上記課題を解決するために本発明はさらに、被加工材を載置可能な載置面を有するベース部と、切断刃を回転可能に支承する切断部と、該ベース部に設けられ、該切断部が該載置面と対向するように該切断部を支持する支持部と、を備え、該支持部は、該載置面と平行且つ該切断刃の回転軸心と直交するスライド方向に延び該切断部を該スライド方向に移動可能に支持するロッドと、該ロッドが挿通された第1被挿通部と、を有し、
該ロッドと該第1被挿通部とは、該スライド方向に相対移動可能であり、該第1被挿通部と該ロッドとの間には、該ロッドと該第1被挿通部との該スライド方向における相対移動を円滑にする相対移動円滑部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における一端部に設けられた第1シール部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における他端部に設けられた第2シール部材と、該第1シール部材に関して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第3シール部材と、が設けられ、該第1被挿通部の該スライド方向における一端は、該第1シール部材に関して該第2シール部材の反対側に位置し、該第1被挿通部の該スライド方向における他端は、該第2シール部材に関して該第1シール部材の反対側に位置し、該第3シール部材は、該スライド方向において該第1シール部材と該第1被挿通部の該一端との間に位置し、該第1被挿通部に支持されていることを特徴とする卓上切断機を提供する。
上記構成において、該第1被挿通部と該ロッドとの間には、該第2シール部材に関して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第4シール部材がさらに設けられていることが好ましい。
また、該第3シール部材は、該第1シール部材と離間した位置に設けられ、該第1シール部材と該第3シール部材との間には空間が画成されていることが好ましい。
上記課題を解決するために本発明はさらに、被加工材を載置可能な載置面を有するベース部と、切断刃を回転可能に支承する切断部と、該ベース部に設けられ、該切断部が該載置面と対向するように該切断部を支持する支持部と、を備え、該支持部は、該載置面と平行且つ該切断刃の回転軸心と直交するスライド方向に延び該切断部を該スライド方向に移動可能に支持するロッドと、該ロッドが挿通された第1被挿通部と、を有し、該ロッドと該第1被挿通部とは、該スライド方向に相対移動可能であり、該第1被挿通部と該ロッドとの間には、該ロッドと該第1被挿通部との該スライド方向における相対移動を円滑にする相対移動円滑部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における一端部に設けられた第1シール部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における他端部に設けられた第2シール部材と、該第1シール部材に関して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第3シール部材と、が設けられ、該第3シール部材は、該第1シール部材と離間した位置に設けられ、該第1シール部材と該第3シール部材との間には空間が画成され、該第1被挿通部には、該空間と外部とを連通する第1連通孔が形成され、該第1被挿通部は、該第1被挿通部に対して着脱可能且つ該第1連通孔を閉塞する第1閉塞部材を有することを特徴とする卓上切断機を提供する。
上記構成において、該支持部は、該ベース部に支持され該載置面に対して該切断刃の側面が傾くように該ベース部に対して該切断部と共に傾動可能であり且つ該ロッドを支持する傾動支持部を有し、該第1被挿通部は円筒形状をなし、該第1連通孔は、該傾動支持部が傾動可能な範囲におけるいずれの傾動角度においても該第1被挿通部の該載置面側に位置するように形成されていることが好ましい。
また、該第1連通孔は、該切断刃の側面が該載置面に対して垂直な状態において該第1被挿通部の該載置面と対向する位置に形成されていることが好ましい。
また、該第1被挿通部には、該空間と外部とを連通する第2連通孔が形成され、該第2連通孔は、該第1連通孔と対向する位置に形成され、該第1被挿通部は、該第1被挿通部に対して着脱可能且つ該第2連通孔を閉塞する第2閉塞部材を有することが好ましい。
上記課題を解決するために本発明はさらに、被加工材を載置可能な載置面を有するベース部と、切断刃を回転可能に支承する切断部と、該ベース部に設けられ、該切断部が該載置面と対向するように該切断部を支持する支持部と、を備え、該支持部は、該載置面と平行且つ該切断刃の回転軸心と直交するスライド方向に延び該切断部を該スライド方向に移動可能に支持するロッドと、該ロッドが挿通された第1被挿通部と、を有し、該ロッドと該第1被挿通部とは、該スライド方向に相対移動可能であり、該第1被挿通部と該ロッドとの間には、該ロッドと該第1被挿通部との該スライド方向における相対移動を円滑にする相対移動円滑部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における一端部に設けられた第1シール部材と、該相対移動円滑部材の該スライド方向における他端部に設けられた第2シール部材と、該第1シール部材に関して該相対移動円滑部材の反対側に設けられた第3シール部材と、が設けられ、該第3シール部材は、該ロッドと当接する第1当接部と、該第1当接部から該スライド方向において離間し該ロッドと当接する第2当接部と、を備えることを特徴とする卓上切断機を提供する。
また、該支持部は、該ロッドと平行に延び該ロッドに対して相対移動不能なガイドバーと、筒形状をなし該第1被挿通部に接続され該第1被挿通部に対し相対移動不能で該ガイドバーが挿通される第2被挿通部と、を有し、該第2被挿通部に該ガイドバーが挿通された状態で該ガイドバーと該第2被挿通部とは互いに相対移動可能に構成され、該第2被挿通部には、該ガイドバーとの相対移動を規制する規制部材が設けられていることが好ましい。
また、該規制部材は、該ロッドを中心として該第1被挿通部及び該第2被挿通部を回動させる方向に該ガイドバーを押圧することが好ましい。
また、該相対移動円滑部材は、直動ベアリングであることが好ましい。
また、該支持部は、該ベース部から延び該ロッドを固定するホルダを更に有し、該第1被挿通部は該ロッドに対して該相対移動円滑部材を介して摺動可能に設けられると共に該切断部を支持することが好ましい。
また、該支持部は、該ベース部から延び該第1被挿通部を固定するホルダを更に有し、該ロッドは、該第1被挿通部に対して該相対移動円滑部材を介して摺動可能に設けられると共に該切断部を支持することが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の卓上切断機によれば、ロッドと摺接部との摺動性能が劣化し難く、高い切断精度を維持可能な卓上切断機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態による卓上切断機について
図1乃至
図8に基づき説明する。
図1乃至
図4に示されるように卓上丸鋸1は、載置面2Aを有するベース部2と、ホルダ3と、ガイド部4と、移動部5と、切断刃61を回転可能に支承する切断部6とから主に構成されている。以下の説明において、ベース部2に対してガイド部4が設けられている方向を上方向とし、逆方向を下方向と定義する。またホルダ3に対して切断部6が設けられている方向を前方向とし、逆方向を後方向と定義する。更に、
図1において後方向から卓上丸鋸1を見た場合の右を右方向とし、逆方向を左方向と定義する。
【0033】
図1及び
図2に示されるようにベース部2は、床面等に載置可能なベース21と、ベース21上に担持されたターンテーブル22と、ベース21に設けられたフェンス23とから主に構成される。ターンテーブル22の上面は、ベース21の上面と略面一であり、ターンテーブル22は上面に直交する回動軸を介して回動可能にベース21と連結されている。作業時には、ベース21の上面とターンテーブル22の上面とにより被加工材を載置可能な載置面2Aが規定される。ターンテーブル22及びベース21には、切断部6が下降したときに切断刃61の進入を許容する図示せぬ溝部が形成されている。
【0034】
フェンス23は、右フェンス23Aと左フェンス23Bとを有し、それぞれのフェンスは載置面2Aとほぼ直交する押さえ面23aを備える。
図1に示されるように被加工材を切断加工する際にはフェンス23の押さえ面23aに被加工材Wの一面を当接させる。押さえ面23aに被加工材Wの一面を当接させた状態で切断加工を行うことにより、安定した切断加工を行うことができるようにしている。
【0035】
ターンテーブル22の前部は、ターンテーブル22の回動操作および回動位置固定操作を行うための操作部24が設けられている。ターンテーブル22の後部には、傾動軸25と、突出部26とが設けられている。傾動軸25は、切断刃51側面と平行に前後方向に延び且つその中心軸がターンテーブル22の上面と一致するように設けられている。
図2に示すように、突出部26は上方に突出しており、傾動軸25の中心軸を中心とした円弧状の長穴26aが形成されている。またターンテーブル22の後部には、貫通孔2aが形成され、貫通孔2a内には直角切断の位置決めのためのピン27が前後方向に水平移動可能に設けられている。
【0036】
ホルダ3は、ターンテーブル22の後部において上方に立設しており、ホルダ3の下部が傾動軸25を中心として回動可能である。これにより、
図5の(a)及び(b)に示すようにホルダ3は、ターンテーブル22に対して左右方向に傾動可能である。ホルダ3には上述した長穴26aと一致する位置に図示せぬ螺合穴が形成されており、図示せぬ螺合穴にはクランプレバー31が螺合する。具体的には、クランプレバー31のねじ部が長穴26aを前後方向に貫通して図示せぬ螺合穴に螺合している。クランプレバー31を解除方向に操作することで、クランプレバー31の突出部26の面に対する押圧力が解除されのるで、ホルダ3は傾動軸25の回りを長穴26aの円弧長さ範囲で傾動できる。またクランプレバー31を固定方向に操作することで、クランプレバー31の突出部26の面に対する押圧力が付与され、ホルダ3は所望の傾斜角度にて突出部26に、即ちターンテーブル22に対して固定される。
図5(a)及び(b)に示されるように、ホルダ3はターンテーブル22(ベース部2)に対して左方向に45度、右方向に45度まで傾斜可能であり、傾斜角度の範囲(傾動可能な範囲)は左方向45度から右方向45度の90度である。ホルダ3は、傾動支持部及びホルダに相当する。
【0037】
ホルダ3の下部には、上述したピン27の移動軌跡上に位置するようにストッパボルト32がピン27と直交する方向にネジ嵌合している。ホルダ3が直角位置になったときに、ストッパボルト32の先端とピン27の外周部が接触する。またストッパボルト32と当接しない位置にピン27を軸方向に移動させることによりホルダ3は右方向へも傾動可能となる。
【0038】
ホルダ3の上端部付近には、切断刃51の回転軸心に直交し且つベース部2の載置面2Aに略平行に延びる穴部3aが形成されている。またホルダ3の穴部3aの下方には穴部3aと略平行に延びる穴部3bが形成されている。
【0039】
図3に示されるようにホルダ3のベース部2側の部分には傾斜時の位置決め手段であるストッパ3A、3Bが設けられ、ターンテーブル22上面にはストッパ3A、3Bの移動軌跡上に位置するストッパボルト3C、3Dが垂直方向にねじ嵌合している。傾動軸25を支点としてホルダ3を傾動させると、所定の傾動角度でストッパ3A、3Bがストッパボルト3C、3Dのそれぞれの頭部に当接し、切断部6の傾動位置が位置決めされる。ストッパボルト3Cは、ホルダ3が左方向に45度の位置に傾動したときにストッパ3Aに係合するように設けられている。また、ストッパボルト3Dは、ホルダ3が右方向に45度の位置に傾斜したときに他方のストッパ3Bに係合するように設けられている。
【0040】
ガイド部4は、第1ロッド41と、第2ロッド42と、連結部材43とを有する。第1ロッド41は、ベース部2の載置面2Aと平行かつ切断刃61の回転軸心と直交する方向(スライド方向)に延びている。第2ロッド42は、第1ロッド41と平行(スライド方向)に延び第1ロッド41よりも下側に位置する。第1ロッド41と第2ロッド42とは互いに略同じ長さであるとともにターンテーブル22の長手方向(前後方向)よりも短い。また第1ロッド41の外径は穴部3aの内径と略同じであり、第2ロッド42の外径は穴部3bの内径と略同じである。第1ロッド41及び第2ロッド42はパイプ材等の高剛性材料によって形成されている。なお、第1ロッド41及び第2ロッド42の軸方向はスライド方向と一致する。
【0041】
第1ロッド41及び第2ロッド42の後端部は、穴部3a及び穴部3bにそれぞれ挿入される。またホルダ3には、穴部3a内に突出可能な固定具44と、穴部3b内に突出可能な固定具45とが設けられている。これにより、第1ロッド41及び第2ロッド42はホルダ3に固定され、ホルダ3に対する抜け及び回動が防止される。
【0042】
第1ロッド41及び第2ロッド42の前端部には、前後方向に延びる穴部4a、4bが形成された連結部材43が取付けられている。連結部材43には穴部4a内に突出可能な固定具46と、穴部4b内に突出可能な固定具47とが設けられている。これにより、第1ロッド41及び第2ロッド42は連結部材43に固定され、連結部材43に対する抜け及び回動が防止される。第1ロッド41及び第2ロッド42は、上述したようにホルダ3及び連結部材43に対して固定されているため、互いに相対移動不能である。また第1ロッド41及び第2ロッド42は、ホルダ3のターンテーブル22に対する左右方向の傾動によって、ホルダ3とともに左右方向に傾動する。第1ロッド41はガイドバーに相当し、第2ロッド42はロッドに相当する。
【0043】
移動部5は、切断部6をベース部2方向及び反ベース部2方向に回動可能に支持するとともに、ガイド部4に前後方向に摺動自在に支持される。
図2及び
図6に示されるように、移動部5は、第1ロッド41と第2ロッド42とに跨がるスライド部51と、スライド部51と一体の切断部支持部52とを有する。ホルダ3、ガイド部4及び移動部5が支持部に相当する。
【0044】
スライド部51は、第1ロッド41が挿通された第1円筒部51Aと、第2ロッド42が挿通された第2円筒部51Bとにより主に構成され、第1円筒部51Aの前後方向の長さが第2円筒部51Bの長さよりも短い側面視L字形状をなしている。スライド部51は、ホルダ3と連結部材43との間を第1ロッド41及び第2ロッド42上を摺動するように構成されている。
【0045】
第1円筒部51Aは、前後方向に延びる円筒形状をなし、内側には第1ロッド41の外径寸法とほぼ同寸法の内径を有し第1ロッド41外径部に当接可能なブッシュ53が設けられている。ブッシュ53は、前後方向に延びる略円筒形状をなす部材であって、正面視において上部が僅かに開口したC字形状をなしている。ブッシュ53に第1ロッド41が挿通された状態で、第1円筒部51Aと第1ロッド41とは互いに摺動可能且つ相対移動可能に構成されている。第1円筒部51Aは被挿通部に相当する。
【0046】
図6に示されるように第1円筒部51Aの右側には、第1円筒部51Aの内部に突出可能にボルト54が螺合している。ボルト54の先端はブッシュ53に当接しており、ボルト54がブッシュ53を押圧する押圧力を調整することで、ブッシュ53の第1ロッド41側への移動量を調整可能である。ボルト54を操作することでブッシュ53の位置を調整し、ブッシュ53と第1ロッド41との圧力調整をすることができる。これにより移動部5の摺動荷重を調整することができる。
【0047】
第1円筒部51Aの左側には、第1円筒部51Aの内部に突出可能にノブ55が設けられており、ノブ55の先端がブッシュ53に当接している。ノブ55がブッシュ53の外径部を右方向に押圧することによって、ブッシュ53は縮径し、ブッシュ53を介して第1円筒部51Aは第1ロッド41に対して固定される。これにより、第1ロッド41上において移動部5の位置を固定することができる。すなわち、ガイド部4上において移動部5の位置を固定することができる。またノブ55は、第2ロッド42の軸心を中心として移動部5を回転させる方向(右方向)にブッシュ53を押圧する構成であるため、第2円筒部51Bと第2ロッド42との間にガタが生じることを抑制することができ、第2円筒部51Bと第2ロッド42との摺動性能を良好に維持することができる。ノブ55は規制部材に相当する。
【0048】
第2円筒部51Bは、接続部51Cによって第1円筒部51Aと一体に接続された前後方向に延びる円筒形状をなす部材である。第2円筒部51Bの内側には第2ロッド42の外径寸法とほぼ同寸法の内径を有し第2ロッド42外径部と摺接可能な直動ベアリング56が設けられている。直動ベアリング56に第2ロッド42が挿通された状態で、第2円筒部51Bと第2ロッド42とは互いに摺動可能且つ相対移動可能に構成されている。すなわち第2円筒部51Bと第2ロッド42とは摺接関係にある。第2円筒部51Bは摺接部に相当する。
【0049】
図7(a)に示されるように直動ベアリング56は、前後方向に延びる円筒形状をなす部材であって、前後方向の長さは第2円筒部51Bよりも短く構成されている。また直動ベアリング56内には複数のボール56Aが収容され、案内部56Bが形成されている。直動ベアリング56の複数のボール56Aが案内部56Bによって規定されたルートを第2ロッド42の外周面と摺動又は転がりながら前後方向に移動することで、第2円筒部51Bと第2ロッド42との摺動を円滑にしている。直動ベアリング56は相対移動円滑部材に相当する。
【0050】
第2円筒部51B内部における直動ベアリング56の前後方向の両端側には、切断作業時に発生する切屑又は粉塵等の直動ベアリング56内部への侵入を阻止するための防塵機構がそれぞれ設けられている。
【0051】
以下、防塵機構の詳細について説明する。なお、第2円筒部51B内部における直動ベアリング56の前端側の防塵機構と後端側の防塵機構との構成は同様であるため、後側の構成のみについて説明する。
【0052】
図7(a)及び(b)に示されるように防塵機構は、内側シール56Cと、外側シール57と、第2円筒部51Bに形成された第1第1連通孔51a及び第2第2連通孔51bと、第1キャップ51Dと、第2キャップ51Eとにより構成されている。
【0053】
内側シール56Cは、背面視において環形状に形成されたゴム材料からなり、直動ベアリング56の案内部56Bの後端部に圧入されている。内側シール56Cの内周面は、第2ロッド42の外周面と摺接しており、案内部56Bと第2ロッド42との隙間を閉塞している。内側シール56Cは、第1シール部材又は第2シール部材に相当する。
【0054】
図7(b)に示されるように外側シール57は、第1部分57Aと、第2部分57Bと、第3部分57Cとにより構成されており、背面視において環形状に形成されたゴム材料からなり、第2円筒部51Bに圧入されている。外側シール57は、第2ロッド42の外周面と第2円筒部51Bの内周面との隙間を閉塞しており、第2円筒部51Bの外部から第2円筒部51Bの内部へ切屑又は粉塵等が侵入することを阻止している。また外側シール57は、内側シール56Cから前後方向において所定量離間しており、内側シール56Cに対して直動ベアリング56の反対側に位置している。即ち内側シール56Cを基準として直動ベアリング56の反対側に位置している。外側シール57は、第3シール部材又は第4シール部材に相当する。
【0055】
第1部分57Aは、第2円筒部51Bに対して固定されている前後方向に延びる部分である。第2部分57Bは、第1部分57Aの後端部内側に第1部分57Aと一体に形成され、第1部分57Aと第3部分57Cとを接続する部分である。また第2部分57Bは、第2ロッド42の半径方向において所定の幅を有し、背面視において環状に形成されている。
【0056】
第3部分57Cは、第2部分57Bの前面の半径方向内方部から前方向に延びる管状をなす部分であり、第1当接部57Dと、第2当接部57Eと、締付部材57Fとを備えている。第1当接部57Dは、第3部分57Cの前端部における第2ロッド42側の面に形成されており、第2ロッド42の外周面と当接している。また第1当接部57Dは、第2ロッド42側に向かうに従って徐々に前後方向における寸法が小さくなっている。第2当接部57Eは、第3部分57Cの第2ロッド42側の面において第1当接部57Dよりも後側且つ第1当接部57Dとそれぞれ所定量離間した位置に形成されており、第2ロッド42の外周面と当接している。第2当接部57Eは、断面が後方に傾斜したスカート状をなしている。締付部材57Fは、円形の弾性体であって第3部分57Cの前端部における反第2ロッド42側の面に設けられており、第2ロッド42の半径方向内方側へ第3部分57Cを押圧している。第1当接部57D及び第2当接部57Eは、それぞれ第2ロッド42の外周面に当接しているが、第2ロッド42と第2円筒部51Bとの相対移動を許容している。すなわち第1当接部57D及び第2当接部57Eは、第2ロッド42の外周面と摺接している。
【0057】
第1連通孔51aは、第2円筒部51Bの後部に形成された孔であり、内側シール56Cと外側シール57との間に画成された空間51cと第2円筒部51Bの外部とを連通している。また第1連通孔51aは、切断刃61の側面が載置面2Aに対して垂直である状態(傾動角度0度)において第2円筒部51Bの載置面2Aと対向する位置に形成されており、載置面2Aと垂直な方向に延びている。これにより、第1連通孔51aは、切断刃61の側面が載置面2Aに対して左方向に45度(左方向における最大傾動角度)傾動した状態において第2円筒部51Bの載置面2A側に位置し、右方向に45度(右方向における最大傾動角度)傾動した状態(
図5(b))においても第2円筒部51Bの載置面2A側に位置している。すなわちホルダ3の傾動可能な範囲におけるいずれの傾動角度においても第1連通孔51aは第2円筒部51Bの載置面2A側に位置している。第1キャップ51Dは、第1第1連通孔51aを閉塞する部材であって第1第1連通孔51aに対して着脱可能である。第1キャップ51Dは第1閉塞部材に相当する。
【0058】
図7(a)に示されるように第2連通孔51bは、第2円筒部51Bの第1連通孔51aと対向する位置、言い換えれば第2ロッド42に関して第1連通孔51aの反対側に形成されており、空間51cと第2円筒部51Bの外部とを連通している。第2キャップ51Eは、第2連通孔51bを閉塞する部材であって、第2連通孔51bに対して着脱可能である。第2キャップ51Eは第2閉塞部材に相当する。
【0059】
図1及び
図6に示されるように、切断部支持部52には第1ロッド41及び第2ロッド42の軸方向と直交する方向に延びる回動軸52Aが固定されている。切断部支持部52は、回動軸52Aを中心としてベース部2方向/反ベース部2方向に回動可能に切断部6を支持している。
【0060】
また回動軸52Aにはスプリング52Bが環装されており、スプリング52Bは切断部6をベース部2が反ベース部2方向(上方)に回動するよう付勢している。通常時には図示しないストッパ機構によって
図1に示される最も反ベース部2側(上方)に回動した位置となる。切断加工は、切断部6をスプリング52Bの付勢力に抗して回動軸52Aを支点としてベース部2方向(下方)に回動させることにより行なわれる。なお切断部6をベース部2方向(下方)に回動させると、切断刃61はターンテーブル22に設けられた図示せぬ溝部内に侵入し、所定量侵入した状態で図示せぬストッパ機構によって回動が停止される。
【0061】
また切断部支持部52において回動軸52Aの下方には凹部52aが形成され、凹部52a内にはレーザー発振器52Cが設けられている。レーザー発振器52Cは、少なくとも切断刃61の軸方向に移動調整可能な構成をしており、切断刃61の側面の延長線上に延びるレーザー光を被加工材上に照射可能となっている。
【0062】
図8に示されるように切断部6のハウジングは、切断刃61の一部外周を覆うと共に、刃軸部62を覆う形状をしたソーカバー63と、ソーカバー63と連結し刃軸部62、ギヤ64、プーリ軸65、プーリ66、プーリ67等を覆う形状をしたギヤカバー68と、ギヤカバー68と連結しモータ69、モータ軸69Aを覆う形状をしたモータハウジング70とにより構成される。ギヤカバー68が回動軸52Aを軸として回動することで、切断部6が回動する。
【0063】
切断刃61は、ギヤ64と一体に回転する刃軸部62に支持される。またプーリ66は、プーリ軸65に固定され、プーリ軸65はギヤ64と噛合うピニオン65Aを有する。モータ69は、切断刃61の回転軸となる刃軸部62と平行に且つ切断刃61側面の延長線と交差するように配置されている。プーリ67はモータ軸69Aに固定されている。またモータ軸69Aの回転力をプーリ66に伝達するための伝達ベルト67Aが、プーリ66及びプーリ67間に設けられている。
【0064】
ソーカバー63内にはソーカバー63より突出する部分の切断刃61外周を覆う形状をした保護カバー71が回動可能に設けられている。
図1に示されるように保護カバー71は、切断部6が上方に回動している状態では、ソーカバー63より突出する部分の切断刃61外周を覆う位置に回動し、
図2に示すように切断部6が下方に回動している状態では図示せぬリンク機構によってソーカバー63内に収納され、ソーカバー63より突出する部分の切断刃61外周を露出する位置に回動する。
【0065】
モータハウジング70には切断刃61側面の延長線上に位置するハンドル部72が一体的に設けられており、ハンドル部72にはモータ69の駆動を制御するスイッチ73が設けられている。ハンドル部72を切断刃61側面の延長線上に設けることにより、切断加工時(回動時)に切断刃61を介して切断部6に加わる反力を切断部6に傾き等が起きることなく受けることができる。また、モータハウジング70には切断部6が最下方に回動した状態で移動部5と切断部6との回動を固定する図示しない固定機構が設けられている。固定機構を用いることで卓上丸鋸1の運搬が容易となる。
【0066】
次に本実施の形態による卓上丸鋸1の動作について説明する。被加工材を切断するには、ハンドル部72に設けたスイッチ73を操作し、モータ69を回転駆動させ、刃軸部62を介して切断刃61を回転させる。この状態で、ハンドル72部を握りスプリング52Bの付勢力に抗して切断部6を押し下げ、被加工材を切断する。切断刃61がターンテーブル22の溝部内へ侵入し被加工材の切断が完了した時点で、切断部6への押し下げ力を解除すると、スプリング52Bの付勢力によってもとの上限位置に復帰する。
【0067】
角度切り(マイター切断)をする場合は、ターンテーブル22を回転し前述した切断方法で被加工材Wの切断作業を行う。即ちターンテーブル22はベース21に対して回動可能であるので、ターンテーブル22と連結されたホルダ3、ホルダ3に固定されたガイド部4、ガイド部4に支持された移動部5、移動部5に支持された切断部6はフェンス23に対する位置が変化する。これによって、フェンス23の押さえ面23aと切断刃61側面との角度が変化することとなり、フェンス23に当接された被加工材を様々な角度で切断加工行うことができる。
【0068】
傾斜切り(ベベル切断)即ち被加工材の板厚方向に関して斜めに切断する場合には、
図5(a)及び(b)に示されるように、ホルダ3の傾動位置を調節して、切断刃61とターンテーブル22上面との交差角度を調節する。そのために、まずクランプレバー31を緩めてホルダ3の固定状態を解除して傾動軸25を支点としてホルダ3を右方向へ傾動させる。すると3Bストッパがストッパボルト3Dに当接し、切断部6は右傾斜45度の状態に位置決めされる。この状態で、クランプレバー31を締めホルダ3の傾斜位置を固定する。あとは前述した切断方法で加工材の切断作業を行う。
【0069】
また長い被加工物を切断する場合には、ノブ55を緩めて、移動部5をガイド部4に対して摺動可能な状態とする。移動部5は、連結部材43に当接することで切断部6のホルダ3から離れる方向への摺動が規制され(
図2)、ホルダ3に当接することで切断部6のホルダ3側への摺動が規制される(
図1)。切断部6をベース部2側に回動させた状態を維持しつつ切断部6をホルダ3方向に付勢することで、移動部5がガイド部4上を摺動し、切断部6の切断刃61がホルダ3側に移動しながら幅広の被加工材の切断加工を行うことができる。切断終了後、切断部6への押し下げ力を解除すると、スプリング52Bの付勢力によってもとの上限位置に復帰する。
【0070】
上述したように本発明の実施の形態による卓上丸鋸1においては、内側シール56C及び外側シール57の2個のシール部材が設けられているため、微小な粉塵が直動ベアリング56の内部に侵入することを抑制することができる。これにより、第2ロッド42と第2円筒部51Bとの摺動性能の劣化を抑制し、高い切断精度を維持することができる。
【0071】
また、内側シール56Cと外側シール57との間に空間51cが画成されているため、内側シール56Cでは侵入を阻止できなかった微小な粉塵が空間51cに一旦留まる。これにより、当該粉塵が直動ベアリング56の内部に侵入するまでの時間を長くすることができ、第2ロッド42と第2円筒部51Bとの摺動性能を長期間良好に維持することができる。
【0072】
このような場合に、ユーザが第1連通孔51aを閉塞している第1キャップ51Dを取り外すことで、空間51cに一旦留まった微小な粉塵は空間51cから第1連通孔51aを介して第2円筒部51Bの外部へ排出される。これにより、当該空間に一旦留まった微小な粉塵が相対移動円滑部材の内部に侵入することをより抑制することができ、ロッドと摺接部との摺動性能をより長期間良好に維持することができる。
【0073】
また、第1連通孔51aはホルダ3が傾動可能な範囲において常に載置面2A側に位置するため、載置面2Aと地面とが略平行になるように卓上丸鋸1を設置する場合には、第1連通孔51aは常に地面側に位置する。これにより、空間51cに一旦留まった微小な粉塵が重力によって空間51cから第1連通孔51aを介して第2円筒部51Bの外部へ排出されるため、容易に当該粉塵を空間51cから排出することができ、卓上丸鋸1のメンテナンスが容易になる。
【0074】
上述のように、第2円筒部51Bの第1連通孔51aに対向する位置に第2連通孔51bが形成され、第2連通孔51bを閉塞する第2キャップ51Eが設けられているため、ユーザが第1連通孔51aを閉塞している第1キャップ51D及び第2連通孔51bを閉塞している第2キャップ51Eを取り外し、第2連通孔51bから洗浄油等を空間51cに流し込むことで空間51cに一旦留まった微小な粉塵を第1連通孔51aから容易に排出することができる。これにより、卓上切断機のメンテナンスがより容易となり、第2ロッド42と第2円筒部51Bとの摺動性能をより長期間良好に維持することができる。
【0075】
また、外側シール57がスライド方向において互いに離間した第1当接部57D及び第2当接部57Eを備えているため、第2ロッド42と第2円筒部51Bとの摺動性能を確保し且つ微小な粉塵が直動ベアリング56の内部に侵入することを抑制することができる。
【0076】
本発明による卓上切断機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態においては、ベース部2から延びたホルダ3に第2ロッド42が固定されており、移動部5の第2円筒部51Bが第2ロッド42に対して直動ベアリング56を介して摺動可能に設けられると共に切断部6を支持する構成であるが、ベース部2から延びたホルダ3が移動部5の第2円筒部51Bを固定し、第2ロッド42は第2円筒部51Bに対して直動ベアリング56を介して摺動可能に設けられると共に切断部6を支持する構成としてもよい。