特許第6274646号(P6274646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274646
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】整髪剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20180129BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20180129BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/81
   A61K8/86
   A61K8/31
   A61K8/891
   A61K8/37
   A61K8/04
   A61K8/92
   A61K8/39
   A61K8/34
   A61Q5/06
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-243436(P2013-243436)
(22)【出願日】2013年11月26日
(65)【公開番号】特開2015-101564(P2015-101564A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100078064
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 鐵雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115901
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 英樹
(72)【発明者】
【氏名】三村 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】瀧野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋平
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−324617(JP,A)
【文献】 特開平11−171737(JP,A)
【文献】 特開平11−263914(JP,A)
【文献】 特開平03−002112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カチオン化セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーの塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体の塩(メタクリル酸アルキルにおけるアルキル部分の炭素数が10〜30のもの)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、タマリンドシードガム、高重合ポリエチレングリコール(平均分子量30万以上)から選ばれる1種または2種以上の増粘剤、
(B)アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸メトキシメチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸/アクリル酸アミド/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル酸ブチル/メタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸アルキルエステル/ジアセトンアクリルアミド/メタクリル酸共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体、アクリレーツコポリマーAMPから選ばれる1種若しくは2種以上のセット樹脂および/または流動パラフィン、ジメチルシリコーン、2−エチルヘキサン酸セチルから選ばれる1種若しくは2種以上の液状油、
(C)キャンデリラロウまたはミツロウと、ポリオキシエチレンセチルエーテルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種のノニオン性界面活性剤と、水とが配合されたキャンデリラロウまたはミツロウの分散液、および
(D)水
が配合されたものであることを特徴とする整髪剤。
【請求項2】
(C)前記キャンデリラロウまたはミツロウの分散液におけるポリオキシエチレンセチルエーテルおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種のノニオン性界面活性剤の配合量は、キャンデリラロウまたはミツロウの配合量100質量部に対して、20質量部以上300質量部以下である請求項1に記載の整髪剤。
【請求項3】
(C)前記キャンデリラロウまたはミツロウの分散液に、多価アルコールまたは糖アルコールが配合されたものである請求項1または2に記載の整髪剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタイリングがしやすく、かつ毛髪に濡れたような艶を付与し得る整髪剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、整髪剤には種々の組成のものが開発されており、例えば、ロウまたは炭化水素のようなセット力を高めるための成分や、増粘剤として機能する高分子(水溶性高分子)を配合したものが知られている(特許文献1、2など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−93846号公報
【特許文献2】特開2011−98936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水溶性高分子のような増粘剤を用いた整髪剤は、例えば毛髪に良好な艶を付与し得るが、例えば更なるセット力の向上などを目的としてセット樹脂や液状油を配合すると、セット樹脂を配合した場合では塗布した毛髪をすぐに固めてしまうことがあり、また、液状油を配合した場合では、毛髪を油っぽく重くしてしまうことがあり、いずれもスタイルを作ることが難しくなる虞がある。
【0005】
こうしたことから、毛髪に良好な艶を付与する機能を損なうことなく、スタイリングがしやすい整髪剤とする技術の開発が求められる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スタイリングがしやすく、かつ毛髪に濡れたような艶を付与し得る整髪剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成し得た本発明の整髪剤は、(A)増粘剤、(B)セット樹脂および/または液状油、(C)ロウの分散液、および(D)水が配合されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明よれば、スタイリングがしやすく、かつ毛髪に濡れたような艶を付与し得る整髪剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記の通り、増粘剤を配合した整髪剤においては、セット樹脂や液状油を配合することで、スタイリングのしやすさが損なわれてしまう。
【0010】
本発明では、(A)増粘剤、(B)セット樹脂および/または液状油、並びに(D)水を配合した整髪剤において、(C)成分として、分散媒中にロウが微分散している分散液を更に配合しており、これにより、毛髪に濡れたような艶を付与する機能の確保と共に、スタイリングのしやすさの向上を可能としている。
【0011】
(A)成分である増粘剤は、整髪剤を良好に操作できる程度の粘度に調整する機能を有すると共に、(B)成分、(C)成分および(D)成分と共に配合されることで、整髪後の毛髪に濡れたような艶を付与することを可能とする成分である。
【0012】
増粘剤の具体例としては、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カチオン化セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーの塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体の塩(メタクリル酸アルキルにおけるアルキル部分の炭素数が10〜30のもの)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、タマリンドシードガム、高重合ポリエチレングリコール(平均分子量30万以上)などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの増粘剤の中でも、増粘効果が特に優れている点で、カルボキシビルポリマーの塩が特に好ましい。
【0013】
なお、増粘剤のうち、塩型のもの(カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーの塩、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体の塩など)については、塩の状態の増粘剤を用いて整髪剤を調製してもよく、塩を構成する高分子(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体など)と、これを中和するためのアルカリ剤とを配合し、整髪剤中で塩を形成させてもよい。
【0014】
塩を構成する高分子を中和するためのアルカリ剤の具体例としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アルギニンなどの有機アルカリ;アルカリ金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、アンモニア、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機アルカリ;が挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
(A)成分である増粘剤の整髪剤における配合量は、上記の機能をより良好に発揮させる観点から、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。ただし、(A)成分の整髪剤における配合量が多すぎると、毛髪に硬さを感じやすくなる傾向がある。よって、(A)成分である増粘剤の整髪剤における配合量は、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
【0016】
なお、塩型の増粘剤を構成する高分子とアルカリ剤とを配合して、整髪剤中で塩型の増粘剤を形成する場合には、上記高分子およびアルカリ剤を、形成後の塩型の増粘剤が上記の配合量を満たすような量で配合して整髪剤を調製すればよく、アルカリ剤の配合量は、上記高分子を中和するのに足りる量とすればよい。
【0017】
本発明の整髪剤には、(B)成分として、セット樹脂および液状油の少なくとも一方を配合する。(B)成分は、主に整髪剤のセット力を高めるための成分である。
【0018】
本発明の整髪剤には、セット樹脂のみが配合されていてもよく、液状油のみが配合されていてもよく、セット樹脂および液状油の両方が配合されていてもよい。
【0019】
セット樹脂には、アクリル基を有する重合性ビニルモノマー(アクリル酸、アクリル酸エステルなど)、メタクリル基を有する重合性ビニルモノマー(メタクリル酸、メタクリル酸エステルなど)、その他の重合性ビニルモノマー(ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテルなど)などをモノマーとするアニオン性、両性またはノニオン性の重合体もしくは共重合体;ウレタン系樹脂;などが使用できる。
【0020】
このようなセット樹脂の具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸メトキシメチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸/アクリル酸アミド/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸オクチルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル酸ブチル/メタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン〔(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP、アクリル酸アルキルコポリマーAMP、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPD、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMPなど〕、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸アルキルエステル/ジアセトンアクリルアミド/メタクリル酸共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル共重合体、ビニルピロリドン/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、アクリレーツポリマー、アクリレーツコポリマーAMP、ポリウレタン−14などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記のセット樹脂の中でも、セット力を高める作用がより強いことから、アクリル基を有する重合性ビニルモノマーをモノマーとする重合体または共重合体がより好ましい。
【0021】
(B)成分としてセット樹脂を使用する場合の、整髪剤における配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。ただし、整髪剤中のセット樹脂の量が多すぎると、整髪剤の塗布時にセット樹脂が固まりやすくなって、その操作性が低下する傾向がある。よって、(B)成分としてセット樹脂を使用する場合の、整髪剤における配合量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0022】
液状油の具体例としては、動植物油、炭化水素、エーテル、シリコーン、エステル油などが挙げられる。
【0023】
動植物油の具体例としては、エミュー油、馬油、ミンク油、オレンジラフィー油などの動物油;ホホバ油、シア脂、ローズヒップ油、ヒマワリ油、綿実油、アルガン油、ツバキ油、サザンカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ナタネ油、杏仁油、パーム油、ヒマシ油、グレープシード油、ヤシ油、硬化油などの植物油;が挙げられる。炭化水素の具体例としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィンなどが挙げられる。
【0024】
エーテルの具体例としては、イソステアリルグリセリルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテルなどが挙げられる。シリコーンの具体例としては、ジメチルシリコーン、ジメチコノール、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、メチルフェニルシリコーンなどが挙げられる。
【0025】
エステル油の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、カプリル酸セチル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−ジエチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸2−オクチルドデシル、炭酸ジカプリリル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジステアリル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリルなどが挙げられる。
【0026】
(B)成分として液状油を使用する場合の、整髪剤における配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。ただし、整髪剤中の液状油の量が多すぎると、整髪剤の調製が困難となる虞がある。よって、(B)成分として液状油を使用する場合の、整髪剤における配合量は、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
本発明の整髪剤に係る(C)成分であるロウの分散液は、分散媒中にロウが微分散しているものである。
【0028】
ロウの分散液に係るロウの具体例としては、キャンデリラロウ、ミツロウなどが挙げられる。また、ロウの分散液に係る分散媒には、水が使用される。
【0029】
更に、ロウの分散液には、ポリオキシエチレンセチルエーテル(POEセチルエーテル)およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(POE・POPセチルエーテル)よりなる群から選択される少なくとも1種のノニオン性界面活性剤が配合されていることが好ましい。上記のノニオン性界面活性剤の作用によって、分散液中でのロウの分散状態を安定に保つことができる。
【0030】
ロウの分散液に配合される上記ノニオン性界面活性剤は、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が11.0〜16.0であることが好ましい。ただし、個々のHLBが上記値のものでなくても、加重平均HLB値が11.0〜16.0となるように複数のノニオン性界面活性剤を使用してもよい。
【0031】
本明細書でいうノニオン性界面活性剤のHLB値は、以下の(1)、(2)の手順からなる方法で求められる値である。
(1)a質量部のノニオン性界面活性剤と、b質量部のソルビタンモノステアリン酸エステル(日光ケミカル社製「NIKKOL SS−10MV」、HLB値=4.7)とを乳化剤として使用し、aとbとを様々な比率とした下記組成の複数の乳化物を、下記調製法によって調製する。
(2)上記の複数の乳化物を一旦放置し、その後に各乳化物の油滴の粒径を調べ、それが最小となるaとbとの比率を用いて、「(10.5−4.7×b/4)×(4/a)」の式によりHLB値を算出する。
【0032】
乳化物の組成:
流動パラフィン(油相) 40質量%、
乳化剤 a+b=4質量%、
水 56質量%。
乳化物の調製法:
流動パラフィンを80℃程度に加温し攪拌しながら、ここに80℃以上の水相を加えて乳化させた後、冷却しながら攪拌を続けて40℃で放置する。
【0033】
POEセチルエーテルの具体例としては、POEセチルエーテル(5.5E.O.)、POEセチルエーテル(7E.O.)、POEセチルエーテル(10E.O.)、POEセチルエーテル(15E.O.)、POEセチルエーテル(20E.O.)などが挙げられる(上記の各POEセチルエーテルにおいて、「E.O.」の前の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を意味している)。
【0034】
これらのPOEセチルエーテルには、日光ケミカル社製の「NIKKOL BC−5.5」、「NIKKOL BC−7」、「NIKKOL BC−10」、「NIKKOL BC−15」、「NIKKOL BC−20」などの市販品を用いることができる。
【0035】
また、POE・POPセチルエーテルの具体例としては、POE・POPセチルエーテル(10E.O.)(4P.O.)、POE・POPセチルエーテル(20E.O.)(4P.O.)、POE・POPセチルエーテル(20E.O.)(8P.O.)などが挙げられる(上記の各POE・POPセチルエーテルにおいて、「E.O.」の前の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を意味しており、「P.O.」の前の数値は、プロピレンオキサイドの平均付加モル数を意味している)。
【0036】
これらのPOE・POPセチルエーテルには、日光ケミカル社製の「NIKKOL PBC−31」、「NIKKOL PBC−33」、「NIKKOL PBC−34」、「NIKKOL PBC−41」、「NIKKOL PBC−44」などの市販品を用いることができる。
【0037】
ロウの分散液におけるロウの分散粒子径は、整髪剤のスタイリングのしやすさをより良好に高め得ることから、体積平均粒子径で、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。本明細書でいうロウの分散液におけるロウの体積平均粒子径は、レーザー回折法または動的光散乱法により求められる値である。
【0038】
ロウの分散液におけるロウの配合量は、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましく、また、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
【0039】
また、ロウの分散液における上記ノニオン性界面活性剤の配合量は、ロウの配合量100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることが更に好ましく、また、300質量部以下であることが好ましく、250質量部以下であることがより好ましく、120質量部以下であることが更に好ましい。上記ノニオン性界面活性剤を、このような量で配合することで、分散液中におけるロウの分散粒子径を前記のように小さくすることができ、また、分散液中でのロウの分散状態を安定に保つことができる。
【0040】
また、ロウの分散液には、多価アルコール〔(A)成分〜(D)成分以外に本発明の整髪剤に配合可能な添加成分として後述する多価アルコールの具体例として例示しているものと同じものなど〕や糖アルコール(ソルビトールなど)を配合してもよい。ロウの分散液に多価アルコールや糖アルコールを配合する場合には、これらの配合量は、1〜10質量%とすることが好ましい。
【0041】
ロウの分散液は、例えば、ロウおよび上記ノニオン性界面活性剤(更には、必要に応じて多価アルコールや糖アルコール)を混合して得られる油相を70〜95℃に保ちながら攪拌し、ここに水を徐々に加えて混合することにより調製することができる。
【0042】
(C)成分であるロウの分散液に含まれるロウの、整髪剤における配合量は、(C)成分の使用による効果を良好に確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、また、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0043】
よって、整髪剤の調製に際しては、(C)成分であるロウの分散液を、整髪剤におけるロウの配合量が上記の値を満たす量で使用することが好ましい。
【0044】
本発明の整髪剤は、溶媒として(D)水を使用する。(D)成分である水の整髪剤における配合量〔(C)成分中の水の量を含む〕は、20〜95質量%であることが好ましい。
【0045】
本発明の整髪剤には、上記の各成分以外にも、通常の整髪剤などの毛髪化粧料に配合されている各種成分を、必要に応じて添加することができる。このような添加成分としては、例えば、多価アルコール、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、香料(精油、フラワーウォーターを含む)などが挙げられる。
【0046】
多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量30万未満のもの)、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコールなどが挙げられる。整髪剤における多価アルコールの配合量は、例えば、0.1〜20質量%である。
【0047】
防腐剤の具体例としては、ヒノキチオール、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。整髪剤における防腐剤の配合量は、例えば、0.001〜2質量%である。
【0048】
pH調整剤の具体例としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの酸;アルカリ剤〔(A)成分を構成する高分子の中和に使用し得るものとして先に例示したアルカリ剤と同じものなど〕;が挙げられる。
【0049】
なお、本発明の整髪剤は、そのpHが4〜8であることが好ましい。よって、上記のpH調整剤は、整髪剤のpHを上記の値にするのに要する量で使用すればよい。
【0050】
キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸またはその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはその塩などが挙げられる。整髪剤におけるキレート剤の配合量は、0.01〜1質量%であることが好ましい。
【0051】
また、本発明の整髪剤には、上記の添加成分以外にも、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、ノニオン性界面活性剤、常温で固形の油性成分(エステル、植物油など)、着色剤などを配合することもできる(ノニオン性界面活性剤については、ロウ分散液中に含まれる形で配合されるものと別に配合することができる)。
【0052】
本発明の整髪剤の剤型については特に制限はなく、ジェル状、クリーム状、乳液状などの各種剤型とすることができる。また、本発明の整髪剤からなる原液とLPGなどの噴射剤とを混合し、この混合物とをポンプフォーマーに充填してフォームタイプの整髪剤としたり、上記混合物をスプレー容器に充填してスプレータイプの整髪剤としたりすることもできる。更に、本発明の整髪剤が乳液状などの場合には、噴射剤と混合することなくスプレー容器に充填してミストタイプの整髪剤とすることもできる。
【0053】
本発明の整髪剤は、適量を手に取るなどして乾燥した状態の毛髪に塗布したり、乾燥した状態の毛髪に適量をスプレーして塗布したりした上で髪型を整えるなどの方法で使用することができる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下の表1〜表3では整髪剤全体で、それぞれ100%となるように各成分の配合量を%で示すが、その%はいずれも質量%であり、また、その%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。また、本実施例において、「%」は、特に断らない限り、質量基準(質量%)である。
【0055】
実施例1〜6および比較例1〜6
表1および表2に示す組成で実施例1〜6および比較例1〜6の整髪剤を調製し、以下の方法で評価を行った。
【0056】
1人の被験者の頭髪(乾燥した状態の頭髪)に、整髪剤:1gを手に取って塗布した後の毛髪の艶(濡れたような艶)と、整髪剤を塗布後の毛髪のスタイリングのしやすさ(毛髪の動かしやすさ)とについて、専門の評価者5名のそれぞれが、比較例1の整髪剤を用いたときと比較し、下記評価基準に従って点数付けした。
【0057】
〔整髪後の毛髪の艶、および整髪時の毛髪のスタイリングのしやすさの評価基準〕
比較例1の整髪剤を用いたときよりも非常に良い : 2点、
比較例1の整髪剤を用いたときよりも良い : 1点、
比較例1の整髪剤を用いたときと同等 : 0点、
比較例1の整髪剤を用いたときよりも悪い : −1点、
比較例1の整髪剤を用いたときよりも非常に悪い : −2点。
【0058】
そして、整髪剤ごとに全評価者の点数を合計して、各整髪剤で整髪後の毛髪の艶、および整髪時の毛髪のスタイリングのしやすさの評価とした。
【0059】
これらの評価結果と、各整髪剤の外観(剤型)とを表1および表2に併記する。なお、表1および表2における「キャンデリラロウ分散液」は、キャンデリラロウとPOEセチルエーテル(10E.O.)と水とが配合されており、キャンデリラロウおよびPOEセチルエーテル(10E.O.)の配合量が、いずれも10%であり、日機装社製の「Microtrac MT3000」を用いて、レーザー回折法によって測定したキャンデリラロウの体積平均粒子径が100nm以下のものである(以後の各実施例においても、同様である)。これらのキャンデリラロウ分散液は、キャンデリラロウとPOEセチルエーテル(10E.O.)とを混合して得られた油相を80℃程度に保ち、この油相を攪拌しながら水を徐々に添加した後に自然冷却することで調製したものである。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
表1および表2において、水の欄の「計100とする」とは、整髪剤を構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している(後記の表3においても、同様である)。また、表1および表2に記載の「アクリル樹脂アルカノールアミン」は、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPである。
【0063】
表1および表2に示す通り、(A)成分から(D)成分を配合した実施例1〜6の整髪剤では、整髪時のスタイリングのしやすさが、基準品である比較例1の整髪剤〔(C)成分を配合していない整髪剤〕を用いたときよりも良好であった。また、実施例1〜6の整髪剤は、整髪後の毛髪の艶(濡れたような艶)も比較例1の整髪剤よりも良好であり、毛髪に艶を付与する機能が優れていた。
【0064】
これに対し、(A)成分に代えてPOEセチルエーテル(10E.O.)を使用し、キャンデリラロウを分散液にすることなく使用した比較例2の整髪剤は、整髪時のスタイリングのしやすさが劣っていた。また、比較例3〜5の整髪剤は、キャンデリラロウを分散液にすることなく使用した例であるが、このうち、比較例3の整髪剤は、均一に分散・混合することができなかった。よって、比較例3の整髪剤については、上記の評価を行わなかった。また、比較例4、5の整髪剤は、POEセチルエーテル(10E.O.)も使用した例であるが、(A)成分の配合量を少なくした比較例4の整髪剤は、整髪時のスタイリングのしやすさが劣っており、(A)成分の配合量を実施例1の整髪剤などと同等とした比較例5の整髪剤は、整髪後の毛髪の艶が劣っていた。更に、(A)成分を使用しなかった比較例6の整髪剤は、整髪後の毛髪の艶および整髪時のスタイリングのしやすさのいずれもが劣っていた。
【0065】
実施例7、8および比較例7、8
表3に示す組成で実施例7、8および比較例7、8の整髪剤を調製し、以下の方法で評価を行った。
【0066】
1人の被験者の頭髪(乾燥した状態の頭髪)に、整髪剤:1gを手に取って塗布した後の毛髪の艶(濡れたような艶)および軽さ(べたつきのすくなさ)、並びに整髪剤を塗布後の毛髪のスタイリングのしやすさ(毛髪の動かしやすさ)について、専門の評価者5名のそれぞれが、比較例7の整髪剤を用いたときと比較し、下記評価基準に従って点数付けした。
【0067】
〔整髪後の毛髪の艶および軽さ、並びに整髪時の毛髪のスタイリングのしやすさの評価基準〕
比較例7の整髪剤を用いたときよりも非常に良い : 2点、
比較例7の整髪剤を用いたときよりも良い : 1点、
比較例7の整髪剤を用いたときと同等 : 0点、
比較例7の整髪剤を用いたときよりも悪い : −1点、
比較例7の整髪剤を用いたときよりも非常に悪い : −2点。
【0068】
そして、整髪剤ごとに全評価者の点数を合計して、各整髪剤で整髪後の毛髪の艶および軽さ、並びに整髪時の毛髪のスタイリングのしやすさの評価とした。
【0069】
これらの評価結果と、各整髪剤の外観(剤型)とを表3に併記する。
【0070】
【表3】
【0071】
表3における「アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体」は、メタクリル酸アルキルにおけるアルキル部分の炭素数が10〜30のものである。
【0072】
(A)成分から(D)成分を配合した実施例7、8の整髪剤では、整髪時のスタイリングのしやすさが、基準品である比較例7の整髪剤〔(C)成分を配合していない整髪剤〕を用いたときよりも良好であった。また、実施例7、8の整髪剤は、整髪後の毛髪の艶(濡れたような艶)も比較例7の整髪剤よりも良好であり、毛髪に艶を付与する機能が優れていた。
【0073】
なお、実施例1〜6の整髪剤は剤型をジェル状とした例であるのに対し、実施例7、8の整髪剤は、液状油(流動パラフィン)を配合することでクリーム状とした例であるが、これらの実施例7、8の整髪剤では、液状油を配合しても、整髪後の毛髪が軽くべたつきが抑えられていた(すなわち、整髪後の毛髪が油っぽく重くなることが抑制されていた)。
【0074】
これに対し、キャンデリラロウを分散液にすることなく使用した比較例8の整髪剤は、整髪時のスタイリングのしやすさが劣っており、また、整髪後の毛髪の軽さも劣っていた。
【0075】
実施例9、10(クリームタイプの整髪剤)
下記組成で、実施例9、10の整髪剤を調製した。
【0076】
実施例9
タマリンドガム 0.1%、
カルボキシビニルポリマー 0.2%、
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP 1.0%、
ステアリン酸 3.0%、
ヒドロキシステアリン酸 0.5%、
POEセチルエーテル(15E.O.) 3.0%、
POEセチルエーテル(5.5E.O.) 3.0%、
流動パラフィン 5.0%、
ミツロウ 1.0質量%、
水酸化カリウム 適量、
1,3−ブチレングリコール 5.0%、
防腐剤 適量、
キャンデリラロウ分散液 5.0質量%、
エタノール 1.0%
香料 適量
水 計100%とする。
【0077】
実施例9における水の「計100%とする」とは、整髪剤を構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している(後記の各実施例においても、同様である)。
【0078】
実施例10
タマリンドガム 0.1%、
カルボキシビニルポリマー 0.2%、
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP 1.0%、
ステアリン酸 3.0%、
ヒドロキシステアリン酸 0.5%、
POEセチルエーテル(15E.O.) 3.0%、
POEセチルエーテル(5.5E.O.) 3.0%、
流動パラフィン 5.0%、
ミツロウ 1.0質量%、
水酸化カリウム 適量、
1,3−ブチレングリコール 5.0%、
防腐剤 適量、
ミツロウ分散液 5.0質量%、
エタノール 1.0%
香料 適量
水 計100%とする。
【0079】
実施例10の整髪剤で使用した「ミツロウ分散液」は、キャンデリラロウをミツロウに代えた以外は、実施例1の整髪剤などして使用したキャンデリラロウ分散液と同じ方法で調製した。
【0080】
実施例9および実施例10の整髪剤を、実施例1の整髪剤などと同じ方法で被験者の頭髪に塗布した。その結果、キャンデリラロウ分散液を配合した実施例9の整髪剤、ミツロウ分散液を配合した実施例10のいずれにおいても同様に、整髪時のスタイリングのしやすさ(毛髪の動かしやすさ)、並びに整髪後の艶(濡れたような艶)および軽さ(べたつきの少なさ)が良好であった。
【0081】
処方例11(フォームタイプの整髪剤)
下記組成で調製される原液と噴射剤(LPG)とを90:10(質量比)として処方例11の整髪剤を得る。
【0082】
処方例11の整髪剤に係る原液
POEセチルエーテル(20E.O.) 1.0%、
ミリスチン酸 3.0%、
セタノール 0.5%、
シア脂 0.5%、
ジメチコン 0.5%、
2−エチルヘキサン酸セチル 1.0%、
1,3−ブチレングリコール 3.0%、
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 適量、
アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体液 0.5%、
ヒドロキシエチルセルロース 0.1%、
高重合ポリエチレングリコール(平均分子量200万) 0.05%、
キャンデリラロウ分散液またはミツロウ分散液 8.0%、
防腐剤 適量、
香料 適量、
水 計100%とする。
【0083】
処方例11において、「キャンデリラロウ分散液またはミツロウ分散液」と記載しているのは、いずれを使用してもよいことを意味している(後記の処方例12においても、同様である)。これらは、実施例9および実施例10の整髪剤と同様に、いずれを使用しても、整髪時のスタイリングのしやすさ(毛髪の動かしやすさ)、および整髪後の艶(濡れたような艶)が良好である。
【0084】
処方例12(ミストタイプの整髪剤)
下記組成で、処方例12の整髪剤を調製する。
【0085】
処方例12
ヒドロキシプロピルセルロース 0.005%、
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP 1.0%、
プロピレングリコール 5.0%、
キャンデリラロウ分散液またはミツロウ分散液 8.0%、
ローズ水 5%、
エタノール 1.0%、
防腐剤 適量、
香料 適量、
水 計100とする。
【0086】
処方例12の整髪剤も、実施例9および実施例10の整髪剤と同様に、キャンデリラロウ分散液を配合した場合、ミツロウ分散液を配合した場合のいずれにおいても、整髪時のスタイリングのしやすさ(毛髪の動かしやすさ)、および整髪後の艶(濡れたような艶)が良好である。