(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る操作デバイスについて、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
[ゲーム概要]
本実施形態における操作デバイスが適用されるゲームは、ゲーム空間に配置されたプレイヤキャラクタをプレイヤの操作に応じて動作させることにより他のキャラクタ(他のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタやコンピュータにより制御されるノンプレイヤキャラクタ)と競争するゲームである。具体的には、ゲーム空間内に設けられた所定のコースを障害物を乗り越えたり他のキャラクタの邪魔をしたりしながら、他のキャラクタとゴールに到達する順位を競うゲームである。
【0020】
このようなゲームを実現するために、本実施形態においては、ゲーム画面を表示するディスプレイ装置の前方に、プレイヤキャラクタに模した形状を有する1または複数の操作デバイスがプレイヤキャラクタがディスプレイ装置に対向するように設置される。プレイヤは、操作デバイスの後方(ディスプレイ装置がある側とは反対側)において操作デバイスを把持して操作することにより、ゲームを進行させる。
【0021】
[操作デバイスの構造]
上記のようなゲームにおいて使用するための本実施形態における操作デバイスについて説明する。
図1および
図2は本実施形態における操作デバイスを示す側面図である。また、
図3は
図1に示す操作デバイスの機構部分を示す斜視図である。本実施形態においては、ゲーム装置本体と操作デバイスとが一体的に固定された商業用施設に設置されるゲーム装置に適用される操作デバイスを例として説明する。
【0022】
図1および
図2に示すように、本実施形態における操作デバイス1は、ゲーム装置の基台に取り付けるための取り付け面Aを有するベース部10と、プレイヤが直接的に操作する本体部20とを備え、これらベース部10と本体部20とは、連結部30により相対移動可能に連結されている。連結部30は、ベース部10の所定の基準面である取り付け面Aに平行な第1軸S1と、取り付け面Aに垂直な第2軸S2とを備えている。このうち第1軸S1は、本体部20を上下方向へ揺動させる軸を成し、第2軸S2は、上面視で本体部20を左右方向へ揺動させる軸を成す。なお、所定の基準面はベース部10の取り付け面Aに必ずしも一致させなくてもよいが、水平に近い平面が基準面として選択されることが好ましい。また、以下では第1軸S1の軸心方向を左右方向とし、基準面に平行かつ第1軸S1に直交する方向を前後方向とする。
【0023】
連結部30は、ベース部10の取り付け面Aに平行な第1プレート部材31を備えている。第1プレート部材31は、ベース部10の上方に配設されており、両者は第2軸S2を介して接続されている。従って、第1プレート部材31は、ベース部10に対して第2軸S2回りに揺動可能に構成されている。この第1プレート部材31の上部であって第2軸S2との接続箇所の前方には、上記第1軸S1が固定される。
【0024】
本体部20は、プレイヤキャラクタを模した形状を有してプレイヤが把持するための把持部60と、該把持部60が取り付けられる第2プレート部材21と、当該第2プレート部材21と第1軸S1とを連結する連結部材22とを備えている。この連結部材22は、第1軸S1から第2軸S2を越えて後方斜め上方へ延び、その後端部に第2プレート部材21が接続されている。本実施形態において、把持部60は、4足で歩行する動物(豚)のプレイヤキャラクタを模した形状を有しており、第2プレート部材21はこの把持部60の下部(腹部の下面部分)に接続されている。
【0025】
また、連結部30は、本体部20の第1軸S1回りの上下方向の揺動を、所定の第1範囲内に規制する第1規制機構32と、本体部20を第1範囲の第1軸S1回り一方側に付勢する第1付勢機構33とを備えている。
【0026】
第1規制機構32は、第2プレート部材21から下方に延出された第1延出部23と、第1延出部23の下端部から左右方向に延びた板状の第2延出部24と、第1プレート部材31から上方に延出された第3延出部34とを備える。第1延出部23は前部が開口した角管状を成し、第3延出部34はこの第1延出部23の左右に立設された板部材で構成されている。第3延出部34には矩形状の開孔が形成され、該開孔に、第1延出部23から左右へ延びた第2延出部24が、上下移動可能に挿通されている。したがって、第1規制機構32は、第3延出部34に設けられた開孔の上端部に第2延出部24の上面が当接することにより、本体部20の第1軸S1回り上方への揺動を規制する(
図1に示す上限位置が設定される)。一方、第3延出部34に設けられた開孔の下端部に第2延出部24の下面が当接することにより、本体部20の第1軸S1回り下方への揺動を規制する(
図2に示す下限位置が設定される)。
【0027】
第1付勢機構33は、第1延出部23の下端部と第1プレート部材31との間に介装されたコイルばねにより構成される。これにより、本体部20の第2プレート部材21を第1プレート部材31に対して第1軸S1回りの上方(両プレート部材が離間する方向)へ付勢する。すなわち、第1付勢機構33は、第2プレート部材21が上限位置にある状態で、ある程度コイルばねが縮んでおり(すなわち、第2プレート部材21を第1プレート部材31に対して離間させるような反発力が生じた状態となり)、本体部20の第2プレート部材21が第1プレート部材31に近接するほどコイルばねが縮む(反発力が大きくなる)ように構成されている。ただし、第1付勢機構33の構成は、これに限られず、例えば第1軸S1に巻き回されたコイルばねにより第2プレート部材21が第1プレート部材31に対して第1軸S1回り一方側(両プレート部材が離間する方向)に付勢することとしてもよい。また、第1付勢機構33に用いられる付勢部材は、コイルばねに限られず、種々採用可能である。なお、第2プレート部材21が、第1付勢機構33により上方へ付勢されて上限位置にあるとき、ベース部10の取り付け面Aと平行となるように、第1規制機構32が構成されている。また、本実施の形態の第1規制機構32では、左右の第2延出部24の上面にラバー等からなる緩衝部材が取り付けられている。従って、第2プレート部材21が上方へ付勢され、第2延出部24が第3延出部34の開孔の上端部に当接する際、その衝撃が緩和される。
【0028】
また、操作デバイス1は、本体部1の第1軸S1回りの揺動を検出する第1検出部51を備えている。第1検出部51は、本体部20の第1延出部23の下部に設けられた第1遮断部材25と、この第1遮断部材25との相対位置関係から本体部20の上限位置および下限位置をそれぞれ検出する上限位置検出センサ35および下限位置検出センサ36とを備えている。
【0029】
第1遮断部材25は、本体部20の第1延出部23の下端部から前方に延び、その前端部から下方に延び、さらに左右へ拡幅した形状を有する。なお、本実施形態においては、第1遮断部材25は、第2延出部24と一体的に構成されている。上限位置検出センサ35及び下限位置検出センサ36は第1プレート部材31に固定され、上限位置検出センサ35は下限位置検出センサ36の上方に配設されている。これらのセンサ35,36は、それぞれ例えば発光部および当該発光部からの光を受光する受光部を前後に対向配置した構成となっており、発光部および受光部の間を、第1遮断部材25の拡幅部分が通るようになっている。したがって、本体部20の第1軸S1回りの揺動に応じて、第1遮断部材25が、上限位置検出センサ35または下限位置検出センサ36の何れかにおいて発光部から受光部への光を遮断する。
【0030】
この場合、
図1の状態において、第1遮断部材25により上限位置検出センサ35の受光部が発光部からの光を受光できないことから、第1検出部51は、本体部20が上限位置に位置していることを検出する。一方、
図2の状態において、第1遮断部材25により下限位置検出センサ36の受光部が発光部からの光を受光できないことから、第1検出部51は、本体部20が下限位置に位置していることを検出する。
【0031】
上記のような第1付勢機構33を有することにより、プレイヤは把持部60の後部を上から下へ押し込むような「第1の操作」を繰り返し行うことが可能となる。そして、このような第1の操作により本体部20が上限位置と下限位置との間で行き来することを第1検出部51で検出して、これに基づいた第1の操作信号を生成することができる。なお、本実施形態においては第1検出部51として2つの位置検出センサ35,36が設けられているが、より多くの位置検出センサを用いることとしてもよい。これにより、第1軸S1回りの本体部20の変位を多段階に検出することができる。また、少なくとも本体部20の上限位置および下限位置を検出できれば、他の構成を採用してもよい。例えば、オン・オフスイッチ、測距センサ、角度検出センサなどを用いて構成してもよい。
【0032】
図4〜
図6は、
図1に示す操作デバイスの平面図である。前述の通り、本体部20は、第1軸S1回りに上下方向に揺動可能な状態で連結部30の第1プレート部材31に固定されている。そして、
図4〜
図6に示すように、第1プレート部材31がベース部10に対して第2軸S2回りに揺動することにより、本体部20は、ベース部10に対して第2軸S2回りに左右方向に揺動する。換言すれば、上面視において、本体部20は、第2軸S2を中心として時計回りおよび反時計回りに揺動可能になっている。
【0033】
図1〜
図6に示すように、連結部30は、本体部20の第2軸S2回りの左右への揺動を所定の第2範囲内に規制する第2規制機構37と、本体部20を第2範囲の第2軸S2回り中央位置に(プレイヤキャラクタを模した把持部60が真っ直ぐ前方を向く姿勢となるように)付勢する第2付勢機構38とを備えている。
【0034】
第2規制機構37について説明する。ベース部10には、取り付け面Aから上方に延出された左右一対の規制壁部材11,12が設けられている。規制壁部材11,12は、それぞれ、第2軸S2回りの周方向に垂直な面で構成される規制壁を有している。規制壁部材11,12は、互いの規制壁がなす角度が第2軸S2回りの所定の角度となるようにして、第2軸S2を通る前後方向の仮想線に対して左右対称に配置されている。
【0035】
一方、連結部30は、第2軸S2に対して第1プレート部材31を支持する支持部材39を備えている。該支持部材39は、側面視でM字形状を成している。具体的には、第2軸S2の途中から前斜め上方へ延びて第1プレート部材31の前部下面に至り、ここから下方へ延出した部分と、第2軸S2の同じ箇所から後ろ斜め上方へ延びて第1プレート部材31の後部下面に至り、ここから下方へ延出した部分とを有している。そして、支持部材39のうち後側にて下方へ延出した部分は、規制壁部材11,12の間に位置している。したがって、支持部材39が左側に位置する規制壁部材11に当接することにより、本体部20の上面視における第2軸S2の時計回りの回動が規制される。また、支持部材39が右側に位置する規制壁部材12に当接することにより、本体部20の上面視における第2軸S2の反時計回りの回動が規制される。
【0036】
第2付勢機構38は、ベース部10の前部の上方位置にて支持されたコイルばねを有する。すなわち、ベース部10における第2軸S2の前方位置には、所定高さ寸法を有する支持体が立設されており、その上部にコイルばねの一端部(前端部)が係止されている。一方、コイルばねの他端部(後端部)は、第1プレート部材31の前端部であって第2軸S2の前方位置にて係止されている。従って、第1プレート部材31に外力が作用していないとき、両端部が係止されたコイルばねは前後方向に沿った姿勢になっている。より厳密には、コイルばねは、規制壁部材11,12の中間位置を通る前後方向の仮想線上に位置している。そして、このときのコイルばねは自然状態よりも伸長した状態となっており、第1プレート部材31を上述した第2範囲の中央位置(基準位置)に復帰させるように付勢する。
【0037】
また、操作デバイス1は、本体部20の第2軸S2回りの揺動を検出する第2検出部52を備えている。第2検出部52は、M字形状の支持部材39のうち第1プレート部材31の前部から下方への延出部分の下端に取り付けられた第2遮断部材40(
図1も参照)と、ベース部10の上面に取り付けられた少なくとも1つの左右位置センサとを備えている。このうち第2遮断部材40は、上面視で第1プレート部材31の左右方向の中央に位置しており、かつ、第1プレート部材31に平行で第2軸S2回りの周方向に所定の幅寸法を有する板部材で構成されている。一方、左右位置センサは、第2軸S2に対して規制壁部材11,12の反対側に配置され、ベース部10の取り付け面Aから上方に延出されたプレート部材に固定されている。
【0038】
本実施形態において、左右位置検出センサは、第2軸S2を中心とする同心円状に3つ設けられている。そのうち中央に位置する中央位置検出センサ41は、規制壁部材11,12の中間位置と第2軸S2とを結ぶ線上に設けられている。また、該中央位置検出センサ41の右側には右位置検出センサ42が設けられ、左側には左位置検出センサ43が設けられている。より詳細には、右位置検出センサ42は、第1プレート部材31が上面視で時計回りに揺動して、支持部材39が左側の規制壁部材11に接近した際に、第1プレート部材31の第1軸S1方向中央部を通る直線上に設けられている。左位置検出センサ43は、第1プレート部材31が上面視で反時計回りに揺動して、支持部材39が右側の規制壁部材12に当接した際に、第1プレート部材31の第1軸S1方向中央部を通る直線上に設けられている。
【0039】
中央位置検出センサ41、右位置検出センサ42および左位置検出センサ43は、それぞれ例えば発光部と当該発光部の光を受光する受光部とが上下に対向配置された構成となっており、第2遮断部材40は、発光部と受光部との間に位置している。従って、第1プレート部材31が第2軸S2回りに揺動すると、第2遮断部材40が上記位置検出センサ41,42,43の何れか1つ又は2つに対応して位置し、そのセンサの発光部から受光部への光を遮断する。即ち、本実施の形態では、第2遮断部材40の第2軸S2回りの周方向の幅寸法は、中央位置検出センサ41と右位置検出センサ42または左位置検出センサ43との間の第2軸S2回りの周方向の距離より大きく、右位置検出センサ42と左位置検出センサ43との間の第2軸S2回りの周方向の距離より小さくなるように構成されている。従って、第1プレート部材31が中央の基準位置にあるときは、第2遮蔽部材40が中央位置検出センサ41にて遮光し、第1プレート部材31が右側の限界位置にあるときは、第2遮蔽部材40は中央位置検出センサ41および右位置検出センサ42にて遮光し、第1プレート部材31が左側の限界位置にあるときは、第2遮蔽部材40は中央位置検出センサ41および左位置検出センサ43にて遮光する。
【0040】
これにより、第2検出部52は、第2軸S2回りの本体部20の姿勢に関して、中央の基準位置、左右それぞれに変位したときの第1段階の位置、左右それぞれにさらに変位したときの第2段階の位置、の計5つの姿勢を検出できる。具体的には、
図4の状態において、第2遮断部材40に遮光されて中央位置検出センサ41の受光部が発光部からの光を受光できないことにより、第2検出部52は、本体部20が中央位置(基準位置)に位置していることを検出する。また、本体部20がベース部10に対して第2軸S2の時計回りに回動した
図5の状態において、第2遮断部材40により中央位置検出センサ41および右位置検出センサ42の各受光部が発光部からの光を受光できないことにより、第2検出部52は、本体部20が右方向に第1段階変位した位置に位置していることを検出する。更に、
図6の状態において、第2遮断部材40により右位置検出センサ42の受光部のみが発光部からの光を受光できないことにより、第2検出部52は、本体部20が右方向に第1段階より大きい第2段階変位した位置(支持部材39が左側の規制壁部材11に当接した位置)に位置していることを検出する。本体部20がベース部10に対して第2軸S2の反時計回りに回動した際も同様である。
【0041】
なお、本実施形態においては第2検出部52として3つの位置検出センサ41〜43が設けられているが、より多くの位置検出センサを用いることとしてもよい。これにより、第2軸S2回りの本体部20の変位をより多段階に検出することができる。あるいは、ポテンショメータやロータリーエンコーダ等の角度検出センサにより第2検出部52を構成してもよい。
【0042】
このような構成を有することにより、プレイヤは把持部60の後部を前部に対して左方向または右方向へ回すような「第2の操作」を行うことが可能となり、このような第2の操作により本体部20が第2軸S2回りの第2範囲内の何れの位置にあるかを第2検出部52で検出してこれに基づいた第2の操作信号を生成することができる。なお、
図1に示すように、第2軸S2は、本体部20が第1プレート部材31に接続される前後の2箇所の間、すなわち、前側に位置する第1軸S1と後側に位置する第3延出部24bとの間にて、第1プレート部材31に接続されている。したがって、把持部60に加えられた操作力を、第2軸S2回りのモーメントへと効率的に変換することができる。
【0043】
本実施形態における操作デバイス1は、第1軸S1回りの操作および第2軸S2回りの操作以外の操作入力も可能である。例えば、
図1および
図4に示すように、本体部20の第1軸S1方向両端側にそれぞれ設けられた左右一対の側方操作ボタン71L,71Rを備えていてもよい。左右一対の側方操作ボタン71L,71Rは、それぞれ把持部60の両側面部かつ把持部60の内部に位置するように配置される。具体的には、第2プレート部材21の両側端部からそれぞれ上方に延出するように設けられた左右一対のステー部材72のそれぞれに側方操作ボタン71L,71Rが取り付けられている。
【0044】
本実施形態において、把持部60は、全体が柔軟性を有する材料で形成されており、側方操作ボタン71L,71Rが把持部60の内部にあっても把持部60を側方から押さえ込むことにより側方操作ボタン71L,71Rを押圧操作することが可能である。なお、左右一対の側方操作ボタン71L,71Rは、
図1および
図4に示すように、把持部60の前後方向に3つのボタンが並んだ形状を有している。これらの3つのボタンは同じ構成を有し、3つのボタンのうち少なくともいずれか1つを押圧操作すれば、側方操作ボタン71L,71Rが操作されたこととなる。これは、プレイヤが外側から見えない側方操作ボタン71L,71Rの操作を行い易くするためである。もちろん、側方操作ボタン71L,71Rの構成は、これに限られず、例えば、大きい面積のボタンにしたり、より多くのボタンを様々に配置したりしてもよい。
【0045】
また、第2プレート部材21の後端部からステー部材73を介して把持部60の上面に上面操作ボタン74が設けられてもよい。上面操作ボタン74は、プレイヤが直接押圧操作可能なように把持部60の外部に形成されている。なお、上面操作ボタン74の操作時に第1軸S1回りの揺動操作が同時に生じないように、第1軸S1回りの揺動操作において把持部60を把持する部分より前方に上面操作ボタン74が配置されている。
【0046】
なお、上面操作ボタン74が支持されているステー部材73には、振動モータ75が取り付けられている。この振動モータ75は、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタの動きや状態に応じて振動し、プレイヤにプレイヤキャラクタの動きや状態の変化を分かり易く伝えるものである。また、上記各種の操作ボタンは、ゲーム装置の基台に備えられた後述の制御部80(
図7参照)との間で信号線により接続されている。この信号線は、把持部60の内部を通り、本体部20の中央に形成された開口(
図3参照)、第1延出部23の内部空間、および第2軸S2の内部空間を通って、ゲーム装置の基台まで延出されている。
【0047】
[操作デバイスの信号処理に関する構成]
以下、上述した各操作に応じた操作信号を生成するための信号処理に関する構成について説明する。
図7は、本実施形態における操作デバイスの信号処理に関する構成を示すブロック図である。
図7に示すように、操作デバイス1の各操作部からの操作情報は、制御部80に送られる。具体的には、本体部20の第1軸S1回りの揺動に伴う第1の操作が検出される第1検出部51からの検出信号および本体部20の第2軸S2回りの揺動に伴う第2の操作が検出される第2検出部52からの検出信号がそれぞれ制御部80に入力される。また、左側方操作ボタン71L、右側方操作ボタン71Rおよび上面操作ボタン74の操作に基づく信号が制御部80に入力される。また、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタの動きや状態に応じて制御部80から振動モータ75へ振動指令信号が出力される。
【0048】
制御部80は、本体部20のベース部10に対する相対位置変化に応じた操作信号を生成する操作信号生成部81を含んでいる。なお、制御部80は、操作デバイス1内に設けられたマイクロコントローラなどにより構成されてもよいし、各操作部からの操作情報をゲーム装置全体の制御を行う制御部に直接入力し、当該制御部が操作信号生成部81として機能することとしてもよい。
【0049】
操作信号生成部81は、本体部20をベース部10に対して第1軸S1回りに揺動させることによる第1の操作に基づいて第1の操作信号を生成し、本体部20をベース部10に対して第2軸S2回りに揺動させることによる第2の操作に基づいて第2の操作信号を生成する。具体的には、操作信号生成部81は、第1検出部51で検出された本体部20の位置情報に基づいて第1の操作信号を生成し、第2検出部52で検出された本体部20の位置情報に基づいて第2の操作信号を生成する。
【0050】
本実施形態において、第1の操作信号は、第1の操作に基づいてゲーム空間内のプレイヤキャラクタを加速させる信号である。また、第2の操作信号は、第2の操作に基づいてプレイヤキャラクタを方向転換させる信号である。したがって、プレイヤがプレイヤキャラクタの形状を模した把持部60の後部(尻部)を把持して把持部60を下方に押し下げる第1の操作を繰り返し行うことにより、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタは前進し、加速する。繰り返し押し下げる速度を速めることで、プレイヤキャラクタがさらに加速し、第1の操作をやめることにより減速する。また、プレイヤが把持部60の後部を把持して把持部60を左右の何れかに動かす(スライドさせる)第2の操作を行うことにより、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタは把持部60の前部が向く方向に向きを変える。すなわち、把持部60の後部を右へ動かすことにより、把持部60の頭部は左を向き、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタも左へ向きを変える。同様に、把持部60の後部を左へ動かすことにより、把持部60の頭部は右を向き、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタも右へ向きを変える。したがって、プレイヤキャラクタが前進中に第2の操作を行うことにより、プレイヤキャラクタは、第2の操作に応じた方向に方向転換することができる。
【0051】
なお、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタは、上記第1の操作の有無に拘わらず所定の速度で前進するように設定されてもよい。この場合、プレイヤが第1の操作を行うことにより、加速する(その後、第1の操作をやめると所定の速度まで減速する)こととしてもよい。
【0052】
ここで、操作信号生成部81は、所定の基準位置(第2付勢機構38による付勢位置)からの本体部20の第2軸S2回りの揺動角度が大きいほど操作量を段階的に大きくするような第2の操作信号を生成する。上述したように、本実施形態において、第2検出部52は、中央位置検出センサ41、右位置検出センサ42、左位置検出センサ43からの検出結果の組み合わせによって、本体部20が第2付勢機構38による付勢位置から2段階左または右方向への変位を検出することができる。したがって、操作信号生成部81は、このような第2検出部52で検出された変位に基づいて第2の操作信号を生成することにより、プレイヤの操作に応じて左右方向への操作量を段階的に異ならせることができる。具体的には、右位置検出センサ42または左位置検出センサ43のみが第2遮断部材40の存在を検出した場合(受光部に光照射部からの光が届かないことを検出した場合)には、右位置検出センサ42または左位置検出センサ43と、中央位置検出センサ41との両方が第2遮断部材40の存在を検出した場合に比べて、左または右へ向く角度が大きくなる。したがって、把持部60を左または右に大きく動かすことにより急な方向転換を行うことができる。
【0053】
また、操作信号生成部81は、第1の操作と第2の操作とを組み合せた第3の操作に基づいて第3の操作信号を生成する。具体的には、第3の操作は、例えば、把持部60の後部を下方へ押し込む第1の操作を行った上で(下方へ押し込んだ状態で)、左右の何れかに動かす第2の操作を行うことである。このような操作がプレイヤにより行われた場合、操作信号生成部81は、第1の操作信号および第2の操作信号に代えて第3の操作信号を生成する。
【0054】
本実施形態において、第3の操作信号は、プレイヤキャラクタを第2の操作のときよりも速いスピードで方向転換させる(いわゆるドリフト走行させる)信号である。すなわち、第3の操作を行うと、第2の操作を行った場合に比べて、同じ操作量(揺動角度)でもより速いスピードでプレイヤキャラクタの方向転換が行われる。例えば、第1の操作により直進しているプレイヤキャラクタの速度を100とした場合、第2の操作を行うと、所定の速度(例えば80)に減速して方向転換するのに対し、第3の操作を行うと第2の操作時より速い速度(例えば90)で方向転換することとしてもよい。あるいは、第1の操作により直進しているプレイヤキャラクタの速度を100とした場合、第2の操作による方向転換では所定の速度(例えば80)に減速しないと曲がり切れないカーブにおいて、第3の操作を行うとより速い速度(例えば90)でも曲がり切れるようにしてもよい。あるいは、第3の操作をやめた直後、一時的に加速する(例えば100から120にする)ようにして、結果的に第2の操作時よりも速くカーブを曲がることができるようにしてもよい。
【0055】
なお、第2の操作のみの場合と同様に、操作信号生成部81は、第2付勢機構38による付勢位置からの本体部20の第2軸S2回りの揺動角度が大きいほど操作量を段階的に大きくするような第3の操作信号を生成する。したがって、ドリフト走行の場合でも、把持部60を左または右に大きく動かすことにより急な方向転換を行うことができる。このように複数の操作を組み合せることによりプレイヤキャラクタに新たな動作を行わせることができるため、ゲーム性を向上させることができ、プレイヤに飽きさせない演出を行うことができる。
【0056】
さらに、操作信号生成部81は、側方操作ボタン71L,71Rを押圧操作することによる第4の操作に基づいて第4の操作信号を生成する。本実施形態において、第4の制御信号は、左右一対の側方操作ボタン71L,71Rのうちの何れか一方を押圧することにより、側方操作ボタンを押圧した側から反対側へ向かってゲーム空間内のプレイヤキャラクタにタックルを行わせる信号である。したがって、プレイヤが把持部60の左または右側方部を叩くようにして左右一対の側方操作ボタン71L,71Rのうちの何れか一方を押圧操作する(第2の操作とは異なり、把持部60を左または右へスライドさせるように押圧操作する)第4の操作を行うことにより、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタは側方操作ボタン71L,71Rが押圧操作された側とは反対側へ向かってタックルする。
【0057】
タックル時においては、プレイヤキャラクタの進行方向の先端部に攻撃判定が設けられる。したがって、タックルを行うことにより、競争相手である他のキャラクタにプレイヤキャラクタの進行方向の先端部が接触すると、他のキャラクタを減速させることができる。また、タックルを行うことにより、障害物にプレイヤキャラクタの進行方向の先端部が接触すると、当該障害物を破壊することもできる。
【0058】
さらに、操作信号生成部81は、左右一対の側方操作ボタン71L,71Rを同時に操作する第5の操作に基づいて第5の操作信号を生成することも可能である。本実施形態において、第5の制御信号は、左右一対の側方操作ボタン71L,71Rの双方を同時に押圧操作することにより、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタをジャンプさせる信号である。したがって、プレイヤが把持部60の左右の両側方部を叩くようにして左右一対の側方操作ボタン71L,71Rの両方を同時に押圧操作する第5の操作を行うことにより、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタはジャンプする。
【0059】
なお、ジャンプ中において、さらに操作を行うことも可能である。例えば、ジャンプ中に、第2の操作を行うことにより、ジャンプ中の姿勢を変化させることができる。また、ジャンプ中に、再度左右一対の側方操作ボタン71L,71Rの双方を同時に押圧操作することにより、ジャンプの軌道を変化させて、プレイヤキャラクタを上空から回転しながら落下させる攻撃(ローリングアタック)を行うことができる。このローリングアタック時においては、回転しているプレイヤキャラクタの外周面に攻撃判定が設けられる。したがって、ローリングアタックを行うことにより、競争相手である他のキャラクタにプレイヤキャラクタの外周面が接触すると、他のキャラクタを押し潰すことができる。また、ローリングアタックを行うことにより、障害物にプレイヤキャラクタの外周面が接触すると、当該障害物を破壊することもできる。
【0060】
また、上記第5の操作(左右一対の側方操作ボタン71L,71Rの同時押圧操作)に加えて、または、これの代わりに、上面操作ボタン74を押圧操作することによっても、操作信号生成部81が第5の操作信号を生成することとしてもよい。この場合、上面操作ボタン74を一度押すと、プレイヤキャラクタがジャンプし、当該ジャンプ中に、もう一度上面操作ボタン74を押すと、プレイヤキャラクタがローリングアタックを行う。このように、同じプレイヤキャラクタの動作を複数の操作で実現することにより、プレイヤによって操作の難易度を調整することができる。
【0061】
以上のように、本実施形態における操作デバイス1によれば、ベース部10に対して把持部60が取り付けられる本体部20が、互いに三次元的に交差する第1軸S1および第2軸S2回りに揺動するように構成されている。このため、従来の自動車やバイクなどを用いたレースゲームなどに最適化された操作デバイスとは異なる新しい操作態様をプレイヤに提供することができる。特に、通常、人間が直接操作しない対象を操作するゲームにおいては、従来の操作デバイスを用いると違和感が生じ易いが、上記のような操作態様とすることにより、そのようなゲームにおいても直感的な操作を行うことができる。とりわけ、本実施形態で例示したような4足歩行の動物(豚)などのプレイヤキャラクタを操作する操作デバイスとすることが好適である。すなわち、把持部60の形状をこのようなプレイヤキャラクタに模した形状とし、当該プレイヤキャラクタの尻部を叩いたり向きを変えたりするように各操作を行うことにより、プレイヤが当該プレイヤキャラクタを追い立てるような感覚で操作を行うことができ、より直感的かつ違和感のない操作を行うことができる。また、複数の操作を組み合せることにより、多様な操作を行うことができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0063】
例えば、ゲーム装置への入力手段として操作デバイス1とは別の構成が設けられていてもよい。すなわち、例えば、操作デバイス1とは別に、ゲーム装置の基台に操作ボタンが設けられていることとしてもよい。例えば、当該操作ボタンを押圧操作することにより、ゲーム進行が有利になるアイテムを使用することができたり、一定時間プレイヤキャラクタが前進する速度を速くすることができたりするようにしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では操作デバイス1のベース部10がゲーム装置に固定された商業用のゲーム装置について説明したが、家庭用のゲーム装置に接続して用いる操作デバイスについても、本発明を好適に適用することができる。