【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 本願発明に係る電気スタンドは、平成25年3月5日〜同年同月8日に開催されたライティング・フェア2013に出品された。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同文献の段落0006の「発明の効果」においては、「上記のように本発明による電気スタンドは・・・充電式にしたことによって持ち運びが容易となり使い勝手の良い電気スタンドが得られる・・・」旨の記載がある。
【0005】
しかし、この電気スタンドでは、スタンドベース20を重くしていること、電気スタンドの形態自体を変化させて、コンパクトにする構成の示唆はなく、持ち運びの容易性については、限界がある。
【0006】
昨今の節電事情から、部屋全体の照度を落とした中での補助照明が要望されており、例えば、ノートパソコンを移動させる場合や、読書灯とする場合に、補助照明としての電気スタンドの持ち運び易さが求められる。
また、電気スタンドとして使用しない時に場所を取らない事が望ましい。
【0007】
そこで、本願発明では、携帯移動性に優れ、且つ、不使用時にはコンパクトに折畳める電気スタンドを提供せんとする。
これらの課題を解決するためには、次のような具体的な課題も解決されることが望ましい。
通常の電気スタンドとして使用される場合の使い勝手の良さ、折畳手順の容易性、折畳状態からの展開手順の容易性等の使い勝手の良さ、携帯移動性を図る場合の光源、電気装置及び配線の保護等である。
本願発明は、これらの課題を解決することができる電気スタンドの提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、台部と、この台部の一端から起立されるスタンド部と、このスタンド部の一端から前記台部に略平行に展開されるライト部を備えてい
る。
【0009】
前記台部、前記スタンド部及び前記ライト部は、略同一のサイズであり、略コの字状に展開可能、且つ、略箱状に折畳可能な電気スタンドである。
【0010】
前記ライト部の光源部は、LEDベアチップを基板に実装した面発光体がケーシングに収納されて構成されていると共に、前記ライト部の下側面に配置されている。
【0011】
前記面発光体は、前記基板の配線パターンに、LEDのベアチップを接続し、そのベアチップの上からレンズ状のコーティング層を形成したものである。
【0012】
前記ライト部の下側面と前記レンズ状のコーティング層の頂部との間には隙間が存在している。
【0013】
且つ、前記台部の上側面には、光源部のオン、オフを制御するスイッチが配置されている。
【0014】
略箱状に折畳まれた状態において、前記光源部と前記スイッチが略箱状の内側に収納されることを特徴とする電気スタンドである(以上、請求項1の発明)。
【0015】
本願発明によれば、略コの字状に展開可能な電気スタンドであるから、台部、スタンド部及びライト部により略コの字に区画された領域に、前記ライト部からの光の照射により、シンプルな照射空間が形成される。 また、折畳めることで、携帯移動性に優れた電気スタンドとなっており、且つ、不使用時にはその収容スペースを節約することができる。
【0016】
本願発明によれば、電気スタンドの容積を最小限にすることができ、電気スタンドとして使用しない場合には、その収容場所が取られることはなく、また、持運びのコンパクト性が図られていることにより、携帯移動性に優れている。
本願発明によれば、前記隙間の存在により、前記光源部が保護され、携帯移動性に優れている。
【0017】
上記発明において、折畳まれた状態では、前記ライト部の光源部が前記台部に対向することを特徴とする電気スタンドとした。
【0018】
本願発明によれば、前記台部が前記ライト部の光源部のカバーとなるので、折畳まれた状態の電気スタンドに外力が作用した場合でも、前記ライト部の光源部が保護され、携帯移動性に優れている。
【0019】
上記発明において、折畳まれた状態のライト部とスタンド部の内側にスイッチ等の電気装置を取り付けた台部が収納されることを特徴とする電気スタンドとした。
【0020】
本願発明によれば、前記台部がライト部とスタンド部でサンドイッチされることとなるので、台部内の電気装置が保護され、携帯移動性に優れている。
【0021】
本願発明によれば、電気スタンドとしての使い勝手がよく、携帯移動性に優れ、且つ、不使用時にはコンパクトに折畳める電気スタンドを提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本願発明によれば、光源部の薄さと剛性を両立させたものとなっている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る電気スタンドの構成例について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示したように、前記電気スタンド1は机等に置かれる台部2と、この台部2の一端20から略90度に起立される(
図1のA参照)スタンド部3と、このスタンド部3の一端30から前記台部2に略平行に展開可能(
図1のB参照)なライト部4を備える。そして、そのライト部4に設けられた光源部40(後述)から放射される光による照射空間5が形成されるように、本実施形態ではコの字状に展開されるようになっている。
【0025】
また、前記電気スタンド1は、
図1に示したように、前記台部2がスタンド部3側に折畳まれ(
図1のA参照)、前記ライト部4は、折畳まれた台部2の厚さを逃げるスタンド部3の一端30から台部2側に折畳まれる(
図1のB参照)。そして、前記電気スタンド1の折畳まれた姿は、
図2のように、略箱状になっている。
【0026】
よって、本願発明の電気スタンド1は、
図3のように、その展開状態時において、ライト部4からの光の放射によりコの字に囲まれた、シンプルな照射空間5が形成される。
この照射空間5は、ノート型パソコンを使用する場合に、そのディスプレイのサイズにマッチしたものとなっている。
例えば、ノート型パソコンのディスプレイを前記照射空間5に嵌め込むようにして使用してもよいし、ノート型パソコンの側面に台部2を配置してもよい。
【0027】
また、略箱状に折畳まれる電気スタンド1は、その容積を最小限にすることができ、不使用時にはコンパクトに折畳める電気スタンドを提供することができ、収容場所を取られることはない。また、持運びのコンパクト性が図られていることにより、携帯移動性に優れている。
【0028】
さらに、本願発明の電気スタンド1は、コの字状に展開される状態から、スタンド部3に向けて台部2及びライト部4を順次折畳む折畳手順は容易である。逆に折畳状態からライト部4及び台部2を順次展開させる展開手順も容易である。よって、折畳手順の容易性、展開手順の容易性等により、使い勝手の良い電気スタンド1となっている。
【0029】
前記台部2は、
図1及び
図3のように、長方形の上下側面21、22と、アレイ形の左右側面23、24と、端部25、26から略四角柱状に、且つ、薄板状に形成されている。
上側面21には前記光源部40のオン、オフを制御するスイッチ6が配置され、左側面23にはパソコン等から電力、信号を取り込むことができるUSB端子7が配置されている。前記光源部40に電力を供給する手段としては、ACアダプターを用いてもよいし、台部2に蓄電池等を配置するようにしてもよい。
なお、パソコン等に接続される前記USB端子7を介して、そのデータの読込、書込等の動作が制御されるメモリ手段、例えばメモリーカード等を配置できるようにしてもよい。
【0030】
前記台部2の端部26は、台形の柱状に形成され、その傾斜面27には、前記スタンド部3とのピン接合のための軸部28が設けられている。
【0031】
なお、前記スイッチ6の配置は上側面21に限定されるものではなく、左右側面23,24、端部25でもよいし、またUSB端子7の位置は左側面23に限定されるものではなく、右側面24、端部25に配置してもよい。
【0032】
前記スタンド部3は、
図1及び
図3のように、薄板状の略四角柱状の本体30Aと、その本体30Aの一端から略90度に延在する延在部30Bから形成され、その全体としてL字状に構成されている。
【0033】
前記本体30Aは、
図1、
図3及び
図4に図示したように、前記台部2の上下側面21、22と略同サイズの外側面31、内側面32と、前記台部2の左右側面23、24よりも薄い左右側面33、34を備えている。
【0034】
前記本体30Aの内側面32には、
図1のように前記台部2の傾斜面27から取りだされる配線の配線溝39が形成されている。その配線溝39にはカバーが取り付けられており、後述の配線溝においても同様である。
前記本体30Aの端部35は、前記台部2の端部26に対向しており、
図1及び
図3のように三角柱状に形成され、その傾斜面37には、前記台部2とのピン接合のための軸部38が設けられ、前記台部2の軸部28と共に、ヒンジを構成している。そして、スタンド部3を略90度に起立させた場合に、前記傾斜面37と前記台形2の傾斜面27とが当接され、その状態を維持できるようになっている。
なお、スタンド部3は、台部2に対して、90度以内の任意の角度で停止させることができる。
【0035】
前記延在部30Bは、
図2及び
図4に図示しているように、折畳まれた台部2側にライト部4を折畳む場合に、台部2の厚さを逃がすもので、その延在部30Bの高さは台部2の厚さに略等しく形成されている。
前記延在部30Bには、
図5のように前記本体30Aの配線溝39に連続する配線溝39Aが設けられている。
前記延在部30B自体の厚み(薄さ)は、本体部30Aと同一のサイズであり、またライト部4の厚みに略等しく形成されている。
よって、延在部30Bとライト部4間には、段差が形成されることはなく、スタンド部3とライト部4とで、凹凸等による影のない、均一な綺麗な照射空間5が形成され、また意匠的な統一が図られている。
【0036】
前記延在部30Bの前記ライト部4に対向する端部36には、前記ライト部4とのピン接合のための軸部38Bが設けられている。
かかるヒンジ構造により、ライト部4は、台部2に略平行に展開可能にされ、且つ、その状態を維持できるようにされていると共に、ライト部4は、前記延在部30Bに対して上下方向に回動可能に構成されている。
【0037】
前記ライト部4は、
図1、
図3及び
図4に図示したように、前記スタンド部3の本体30Aの外側面31、内側面32と略同サイズの上下側面41、42と、前記本体30Aの左右側面33,34と略同サイズの左右側面43、44を備えている。
前記ライト部4の下側面42には、
図5のように、前記延在部30Bの配線溝39Aに連続する配線溝47が設けられ、前記光源部40まで配線されている。
なお、配線溝47には、前記配線溝39と同様に、カバーが取り付けられている。
【0038】
前記光源部40は、
図5及び
図6のように、ライト部4の形材ケーシングに発光ダイオード(LED)のベアチップを直接基板に実装した面発光体45を収納することで構成されている。その結果、光源部40の薄さと剛性を両立させたものとなっており、面発光体45は、基板の配線パターンに、LEDのベアチップを接続し、そのベアチップの上からレンズ状のコーティング層を形成したものが使用されている。
かかるレンズ状のコーティング層は、
図6のように、レンズ形状になっており、ライト部の点灯時にはレンズ状のコーティング層により光が拡散されるようになっている。
【0039】
上述のように、前記台部2の下側面22と、前記ライト部4の下側面42は、略同一のサイズであり、前記台部2の下側面22に前記ライト部4の下側面42が折畳まれることで、台部2がライト部4の光源部40に対するカバーとなっている。よって携帯移動中においても、光源部40に直接的な外力が加えられることがなく、その光源部40の基板、配線パターン、ベアチップ或いはコーティング層が毀損されることを防ぐことができる。
【0040】
また、ライト部4、スタンド部3及び台部2は、略同一のサイズであり、ライト部4、スタンド部3の内側にスイッチ等の電気装置を取り付けた台部2が収納されるので、外部の衝撃から電気装置を保護することができる。
また、ライト部4、スタンド部3及び台部2は、略同一のサイズであり、折畳まれた状態が略箱状となっていて、携帯移動中に台部2、スタンド部3及びライト部4の各部に捻じれが生じ難く、携帯に適した構造となっている。
さらに各配線溝39等により、携帯移動中でも配線は保護される。
【0041】
図6のように、前記ライト部4の下側面42と光源部40の面発光体45間には隙間gが存在している。
よって、折畳状態において、台部2の下側面22とライト部4の下側面42は当接するものの、台部2の下側面22とライト部4の光源部40間の隙間gにより、ライト部4の光源部40は、台部2の下側面22からの押圧力からも保護され、コーティング層の割れ、摺れ等が生じ難く、所定の光強度等を維持することができる。
【0042】
以上、実施例に係る電気スタンドの作用効果を纏めると、次の通りである。
展開状態時
1. 台部2、スタンド部3及びライト部4により、コの字状に展開可能な電気スタンドであるから、ライト部4からの光の放射によりコの字に囲まれた、シンプルな照射空間5が形成される。
2. この照射空間5にノート型パソコンのディスプレイを配置することで、ノート型パソコンにマッチさせることができるし、ノート型パソコンの側面に台部2を配置した場合であっても、ノート型パソコンにマッチさせることができる。
3. ライト部4は、スタンド部3の延在部30Bに対して上下方向に回転可能に構成されているので、上方向に回転させて、電気スタンド周辺の照射空間5を拡大することができる。さらに、スタンド部3を台部2に向けて回転させて、照射空間5をよりいっそう拡大することができる。
折畳状態時
4. 略箱状に折畳まれるので、電気スタンド1としての容積を最小限にすることができ、電気スタンドして使用しない時に、そのスペースを最小限にすることで場所が取られることはない。
5. 台部2の下側面22が、ライト部4の光源部40に対するカバーとなっているので、携帯移動中においても、光源部40に直接的な外力が加えられることがなく、光源部40のコーティング層等の各構成要素を保護することができる。
6. 台部2の下側面22とライト部4の光源部40間には隙間gが形成されており、そのため、台部2の下側面22からの押圧力によるコーティング層の擦れ、割れ等を防ぐことができる。
7. ライト部4とスタンド部3の内側にスイッチ等の電気装置を取り付けた台部2が収納されるので、外部の衝撃から電気装置を保護する事ができる。
8. 折畳まれた状態が略箱状となっていて、携帯移動中に台部2、スタンド部3及びライト部4の各部に捻じれが生じ難く、携帯に適した構造となっている。
9. 配線は、配線溝39及びカバー等により携帯移動中でもは保護される。
10. 災害時には非常用ライトとして使用することもできる。
展開状態から折畳状態へ
11. コの字状に展開される状態から、スタンド部3に向けて、台部2及びライト部4を順次折畳む折畳手順は容易である。
折畳状態から展開状態へ
12. 折畳状態からライト部4及び台部2を順次展開させる展開手順も容易である。
【0043】
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において、通常の知識を有する者により可能である。