特許第6274810号(P6274810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アール・ビー・コントロールズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6274810-風呂リモコン 図000002
  • 特許6274810-風呂リモコン 図000003
  • 特許6274810-風呂リモコン 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274810
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】風呂リモコン
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20060101AFI20180129BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   F24H1/00 602V
   H04Q9/00 371A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-219452(P2013-219452)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-81714(P2015-81714A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】辻 智広
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−051164(JP,A)
【文献】 特開2003−329300(JP,A)
【文献】 特開平10−051163(JP,A)
【文献】 特開2000−310448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
H04Q 9/00
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取り付けられる後ケースと、この後ケースに接合される前ケースとからなるケーシング内に、前ケースに固定して回路基板を収納すると共に、後ケースの中央部近傍に形成した配線穴を通してケーシング内部に延在するリード線の先端を前ケースに固定されている上記回路基板上に形成した半田付け部に半田付けした風呂リモコンにおいて、上記配線穴を通してケーシング内に延在されたリード線を保持する抜け止め部を、上記ケーシングの側面に向かう一側方向に変位させて後ケースに形成すると共に、上記回路基板上の半田付け部を、上記回路基板を上記前ケースに固定した状態でケーシングの側面に向かう方向であって上記一側方向とは異なる他側方向に変位した位置に設け、さらに、上記リード線の先端を上記半田付け部に半田付けし、前ケースと後ケースとを相互に接続した状態でリード線の弛みが生じないようにリード線の先端から上記抜け止め部までの長さを設定するための設定部を、上記後ケースに形成したことを特徴とする風呂リモコン。
【請求項2】
上記リード線の先端を上記半田付け部に半田付けし、前ケースと後ケースとを相互に接続した状態でリード線を半田付け部近傍で保持する保持部を、後ケースに形成したことを特徴とする請求項1に記載の風呂リモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の壁面に取り付けられる風呂リモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
上記従来の風呂リモコンは、前ケースと後ケースとを相互に連結させた水密なケーシングを有している。そして、そのケーシング内には回路基板やその他の電子部品が収納されており、浴室外に設置した給湯装置から延びるケーブルが接続されている。このケーブルは複数本のリード線が束ねられたもので、風呂リモコンに接続する直前で各リード線にばらされ、後ケースのほぼ中央に形成された配線穴を通してケーシング内に導かれる。なお、貫通穴にはゴム製のグロメットがはめこまれている。グロメットにはリード線の本数と同じ数の細孔が形成されており、各リード線はこの細孔を通してケーシング内部に導かれる。ケーシング内部に導かれたリード線の先端を回路基板に半田付けしただけでは、リード線が外方向に引っ張られた場合、その張力が半田付け部に直接作用して断線するおそれがあるので、リード線を引っかけることによりリード線が抜け方向に移動しない抜け止め部をケーシング内部に形成し、その抜け止め部にリード線を絡げている。
【0003】
内部に導かれたリード線の先端は絶縁被覆が剥がされ、回路基板の所定の半田付け位置に半田付けされる。そして、リード線の先端を回路基板に半田付けした状態で前ケースと後ケースとを相互に併せて両者を互いに結合している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−310448号公報(図1図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成では、抜け止め部にリード線を絡げた位置から半田付け位置までが近いと、半田付けする際に抜け止め部からリード線の先端までの長さが短くなる。そのため、リード線を半田付けする際に、リード線を引っ張る場合が生じ、リード線が抜け止め部から外れてしまうおそれが生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、リード線を回路基板に半田付けする際にリード線が抜け止め部から外れにくい風呂リモコンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明による風呂リモコンは、壁面に取り付けられる後ケースと、この後ケースに接合される前ケースとからなるケーシング内に、前ケースに固定して回路基板を収納すると共に、後ケースの中央部近傍に形成した配線穴を通してケーシング内部に延在するリード線の先端を前ケースに固定されている上記回路基板上に形成した半田付け部に半田付けした風呂リモコンにおいて、上記配線穴を通してケーシング内に延在されたリード線を保持する抜け止め部を、上記ケーシングの側面に向かう一側方向に変位させて後ケースに形成すると共に、上記回路基板上の半田付け部を、上記回路基板を上記前ケースに固定した状態でケーシングの側面に向かう方向であって上記一側方向とは異なる他側方向に変位した位置に設け、さらに、上記リード線の先端を上記半田付け部に半田付けし、前ケースと後ケースとを相互に接続した状態でリード線の弛みが生じないようにリード線の先端から上記抜け止め部までの長さを設定するための設定部を、上記後ケースに形成したことを特徴とする。
【0008】
抜け止め部を一側側に形成し、半田付け部を他側側に形成することによって、抜け止め部からリード線の先端までの長さを長くすることができる。この結果、リード線の先端を半田付け部に半田付けする際に、リード線を引っ張ることがない。
【0009】
なお、抜け止め部から半田付け部までの距離が長くなると、両者の間に架設されるリード線が弛んで前ケースと後ケースとを相互に合わせる際に、リード線がリブなどに挟まれるおそれが生じる。そこで、上記リード線の先端を上記半田付け部に半田付けし、前ケースと後ケースとを相互に接続した状態でリード線を半田付け部近傍で保持する保持部を、後ケースに形成することが望ましい。
【0010】
また、抜け止め部からリード線の先端までの長さが短すぎると半田付けした後で前ケースと後ケースとを相互に合わせることができなくなる。逆に長すぎるとリード線が無駄になるばかりか、リード線が弛んで、やはり前ケースと後ケースとを相互に合わせる際に不具合が生じる。
【0011】
そこで、抜け止め部からリード線の先端までの長さを正確に設定することができるように、上記リード線の先端を上記半田付け部に半田付けし、前ケースと後ケースとを相互に接続した状態でリード線の弛みが生じないようにリード線の先端から上記抜け止め部までの長さを設定するための設定部を、上記後ケースに形成した
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から明らかなように、本発明は、リード線の先端を半田付け部に半田付けする際に、リード線を引っ張らなくても良いので、リード線が抜け止め部から外れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】前ケースと後ケースとを接合する前に半田付けを完了した状態を示す図
図2】後ケースでのリード線の状態を示す図
図3】III-III断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、1は浴室リモコンの前ケースで有り、この前ケース1に後方から後ケース2が水密に連結することにより内部が防水された浴室リモコンとなる。この前ケース1には電子部品が実装された回路基板3が固定されている。一方、後ケース2には中央に配線穴21が形成されており、その配線穴21にはゴム製のグロメット22が嵌合されている。4は複数本のリード線41が束ねられたハーネスで有り、リード線41にばらした状態で各リード線41をグロメット22に形成した細孔を通して浴室リモコンの内部へ導入させている。
【0015】
各リード線41の先端は回路基板3の後面に形成した複数の半田付け部31のうちの対応するものに半田付けされる。なお、この半田付け作業は手作業によって行われる。また、各半田付け部31は全て浴室リモコンの一側側に集約して設けた。
【0016】
図2を参照して、グロメット22を通過した各リード線41は後ケース2の前面、すなわち内側面に形成さえた抜け止め部23に絡げられて固定される。このように各リード線41を抜け止め部23に絡げることにより、ハーネス4が後方に引かれても各リード線41に対する引っ張り力は抜け止め部23で受けられ、リード線41が後方に抜けてしまうことが防止できる。なお、これら抜け止め部23は全て浴室リモコンの他側側に集約して設けた。
【0017】
上述のように半田付け部31は一側側に集約して設け、抜け止め部23は他側側に集約して設けているので、各抜け止め部23からリード線41の先端部41aまでの長さを可及的に長くすることができる。ただし、この長さを長くしすぎると前ケース1に後ケース2を連結させる際にリード線41が弛んで、後ケース2の内面に形成したリブなどに挟まってしまうおそれが生じる。また、逆に短すぎると、前ケース1と後ケースを相互に連結する際にリード線41が突っ張って両ケースを連結することができない。
【0018】
そこで、抜け止め部23からリード線41の先端部41aまでの長さを正確に規定するために、後ケース2のリブの一部に設定部24を設けた。リード線41を抜け止め部23に絡げる際に、リード線41の先端部41aを設定部24に当接させ、その状態でリード線41を抜け止め部23に絡げれば抜け止め部23からリード線41の先端部41aまでの長さが規定されるようにした。
【0019】
また、図3を参照して、リード線41の先端部41aを半田付け部31に半田付けし、さらに前ケース1と後ケース2とを相互に結合した状態で、各リード線41を半田付け部31の近傍で保持する保持溝25aを有する保持部25を後ケース2に形成した。
【0020】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0021】
1 前ケース
2 後ケース
21 配線穴
22 グロメット
23 抜け止め部
24 設定部
25 保持部
3 回路基板
31 半田付け部
4 ハーネス
41 リード線
41a 先端部
図1
図2
図3