(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274865
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】押し花飾
(51)【国際特許分類】
B44C 5/06 20060101AFI20180129BHJP
A01N 3/02 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
B44C5/06 B
A01N3/02
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-2269(P2014-2269)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-128887(P2015-128887A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2017年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】393022609
【氏名又は名称】杉野 宣雄
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(72)【発明者】
【氏名】杉野 宣雄
【審査官】
竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−330463(JP,A)
【文献】
特許第4135860(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C 5/06
A01N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ箔、このアルミ箔の一側面にコーティングあるいは貼着固定された接着剤層あるいは粘着剤層、この接着剤層あるいは粘着剤層を使用するまで覆う剥離紙とからなる防湿シートと、この防湿シートの他側面の外周部を除く部位に固定される枠状のフレーム本体、この枠フレーム本体の一側面にコーティングあるいは貼着固定された前記防湿シートに固定される枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層、この枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層を前記防湿シートに固定させるまで覆う枠フレーム用剥離紙とからなる枠フレームと、この枠フレームが取付けられた前記防湿シートの剥離紙を、該枠フレーム側へ押し圧して凹部を形成した後に剥離紙を除去した後、前記枠フレームの凹部内の接着剤層あるいは粘着剤層部分に固定された押し花保存剤および台紙と、この台紙上に配置された押し花と、この押し花を覆い、外周部が前記台紙より外方の前記防湿シートの接着剤層あるいは粘着剤層に、前記枠フレームを一方側より他方側へ押し圧しながらスライド移動させて、内部の空気を抜きながら固定される透明板とからなり、前記アルミ箔の一側面に形成される前記接着剤層あるいは粘着剤層は、枠フレームの内側に位置する部位を、接着あるいは粘着の弱い接着剤あるいは粘着剤を用い、この弱い接着剤層あるいは粘着剤層の外周部は強い接着剤あるいは粘着剤を用いた接着剤層あるいは粘着剤層が形成されていることを特徴とする押し花飾。
【請求項2】
台紙の外周部の近傍部位まで覆うことができる前面フレームを備えた透明板を収納することができる額縁本体と、この額縁本体の裏面を覆うように、該額縁本体に取付けることができる裏板とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の押し花飾。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台紙上に飾った押し花を透明板とアルミ箔で覆い、額縁等に収納して飾ることができる、押し花教室での教材としても使用することができる押し花飾に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の押し花飾は、飾った押し花が配置された台紙をほぼ中央部に取付けることができる接着剤層あるいは粘着剤層を設けた防湿シートを用い、台紙上に配置した押し花を透明板で覆い、該透明板と外周部と防湿シートの外周部を固定するものや、防湿シート本体の外周部寄りの背面に、該防湿シート本体にしわが生じないように接着剤や粘着剤を用いて枠状にしわ防止板を固定することができる防湿シートを用いるものが、本出願人によって考えられている。
【0003】
しかしながら、前者の押し花飾に用いる防湿シートは台紙を防湿シートに取付ける作業は容易にできるが、押し花が配置された台紙の外周部の防湿シートと透明板との密封固定は、密封固定作業時に防湿シートにしわが生じ、密封できず、短期間に押し花が変色してしまうという欠点があった。
【0004】
また、後者の押し花飾に用いる防湿シートは、防湿シート本体の裏面に枠状に固定するしわ防止板の固定作業が、板状のしわ防止板の背面に接着剤や粘着剤を塗布したものを防湿シートの裏面の外周部寄りの部位に、枠状にしわが生じないように固定しなければならず、その作業が大変で、完全にしわが生じないように固定することは熟練者でなければできないという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−330463号公報
【特許文献2】特許第3960603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、防湿シートと透明板とをしわが生じることなく、容易に熟練者でなくても密封固定することができるとともに、その作業が楽で、面倒な作業をしなくても簡単に製造することができる押し花飾を提供することを目的としている。
【0007】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明はアルミ箔、このアルミ箔の一側面にコーティングあるいは貼着固定された接着剤層あるいは粘着剤層、この接着剤層あるいは粘着剤層を使用するまで覆う剥離紙とからなる防湿シートと、この防湿シートの他側面の外周部を除く部位に固定される枠状のフレーム本体、この枠フレーム本体の一側面にコーティングあるいは貼着固定された前記防湿シートに固定される枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層、この枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層を前記防湿シートに固定させるまで覆う枠フレーム用剥離紙とからなる枠フレームと、この枠フレームが取付けられた前記防湿シートの剥離紙を、該枠フレーム側へ押し圧して凹部を形成した後に剥離紙を除去した後、前記枠フレームの凹部内の接着剤層あるいは粘着剤層部分に固定された押し花保存剤および台紙と、この台紙上に配置された押し花と、この押し花を覆い、外周部が前記台紙より外方の前記防湿シートの接着剤層あるいは粘着剤層に、前記枠フレームを一方側より他方側へ押し圧しながらスライド移動させて、内部の空気を抜きながら固定される透明板とからな
り、前記アルミ箔の一側面に形成される前記接着剤層あるいは粘着剤層は、枠フレームの内側に位置する部位を、接着あるいは粘着の弱い接着剤あるいは粘着剤を用い、この弱い接着剤層あるいは粘着剤層の外周部は強い接着剤あるいは粘着剤を用いた接着剤層あるいは粘着剤層が形成されている押し花飾を構成している。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、防湿シートの他側面の外周部を除く部位に枠フレーム用剥離紙を外した接着剤層あるいは粘着剤層がコーティングあるいは貼着固定された枠フレームを位置させ、枠フレームを押し圧しながらスライド移動させて固定することにより、容易に枠フレームを防湿シートに固定することができる。
この固定された枠フレームによって、該枠フレームが固定された部分の防湿シートが枠状に平坦面にできる。
(2)前記(1)によって、枠フレームが取付けられた防湿シートの枠フレームを裏面に位置させ、防湿シートの一側面の枠フレーム内を下方へ押し圧して凹部を形成した後、剥離紙を除去し、該凹部に乾燥剤や脱酸素剤等の押し花保存剤および台紙を防湿シートの接着剤層あるいは粘着剤層に接着あるいは粘着固定することができる。
したがって、押し花保存剤や台紙を防湿シートの凹部部位に固定状態で取付けることができる。
(3)前記(1)により、枠フレームが取付けられた防湿シートと透明板とを、該防湿シートの枠フレームが取付けられた部位の透明板と固定される位置の接着剤層あるいは粘着剤層とを枠フレームの一方から他方側へ押し圧しながらスライド移動させて固定することにより、密封状態で枠フレーム部分の防湿シートにしわが生じることなく接着あるいは粘着固定することができる。
(4)前記(1)により、枠フレームの枠フレーム用剥離紙を外して防湿シートに接着あるいは粘着固定したり、防湿シートの枠フレームの内側に凹部を形成し、剥離紙を外して押し花保存剤や台紙を接着あるいは粘着固定し、台紙上に押し花を配置して防湿シートの外周部と透明板とを接着あるいは粘着固定するだけでよいので、熟練者が行なう難しい作業が不要で、押し花教室での教材として最適に使用することができる。
(5)透明板と防湿シートを強固に接着あるいは粘着固定することができる。
(6)
請求項2も前記(1)〜(
5)と同様な効果が得られるとともに、台紙上に配置された押し花がきれいに見えるように額縁に収納して飾ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明を実施するための第1の形態の正面図。
【
図3】本発明を実施するための第1の形態の防湿シートの説明図。
【
図4】本発明を実施するための第1の形態の枠フレームの説明図。
【
図5】本発明を実施するための第1の形態の防湿シートに枠フレームを取付けた状態の説明図。
【
図6】本発明を実施するための第1の形態の防湿シートに凹部を形成する状態の説明図。
【
図7】本発明を実施するための第1の形態の防湿シートの凹部内に押し花保存剤や台紙を取付ける状態の説明図。
【
図8】本発明を実施するための第1の形態の台紙上に押し花を配置する状態の説明図。
【
図9】本発明を実施するための第1の形態の透明板で押し花を覆い、透明板と防湿シートの外周部を固定する状態の説明図。
【
図10】本発明を実施するための第1の形態の防湿シートの配置状態の説明図。
【
図11】本発明を実施するための第1の形態の防湿シートより剥離紙を外す状態の説明図。
【
図12】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【
図14】本発明を実施するための第2の形態の分解図。
【
図15】本発明を実施するための第3の形態の正面図。
【
図17】本発明を実施するための第3の形態の防湿シートの説明図。
【
図18】本発明を実施するための第4の形態の正面図。
【
図20】本発明を実施するための第4の形態の台紙の説明図。
【
図21】本発明を実施するための第5の形態の正面図。
【
図23】本発明を実施するための第5の形態の台紙の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし
図11に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は押し花教室の教材としても使用することができる本発明の押し花飾で、この押し花飾1はアルミ箔2、このアルミ箔2の一側面にコーティングあるいは貼着固定された接着剤層あるいは粘着剤層3、この接着剤層あるいは粘着剤層3を使用するまで覆う剥離紙4とからなる防湿シート5と、この防湿シート5の他側面の外周部を除く部位に固定される枠状のフレーム本体6、この枠状のフレーム本体6の一側面にコーティングあるいは貼着固定された前記防湿シート5に固定される枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層7、この枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層7を前記防湿シート5に固定させるまで覆う枠フレーム用剥離紙8とからなる枠フレーム9と、この枠フレーム9が取付けられた前記防湿シート5の剥離紙4を、該枠フレーム9側へ押し圧して凹部10を形成した後、該剥離紙4を除去した後、前記枠フレーム9の凹部10内の接着剤層あるいは粘着剤層3部分に固定された脱酸素剤11、乾燥剤12等の押し花保存剤13および、前記凹部10を覆う大きさの台紙14と、この台紙14上にデザインを施して配置された押し花15と、この押し花15を覆い、外周部が前記台紙14より外方の前記防湿シート5の接着剤層あるいは粘着剤層3に、前記枠フレーム9の一方側より他方側へ押し圧しながらスライド移動させて、内部の空気を抜きながら固定される透明板16とで構成されている。
【0013】
このように構成される押し花飾1は、
図10に示すように防湿シート5の他側面が上面となるようにテーブル17上に配置する。
【0014】
しかる後、
図5に示すように枠フレーム用剥離紙8を外した枠フレーム9の枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層7を防湿シート5の外周部を除く部位に一方側より他方側へ接着あるいは粘着固定する。
【0015】
この時、防湿シート5に枠フレーム9を接着あるいは粘着させた後、枠フレーム9を押し圧しながらスライド移動させるような固定作業を行なうことにより、枠フレーム9の枠フレーム用接着剤層あるいは粘着剤層7に接着あるいは粘着固定される防湿シート5にしわが生じることなく、強固に接着あるいは粘着固定することができる。
【0016】
次に、
図6に示すように枠フレーム9が固定された防湿シート5を反転させてテーブル17上に設置し、枠フレーム9内に位置する防湿シート5に凹部10ができるように、該防湿シート5の剥離紙4を枠フレーム9に沿って押し圧し、凹部10がきれいにできると
図11に示すように防湿シート5の剥離紙4を外す。
【0017】
しかる後、
図7に示すように凹部10内に脱酸素剤11、乾燥剤12等の押し花保存剤13を接着剤層あるいは粘着剤層3に接着あるいは粘着するように固定し、該凹部10を覆う台紙14を、凹部10の周縁部の接着剤層あるいは粘着剤層3に接着あるいは粘着固定する。
【0018】
次に、台紙14上に
図8に示すようにデザインを施して押し花15を配置する。
しかる後、台紙14上の押し花15を覆うように、
図9に示すように防湿シート5の端部より透明板16の端部を、防湿シート5の外周部の接着剤層あるいは粘着剤層3によって、しわが生じないように接着あるいは粘着固定し、透明板16に防湿シート5が接着あるいは粘着固定したものを反転してテーブル17上に位置させ、枠フレーム9の一端部より他端部へ押し圧しながら、押し圧をスライド移動させることにより、透明板16と防湿シート5間に入り込んだ空気を外部へ抜き、強固に固定する。
【0019】
この場合、内部の空気を効率よく抜くためには、防湿シート5と透明板16の他端部間に接着剤層あるいは粘着剤層3より抜き取ることができる所定の厚さの空気抜きシート18を用いて行なうとよい。
【0020】
このようにして作られた押し花飾1は、防湿シート5の他側面に枠フレーム用剥離紙8を外した枠フレーム9を固定し、反転して防湿シート5に凹部10を形成し、剥離紙4を外して脱酸素剤11、乾燥剤12等の押し花保存剤13を凹部10内に固定するとともに、台紙14を固定し、押し花15を配置して透明板16で覆い、透明板16と防湿シート5の外周部を固定するだけでよく、熟練者でなくても比較的に容易に押し花飾1を作成することができるとともに、押し花15は枠フレーム9によって透明板16と防湿シート5にしわが生じることなく密封固定できるので、長期間変色するのを防止できる。
【0021】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、
図12ないし
図23に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0022】
図12ないし
図14に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、台紙14の近傍部位まで覆うことができる前面フレーム19を備え、透明板16を収納する収納部20が形成された額縁本体21と、この額縁本体21の裏面を覆うように、該額縁本体21に取付けられた裏板22を備えた点で、このような押し花飾1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0023】
図15ないし
図17に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、枠フレーム9の内側に位置する部位の接着剤層あるいは粘着剤層3を普通の接着あるいは粘着強度のものを用いるとともに、その外側の接着剤層あるいは粘着剤層23の接着あるいは粘着強度が強いものを用いた防湿シート5Aを用いた点で、このような防湿シート5Aを用いることにより、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られるとともに、防湿シート5Aと透明板16とを強固に固定できる押し花飾1Bを作ることができる。
【0024】
図18ないし
図20に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、押し花の背景となる印刷24がされた台紙14Aを用いた点で、このような台紙14Aを用いた押し花飾1Cにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、押し花15の配置が容易にでき、かつよりきれいな飾り物にすることができる。
【0025】
図21ないし
図23に示す本発明を実施するための第5の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、クッション材を用いて形成した台紙14Bを用いた点で、このような台紙14Bを用いた押し花飾1Dにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、押し花15は台紙14Bによって透明板16に押し圧された状態となっており、押し花15を台紙14Bに接着剤等で固定しなくても、移動して変形するのを効率よく阻止できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は押し花教室で使用する教材にもなる押し花飾を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0027】
1、1A、1B、1C、1D:押し花飾、
2:アルミ箔、 3:接着剤層あるいは粘着剤層、
4:剥離紙、 5、5A:防湿シート、
6:枠状のフレーム本体、 7:枠フレーム用接着剤あるいは粘着剤層、
8:枠フレーム用剥離紙、 9:枠フレーム、
10:凹部、 11:脱酸素剤、
12:乾燥剤、 13:押し花保存剤、
14、14A、14B:台紙、 15:押し花、
16:透明板、 17:テーブル、
18:空気抜きシート、 19:前面フレーム、
20:収納部、 21:額縁本体、
22:裏板、 23:接着剤層あるいは粘着剤層、
24:印刷。