(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
添付した複数の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。しかし、本発明はここで説明される実施形態に限定されず、他の形態に具体化することもできる。むしろ、ここで紹介される実施形態は開示された内容が完全になり得るように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供するものである。
【0026】
図面において、複数の層及び領域の厚さは明確性を期するために誇張されることがある。また、層が他の層または基板の“上”にあると言及される場合に、それは他の層または基板の上に直接形成されるかまたはそれらの間に第3の層が介在されてもよい。明細書全体にわたって同一の参照番号で表示された部分は同一の構成要素を意味する。
【0027】
以下、
図1乃至
図7を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
図1は本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図である。
図2は
図1の液晶表示装置のII−II線に沿った断面図である。
図3は
図1の液晶表示装置の第1副画素電極の配置図である。
図4は
図1の液晶表示装置の第1副画素電極の一部と第2副画素電極の配置図である。
図5は
図1の液晶表示装置のV−V線に沿った断面図である。
図6は
図1の液晶表示装置のVI−VI線に沿った断面図である。
図7は
図1の液晶表示装置のVII−VII線に沿った断面図である。
【0028】
まず、
図1及び
図2に示されているように、本実施形態による液晶表示装置は互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、そしてこれら二つの表示板100、200の間に介在されている液晶層3を含む。
【0029】
まず、下部表示板100について説明する。
【0030】
透明なガラスまたはプラスチックなどで作られた絶縁基板110の上にゲート線121、基準電圧線131、そして維持電極135が形成されている。ゲート線121は主に横方向に延長されており、ゲート信号を伝達する。
【0031】
ゲート線121は、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、第3ゲート電極124c及び他の層または外部駆動回路との接続のための広い端部(図示せず)を含む。
【0032】
基準電圧線131はゲート線121と平行に延長され、拡張部136を有し、拡張部136は後述の第3ドレイン電極175cと接続されている。
【0033】
基準電圧線131は、画素領域を囲む維持電極135を含む。
【0034】
ゲート線121、基準電圧線131、そして維持電極135の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
【0035】
ゲート絶縁膜140の上には非晶質または結晶質ケイ素などで作られる第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cが形成されている。
【0036】
第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cの上には複数のオーミックコンタクト部材(ohmic contact)163a、163b、163c、165a、165b、165cが形成されている。半導体154a、154b、154cが酸化物半導体である場合、オーミックコンタクト部材は省略してもよい。
【0037】
オーミックコンタクト部材163a、163b、163c、165a、165bとゲート絶縁膜140の上には、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含むデータ線171、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173c及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体171、173a、173b、173c、175a、175b、175cが形成されている。
【0038】
第2ドレイン電極175bは第3ソース電極173cと接続されている。
【0039】
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは第1半導体154aと共に第1薄膜トランジスタQaを形成し、薄膜トランジスタのチャネル(channel)は第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aの間の半導体部分154aに形成される。これと同じように、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは第2半導体154bと共に第2薄膜トランジスタQbを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bの間の半導体部分154bに形成され、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cは第3半導体154cと共に第3薄膜トランジスタQcを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは第3ソース電極173cと第3ドレイン電極175cの間の半導体部分154cに形成される。
【0040】
データ導電体171、173a、173b、173c、175a、175b、175c及び露出した半導体154a、154b、154c部分の上には窒化ケイ素または酸化ケイ素などの無機絶縁物で作られる第1保護膜(passivation layer)180aが形成されている。
【0041】
第1保護膜180aの上にはカラーフィルタ230が配置される。
【0042】
カラーフィルタ230が配置されない領域及びカラーフィルタ230の一部の上には遮光部材(light blocking member)(図示せず)が配置される。遮光部材はブラックマトリックス(black matrix)とも言い、光漏れを防止する。
【0043】
カラーフィルタ230の上にはキャッピング層(capping layer)80が配置される。キャッピング層80はカラーフィルタ230が浮き上がることを防止し、カラーフィルタから流入する溶剤(solvent)のような有機物による液晶層3の汚染を抑制して、画面駆動時に生じる残像などの不良を防止する。
【0044】
キャッピング層80の上には第1副画素電極191aの第1副領域191a1が形成されている。
【0045】
図3に示されているように、第1副画素電極191aの第1副領域191a1は画素領域の中央部に位置する十字型連結部(cross−shaped connection)と、十字型連結部の周囲に位置し、十字型連結部を囲む四つの平行四辺形を含む平面形態を有する。十字型連結部の中央部分には第1拡張部193が配置される。また、画素領域の横方向の中央部から上方及び下方に延長されている突出部を有する。このように、第1副画素電極191aの第1副領域191a1は画素領域の一部分に配置される。
【0046】
キャッピング層80と第1副画素電極191aの第1副領域191a1の上には第2保護膜180bが形成されている。
【0047】
第2保護膜180bの上には、第1副画素電極191aの第2副領域191a2と第2副画素電極191bが形成されている。
【0048】
図4に示されているように、第1副画素電極191aの第2副領域191a2は画素の中央部分に配置され、全体的な形態は菱形である。第1副画素電極191aの第2副領域191a2は、横部と縦部を有する十字型幹部(cross−shaped stem)と、十字型幹部から延長されている複数の第1枝電極を含む。複数の第1枝電極は四つの方向に延長されている。
【0049】
第2副画素電極191bは、第1副画素電極191aの第1副領域191a1と重畳する第3副領域と、その以外の第4副領域を含む。第2副画素電極191bの第3副領域は第1副画素電極191aの第1副領域191a1と絶縁膜(具体的には第2保護膜180b)を挟んで互いに重畳し、第1副画素電極191aの第2副領域191a2の複数の第1枝電極と同一の方向に延長されている複数の第2枝電極を含む。
【0050】
第2副画素電極191bの第4副領域は台形の平面形態を有する平板(plate)部分と、平板部分の外郭に位置し、複数の第2枝電極と平行な方向に延長されている複数の第3枝電極を含む。本明細書における平板(plate)とは、分割されていない全体のかたまりそのままの板形状をいう。
【0051】
第1保護膜180a及びキャッピング層80には第1ドレイン電極175aの一部分を露出する第1接触孔185aが形成されており、第1保護膜180a、キャッピング層80及び第2保護膜180bには第2ドレイン電極175bの一部分を露出する第2接触孔185bが形成されている。また、第2保護膜180bには第1副画素電極191aの第1副領域191a1の中央部分を露出する第3接触孔186が形成されている。第1保護膜180a及びキャッピング層80には基準電圧線131の拡張部136及び第3ドレイン電極175cの一部を露出する第4接触孔185cが形成されている。
【0052】
第1副画素電極191aの第1副領域191a1は第1接触孔185aを通じて第1ドレイン電極175aに物理的及び電気的に接続され、第2副画素電極191bは第2接触孔185bを通じて第2ドレイン電極175bと物理的及び電気的に接続される。また、第1副画素電極191aの第2副領域191a2は第2保護膜180bに形成されている第3接触孔186を通じて第1副画素電極191aの第1副領域191a1の拡張部193と接続される。基準電圧線131の拡張部136は、第4接触孔185cに配置される接続部195によって第3ドレイン電極175cの一部と接続される。接続部195は、第2副画素電極191bと同じ層に形成されてもよい。
【0053】
第1副画素電極191aと第2副画素電極191bは、第1接触孔185a及び第2接触孔185bを通じてそれぞれ第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。
【0054】
以下、上部表示板200について説明する。
【0055】
透明なガラスまたはプラスチックなどで作られた絶縁基板210の上に遮光部材220と共通電極270が形成される。
【0056】
しかし、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の場合、遮光部材220は下部表示板100の上に配置してもよく、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の場合、カラーフィルタは上部表示板200に配置してもよい。
【0057】
表示板100、200の内側面には配向膜(alignment layer)(図示せず)が形成されており、これらは垂直配向膜であってもよい。
【0058】
二つの表示板100、200の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられているが、二つの偏光子の透過軸は直交し、そのうちの一つの透過軸はゲート線121に対して平行であることが好ましい。しかし、偏光子は二つの表示板100、200のうちのいずれか一つの外側面にのみ配置してもよい。
【0059】
液晶層3は負の誘電率異方性を有し、液晶層3の液晶分子は電界がない状態でその長軸が二つの表示板100、200の表面に対して垂直になるように配向されている。したがって電界がない状態で入射光は直交した偏光子を通過せず遮断される。
【0060】
液晶層3と配向膜のうちの少なくとも一つは光反応性物質、より具体的には、反応性メソゲン(reactive mesogen)を含んでもよい。
【0061】
以下、本実施形態による液晶表示装置の駆動方法について簡略して説明する。
【0062】
ゲート線121にゲートオン信号が印加されると、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、そして第3ゲート電極124cにゲートオン信号が印加されて、第1スイッチング素子Qa、第2スイッチング素子Qb、そして第3スイッチング素子Qcがターンオンされる。これにより、データ線171に印加されたデータ電圧はターンオンされた第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを通じてそれぞれ第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bに印加される。この時、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bには同一の大きさの電圧が印加される。しかし、第2副画素電極191bに印加された電圧は第2スイッチング素子Qbと直列接続されている第3スイッチング素子Qcを通じて分圧される。したがって、第2副画素電極191bに印加される電圧は第1副画素電極191aに印加される電圧よりさらに小さくなる。
【0063】
再び、
図1に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域は第1副画素電極191aの第2副領域191a2が配置される第1領域R1、第1副画素電極191aの第1副領域191a1の一部分と第2副画素電極191bの一部分が重畳する第2領域R2、そして第2副画素電極191bの一部分が位置する第3領域R3からなる。
【0064】
第1領域R1、第2領域R2、そして第3領域R3はそれぞれ四つの副領域からなる。
【0065】
第2領域R2の面積は第1領域R1の面積の二倍であってもよく、第3領域R3の面積は第2領域R2の面積の二倍であってもよい。
【0066】
以下、
図5乃至
図7を参照して、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域が含む第1領域R1、第2領域R2、そして第3領域R3について説明する。
【0067】
図5に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第1領域R1は下部表示板100に配置され、第1副画素電極191aの第1副領域191a1の拡張部193に接続されている第1副画素電極191aの第2副領域191a2と上部表示板200に配置される共通電極270が電界を生成する。この時、第1副画素電極191aの第2副領域191a2は、十字型の幹部と、互いに異なる四つの方向に延長されている複数の第1枝電極を含む。複数の第1枝電極はゲート線121を基準に約40度乃至約45度傾いていてもよい。複数の第1枝電極の辺によって形成されるフリンジフィールド(fringe field)によって、第1領域R1に配置される液晶層3の液晶分子は互いに異なる四つの方向に横になる。より具体的には、複数の第1枝電極によって形成されるフリンジフィールドの水平成分は、複数の第1枝電極の辺に対してほとんど水平であるため、液晶分子は複数の第1枝電極の長さ方向に平行な方向に傾く。
【0068】
図6に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第2領域R2では、下部表示板100に配置される第2副画素電極191bの第3副領域と第1副画素電極191aの第1副領域191a1が互いに重畳する。第2副画素電極191bの第3副領域と上部表示板200の共通電極270の間に形成される電界、第2副画素電極191bの第3副領域の複数の第2枝電極の間に配置される第1副画素電極191aの第1副領域191a1と共通電極270の間に形成される電界、そして第2副画素電極191bの第3副領域と第1副画素電極191aの第1副領域191a1の間に形成される電界によって、液晶層3の液晶分子が配列される。
【0069】
その次に、
図7に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第3領域R3では、下部表示板100に配置される第2副画素電極191bの第4副領域と上部表示板200に配置される共通電極270とが共に電界を生成する。この時、第2副画素電極191bの第4副領域の一部分は平板形態であり、残りの部分は複数の第3枝電極を含む。このように平板形態の第2副画素電極191bを含むことによって、液晶表示装置の透過率を高めることができる。平板形態の第2副画素電極191bに対応する位置に配置される液晶分子は複数の第2枝電極と複数の第3枝電極によって形成されるフリンジフィールドや互いに異なる方向に横になる液晶分子の影響を受けて、複数の第2枝電極及び複数の第3枝電極の長さ方向に横になる。
【0070】
前述のように、第2副画素電極191bに印加される第2電圧の大きさは、第1副画素電極191aに印加される第1電圧の大きさより小さい。
【0071】
したがって、第1領域R1に配置される液晶層に加えられる電界の強さが最も大きく、第3領域R3に配置される液晶層に加えられる電界の強さが最も小さい。第2領域R2には第2副画素電極191bの下側に配置される第1副画素電極191aの電界の影響が存在するため、第2領域R2に配置される液晶層に加えられる電界の強さは第1領域R1に配置される液晶層に加えられる電界の強さよりは小さく、第3領域R3に配置される液晶層に加えられる電界の強さよりは大きくなる。
【0072】
このように、本発明の実施形態による液晶表示装置は一つの画素領域を、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極が配置される第1領域、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが絶縁膜を挟んで重畳する第2領域、そして相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極が配置される第3領域に区分される。したがって、第1領域、第2領域、第3領域に対応する液晶分子に加えられる電界の強さが異なるため、液晶分子が傾く角度が異なり、これにより、各領域の輝度が変わる。このように、一つの画素領域を互いに異なる輝度を有する3つの領域に区分することによって階調による透過率の変化を緩やかに調節してもよく、これによって、側面視認性を正面視認性に近づけながらも、側面で低階調から高階調までの階調の変化によって透過率が急激に変化するのを防止することができる。したがって、低階調や高階調でも正確な階調表現が可能となる。
【0073】
以下、
図8を参照して、本発明の一実施例による液晶表示装置について説明する。
図8は本発明の一実施例による液晶表示装置の液晶装置の電圧による透過率を示すグラフである。
【0074】
本実施例では本発明の実施形態による液晶表示装置のように、第2副画素電極191bに印加される電圧の大きさが第1副画素電極191aに印加される電圧より小さい場合、そしてこれとは異なり、第2副画素電極191bに印加される電圧の大きさが第1副画素電極191aに印加される電圧より大きい場合について、第1領域R1の電圧による透過率変化H、第3領域R3の電圧による透過率変化L、第2領域R2の電圧による透過率変化C1及びC2を測定して、グラフに示した。
【0075】
図8に示されているように、本発明の実施形態による液晶表示装置のように、第2副画素電極191bに印加される電圧の大きさが第1副画素電極191aに印加される電圧より小さい場合、第2領域R2の電圧による透過率変化を表すC1グラフは第1領域R1の電圧による透過率変化を表すHグラフと第3領域R3の電圧による透過率変化を表すLグラフとの間に位置する。しかし、第2副画素電極191bに印加される電圧の大きさが第1副画素電極191aに印加される電圧より大きい場合、第2領域R2の電圧による透過率変化を表すC2グラフに示されているように、第2領域R2の電圧についての透過率の値はむしろ、第1領域R1の電圧による透過率の値より少し大きく、その差が殆どない。
【0076】
このように、本発明の実施形態による液晶表示装置のように、第2領域R2の下側に相対的に高い電圧が印加される第1副画素電極191aの一部を配置し、第2領域R2の上側に相対的に低い電圧が印加される第2副画素電極191bの一部を配置して、互いに重畳するようにすることによって、同一の値の電圧を適用しても、透過率が互いに異なる三つの領域に区分することができるのが分かり、三つの領域の透過率の変化が順次に発生するのが分かった。つまり、本発明の実施形態による液晶表示装置の場合、一つの画素領域を互いに異なる輝度を有し、その輝度が順次に変化する三つの領域に区分することができるのが分かった。
【0077】
また、一つの画素領域の第1領域、第2領域及び第3領域のうちの少なくとも2つが互いに少なくとも部分的に重畳する。特に、第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分が互いに重畳するため、第1副画素電極と第2副画素電極との間の領域で発生する透過率の低下を防止でき、全体的に透過率が増加する。
【0078】
以下、
図9乃至
図15を参照して、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
図9は本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の配置図である。
図10は
図9の液晶表示装置の第1副画素電極の配置図である。
図11は
図9の液晶表示装置の絶縁膜の一部を示した配置図である。
図12は
図9の液晶表示装置の第2副画素電極の配置図である。
図13は
図9の液晶表示装置のXIII−XIII線に沿った断面図である。
図14は
図9の液晶表示装置のXIV−XIV線に沿った断面図である。
図15は
図8の液晶表示装置のXV−XV線に沿った断面図である。
【0079】
図9乃至
図15に示されているように、本実施形態による液晶表示装置は
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置と類似している。同一図面符号に対する具体的な説明は省略する。
【0080】
本実施形態による液晶表示装置は、前述の
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置と類似し、一つの画素領域は相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極が配置される第1領域R1、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが絶縁膜を挟んで重畳する第2領域R2、そして相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極が配置される第3領域R3とに区分される。第2領域R2の面積は第1領域R1の面積の二倍であり、第3領域R3の面積は第2領域R2の面積の二倍であってもよい。
【0081】
図9と
図10に示されているように、本実施形態による液晶表示装置は
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置とは異なり、第1副画素電極191aは第1副領域191a1と第2副領域191a2とに分けられない。また、第1副画素電極191aは画素の中央部分に主に配置される平板形態である。
【0082】
また、
図9と共に
図11に示されているように、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bとの間に配置される絶縁膜である第2保護膜180bには複数の開口部83が形成されている。複数の開口部83は、その短辺が互いに内向きに向い合って集まるので4つの直角三角形が画素の中央部分に配置される形状を有し、全体としてみると外郭部分は菱形と類似の形態を有する。
【0083】
図13に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の第1領域R1は下部表示板100に配置され、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極191aと上部表示板200に配置される共通電極270と共に電界を生成する。この時、液晶分子は第2保護膜180bに形成された開口部83によって互いに異なる四つの方向に傾く。より具体的に、
図9、
図10、
図11及び
図13に示されているように、第2保護膜180bに形成される複数の開口部83によって、第1副画素電極191aの上に配置される液晶分子31は開口部83の縁と直角を成す方向に傾く。
【0084】
図9と共に
図12に示されているように、第2副画素電極191bの第1副画素電極191aと重畳する第3副領域は互いに異なる四つの方向に延長されている複数の第2枝電極194aを含むが、第2副画素電極191bの第1副画素電極191aと重畳しない第2副画素電極191bの第4副領域194bは平板形態であり、画素領域の縁に沿って形成されている切開部92を有する。第2副画素電極191bの第4副領域194bに配置される液晶分子は、第2枝電極194aの長さ方向と平行な方向に傾く第2副画素電極191bの第3副領域に対応して位置する液晶分子によって影響を受けるので、第2副画素電極191bの外郭縁によって形成されるフリンジフィールドの影響を受けるため、第2枝電極194aの長さ方向に平行な方向に傾く。
【0085】
このとき、第2副画素電極191bの縁に沿って形成されている切開部92は第2副画素電極191bの縁に形成されるフリンジフィールドの影響を減らし、画素領域の縁に配置される液晶分子が画素領域の縁と直角を成す方向に横になるのを防止して、透過率の減少を減らす。
【0086】
図14に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第2領域R2で「は、下部表示板100に位置する第2副画素電極191bの第3副領域と第1副画素電極191aの一部分とが互いに重畳する。第2副画素電極191bの第3副領域と上部表示板200の共通電極270の間に形成される電界、第2副画素電極191bの第3副領域の複数の第2枝電極の間に配置される第1副画素電極191aと共通電極270との間に形成される電界、そして第2副画素電極191bの第3副領域と第1副画素電極191aとの間に形成される電界によって、液晶層3の液晶分子が配列される。
【0087】
その次に、
図15に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第3領域R3では、下部表示板100に配置される第2副画素電極191bと上部表示板200に配置される共通電極270とで共に電界を生成する。
【0088】
本発明の実施形態による液晶表示装置は一つの画素領域を、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極が位置する第1領域、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが絶縁膜を挟んで重畳する第2領域、そして相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極が配置される第3領域とに区分される。したがって、第1領域、第2領域、第3領域に対応する液晶分子に加えられる電界の強さが異なるため、液晶分子が傾く角度が異なり、これにより各領域の輝度が変わる。このように、一つの画素領域を互いに異なる輝度を有する3つの領域に区分することによって、階調による透過率の変化を緩やかに調節してもよく、これによって、側面視認性を正面視認性に近づけながらも、側面で低階調から高階調までの階調の変化によって透過率が急激に変化するのを防止することができる。したがって、低階調や高階調でも正確な階調表現が可能となる。
【0089】
また、一つの画素領域の第1領域、第2領域及び第3領域のうちの少なくとも2つが互いに少なくとも部分的に重畳する。特に、第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが互いに重畳するため、第1副画素電極と第2副画素電極との間の領域で発生する透過率の低下を防止でき、全体的に透過率が増加する。
【0090】
前述の
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置の多くの特徴は本実施形態による液晶表示装置に全て適用可能である。
【0091】
以下、
図16乃至
図22を参照して、本発明の他の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
図16は本発明の他の一実施形態による液晶表示装置の配置図である。
図17は
図16の液晶表示装置の第1副画素電極の配置図である。
図18は
図16の液晶表示装置の絶縁膜の一部を示した配置図である。
図18は
図16の液晶表示装置の絶縁膜の一部を示した配置図である。
図19は
図16の液晶表示装置の第2副画素電極の配置図である。
図20は
図16の液晶表示装置のXX−XX線に沿った断面図である。
図21は
図16の液晶表示装置のXXI−XXI線に沿った断面図である。
図22は
図16の液晶表示装置のXXII−XXII線に沿った断面図である。
【0092】
図16乃至
図22に示されているように、本実施形態による液晶表示装置は前述の
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置、そして
図9乃至
図15を参照して説明した実施形態による液晶表示装置と類似している。同一図面符号に対する具体的な説明は省略する。
【0093】
本実施形態による液晶表示装置は前述の
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置と類似し、一つの画素領域は相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極が配置される第1領域R1、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが絶縁膜を挟んで重畳する第2領域R2、そして相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極が配置される第3領域R3とに区分される。第2領域R2の面積は第1領域R1の面積の二倍であってもよく、第3領域R3の面積は第2領域R2の面積の二倍であってもよい。
【0094】
図16及び
図17に示されているように、本実施形態による液晶表示装置は
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置とは異なり、第1副画素電極191aは第1副領域191a1と第2副領域191a2とに分けられず、第1副画素電極191aは画素の中央部分に主に位置する平板形態である。
【0095】
図16と共に
図18に示されているように、本実施形態による液晶表示装置は
図9乃至
図15に示した実施形態と類似し、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bとの間に配置される絶縁膜である第2保護膜180bには複数の開口部83が形成されている。複数の開口部83は、その短辺が互いに内向きに向い合って集まるので4つの直角三角形が画素の中央部分に配置される形状を有し、全体としてみると外郭部分は菱形と類似した形態を有する。
【0096】
図16と共に
図19に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の第2副画素電極191bは第1副画素電極191aの一部分と重畳する領域だけでなく、残りの領域にも複数の第4枝電極194cを含む。したがって、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bとが重畳する第2領域R2だけでなく、第2副画素電極191bのみが配置される第3領域R3に位置する液晶分子は全て第4枝電極によって形成されるフリンジフィールドの影響で第4枝電極の長さ方向と平行な方向に傾く。
【0097】
図20に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の第1領域R1は下部表示板100に配置され、第1領域R1では、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極191aと上部表示板200に配置される共通電極270とが共に電界を生成する。この時、液晶分子は第2保護膜180bに形成された開口部83によって互いに異なる四つの方向に傾く。具体的には、
図15、
図16、
図17及び
図19に示されているように、第2保護膜180bには複数の開口部83によって、第1副画素電極191aの上に位置する液晶分子31は、開口部83の縁と直角を成す方向に傾き、それによって液晶分子31が傾く方向が互いに異なる複数の領域を含む。
【0098】
図21に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第2領域R2には、下部表示板100に配置される第2副画素電極191bの一部分と第1副画素電極191aの一部分とが互いに重畳する。したがって、第2副画素電極191bと上部表示板200の共通電極270との間に形成される電界、第2副画素電極191bの複数の第4枝電極の間に配置される第1副画素電極191aと共通電極270との間に形成される電界、そして第2副画素電極191bの複数の第4枝電極と第1副画素電極191aとの間に形成される電界によって、液晶層3の液晶分子が配列される。
【0099】
図22に示されているように、本実施形態による液晶表示装置の一つの画素領域の第3領域R3では、下部表示板100に配置される第2副画素電極191bと上部表示板200に配置される共通電極270とが共に電界を生成する。
【0100】
本発明の実施形態による液晶表示装置は一つの画素領域を、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極が配置される第1領域、相対的に高い第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが絶縁膜を挟んで重畳する第2領域、そして相対的に低い第2電圧が印加される第2副画素電極が配置される第3領域とに区分される。したがって、第1領域、第2領域、第3領域に対応する液晶分子に加えられる電界の強さが異なるため、液晶分子が傾く角度が異なり、これにより各領域の輝度が変わる。このように、一つの画素領域を互いに異なる輝度を有する3つの領域に区分することによって階調による透過率の変化を緩やかに調節してもよく、これによって、側面視認性を正面視認性に近づけながらも、側面で低階調から高階調までの階調の変化によって透過率が急激に変化するのを防止することができる。したがって、低階調や高階調でも正確な階調表現が可能となる。
【0101】
また、一つの画素領域の第1領域、第2領域及び第3領域のうちの少なくとも2つが互いに少なくとも部分的に重畳する。特に、第1電圧が印加される第1副画素電極の一部分と第2電圧が印加される第2副画素電極の一部分とが互いに重畳するため、第1副画素電極と第2副画素電極との間の領域で発生する透過率の低下を防止でき、全体的な透過率が増加する。
【0102】
前述の
図1乃至
図7を参照して説明した実施形態による液晶表示装置、そして
図9乃至
図15を参照して説明した実施形態による液晶表示装置の多くの特徴は本実施形態による液晶表示装置に全て適用可能である。
【0103】
以下、
図23乃至
図25を参照して、本発明の一実施例による液晶表示装置の明るさ変化について説明する。
図22乃至
図25は本発明の一実施例による液晶表示装置の明るさ変化を示した電子顕微鏡写真である。
【0104】
本実施例では
図1、
図9、そして
図16に示した実施形態による液晶表示装置を形成した後、液晶層に加えられる電界の強さを変化させながら、一つの画素の明るさを電子顕微鏡写真で示した。
【0105】
図23は
図1に示した実施形態による液晶表示装置の結果を示し、
図24は
図9に示した実施形態による液晶表示装置の結果を示し、そして
図25は
図16に示した実施形態による液晶表示装置の結果を示す。
【0106】
図23乃至
図25に示されているように、本発明の実施形態による液晶表示装置は液晶層に加えられる電界の強さが大きくなるほど、第1副画素電極のみ配置される第1領域、第1副画素電極と第2副画素電極が重畳する第2領域、そして第2副画素電極のみ配置される第3領域の順に明るさが増加することが分かった。また、第1領域、第2領域、第3領域の透過率変化がよくあらわれることが分かった。
【0107】
このように、本発明の実施形態による液晶表示装置は、第1副画素電極のみが配置される第1領域、第1副画素電極と第2副画素電極とが重畳する第2領域、そして第2副画素電極のみが配置される第3領域のように、透過率が異なる三つの副領域を形成することによって、側面視認性を正面視認性に近づけるように調節することができることが分かった。
【0108】
以下、
図26を参照して、本発明の他の一実施例による液晶表示装置の階調による透過率の変化について説明する。
図26は本発明の他の一実施例による液晶表示装置の階調による透過率の変化を示すグラフである。
【0109】
本実施例では既存の液晶表示装置のように、一つの画素領域を第1副画素電極が配置される領域と第2副画素電極が配置される領域とで形成した第1の場合と、本発明の実施形態による液晶表示装置のように、一つの画素領域を第1副画素電極のみが配置される第1領域、第1副画素電極と第2副画素電極とが重畳する第2領域、そして第2副画素電極のみが配置される第3領域とで形成した第2の場合について、液晶表示装置の正面での階調による透過率の変化Aと、液晶表示装置の側面での階調による透過率の変化B1及びB2を比較した。
図26で、第1の場合についての液晶表示装置の側面での階調による透過率の変化はB1と示し、第2の場合についての液晶表示装置の側面での階調による透過率の変化はB2と示した。
【0110】
図26に示されているように、既存の液晶表示装置のように、一つの画素領域を第1副画素電極が配置される領域と第2副画素電極が配置される領域とで形成した第1の場合の液晶表示装置の側面での階調による透過率の変化B1に比べて、本発明の実施形態による液晶表示装置のように、一つの画素領域を、第1副画素電極のみが配置される第1領域、第1副画素電極と第2副画素電極とが重畳する第2領域、そして第2副画素電極のみが配置される第3領域とで形成した第2の場合の液晶表示装置の側面での階調による透過率の変化B2は、液晶表示装置の正面での階調による透過率の変化Aにより近いということが分かった。特に、本発明の実施形態による液晶表示装置のように、一つの画素領域を第1副画素電極のみが配置される第1領域、第1副画素電極と第2副画素電極とが重畳する第2領域、そして第2副画素電極のみが配置される第3領域とで形成した第2の場合、低階調から高階調にかけて、透過率が緩やかに増加し、第1の場合とは異なり、低階調や中間階調で透過率が急に増加したり、高階調で透過率が急に減少したりしていないことが分かった。このように、本発明の実施形態による液晶表示装置は階調変化による透過率の変化が緩やかで、正確な階調表現が可能であることが分かった。したがって、本発明の実施形態による液晶表示装置は階調表現が難しい時に発生する画質の低下を防止することができる。
【0111】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態をも本発明の権利範囲に属するのである。