特許第6274998号(P6274998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6274998
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20180129BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20180129BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20180129BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20180129BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20180129BHJP
   C11D 3/32 20060101ALI20180129BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   A61K8/36
   A61K8/365
   A61K8/44
   A61K8/37
   A61K8/34
   A61Q19/10
   C11D1/04
   C11D1/62
   C11D3/32
   C11D3/20
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-158549(P2014-158549)
(22)【出願日】2014年8月4日
(65)【公開番号】特開2016-34923(P2016-34923A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2016年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】500470840
【氏名又は名称】アサヌマ コーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(74)【代理人】
【識別番号】100194973
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 祐朗
(72)【発明者】
【氏名】清水 智仁
【審査官】 ▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−105989(JP,A)
【文献】 特開2008−115094(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/090354(WO,A1)
【文献】 特開2005−298388(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/063902(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/013106(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/052674(WO,A1)
【文献】 特開2012−062291(JP,A)
【文献】 特開2011−213680(JP,A)
【文献】 特開2002−316971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)炭素数12〜18の脂肪酸塩、
(B)N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、及びトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルからなる群より選択される1種又は2種以上の低分子オイルゲル化剤、及び
(C)2価アルコール、
を含むことを特徴とするペースト状、ゲル状、又は液状の皮膚洗浄用組成物。
【請求項2】
前記2価アルコールが、炭素数3〜10の2価アルコールである、請求項に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン高分子、カチオン高分子、粉体、及びスクラブ剤からなる群から選択される1種又は2種以上の組み合わせを更に含む、請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。本発明の皮膚洗浄剤組成物によれば、高い弾力を有する泡を生成することが可能であり、且つ高い起泡性を有するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スキンケアの一環として洗顔や全身洗浄は、重要な工程として認識され始めている。特に皮膚洗浄料に対しては、次の二つの性能が求められている。一つ目は、皮膚洗浄料が生み出す泡の質である。皮膚洗浄時には、汚れを落とすために物理的に皮膚表面に力を掛ける。この摩擦による肌へのダメージを減らすために、生成する泡は「高い弾力」を持つことが求められている。二つ目は、弾力のある泡を生み出すまでの時間である。従来、弾力のある泡を生み出すためには、皮膚洗浄料に少量の水を少しずつ加えながら長い時間をかけて泡立てる方法が勧められていた。しかし、スキンケアに掛ける手間や時間をなるべく減らしたいというニーズから、近年は質の高い泡を素早く作り出せる「起泡性の高さ」が重要視されている。
【0003】
このようなニーズを満たす皮膚洗浄剤の開発において、脂肪酸石鹸は非常に有用な洗浄成分である。脂肪酸石鹸は、洗浄力が高く、洗い上がり時の使用感がさっぱりとしており、また生成する泡の弾力が高いことから、様々な皮膚洗浄剤に使用されている。
【0004】
しかしながら、脂肪酸石鹸は水中に含まれる多価金属イオンと反応すると、著しく起泡性が低くなるという問題点がある。このため、脂肪酸石鹸を配合しながら、硬水中でも起泡性に優れた皮膚洗浄剤として、4価以上の糖アルコールとエデト酸、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸又はヒドロキシエタンジホスホン酸塩を組み合わせる方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−39350号公報
【特許文献2】特開2013−139439号公報
【特許文献3】特開2007−269704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の皮膚洗浄剤組成物は、起泡性は向上しているものの、生成される泡質の弾力の高さは十分満足できるものではなかった。すなわち、皮膚洗浄料の起泡性を高くすると、それに応じて泡質は粗く、弾力のないものになる傾向があった。そのため、高い起泡性を維持したまま、泡質を良くするための試みが成されている。例えば、特許文献2には、アルキルエーテルカルボン酸及びカチオンポリマーを組み合わせた皮膚洗浄剤組成物が開示されており、特許文献3には、ジアルキルジアリル4級アンモニウム塩及びアクリルアミドとの共重合体、並びにジグリセリン骨格を有するエステル油剤を組み合わせた皮膚洗浄剤組成物が開示されている。
本発明者らは、特許文献2及び3に記載の皮膚洗浄剤組成物を調製した。しかしながら、特許文献2に記載の皮膚洗浄剤組成物は、起泡性を高めるためにアルキルエーテルカルボン酸の比率を上げると洗浄力が低下してしまうことが分かった。また、特許文献3に記載の皮膚洗浄剤組成物は、配合している油剤が起泡を妨げてしまうため、十分満足できる起泡性を得ることはできなかった。
本発明の目的は、脂肪酸石鹸特有の洗浄力を活かしながら、高い起泡性、及び弾力のある泡質を両立させることができる皮膚洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、脂肪酸石鹸特有の洗浄力を活かしながら、高い起泡性、及び弾力のある泡質を両立させることができる皮膚洗浄剤組成物について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、炭素数12〜18の脂肪酸塩、低分子オイルゲル化剤、及び2価アルコール、を含む皮膚洗浄剤組成物が、高い起泡性、及び弾力のある泡質を両立できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](A)炭素数12〜18の脂肪酸塩、(B)低分子オイルゲル化剤、及び(C)2価アルコール、を含むことを特徴とする皮膚洗浄用組成物、
[2]前記低分子オイルゲル化剤が、ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、及びトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルからなる群より選択される1種又は2種以上である[1]に記載の皮膚洗浄剤組成物、
[3]前記2価アルコールが、炭素数3〜10の2価アルコールである、[1]又は[2]に記載の皮膚洗浄剤組成物、及び
[4]アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン高分子、カチオン高分子、粉体、及びスクラブ剤からなる群から選択される1種又は2種以上の組み合わせを更に含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物、
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚洗浄剤組成物によれば、高い起泡性を有し、且つ弾力のある泡を生み出すことができるものである。特に、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、硬水中においても高い起泡性を維持できるものである。すなわち、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、使用時の起泡性に優れ、弾力の高い泡を生成することができ、高い洗浄力を有し、そして洗い上がりのさっぱり感に優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《皮膚洗浄剤組成物》
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(A)炭素数12〜18の脂肪酸塩、(B)低分子オイルゲル化剤、及び(C)2価アルコール、を含む。
【0010】
(炭素数12〜18の脂肪酸塩(A))
本発明の皮膚洗浄剤組成物に含まれる炭素数12〜18の脂肪酸塩(以下、成分(A)と称することがある)は、アニオン界面活性剤であり、皮膚洗浄剤組成物において、洗浄成分として作用するものである。本発明においては、炭素数12〜18の脂肪酸塩を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。脂肪酸塩を形成する脂肪酸は、炭素数12〜18である限りにおいて限定されるものではなく、飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸でもよい。具体的には、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸(C18)、パルミトレイン酸(C16)、リノール酸(C18)、又はリノレン酸(C18)を挙げることができる。脂肪酸と塩を形成するカチオンは、特に制限はなく、生成される脂肪酸塩として、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、又はアミン塩、アンモニウム塩、アルギニン塩若しくはリジン塩などの有機物から生成される脂肪酸塩を挙げることができる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物に含まれる「脂肪酸塩」は、組成物の調製時に、脂肪酸及び塩基をそれぞれ単独で配合することによって、脂肪酸塩が形成されるものを含む。
【0011】
本発明の皮膚洗浄剤組成物の全体量に対する成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5〜50重量%であり、より好ましくは1〜45重量%であり、更に好ましくは5〜45重量%である。成分(A)の含有量をこの範囲内にすることで、高い起泡性と洗浄力を持つことができる。
【0012】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、炭素数12〜18の脂肪酸塩に加えて、洗浄成分として炭素数12未満の脂肪酸塩及び/又は炭素数18を超える脂肪酸塩を含むことができる。しかしながら、炭素数12未満の脂肪酸塩は皮膚への刺激性を示すことから、大量に含まないことが好ましい。また、炭素数18を超える脂肪酸塩は、洗浄能力が炭素数18以下の脂肪酸塩より劣ることがあり、炭素数18以下の脂肪酸が好ましい。
【0013】
(低分子オイルゲル化剤(B))
低分子オイルゲル化剤(以下、成分(B)と称することがある)は、オイル中で分子間の水素結合、疎水性相互作用、配位結合、π−πスタッキングなどの相互作用によって架橋し、網目状の高次構造を形成してゲルを生成するものである。化粧品の用途としては、ゲル化剤、油溶性増粘剤、及び顔料分散性向上剤として用いられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物に含まれる低分子オイルゲル化剤は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではない。本発明においては、前記の低分子オイルゲル化剤を1種、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的な低分子オイルゲル化剤としては、例えばヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル又はトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルを挙げることができる。
【0014】
本発明の皮膚洗浄剤組成物の全体量に対する成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.005〜3.0重量%であり、より好ましくは0.01〜2.5重量%であり、更に好ましくは0.02〜2.0重量%であり、最も好ましくは0.05〜1.0重量%である。0.005重量%未満の場合、泡の弾力の高さを十分得られないことがあり、3.0重量%を超える場合、硬水中での十分な起泡性を得られないことがある。
【0015】
比較例に示すように、低分子オイルゲル化剤以外のオイルゲル化剤であるオイルワックス、親油化した水溶性オリゴマー、又はポリマーでは、皮膚洗浄剤組成物の起泡性を向上させる効果を得ることができない。一方、炭素数12の脂肪酸であるラウリン酸1重量%に対して、低分子ゲル化剤であるN−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを、0.05重量%を添加した場合と、添加しなかった場合とを比較すると、低分子ゲル化剤を添加した場合に、明らかに皮膚洗浄剤組成物の硬水を用いての起泡性及び泡の弾力が向上した。本発明において、低分子オイルゲル化剤が本発明の効果を示す機構について、十分に解析されているわけではないが、以下のように推定される。しかしながら、本発明は以下の推定によって限定されるものではない。
オイルゲル化剤は、油分の増粘とともに脂肪酸石鹸の弾力も高める効果があると考える。しかし、一般的に多く使われる高分子系のオイルゲル化剤は、分子量が大きく自由度が低いために、起泡時においても洗浄料を増粘してしまい、泡の形成を阻害してしまうことで十分な起泡性を得ることができていなかった。これに対し、低分子オイルゲル化剤を用いると、ゲル化剤の分子間で形成される相互作用は弱いため、起泡時には自由度の高い低分子の状態で存在し、高い起泡性を得ることができる。さらに、泡形成後に改めてゲル化剤が高次構造を形成することで泡の弾力を高める。このような機構で、起泡性の高さと泡の弾力の高さを両立できているのではないかと考える。
【0016】
(2価アルコール(C))
本発明の皮膚洗浄剤組成物に含まれる2価アルコール(以下、成分(C)と称することがある)は、2つの水酸基を有する限りにおいて、特に限定されるものではないが、炭素数3〜10の2価アルコールが好ましい。本発明においては、前記の2価アルコールを1種、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的な2価アルコールとしては、例えばグリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、メチルプロパンジオール、ペンチレングリコール、イソペンチルジオール、へキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、へキシレングリコール、カプリリルグリコール、エチルヘキサンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、デシレングリコール、1,10−デカンジオール等を挙げることができる。
【0017】
本発明の皮膚洗浄剤組成物の全体量に対する成分(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは1重量%以上であり、更に好ましくは2重量%以上であり、最も好ましくは5重量%以上である。0.5重量%未満の場合、本発明の目的である起泡性の高さや弾力の高さを得られないことがある。成分(C)が大量に含まれていても特にデメリットはないため、含有量の上限は特に限定されないが、他の成分との関係から、90重量%以下が好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物における、成分(A)と成分(C)との比率は、特に限定されるものではないが、好ましくは1:90〜100:1であり、より好ましくは1:45〜50:1である。
【0018】
《その他の成分》
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、本発明の効果が得られる限りにおいて、前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)に加えて、皮膚洗浄剤組成物に通常使用される他の成分を含むことができる。その他の成分としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、固形油剤、増粘剤(例えば、水溶性増粘剤、及び油溶性増粘剤)、感触改良剤(例えば、カチオン高分子、ノニオン高分子、アニオン高分子、シリコーン油剤)、粉体、スクラブ剤、保湿剤(例えば多価アルコール、及び糖アルコール)、エモリエント剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、及びその他の有効成分(例えば、pH調整剤、色素、滑沢剤、顔料、無機粉体、ビタミン類、及びアミノ酸類)を挙げることができる。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、これらの成分の1種又は2種以上の組み合わせを含むことができる。
【0019】
(アニオン界面活性剤)
アニオン界面活性剤は、洗浄成分として作用する。具体的にはアニオン界面活性剤として、前記脂肪酸塩以外に、アルキルエーテルカルボン酸、アシル化アミノ酸塩、アシルタウリン塩、アルキルリン酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等を挙げることができる。
【0020】
(ノニオン界面活性剤)
ノニオン界面活性剤は、洗浄成分として作用し、基材の役目も果たす。具体的には、ノニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、又はアルキルグリコシドを挙げることができる。
【0021】
(両性界面活性剤)
両性界面活性剤は、起泡成分として作用する。両性界面活性剤としては、例えばイミダゾリン型両性界面活性剤、アミドアミノ酸塩、アルキルベタイン型両性界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、又はホスホベタイン型両性界面活性剤を挙げることができる。
【0022】
(ノニオン高分子)
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、ノニオン高分子を含むことができる。ノニオン高分子は、感触改良剤の作用を有する。ノニオン高分子としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、グアーガム、寒天、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酢酸ビニル−ビニルピロリドン共重合体又はポリアクリル酸アミドを挙げることができる。
【0023】
(カチオン高分子)
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、カチオン高分子を含むことができる。カチオン高分子は、感触改良剤の作用を有する。カチオン高分子としては、例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム−6)、アクリル酸とジアリルメチルアンモニウムクロリドの共重合体(ポリクオタニウム−22)、アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドの共重合体(ポリクオタニウム−7)、アクリル酸・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド・メチルアクリレートの三元重合体(ポリクオタニウム−47)、アクリル酸・アクリルアミド・メタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドの三元重合体(ポリクオタニウム−53)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートの共重合体(ポリクオタニウム−51)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとステアリルメタクリレートの共重合体(ポリクオタニウム−61)、カチオン化ヒドロキシセルロース(ポリクオタニウム−10)、アクリル酸・アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの三元重合体(ポリクオタニウム−39)、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム又はカチオン化デンプンを挙げることができる。
【0024】
(粉体)
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、粉体を含むことができる。粉体は、感触改良材の作用を有し、安定性向上剤や洗浄剤の役目も果たす。粉体としては、例えば、カオリン、イライト、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成金雲母、セリサイト、タルク、窒化ホウ素、マイカ、麻セルロース末、小麦デンプン、シルク末、トウモロコシデンプン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛又はウンデシレン酸亜鉛を挙げることができる。
【0025】
(スクラブ剤)
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、スクラブ剤を含むことができる。スクラブ剤は、感触改良材の作用を有し、洗浄剤の役目も果たす。スクラブ剤としては、ポリエチレン、ナイロン−6、マンナン、シリカ、粉末状シリコーンパウダー、炭、ケイ酸アルミニウム、含水シリカ、スクロース、アーモンド殻粒、アンズ種子、エゾヘビイチゴ種子、オリーブ種子、ケシ種子、コメ粉、ココヤシ殻、セイヨウハシバミ殻、テウチグルミ殻粒、バンブサアルンジナセア茎、ヘチマ、ヘチマ果実、ブドウ種子、モモ核、ヨーロッパキイチゴ種子、火山砂、真珠母貝、砂、海シルト又は海塩を挙げることができる。
【0026】
(増粘剤)
増粘剤としては、水溶性増粘剤又は油溶性増粘剤を挙げることができる。油溶性増粘剤としては、前記低分子オイルゲル化剤以外に、有機変性粘土鉱物、シリコーンゲル、親油化した水溶性オリゴマー、ポリマー、又はオイルワックスを挙げることができる。低分子オイルゲル化剤以外の油溶性増粘剤のみの添加では、本発明の効果(高い起泡性及び弾力のある泡)を得ることができない。
【0027】
(保湿剤)
保湿剤としては、多価アルコール、及び糖アルコールを挙げることができる。具体的な多価アルコールとしては、前記2価のアルコール以外に、グリセリン等の3価のアルコール、ジグリセリン等の4価のアルコールを挙げることができる。糖アルコールとしては、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、イノシトール、ソルビトール、マンニトールトレハロース、又はグルコシルトレハロースを挙げることができる。
【0028】
(形態)
本発明の皮膚洗浄剤組成物の形態は、特に限定されるものではなく、例えば固形状、ペースト状、ゲル状、又は液状の組成物をあげることができるが、好ましくはペースト状、ゲル状、又は液状である。固体状組成物は、泡立てが困難なことがあるからであり、またペースト状、ゲル状、又は液状の皮膚洗浄剤組成物と比較すると、衛生面で劣ることがあるからである。より具体的には、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗顔料、全身洗浄料、ハンドソープ、又はクレンジング剤として用いることができる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0030】
実施例及び比較例で得られた皮膚洗浄剤組成物は、以下の試験方法により、評価を行った。
《洗浄力》
油脂汚れを想定した試料としてトリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリルにカーボンブラックを2質量%分散させたサンプルを調製し、これをスライドガラスに均一に塗付する。また、超純水に硬度が150になるように硫酸マグネシウムを溶解し、硬水を調製する。1.5gの各洗浄剤に調製した硬水10mLを加えて、手で泡立て、泡をスライドガラス状に乗せたうえで、指先で30回ガラス上を往復するように擦る。泡を静かに清水10mLで洗い流し、残った試料の量に応じて目視で採点を行った。点数は塗付した試料が完全に残っている状態を0点、完全に洗い流せている状態を5点とした。
【0031】
《起泡性》
超純水に硬度が150になるように硫酸マグネシウムを溶解し、硬水を調製する。1.5gの各洗浄剤に調製した硬水10mLを加えて、手で泡立て、泡立てやすさを評価した。評価は、2分以内に簡単に泡立てられるものを〇、2分以上5分以内であれば十分な泡立ちが得られるものを△、5分以上掛けても満足できる泡量を得られないものを×として三段階で評価した。
【0032】
《泡の弾力》
超純水に硬度が150になるように硫酸マグネシウムを溶解し、硬水を調製する。各洗浄剤1.5gに調製した硬水10mLを加えて、手で泡立て、泡を50mLビーカーに詰める。表面を摺り切りで整えた後、一円玉を泡の上に乗せ、一分間静置する。一分後の一円玉の位置を測定し、その位置を基に採点を行った。点数はビーカー表面を10点、ビーカー底面を0点とし、その間の位置での点数は、距離に応じて比例的に計算した。
【0033】
実施例1〜7及び比較例1〜3では、成分(B)について、検討を行った。
【0034】
《実施例1》
本実施例では、成分(B)として、ヒドロキシステアリン酸を用いた。
脂肪酸として、ラウリン酸3重量部、ミリスチン酸10重量部、パルミチン酸7重量部、及びステアリン酸5重量部、成分(B)としてヒドロキシステアリン酸0.1重量部、成分(C)としてプロピレングリコール15重量部、及び水酸化カリウム4.8重量部に、精製水を合計が100重量部になるように混合し、組成物1を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0035】
《実施例2》
本実施例では、成分(B)として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド0.1重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、組成物2を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0036】
《実施例3》
本実施例では、成分(B)として、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド2.0重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、組成物3を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0037】
《実施例4》
本実施例では、成分(B)として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド及びN−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド0.02重量部及びN−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド0.08重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、組成物4を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0038】
《実施例5》
本実施例では、成分(B)として、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル0.1重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、組成物5を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0039】
《実施例6》
本実施例では、成分(B)として、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル0.02重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、組成物6を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
示す。
【0040】
《実施例7》
本実施例では、成分(B)として、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル0.1重量部を用いたこと、並びにパルミチン酸デキストリン0.01重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、組成物7を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0041】
《比較例1》
本比較例では、成分(B)に代えて、親油化した水溶性ポリマーであるパルミチン酸デキストリンを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、パルミチン酸デキストリン0.1重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、比較組成物1を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0042】
《比較例2》
本比較例では、成分(B)に代えて、オイルワックスであるポリエチレンを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、ポリエチレン0.1重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、比較組成物2を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0043】
《比較例3》
本比較例では、成分(B)に代えて、親油化した水溶性ポリマーであるパルミチン酸デキストリン及びオイルワックスであるポリエチレンを用いた。ヒドロキシステアリン酸0.1重量部に代えて、パルミチン酸デキストリン0.02重量部及びポリエチレン0.08重量部を用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、比較組成物3を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表1に示す。
【0044】
(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及びトリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルは以下の製品を用いた。
(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル:ノムコートHK−G(日清オイリオグループ株式会社)
トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル:ノムコートSG(日清オイリオグループ株式会社)
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示すように、低分子オイルゲル化剤を含む実施例1〜7で得られた皮膚洗浄剤組成物は、起泡性が優れているが、親油化した水溶性ポリマー、又はオイルワックスなどのゲル化剤のみを配合した比較例1〜3で得られた皮膚洗浄剤組成物は、十分な起泡性が得られなかった。
【0047】
以下の実施例8〜12及び比較例4〜6では、成分(C)について、検討を行った。
【0048】
《実施例8》
本実施例では、成分(C)として、プロピレングリコールを用いた。
脂肪酸として、ラウリン酸4重量部、ミリスチン酸10重量部、パルミチン酸12重量部、及びステアリン酸4重量部、成分(B)としてN−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド0.2重量部、成分(C)としてプロピレングリコール2重量部、及び水酸化カリウム4.8重量部に、精製水を合計が100重量部になるように混合し、組成物8を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0049】
《実施例9》
本実施例では、成分(C)として、ジプロピレングリコールを用いた。プロピレングリコール2重量部に代えて、ジプロピレングリコール15重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、組成物9を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0050】
《実施例10》
本実施例では、成分(C)として、1,3−ブチレングリコールを用いた。プロピレングリコール2重量部に代えて、1,3−ブチレングリコール5重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、組成物10を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0051】
《実施例11》
本実施例では、成分(C)として、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールを用いた。プロピレングリコール2重量部に代えて、プロピレングリコール15重量部及びジプロピレングリコール10重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、組成物11を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0052】
《実施例12》
本実施例では成分(C)として、ジプロピレングリコールを用い、更に3価アルコールであるグリセリンを添加した。プロピレングリコール2重量部に代えて、ジプロピレングリコール30重量部を用いたこと、及びグリセリン5重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、組成物12を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0053】
《比較例4》
本比較例では成分(C)に代えて、3価アルコールであるグリセリンを用いた。プロピレングリコール2重量部に代えて、グリセリン15重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、比較組成物4を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0054】
《比較例5》
本比較例では成分(C)に代えて、4価アルコールであるジグリセリンを用いた。プロピレングリコール2重量部に代えて、ジグリセリン15重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、比較組成物5を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0055】
《比較例6》
本比較例では成分(C)に代えて、3価アルコールであるグリセリン及び4価アルコールであるジグリセリンを用いた。プロピレングリコール2重量部に代えて、グリセリン10重量部及びジグリセリン5重量部を用いたことを除いては、実施例8の操作を繰り返して、比較組成物6を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示すように、2価アルコールを含む実施例8〜12で得られた皮膚洗浄剤組成物は、泡の弾力が優れているが、2価アルコールを含まない(3価アルコール及び/又は4価アルコールのみを含む)比較例4〜6で得られた皮膚洗浄剤組成物は、十分な泡の弾力が得られなかった。
【0058】
実施例13〜16では、成分(A)について、検討を行った。
【0059】
《実施例13》
本実施例では、成分(A)として、ラウリン酸3重量部、ミリスチン酸2重量部、パルミチン酸1重量部、及びステアリン酸4重量部、全体量10重量%になるように配合した。成分(B)としてN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド0.5重量部、成分(C)としてプロピレングリコール15重量部、及び水酸化カリウム2.0重量部に、精製水を合計が100重量部になるように混合し、組成物13を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表3に示す。
【0060】
《実施例14》
本実施例では成分(A)の全体量を20重量%にした。ラウリン酸3重量部、ミリスチン酸8重量部、パルミチン酸4重量部、及びステアリン酸5重量部、水酸化カリウム3.8重量部を用いたことを除いては、実施例13の操作を繰り返して、組成物14を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表3に示す。
【0061】
《実施例15》
本実施例では成分(A)の全体量を30重量%にした。ラウリン酸4重量部、ミリスチン酸10重量部、パルミチン酸10重量部、及びステアリン酸6重量部、水酸化カリウム5.8重量部を用いたことを除いては、実施例13の操作を繰り返して、組成物15を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表3に示す。
【0062】
《実施例16》
本実施例では成分(A)の全体量を40重量%にした。ラウリン酸4重量部、ミリスチン酸15重量部、パルミチン酸10重量部、及びステアリン酸11重量部、水酸化カリウム7.7重量部を用いたことを除いては、実施例13の操作を繰り返して、組成物16を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
《実施例17》
本実施例では、成分(B)である(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルの含有量を0.1重量部とし、更にアニオン界面活性剤としてラウロイルグルタミン酸Na、両性界面活性剤としてラウラミドプロピルベタイン、ノニオン高分子としてヒドロキシエチルセルロース、カチオン高分子として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートの共重合体(ポリクオタニウム−51)、粉体としてカオリン、そしてスクラブ剤としてマンナンを用いて、皮膚洗浄用組成物を製造した。
表4に示す成分を用いたこと以外は実施例1の操作を繰り返して、組成物17を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表4に示す。
【0065】
《実施例18》
本実施例では、成分(B)であるN−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを0.05重量部とし、更にアニオン界面活性剤としてココイルエチルタウリンNa、両性界面活性剤としてココアンホ酢酸Na、ノニオン高分子としてPEG−14M、カチオン高分子として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとステアリルメタクリレートの共重合体(ポリクオタニウム−61)、粉体としてイライト、そしてスクラブ剤として海シルトを用いて、皮膚洗浄用組成物を製造した。
表4に示す成分を用いたこと以外は実施例17の操作を繰り返して、組成物18を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表4に示す。
【0066】
《実施例19》
本実施例では、成分(B)であるN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドの含有量を0.2重量部とし、更にアニオン界面活性剤としてラウレス硫酸TEA、両性界面活性剤としてコカミドプロピルベタイン、ノニオン高分子としてポリビニルアルコール、カチオン高分子としてアクリル酸・アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの三元重合体(ポリクオタニウム−39)、粉体としてシルク末、そしてスクラブ剤としてポリエチレンを用いて、皮膚洗浄用組成物を製造した。
表4に示す成分を用いたこと以外は実施例17の操作を繰り返して、組成物19を得た。得られた組成物について、洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を検査した。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
成分(A)〜(D)に、更にアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン高分子、カチオン高分子、粉体、及びスクラブ剤を添加した皮膚洗浄用組成物も、十分な洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を得ることができた。従って、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン高分子、カチオン高分子、粉体、及びスクラブ剤の1種以上を含む皮膚洗浄用組成物も、十分な洗浄力、起泡性、及び泡の弾力を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、高い起泡性、及び弾力のある泡質を有しており、洗顔料、全身洗浄料、ハンドソープ、又はクレンジング剤として好適に使用することができる。