【課題を解決するための手段】
【0010】
冒頭で述べたブラインドリベット・スリーブの場合、この目的は、スリーブヘッドが、固定中に形成されるスリーブ折畳み部の少なくとも一部を受け入れる軸方向凹部を支持面の領域内に有することで達成される。
【0011】
さらに、この目的は、スリーブシャンクのブラインド側端部の領域内で支えられるブラインド側マンドレルヘッドを有するマンドレルと、かかるブラインドリベット・スリーブとを有するブラインドリベットによって達成され、そしてまた、かかるブラインドリベットを用いた、少なくとも2つの被加工物のブラインドリベット結合部によっても達成される。
【0012】
スリーブヘッドの支持面の領域内に軸方向凹部を形成することは、少なくともある特定の締付け厚を形成するスリーブ折畳み部が、固定中に少なくとも部分的に軸方向凹部の中へと動くことができることを意味する。これにより、固定プロセス中に被加工物構成が損傷を受けないという状況を実現することが可能になる。特に、リベットスリーブの半径方向の膨張を狭い制限内に維持することができる。結果として、スリーブシャンクの外径と被加工物内のボアの内径との間の縁部間隔を小さくすることができる。その結果として、半径方向の公差を補償することを目的とした大きすぎるリベット穴を覆う大きい穴カバーが必要ないので、スリーブヘッドの外径を小さくすることができる。
【0013】
従って、このブラインドリベットは、ガラス繊維強化プラスチック(CRP)を用いた構造工学にも用いることができ、高い剪断及び引張り強度が達成される。
さらに、適切であれば、高いヘッド引張り強度を達成することができる。
かくして目的が完全に達成される。
【0014】
特に好ましい実施形態によれば、軸方向凹部の軸方向深さ及び折畳み部分の軸方向長さは、スリーブ折畳み部がブラインドリベットによって結合された被加工物構成と接触しないか又は実質的に力が掛からないように接触するように選択される。実質的に力が掛からない接触とは、接触が許容荷重限界内に留まることを意味する。
【0015】
軸方向凹部の軸方向深さと折畳み部分の軸方向長さとの比は、1から2までの範囲内にあることが好ましく、1.5から2までの範囲内にあることが好ましい。
さらに好ましい実施形態によれば、軸方向凹部の軸方向深さは、スリーブヘッドの軸方向長さの0.3倍以上であり、好ましくはスリーブヘッドの軸方向長さの0.4倍以上である。
結果として、スリーブ折畳み部の少なくとも一部を受け入れるのに十分な大きい容積を有する軸方向凹部を提供することが可能である。
【0016】
さらに好ましい実施形態によれば、軸方向凹部の外径は、スリーブヘッドの外径の0.4倍以上であり、好ましくはスリーブヘッドの外径の0.5倍以上であり、特に好ましくはスリーブヘッドの外径の0.6倍以上であり、さらに特に好ましくは0.7倍以上である。
この寸法もまた、軸方向凹部の大きい容積に寄与する。
【0017】
スリーブヘッドは、この場合、スリーブヘッドの支持面が軸方向凹部を囲む環状面になるように、キノコ状に設計される。
【0018】
スリーブ折畳み部の外径は、締付け厚が最小になるときに最大になり、この場合、軸方向凹部の外径よりも小さい。結果として、最小締付け厚であっても半径方向に十分に大きい空間が残り、スリーブ折畳み部の70%より多く、特に80%より多く、好ましくは90%より多く、特に100%が、軸方向凹部内に受け入れられることができるようになっている。
対照的に、大きい締付け厚の場合は、ブラインドリベットの固定中に変形される折畳み部分は、変形されるとしてもごくわずかである。
【0019】
折畳み部分の強度は、ブラインドリベットの固定中に、最初にヘッド形成部分が変形してブラインドリベットになり、その後で初めて、スリーブ折畳み部が、引抜き力が増すにつれてマンドレル上で形成され、それにより被加工物構成内の被加工物が互いに軸方向に締め付けられることになるように選択されることが好ましい。
【0020】
特に好ましい実施形態によれば、剛性部分が、折畳み部分とヘッド形成部分との間に軸方向に配置される。
剛性部分は、半径方向の座屈抵抗が、折畳み部分よりも大きく、かつヘッド形成部分よりも大きいことが好ましい。
【0021】
剛性部分の高い強度は、特に冷間成形操作によって達成することができるが、例えば剛性部分内にスタンピングされた長手方向の溝などにより、局所的な熱処理によって達成することもできる。
【0022】
剛性部分の軸方向長さは、この場合には、好ましくは締付け厚よりも長いか又はそれと等しく、特に最小締付け厚よりも長い。これにより、折畳み部分の領域内で被加工物のボアの内側に不必要な半径方向の力が掛からないのみならず、被加工物のボアの軸方向の全長にわたって被加工物に半径方向の力が掛からない状況を実現することが可能になる。
剛性部分の半径方向の膨張は、この場合には、外径を基準にして好ましくは10%未満である。
【0023】
ヘッド形成部分は、一般に任意の所望の様式で設計することができる。しかし、ヘッド形成部分は、ブラインドリベットの固定中に形成されるブラインドヘッドもまた折り畳まれたブラインドヘッドとなるように設計されることが好ましい。結果として、比較的大きい直径を有するブラインドヘッドを実現して、その結果、接合材料に当接するブラインドヘッドの支持面上での軸方向の機械的荷重もまた小さくすることができるようにすることが可能になる。
【0024】
ヘッド形成部分は、第1の形成部分と、軸方向に隣接した第2の形成部分とを有し、第2の形成部分の強度が第1の形成部分の強度よりも高いことが特に好ましい。
結果として、ブラインドヘッドの制御された折畳みを実現することができる。
【0025】
ここで特に好ましいのは、第1の形成部分がスリーブシャンクのブラインド側端部に軸方向に隣接するように配置されることである。
さらに特に好ましいのは、ヘッド形成部分が、第2の形成部分の、第1の形成部分の反対の側に配置された、第2の形成部分よりも低い強度を有する第3の形成部分を有することである。
この寸法もまた、折り畳まれたブラインドヘッドの形成に好都合であり得る。
【0026】
ヘッド形成部分は、ここでは、固定中にブラインド側被加工物表面上で支持されることなく形成されるように設計されることが好ましく、完全に形成された後に被加工物構成のところまで引き上げられるように設計されることがさらに好ましい。従って、ブラインドヘッド又は閉鎖ヘッド設計、特に直径で測定されるサイズを、被加工物構成の締付け厚に関係なく一定に達成することが可能であり、すなわち、好ましくは全締付け範囲にわたってこれを同一にすることができる。従って、被加工物の厚さに関係なく一定のヘッド引張り強度を達成することができる。
【0027】
引っ張りの結果として、被加工物同士が互いに引き寄せられて軸方向の隙間が理想的にはゼロまで小さくなる。折畳み部分の強度を適切に選ぶことにより、ここで、被加工物構成に対する軸方向の力が大きくなりすぎないという事実に寄与することも可能である。
【0028】
スリーブシャンクは、外径の内径に対する比(ブラインドヘッド及び/又はスリーブ折畳み部の形成を制御するために半径方向に組み込まれた圧痕、エンボス、圧延形成などを有さないスリーブシャンクの領域において測定される)が1.1から1.6までの範囲、特に1.2から1.5までの範囲、特に好ましくは1.24から1.36までの範囲内であることが好ましい。
【0029】
総括すると、被加工物構成に対する表面及び縁部の荷重が低減され、締付け範囲にわたって好ましくは一定の閉鎖ヘッドを有し、正確に言うと、同様に、好ましくは小さい締付け厚での穴面の支持圧力の増大を回避する、いわゆるスリーブ折畳み型ブラインドリベットが提供される。
【0030】
上記の特徴及び以下でさらに説明される特徴は、単にそれぞれ示された組合せで用いられるのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組合せで又は単独で用いられることが理解されるであろう。
【0031】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示され、かつ、以下の記載でより詳細に説明される。