(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6275257
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】軌道車両のためのコンプレッサシステムおよび安全な緊急動作によりコンプレッサシステムを作動する方法
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20180129BHJP
F04B 49/10 20060101ALI20180129BHJP
F04B 41/02 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
F04B49/06 341G
F04B49/10 331C
F04B49/10 331D
F04B41/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-536585(P2016-536585)
(86)(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-539277(P2016-539277A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】EP2014076166
(87)【国際公開番号】WO2015082432
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2016年8月2日
(31)【優先権主張番号】102013113557.9
(32)【優先日】2013年12月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス キップ
(72)【発明者】
【氏名】ゲアト アスマン
【審査官】
岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−002380(JP,A)
【文献】
特開2004−211620(JP,A)
【文献】
特開平07−208371(JP,A)
【文献】
特開2010−216284(JP,A)
【文献】
特開昭63−038693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/06
F04B 49/10
F04B 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道車両用のコンプレッサシステムであって、
該コンプレッサシステムは、少なくとも1つの圧縮空気タンク(4)のために圧縮空気を発生させるコンプレッサ(3)を含み、該コンプレッサ(3)は、電気機械装置(1)により駆動軸(2)を介して駆動され、
前記電気機械装置(1)は、該電気機械装置(1)を最大回転数(m)と最小回転数(i)との間の少なくとも1つの定格回転数(n)で駆動するために、少なくとも間接的に制御装置(5)を介して制御可能であり、
さらに、前記コンプレッサ(3)の下流に設けられた圧縮空気搬送管路(6)内に、前記制御装置(5)のために圧力を測定する少なくとも1つの圧力センサ(7)が配置されており、
前記電気機械装置(1)の回転数を連続的に制御するために、給電装置(15)と前記電気機械装置(1)との間に、調整部材(8)が配置されており、該調整部材(8)は、前記制御装置(5)を介して制御可能である、
軌道車両用のコンプレッサシステムにおいて、
前記コンプレッサ(3)の下流に設けられた圧縮空気搬送管路(6)に、圧力スイッチ(16)が配置されており、該圧力スイッチ(16)は、前記少なくとも1つの圧縮空気タンク(4)内の圧力を監視し、少なくとも、前記電気機械装置(1)の回転数に作用を与え、
前記制御装置(5)と前記調整部材(8)を前記電気機械装置(1)から分離するための遮断器(17)が、前記調整部材(8)の後段に配置されており、
前記圧力スイッチ(16)は、該圧力スイッチ(16)と前記遮断器(17)との間に配置された制御ロジックユニット(18)を介して、前記遮断器(17)と接続されている、
ことを特徴とする、軌道車両用のコンプレッサシステム。
【請求項2】
前記制御装置(5)は、前記コンプレッサ(3)の下流に配置された、冷却ファン(14)を備えた冷却ユニット(9)を、少なくとも間接的に制御し、前記冷却ファン(14)の回転数は、前記制御装置(5)により連続的に調整可能である、
請求項1記載のコンプレッサシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のコンプレッサシステムの制御方法において、
前記コンプレッサ(3)を、最大回転数(m)と最小回転数(i)との間で任意の中間値をとる可変の回転数で駆動し、
前記圧力スイッチ(16)が、前記少なくとも1つの圧縮空気タンク(4)内の圧力を監視し、少なくとも間接的に、前記電気機械装置(1)の回転数に作用を与え、
前記制御ロジックユニット(18)は、前記少なくとも1つの圧縮空気タンク(4)内の圧力が最小圧力(e)に達すると、前記圧力スイッチ(16)から信号を受け取り、前記遮断器(17)を制御して、前記制御装置(5)および前記調整部材(8)を前記電気機械装置(1)から分離し、
スイッチオフ圧力(d)に達するまで、前記遮断器(17)を介して、前記コンプレッサ(3)を定格回転数(n)で駆動する、
ことを特徴とする、コンプレッサシステムの制御方法。
【請求項4】
前記制御装置(5)は、前記少なくとも1つの圧縮空気タンク(4)内の圧力が最小圧力(e)に達すると、前記圧力スイッチ(16)から信号を受け取り、前記調整部材(8)を制御し、前記スイッチオフ圧力(d)に達するまで、前記コンプレッサ(3)を少なくとも定格回転数(n)で駆動する、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの圧縮空気タンク(4)内の圧力が少なくとも2回、最小圧力(e)まで降下した後、前記電気機械装置(1)を、少なくとも定格回転数(n)と前記コンプレッサ(3)のスイッチオフとの間で断続的に駆動し、圧力が最小圧力(e)に降下したときには少なくとも定格回転数(n)で駆動し、前記スイッチオフ圧力(d)に達したときには前記コンプレッサ(3)をスイッチオフする、
請求項3または4記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道車両用のコンプレッサシステムに関する。このシステムは、少なくとも1つの圧縮空気タンクのために圧縮空気を発生させるコンプレッサを含み、このコンプレッサは、電気機械装置により駆動軸を介して駆動される。この場合、電気機械装置は、この電気機械装置を最大回転数と最小回転数との間の少なくとも1つの定格回転数で駆動するために、少なくとも間接的に制御装置を介して制御可能であり、さらにこの場合、コンプレッサの下流に設けられた圧縮空気搬送管路内に、制御装置のために圧力を測定する少なくとも1つの圧力センサが配置されている。さらに本発明は、本発明によるコンプレッサシステムの制御方法にも関する。
【0002】
発明の背景
軌道車両のコンプレッサに対しては、部分的に相容れない多様な要求が課され、たとえば高い供給能力、十分なスイッチオン期間、小さい音響放出、少ないエネルギー消費、小さい組み込みスペース、ならびに小さい仕入れ費用およびライフサイクルコストなどが要求される。この場合、軌道車両の動作状態に応じて、コンプレッサに対しそれぞれ異なる強さの要求プロフィルが存在する。コンプレッサを設計する際に提起される典型的な問題は、軌道車両のすべての動作状態で許容可能な最善の妥協点を、これらの要求の間において見出すことである。一般に軌道車両においては、電気的に駆動されるコンプレッサが用いられる。コンプレッサは、スイッチオン/スイッチオフ動作中、下方のスイッチオン圧力と上方のスイッチオフ圧力との間において、一定の回転数いわゆる定格回転数で駆動される。コンプレッサは、予め定められた充填時間が達成されるようにし、動作中、最小スイッチオン期間を下回らないように、その仕様が選定される。
【0003】
一般的に知られている従来技術から明らかであるのは、軌道車両の種々の動作状態間で、コンプレッサの動作は異ならない、ということである。この場合、冷却システムのファンは、コンプレッサと同じ動作管理体制下におかれる。その理由は、ファンは一般的にコンプレッサにより直接、一緒に駆動されるからである。
【0004】
さらに知られているのは、通常の駆動部および通常の構造とは異なった、コンプレッサシステムの複雑な構造および駆動部に、付加的なコンポーネント特に電子的なコンポーネントが設けられていることであり、そのようなコンポーネントであると、故障する確率が余分に高まる可能性があるし、少なくとも誤動作に対する脆弱性が余分に高まる可能性がある。換言すれば、付加的な電子コンポーネントがコンプレッサシステムに導入されることで、個々の電子コンポーネントにより余分に高まる故障の確率が、コンプレッサシステムに一緒に入り込むことになる。このため、コンプレッサシステムの誤動作の確率および故障のリスクが高まってしまう。コンプレッサシステムは制動装置に圧縮空気を供給するので、コンプレッサシステムが故障すると、一般的に軌道車両は停車状態におかれる。
【0005】
発明の概要
したがって本発明の課題は、コンプレッサシステムの誤動作の確率および故障のリスクを高めることなく、エネルギー効率よく、かつ音響放出を低減して、コンプレッサシステムを作動させることができるように、コンプレッサシステムおよびコンプレッサシステムの作動方法を最適化することである。
【0006】
この課題は、装置に関しては、請求項1の上位概念記載のコンプレッサシステムを前提として、請求項1の特徴部分に記載された構成によって解決される。さらに上記の課題は、方法に関しては、請求項6に記載の特徴によって解決される。従属請求項には、本発明の有利な実施形態が記載されている。
【0007】
本発明によれば、電気機械装置の回転数を連続的に制御するために、給電装置と電気機械装置との間に、調整部材が配置されており、この調整部材は、制御装置を介して制御可能であり、コンプレッサの下流に設けられた圧縮空気搬送管路に、圧力スイッチが配置されており、圧力スイッチは、少なくとも、1つの圧縮空気タンク内の圧力を監視し、少なくとも電気機械装置の回転数に作用を与える。
【0008】
換言すれば、調整部材は、電力の流れにおいて電気機械装置の上流に配置されており、つまりは電気機械装置の前段に接続されている。この調整部材によって、電気機械装置を種々の回転数で駆動することができる。このためには特に、周波数変換器またはインバータが適している。周波数に応じて、電気機械装置の回転数ひいてはコンプレッサの動作が整合される。ただし、回転数制御のための付加的な電子コンポーネントに起因して、特に付加的なセンサ、ケーブルおよび調整部材に起因して、コンプレッサシステムの誤動作の確率および故障のリスクが高まる。
【0009】
少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力を監視するための圧力スイッチにより、この種のコンプレッサシステムの安全性が高められ、安全な緊急動作の可能性が得られるようになる。つまり圧力が降下した場合、圧力スイッチは、電気機械装置の回転数に間接的に作用を与えることができる。少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力が所定の下方の圧力を下回った、という圧力スイッチの信号によって、少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力を所定の上方の圧力に達するまで高める目的で、特にコンプレッサの回転数が高められるようにコンプレッサを制御することができる。したがって圧力スイッチがコンプレッサの少なくとも回転数に作用を与えるのは、圧力が最小圧力または上方のスイッチオフ圧力に達した場合だけである。最小圧力に達すると回転数が高められ、上方のスイッチオフ圧力に達すると少なくとも回転数が低減されるか、またはコンプレッサがスイッチオフされる。換言すれば、コンプレッサシステムにおいて、少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力が最小圧力になるエラーが発生したならば、コンプレッサは再び通常動作となり、したがってコンプレッサは定格回転数で駆動される。
【0010】
1つの好ましい実施形態によれば、圧力スイッチは、電気機械装置の回転数に間接的に作用を与えるために、制御装置と共働するように接続されている。換言すれば、圧力スイッチは、発生した信号を制御装置へ転送し、制御装置は、好ましくは組み込まれた制御アルゴリズムを介して、電気機械装置の回転数を受け取った信号に合わせて整合させる。
【0011】
さらに別の好ましい実施例によれば、制御装置と調整部材を電気機械装置から分離するための
遮断器が、調整部材の後段に配置されている。この場合、
遮断器は特に、給電装置と電気機械装置との間に配置されており、したがって調整部材と電気機械装置との間においても、給電装置と電気機械装置との間においても、ブリッジを成している。
【0012】
さらに好ましくは、この
圧力スイッチ
は遮断器と接続されており、これらの間に介在して制御ロジックユニットが配置されている。したがって
圧力スイッチは制御ユニットとは独立しており、圧力スイッチから信号を受け取る制御ロジックユニットを介して、駆動することができる。
【0013】
好ましくは制御装置は、コンプレッサの下流に設けられ冷却ファンを備えた冷却ユニットを、少なくとも間接的に制御し、その際、冷却ファンの回転数を制御装置により連続的に調整することができる。このため冷却ユニットには、好ましくは調整部材が組み込まれている。別の選択肢として、調整部材を冷却ユニットの少なくとも前段に接続することも考えられる。また、調整部材に2つの制御出力端子を設け、それによって電気機械装置も冷却ファンも、1つの共通の調整部材を介して制御することも、同様に考えられる。
【0014】
方法に関しては、コンプレッサを、最大回転数と最小回転数との間で任意の中間値をとる可変の回転数で駆動し、圧力スイッチが、少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力を監視し、少なくとも間接的に、電気機械装置の回転数に作用を与えるようにする。冷却ユニットは、直接的にも間接的にもコンプレッサとは接続されていないことから、冷却ユニットは別個に制御され、つまりは冷却ファンの回転数は別個に調整される。有利には、コンプレッサと冷却ファンをスイッチオフすることもできる。
【0015】
さらに別の実施例によれば、制御装置は、少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力が最小圧力に達すると、圧力スイッチから信号を受け取り、
調整部材を制御し、スイッチオフ圧力に達するまで、コンプレッサを少なくとも定格回転数で駆動する。これにより、特に故障のあるセンサおよび/またはケーブルに対処することができる。つまり制御装置は、圧力スイッチに従って調整部材を制御する。
【0016】
さらに別の実施例によれば、制御ロジックユニットは、少なくとも1つの圧縮空気タンク内の圧力が最小圧力に達すると、圧力スイッチから信号を受け取り、
遮断器を制御して、制御装置および調整部材を電気機械装置から分離し、スイッチオフ圧力に達するまで、
遮断器を介して、コンプレッサを定格回転数で駆動する。
遮断器の設定に応じて、電気機械装置のために定格回転数よりも高い回転数を発生させることもできる。この目的で
遮断器は、電気機械装置を給電装置と直接、接続する。したがって制御装置は、電気機械装置に対し、ひいてはコンプレッサの回転数に対し、いかなる作用も及ぼさない。このようにすれば特に、対応して設けられたすべてのセンサおよび調整部材とともに、制御装置全体の故障または誤動作に対処することができる。
【0017】
特に好ましくは、少なくとも1つの圧縮空気タンクの圧力が少なくとも2回、最小圧力まで降下した後、電気機械装置を、少なくとも定格回転数とコンプレッサのスイッチオフとの間で断続的に駆動し、圧力が最小圧力に降下したときには少なくとも定格回転数で駆動し、スイッチオフ圧力に達したときにはコンプレッサをスイッチオフする。換言すれば、少なくとも1つの圧縮空気タンク内で比較的一定の圧力を得るために、電気機械装置の回転数つまりはコンプレッサの回転数は、もはや変更されない。ただし、少なくとも1つの圧縮空気タンクをいっそう急速に充填できるようにする目的で、コンプレッサを定格回転数で駆動するのではなく、最大回転数で駆動することも、同様に考えられる。
【0018】
本発明の改良に関するさらに別の形態については、以下で図面を参照した本発明の有利な実施例の説明とともに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明によるコンプレッサシステムを示すブロック図
【
図2】本発明のコンプレッサシステムを第2の実施例に従って示すブロック図
【
図3】互いに関連する2つのグラフを示す図であって、上方のグラフにはコンプレッサの回転数を時間軸上に示し、下方のグラフにはコンプレッサの圧力を時間軸上に示す図
【0020】
1つの有利な実施形態の詳細な説明
図1に示されているように、軌道車両用のコンプレッサシステムは電気機械装置1を有しており、この電気機械装置1は駆動軸2を介して、圧縮空気発生用のコンプレッサ3を駆動する。コンプレッサ3から発生した圧縮空気は、圧縮空気搬送管路6を介して、冷却ファン14を備えた冷却ユニット9へ供給される。冷却ユニット9の下流において圧縮空気搬送管路6内に、圧力センサ7と温度センサ13bが配置されている。さらに圧縮空気搬送管路6はプレセパレータ11に連通しており、さらにプレセパレータ11に続いて空気処理装置12が配置されている。ついで、乾燥させられ粒子が除かれて浄化された圧縮空気が、圧縮空気タンク4に貯蔵される。さらに圧縮空気搬送管路6に圧力スイッチ16が配置されており、この圧力スイッチ16は、圧縮空気タンク4内の圧力を監視し、電気機械装置1および冷却ファン14の回転数に間接的に作用を及ぼす。
【0021】
コンプレッサ3に配置された温度センサ13a、ならびに温度センサ13bおよび圧力センサ7はすべて、測定された温度および測定された圧力を制御装置5へ送信する。さらに制御装置5は信号入力端子10を介して、ここには図示されていない他のセンサまたは列車管理システムからも、信号を受け取る。さらにこの場合、制御装置5は、冷却ユニット9の回転数を制御するのに適しているとともに、信号を調整部材8へ供給するのにも適している。周波数変換器として構成されている調整部材8は、電気機械装置1の回転数つまりはコンプレッサ3の回転数を設定する。さらに調整部材8は2つの出力を備えており、したがって制御装置5により冷却ファン14の回転数も調整される。この場合、調整部材8は、電気機械装置1の回転数を連続的に制御するために、給電装置15と電気機械装置1との間に配置されている。この場合、制御装置5は、圧縮空気タンク4内の圧力が最小圧力eに達したときに、圧力スイッチ16から信号を受け取り、
調整部材8を制御し、スイッチオフ圧力dに達するまでコンプレッサ3
を定格回転数で駆動
する。
【0022】
図2によれば、制御装置5と調整部材8を電気機械装置1から分離するための
遮断器17が、調整部材8の後段に配置されている。この
遮断器17には圧力スイッチ16が接続されており、これらの間に介在して制御ロジックユニット18が配置されている。この場合、制御ロジックユニット18は、圧縮空気タンク4内の圧力が最小圧力eに達すると、圧力スイッチ16から信号を受け取り、
遮断器17を制御して、制御装置5および調整部材8を電気機械装置1から分離する。その後、コンプレッサ3は、スイッチオフ圧力dに達するまで、
遮断器17を介して定格回転数nで駆動される。
【0023】
図3には、圧力スイッチ16により圧縮空気タンク4内で圧力降下が測定されたときの既述の推移を示すグラフが描かれている。領域aにおいてコンプレッサ3は、最小回転数iと定格回転数nとの間の回転数で駆動され、この場合、圧縮空気タンク4内の圧力は所定の範囲内に保持される。したがってコンプレッサ3は領域aにおいては、制御された動作にある。回転数は可変であり、状況に依存する。
【0024】
領域bにおいて、圧縮空気タンク4内の圧力が降下し、コンプレッサ3の回転数が自然発生的に減少する。換言すれば、領域bにおいて、制御された動作中にエラーが発生し、その結果、圧力降下が測定されることになる。
【0025】
圧縮空気タンク4内の圧力が最小圧力eに達すると、圧力スイッチ16が応答し、領域cにおいて、間接的に
遮断器17または調整部材8を介して、電気機械装置1の回転数を、ひいてはコンプレッサ3の回転数を、定格回転数nまで上昇させる。したがって領域cにおいて圧力スイッチ16の応答が発生し、これによって制御動作から非制御動作へと動作が切り替わる。非制御動作は2つの状態を有する。一方は、定格回転数nによるコンプレッサ3の駆動であり、他方は、コンプレッサ3のスイッチオフである。ここには示されていない冷却ファン14も、コンプレッサ3の駆動と同様に駆動される。
【0026】
圧縮空気タンク4内の圧力がスイッチオフ圧力dに達すると、コンプレッサ3がスイッチオフされ、まずは再び最小回転数iと定格回転数nとの間で駆動され、それによって圧縮空気タンク4内の圧力が所定の範囲内に保持される。
【0027】
本発明は、上述の有利な実施形態に限定されるものではなく、変形実施形態も考えることができ、以下の特許請求の範囲により保護される範囲には、それらの変形実施形態も共に含まれる。つまりたとえば、コンプレッサ3が複数の圧縮空気タンク4に圧縮空気を供給することも可能である。圧縮空気タンク4内の圧力が最小圧力eに達したときに、電気機械装置1の回転数ひいてはコンプレッサ3の回転数を、定格回転数nにするだけでなく最大回転数mまで高めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 電気機械装置
2 駆動軸
3 コンプレッサ
4 圧縮空気タンク
5 制御装置
6 圧縮空気搬送管路
7 圧力センサ
8 調整部材
9 冷却ユニット
10 信号入力端子
11 プレセパレータ
12 空気処理装置
13a,13b 温度センサ
14 冷却ファン
15 給電装置
16 圧力スイッチ
17
遮断器
18 制御ロジックユニット
a,b,c 領域
d スイッチオフ圧力
e 最小圧力
i 最小回転数
m 最大回転数
n 定格回転数