特許第6275259号(P6275259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6275259
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】蒸気タービン駆動式の遠心ヒートポンプ
(51)【国際特許分類】
   F01K 17/04 20060101AFI20180129BHJP
   F25B 11/02 20060101ALI20180129BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20180129BHJP
   F01K 25/10 20060101ALI20180129BHJP
   F01K 13/02 20060101ALI20180129BHJP
   F01D 15/08 20060101ALI20180129BHJP
   F04F 5/24 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   F01K17/04 B
   F25B11/02 B
   F25B1/00 101Z
   F01K25/10 Y
   F01K13/02 F
   F01D15/08 C
   F04F5/24 A
【請求項の数】20
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2016-538599(P2016-538599)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2017-504746(P2017-504746A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】US2014069918
(87)【国際公開番号】WO2015089362
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2016年8月5日
(31)【優先権主張番号】61/915,227
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】スネル,ポール・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】スマイダー,エリック・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アンジャー,デール・エム
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−331177(JP,A)
【文献】 特開2001−165514(JP,A)
【文献】 特開2000−097515(JP,A)
【文献】 特開平11−142424(JP,A)
【文献】 特表2013−526678(JP,A)
【文献】 特表2011−502227(JP,A)
【文献】 特表2007−518932(JP,A)
【文献】 特表2007−509268(JP,A)
【文献】 特表2005−534858(JP,A)
【文献】 特公昭42−004604(JP,B1)
【文献】 米国特許第04404811(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0210601(US,A1)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気ループの中で接続されている蒸気供給部、蒸気タービン、および蒸気凝縮器を含む蒸気システムと、
冷媒ループの中で接続されている第1の圧縮機および第2の圧縮機、冷媒凝縮器、ならびに蒸発器を含む冷媒システムと
を含む、ヒートポンプシステムであって、
前記蒸気タービンは、回転駆動シャフトを含み、前記回転駆動シャフトは、軸線方向に配設されており、前記蒸気タービンの第1の端部および第2の端部から延在しており、
前記ヒートポンプシステムは、潤滑流体を収集して再分配するためのサンプシステムを含み、
前記第1の圧縮機は、第1のカップリングデバイスによって前記駆動シャフトの前記第1の端部に連結されており、前記第2の圧縮機は、第2のカップリングデバイスによって前記駆動シャフトの前記第2の端部に連結されており、
前記第1および第2の圧縮機は、前記冷媒ループの中で並列に接続されており、冷却負荷を等しく共有するように制御される、ヒートポンプシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の圧縮機および前記第2の圧縮機は、サージ条件を検出するために、および、サージ条件を検出することに応答して、前記蒸気タービンの速度を調節するために、制御盤をそれぞれ含む、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、前記第2の圧縮機が、前記第1の圧縮機の前記制御盤によって決定される設定点で動作するように制御される、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、さらに、前記設定点が、容量制御アルゴリズム、サージ制御アルゴリズム、または安定性制御アルゴリズムのうちの1つによって決定される、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の圧縮機が、前記第2の圧縮機の鏡像であり、前記蒸気タービン駆動シャフトの反対端部において対称性を提供しており、前記第1の圧縮機は、反対側方向を向いていながら、前記第2の圧縮機と同じ方向に回転する、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の圧縮機および前記第2の圧縮機が、同一であり、同じ方向を向いて前記蒸気タービン駆動シャフトに連結されている、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、前記第1および第2の圧縮機の中の前記冷媒と混合する前記潤滑流体を含み、前記システムが、
前記圧縮機から、前記潤滑流体、前記冷媒、およびそれらの組み合わせを受け入れるように構成されている前記サンプシステムと、
前記サンプシステムから、潤滑を必要とする前記圧縮機の部分へ、前記潤滑流体を分配するための潤滑回路と、
前記潤滑流体と混合される冷媒の量を低減させるための、前記サンプシステムと前記システムの低圧領域との間の冷媒圧力減少部であって、前記圧力減少部は、前記サンプシステムの中の冷媒の温度をさらに低下させながら、前記サンプシステムの中の冷媒ガス圧力を、前記システムの前記低圧領域の中の冷媒ガス圧力のものよりも下方に低下させ、前記潤滑流体を冷却しながら、前記サンプシステムから前記システムの前記低圧領域へ冷媒ガスを除去する、冷媒圧力減少部と
をさらに含む、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記冷媒圧力減少部が、補助圧縮機である、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記補助圧縮機が、前記サンプシステムのガス体積および前記システムの前記低圧領域に流体連通しており、前記補助圧縮機が、前記サンプシステムから冷媒ガスを引き出し、前記圧縮された冷媒ガスを前記システムの前記低圧領域へ排出し、前記補助圧縮機が、前記サンプシステム圧力および温度を維持し、それが、前記システム蒸発温度および圧力に対応するようになっている、システム。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、前記冷媒圧力を低減させるデバイスが、エジェクターポンプである、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、前記チラーがコーストダウンモードの状態であるということ、または、前記蒸気タービンがクールダウン後スローロールモードの状態であるということ、または、前記サンプシステムの中の飽和温度が閾値温度を超過しているということを決定することに応答して、前記システムが、外部冷却供給源から前記補助凝縮器へ冷却流体を提供する、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、前記システムが、中央制御システムをさらに含み、前記中央制御システムは、前記蒸気システムおよび前記冷媒システムの両方の動作を制御するように構成されており、前記中央制御システムが、容量制御システムを含み、前記容量制御システムは、離れていくチルド液体温度およびシステム圧力差に応答して、前記蒸気タービンの速度を調節し、前記冷媒システムの前記容量を制御するように構成されている、システム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、前記冷媒システムが、
前記圧縮機への冷媒のフローを調整するためのプレローテーションベーンと、
離れていくチルド液体温度およびシステム圧力差に応答して、前記プレローテーションベーンの位置を調節し、前記冷媒システムの前記容量を制御するように構成されている容量制御システムと
をさらに含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のヒートポンプシステムであって、
前記冷媒システムが、ホットガスバイパスバルブをさらに含み、前記冷媒システムの高圧側と前記冷媒システムの低圧側との間の冷媒のフローを調整し、
前記容量制御システムが、離れていくチルド液体温度およびシステム圧力差に応答して、前記ホットガスバイパスバルブの位置を調節し、前記冷媒システムの前記容量を制御するように構成されている、ヒートポンプシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のヒートポンプシステムであって、前記容量制御システムが、前記プレローテーションベーン、前記ホットガスバイパスバルブ、および、前記圧縮機の前記速度を制御し、前記圧縮機がサージ条件で動作することを防止するように構成されている、ヒートポンプシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1および第2のカップリングデバイスのそれぞれが、クラッチである、システム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1および第2のカップリングデバイスが、電磁カップリング、空気圧式のカップリング、またはエアクラッチのうちの1つである、システム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、可変幾何学形状ディフューザをさらに含み、前記可変幾何学形状ディフューザは、前記第1および第2の圧縮機の中のサージおよびストールを制御するように構成されている、システム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、渦電流近接プローブをさらに含み、前記渦電流近接プローブは、回転表面の磁気特性の相違を感知し、第1のまたは第2の圧縮機シャフトの運動を検出および測定するように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、実質的に滑らかな回転デバイスおよびカウンタボア表面をさらに含み、前記カウンタボア表面は、内部にねじ山の付いた複数の孔部をさらに含み、前記内部にねじ山の付いた複数の孔部は、前記シャフトから前記回転デバイスを引き抜くためのボルトを受け入れるように配置されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2013年12月12日に出願された「STEAM TURBINE DRIVEN CENTRIFUGAL HEAT PUMP」という表題の米国仮出願第61/915,227号の継続出願であり、その開示は、その全体が、本明細書で参照により組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、蒸気タービン駆動式の遠心ヒートポンプに関する。より具体的には、本発明は、2つの単一段の圧縮機を並列動作で駆動するダブルエンド型の蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]建物または他の構造体のための加熱および冷却システムは、典型的に、コイル状のチューブの中に流体を循環させることによって、構造体の中の温度制御を維持し、チューブの上に別の流体を通すことが、2つの流体の間で熱エネルギーを移送することをもたらすようになっている。そのようなシステムの中の主要コンポーネントは、圧縮機であり、圧縮機は、比較的に冷たい低圧ガスを受け入れ、高温高圧ガスを排出する。圧縮機は、スクリュー圧縮機などのような容積移送式圧縮機、レシプロ型圧縮機、およびスクロール圧縮機、ならびに、遠心圧縮機などのような圧縮機を含む。典型的に、電気モーターが、圧縮機に動力を与えるために使用されるが、ガスタービンが、大容量システムにおいて使用されてきた。最近の進歩は、可変速度モーターの利用を結果として生じさせ、大容量システムにおいて使用するための遠心圧縮機などのような圧縮機に動力を与え、また、設計全負荷速度よりも低い速度での動作が望ましいときに、部分負荷の間のチラーユニット効率を活用する。
【0004】
[0004]高容量システムの中の圧縮機に動力を与える別の手段は、蒸気タービンである。システムを設置するために必要とされる現場作業が過度であること、ならびに、蒸気タービン、蒸気凝縮器、およびチラーユニットの動作を完全に一体化する事前パッケージ化されたユニットを利用できないことに部分的に起因して、蒸気タービンは、チラーユニットの中の圧縮機に動力を与えるためにあまり頻繁に使用されてこなかった。
【0005】
[0005]必要とされているものは、蒸気タービンを用いてチラーユニットの圧縮機に動力を与えるための、コスト効率の良い効率的な容易に実装される方法または装置である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一実施形態では、遠心ヒートポンプシステムは、蒸気ループの中で接続されている蒸気供給部、蒸気タービン、および蒸気凝縮器を備える蒸気システムと、冷媒ループの中で接続されている第1の圧縮機および第2の圧縮機、冷媒凝縮器、ならびに蒸発器を含む冷媒システムとを含む。蒸気タービンは、回転駆動シャフトを含み、回転駆動シャフトは、軸線方向に配設されており、蒸気タービンの第1の端部および第2の端部から延在している。サンプシステムは、オイルまたは他の潤滑流体を収集して再分配するように設けられている。第1の圧縮機は、第1のカップリングデバイスによって蒸気タービン駆動シャフトの第1の端部に連結されており、第2の圧縮機は、第2のカップリングデバイスによって蒸気タービン駆動シャフトの第2の端部に連結されている。第1および第2の圧縮機は、冷媒ループの中で並列に接続されており、冷却負荷を等しく共有するように制御される。
【0007】
[0007]本発明の1つの利点は、蒸気タービンを使用してデュアル圧縮機を同時に駆動する能力である。別の利点は、磁気プローブおよび埋め込まれた磁石を使用し、圧縮機が蒸気タービン駆動シャフトから連結解除されたかどうかということを決定する能力である。さらに別の利点は、2つのマッチする圧縮機の間で負荷共有する能力である。代替的な例示的な実施形態は、特許請求の範囲において概して記載され得るような他の特徴、および、特徴の組み合わせに関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]本発明の蒸気タービン駆動式チラーユニットの平面図である。
図2】[0009]図1の蒸気タービン駆動式チラーユニットの側面図である。
図3】[0010]図1の蒸気タービン駆動式チラーユニットの端面図である。
図4】[0011]図1の蒸気タービン駆動式チラーユニットの部分平面図である。
図5】[0012]図1の蒸気タービン駆動式チラーユニットの部分側面図である。
図6】[0013]図1の蒸気タービン駆動式チラーユニットの端面図である。
図7】[0014]本発明の蒸気タービン駆動式チラーユニットに関する蒸気、冷媒、および冷却水フローの概略ダイアグラムである。
図8】[0015]関連のサンプシステムを示す、先行技術圧縮機の断面図である。
図9】[0016]先行技術圧縮機潤滑回路の簡略図である。
図10】[0017]本発明の圧縮機潤滑回路の簡略図である。
図11】[0018]補助圧縮機を利用する本発明の圧縮機潤滑回路の実施形態の簡略図である。
図12】[0019]エジェクターポンプを利用する本発明の圧縮機潤滑回路の実施形態の簡略図である。
図13】[0020]補助凝縮器および液体ポンプを利用する本発明の圧縮機潤滑回路の実施形態の簡略図である。
図14】[0021]補助凝縮器を利用する本発明の圧縮機潤滑回路の実施形態の簡略図である。
図15】[0022]例示的なスラストカラーの立面図である。
図16】[0023]図15のライン2−2に沿って見た断面図である。
図17】[0024]周期的な磁気インパルス−対−時間を示すグラフである。
図18】[0025]方法フローダイアグラムである。
図19】[0026]異なる半径において回転表面の上に配置されている2つの磁気センサおよび複数のターゲットを備える本発明の概略ダイアグラムである。
図20】[0027]図20Aは、表面が時計回りの方向に回転しているときの、図19のターゲット配置に対応するプローブ出力波形である。 [0028]図20Bは、表面が反時計回りの方向に回転しているときの、図19のターゲット配置に対応するプローブ出力波形である。
図21】[0029]回転シャフトの中に挿入されるターゲットを備える本発明の代替的な実施形態である。
図22】[0030]例示的なHVACシステムの概略ダイアグラムである。
図23】[0031]本発明の好適な実施形態の圧縮機108の部分断面図である。
図24】[0032]例示的なHVACシステムの実施形態に関する速度アンチサージマップを示すグラフである。
図25】[0033]図1のチラーユニットの制御システムの概略表示である。
図26】[0034]本発明の蒸気タービン駆動式チラーユニットの制御システムの概略表示である。
図27】[0035]本発明の制御プロセスの一実施形態のフローチャートである。
図28】本発明の制御プロセスの一実施形態のフローチャートである。
図29A】[0036]制御スキームの例示的な実施形態が、蒸気タービン駆動式のデュアル圧縮機システムに関して示されている図である。
図29B】制御スキームの例示的な実施形態が、蒸気タービン駆動式のデュアル圧縮機システムに関して示されている図である。
図29C】制御スキームの例示的な実施形態が、蒸気タービン駆動式のデュアル圧縮機システムに関して示されている図である。
図29D】制御スキームの例示的な実施形態が、蒸気タービン駆動式のデュアル圧縮機システムに関して示されている図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0037]本発明が適用される一般的なシステムが、例として、図1図7に図示されている。示されているように、HVAC、リフリジレーション、またはチラーシステム10は、蒸気タービン14によって回転可能に駆動される共通のシャフトの反対側端部に配設されている圧縮機12、12aと、冷媒凝縮器16と、水チラーまたは蒸発器18と、蒸気凝縮器20と、膨張デバイス22と、制御盤またはコントローラ90とを含む。制御盤90の動作は、より詳細に以下に議論されることとなる。チラーシステム10は、圧縮機潤滑システム11(図8)をさらに含み、圧縮機潤滑システム11は、望まれる場合には、蒸気タービン14に潤滑を提供するために使用され得る。従来の液体チラーシステム10は、図1図7に示されていない多くの他の特徴を含む。これらの特徴は、図示をしやすいように、図面を簡単化するために意図的に省略されている。
【0010】
[0038]チラーシステム10では、圧縮機12、12aが、冷媒蒸気を圧縮し、それを冷媒凝縮器16に送達する。圧縮機12、12aは、好ましくは、遠心圧縮機であるが、しかし、任意の他の適切なタイプの圧縮機が使用され得る。圧縮機12、12aは、蒸気タービン14によって駆動され、蒸気タービン14は、単一の速度または可変の速度のいずれかで、圧縮機12、12aを駆動することが可能である。たとえば、蒸気タービン14は、多段の可変速度タービンであることが可能であり、それは、チラーシステム10の効率をより厳密に最適化する速度で、圧縮機12、12aを動作させることができる。より好ましくは、蒸気タービン14は、約3200rpmから約4500rpmの範囲にある速度で、圧縮機12、12aを駆動することができる。蒸気タービン14への蒸気の供給は、好ましくは、約620.6kPa(90psi)から約1379.0kPa(200psi)の範囲内の乾燥飽和蒸気である。蒸気タービン14へ供給される蒸気のフローは、ガバナ48によって変調させられ、蒸気タービン14の速度を変化させ、したがって、圧縮機12、12aの速度を変化させ、圧縮機12、12aを通してより多いまたはより少ない量の冷媒体積流量を提供することによって、圧縮機の容量を調節することが可能である。別の実施形態では、蒸気タービン14は、単一の一定の速度で、および、圧縮機12、12aの容量を調節するために使用される他の技法で、たとえば、プレローテーションベーン(pre−rotation vanes)(PRV)80もしくはホットガスバイパスバルブ(HGV)84、または、それらの組み合わせの使用で、圧縮機12、12aを駆動することが可能である。
【0011】
[0039]圧縮機12、12aによって冷媒凝縮器16に送達される冷媒蒸気は、たとえば、空気または水などの流体との熱交換関係に入り、流体との熱交換関係の結果として、冷媒液体の相変化を受ける。好適な実施形態では、冷媒凝縮器16に送達される冷媒蒸気は、冷却塔に接続されている熱交換コイルを通って流れる流体、好ましくは水との熱交換関係に入る。冷媒凝縮器16の中の冷媒蒸気は、熱交換コイルの中の流体との熱交換関係の結果として、冷媒液体への相変化を受ける。冷媒凝縮器16からの凝縮された液体冷媒は、膨張デバイス22を通って蒸発器18へ流れる。
【0012】
[0040]蒸発器18は、冷却負荷に接続されている供給ライン38およびリターンライン40を有する熱交換コイルを含むことが可能である。たとえば、水、エチレンまたはプロピレングリコール混合物、塩化カルシウムブラインまたは塩化ナトリウムブラインなどの、二次的な液体が、リターンライン40を介して蒸発器18の中へ進行し、供給ライン38を介して蒸発器18を出ていく。蒸発器18の中の液体冷媒は、二次的な液体との熱交換関係に入り、二次的な液体の温度を低下させる。蒸発器18の中の冷媒液体は、二次的な液体との熱交換関係の結果として、冷媒蒸気への相変化を受ける。蒸発器18の中の蒸気冷媒は、蒸発器18を出ていき、吸い込みラインによって圧縮機12、12aへ戻り、サイクルを完了する。冷媒凝縮器16および蒸発器18の中の冷媒の適当な相変化が得られるという条件で、任意の適切な構成の冷媒凝縮器16および蒸発器18が、チラーシステム10の中で使用され得るということが理解されるべきである。
【0013】
[0041]蒸発器18から圧縮機12、12aへの入力部または入口部には、1つまたは複数のPRV80が存在しており、1つまたは複数のPRV80は、圧縮機12、12aへの冷媒のフローを制御し、それによって、圧縮機12、12aの容量を制御する。PRV80は、実質的に開いている位置と実質的に閉められている位置との間の任意の位置に位置決め可能であり、実質的に開いている位置では、冷媒フローは、圧縮機12、12aの排出端部において本質的に妨害されず、実質的に閉められている位置では、圧縮機12、12aの中への冷媒フローが制限される。閉位置において、PRV80は、圧縮機12、12aへの冷媒のフローを完全には停止させなくてもよいということが理解されるべきである。アクチュエーターが、PRV80を開けるために使用され、圧縮機12、12aを通って流れる冷媒を増加させ、それによって、システム10の冷却容量を増加させる。同様に、アクチュエーターが、PRV80を閉めるために使用され、圧縮機12、12aの中の冷媒フローの量を減少させ、それによって、システム10の冷却容量を減少させる。PRV80のためのアクチュエーターは、連続的な様式、または、段階的な様式もしくは増分的な様式のいずれかで、PRV80を開閉することが可能である。
【0014】
[0042]また、チラーシステム10は、チラーシステム10の高圧側および低圧側を接続するホットガスバイパス接続および対応するバルブ84を含むことが可能である。図7に図示されている実施形態では、ホットガスバイパス接続およびHGV84は、冷媒凝縮器16および蒸発器18を接続し、膨張デバイス22をバイパスさせる。別の実施形態では、ホットガスバイパス接続およびHGV84は、圧縮機吸い込みラインおよび圧縮機排出ラインを接続することが可能である。HGV84は、好ましくは、圧縮機12、12aのための再循環ラインとして使用され、圧縮機12、12aの排出部から、冷媒凝縮器16を介して、冷媒ガスを、蒸発器18を介して、圧縮機12、12aの吸い込み部へ再循環させる。HGV84は、実質的に開いている位置と実質的に閉められている位置との間の任意の位置に調節され得、実質的に開いている位置では、冷媒フローは、本質的に妨害されず、実質的に閉められている位置では、冷媒フローは制限される。HGV84は、連続的な様式、または、段階的な様式もしくは増分的な様式のいずれかで、開閉させられ得る。HGV84を開けることは、圧縮機吸い込み部へ供給される冷媒ガスの量を増加させ、サージ条件が圧縮機12、12aの中で起こることを防止することが可能である。
【0015】
[0043]蒸気タービンシステムに関して、蒸気供給部が、蒸気タービン14に蒸気を提供する。蒸気供給部からの蒸気は、好ましくは、湿分分離器64に進入する。湿分分離器64では、蒸気供給部からの湿分を多く含む蒸気が、進入し、遠心力による下向き運動で偏向させられる。蒸気の中に同伴されている湿分は、蒸気フローの速さの低減によって分離される。次いで、分離された湿分は、湿分出口部(図示せず)を通って落下し、乾燥飽和蒸気が、上向きに流れ、蒸気出口部(図示せず)を通って出ていき、それは、主蒸気入口部遮断バルブ69に向かって流れる。主蒸気入口部遮断バルブ69は、スタートアップ時に最小定格速度へのスローロールランプアップの間に、ガバナ48に向かって流れる蒸気の量を制御するように位置決めされ得る。ガバナ48は、蒸気フローを調整するために蒸気供給ラインの中に位置付けされており、好ましくは、蒸気タービン14の蒸気入口部に隣接して位置付けされている。ガバナまたはガバナバルブ48は、連続的な様式、または、段階的な様式もしくは増分的な様式のいずれかで、開閉させられ得る。蒸気タービン14は、蒸気供給部から蒸気を受け入れるために蒸気入口部を含む。蒸気供給部からの蒸気は、蒸気入口部を通って流れ、蒸気タービン14の回転可能なタービン部分を回し、そこからエネルギーを抽出し、蒸気タービン14のシャフト(図示せず)および圧縮機12、12aを相互接続するカップリング66を回す。蒸気タービン14のタービン部分を回転させた後に、次いで、蒸気は、蒸気排気部を通って蒸気タービン14を出ていく。
【0016】
[0044]好適な実施形態では、カップリング66は、蒸気タービン14と圧縮機12、12aとの間の直接的な回転接続を提供している。代替的な実施形態では、カップリング66は、1つまたは複数の歯車構成体(または、他の同様の構成体)を含み、蒸気タービン14と圧縮機12、12aとの間の相対的な回転速度を増加または減少させることが可能である。また、加えて、蒸気タービン14および圧縮機12、12aのうちの1つまたは両方は、カップリング66に接続されている内部歯車構成体を含み、蒸気タービン14または圧縮機12、12aの相対的な回転速度を調節することが可能である。
【0017】
[0045]別の実施形態では、圧縮機12、12aを蒸気タービン14の駆動シャフトに接続するそれぞれのカップリング66は、たとえば、緊急条件に直面するときなどに、チラー10の動作の間に切り離され得る。緊急条件は、たとえば、所定のオイル圧力の喪失、スラスト軸受に加えられるスラスト力の所定の変化、および、所定のサンプオイル温度を含む。加えて、たとえば、「近接プローブ」とも称される渦電流センサを使用して、カップリング66が蒸気タービン14の駆動シャフトから切り離されたことを確認する方式を有するということが望ましい。典型的に、渦電流センサは、インダクタンスコイルを有しており、インダクタンスコイルは、高周波電流を提供されると、磁界を発生させる。この磁界は、磁界の中に配設されている伝導性のターゲットの上に渦電流を誘導する。ターゲットは、静止しているか、または、磁界の中へもしくは磁界を通って移動していることが可能である。これらの渦電流は、磁界の振幅に影響を与える。渦電流センサは、信号調整電子機器と協力して、磁界の変化を検出し、出力信号を発生させ、出力信号は、センサとターゲットとの間の静的距離またはギャップに比例している。また、出力信号は、センサ場所に関して、距離の動的変化、すなわち、移動または振動との関係で比例している。たとえば、インサートがその中に装備されているスラストカラー44とは異なる磁気特性を有するインサートとともに、近接プローブを使用する結果として、シャフトの回転速度が決定され得、より正確には、本出願では、圧縮機12、12aの回転速度が減少しているかどうかということが決定され得、それは、カップリング66が蒸気タービン14から圧縮機12、12aを成功して切り離す結果として起こることとなる。一実施形態では、カップリング66は、蒸気タービンシャフトがもはや回転していない状態になると再接続されることとなる。
【0018】
[0046]他の実施形態では、カップリング66は、電磁カップリング、空気圧式のカップリング(すなわち、エアクラッチ)、または、他の適切なタイプのカップリングシステムであることが可能である。
【0019】
[0047]加えて、タービン蒸気リングドレンバルブ63が提供され、蒸気タービン14のスローロールウォームアップの間に、オペレーターが蒸気タービン14から任意の凝縮液を除去することを可能にする。グランドシール蒸気供給バルブ67が使用され、スローロールの間に、グランドシール供給圧力調整バルブに蒸気が入ることを許すことが可能である。蒸気凝縮器真空ポンプ65は、圧縮機12、12aによって必要とされるパワーを作り出すために蒸気タービン14に関して必要とされる所望の真空まで、蒸気凝縮器およびタービン排気を排気する。
【0020】
[0048]蒸気タービン14から排気される蒸気は、蒸気凝縮器20へ流れる。蒸気凝縮器20の中で、蒸気タービン14からの蒸気/凝縮液フローは、蒸気を冷却するために蒸気凝縮器20を通って流れる冷却水との熱交換関係に入る。蒸気凝縮器20は、ホットウェル43を含み、ホットウェル43は、凝縮液再循環システム46に接続されている。凝縮液再循環システム46は、ホットウェル43の中に凝縮液出口部を含み、それは、ホットウェル43から凝縮液ポンプ62へ凝縮液を提供または移送することが可能である。凝縮液ポンプ62から、凝縮液は、蒸気凝縮器20の凝縮液再循環入口部に、および/または、蒸気供給部の凝縮液リターン入口部に、選択的に提供される。このように、凝縮液再循環システム46は、蒸気凝縮器20を通る凝縮液の事前選択されたフローを維持し、また、さらなる蒸気の発生のために蒸気供給部へのリターン凝縮液を維持することが可能である。
【0021】
[0049]上記に議論されているように、冷却塔または他の供給源からの冷却水は、好ましくは、冷却水供給ライン70によって冷媒凝縮器16へ導かれる。冷却水は、冷媒凝縮器16の中で循環させられ、冷媒ガスから熱を吸収する。次いで、冷却水は、冷媒凝縮器16を出ていき、蒸気凝縮器20へ導かれ、または提供される。冷却水は、蒸気凝縮器20の中で循環させられ、蒸気タービン14から排気される蒸気から熱をさらに吸収する。蒸気凝縮器20から流れる冷却水は、冷却水リターンライン76によって冷却塔へ方向付けされ、冷却水の温度を低減させ、次いで、冷却水は、冷媒凝縮器16に戻され、サイクルを繰り返すことが可能である。
【0022】
[0050]典型的に、蒸気凝縮器20は、冷媒凝縮器16よりも高い温度で動作する。冷媒凝縮器16を通して、次いで、蒸気凝縮器20を通して、直列配置または連続的な配置で、冷却水を送ることによって、低温冷却水は、冷媒凝縮器16の中の熱を吸収することが可能であり、次いで、蒸気凝縮器20へ移送され、追加的な熱を吸収することが可能である。好適な実施形態では、冷媒凝縮器16および蒸気凝縮器20の両方を冷却するために冷却水を使用するこの能力は、適当な冷媒凝縮器16および蒸気凝縮器20を選択することによって達成され得る。冷媒凝縮器16からの出口冷却水温度が、蒸気凝縮器20に関する最大許容可能な入口冷却水温度よりも低くなるように、冷媒凝縮器16が選択される。チラーシステム10の中の凝縮器(冷媒および蒸気)冷却水に関するこの直列の流路または連続的な流路は、冷却水の複数の供給部についての必要性を低減させることが可能であり、チラーシステム10に必要とされる冷却水の合計量を低減させることが可能である。
【0023】
[0051]図25に図示されているように、制御盤90は、アナログデジタル(A/D)コンバータおよびデジタルアナログ(D/A)コンバータと、マイクロプロセッサ96と、不揮発性メモリまたは他のメモリデバイス92と、チラーシステム10の様々なセンサおよび制御デバイスと通信するためのインターフェースボード98とを含む。加えて、制御盤90は、ユーザーインターフェース94に接続され、または、ユーザーインターフェース94を組み込むことが可能であり、ユーザーインターフェース94は、オペレーターが制御盤90と相互作用することを可能にする。オペレーターは、ユーザーインターフェース94を通して、制御盤90に関するコマンドを選択し、入力することが可能である。加えて、ユーザーインターフェース94は、オペレーターのために、チラーシステム10の動作状況に関する制御盤90からのメッセージおよび情報を表示することが可能である。ユーザーインターフェース94は、たとえば、チラーシステム10もしくは制御盤90の上に装着されるなど、制御盤90に対してローカルに位置付けされ得、または、代替的に、ユーザーインターフェース94は、たとえば、チラーシステム10から離れた別々の制御室の中に位置付けされるなど、制御盤90から遠隔に位置付けされ得る。
【0024】
[0052]マイクロプロセッサ96は、単一制御アルゴリズムもしくは単一制御システム、または中央制御アルゴリズムまたは中央制御システムを実行または使用し、圧縮機12、12a、蒸気タービン14、蒸気凝縮器20、および、チラーシステム10の他のコンポーネントを含む、チラーシステム10を制御する。一実施形態では、制御システムは、マイクロプロセッサ96によって実行可能な一連のインストラクションを有するコンピュータープログラムまたはソフトウェアであることが可能である。別の実施形態では、制御システムは、当業者によって、デジタルハードウェアおよび/またはアナログハードウェアを使用して、実装および実行され得る。さらに別の実施形態では、制御盤90は、複数のコントローラを組み込むことが可能であり、複数のコントローラが、個別の機能をそれぞれ果たし、中央コントローラが、制御盤90の出力を決定する。ハードウェアが、制御アルゴリズムを実行するために使用される場合には、制御盤90の対応する構成が変化させられ、必要なコンポーネントを組み込み、また、もはや必要とされない可能性がある任意のコンポーネントを除去することが可能である。
【0025】
[0053]チラーシステム10の制御盤90は、チラーシステム10のコンポーネントから、多くの異なるセンサ入力を受信することが可能である。制御盤90に対するセンサ入力のいくつかの例が以下に提供されているが、制御盤90は、チラーシステム10のコンポーネントから、任意の所望のまたは適切なセンサ入力を受信することが可能であるということが理解されるべきである。圧縮機12、12aに関連する制御盤90に対するいくつかの入力は、圧縮機排出温度センサ、圧縮機オイル温度センサ、圧縮機オイル供給圧力センサ、およびプレローテーションベーン位置センサからのものであることが可能である。蒸気タービン14に関連する制御盤90に対するいくつかの入力は、タービンシャフト端部軸受温度センサ、タービンガバナ端部軸受温度センサ、タービン入口蒸気温度センサ、タービン入口蒸気圧力センサ、タービン第1段蒸気圧力センサ、タービン排気圧力センサ、タービン速度センサ、およびタービントリップバルブ状況センサからのものであることが可能である。
【0026】
[0054]蒸気凝縮器20に関連する制御盤90に対するいくつかの入力は、ホットウェル凝縮液レベルセンサ、ホットウェル高レベル状況センサ、およびホットウェル低レベル状況センサからのものであることが可能である。冷媒凝縮器16に関連する制御盤90に対するいくつかの入力は、進入していく冷媒凝縮器水温度センサ、離れていく凝縮器水温度センサ、冷媒液体温度センサ、冷媒凝縮器圧力センサ、サブクーラー冷媒液体レベルセンサ、および冷媒凝縮器水フローセンサからのものであることが可能である。蒸発器18に関連する制御盤90に対するいくつかの入力は、離れていくチルド(chilled)液体温度センサ、リターンチルド液体温度センサ、蒸発器冷媒蒸気圧力センサ、冷媒液体温度センサ、およびチルド水フローセンサからのものであることが可能である。加えて、コントローラ90に対する他の入力は、サーモスタットまたは他の同様の温度制御システムからのHVAC&Rデマンド入力を含む。
【0027】
[0055]そのうえ、チラーシステム10の制御盤90は、チラーシステム10のコンポーネントに関して、多くの異なる制御信号を提供または発生させることが可能である。制御盤90からの制御信号のいくつかの例が、以下に提供されているが、制御盤90は、チラーシステム10のコンポーネントに関して任意の所望のまたは適切な制御信号を提供することが可能であるということが理解されるべきである。制御盤90からのいくつかの制御信号は、タービンシャットダウン制御信号、圧縮機オイルヒーター制御信号、可変速度オイルポンプ制御信号、タービンガバナバルブ制御信号、ホットウェルレベル制御信号、HGV制御信号、サブクーラー冷媒液体レベル制御信号、プレローテーションベーン位置制御信号、および蒸気入口バルブ制御信号を含むことが可能である。加えて、技術者がユーザーインターフェース94の中へシャットダウンコマンドを入力したとき、または、メモリデバイス92の中に記録されている事前選択されたパラメーターからの偏差が検出されるときのいずれかに、制御盤90は、タービンシャットダウン信号を送信することが可能である。
【0028】
[0056]制御盤90の上のマイクロプロセッサ96によって実行される中央制御アルゴリズムは、好ましくは、容量制御プログラムまたはアルゴリズムを含み、蒸気タービン14の速度を制御し、それによって、圧縮機12、12aの速度を制御し、冷却負荷を満足させるために、圧縮機12、12aから所望の容量を発生させる。容量制御プログラムは、好ましくは、蒸発器18の中の離れていくチルド液体温度に直接的に応答して、蒸気タービン14および圧縮機12、12aに関する所望の速度を自動的に決定することが可能であり、その温度は、チラーシステム10における冷却負荷デマンドのインジケーターである。所望の速度を決定した後に、制御盤90は、適当な蒸気タービンシステムコンポーネントへ制御信号を送信または伝送し、蒸気タービン14に供給される蒸気のフローを変化させ、それによって、蒸気タービン14の速度を調整する。
【0029】
[0057]容量制御プログラムは、事前選択された範囲の中で、チラーシステム10の選択されたパラメーターを維持することが可能である。これらのパラメーターは、タービン速度、チルド液体出口温度、タービンパワー出力、ならびに、最小圧縮機速度および圧縮機プレローテーションベーン位置に関するアンチサージリミットを含む。容量制御プログラムは、本明細書で説明されている様々な動作パラメーターを監視するセンサからの連続的なフィードバックを用い、システム冷却負荷の変化に応答して、タービン14および圧縮機12、2aの速度を連続的に監視し、変化させる。すなわち、チラーシステム10が、追加的な冷却容量または低減される冷却容量のいずれかを必要とするときに、チラー10の中の圧縮機12、12aの動作パラメーターは、新しい冷却容量要件に応答して、対応して更新または訂正される。最大動作効率を維持するために、圧縮機12、12aの動作速度は、容量制御アルゴリズムによって、頻繁に変化させられ、または調節され得る。そのうえ、システム負荷要件とは別に、容量制御プログラムは、冷媒システム圧力差も連続的に監視し、チラーシステム10の中の冷媒の体積流量レートを最適化し、蒸気タービン14の結果として生じる蒸気効率を最大化する。
【0030】
[0058]また、中央制御アルゴリズムは、チラーシステム10のスタートアップおよびルーチン動作の両方の間のチラーシステム10に関する様々な動作パラメーターの監視機能を制御盤90に提供する他のアルゴリズムおよび/またはソフトウェアを含む。低タービン速度、低タービンオイル圧力、または低圧縮機オイル圧力などのような、望ましくない動作パラメーターは、論理関数とともに制御盤90の中へプログラムされ、望ましくないパラメーター、または、システム設計を超えるパラメーターが検出される場合には、たとえば、チラーシステム10のシャットダウン、または、蒸気タービン14および圧縮機12、12aの連結解除など、適当な是正措置をとることが可能である。追加的に、中央制御アルゴリズムは、チラーシステム10の動作パラメーターの多くに関して事前選択されたリミットを有しており、技術者がこれらのリミットの外側でチラーシステム10を手動で動作させることを防止することが可能である。
【0031】
[0059]好適な実施形態では、容量制御プログラムは、蒸発器18から離れていくチルド液体温度(LCLT)の変化に応答して、タービン14(および、圧縮機12、12a)の速度、PRV80の位置、および、HGV84の位置を制御することが可能である。図26図28は、本発明の容量制御プログラムに関する容量制御プロセスの実施形態を図示している。図26は、システム10に関するローディングプロセスを全体的に図示しており、図27は、システム10に関するアンローディングプロセスを全体的に図示している。ここで図26を参照すると、プロセスは、ステップ502において、システム圧力差(PD)に応答して、最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)を計算することによって開始し、システム圧力差(PD)は、凝縮器圧力から蒸発器圧力を引くことによって計算される。
【0032】
[0060]示されている実施形態では、蒸気タービン14は、反対側端部に配設されている圧縮機12、12aを駆動するための2つの出力シャフト(図示せず)を含む。圧縮機12、12aは、互いの鏡像として製造されており、それらは共通のシャフトに取り付けられているので、蒸気タービン14の反対端部に位置付けされる対称性を提供することが可能であり、したがって、反対側方向に向きながら同じ方向に回転しなければならない。代替的に、圧縮機12、12aは、同じ方向を向いて共通のシャフトに取り付けられ得、圧縮機12、12aが、互いに同一であり得るようになっている。
【0033】
[0061]本開示の別の態様は、概して、リフリジレーションの際に使用される潤滑システムの中の潤滑剤の中の混和性の冷媒の量を低減させることに関する。代替的に、非混和性の冷媒を有する潤滑システムが、潤滑システムの中で使用され得る。
【0034】
[0062]図8は、先行技術の遠心圧縮機および関連のサンプシステムの断面図である。図8は、圧縮機23およびオイルサンプ11を示している。ある程度の潤滑オイルが、補助オイル貯蔵部32の中に保持されており、補助オイル貯蔵部32は、停電の場合のコーストダウン(coastdown)の間にある程度のオイル供給を維持することが意図されている。圧縮機23は、入口部34を含み、入口部34は、低圧力供給源から、典型的に、蒸発器18(図7に示されている)から、冷媒ガスを受け入れる。冷媒ガスは、ボリュート38に送達される前に、インペラ36によって圧縮される。潤滑が提供され、シャフトシール39、メインジャーナルおよびスラスト軸受42、スラストカラー44、ダブルベローズシャフトシール46、低速ギヤ後方軸受48、ピニオンギヤシャフト軸受50、スラストカラー軸受52、および低速ギヤ54を潤滑する。少量の冷媒ガスは、加圧されているので、インペラ36から上記に説明されている様々な潤滑されるコンポーネントの中へ常にリークするので、潤滑剤および冷媒が、互いに接触している。圧縮機コンポーネントを潤滑した後に、潤滑剤/冷媒混合物は、重力によって、導管56を通ってサンプ11の中へドレン排出する。再循環させられる前に、オイルサンプ11の中に落ち着く(settling)間に、冷媒ガスは、サンプの中の圧力条件および温度条件に応じて、定常状態溶解度を超える混合物から解放される。任意の1つの瞬間においてサンプ11の中に収集することができる冷媒の正確な量は、測定することが困難であるが、オイルによって吸収される冷媒のフロー、および、サンプ11の中で分離されるべき冷媒のフローは、圧縮機の合計フローの約1〜3%であるということが推定される。圧縮機が停止させられるときにオイルが冷却するときの望ましくないオイル粘度を回避するために、オイルヒーター57が提供されており、所定の温度範囲内に潤滑剤を加熱または維持し、それが、圧縮機23がスタートするとすぐに適正な粘度を有するようになっている。流体は、液中ポンプ60によってサンプ11からポンプ送りされ、オイルクーラー62へ送られ、オイルクーラー62は、オイルがその所定の動作温度を上回っているときだけ活性化させられる。サンプの中のオイルから分離される冷媒ガスは、ベントライン102(図9を参照)を通して圧縮機入口部34へ送られ、一方、オイルは、混和性の冷媒ガスを依然として含むことが可能であり、オイル備蓄部32へ送られ、オイルは、潤滑目的のために、圧縮機に対して計量され、潤滑サイクルが繰り返す。
【0035】
[0063]遠心圧縮機を使用する水チラーおよびヒートポンプは、通常、炭化水素に由来する合成冷媒流体を使用している。環境上の関心に起因して、合成冷媒のいくつかの族が使用されてきたか、もしくは使用されているところであり、または開発中であり、CFC類、HCFC類、HFC類、もしくはHFO類の族に属している。今日動作しているほとんどの遠心式チラーは、HFC−134aを使用している。より高い温度範囲のヒートポンプアプリケーションに関して、HFC−245faのようなより低い圧力流体を使用する傾向がある。これらのHFC類は、将来世代のヒドロフルオロオレフィン(HFO類)によって、ある程度まで交換されそうである。代替的に、ヒートポンプアプリケーションは、低い地球温暖化係数の代替冷媒評価プログラム(Low Global Warming Potential Alternative Refrigerants Evaluation Program)(Low−GWPAREP)の冷媒(低GWP)を使用するように構成され得る。
【0036】
[0064]蒸発圧力および温度が水チラーの中よりも実質的に高くなる傾向があるヒートポンプシステムでは、オイル温度も、オイルダイリューションを許容可能な値に維持するために、より高い値に設定されるべきである。このより高い温度の結果として、水チラーシステムの中などで同じ等級のオイルが使用される場合には、オイル粘度が低減されることとなる。より高い粘度を有するオイル等級は、ヒートポンプシステムの中で経験される、より高い温度を補償するために使用され得る。しかし、粘度に対してこの補償をしたとしても、そのようなヒートポンプシステムの中の温度上昇は、他の問題を引き起こす。これらのうち、オイル温度が高くなり過ぎることとなる場合には、シャフトシールおよび軸受の故障のリスクがある。本発明は、温度差に起因する、標準的なチラーの動作とより高い温度のヒートポンプの動作との間の差のいくらかを補償するシステムを提供する。本発明は、小規模な安価な修正によって、チラーアプリケーションの中で使用されている現在の標準的な圧縮機システムの適用の範囲を、ヒートポンプアプリケーションに広げるはずである。
【0037】
[0065]図9は、先行技術図8の簡単化されたバージョンの断面表示であり、それは、簡単化された潤滑サイクル概略図を示しており、潤滑剤および混和性の冷媒が、圧縮機23から導管56を通してサンプ11へドレン排出されており、次いで、サンプ圧力で、冷媒ガスが、ガス導管102に沿って圧縮機入口部に戻されており、一方、混和性の冷媒を伴う潤滑剤は、導管104に沿って圧縮機23に戻されている。
【0038】
[0066]図9から図13は、先行技術、および、本発明によって提供される改善を示す簡略図であるが、図8に示されている潤滑回路の動作に必要とされる特徴は、本明細書で述べられているように、圧力減少部(reducer)409の追加を伴うが、図10図13に表されている回路の中にも存在している。
【0039】
[0067]図10は、簡略図を再び使用して、本発明の簡単化されたバージョンを提供している。図10では、圧力減少部409は、圧縮機潤滑システム11の一部として、サンプ11と圧縮機入口部34との間に位置決めされており、サンプの中の冷媒ガスの圧力を低減させながら、サンプから冷媒ガスを引き出す。圧力減少部409は、接続411を通して圧縮機34の入口部に接続されるものとして示されているが、それは、そのように制限されておらず、また、当業者によって認識されることとなるように、圧力減少部409は、リフリジレーション回路の任意の低い圧力点に接続され得る。ほとんどの場合、この低い圧力点は、蒸発器18であるか、または、蒸発器18もしくは蒸発器入口部と圧縮機入口部34との間の任意の接続(圧縮機入口部34を含む)である。圧力減少部409は、オイルサンプの中の冷媒ガスの圧力(および温度)の低下を可能にする。先に述べられているように、オイルサンプ11の中の冷媒ガスの圧力の低下は、オイルの中の冷媒のダイリューションを低減させ、それによって、シャフトシールおよび軸受の潤滑を提供する間のオイル粘度の低減を緩和する効果を有している。オイルサンプの中の圧力を低下させることは、いくつかの組み合わせられた利益を組み合わせる「好循環(virtuous cycle)」を開始させ、そのうちの1つは、ヒートポンプ条件において遭遇されるような、より高い蒸発温度および圧力において動作するリフリジレーションシステム21の能力である。そのようなヒートポンプ条件で動作するときに、圧力低減に関するターゲットは、水チラーとして動作しているときと同じ圧縮機の有効性が認められた範囲と一貫した値に、オイルサンプガス圧力を設定することとなる。したがって、たとえば、所与の冷媒による20℃(68°F)の蒸発温度に関して、所与のタイプの圧縮機の有効性が認められる場合には、ターゲットは、チラーに関して標準的な値にすべての潤滑パラメーターを設定するために、ヒートポンプ動作において、20℃飽和温度に対応するサンプ圧力を設定することとなる。当然のことながら、これは、マシンが信頼性のあるものとなることを保証するには十分でない。この一連の措置は、高温ヒートポンプアプリケーションにおける使用のために、標準的な圧縮機を変更する際の問題のすべてを解決することとならないが、設計圧力、シャフトパワー、軸受負荷などのような他のパラメーターが有効にされるはずであるので、潤滑に関連付けされる問題が解決されるはずである。図8に示されているようなシステムの詳細のすべてが、図10の簡単化されたバージョンに示されているわけではないが、圧力減少部409がサンプとリフリジレーションシステム21の低い圧力点との間に含まれていることを除いて、図8に示されているシステムの詳細のすべては、図10の簡単化されたシステムの中にもある可能性があるということが理解されることとなる。
【0040】
[0068]圧縮機に潤滑を提供することに加えて、代替的な実施形態では、潤滑システムは、蒸気タービンコンポーネントのための潤滑を提供するためにも使用され得る。
[0069]オイルサンプの中の圧力低減は、異なる方式で実現され得る。図11は、簡略図を再び使用して、本発明の実施形態の簡単化されたバージョンを示している。図8に示されているようなシステムの詳細のすべてが、図11の簡単化されたバージョンに示されているわけではないが、圧力減少部509がサンプとリフリジレーションシステム21の低い圧力点との間に含まれているということを除いて、図8に示されているシステムの詳細のすべては、図11の簡単化されたシステムの中にもある可能性があるということが理解されることとなる。図11では、圧力減少部は、小さい追加的な「補助」圧縮機509であり、小さい追加的な「補助」圧縮機509は、サンプ11と圧縮機入口部との間に位置決めされており、サンプの中の冷媒ガスの圧力を低減させながら、サンプ11から冷媒ガスを引き出す。補助圧縮機509は、その吸い込み側が、オイルサンプ11のガス体積に接続されており、その排出側が、たとえば、メイン圧縮機23の圧縮機入口部に接続されている。この実装形態では、補助圧縮機509の容量は、それが、オイルサンプ11の中の圧力を、上記に説明されているような事前選択された値に維持するように制御される(たとえば、上記の例では、20℃における冷媒流体の飽和圧力に対応する)。上記に議論されているように、および、当業者によって認識されるように、補助圧縮機509の排出は、また、図7に示されているような蒸発器18などのような、リフリジレーションシステム21の中の任意のより低い圧力点に接続され得る。
【0041】
[0070]本発明の実施形態の簡略図である図12に示されている別の実施形態では、ジェットポンプとも称されるエジェクターポンプ609が、サンプ11に関連付けされた圧力減少部として示されている。繰り返しになるが、図8に示されているようなシステムの詳細のすべてが、図12の簡単化されたバージョンに示されているわけではなく、エジェクターポンプ609がサンプとリフリジレーションシステムの低い圧力点との間に位置決めされているということを除いて、図8に示されているシステムの詳細のすべては、図12の簡単化されたシステムの中にもある可能性があるということが理解されることとなる。図12では、導管615は、必要とされる場合には、膨張バルブを通過した後に、凝縮器25に流体連通しており、導管615からの高圧ガスは、エジェクターポンプ609を動作させるためのエネルギーを提供するために使用されている。エジェクター出口部において、凝縮器25からのこの高圧流体とオイルサンプ11からポンプ送りされる低圧ガスとの混合物は、リフリジレーションシステムの中の低い圧力点へ、好ましくは、蒸発器へ送られる。(図10および図11との一貫性を保つために)導管611を介して圧縮機入口部34に直接的に流体連通しているものとして図12に示されているが、低い圧力点は、圧縮機23と低い圧力にある蒸発器との間の任意の中間場所にあることが可能である。ジェットポンプを使用するこの実施形態の利点は、それが、図5の補助圧縮機の使用によって見出されるような可動パーツを回避するということである。この実施形態は、欠点に悩まされており、その理由は、エジェクターポンプは、通常、相対的に低い効率を有しており、したがって、リフリジレーションシステムのエネルギー効率に不利益をもたらすからである。それにもかかわらず、リフリジレーションシステム21の中でのエジェクターポンプ609の使用は、実行可能なオプションであり、潤滑システムが、ヒートポンプアプリケーションの中で見られる、より高い温度システムとともに動作することを可能にしながら、サンプ11の中の冷媒を低減させる。
【0042】
[0071]本発明の実施形態の簡略図である図13に示されている本発明の好適な実施形態では、補助凝縮器709が、サンプ11に関連付けされる圧力減少部として示されている。繰り返しになるが、図8に示されているようなシステムの詳細のすべてが、図13の簡単化されたバージョンに示されているわけではなく、補助凝縮器709がサンプ11とリフリジレーションシステムの低い圧力点との間に含まれているということを除いて、図8に示されているシステムの詳細のすべては、図13の簡単化されたシステムの中にもある可能性があるということが理解されることとなる。図13では、サンプ11からの冷媒ガスは、導管713を介して補助凝縮器709に流体連通している。サンプ11からのガスは、補助凝縮器709に進入し、補助凝縮器709において、それは、冷却回路715を通って流れる冷却流体と熱交換関係になっている。水もしくは空気、または他の適切な流体などのような、冷却回路715の中の冷却流体が、冷媒ガスを冷却し、ガスから液体へとそれを凝縮させ、液体は、液体貯蔵スペース717へ送られる。
【0043】
[0072]補助凝縮器709は、オイルサンプ11の中の所望の冷媒圧力に等しい凝縮圧力を提供するように選択される。これは、補助凝縮器709の中の冷媒ガスが、ヒートポンプの冷熱源よりも低い温度の冷却流体によって冷却されることを必要とする。たとえば、補助凝縮器709の中の所望の凝縮圧力が、20℃(68°F)飽和温度に対応する場合には、補助凝縮器709は、好ましくは、約12℃(約54°F)の進入温度および約18℃(約64°F)の離れていく温度を有する水を用いて冷却される。冷却水は、任意の利用可能なチルド水供給源から、および、所望の温度範囲内の地下水から提供され得る。凝縮圧力は、補助凝縮器709の冷却回路715を通る冷却流体のフローおよび/または温度を変化させることによって制御され、オイルサンプ11の中の所望のガス圧力を維持することが可能である。図13に示されているように、凝縮された冷媒のための液体貯蔵スペース717は、示されているように別々の容器であることが可能であるか、または、補助凝縮器709と一体になっている別々の貯蔵スペースであることが可能である。
【0044】
[0073]システムの原理にしたがって、液体貯蔵スペース717は、メイン冷媒回路の中の圧縮機および蒸発器よりも低い圧力になっている。液体貯蔵スペース717の中の液体冷媒の蓄積を回避するために、冷媒が、ポンプ719によって、貯蔵スペース717からポンプ送りされ、冷媒システム21に戻されなければならず、ポンプ719は、液体レベルセンサ721によって制御される。このポンプ719は、その吸い込み側が、流体貯蔵スペース717に接続されており、およびその排出側が、冷媒システム21に連通している。ポンプのヘッドおよび吸収されるパワーを低減させるために、メイン冷媒回路21の中の低圧部分の中にポンプ排出を設定することが好適である。この低圧領域は、圧縮機入口部であることが可能であるが、図9図12に関して先に議論されているように、図13は、膨張バルブ31と蒸発器18との間の導管として低圧領域を示しているが、冷媒は、膨張バルブ31と圧縮機吸い込み部34との間などのような、任意の都合の良い点における低圧領域へ送られ得る。また、通常、圧縮機吸い込み部34(入口部)の中へ直接的に冷媒液体を送ることを回避し、圧縮機23の液体フラッディング(flooding)を回避するということが望まれる。したがって、たとえば、蒸発器18の液体入口部などにおいて、蒸発器18にこの液体冷媒を供給するときのように、膨張バルブ31と蒸発器18との間の導管に沿う場所が望ましい入力である。より具体的には、蒸発器18が、乾燥膨張技術(シェルアンドチューブ熱交換器またはプレート熱交換器のいずれか)のものである場合には、蒸発器入口部において、メイン液体ラインの中へ液体冷媒を排出することが望ましい。蒸発器18は、満液式(flooded)タイプ、流下液膜式(falling film)、またはハイブリッド流下液膜式のものであり、代替例は、吸い込みパイプから離れた場所において、蒸発器シェルの中に直接的に液体を排出し、液体キャリーオーバーを回避することとなる。
【0045】
[0074]また、液体ポンプ719の動作を制御するための手段が設けられており、それは、液体レベルセンサ721として図13に示されている。所望の配置は、流体貯蔵スペース717を有することとなり、流体貯蔵スペース717は、補助凝縮器709の出口部に位置付けされており、液体冷媒が重力によって補助凝縮器709から貯蔵スペース717の中へ流れることを可能にする。この体積は、補助凝縮器709と同じシェル、または、別の容器と同じシェルのいずれかの中に含まれ得る。この貯蔵スペースの中の液体レベルは、制御ループを含む液体レベルセンサによって感知され、それは、簡単に、液体レベルセンサ721として示されている。液体レベルセンサ721のこの制御ループ部分は、流体貯蔵スペース717の中の液体レベルを事前設定された許容可能なリミットの中に維持するために、液体ポンプ719の動作を管理する。液体ポンプ719は、可変速度駆動部を有することが可能であり、速度が液体レベルセンサ721の制御ループによって制御されるか、または、液体ポンプ719は、また、同じ制御ループの制御の下で、オン/オフ動作シーケンスを有することが可能であるか、のいずれかである。
【0046】
[0075]潤滑が補助凝縮器709の中で必要とされる場合には、および、チラーシステム10が動作している場合には;または、チラー18がコーストダウンの状態にある場合には;または、蒸気タービン14がクールダウン後スローロール(post-cooldown slow roll)モードの状態にある場合には;または、オイルサンプ11の中の飽和温度が閾値温度を超過している場合には、制御システムは、外部供給源が冷却流体を補助凝縮器709に提供することを可能にする。
【0047】
[0076]チラー18がオフのときに、冷媒ガスは、サンプ11から圧縮機吸い込み部へベントされる。チラーがオンのときには、サンプ温度が、所定のベンティング温度、たとえば、デフォルトの25℃(77°F)の温度よりも低いときに;または、離れていくチルド水温度が、ベンティング設定点よりも高いときに、ベントバルブが励起され、サンプ圧力が、少なくとも最小閾値マージン、たとえば、20.69kPa(3psi)だけ、蒸発器圧力よりも高いときに、ベントバルブを開ける。アクティブになると、サンプ圧力が、所定の閾値、たとえば、41.37kPa(6psi)だけ、蒸発器圧力よりも低くなるまで降下するまで、ベントバルブは、オン状態のままになっている。
【0048】
[0077]チラー18がオンのときには、サンプ温度が所定のベンティング温度以上であるときに、または、サンプ圧力が、最小閾値マージン、たとえば、20.69kPa(3psi)だけ、蒸発器圧力を超過するときに、ベントバルブが励起される。蒸発器温度がサンプベンティング温度以上であり、かつ、サンプ圧力が、所定の閾値、たとえば、41.37kPa(6psi)だけ、蒸発器圧力よりも低いときに、ベントバルブが非励起にされる。停電条件の下で、補助凝縮器は、サンプ11へベントされ得る。
【0049】
[0078]チラー18が、貯蔵スペース717を加圧するのに十分な利用可能なヘッド圧力を有していないときには、貯蔵スペース717の中の冷媒は、冷媒液体ポンプを使用してポンプ送りされなければならない。ポンプは、貯蔵スペース717の中の高レベル指示によって活性化させられる。冷媒液体ポンプは、低レベル指示が貯蔵スペース717の中で測定されるまで、稼働し続ける。凝縮液貯蔵スペース717は、高冷媒レベルインジケータースイッチおよび低冷媒レベルインジケータースイッチに基づいて動作する。代替的に、チラーが稼働しているときに、高冷媒レベル指示は、補助凝縮器貯蔵スペースベントバルブの閉鎖を開始する。ベントバルブの閉鎖時間に相当する短い遅れの後に、貯蔵スペース717は、加圧バルブを開けることによって、凝縮器ガスによって加圧され得、それは、底部にある逆止バルブを介して、貯蔵スペース717から液体冷媒を押し出す。タンクがエンプティー条件を指示するときには、加圧バルブが閉められ、補助凝縮器収集スペースドレン/ベントバルブが開けられる。
【0050】
[0079]別の実施形態では、従来の機械的なポンプが、純粋に静的ポンピングシステムによって交換され得る。この実施形態に対する変形例では、静的ポンピングシステムは、メイン凝縮器25からの高圧ガスにより動力供給されたエジェクターポンプを利用することが可能である。流体貯蔵スペース717からポンプ送りされる液体とメイン凝縮器25からの高圧ガスの混合物が、蒸発器18に戻される。この実施形態に対するさらに別の変形例では、2つの容器が、補助凝縮器715の下方に位置付けされ得、それぞれは、補助凝縮器709の排出ポートに接続されている入口部(A)を有し、凝縮された冷媒液体を受け入れ、それぞれは、蒸発器またはメイン凝縮器25からガスを受け入れるために接続されている入口部(B)を有しており、それぞれは、蒸発器18に接続されている出口部(C)を有している。これらの接続のそれぞれは、開閉させられ得る自動バルブを有している。システムは、「バッチ」式に動作させられ、当業者に公知の原理を使用して、制御回路によって活性化させられる。このシステムは、半密閉式モーターの冷却に関連付けされるものとして、図14に表されている。「バッチ」式に動作するさらに別の実施形態では、蒸発器からのオイルリターンが、多すぎる蒸気を生み出す可能性があり、場合によっては、不十分な潤滑を結果として生じさせ、蒸留チャンバー(図示せず)が使用され得、蒸留チャンバーは、フラッシュタンクと称される場合もあり、電気的に加熱することによって動作させられ得る。フラッシュタンクが使用されるときには、補助凝縮器709のサイズが低減され得る。
【0051】
[0080]実施形態のいずれも、潤滑される圧縮機の中のオイルから冷媒を除去することを可能にする。補助圧縮機509またはエジェクターポンプ609は、有利には、オイルから冷媒を除去するために使用され得る。補助凝縮器709は、所望の温度の水が利用可能であるということを仮定すれば、動作するためのパワーを必要としないというさらなる利点を有している。しかし、それは、液体ポンプ719が、蒸発圧力で、または、蒸発圧力の近くで、冷媒システム21へ凝縮された液体を移送することを必要とする。
【0052】
[0081]補助凝縮器709は、圧縮機23の吸い込み圧力よりも低い値までオイルサンプの圧力を低減させるように配置されている。典型的に、圧縮機吸い込み部34は、システムの中の最低圧力である。補助凝縮器709を介した適当なオイルサンプ温度調整およびサンプ圧力管理の組み合わせは、デュアル圧縮機蒸気タービンを有利にする。オイルサンプ温度および圧力を制御する能力は、オイル品質およびオイルの中の冷媒ダイリューションを制御する能力を提供する。図14に示されているように、2つの容器は、補助凝縮器709の下方に位置付けされ得、それぞれは、補助凝縮器709からの液体出口部に接続されている入口部を有し、凝縮された冷媒液体を受け入れ、それぞれは、図14に示されているように、メイン凝縮器25から高圧ガスを受け入れるために接続されている高圧ガス入口部723を有しており、それぞれは、蒸発器18に接続されている出口部725を有している。凝縮器25は、図14において、高圧ガスに関して都合の良い供給源であるが、任意の他の高圧ガス供給源も利用され得る。高圧ガス入口部723は、流体貯蔵容器またはスペース717を空にするパワーを提供し、流体貯蔵容器717から蒸発器の中へ液体を押し出す。図14においてバルブ17、18、および19として示されているバルブは、それぞれの流体貯蔵容器717を選択的に空にし、充填する機能を果たすように作動させられる。それらの動作は、当業者にとって明快であり、いくつかのアイススケートリンクにおいて、液体ポンプを、代替的に使用される2つのレシーバーと交換するために使用されており、一方のレシーバーは、補助凝縮器からドレン排出する液体で充填されており、一方、他方のレシーバーは、凝縮器からの高圧ガスによって空にされる。これらの接続のそれぞれは、開閉され得る自動バルブを有している。システムは、「バッチ」式に動作させられ、当業者に公知の原理を使用して、制御回路によって活性化させられる。液体ポンプ719は、この配置では必要とされない。
【0053】
[0082]実施形態のいずれも、とりわけ、磁気軸受を利用するシステムにおいて、冷媒が軸受を冷却するために使用されることを可能にする。補助圧縮機509またはエジェクターポンプ609が有利に使用され得るが、しかし、これらのコンポーネントは、かなりのパワー消費を必要とし、または、そうでなければ、システム効率に不利益をもたらす可能性がある。補助凝縮器709は、所望の温度の水が熱交換のために利用可能であるということを仮定すれば、動作するためのパワーを必要としないというさらなる利点を有している。しかし、また、補助凝縮器を利用するシステムは、液体ポンプ719が、蒸発圧力で、または、蒸発圧力の近くで、冷媒システム21へ凝縮された液体を移送することを必要とする。これは、少量のパワーを必要とするが、それは、補助圧縮機509の動作から必要とされるパワーよりも著しく小さく、たとえば、エジェクターポンプ609の動作などによって、全体のシステム効率に対する不利益は存在しない。
【0054】
[0083]図14を参照して上記に説明されている基礎的な圧力減少部は、システムがそのように装備しているときに、冷媒がモーター動作および磁気軸受から熱を除去することを可能にしながら、モーターのキャビティーから冷媒を効果的に除去する。これらの圧力減少部は、有利には、典型的にチラーシステムよりも高い温度で動作するヒートポンプアプリケーションシステムの中で利用され得る。これらの圧力減少部は、冷媒のモーター冷却能力を拡大し、ヒートポンプアプリケーションのためにチラーシステム機器を使用することを可能にする。
【0055】
[0084]他の開示は、出願人の係属出願の米国仮特許出願第61/767,402号の中に含有されており、それは、その全体が参照により組み込まれている。
[0085]本開示の別の態様は、概して、蒸気タービンシャフト、または、圧縮機シャフトのうちの1つもしくは両方の回転運動を感知するための方法および装置に関する。本開示は、より具体的には、シャフト材料から変化している磁気特性を有する、シャフトの中に一体化されたインサートに応答して、渦電流センサを用いて、蒸気タービンシャフトの回転運動を感知することに関する。他の開示は、出願人の米国非仮特許出願第11/876,205に含有されており、それは、その全体が参照により組み込まれている。
【0056】
[0086]図15および図16では、開示されている実施形態は、回転表面の磁気特性の相違を感知する渦電流近接プローブの新規な適用を含み、蒸気タービンシャフトの運動を検出および測定するために使用される。図15および図16を参照すると、開示されている実施形態は、回転表面の磁気特性の相違を感知する渦電流近接プローブの新規な適用を含み、圧縮機シャフトの運動を検出および測定するために使用される。実質的に滑らかな回転デバイス10、たとえば、スラスト軸受またはシールは、スラストカラー表面23およびカウンタボア表面13を含む。ローディングスクリュー16が、駆動シャフト27に取り付けられているローターまたはファンブレード(図示せず)などのような、別の回転デバイスへのねじ込み式の取り付けのために、カウンタボア表面13を通してドリル穴開けされたスクリュー孔部19を通して挿入される。また、カウンタボア表面13は、回転デバイスを駆動シャフト27から引き抜くための、内部にねじ山の付いた孔部17の対を含む。駆動シャフト27は、キー溝およびキー17によって、スラストカラー44に回転可能に固定されている。
【0057】
[0087]スラストカラー表面23は、カウンタボア型の凹部26を含み、カウンタボア型の凹部26は、インサートプラグまたはターゲットエレメント24を受け入れるように寸法決めされている。カウンタボア型の凹部26の形状は、実質的に長方形断面で示されているが、たとえば、凹部26をドリル穴開けし、または穴開けするために使用されるツールに対応する、丸みを帯びた底部表面、部分的に丸みを帯びた底部表面、またはテーパー付きの底部表面を有する様々な断面形状が使用され得る。インサートプラグ24は、外側カラーリング材料の磁気特性とは実質的に異なる磁気特性、たとえば、伝導性または透過性を有する材料から形成されている。一実施形態では、スラストカラー表面23は、炭素鋼4340から構築され得、インサートプラグは、ステンレス鋼414から構築され得る。ステンレス鋼は、スラストカラー表面23の母材のものとは異なる磁気特性を所有している。
【0058】
[0088]上記の実施形態では、インサートプラグ24は、炭素鋼スラストカラー表面23の機械的な機能を果たすことができる。インサートプラグ24は、締まり嵌めによって、スラストカラー表面23の表面の中のカウンタボア型の凹部26の中へ挿入されている。次いで、インサートプラグ24が外側カラーリング23の表面と同一平面になるように、および、インサートプラグ24が外側カラーリング23の表面と同じ表面仕上げを有するように、シャフト27およびスラストカラー44の表面33は滑らかに機械加工される。
【0059】
[0089]磁気センサまたはピックアップ28が、インサートプラグ24に対向して、インサートプラグ24と概して同軸に位置決めされている。インサートプラグ24およびセンサ28は、同軸に配置されているシャフト27およびスラストカラー44の回転軸線30から軸線方向にオフセットされている。例示的なスラストカラー44では、インサートプラグ24は、内側リングの周囲部の外側に位置決めされているが、インサートプラグ24およびカウンタボア型の凹部26は、シャフト27およびスラストカラー44と実質的に同軸でない半径に沿ってどこかに位置付けされ得る。
【0060】
[0090]インサートプラグ24は、シャフト回転当たりに1回、磁気センサ28に隣接して通過するが、代替的な実施形態では、より高い周波数の磁気インパルスが望まれる場合には、2つ以上のインサートプラグが、所定の間隔で位置決めされ得る。回転の間にインサートプラグ24がセンサを通るときに、磁界の変化が、スラストカラー44の材料とは異なる磁気特性を有するインサートプラグ24のターゲット材料によって引き起こされる。インパルスが、2つの金属の異なる磁気特性に起因して、センサ出力信号の中に生成され、2つの金属は、それらがセンサ28に隣接して回転するときに、ターゲットおよび外側カラーリング材料のそれぞれに関連付けされる磁界36の摂動を引き起こす。センサ28は、ケーブルまたは他の伝送媒体(たとえば、ワイヤレス伝送器)を介して、インパルス信号を処理するためのコントローラ(図示せず)に接続されている。処理された信号は、たとえば、回転モーターもしくはエンジンの速度を制御するためのフィードバック制御ループを提供するために;速度計ディスプレイのために;または、過速度条件を検出するために、使用され得る。
【0061】
[0091]図17を参照すると、パルス40が、磁気センサ28によるインサートプラグ24の通過に対応する時間関数グラフに沿って図示されている。インパルス40は、時間間隔iで出現しており、時間間隔iは、シャフト27の回転速さに反比例して変化する。したがって、インパルススペーシングは、シャフト27が回転しているかどうかということを検出および測定するために、および、シャフト27の回転速さを決定するために、使用され得る。さらに、インパルス40は、追加的な振動センサと協力して用いられるときに、回転機械振動診断などのような様々な目的のために、位相基準として使用され得る。上記に説明されている実施形態によって、表面33の中に物理的な異常または寸法的な不連続性を導入することなく、有用な信号出力が発生させられ、それは、軸受またはカラー44の中にインサートプラグ24を位置付けするための有利な能力を提供する。
【0062】
[0092]次に図18を参照すると、回転機械の回転周波数を測定するための方法の一実施形態を示すダイアグラムがある。方法は、回転機械の蒸気タービンシャフトに沿って回転表面を提供することを含む(ステップ402)。次に、少なくとも1つの凹部が、ターゲットエレメントを受け入れるように回転表面の中に穴開けされ、挿入されたターゲットエレメント軸線が、回転機械の回転軸線からある距離で、および、回転機械の回転軸線に平行に、間隔を置いて配置されるようになっている(ステップ404)。次いで、ターゲット材料は、回転表面が構築される材料とは違う磁気特性を有するターゲットエレメントに関して選択される(ステップ406)。ターゲットエレメントが、回転表面の中に挿入される(ステップ408)。磁気センサが、1つまたは複数のターゲットエレメントの反対側に位置決めされる(ステップ412)。磁気センサは、それぞれ、回転表面およびターゲットエレメントの磁気特性によって誘導される磁界に応答して、および比例して、信号を発生させるように構成される(ステップ414)。マシンが回転すると、磁気が、センサによって感知される磁界を示す信号を発生させる。次に、システムは、発生させられた信号に基づいて回転周波数を計算する(ステップ416)。一実施形態では、方法は、回転エレメントの表面およびターゲットエレメントの表面を、同一平面の研磨された微細仕上げの表面へと仕上げることをさらに含むことが可能である。
【0063】
[0093]図19は、回転速さだけでなく、回転デバイス10の回転の方向を検出するために回転デバイス10の上に配置されている複数のインサートプラグを示している。第1のインサートプラグ24aは、外側縁部42から所定の半径方向の距離d2において、スラストカラー表面23の中に位置付けされており、それは、デバイス10が回転しているときに、第1の回転経路45を辿る。第2のインサートプラグ24bおよび第3のインサートプラグ24cは、第1の回転経路45から所定の半径方向の距離d1において、スラストカラー表面23の中に位置付けされており、デバイス10が回転しているときに、第2の回転経路46を辿る。第1のインサートプラグ24aは、インサートプラグ24b、24cの位置角度から半径方向にオフセットされる位置に位置付けされており、それは、α1およびα2によって指示されている。静止プローブ位置48、50は、それぞれ、第1および第2の経路44、46のそれぞれに沿った点に対応している。インサートプラグ24aは、1回転当たり1回、場所48において、第1のセンサプローブ28に隣接して通過し、また、インサートプラグ24bおよび24cのそれぞれは、1回転当たり1回、場所50において、第2のセンサプローブ28に隣接して通過する。インサートプラグ24a、24b、24cの磁気特性は、それぞれのインサートプラグ24a、24bおよび24cが、それぞれ、場所48および50において、センサプローブ28の近位を通過する時間に対応するパルスを、場所48、50におけるセンサプローブ28が発生させることを引き起こす。結果として生じるセンサ出力信号の波形は、図20Aおよび図20Bに示されている。図20Aに示されているような時計回りの回転に関して、波形53は、場所50におけるプローブ28に対応する2つの方形波またはパルスを含み、また、波形54は、場所48におけるプローブ28に対応する、波形53のパルスより遅れる単一の方形波またはパルスを含む。インサートプラグ24a、24b、および24cの非対称的な配置は、波のシーケンスが繰り返す前に長い間隔を提供し、それは、どちらのパルス、または、パルスの対が、シーケンスの中で最初に出現しているかということを指示している。図20Bを参照すると、デバイス10の回転は、反時計回りであり、したがって、パルス波形54が、パルス波形53を先導している。代替的な実施形態では、回転方向を感知するために、インサートプラグ24aおよび24bおよびプローブ48は、縁部24からある半径方向の距離d1において、同じ経路の中に存在することが可能である。インサートプラグ24aおよび24bは、磁気的に違う材料から作製され得、プラグ24aおよび24bが順々にプローブ48のそばを通るときに、それぞれのプラグ24a、24bが、プローブ48とは実質的に異なる出力を発生させるようになっている。センサ出力波形55の中の誘導されたパルスは、大きさが異なることとなり、それによって、どのプラグ24a、24bがセンサ位置49を最初に通るかということ、および、デバイス10が回転している方向を指示する。さらに別の実施形態では、インサートプラグ24aおよび24bは、同様の磁気的な材料から作製され得、また、それぞれ、異なる直径を有し、より長いまたはより短い識別可能なパルスを有する応答波形を生成させることが可能である。様々な他の方式でインサートプラグの配置を修正し、回転方向を決定するために同じ結果を実現するということが当業者によって認識されることとなる。
【0064】
[0094]図21は、回転シャフト30の中へ直接的に挿入されたターゲット24を備える本発明の実施形態である。ターゲット24は、シャフト27の回転表面と同一平面に機械加工される。この実施形態では、センサ28は、ターゲット24へ方向付けされており、また、シャフト回転の軸線30に対して実質的に垂直に整合させられている。たとえば、スラストカラーまたは軸受が蒸気タービンシャフトに取り付けられていない場合に、または、軸線方向に整合させられたセンサ126の設置のために、シャフト30の遠位端部に不十分なスペースしか存在しない場合に、図25の実施形態が用いられ得る。図15から図25Bにおいて議論されている実施形態で説明されているように、ターゲットは、シャフトのカウンタボア型の凹部(図示せず)の中へ設置され、次いで、締まり嵌めによって、同一平面の微細仕上げされた表面へと機械加工および研磨される。
【0065】
[0095]一実施形態では、制御システムは、それぞれの圧縮機に対してクイックディスコネクトカップリングを含むことが可能であり、チラーシステムが動作している間に、それぞれの圧縮機が、高オイル圧力もしくは低オイル圧力、高オイル温度もしくは低オイル温度、またはスラスト障害の指示に基づく障害を経験する場合には、または、蒸気タービンがクールダウン後スローロールモードになっている場合には、それぞれの圧縮機が蒸気タービンから係合解除され得るようになっている。制御システムは、過速度を回避するために、駆動ライン速度が最小定格速度よりも小さくなることを待ち、次いで、10秒にわたって出力に係合させることによって、ディスコネクトカップリングを係合させることとなる。次いで、カップリングリセットスイッチまたはボタンは、このトリップをクリアするために活性化させられなければならず、クイックディスコネクトカップリングが、手動でリセットされ得るようになっている。次いで、圧縮機を切り離すことによって、タービンは、圧縮機駆動シャフトを回すことなく、スローロールコーストダウンを行うことが可能である。
【0066】
[0096]蒸気駆動式タービンの組み合わせ、すなわち、2つの圧縮機に動力を与える単一のシャフトマシンは、圧縮機が並列に動作して負荷を共有することを必要とする。負荷を共有する際に、負荷は、両方の圧縮機の安定した動作を維持するために、可能な限り厳密にバランスされなければならない。それぞれの圧縮機には、別々の制御盤および電子機器が設けられている。サージ条件が、1つの圧縮機において検出されるときには、コントローラは、蒸気タービン14の速度を変化させることによって応答する。いずれかの圧縮機12、12aが、制御システムに関するリード圧縮機として動作させられ得る。残りの圧縮機、またはラグ圧縮機は、リード圧縮機制御によって決定された設定点に対する容量、サージ、または安定性制御に従うこととなる。
【0067】
[0097]図22を参照すると、蒸発器126からのそれぞれの圧縮機12、12aへの入力部または入口部において、1つまたは複数のPRVまたは入口ガイドベーン120が存在しており、圧縮機108への冷媒のフローを制御する。アクチュエーターが、PRV120を開けるために使用され、圧縮機108への冷媒の量を増加させ、それによって、システム100の冷却容量を増加させる。同様に、アクチュエーターが、PRV120を閉めるために使用され、圧縮機108への冷媒の量を減少させ、それによって、システム100の冷却容量を減少させる。可変幾何学形状ディフューザ(VGD; Variable Geometry Diffuser)119が、圧縮機12、12aの中のサージおよびストールを制御するための方法として使用されている。
【0068】
[0098]図23は、本発明の好適な実施形態の圧縮機108の部分的な断面図を図示している。圧縮機108は、冷媒蒸気を圧縮するためのインペラ202を含む。次いで、圧縮された蒸気は、VGD119を通過する。VGD119は、好ましくは、たとえば、ベーンレスの半径方向のディフューザ、または他の適切なディフューザタイプなどの、可変の幾何学形状を有するディフューザである。VGD119は、ディフューザスペース204を有しており、ディフューザスペース204は、冷媒蒸気の通過のために、ディフューザプレート206とノズルベースプレート208の間に形成されている。ノズルベースプレート208は、ディフューザリング210とともに使用するために構成されている。ディフューザリング210は、ディフューザスペースまたは通路202を通過する冷媒蒸気の速さを制御するために使用されている。ディフューザリング210は、ディフューザ通路202の中へ拡張させられ、通路を通って流れる蒸気の速さを増加させることが可能であり、また、ディフューザリング210は、ディフューザ通路202から後退させられ、通路を通って流れる蒸気の速さを減少させることが可能である。ディフューザリング210は、電気モーターによって駆動される調節メカニズム212を使用して拡張および後退させられ、VGD119の可変の幾何学形状を提供することが可能である。可変幾何学形状ディフューザ119のうちの1つのタイプの動作およびコンポーネントのより詳細な説明が、2005年3月29日に発行された米国特許第6,872,050号に提供されており、その特許は、本明細書で参照により組み込まれている。しかし、任意の適切なVGD119が本発明とともに使用され得るということが理解されるべきである。
【0069】
[0099]制御盤140は、A/Dコンバータ148を有しており、好ましくは、システム100の性能を指示する入力信号をシステム100から受信する。たとえば、制御盤140によって受信される入力信号は、PRV120の位置、蒸発器126から離れていくチルド液体の温度、蒸発器126および凝縮器112の圧力、ならびに、圧縮機排出通路の中の音響測定または音圧測定を含むことが可能である。また、制御盤140は、インターフェースボード146を有し、システム100のコンポーネントに信号を伝送し、システム100の動作を制御する。たとえば、制御盤140は、信号を伝送し、PRV120の位置を制御し、存在する場合には、随意的なHGVの位置を制御し、可変幾何学形状ディフューザ119の中のディフューザリング210の位置を制御することが可能である。また、制御盤140は、図に示されていない多くの他の特徴およびコンポーネントを含むことが可能である。これらの特徴およびコンポーネントは、図示をしやすいように、制御盤140を簡単化するために意図的に省略されてきた。
【0070】
[00100]制御盤140は、制御アルゴリズムを使用し、システム100の動作を制御し、システムおよび圧縮機の安定性を維持するために、特定の圧縮機条件に応答して、可変幾何学形状ディフューザ119の中のディフューザリング210をいつ拡張および後退させるかということを決定する。追加的に、制御盤140は、制御アルゴリズムを使用し、システムおよび圧縮機の安定性を維持するために、特定の圧縮機条件に応答して、存在する場合には、随意的なHGVを開閉することが可能である。一実施形態では、制御アルゴリズムは、マイクロプロセッサ150によって実行可能な一連のインストラクションを有する不揮発性メモリ144の中に記憶されているコンピュータープログラムであることが可能である。制御アルゴリズムが、コンピュータープログラムの中に具現化され、マイクロプロセッサ150によって実行されるということが好適であるが、制御アルゴリズムは、デジタルハードウェアおよび/またはアナログハードウェアを使用して、実装および実行され得るということが当業者によって理解されるべきである。ハードウェアが、制御アルゴリズムを実行するために使用される場合には、制御盤140の対応する構成は、必要なコンポーネントを組み込むために、および、たとえば、A/Dコンバータ148など、もはや必要とされなくてもよい任意のコンポーネントを除去するために、変化させられ得る。
【0071】
[00101]次に図24を参照すると、アンチサージマップが示されている。アンチサージのための制御システムは、より小さい差圧範囲にわたって複数の等式を使用し、ヘッド圧力−対−速度に関して区分的に定義された曲線を生成させることが可能である。
【0072】
[00102]図28は、図26のステップ502において、最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)を計算するためのロジックダイアグラムを図示している。ロジックは、ブロック310において始まり、蒸発器圧力が、蒸発器冷媒蒸気圧力センサによって測定され、代表的な信号が、制御盤90へ送られる。ブロック320において、冷媒凝縮器圧力が、冷媒凝縮器圧力センサによって測定され、代表的な信号が、制御盤90へ送られる。ブロック330において、システム圧力差またはヘッド(PD)の代表的な値(それは、冷媒凝縮器圧力と蒸発器圧力との間の差である)は、ブロック320において得られる凝縮器圧力から、ブロック310において得られる蒸発器圧力を引くことによって決定される。次いで、システム圧力差は、最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)の両方を計算する際に使用される。
【0073】
[00103]最小プレローテーションベーン位置(MV)を決定するために、プロセスは、ブロック340においてスタートし、PRV80に関して高いヘッドにおける最小の所望のベーン位置(MVP1)が、PRV80に関して完全に開かれた位置のパーセンテージとして、確立または設定される。ブロック350において、低いヘッドにおける最小の所望のベーン位置(MVP2)が、PRV80に関して完全に開かれた位置のパーセンテージとして、確立または設定される。ブロック360において、それぞれの圧縮機12、12aに関して、高いヘッドにおける最大所望の圧力差または圧力デルタ(PD1)が、設定または確立される。ブロック370において、それぞれの圧縮機12、12aに関して、低いヘッドにおける最小の所望の圧力差または圧力デルタ(PD2)が、設定または確立される。ブロック340、350、360、および370において確立された値は、ユーザーインターフェース94の中へ入力され、メモリ92の中に記憶され得る。好ましくは、ブロック340、350、360、および370における値は、システム10の動作の間に一定のままになっているが、しかし、値は、ユーザーインターフェース94における入力を通して、または、中央制御アルゴリズムの動作によって、上書きまたは調節され得る。次に、ブロック380において、ブロック340、350、360、および370からの値、ならびに、ブロック330からの圧力差(PD)が、最小ベーン位置計算において使用され、最小プレローテーションベーン位置(MV)を決定する。最小プレローテーションベーン位置(MV)は、等式1に示されているように計算される。
【0074】
MV=[((PD−PD2)(MVP1−MVP2))/(PD1−PD2)]+MVP2 [1]
[00104]この計算された最小プレローテーションベーン位置(MV)は、完全に開かれた位置のパーセンテージであり、図26の中のステップ502へ戻される。
【0075】
[00105]最小タービン速度(MS)を決定するために、プロセスは、ブロック440においてスタートし、タービン14および圧縮機12、12aに関して、高いヘッドにおける所望の速度(MSP1)が、設定または確立される。ブロック450において、タービン14および圧縮機12、12aに関して、低いヘッドにおける所望の速度(MSP2)が、設定または確立される。加えて、および、上記に議論されているように、ブロック360において、それぞれの圧縮機12、12aに関して、高いヘッドにおける最大所望の圧力差または圧力デルタ(PD1)が、設定または確立される。ブロック370において、それぞれの圧縮機12、12aに関して、低いヘッドにおける最小の所望の圧力差または圧力デルタ(PD2)が、設定または確立される。一実施形態では、ブロック440および450に関する値は、選択されたPDおよび負荷を用いたシステム10のスタートアップ試験に基づいて設定または確立され得るが、同様の設計の他のチラーから確立される値も、ブロック440および450において使用され得る。
【0076】
[00106]ブロック440、450、360、および370において確立される値は、ユーザーインターフェース94の中へ入力され、メモリ92の中に記憶され得る。好ましくは、ブロック440、450、360、および370における値は、システム10の動作の間に一定のままになっているが、しかし、値は、ユーザーインターフェース94における入力を通して、または、中央制御アルゴリズムの動作によって、上書きまたは調節され得る。次に、ブロック480において、ブロック440、450、360、および370からの値、ならびに、ブロック330からの圧力差(PD)が、最小速度計算において使用され、等式2に示されているように計算される最小タービン速度(CMS)を決定する。
【0077】
CMS=[((PD−PD2)(MSP1−MSP2))/(PD1−PD2)]+MSP2 [2]
[00107]ブロック490において、タービン14および圧縮機12、12aに関する最小定格速度(SSP2)が、設定または確立される。好ましくは、SSP2は、システム10の中へ組み込まれている特定のタービン14および圧縮機12、12aによって事前決定され、制御盤90の中へプログラムされる。ブロック500において、最小タービン速度(MS)は、SSP2およびCMSの大きい方となるように決定される。この決定された最小タービン速度(MS)は、図26の中のステップ502へ戻される。
【0078】
[00108]図30に戻って参照すると、ステップ504において、離れていくチルド液体温度(LCLT)が、LCLTに関する所望の設定点温度(SPT)と比較される。LCLTがSPTよりも大きい場合には、プロセスは、ステップ506へ進む。そうでなければ、プロセスは、図31に図示されているように、ステップ602へ進む。ステップ506において、HGV84は、それが開かれているかまたは閉められているかということを決定するためにチェックされる。ステップ506において、HGV84が開いている場合には、プロセスは、ステップ508へ進み、より詳細に以下に議論されているように、HGV制御モードにしたがってシステムコンポーネントを制御し、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。ステップ506において、HGV84が閉められている場合には、プロセスは、ステップ510へ進み、PRV80が完全に開かれた位置にあるかどうかということを決定する。
【0079】
[00109]ステップ508からのHGV制御モード動作は、特有のチューニングパラメーターをロードし、HGV84の動作を制御することが可能であり、したがって、制御アルゴリズム応答が、HGV位置の変化に対するシステム応答にマッチすることを確実にする。動作のHGV制御モードでは、それぞれの圧縮機12、12aのローディングの間に、HGV84が、ランプ閉鎖され(ramped closed)、PRV80が、最小プレローテーションベーン位置(MV)に維持され、かつ、タービン14の速度が、最小タービン速度(MS)に維持される。システム圧力差(凝縮器圧力マイナス蒸発器圧力)が増加するにつれて、ステップ502からの最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)の出力も増加する可能性がある。最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)の変化の結果として、ガバナバルブ48を制御し、それによって、タービン14および圧縮機12、12aの速度を制御するための速度設定点に関する対応する制御コマンドまたは信号、および、PRV84の位置を制御するためのベーン制御が、サージングを防止するために適当なより高い値に即座に設定される。それぞれの圧縮機12、12aにかかる負荷が軽く、LCLTが、SPTの1.11℃(2°F)内まで減少する場合には、HGV制御モードは、HGV84を変調させることを始め、チルド水ループがSPTまで引き下ろされるときに、SPTのオーバーシューティングを防止することが可能である。
【0080】
[00110]ステップ510に戻って参照すると、PRV80が完全に開いていない場合には、プロセスは、ステップ512へ進み、より詳細に以下に議論されているように、PRV制御モードにしたがってシステムコンポーネントを制御し、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。ステップ510において、PRV80が完全に開いている場合には、プロセスは、ステップ514へ進み、より詳細に以下に議論されているように、速度制御モードにしたがってシステムコンポーネントを制御し、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。
【0081】
[00111]ステップ512からのPRV制御モード動作は、特有のチューニングパラメーターをロードし、PRV80の動作を制御することが可能であり、したがって、制御アルゴリズム応答が、PRV位置の変化に対するシステム応答にマッチすることを確実にする。動作のPRV制御モードでは、それぞれの圧縮機12、12aのローディングの間に、HGV84が、閉位置に維持され、PRV80が、最小スタートアップ値位置(PRVM)または最小プレローテーションベーン位置(MV)の大きい方から、完全に開かれた位置へランプされ、かつ、タービン14の速度が、最小タービン速度(MS)に維持される。システム圧力差(凝縮器圧力マイナス蒸発器圧力)が増加するにつれて、ステップ502からの最小タービン速度(MS)の出力も増加する可能性がある。最小タービン速度(MS)の変化の結果として、ガバナバルブ48を制御し、それによって、タービン14および圧縮機12、12aの速度を制御するための速度設定点に関する対応する制御コマンドまたは信号が、サージングを防止するために適当なより高い値に即座に設定される。それぞれの圧縮機12、12aにかかる負荷が軽く、LCLTが、SPTの1.11℃(2°F)内まで減少する場合には、PRV制御モードは、PRV80を変調させることを始め、チルド水ループがSPTまで引き下ろされるときに、SPTのオーバーシューティングを防止することが可能である。
【0082】
[00112]ステップ514からの速度制御モード動作は、特有のチューニングパラメーターをロードし、速度設定点(SPT)を制御することが可能であり、したがって、制御アルゴリズム応答が、タービン14および圧縮機12、12aの速度の変化に対するシステム応答にマッチすることを確実にする。動作の速度制御モードでは、それぞれの圧縮機12、12aのローディングの間に、HGV84が、閉位置に維持され、PRV80が、開位置(完全に開かれた位置の少なくとも90%)に維持され、かつ、タービン14の速度が、最小タービン速度(MS)から所望の速度へ増加させられ、離れていくチルド液体温度(LCLT)を設定点(SPT)に維持する。
【0083】
[00113]ここで図27を参照すると、ステップ602において、容量制御プログラムは、それが速度制御モードで動作しているかどうかということを決定するためにチェックされる。容量制御プログラムが速度制御モードで動作していない場合には、プロセスは、ステップ604へ進む。しかし、ステップ602において、容量制御プログラムが速度制御モードで動作している場合には、プロセスは、ステップ608へ進む。ステップ608において、タービンの速度(TS)は、それが最小タービン速度(MS)に等しいかどうかということを決定するためにチェックされる。ステップ608において、TSがMSに等しい場合には、プロセスは、ステップ512へ進み、PRV制御モードにしたがってシステムコンポーネントを制御し、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。しかし、ステップ608において、TSがMSに等しくない場合には、システムコンポーネントは、ステップ514において、速度制御モードにしたがって制御され、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。
【0084】
[00114]上記に議論されているように、ステップ514からの速度制御モード動作は、特有のチューニングパラメーターをロードし、タービン14および圧縮機12、12aの速度を制御することが可能である。動作の速度制御モードでは、それぞれの圧縮機12、12aのアンローディングの間に、HGV84が、閉位置に維持され、PRV80が、開位置(完全に開かれた位置の少なくとも90%)に維持され、かつ、タービン14の速度が、最小タービン速度(MS)に向かって減少させられ、離れていくチルド液体温度(LCLT)を設定点(SPT)に維持する。システム圧力差が減少するにつれて、それぞれの圧縮機12、12aは、より少ない冷媒ガスフローによって安定した動作が可能であるので、ステップ502からの最小タービン速度(MS)の出力も減少することが可能である。最小タービン速度(MS)の変化の結果として、ガバナバルブ48を制御し、それによって、タービン14および圧縮機12、12aの速度を制御するための速度設定点に関する対応する制御コマンドまたは信号が、安定した動作を維持するために適当なより低い値に設定される。
【0085】
[00115]ステップ604において、容量制御プログラムは、それがPRV制御モードで動作しているかどうかということを決定するためにチェックされる。ステップ604において、容量制御プログラムがPRV制御モードで動作している場合には、プロセスは、ステップ610へ進む。ステップ610において、プレローテーションベーンの位置(PRVP)が、それが最小プレローテーションベーン位置(MV)に等しいかどうかということを決定するためにチェックされる。ステップ610において、PRVPがMVに等しい場合には、プロセスは、ステップ508へ進み、HGV制御モードにしたがってシステムコンポーネントを制御し、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。しかし、ステップ610において、PRVPがMVに等しくない場合には、システムコンポーネントは、ステップ512において、PRV制御モードにしたがって制御され、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。
【0086】
[00116]上記に議論されているように、ステップ512からのPRV制御モード動作は、特有のチューニングパラメーターをロードし、PRV80の動作を制御することが可能である。動作のPRV制御モードでは、それぞれの圧縮機12、12aのアンローディングの間に、HGV84が、閉位置に維持され、タービン14の速度が、最小タービン速度(MS)に維持され、かつ、PRV80が、最小プレローテーションベーン位置(MV)へランプされ、離れていくチルド液体温度(LCLT)を設定点(SPT)に維持する。システム圧力差が減少するにつれて、ステップ502からの最小タービン速度(MS)の出力も減少することが可能である。最小タービン速度(MS)の変化の結果として、ガバナバルブ48を制御し、それによって、タービン14および圧縮機12、12aの速度を制御するための速度設定点に関する対応する制御コマンドまたは信号が、動作の最大効率を維持するために、プログラム可能な時間遅延の後に適当なより低い値に設定される。
【0087】
[00117]PRV80が、低いヘッドにおける最小の所望のベーン位置(MVP2)まで閉められ、圧縮機12、12aの容量の低減に対応するときに、PRV80は、容量を低減させるためにさらには閉められない。MVのための計算に関して上記に議論されているように、システム差圧(PD)が、低いヘッドにおける最小の所望の圧力差(PD2)に接近するときに、最小プレローテーションベーン位置(MV)も、低いヘッドにおける最小の所望のベーン位置(MVP2)に接近する。したがって、PDがPD2に到達するときに、MVはMVP2に等しく、およびPRV80は、最低の所望のパーセント全開ベーン位置に位置決めされ、すなわち、PRVPは、MVに等しい。負荷が降下し続けるにつれて、圧縮機12、12aは最小の所望の圧力差で、したがって、サージ条件に近い条件で動作しているので、低いシステム圧力差(PD)は、変化する温度に応答して、HGV制御モードでHGV84を変調させる(ステップ610を参照)望ましい状況を導入する。
【0088】
[00118]代替的な実施形態では、たとえば、137.9から275.8kPa(20から40psi)などのような、非常に低いシステム圧力差における動作を回避するために、容量制御プログラムは、システム圧力差(PD)が、低いヘッドにおける最小の所望の圧力差(PD2)へ、またはその下方へ減少することを防止するために使用され得る。減少する負荷によってこの動作制御モードを達成するために、PRV80が、事前選択された位置まで閉められ、また、さらに負荷が低減すると、PRV80が事前選択された位置に到達するときに、HGV84が、HGV制御モードで開けられて動作させられる。図28を参照して、ブロック400は、調節可能な設定点(HGVRAT)であり、調節可能な設定点(HGVRAT)は、ユーザーによって選択され、ユーザーインターフェース94の中へ入力される。ブロック400の設定点は、最小の選択されたシステム圧力差(PD)を維持するために使用され、それは、好ましくは、PD2よりも大きい。ブロック410において、最小プレローテーションベーン位置(MV%)が、HGVRATおよびMV(ブロック380からの)の大きい方となるように決定される。次いで、容量制御プログラムは、PRV80が、対応するブロック410からの最小プレローテーションベーン位置(MV%)に到達したかどうかということを決定する。この代替的な実施形態では、図27のステップ610は、PRVPと(MVの代わりに)MV%を比較するように変化させられる。PRVPがMV%に到達していない場合には、PRV80は、ステップ512において、PRV制御モードで容量を制御するために使用される。PRVPがMV%に到達した場合には、ステップ508において、PRV80は、MV%に維持され、HGV84が、制御モードでの動作のために開けられる。
【0089】
[00119]ステップ604に戻って参照すると、容量制御プログラムがPRV制御モードで動作していない場合には、プロセスは、ステップ508へ進み、HGV制御モードにしたがってシステムコンポーネントを制御し、そして、プロセスは、ステップ502へ戻る。上記に議論されているように、ステップ508からのHGV制御モード動作は、特有のチューニングパラメーターをロードし、HGV84の動作を制御することが可能である。動作のHGV制御モードでは、それぞれの圧縮機12、12aのアンローディングの間に、タービン14の速度が、最小タービン速度(MS)に維持され、PRV80が、最小プレローテーションベーン位置(MV)に維持され、または、代替的な実施形態では、MV%に維持され、かつ、HGV84は、離れていくチルド液体温度(LCLT)を設定点(SPT)に維持するために開けられる。システム圧力差が減少するにつれて、ステップ502からの最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)の出力も減少することが可能である。最小タービン速度(MS)および最小プレローテーションベーン位置(MV)の変化の結果として、ガバナバルブ48を制御し、それによって、タービン14および圧縮機12、12aの速度を制御するための速度設定点に関する対応する制御コマンドまたは信号、および、PRV84の位置を制御するためのベーン制御が、動作の最大効率を維持するために、プログラム可能な時間遅延の後に適当なより低い値に設定される。
【0090】
[00120]容量制御プログラムは、特定のイベントに応答して通常の制御動作をオーバーライドすることが可能である。オーバーライドイベントの1つの例は、蒸発器18または冷媒凝縮器16の中の高い冷媒圧力または低い冷媒圧力の検出である。測定される蒸発器圧力または凝縮器圧力が、動作の許容可能な範囲の外側にあるということが決定される場合には、すなわち、圧力が高過ぎるかまたは低過ぎるかのいずれかの場合には、容量制御プログラムは、オーバーライド制御モードで動作し、図27に示されているものと同様の様式でシステム10をアンロードする。容量制御プログラムは、オーバーライドイベントのための適当な制御コマンドを決定する際のオーバーライドイベントの直前に、制御コマンドからの情報、たとえば、タイバック信号を使用する。通常の動作とオーバーライド動作との間で移行する際にこの情報を使用することは、動作の2つのモードの間のバンプレス移行(bumpless transition)を提供することが可能である。システムのアンローディングは、オーバーライド制御アルゴリズムおよびシステム圧力差に応答して制御され、したがって、不安全な動作および不必要なシャットダウンを防止する。監視されるパラメーターが、所定の時間の量にわたって許容可能な範囲内に戻ると、容量制御は、上記に説明されているものと同様のバンプレス移行を使用して通常の制御動作に戻ることが可能である。
【0091】
[00121]オーバーライドイベントの別の例は、高負荷条件またはプルダウン条件の間に、タービン14が、圧縮機軸受に関する許容可能なトルクレーティングよりも大きいトルクを生み出すことができるときに、発生する。ガバナバルブアクチュエーター出力は、ステップ514からの速度制御モード動作が、(スタートアップにおいて、現地試験によって決定される)プリセット値よりも大きくガバナバルブ48を開けようとするかどうかということを決定するために監視される。ガバナバルブ48が、プリセット値よりも大きい位置まで開けられることとなる場合には、容量制御プログラムは、オーバーライド制御モードで動作し、図27に示されているものと同様に様式でシステム10をアンロードする。容量制御プログラムは、オーバーライドイベントのための適当な制御コマンドを決定する際のオーバーライドイベントの直前に、制御コマンドからの情報、たとえば、タイバック信号を使用する。通常の動作とオーバーライド動作との間で移行する際にこの情報を使用することは、動作の2つのモードの間のバンプレス移行を提供することが可能である。システムのアンローディングは、オーバーライド制御アルゴリズムおよびシステム圧力差に応答して制御され、したがって、不安全な動作および不必要なシャットダウンを防止する。負荷が低減されることによって、タービン14は、加速し始めることが可能であり、動作の速度制御モードは、ガバナバルブ48を閉めはじめ、したがって、タービン14のトルク出力を限定することが可能である。ガバナバルブアクチュエーター出力が、所定の時間の量にわたって許容可能な範囲内に戻ると、容量制御は、上記に説明されているものと同様のバンプレス移行を使用して通常の制御動作に戻ることが可能である。
【0092】
[00122]オーバーライドイベントのさらに別の例は、高負荷条件またはプルダウン条件の間に、タービン14が、圧縮機軸受に関する許容可能なトルクレーティングよりも大きいトルクまたはパワーを生み出すことができるときに、発生する。しかし、この例では、タービン第1段圧力が、ガバナバルブアクチュエーター出力の代わりに監視される。タービン第1段圧力に関する設定点は、蒸気入口部温度および圧力に基づいて決定され、オーバーライドコントローラが、タービン入口部に供給される蒸気の品質の変動に自動的に適合することが可能であるようになっている。タービン第1段圧力が、計算された設定点を超えて増加する場合には、容量制御プログラムは、オーバーライド制御モードで動作し、図27に示されているものと同様の様式でシステム10をアンロードする。容量制御プログラムは、オーバーライドイベントのための適当な制御コマンドを決定する際のオーバーライドイベントの直前に、制御コマンドからの情報、たとえば、タイバック信号を使用する。通常の動作とオーバーライド動作との間で移行する際にこの情報を使用することは、動作の2つのモードの間のバンプレス移行を提供することが可能である。システムのアンローディングは、オーバーライド制御アルゴリズムおよびシステム圧力差に応答して制御され、したがって、不安全な動作および不必要なシャットダウンを防止する。負荷が低減されることによって、タービン14は、加速し始めることが可能であり、ステップ514からの動作の速度制御モードは、ガバナバルブ48を閉めはじめ、したがって、第1段圧力を低減させ、タービン14のトルク出力を限定することが可能である。タービン第1段圧力が、所定の時間の量にわたって計算された設定点よりも小さい値に戻ると、容量制御は、上記に説明されているものと同様のバンプレス移行を使用して通常の制御動作に戻ることが可能である。
【0093】
[00123]本発明の別の実施形態では、容量制御プログラムは、固定された速度の圧縮機とともに使用され得る。固定された速度での動作の間に、圧縮機12、12aのための容量制御の一次的な方法は、PRV80およびHGV84の調節を必要とする。容量制御プログラムは、好ましくは、HGV84を調節する前にPRV80を調節し、固定された速度動作の間により大きいシステム効率を提供する。
【0094】
[00124]上記に議論されているように、負荷の変化は、離れていくLCLTの変化によって検出される。上記に議論されているPRV制御プロセスと同様に、容量制御プログラムは、信号を送信し、PRV80を計算された最小ベーン位置に調節し、負荷条件を満足させる。計算された最小ベーン位置は、好ましくは、冷媒凝縮器16と蒸発器18との間の圧力差の関数である。PRV80が、容量を低減させるように調節されている間に、HGV84は閉められたままになっている。非常に低い圧力差において、計算された最小ベーン位置がゼロに接近すると、HGV84を増分的に開けることによって、容量が低減させられる。
【0095】
[00125]いくつかの動作モードでは、PRV80が完全に閉められている状態で動作することが望ましい可能性がある。PRV80が完全に閉められている状態で、HGV84は、離れていくチルド液体温度に基づいて、容量制御のために変調させられる。PRV80が完全に閉められている状態で、負荷が減少し続ける場合には、離れていくチルド液体温度が、減少し続けることとなる。離れていくチルド液体温度が、所定の設定点よりも低い所定の量の下まで減少する場合には、HGV84は、離れていくチルド液体温度を所望の設定点に維持するように変調させられる。
【0096】
[00126]次に図29Aから図29Dを参照すると、制御スキームの例示的な実施形態が、蒸気タービン駆動式のデュアル圧縮機システムに関して示されている。
[00127]本発明は、好適な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変形を行うことが可能であり、均等物がそのエレメントに代用され得るということが当業者によって理解されることとなる。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるように、多くの修正を行うことが可能である。したがって、本発明は、この発明を実施するために考えられる最良の形態として開示されている特定の実施形態に限定されるべきではなく、しかし、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むこととなるということが意図されている。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
[形態1]
蒸気ループの中で接続されている蒸気供給部、蒸気タービン、および蒸気凝縮器を含む蒸気システムと、
冷媒ループの中で接続されている第1の圧縮機および第2の圧縮機、冷媒凝縮器、ならびに蒸発器を含む冷媒システムとを含む、ヒートポンプシステムであって、
前記蒸気タービンは、回転駆動シャフトを含み、前記回転駆動シャフトは、軸線方向に配設されており、前記蒸気タービンの第1の端部および第2の端部から延在しており、
前記ヒートポンプシステムは、潤滑流体を収集して再分配するためのサンプシステムを含み、
前記第1の圧縮機は、第1のカップリングデバイスによって前記駆動シャフトの前記第1の端部に連結されており、前記第2の圧縮機は、第2のカップリングデバイスによって前記駆動シャフトの前記第2の端部に連結されており、
前記第1および第2の圧縮機は、前記冷媒ループの中で並列に接続されており、冷却負荷を等しく共有するように制御される、ヒートポンプシステム。
[形態2]
形態1に記載のシステムであって、前記第1の圧縮機および前記第2の圧縮機は、サージ条件を検出するために、および、サージ条件を検出することに応答して、前記蒸気タービンの速度を調節するために、制御盤をそれぞれ含む、システム。
[形態3]
形態2に記載のシステムであって、前記第2の圧縮機が、前記第1の圧縮機の前記制御盤によって決定される設定点で動作するように制御される、システム。
[形態4]
形態3に記載のシステムであって、さらに、前記設定点が、容量制御アルゴリズム、サージ制御アルゴリズム、または安定性制御アルゴリズムのうちの1つによって決定される、システム。
[形態5]
形態1に記載のシステムであって、前記第1の圧縮機が、前記第2の圧縮機の鏡像であり、前記蒸気タービン駆動シャフトの反対端部において対称性を提供しており、前記第1の圧縮機は、反対側方向を向いていながら、前記第2の圧縮機と同じ方向に回転する、システム。
[形態6]
形態1に記載のシステムであって、前記第1の圧縮機および前記第2の圧縮機が、同一であり、同じ方向を向いて前記蒸気タービン駆動シャフトに連結されている、システム。
[形態7]
形態1に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、前記第1および第2の圧縮機の中の前記冷媒と混合する前記潤滑流体を含み、前記システムが、
前記圧縮機から、前記潤滑流体、前記冷媒、およびそれらの組み合わせを受け入れるように構成されている前記サンプシステムと、
前記サンプシステムから、潤滑を必要とする前記圧縮機の部分へ、前記潤滑流体を分配するための潤滑回路と、
前記潤滑流体と混合される冷媒の量を低減させるための、前記サンプシステムと前記システムの低圧領域との間の冷媒圧力減少部であって、前記圧力減少部は、前記サンプシステムの中の冷媒の温度をさらに低下させながら、前記サンプシステムの中の冷媒ガス圧力を、前記システムの前記低圧領域の中の冷媒ガス圧力のものよりも下方に低下させ、前記潤滑流体を冷却しながら、前記サンプシステムから前記システムの前記低圧領域へ冷媒ガスを除去する、冷媒圧力減少部とをさらに含む、システム。
[形態8]
形態7に記載のシステムであって、前記冷媒圧力減少部が、補助圧縮機である、システム。
[形態9]
形態8に記載のシステムであって、前記補助圧縮機が、前記サンプシステムのガス体積および前記システムの前記低圧領域に流体連通しており、前記補助圧縮機が、前記サンプシステムから冷媒ガスを引き出し、前記圧縮された冷媒ガスを前記システムの前記低圧領域へ排出し、前記補助圧縮機が、前記サンプシステム圧力および温度を維持し、それが、前記システム蒸発温度および圧力に対応するようになっている、システム。
[形態10]
形態7に記載のシステムであって、前記冷媒圧力を低減させるデバイスが、エジェクターポンプである、システム。
[形態11]
形態1に記載のシステムであって、前記チラーがコーストダウンモードの状態であるということ、または、前記蒸気タービンがクールダウン後スローロールモードの状態であるということ、または、前記サンプシステムの中の飽和温度が閾値温度を超過しているということを決定することに応答して、前記システムが、外部冷却供給源から前記補助凝縮器へ冷却流体を提供する、システム。
[形態12]
形態1に記載のシステムであって、前記システムが、中央制御システムをさらに含み、前記中央制御システムは、前記蒸気システムおよび前記冷媒システムの両方の動作を制御するように構成されており、前記中央制御システムが、容量制御システムを含み、前記容量制御システムは、離れていくチルド液体温度およびシステム圧力差に応答して、前記蒸気タービンの速度を調節し、前記冷媒システムの前記容量を制御するように構成されている、システム。
[形態13]
形態1に記載のシステムであって、前記冷媒システムが、
前記圧縮機への冷媒のフローを調整するためのプレローテーションベーンと、
離れていくチルド液体温度およびシステム圧力差に応答して、前記プレローテーションベーンの位置を調節し、前記冷媒システムの前記容量を制御するように構成されている容量制御システムとをさらに含む、システム。
[形態14]
形態1に記載のヒートポンプシステムであって、
前記冷媒システムが、ホットガスバイパスバルブをさらに含み、前記冷媒システムの高圧側と前記冷媒システムの低圧側との間の冷媒のフローを調整し、
前記容量制御システムが、離れていくチルド液体温度およびシステム圧力差に応答して、前記ホットガスバイパスバルブの位置を調節し、前記冷媒システムの前記容量を制御するように構成されている、ヒートポンプシステム。
[形態15]
形態18に記載のヒートポンプシステムであって、前記容量制御システムが、前記プレローテーションベーン、前記ホットガスバイパスバルブ、および、前記圧縮機の前記速度を制御し、前記圧縮機がサージ条件で動作することを防止するように構成されている、ヒートポンプシステム。
[形態16]
形態1に記載のシステムであって、前記第1および第2のカップリングデバイスのそれぞれが、クラッチである、システム。
[形態17]
形態1に記載のシステムであって、前記第1および第2のカップリングデバイスが、電磁カップリング、空気圧式のカップリング、またはエアクラッチのうちの1つである、システム。
[形態18]
形態1に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、可変幾何学形状ディフューザをさらに含み、前記可変幾何学形状ディフューザは、前記第1および第2の圧縮機の中のサージおよびストールを制御するように構成されている、システム。
[形態19]
形態1に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、渦電流近接プローブをさらに含み、前記渦電流近接プローブは、回転表面の磁気特性の相違を感知し、第1のまたは第2の圧縮機シャフトの運動を検出および測定するように構成されている、システム。
[形態20]
形態19に記載のシステムであって、前記第1および第2の圧縮機のそれぞれが、実質的に滑らかな回転デバイスおよびカウンタボア表面をさらに含み、前記カウンタボア表面は、内部にねじ山の付いた複数の孔部をさらに含み、前記内部にねじ山の付いた複数の孔部は、前記シャフトから前記回転デバイスを引き抜くためのボルトを受け入れるように配置されている、システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-16】
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図29C
図29D