特許第6275329号(P6275329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6275329
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20180129BHJP
   F16H 35/00 20060101ALI20180129BHJP
   F16H 1/10 20060101ALI20180129BHJP
   F16D 11/04 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   F16H25/20 E
   F16H35/00 B
   F16H1/10
   F16D11/04 Z
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-512619(P2017-512619)
(86)(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公表番号】特表2017-516046(P2017-516046A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】KR2015004892
(87)【国際公開番号】WO2015174780
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年11月17日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0058864
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516342254
【氏名又は名称】テクノベーション パートナーズ シーオー., エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】TECHNOVATION PARTNERS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン キョンユル
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第202481239(CN,U)
【文献】 特開平9−24887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 11/04
F16H 1/10
F16H 25/20
F16H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ねじ部が形成された入力軸と、
前記雄ねじ部を挟んで入力軸に形成されて自由回転される一対の入力ギアと、
前記一対の入力ギアと連動されて回転可能に形成される出力ギアと、
前記入力軸の雄ねじ部にねじ結合され、前記入力軸の回転により入力軸に沿って直線往復移動されて前記一対の入力ギアのうちのいずれか一つと選択的に噛み合って動力を伝達する動力断続部と、
を含み、
前記一対の入力ギアは互いに異なる直径に形成され、直径の小さい入力ギアはアイドルギヤを通じて前記出力ギアと連動されることを特徴とする、動力伝達装置。
【請求項2】
雄ねじ部が形成され、正/逆方向に回転可能な入力軸と、
前記雄ねじ部にねじ結合されて前記入力軸の回転により前記入力軸に沿って直線往復移動可能な動力断続部と、
前記動力断続部を挟んで入力軸に自由回転可能に形成されて前記動力断続部の移動によって選択的に噛み合って回転される一対の入力ギアと、
前記一対の入力ギアと選択的に連動されて回転可能に形成される出力ギアと、を含み、
前記動力断続部と選択的に噛み合って回転される前記一対の入力ギアは連動される出力ギアを全て同一な方向に回転させ
前記一対の入力ギアは互いに異なる直径に形成され、直径の小さい入力ギアはアイドルギヤを通じて前記出力ギアと連動されることを特徴とする、動力伝達装置。
【請求項3】
雄ねじ部が形成された入力軸と、
前記入力軸の一側に形成されて自由回転される入力ギアと、
前記入力ギアと連動されて回転可能に結合される内歯車部と、前記内歯車部から入力軸方向に延長され、前記入力軸に自由回転されるように結合される延長部に区分形成される出力ギアと、
前記入力軸の雄ねじ部に結合されて前記入力軸の回転により前記入力軸に沿って直線移動されて前記入力ギアまたは前記出力ギアの延長部と選択的に噛み合って動力を伝達する動力断続部と、
を含むことを特徴とする、動力伝達装置。
【請求項4】
雄ねじ部が形成され、正/逆方向に回転可能な入力軸と、
前記雄ねじ部にねじ結合されて前記入力軸の回転により前記入力軸に沿って直線往復移動可能な動力断続部と、
前記入力軸に形成されて自由回転可能に形成されて、前記動力断続部の移動によって噛み合って回転される入力ギアと、
前記入力ギアと連動されて回転可能に結合される内歯車部と、前記内歯車部から入力軸方向に延長され、前記入力軸に自由回転されるように結合される延長部に区分形成される出力ギアと、を含み、
前記動力断続部と選択的に噛み合う前記入力ギアと延長部の回転による出力ギアの回転は同一な方向であることを特徴とする、動力伝達装置。
【請求項5】
前記入力ギアは、遊星歯車を通じて前記内歯車部と連動されることを特徴とする、請求項3または4に記載の動力伝達装置。
【請求項6】
前記出力ギアは前記入力ギア及び前記動力断続部が形成された前記入力軸を収容する円筒形構造で形成され、内周面には収容された入力ギアと噛合されて連動できる歯が形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の動力伝達装置。
【請求項7】
前記入力軸は出力ギア内部で出力ギアの中心と偏心されるように配置されることを特徴とする、請求項に記載の動力伝達装置。
【請求項8】
前記動力断続部は、
内周面に前記雄ねじ部に結合できる雌ねじ部が形成され、入力軸に沿って直線往復移動されるローダと、
前記ローダの内周面の周りに沿って複数個が貫通配置され、前記ローダに向ける入力ギアまたは延長部の側面に両端が密着してスライディング可能なガイドロードを含むことを特徴とする、請求項1から4のうち、いずれか一項に記載の動力伝達装置。
【請求項9】
前記ガイドロードは弾性部材により連結される分割された構造で形成されることを特徴とする、請求項に記載の動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力伝達装置に関し、より詳しくは、入力回転方向に関わらず、速度を選択的に変換して同一な回転方向に出力する動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自転車は一対の輪と、一つのチェーンと、ペダルと、搭乗者が前輪を操向するためのハンドルなどからなり、一対の輪には各々駆動スプロケットと被動スプロケットが装着され、チェーンにより連結される。
【0003】
ここに、搭乗者が両足でペダルを踏んで自転車の前進方向に回してチェーンを駆動させ、チェーンに連結された後輪はペダルの回転される力により自転車の前進方向に前進するようになっている。
【0004】
ところで、従来の自転車は動力を伝達する動力伝達装置、例えば、一対のスプロケットとこれらを連結するチェーンが備えられているので、走行のためには常にペダルを前方にのみ回さなければならない。
【0005】
ここに、ペダルを正逆回転方向に回転させても同一な方向に回転出力する動力伝達装置が適用された自転車が韓国公開特許第10−2011−0039179号に開示されている。
【0006】
開示したように、ペダルの回転方向に関わらず同一な方向に回転出力するためには、自転車はペダルを前に回す時に作動する動力伝達装置とペダルを反対に回す時に作動する動力伝達装置とで構成されている。
【0007】
即ち、一対の動力伝達装置を設けて、一側動力伝達装置のチェーンを平行掛けし、他側動力伝達装置のチェーンを十字掛けして、ペダルを自転車の前進方向に回転させれば一側動力装置が作動して自転車を前進走行させ、ペダルを自転車の後進方向に回転させれば他側動力伝達装置が作動して自転車を前進走行させる構成を有する。
【0008】
ところで、このような自転車に適用された動力伝達装置は走行中に中立状態を維持するためには一方向クラッチを必ず介在しなければならないので、全体的に構造が複雑で、サイズが肥大する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2011−0039179号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記したような問題点を解決するために案出したものであって、構造を単純化させて装置のサイズをコンパクトに具現し、入力回転方向に関わらず速度を選択的に変換し、同一な回転方向に出力できる動力伝達装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る動力伝達装置は、雄ねじ部が形成された入力軸と、前記雄ねじ部を挟んで入力軸に形成されて自由回転される一対の入力ギアと、前記一対の入力ギアと連動されて回転可能に形成される出力ギアと、前記入力軸の雄ねじ部にねじ結合され、前記入力軸の回転により入力軸に沿って直線往復移動されて、前記一対の入力ギアのうちのいずれか一つと選択的に噛み合って動力を伝達する動力断続部を含んで構成できる。
【0012】
前記一対の入力ギアは、互いに異なる直径で形成され、直径の小さい入力ギアはアイドルギヤを通じて前記出力ギアと連動できる。
【0013】
前記出力ギアは、前記入力ギア及び前記動力断続部が形成された前記入力軸を収容する円筒形構造で形成され、内周面には収容された入力ギアと噛合して連動できる歯が形成できる。
【0014】
前記入力軸は出力ギアの内部で出力ギアの中心と偏心されるように配置できる。
【0015】
前記動力断続部は、内周面に前記雄ねじ部に結合できる雌ねじ部が形成され、入力軸に沿って直線往復移動されるローダと、前記ローダの内周面の周りに沿って複数個が貫通配置され、前記ローダに向ける入力ギアの側面に両端が密着してスライディング可能なガイドロードで構成できる。
【0016】
前記ガイドロードは、弾性部材により連結される分割された構造で形成できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、構造を単純化させて装置のサイズをコンパクトに具現し、入力回転方向に関わらず速度を選択的に変換し、同一な回転方向に出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の断面斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3図1のA−A線に従う出力ギアと第1入力ギアの組立状態を示す概略図である。
図4図1のB−B線に従う出力ギアと第2入力ギアとアイドルギヤの組立状態を示す概略図である。
図5】ローダが第2入力ギアと接触して動力伝達する状態を示す図1の断面斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明に対して詳細に説明する。
【0020】
説明の前に、種々の実施形態において、同一な構成を有する構成要素に対しては同一符号を使用して代表的に一実施形態で説明し、その他の実施形態では一実施形態と異なる構成に対してのみ説明する。
【0021】
図1から図5には、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置が図示されている。
【0022】
これら図面に示すように、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1は、入力軸11、出力ギア21、第1入力ギア31、第2入力ギア41、アイドルギヤ51、及び動力断続部を含む。
【0023】
入力軸11は一定の長さの棒形状を有し、外周面の一領域に雄ねじ部13が形成されている。入力軸11にはペダルまたはモーターなどが連結されて、回転動力が発生できる。入力軸11は、出力ギア21の中心と同一であるか、または出力ギア21の中心と偏心されるように貫通配置できる。
【0024】
出力ギア21は中空の円形断面のリング形状を有し、円周方向に沿って内周面に複数のギア歯23が形成されて、全体的に内歯車形態を有する。本実施形態では、ギア歯23が出力ギア21の両端部に各々形成されているものとして図示されているが、これに限定されず、ギア歯23は出力ギア21の内周面の全体に形成されることもできる。出力ギア21の外周にはチェーンが装着されるスプロケット、またはベルトが装着されるプーリーなどが形成されて、入力軸11から入力された動力を出力することができる。
【0025】
第1入力ギア31は外歯車形態を有し、ベアリング37により入力軸11に回転可能に支持される。この際、入力軸11が出力ギアの中心と同一な場合、アイドルギヤにより出力ギア21と連動されて回転できる。一方、入力軸11が出力ギアの中心と同一でなく、偏心されるようにすることで、第1入力ギア31が出力ギア21に直接噛み合って回転できる。一方、後述する動力断続部のローダ63に向ける第1入力ギア31の側面には凹凸形状のカムプロファイル35が形成されている。第1入力ギア31のカムプロファイル35には後述するガイドロード71aが密着またはスライディングする。
【0026】
第2入力ギア41は外歯車形態を有し、入力軸11の雄ねじ部13を挟んで第1入力ギア31と離隔配置される。第2入力ギア41はベアリング47により入力軸11に回転可能に支持される。第2入力ギア41の直径は第1入力ギア31の直径より小さく形成される。一方、動力断続部のローダ63に向ける第2入力ギア41の側面には、例えば、第1入力ギア31と対向する第2入力ギア41の側面には凹凸形状のカムプロファイル45が形成されている。第2入力ギア41のカムプロファイル45には後述するガイドロード71bが密着またはスライディングする。
【0027】
アイドルギヤ51は外歯車形態を有し、第2入力ギア41と出力ギア21との間に配置されて、第2入力ギア41と出力ギア21に歯形噛合いされて回転する。
【0028】
動力断続部は雄ねじ部13にねじ結合され、雄ねじ部13のねじ運動によって第1入力ギア31及び第2入力ギア41に選択的に接触または離隔して入力軸11の動力を第1入力ギア31及び第2入力ギア41に選択的に伝達する。
【0029】
動力断続部はローダ63とガイドロード71a、71bを含む。
【0030】
ローダ63は中空の円形断面のリング形状を有し、入力軸11の雄ねじ部13にねじ結合されて、入力軸11の軸線方向に沿って往復移動する。ローダ63の内周面には雄ねじ部13とねじ結合される雌ねじ部65が形成されている。また、ローダ63にはローダ63の内周面の周りに沿って入力軸11の軸線方向に対して平行に貫通された円形断面形状の複数の貫通孔67が形成されている。
【0031】
また、第1入力ギア31及び第2入力ギア41に各々向けるローダ63の両側面には、第1入力ギア31及び第2入力ギア41に形成されたカムプロファイル35、45と整合する凹凸形状のカムプロファイル69が形成されている。
【0032】
したがって、第1入力ギア31に向けるローダ63のカムプロファイル69が第1入力ギア31のカムプロファイル35と整合してローダ63と第1入力ギア31が接触すれば、ローダ63と第2入力ギア41は離隔して、入力軸11からローダ63に伝達された動力は第1入力ギア31に伝達され、第2入力ギア41に伝達できなくなる。また、第2入力ギア41に向けるローダ63のカムプロファイル69が第2入力ギア41のカムプロファイル45と整合してローダ63と第2入力ギア41が接触すれば、ローダ63と第1入力ギア31は離隔して、入力軸11からローダ63に伝達された動力は第2入力ギア41に伝達され、第1入力ギア31に伝達できなくなる。
【0033】
ガイドロード71a、71bはローダ63に貫通配置されて、ローダ63の直線往復運動を案内する。ガイドロード71a、71bは円形断面の棒形状を有し、ローダ63の内周面の周りに沿って配置され、ローダ63の貫通孔67に貫通結合される。
【0034】
一方、本実施形態でのガイドロード71a、71bは一対からなり、第1入力ギア31に向けるガイドロード71aの自由端部は第1入力ギア31のカムプロファイル35に密着またはスライディングし、第2入力ギア41に向けるガイドロード71bの自由端部は第2入力ギア41のカムプロファイル45に密着またはスライディングする。
【0035】
また、一対のガイドロード71a、71bの間には各ガイドロード71a、71bが第1入力ギア31及び第2入力ギア41の各カムプロファイル35、45に密着するように弾性力を提供するスプリング75が設けられている。スプリング75はローダ63の貫通孔67に挿入されて、ローダ63の往復移動時、ローダ63の慣性が弱い時、ローダ63の移動が容易であるようにガイドする役割をする。
【0036】
ここで、ガイドロード71a、71bは一対に分割されず、一つの棒形態に設けられることもできる。また、ガイドロード71a、71bはローダ63に直接的に形成されず、ローダ63の外部に形成されることができ、ガイドロード71a、71bがローダ63の外部に形成される場合、弾性部材を適用した多様な構造に変形または取替えされることもできる。
【0037】
一方、未説明の参照符号81a、81bは出力ギア21の両側開口をカバーする一対のカバーであり、各カバー81a、81bの板面には入力軸11が回転可能に支持されるベアリング83が設けられており、各カバー81a、81bの外周には各カバー81a、81bを出力ギア21の内周に回転可能に支持するベアリング85が設けられている。また、アイドルギヤ51に隣接したカバー81bにはアイドルギヤ51を回転可能に支持するベアリング87が設けられている。
【0038】
このような構成により、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1の作動について説明すれば、次の通りである。
【0039】
まず、入力軸11の動力を第1入力ギア31を通じて出力ギア21に伝達する過程、例えば、第1モードで動力を伝達する過程について説明する。
【0040】
ローダ63が第1入力ギア31と第2入力ギア41との間の空間に位置する中立状態で、図1に示すように、ローダ63が第1入力ギア31に向けて移動するように入力軸11を第1方向に回転させる。
【0041】
入力軸11の回転により雄ねじ部13がねじ回転することによって、ローダ63の雌ねじ部65はねじ運動し、第1入力ギア31に向けて直線移動するようになる。この際、ローダ63はガイドロード71a、71bにより案内され、直線移動する。
【0042】
次に、ローダ63と第1入力ギア31の各カムプロファイル69、35が整合し、相互接触するようになり、ここに、入力軸11の動力はローダ63を経て第1入力ギア31に伝達され、第1入力ギア31に伝達された動力は出力ギア21を通じて外部に出力される。
【0043】
この際、ローダ63と第2入力ギア41の各カムプロファイル69、45が整合せず、相互離隔するので、入力軸11の動力は第2入力ギア41に伝達されないようになり、出力ギア21に噛み合って回転するアイドルギヤ51と、アイドルギヤ51と噛み合って回転する第2入力ギア41は、入力軸11に対してアイドリングするようになる。また、第2入力ギア41に向けるガイドロード71bの自由端部は第2入力ギア41のカムプロファイル45にスライディングする。
【0044】
次に、入力軸11の動力を第2入力ギア41を通じて出力ギア21に伝達する過程、例えば、第2モードで動力を伝達する過程について説明する。
【0045】
ローダ63が第1入力ギア31と第2入力ギア41との間の空間に位置した状態で、図5に示すように、ローダ63が第2入力ギア41に向けて移動するように入力軸11を第1方向と反対方向である第2方向に回転させる。
【0046】
入力軸11の回転により雄ねじ部13がねじ回転することによって、ローダ63の雌ねじ部65はねじ運動し、第2入力ギア41に向けて直線移動するようになる。この際、ローダ63はガイドロード71a、71bにより案内され、直線移動する。
【0047】
次に、ローダ63と第2入力ギア41の各カムプロファイル69、45が整合し、相互接触するようになり、ここに入力軸11の動力はローダ63を経て第2入力ギア41に伝達され、第2入力ギア41に伝達された動力はアイドルギヤ51を経て、出力ギア21を通じて外部に出力される。
【0048】
この際、出力ギア21は第1モードと同様に、同一な回転方向に回転するが、出力ギア21の回転速度は第1モードに比べて相対的に低くなる。また、ローダ63と第1入力ギア31の各カムプロファイル69、35が整合せず、相互離隔するので、入力軸11の動力は第1入力ギア31に伝達されないようになり、出力ギア21に噛み合って回転する第1入力ギア31は入力軸11に対してアイドリングするようになる。そして、第1入力ギア31に向けるガイドロード71aの自由端部は第1入力ギア31のカムプロファイル35にスライディングする。
【0049】
一方、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1は、構造上、一方向クラッチ役割もする。
【0050】
例えば、ローダ63が第1入力ギア31と整合して入力軸11の動力が第1入力ギア31を通じて出力ギア21に伝達される状態で、入力軸11より出力ギア21がより速い速度で回転するようになれば、ローダ63の雌ねじ部65が入力軸11の雄ねじ部13より速く回転するので、ローダ63が第2入力ギア41に向けて移動するようになって、ローダ63が第1入力ギア31から離隔して入力軸11の動力は第1入力ギア31及び第2入力ギア41に伝達できなくなって、動力伝達装置1は中立状態となる。
【0051】
中立状態でまたローダ63が第1入力ギア31より早く回転すれば、ローダ63が第1入力ギア31に向けて移動してローダ63と第1入力ギア31の各カムプロファイル69、35が整合し、相互接触するようになって、入力軸11の動力をローダ63と第1入力ギア31を経て出力ギア21を通じて出力される。
【0052】
一方、ローダ63と第2入力ギア41の一方向クラッチ機能に対しては前述したローダ63と第1入力ギア31の一方向クラッチ機能と同一であるので、ローダ63と第2入力ギア41の具体的な相互作動関係に対してはその説明を省略する。
【0053】
したがって、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1は、出力ギア21が入力軸11より早く回転すれば、動力伝達装置1が中立状態となって、入力軸11の動力は出力ギア21に伝達されない。
【0054】
図6には本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置の断面図が図示されている。図面に示すように、本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置101は、前述した一実施形態とは異なり、入力軸111が出力軸121に同心をなして貫通配置され、入力軸111の外周面の一領域には雄ねじ部113が形成されている。
【0055】
出力軸121は中空の円筒形状を有し、一側の内周面に円周方向に沿って複数のギア歯125が形成された内歯車部123、及び内歯車部123から軸線方向に沿って延長形成された延長部127を含む。
【0056】
延長部127は内歯車部123から縮径される段差をなして延長形成される。一方、後述する動力断続部のローダ163に向ける延長部127の内側面には凹凸形状のカムプロファイル133が形成されたカム部131が設けられている。カム部131のカムプロファイル133には後述するガイドロード171aが密着またはスライディングする。
【0057】
また、本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置101は、前述した一実施形態とは異なり、一つの入力ギア141を含む。
【0058】
入力ギア141は外歯車形態を有し、入力軸111の雄ねじ部113を挟んで延長部127のカム部131と離隔配置される。入力ギア141はベアリング147により入力軸111に回転可能に支持される。一方、動力断続部のローダ163に向ける入力ギア141の側面には凹凸形状のカムプロファイル145が形成されている。入力ギア141のカムプロファイル145にはガイドロード171bが密着またはスライディングする。
【0059】
遊星歯車151は外歯車形態を有し、入力ギア141と出力軸121との間に配置されて、入力ギア141と出力軸121の内歯車部123に歯形噛合いされて回転する。
【0060】
動力断続部は雄ねじ部113にねじ結合され、雄ねじ部113のねじ運動によって延長部127のカム部131及び入力ギア141に選択的に接触または離隔して入力軸111の動力を延長部127及び入力ギア141に選択的に伝達する。
【0061】
動力断続部は、内周面に雄ねじ部113とねじ結合される雌ねじ部165を形成し、往復移動するローダ163と、ローダ163の直線往復運動を案内するガイドロード171a、171bとを含む。
【0062】
ガイドロード171a、171bは一対からなり、ローダ163の貫通孔167に貫通結合される。一対のガイドロード171a、171bの間には各ガイドロード171a、171bが延長部127及び入力ギア141に密着するように弾性力を提供するスプリング175が設けられており、カム部131に向けるガイドロード171aの自由端部はカム部131のカムプロファイル133に密着またはスライディングし、入力ギア141に向けるガイドロード171bの自由端部は入力ギア141のカムプロファイル145に密着またはスライディングする。
【0063】
また、本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置101は、出力軸121の内歯車部123に隣接した開口をカバーするカバー181を有する。そして、カバー181の板面には入力軸111が回転可能に支持されるベアリング183が設けられており、カバー181の外周にはカバー181を出力軸121の内周に回転可能に支持するベアリング185が設けられている。また、カバー181には遊星歯車151を回転可能に支持するベアリング187が設けられている。
【0064】
ここで、未説明の参照符号189は、出力軸121に収容されて入力軸111を回転可能に支持するベアリングである。
【0065】
このような構成によって、ローダ163が延長部127のカム部131と入力ギア141との間の空間に位置した中立状態で入力軸111の動力が延長部127に伝達される第1モードの動力伝達過程について説明すれば、次の通りである。
【0066】
中立状態で、説明の便利上、図6でローダ163を左側に向けて移動させれば、例えば、ローダ163がカム部131に向けて移動するように入力軸111を第1方向に回転させれば、雄ねじ部113がねじ回転するにつれて、ローダ163の雌ねじ部165はねじ運動し、カム部131に向けて直線移動して、ローダ163とカム部131の各カムプロファイル169、133が整合し、相互接触するようになる。この際、ローダ163はガイドロード171a、171bにより案内され、直線移動する。
【0067】
これによって、入力軸111の動力はローダ163とカム部131を経て出力軸121に伝達される。この際、ローダ163と入力ギア141の各カムプロファイル169、145が整合せず、相互離隔するので、入力軸11の動力は入力ギア141に伝達できなくなり、出力軸121の内歯車部123に噛み合って回転する遊星歯車151と、遊星歯車151と噛み合って回転する入力ギア141は入力軸111に対してアイドリングするようになる。また、入力ギア141に向けるガイドロード171bの自由端部は入力ギア141のカムプロファイル145にスライディングする。
【0068】
一方、本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置101が中立状態で入力軸111の動力が入力ギア141に伝達される第2モードの動力伝達過程について説明すれば、次の通りである。
【0069】
中立状態で、説明の便利上、図6でローダ163を右側に向けて移動させれば、例えば、ローダ163が入力ギア141に向けて移動するように入力軸111を第1方向と反対方向である第2方向に回転させれば、雄ねじ部113がねじ回転するにつれて、ローダ163の雌ねじ部165はねじ運動し、入力ギア141に向けて直線移動して、ローダ163と入力ギア141の各カムプロファイル169、145が整合し、相互接触するようになる。
【0070】
これによって、入力軸111の動力はローダ163と入力ギア141と遊星歯車151を経て出力軸121に伝達される。この際、出力軸121は第1モードと同様に、同一な回転方向に回転するが、出力軸121の回転速度は第1モードに比べて相対的に低くなる。また、ローダ163とカム部131の各カムプロファイル169、133が整合せず、相互離隔するので、入力軸11の動力は出力軸121の延長部127に伝達できなくなる。そして、カム部131に向けるガイドロード171aの自由端部はカム部131のカムプロファイル133にスライディングする。
【0071】
一方、本発明の他の実施形態に係る動力伝達装置101の一方向クラッチ役割に対する説明は、前述した本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1の作動と同一であるので、その説明を省略する。
【0072】
このように、本発明によれば、構造を単純化させて装置のサイズをコンパクトに具現し、入力回転方向に関わらず速度を選択的に変換し、同一な回転方向に出力できるようになる。
【0073】
一方、前述した実施形態では本発明に係る技術的思想が自転車ペダルの動力伝達装置に適用されるものとして説明しているが、これに限定されず、モーター、エンジンなどの多様な動力源を用いた動力伝達装置に適用できる。
【0074】
本発明は記載された実施形態に限定されるものでなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、多様に修正及び変形できることは、この技術の分野で通常の知識を有する者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は本発明の特許請求範囲に属するというべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6