(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底部の背面側には、該背面側に突出する端子台が形成され、前記基板には前記端子台が挿通可能な開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示灯。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載された防災機器用表示灯は、「前面に開口し内部に光源を内蔵した本体と、前記本体の開口部に着脱自在に装着された透光性のグローブとから構成される防災機器用表示灯において、前記グローブの本体から露出するグローブ面正面を単一のアール曲面とし、更にグローブ内面に外向きに開いた楔形断面をもつリング溝を中心から外側に向けて多重に形成したことを特徴とする」ものである(特許文献1の請求項1参照)。
【0003】
特許文献1の防災機器用表示灯は、本体前部に形成した鍔部にリング状の嵌合溝を形成し、該嵌合溝にパッキンを設置すると共に、該嵌合溝にグローブの周端部をねじ込むことにより、グローブを本体に着脱可能に取り付けている。
そして、グローブの内面側と本体内部とは連通した空間を形成し、該空間内に基板やLED等の電気部品が収納されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示灯のグローブは外部からの視認性を高めるため、壁面から突出する形状になっており、それ故に外力が作用しやすく破損する危険がある。そのため、特許文献1の防災機器用表示灯のように、グローブを本体に対して着脱可能にして破損時に交換が容易にできるようにしている。しかしながら、着脱可能にすることで、グローブの本体に対する取付部から雨水の浸入する可能性があり、これを防止するため、特許文献1ではパッキンを設置する構造としている。
【0006】
しかしながら、パッキンによる防滴構造では、必ずしも確実に雨水の浸入を防止できるとは限らない。そして、グローブの内面側と本体内部とは連通した空間となっているので、雨水が浸入すると、本体内部に設置されている基板等の電気部品に障害が発生する虞がある。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、防滴性能に優れた表示灯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る表示灯は、有底枠体からなり枠の
外周部に第1ねじ部が形成された本体と、
縁部
内周面に前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部が形成され、該第2ねじ部を前記第1ねじ部に螺合することで前記本体に着脱可能に取り付けられるグローブとを有し、
前記本体の底部は透光部材からなり、該底部の背面側に発光素子を有する基板を取り付ける基板取付部と該基板取付部を囲う筒状部が設けられ、
該筒状部は前記本体と一体構造であり、壁面への取付状態において壁面に設けられた設置穴に挿入され
、
前記グローブを取り付けた状態で、前記グローブの縁部端面と前記本体の前記底部における背面とが面一になるように設定され、
壁面に設置した状態において、前記壁面と、前記グローブの縁部端面及び前記本体の前記底部との間に配置されるパッキンを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
(
2)また、上記(1
)に記載のものにおいて、前記底部の背面側には、該背面側に突出する端子台が形成され、前記基板には前記端子台が挿通可能な開口部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、有底枠体からなり枠の周部に第1ねじ部が形成された本体と、縁部周面に前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部が形成され、該第2ねじ部を前記第1ねじ部に螺合することで前記本体に着脱可能に取り付けられるグローブとを有し、
前記本体の底部は透光部材からなり、該底部の背面側に発光素子を有する基板を取り付ける基板取付部を設けたことにより、基板は本体の底部の背面側に配置されることになり、雨水等によって基板が濡れる可能性が極めて少なく、防滴性能に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施の形態に係る表示灯1は、
図1および
図2に示す通り、有底枠体からなる本体3と、本体3に着脱可能に取り付けられるグローブ5とを有している。
以下、本体3、本体3に取り付けられる基板7、基板7の取付構造、グローブ5について詳細に説明する。
【0018】
<本体>
本体3は、赤色の透光部材で構成されている。本体3の枠の外周部に第1ねじ部3aが形成されている。
第1ねじ部3aに、グローブ5の縁部内周面に形成された第2ねじ部5aを螺合することで、本体3にグローブ5を着脱可能に取り付け可能になっている。グローブ5の詳細については後述する。
本体3の底部3bの中央部には、
図2および
図4に示す通り、前面側に突出する扁平な円錐台形状の突出部3dが形成されている。
突出部3dの背面側には、
図3および
図4に示す通り、背面側に突出する端子台11が形成されている。端子台11における両側には矩形状に凹陥する端子取付部11aが形成されている。
端子取付部11aには、端子金具13aと端子ネジ13bからなる端子13(
図2および
図4参照)が取り付けられる。
【0019】
端子台11の両側には、基板7(
図2参照)を取り付けるための基板取付部としての柱状体9が立設されている。
柱状体9の先端から基部側に少し下がった位置には、
図3中の点線の丸で囲んだ部分の拡大図に示す通り、拡径する段部9aが形成されている。段部9aは、後述するように基板7の取付に際して位置決めとして機能する。
突出部3dの背面側には、端子台11及び柱状体9を囲むように、筒状部3cが形成されている。
底部3bにおける突出部3dよりも外周部には、本体3を壁に取り付ける取付ネジ26(
図4参照)を挿通するネジ挿通孔3eが形成されている。
【0020】
<基板>
基板7は、
図2および
図3に示す通り、円形板からなり、白色に発光する発光素子19が、リング状に複数設置されている。なお、基板7における発光素子19が取り付けられる面は、
図2に示すように、基板7の取付状態において本体3の底面3b側となる面である。
基板7の中央には、本体3の端子台11が挿通可能な矩形状の開口部7aが設けられている。
基板7の開口部7aを挟む両側には、柱状体9の先端が挿入される穴7bが設けられている。穴7bの径は、柱状体9の先端の径より大きく、柱状体9の段部9aの径よりも小さく設定されおり、柱状体9における段部9aよりも先端側のみが挿入可能になっている。これによって、柱状体9の軸方向における基板7の取り付け位置が規制される。
【0021】
<基板の取付構造>
基板7は、発光素子19を前面側にして(
図2参照)、
図4に示すように、本体3に対して背面側から挿入される。具体的には、開口部7aに端子台11を挿通し、穴7bを柱状体9の先端部に挿入することで、基板7は柱状体9に取り付けられる。そして、柱状体9に基板7が挿通された後、柱状体9の先端を加熱して、柱状体9と基板3とを熱溶着する。
このように、基板7は本体3の底部3bの背面側に取り付けられるため、仮に、本体3とグローブ5とで形成される内部空間8に水滴が浸入したとしても基板7に影響がなく、防滴性に優れている。
また、基板7は柱状体9に支持されており、底部3bから離れて取り付けられるため、仮に底部3bの背面側に水滴が浸入しても、底部3bから基板7に伝わることがない。
なお、上述したように本体3は透光部材で構成されているため、発光素子19からの光は、本体3の底部3bを透過可能になっている。
【0022】
端子台11には、
図4に示すように、端子金具13aが設置され、端子金具13aに端子ネジ13bが取り付けられる。このように、端子台11を基板7に設けるのではなく、本体3側に設けたことにより、端子ネジ13bを取り付ける際に基板7に応力が作用せず、端子ネジ13bの締め付け力の加減をする必要がなく、施工性に優れている。
なお、端子台11の端子金具13aと基板7のパターンとは電気的に接続されており、例えば、図示しないリード線で接続されている。また、端子金具の形状を変えることで、端子金具と基板7のパターンとを直接、電気的に接続することもできる。
【0023】
<グローブ>
グローブ5は、
図4および
図5に示すように凸形のアール曲面からなり、赤色の透光部材で構成されている。
グローブ5の縁部内周面には本体3の第1ねじ部3aに螺合する第2ねじ部5aが形成されており、グローブ5は第2ねじ部5aが第1ねじ部3aに螺合することで、本体3に着脱可能に取り付けられる。
このように、表示灯1は、本体3の外周側に第1ねじ部3aを形成したいわゆる外ねじ式になっている。
【0024】
図6は、外ねじ式と内ねじ式を比較するための図であり、
図6(a)が外ねじ式を示し、
図6(b)が内ねじ式を示している。内ねじ式とは、本体23の枠の内周部に設けられた第1ねじ部23aと、グローブ25縁部外周面に設けられた第2ねじ部25aによって、本体23の内側にグローブ25が螺合する形式をいう。
なお、
図6(a)は、
図4中において点線の丸で囲んだ部分に相当する。
【0025】
壁面と本体間、並びに、本体とグローブ間にパッキンの設置が必要な内ねじ式と比べて、本実施の形態は外ねじ式にしたことで、パッキン17の設置が壁面との境界のみでよく、設置が容易であるという効果が得られている(
図4参照)。
また、外ねじ式にすることで、小型化を実現できるという効果も奏する。この点を以下に説明する。
【0026】
図6(a)の表示灯1および
図6(b)の表示灯21において、螺合部の幅をWとする。
また、本体3と本体23のそれぞれの底部板厚はtで同一であるとし、グローブ5とグローブ25のそれぞれにおいて、突出高さも同一であるとする。
【0027】
内ねじ式では、
図6(b)から分かるように、底部板厚tの分だけ製品が厚くなるが、外ねじ式では、
図6(a)に示すように、グローブ5の縁部端面5bと本体3の底部3bの背面とが面一になるまでねじ込むことができるため、底部板厚tが表示灯1の製品厚さに影響することはない。
このように、外ねじ式の場合、内ねじ式の場合より底部板厚tの分だけ、製品厚さを薄くできる。
【0028】
また、内ねじ式では、仮にグローブ25に物がぶつかるなどの衝撃が作用すると、グローブ25が内側に撓んで螺合部が外れる恐れがある。これに対して、外ねじ式では、グローブ5が外力を受けても本体3で支えることができるためグローブ5が内側に撓みにくく、撓んだとしても外れにくいという効果も奏している。
【0029】
次に上記のように構成された本実施の形態の表示灯1の壁面への取付構造を説明する。
なお、設置穴15aからは電源用の電線が延び出しており、この電線の先端が端子13に予め接続されているものとして説明する。
図4に示すように、本体3の背面側と壁15との間にパッキン17を配置し、壁15に設けられた設置穴15aに本体3の筒状部3cを挿入する。この状態で、取付ネジ26を本体3のネジ挿通孔3eに正面側から挿通し、さらに壁15にねじ込むことで本体3を壁15に取り付ける。
その後、グローブ5を本体3に取り付ける。
【0030】
表示灯1の設置状態における作用効果を以下に説明する。
設置状態においては、
図4に示すように、グローブ5の縁部端面5bと本体3の底部3bの背面とが面一になるように設定されているため、パッキン17によって、内部空間8および壁裏空間16という2つの空間に水が浸入するのを防止することができる。このように、1つのパッキン17によって2つの空間への水の浸入を防止することができるため、部品数を低減させることができ、コストダウンにつながる。
【0031】
また、基板7は本体3の底部3bの背面側の柱状体9に取り付けられているため、仮に内部空間8内に水が浸入したとしても、基板7にはなんら影響がなく、防滴性に優れている。
また、仮に、壁裏空間16に水が浸入したとしても、基板7や端子台11は筒状部3cによって囲まれているため、基板7等が濡れることはない。
なお、端子台11は本体3の底部3bの背面側に形成され、かつ基板7の開口部7aに端子台11が挿通されているので、基板7に端子台を取り付ける場合に比較して、端子台11が基板7の後方に大きく出っ張ることがない。それ故、筒状部3cは短くても防滴性を確保でき、このことが本体3のより一層の小型化を実現している。
【0032】
なお、上記の説明では、柱状体9の段部9aは単段であったが、多段にしてもよい。この場合、基板7の穴7bの大きさを変えることで、基板の設置位置を容易に変更することができる。例えば、基板7の種類毎に発光素子19の位置や強さが異なり、最適位置を変える必要がある場合においても、穴7bの大きさを変えるだけで、基板7を簡単に最適位置に設置でき、組立が簡易である。
また、上記の説明では、本体3及びグローブ5は赤色の透光部材で構成されていると説明したが、赤色に限られず、例えば無色透明や青色の透光部材でも良い。
さらに、表示灯を赤色に発光させたい場合には、上記説明の通り、本体3及びグローブ5を赤色の透光部材で構成し、発光素子19を白色のLEDで構成しても良いが、本体3及びグローブ5を無色透明の透光部材で構成し、発光素子19を赤色のLEDで構成しても良い。
また、上記の説明では、表示灯11は外ねじ式で構成されているものとして説明したが、本発明は外ねじ式だけに限定されず、内ねじ式にも本発明は適用可能である。すなわち、内ねじ式の表示灯であっても、本発明に適用すれば防滴性に優れる。