特許第6275652号(P6275652)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6275652電気光学および配向層を有する自動立体視ディスプレイ装置のレンチキュラー手段ならびにその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6275652
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】電気光学および配向層を有する自動立体視ディスプレイ装置のレンチキュラー手段ならびにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20180129BHJP
   G02B 27/22 20060101ALI20180129BHJP
   G03B 35/24 20060101ALI20180129BHJP
   G03B 35/18 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   G02F1/13 505
   G02B27/22
   G03B35/24
   G03B35/18
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-551564(P2014-551564)
(86)(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公表番号】特表2015-511323(P2015-511323A)
(43)【公表日】2015年4月16日
(86)【国際出願番号】EP2012076756
(87)【国際公開番号】WO2013104519
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2015年11月17日
(31)【優先権主張番号】12151027.5
(32)【優先日】2012年1月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514171315
【氏名又は名称】ウルトラ−デー・コーペラティーフ・ユー・アー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザイデマ,ハンス
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/109396(WO,A1)
【文献】 特表2010−510552(JP,A)
【文献】 特表2009−528565(JP,A)
【文献】 特表2010−501887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02B 27/22 − 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状の画素から成るディスプレイ出力を提供するためのディスプレイパネルを備える立体ディスプレイ装置用のレンチキュラー手段(LM)を製造する方法であって、レンチキュラー手段(LM)が、ディスプレイパネルのディスプレイ側に配置され、
それのレンチキュラー側(LS)にプロファイル表面(PSF)を備えるレンチキュラーシート(35)であり、プロファイル表面(PSF)が、立体視画像を知覚できるようになるように、相互に異なる方向に前記画素のそれぞれのグループから出力を誘導するためにレンチキュラー素子(36)のアレイを画定する、第1の屈折率を有するレンチキュラーシート(35)と、
機能性分子を備える電気光学材料(30)であり、電気光学材料(30)は、第2の屈折率を有し、レンチキュラーシート(35)のプロファイル表面(PSF)のレンチキュラー側(LS)に第1の側(S1)が配置され、電気光学材料(30)の第2の屈折率は、電気光学材料(30)の第2の屈折率がレンチキュラーシート(35)の屈折率と実質的に同じである第1の値と、電気光学材料の屈折率が第1の屈折率と異なる第2の値との間でそれに電位(V)を選択的に印加することによって切り換え可能である、電気光学材料(30)と、
電気光学材料(30)と第1の配向層(27)との間の界面の近くに機能性分子の配向を強制するために電気光学材料(30)の第2の側(S2)で電気光学材料(30)に当接する第1の配向層(27)であり、第2の側(S2)がレンチキュラーシート(35)から反対方向に向いた、第1の配向層(27)と
を備え、方法が、
i) 層の第1のサブスタック(20)をリールツーリール処理で形成するステップであって、層の第1のサブスタックは、第1の透明キャリア箔(25)と、第1の透明キャリア箔(25)に設けられた第1の配向層(27)とを有するステップと、
ii) 層の第2のサブスタック(40)をリールツーリール処理で形成するステップであって、層の第2のサブスタックは、第2の透明キャリア箔(45)と、第2の透明キャリア箔(45)に設けられたレンチキュラーシート(35)とを有するステップと、
iii)レンチキュラー手段(LM)の切り換え可能なセルを
層のサブスタック(20、40)それぞれを切断すること、
各サブスタックを対応するガラスプレート(10、50)に付加すること、および
前記サブスタックを共に結合することであって、結合プロセスにおいてエッジシール(60)が電気光学材料(30)のための空間を画定するために設けられること
によって形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
レンチキュラーシート(35)が、電気光学材料(30)に直接設けられ、前記方法はさらに、レンチキュラーシート(35)のレンチキュラー側(LS)を、電気光学材料(30)のための配向層として機能するために改変するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レンチキュラーシート(35)と電気光学材料(30)との間に第2の配向層(37)を設けるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法はさらに、電気光学材料(30)の第2の側(S2)に第1の電極層(26)を、電気光学材料(30)の第1の側(S1)に第2の電極層(56)を設けるステップを有し、第2の側(S2)が、第1の側(S1)の反対側にあり、第1の電極層(26)および第2の電極層(56)が、前記電位(V)を印加するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の電極層(26)および第2の電極層(56)の一方を第の透明キャリア箔(25)に設けるステップをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1の電極層(26)および第2の電極層(56)の他方を第2の透明キャリア箔(45)に設けるステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ状の画素から成るディスプレイ出力を提供するためのディスプレイパネルを備える自動立体視ディスプレイ装置用のレンチキュラー手段に関し、レンチキュラー手段は、ディスプレイパネルのディスプレイ側に配置され、ディスプレイ装置は、2D動作モードと3D動作モードとの間で切り換え可能である。また、本発明は、この種の自動立体視ディスプレイ装置それ自体に関する。さらに、本発明は、この種のディスプレイ装置を備える電子デバイスに関する。また、本発明は、この種のディスプレイ装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動立体視ディスプレイ装置が知られている。この種の自動立体視ディスプレイ装置の例は、SPIE Proceedings Vol.2653、1996、第32〜39頁に発表された「Multiview 3D−LCD」という表題のC.van Berkelらによる論文、および英国特許第GB−A−2196166号明細書に説明されている。これらの例においては、ディスプレイ装置は、画素(ディスプレイ素子)の行および列を有し、かつ光源からそれを通して誘導される光を変調する空間光変調器として作用する、マトリックスLC(液晶)ディスプレイパネルを備える。ディスプレイパネルは、他のディスプレイ用途、たとえば二次元形状で表示情報を提示するためのコンピュータディスプレイ画面に使用されるようなものから成り得る。たとえば、ポリマー材料の成形されまたは加工されたシートの形をとるレンチキュラーシートは、そのレンチキュラー素子を備えるディスプレイパネルの出力側の上に重なり、(半)円柱レンズ素子を備え、列方向に延在し、各レンチキュラー素子がディスプレイ素子の2つ以上の隣接する列のそれぞれのグループと結合しており、ディスプレイ素子の列と平行に広がる平面に延在する。各レンチキュラーがディスプレイ素子の2つの列と結合する構成においては、ディスプレイパネルは、垂直にインターリーブされた2つの2Dサブ画像を備える合成画像を表示するように駆動され、ディスプレイ素子の交互の列は、2つの画像を表示し、各列のディスプレイ素子は、それぞれの2D(サブ)画像の垂直スライスを提供する。レンチキュラーシートは、これらの2つのスライスと、他のレンチキュラーと結合するディスプレイ素子の列からの対応するスライスとを、シートの前の観察者のそれぞれ左目および右目の方へ誘導し、その結果、適切な双眼視差を有するサブ画像によって、観察者は単一の立体視画像を知覚する。各レンチキュラーが行方向に2つ以上の隣接するディスプレイ素子のグループと結合しており、各グループのディスプレイ素子の対応する列がそれぞれの2−D(サブ)画像から垂直スライスを提供するように適切に配置される他のマルチビュー構成においては、この場合、観察者の頭が移動するにつれて、一連の連続する異なる立体視が、たとえば見回した印象を作り出すように知覚される。表示画素と正確に位置合わせされるべきレンチキュラー素子の必要性を考慮して、レンチキュラー素子の位置が画素のアレイに関して固定されるように永続的な方法でレンチキュラースクリーンがディスプレイパネルの上に取り付けられるのが通例である。
【0003】
この種類の自動立体視ディスプレイ装置は、さまざまな用途、たとえば医療用画像化、仮想現実、ゲーム、およびCADの分野に使用され得る。
【0004】
自動立体視ディスプレイ装置のさらなる展開は、2D動作モードと3D動作モードとの間で切り換え可能であるような装置を作製することから成る。この種の自動立体視ディスプレイ装置においては、レンチキュラー手段は、レンチキュラー手段の光出力誘導作用が与えられる第1の値と、光出力誘導作用が取り除かれる第2の値との間でそれに電位を選択的に印加することによってその屈折率が切り換え可能である電気光学材料を備える。したがって、電気光学材料を切り換えることによって、レンチキュラー手段のレンズ作用は相殺され得る。実際、レンチキュラー手段は、「オン」および「オフ」に切り換えられ得る。1つの設定、「オン」モードにおいては、レンチキュラー手段は、適切にサブ画像のグループから光出力を誘導するように通常の方法でレンズ作用を行って、適当な立体視サブ画像が画像表示デバイスに表示されると立体視画像を知覚できるようになるように操作可能である。他の設定、「オフ」モードにおいては、このレンズ作用は除去され、レンチキュラー手段は、透明材料の単純なシートのように機能し、それによって、同じ表示情報を、従来の二次元ディスプレイの場合のように観察者の両眼によって受け取ることができる。これにより、画素の列および行によって決定されるように、表示デバイスの十分に使用できる水平および垂直解像度をディスプレイに利用して高解像度の二次元表示情報を見ることができるようになる。したがって、装置は、これらの2つのモードの間でレンチキュラー手段を単に切り換えることによって、3−D立体ディスプレイおよびネイティブ解像度の従来の2−Dディスプレイに使用され得る。したがって、この種類の自動立体視ディスプレイ装置は、同じディスプレイ装置を、高解像度の2−Dおよび3−D表示目的の両方に使用できるようになるという著しい利点を提供する。たとえばコンピュータディスプレイ画面として使用される場合には、ユーザは、必要に応じて、立体視画像のための3−Dディスプレイモードとテキスト処理などのためのネイティブ解像度2−Dディスプレイモードとの間を簡単に切り換えることができる。
【0005】
知られている2D/3D切り換え可能な自動立体視ディスプレイ装置の欠点は、経済的な実現可能な方法で大量生産に適していないということである。従来、この種のディスプレイ装置は、レンチキュラー手段に液晶技術を使用する。この種の技術に使用される積層体は、複雑であり、処理ステップを必要とし、これは、大量生産目的に適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】英国特許出願公開第2196166号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0033812号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Multiview 3D−LCD」、C.van Berkelら、SPIE Proceedings Vol.2653、1996、第32〜39頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、大量生産により適している自動立体視ディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、独立請求項によって規定される。従属請求項は、有利な実施形態を規定する。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、目的は、請求項1に記載のレンチキュラー手段によって達成される。
【0011】
本発明によるディスプレイ装置のレンチキュラー手段の効果は、次のとおりである。本発明のレンチキュラー手段は、それのレンチキュラー側にプロファイル表面を備えるレンチキュラーシートなどの、知られている自動立体視ディスプレイ装置と同様の層を備え、
プロファイル表面は、立体視画像を知覚できるようになるように、相互に異なる方向に前記画素のそれぞれのグループから出力を誘導するためにレンチキュラー素子のアレイを画定する。さらに、レンチキュラーシートは、第1の屈折率を有する。本発明の自動立体視ディスプレイ装置のレンチキュラー手段は、機能性分子を備える電気光学材料をさらに備える。電気光学材料は、第2の屈折率を有し、レンチキュラーシートのプロファイル表面のレンチキュラー側に第1の側が配置される。電気光学材料の第2の屈折率は、電気光学材料の第2の屈折率がレンチキュラーシートの屈折率と実質的に同じである第1の値と、電気光学材料の屈折率が第1の屈折率と異なる第2の値との間でそれに電位を選択的に印加することによって切り換え可能である。かつ、本発明の自動立体視ディスプレイ装置のレンチキュラー手段は、電気光学材料と第1の配向層との間の界面の近くに機能性分子の配向を強制するために第2の側で電気光学材料に当接する第1の配向層を備え、第2の側はレンチキュラーシートから反対方向に向いている。
【0012】
本発明では、光学的に表示機能に影響を与えない第1の透明キャリア箔を付加すると、製造プロセスにおいて多種多様な選択肢が広がる。層スタックのそれぞれの層は、これらが形成されているレンチキュラー手段のスタックに付加される前に、リールツーリール処理でコーティング、噴霧、等のような従来の堆積技術をまず第1に用いて透明キャリア箔に設けられ得る。さらにまた、レンチキュラー手段のスタックへの透明キャリア箔の付加は、一体化される層がすべて、それ自体リールツーリール処理に適していることを条件として、リールツーリール処理で行われ得る。これは、通常、折り畳み不能の厚いガラス基板への層の付加を除外する。別様に表現すれば、形成されているレンチキュラー手段のスタックに付加される透明キャリア箔は、(正しい材料および厚さを選択することによって)リールツーリール処理にそれ自体適している。両方の態様の組合せは、経済的な実現可能な方法で大量生産に適しているプロセスにする。リールツーリール処理は、それ自体当業者によく知られている。リールツーリール/ロールツーロール/リールツーリール(用語R2Rで包含される)処理は、それ自体当業者によく知られている。
【0013】
本発明者らは、ディスプレイ装置の大量生産を目的とする場合は、自動立体視ディスプレイ装置のレンチキュラー手段の従来の層スタックは問題を引き起こすことを理解している。特に、電気光学材料(たとえば、液晶材料)に隣接し、かつ/またはそれと相互に作用する層を設けると、従来の処理が複雑になり、大量生産に適さなくなる。
【0014】
この種の「問題の多い」層には、配向層(たとえば、レンチキュラースタックのポリイミド層)があり、これは、液晶材料と第1の配向層との間の界面に近い液晶材料に液晶分子の配向を強制するために必要である。(ポリイミド層などの)配向層の欠点は、これがスタックに付加された後に摩擦することを必要とすることである。ポリイミド層の摩擦は、機械的なかつ細心の注意を要するステップを伴う。ポリイミド層をまず第1に透明キャリア箔に設けることによって、摩擦を行うことをより容易にし、さらに、この種の摩擦は、大量生産を容易にするリールツーリール処理で行われ得る。ポリイミド層の摩擦は、それ自体当業者によく知られている。
【0015】
さらに、本発明のディスプレイ装置の実施形態においては、この種の「問題の多い」層はまた、それ自体レンチキュラーシートを含むことができる(後ほどこの説明において、レンチキュラーシートと電気光学材料との間にいかなる配向層も全くない、有利な実施形態が説明される)。
【0016】
語法「それぞれの側に配置されている」は、電気光学材料とレンチキュラーシートとの間に第1の配向層(またはさらなる配向層)などの、前記それぞれの層の間に他の層があり得るという選択肢が含まれるように解釈されなければならない。
【0017】
さらに、語法「第1の透明キャリア箔に設けられる」は、本発明のディスプレイ装置が、第1の透明キャリア箔と第1の配向層との層の間に第1の電極層などの、他の層があり得るという選択肢を含むように解釈されるべきである。
【0018】
形状構成「配向層」がこの説明に用いられる場合には、これは、電気光学材料に分子(たとえば、液晶分子)の配向を固定するのに適した層として解釈されなければならない。この配向層がポリイミドを含む場合は、これは、層が(たとえば、ラビング用布で)摩擦されているということを意味する。LCDディスプレイ用のポリイミド層の摩擦は、それ自体よく知られているプロセスである。
【0019】
この説明において、語法「第1のもの」がいくつかの選択肢からの選択と関連して用いられる場合には、これは、いくつかの選択肢から1つのものを選択することとして解釈されなければならない。
【0020】
この説明において、語法「第2のもの」がいくつかの選択肢からの選択と関連して用いられる場合には、これは、第1のものに比べて異なるものとして解釈されなければならない。
【0021】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態は、リールツーリール処理に適している第2の透明キャリア箔をさらに備える。さらに、この実施形態においては、レンチキュラーシートおよび第1の配向層のうちの第2のものは、第2の透明キャリア箔に設けられる。この実施形態は、より問題の多い層が本発明に従って対処されると(これは、これらの層がそれぞれの透明キャリア箔に設けられてから、それらがレンチキュラー手段のスタックに加えられるということを意味する)、ディスプレイ装置は経済的な実現可能な方法で大量生産に、それだけより適切になるので、有利である。
【0022】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、レンチキュラーシートは、電気光学材料に直接設けられ、レンチキュラーシートのレンチキュラー側は、電気光学材料のための配向層として機能するために改変されている。レンチキュラーシートを適合させる1つの方法は、レンチキュラーシートの表面を摩擦することによってである。これは、配向層のうちの1つを完全になしで済ますことができ、それによりデバイスの製造方法があまり複雑かつ高価にならないので、有利な実施形態である。本発明者らは、配向層の機能を引き継ぐようにレンチキュラーシートのレンチキュラー側を改変することができることを理解している。これは、配向層について行われるのと同じようにレンチキュラーシートの表面を摩擦することによってであり得る。
【0023】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態は、レンチキュラーシートと電気光学材料との間に第2の配向層をさらに備える。この実施形態は、以前に言及した実施形態の変形を構成する。レンチキュラーシートと電気光学材料との間の第2の配向層の付加は、知られているディスプレイ装置の層構造により類似した層構造にする(知られているディスプレイ装置の層スタックにおいては、いかなる透明キャリア箔もないことが留意されなければならない)。
【0024】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態は、電気光学材料の第1の側に設けられる第1の電極層と、電気光学材料の第2の側に設けられる第2の電極層とをさらに備え、第2の側は、第1の側の反対側にあり、第1の電極層および第2の電極層は、前記電位を印加するように構成される。
【0025】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、第1の電極層および第2の電極層のうちの第1のものは、第1の透明キャリア箔に設けられている。第1の電極層は、(第1の透明キャリア箔が電気光学材料の第1の側に設けられる場合には)たとえば第1の透明キャリア箔とレンチキュラーシートとの間で、または、(第1の透明キャリア箔が電気光学材料の、第1の側と反対側の第2の側に設けられる場合には)第1の透明キャリア箔と第1の配向層との間で、第1の透明キャリア箔に設けられ得ることが有利である。
【0026】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、第1の電極層および第2の電極層のうちの第2のものは、第2の透明キャリア箔に設けられる。第2の電極層は、(第2の透明キャリア箔が電気光学材料の第1の側に設けられる場合には)たとえば第2の透明キャリア箔とレンチキュラーシートとの間で、または、(第2の透明キャリア箔が電気光学材料の、第1の側と反対側の第2の側に設けられる場合には)第2の透明キャリア箔とそれぞれの配向層との間で、第2の透明キャリア箔に設けられ得ることが有利である。
【0027】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、ディスプレイパネルは、LEDパネル、LCDパネル、およびプラズマパネルを備えるグループの1つを備える。本発明の実施形態はレンチキュラー手段に液晶技術を使用するということにもかかわらず、本発明は、それ自体LCDパネルに限定されるものではない。画素のアレイを有する任意の種類のディスプレイパネルは、立体視画像を知覚できるようになるように、2つ以上のインターリーブされたサブ画像を備える画像を生成するのに適している。
【0028】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、前記第1の透明キャリア箔は、ポリマー材料を備える。
【0029】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、前記第2の透明キャリア箔は、ポリマー材料を備える。
【0030】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、前記電気光学材料は、液晶材料を備える。
【0031】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、前記第1の配向層は、ポリイミド(PI)材料を備える。
【0032】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、前記第2の配向層は、ポリイミド(PI)材料を備える。
【0033】
本発明の自動立体視ディスプレイ装置の一実施形態においては、前記電極層は、酸化インジウムチタン(ITO)材料、またはカーボンナノチューブ、または他の透明導電層を備える。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、目的は、本発明のレンチキュラー手段を備える、請求項9に記載の自動立体視ディスプレイ装置によって達成される。本発明は、現存するディスプレイパネルにアドオンとして、またはこの実施形態の場合のように、レンチキュラー手段およびディスプレイパネルの組合せとして売られ得る。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、目的は、本発明の自動立体視ディスプレイ装置を備える、請求項10に記載の電子デバイスによって達成される。本発明は、携帯型デバイス(たとえばスマートフォン、PDA、ラップトップ、タブレットPCなど)、医療用画像化、仮想現実、ゲームおよびCADの分野の適用領域でこの種の電子デバイスに適用され得ることが有利である。
【0036】
本発明の第4の態様によれば、目的は、請求項11に記載のディスプレイ装置を製造する方法によって達成される。既に以前に説明したように、本発明は、大量生産に適している自動立体視ディスプレイ装置を提供することを目的とする。このために、ディスプレイ装置のレンチキュラー手段は、リールツーリール処理に適している、それぞれの透明キャリア箔に設けられる前記それぞれの機能層を備えるそれぞれのサブスタックの形の、それぞれの機能層を設けることによって改変される。換言すれば、それぞれの機能層は、それぞれの透明キャリア箔にまず第1に設けられ、その後、結果として得られるサブスタックが、レンチキュラー手段の中間スタックに付加される。
【0037】
本発明による方法の一実施形態においては、本方法は、i)リールツーリール処理に適している第2の透明キャリア箔を備える、層の第2のサブスタックを設けるステップであり、レンチキュラーシートおよび第1の配向層のうちの第2のものが、第2の透明キャリア箔に設けられるステップと、ii)第2のサブスタックをレンチキュラー手段の中間層スタックに付加するステップとをさらに含む。この実施形態においては、本発明の原理が、スタックのさらなる層に繰り返され、これは、本方法をリールツーリール処理で実施するのにより適するようにし、本方法を大量生産により適するようにする。
【0038】
本発明による方法の一実施形態においては、層の第1のサブスタックの形成は、リールツーリール処理で行われる。この実施形態の利点は、本方法が経済的に実現可能な方法で大量生産により適していることである。
【0039】
本発明による方法の一実施形態においては、層の第2のサブスタックの形成は、リールツーリール処理で行われる。
【0040】
本発明による方法の一実施形態においては、層の第1のサブスタックの付加は、リールツーリール処理で行われる。
【0041】
本発明による方法の一実施形態においては、層の第2のサブスタックの付加は、リールツーリール処理で行われる。
【0042】
本発明のこれらのおよび他の態様は、後に説明される実施形態から明らかであり、それを参照して解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一実施形態による自動立体視ディスプレイ装置の積層体を示す図である。
図2a図1の装置の製造方法の一段階を示す図である。
図2b図1の装置の製造方法の一段階を示す図である。
図2c図1の装置の製造方法の一段階を示す図である。
図2d図1の装置の製造方法の一段階を示す図である。
図2e図1の装置の製造方法の一段階を示す図である。
図2f図1の装置の製造方法の一段階を示す図である。
図3】本発明の別の実施形態による自動立体視ディスプレイ装置の積層体を示す図である。
図4】本発明の別の実施形態による自動立体視ディスプレイ装置の積層体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、大量生産に適している自動立体視ディスプレイ装置に関する。対照的に、知られている自動立体視ディスプレイ装置は、今日まで、(液晶層などの)電気光学層と相互に作用する層などの層スタックのある層が容易に設けられ得ないということにより、大量生産に適していない。この種の層の1つの例は、配向層との界面に近い電気光学層に分子の配向を強制するために設けられる配向層(従来、ポリイミドで作られる)である。本発明の有利な実施形態においては、この種の層はまた、図面および対応する説明に示されるように、レンチキュラーシートであり得る。本発明においては、ディスプレイ装置のレンチキュラー手段は、リールツーリール処理に適している、それぞれの透明キャリア箔に設けられる前記それぞれの機能層を備えるそれぞれのサブスタックの形の、それぞれの機能層を設けることによって改変される。換言すれば、それぞれの機能層は、それぞれの透明キャリア箔にまず第1に設けられ、その後、結果として得られるサブスタックが、レンチキュラー手段の中間スタックに付加される。
【0045】
詳細な実施形態の説明においては、限定された数の例示的な実施形態のみが、本発明の理解を容易にするために与えられる。これらの例示的な実施形態の変形が、本発明の理解に好都合であると考えられるところに言葉で示される。本発明の性質は、2D/3D切り換え可能なディスプレイの光学的かつ電気的機能に関するすべての説明を不必要にする。米国特許出願公開第2009/0033812A1号明細書などの、先行技術の参照が行われ、この種の詳細はすべて十分に説明されている。
【0046】
図1は、本発明の実施形態による自動立体視ディスプレイ装置の積層体を示している。この図で示されているものは、ディスプレイパネル(図示せず)に設けられるべきレンチキュラー手段LMと考えられ得る。レンチキュラー手段LMは、ベースプレート10を備え、これは、通常、ガラスで作られる。本発明の自動立体視ディスプレイ装置においては、ベースプレート10が配置される側が、レンチキュラー手段LMのディスプレイパネル側DSである。ディスプレイパネル側DSは、観察側VS、すなわちユーザが動作使用中にディスプレイ装置を見ている側、と反対の側である。ディスプレイ装置では、ベースプレート10は、積層体の基板を形成し、これに機械的ロバスト性を与える。さらに、ベースプレート10は、ディスプレイパネルにレンチキュラー手段LMの適切なフォーカスを確保するスペーサプレートとして働く。また、ベースプレート10は、パネル側DSから切り換え可能なセル(これは、空の切り換え可能なレンチキュラーであり、すなわち電気光学材料のない)を安定化させる。一実施形態においては、ベースプレート10は、たとえば0.4mmまたは0.7mmの厚さを有するガラスを備える。
【0047】
図1のレンチキュラー手段の積層体は、光学的位置合わせ箔20をさらに備える。この光学的位置合わせ箔20は、異なる層のサブスタックから成る。サブスタックの基礎は、透明キャリア箔25である。箔25の裏面には、感圧接着層24(PSA)が設けられ、これは、たとえば25μmの厚さを有することができる。箔25の表側には、第1の配向層27で覆われる、第1の透明電極層26が設けられる。電極層26は、酸化インジウムチタン(ITO)を備えることができ、配向層27は、ポリイミド(PI)を備えることができる。一実施形態においては、電極層26および第1の配向層27の総厚みは、10μmである(両方の層は、約5μmの厚さを有する)。箔25は、TAC/CTA(セルローストリアセテート)などの材料を含むことができ、100μmから200μmの範囲の厚さを有することができる。この光学的位置合わせ箔20のサブスタックの明確な利点は、これが、現存するコーティングまたは噴霧技術を用いて、リールツーリール処理で作られ得ることである。
【0048】
当業者によって理解されるように、光学的位置合わせ箔20の光学的偏光方向は、ディスプレイパネルにより出射された光の光学的偏光方向、なおまた配向層27の光学的偏光方向と合致すべきである。箔について複数の選択肢がある。まず第1に、これは、ディスプレイパネルから出射された光の偏光方向が配向層27のそれと合致する場合には、いかなる複屈折効果も有し得ない。あるいは、これは、パネルと配向層27との間の偏光方向の差が補償されるように、複屈折効果によって意図的に設計され得る。
【0049】
配向層27は、これが接触している電気光学材料についてその配向機能を得ることを確保するために摩擦されなければならない。配向層の摩擦は、それ自体当業者によく知られている。
【0050】
レンチキュラー手段LMの観察側VSには、上部プレート50が設けられる。この種の上部プレート50は、通常、ガラスで作られ、上側において切り換え可能なセルを安定化させる。この実施形態においては、上部プレート50の観察側には、反射防止反射防止コーティング58が形成されている。反射防止コーティングは、それ自体当業者によく知られている。この種のコーティングは、コーティングプロセスによって、または、あるいはガラスプレートを反射防止箔で積層することによって形成され得る。そのうえ、上部プレート50の反対側には、第2の透明電極層56が設けられている(これはまた、第1の電極層26と同様にITO材料を備え得る)。あるいは、第2の透明電極層56は、スタックの異なる場所に設けられることができ、これは、図3を参照してさらに説明されるであろう。ベースプレート10と同様に、上部プレート50はまた、0.4mmまたは0.7mmの厚さを有するガラスを備えることができる。
【0051】
図1のレンチキュラー手段の積層体は、レプリカ位置合わせ箔40をさらに備える。このレプリカ位置合わせ箔40は、異なる層のサブスタックを備える。サブスタックの基礎は、透明キャリア箔45である。レプリカ位置合わせ箔45の表側には、さらなる感圧接着層44(PSA)が設けられ、これは、たとえば25μmの厚さを有することができる。箔45の裏面には、レンチキュラーシート35が設けられる。この種のレンチキュラーシート35は、レプリカとも呼ばれる。レプリカ35は、それのレンチキュラー側LSにプロファイル表面PSFを有し、これは、レンチキュラー素子36を効果的に形成する。この特定の実施形態においては、これらのレンチキュラー素子36は、200μmのサイズを有する複製された負レンズ形状であるが、他のパネルサイズ、またはディスプレイ装置の他の光学条件の場合には、他の寸法を有することができる。しかし、当業者によって理解されるように、レプリカ35はまた、電気光学材料30の屈折率の切換値を選択する場合にこれが適切に考慮されている限りは、正レンズを形成することもできる。
【0052】
レプリカ位置合わせ箔45は、TAC/CTAなどの材料を含むことができ、100μmと200μmとの間の厚さを有することができる。このレプリカ位置合わせ箔40のサブスタックの明確な利点は、これが、現存するコーティング、噴霧、または接着技術を用いて、リールツーリール処理で作られ得ることである。レプリカ位置合わせ箔45についていかなる難しい光学的偏光条件もない。
【0053】
図1のレンチキュラー手段の積層体は、レプリカ35のレンチキュラー側LSにそれの第1の側S1が設けられ、かつ配向層27にそれの第2の側S2によって当接する電気光学材料30の層をさらに備える。一実施形態においては、この電気光学材料30は、たとえば複屈折液晶(LC)流体であることができる。当業者は、レンズ効果が電気光学材料30およびレプリカ35の組合せによって生成されるように、この種のLCの屈折率がレプリカ35の屈折率と合致する値とこの種の値と異なる別の値との間で切り換え可能でなければならないということを理解している。
【0054】
図1のレンチキュラー手段LMは、1つの配向層をなしで済ましているので、非常に有利な実施形態を構成する。従来、液晶ディスプレイの場合には、液晶材料は、2つの配向層の間に埋め込まれる。しかし、本発明者らは、1つのこの種の層、すなわちレプリカ側(第1の側S1)のものをなしで済まし得るということを発見している。いくぶん煩わしく複雑なプロセスステップである、この種の層をレプリカに設けるステップの代わりに、レプリカ35自体が、配向層の機能を引き継ぐように改変され得る。このために、レプリカ35は、配向層の場合に行われているのと同じように摩擦され得る。本発明者らは、このことがレンチキュラー手段LMの動作に悪影響を与えないことを発見している。
【0055】
図2aから図2fは、図1の装置の製造方法の異なる段階を示している。図2aは、光学的位置合わせ箔20が形成されている段階を開示している。光学的位置合わせ箔20は、ベースプレート10に設けられる。これは、たとえば積層プロセスで行われ得る。そのうえ、この段階では、配向層27は摩擦され得る。図2bは、レプリカ位置合わせ箔40が生成される段階を開示している。(負)レンズ形状が、キャリア箔45の裏面に複製される。図2cは、レプリカ位置合わせ箔40が、上部プレート50の裏面に(ITOで作られる第2の電極層に)設けられる段階を開示している。これは、たとえば積層プロセスで行われ得る。図2dは、切り換え可能なセルが図2bおよび図2cのスタックを共に結合することによって生成される段階を開示している。この結合プロセスにおいて、エッジシール60が、図2dに示されるように設けられる。エッジシールは、もっと後の段階で設けられるべき液晶流体のための空間を効果的に画定する。エッジシール60は、Sekisui社からのPHOTOLEC(TM)A−784−60などの接着層から成ることができる。図2eは、切り換え可能なセルが液晶流体などの電気光学材料30で満たされる段階を開示している。レンチキュラーシート35と配向層27との間の空間はすべて、LC流体で満たされる。このプロセスにおいて、また、オールアラウンドキャビティ65が、LC流体で満たされる。図2fの段階においては、ドライバ回路Drvが設けられ、電気的接続70を介してそれぞれの電極層26、56に接続される。ドライバ回路Drvは、電気光学材料30の屈折率を切り換えるためにそれぞれの電位を印加するように構成される。
【0056】
図3は、本発明の別の実施形態による自動立体視ディスプレイ装置の積層体を示している。図2cの説明で述べたように、第2の透明電極層46はまた、スタックの異なる位置に、すなわちレプリカ位置合わせ箔40のそれぞれの箔45とレプリカ(レンチキュラーシート)35との間に設けられ得る。これは、第2の透明電極層46が、ここで処理され、さらにリールツーリール処理に適用され得るので、図2cのものよりも安価な解決策を提供する。さらに、箔25、45は共に、次にドライバ回路Drvに接続されるようにセルのエッジ(図3の右側のエッジ)に経路決めされ得る。
【0057】
図4は、本発明の別の実施形態による自動立体視ディスプレイ装置の積層体を示している。図2bの説明で述べたように、図1から図3に開示された実施形態は、特定の実施形態を構成し、1つの配向層をなしで済ましており、レプリカ35は、前記配向層の機能を引き継ぐように改変されている。図4は、第2の配向層37がレプリカ35と電気光学層30との間に設けられているスタックを示している。この実施形態は、レプリカ材料35の条件があまり厳しくないという利点を有し、すなわち、図1から図3の実施形態においては、摩擦され得るレプリカ材料が選択されなければならない。
【0058】
この説明では、本発明によるディスプレイ装置を製造する方法の一例が開示されている。多くの変形がこのような方法では可能であり、このような方法はすべて、特許請求の本発明の範囲に属することが留意されなければならない。この段階において、R2R処理を用いてベースプレート(すなわち、ガラス)および上部プレート(すなわち、ガラス)を排除するサブスタックをまず第1に作ることもでき、その後、スタックは切断され、それぞれのプレートが付加されることが明示的に留意される。
【0059】
本発明は、さまざまな用途に適用され得る。本発明は、携帯型デバイス(たとえばスマートフォン、PDA、ラップトップ、タブレットPCなど)、医療用画像化、仮想現実、ゲームおよびCADの分野の適用領域で電子デバイスに適用され得ることが有利である。
【0060】
上述の実施形態は本発明を限定するものではないことを示し、当業者は添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく多くの他の実施形態を設計することができることに留意されたい。
【0061】
特許請求の範囲において、括弧の間に配置された任意の照合符号は、特許請求の範囲を限定するように解釈されないものとする。動詞「備える(comprise)」およびその語形変化の使用は、特許請求の範囲に述べられたもの以外の要素またはステップの存在を排除するものではない。要素の直前の冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、複数のこの種の要素の存在を排除するものではない。本発明は、いくつかの異なる要素を含むハードウェアの手段によって実施され得る。いくつかの手段を列挙するデバイスクレームにおいては、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの全く同一の項目によって具体化され得る。ある手段が相互に異なる従属請求項に述べられているということをもって、これらの手段の組合せが役立つように使用され得ないということを示すものではない。
【符号の説明】
【0062】
LM レンチキュラー手段
DS ディスプレイパネル側
VS 観察側
10 ベースプレート(すなわち、ガラス)
20 光学的位置合わせ箔、第1のサブスタック
24 (感圧)接着層
25 透明キャリア箔(すなわち、第1の透明キャリア箔)
26 第1の(透明)電極層(すなわち、ITO)
27 第1の配向層(すなわち、ポリイミド)
30 電気光学材料(すなわち、液晶層)
35 レンチキュラーシート(レプリカ)
36 レンチキュラー素子
37 レンチキュラーシートと電気光学材料との間に設けられるさらなる配向層
40 レプリカ位置合わせ箔、第2のサブスタック
44 さらなる(感圧)接着層
45 さらなる透明キャリア箔(すなわち、第2の透明キャリア箔)
46 透明キャリア箔に設けられる第2の(透明)電極層(すなわち、ITO)
PSF レンチキュラーシートのプロファイル表面
LS レンチキュラー側(プロファイル表面PSFを有するレンチキュラーシートの側)
S1 第1の側(レンチキュラーシートに面する電気光学材料30の側)
S2 第2の側(レンチキュラーシートから反対方向に向いた電気光学材料30の側)
50 上部プレート(すなわち、ガラス)
56 上部ガラスプレートに設けられる第2の(透明)電極層(すなわち、ITO)
58 反射防止コーティング
60 レンチキュラー手段のエッジシール
65 液晶流体で満たされるオールアラウンドキャビティ
70 電極層とドライバ回路との間の電気的接続
Drv ドライバ回路
V 電気光学材料を切り換えるための電極層に印加される電位
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図3
図4