(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御設定は、露光時間であり、前記露光時間は、前記撮像デバイスが、前記露光時間の間、前記比較的強い反射光ビームを撮像し、前記露光時間の間、前記比較的弱い反射光ビームを撮像しないように選択されている、請求項1に記載の方法。
前記制御設定は、反射閾値であり、前記反射閾値は、前記比較的強い反射光ビームが、前記反射閾値を上回り、前記撮像デバイスによって撮像され、前記比較的弱い反射光ビームが、前記反射閾値を下回り、前記撮像デバイスによって撮像されないように選択されている、請求項1に記載の方法。
前記線形検出器上に向けられる複数の反射光ビーム内の最も強い反射光ビームを監視するように、前記線形検出器を構成することをさらに含み、前記最も強い反射光ビームは、前記試料ホルダの前記上側表面に塗布された前記反射コーティングからの前記集束光ビームの反射から生じる、請求項6に記載の方法。
前記制御設定は、露光時間であり、前記露光時間は、前記撮像デバイスが、前記露光時間の間、前記比較的強い反射光ビームを撮像し、前記露光時間の間、前記比較的弱い反射光ビームを撮像しないように選択されている、請求項8に記載のシステム。
前記制御設定は、反射閾値であり、前記反射閾値は、前記比較的強い反射光ビームが、前記反射閾値を上回り、前記撮像デバイスによって撮像され、前記比較的弱い反射光ビームが、前記反射閾値を下回り、前記撮像デバイスによって撮像されないように選択されている、請求項8に記載のシステム。
前記線形検出器は、前記線形検出器上に向けられる複数の反射光ビーム内の最も強い反射光ビームを監視するように構成され、前記最も強い反射光ビームは、前記試料ホルダの前記上側表面に塗布された前記反射コーティングからの前記集束光ビームの反射から生じる、請求項13に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
研究者は、ハイコンテントスクリーニング(HCS)の際、顕微鏡検査撮像システムを使用して、顕微鏡検査試料の画像を得る場合がある。試料ホルダ、例えば、マイクロタイタープレート、スライド、受け皿等が、スクリーニングプロセスの際、顕微鏡検査試料を支持し得る。顕微鏡検査撮像システムは、顕微鏡検査試料の画像を生成するための調節可能対物レンズを含み得る。試料ホルダに対する対物レンズの位置は、顕微鏡検査試料に焦点を当てるように調節され得る。焦点画像を生成するために、対物レンズは、顕微鏡検査試料に対する焦点平面から適切な距離に位置付けられるべきである。対物レンズと顕微鏡検査試料に対する焦点平面との間の距離は、対物レンズの焦点位置と称され得る。
【0004】
顕微鏡検査試料は、試料ホルダの上側表面上の種々の測定場所(例えば、ウェル)に常駐し得る。試料ホルダの上側表面は、したがって、顕微鏡検査試料に対する焦点平面に対応し得る。故に、顕微鏡検査撮像システムの対物レンズは、顕微鏡検査試料の焦点画像を得るために、試料ホルダの底部に対して、焦点位置に位置付けられ得る。しかしながら、試料ホルダの厚さまたは曲率の変動は、測定場所の範囲にわたる正確な焦点を妨害し得る。その結果、対物レンズの焦点位置は、全測定場所に対して、それぞれの焦点画像を得るために、各測定場所において補正される必要があり得る。ハイコンテントスクリーニングは、数百または数千個の測定試料を撮像し得るため、いくつかの顕微鏡検査撮像システムは、自動的に、各測定場所において焦点維持を行うように構成され得る。
【0005】
いくつかの例示的顕微鏡検査撮像システムは、レーザビームおよび線形検出器を使用して、自動的に、対物レンズの位置を調節し得る。これらの例示的タイプの顕微鏡検査撮像システムでは、軸外レーザビームが、試料ホルダの下側表面に向けられ、ビームは、次いで、下側表面から、対物レンズを通して、線形検出器上に反射される。試料ホルダに向けられるレーザビームは、軸外であるため、線形検出器上の反射レーザビームの位置は、したがって、試料ホルダの下側表面に対する対物レンズの位置に対応する。対物レンズが、試料ホルダの下側表面に対して、新しい位置に移動する場合、反射レーザビームもまた、線形検出器上の新しい位置に移動するであろう。対物レンズは、この事例では、焦点位置に手動で位置付けられ得、線形検出器上に反射レーザビームの対応する位置が、記録され得る。新しい測定場所が撮像されるときは常時、線形検出器上の反射レーザビームの現在の位置は、線形検出器上の記録された位置と比較され得る。反射レーザビームの現在の位置が、記録された位置と異なる場合、試料ホルダの下側表面に対する対物レンズの位置は、線形検出器上の反射レーザビームの現在の位置が記録された位置と一致するまで、調節され得る。対物レンズはまた、焦点位置からオフセットされ得、オフセットは、試料ホルダの厚さに対応する。しかしながら、厚さによるオフセットは、ある状況では、追加の焦点情報が画像自動焦点または手動焦点によって提供されない限り、最適焦点位置を達成するために十分に正確ではない場合がある。
【0006】
しかしながら、これらの例示的タイプの顕微鏡検査撮像システムでは、複数のレーザビームが、試料ホルダの下側表面、最上表面、または下側表面および最上表面の両方から反射され得る。反射レーザビームは、互に区別可能ではない場合がある。故に、線形検出器に衝突する反射レーザビームは、試料ホルダの上側表面または下側表面を起源とし得る。加えて、複数の反射レーザビームは、この例では、線形検出器に衝突し得る。その結果、対物レンズの調節は、不正確であって、顕微鏡検査試料の画像を焦点から外れさせ得る。複数の反射の問題は、特に、顕微鏡検査システムが下方から試料ホルダの最上表面を識別しようとする場合、顕著となり得る。
【0007】
他の例示的顕微鏡検査撮像システムはまた、レーザビームを使用して、自動的に、対物レンズの位置を調節し得る。これらの他の例示的タイプの顕微鏡検査撮像システムでは、対物レンズに対する焦点位置は、観察されるピークレーザビーム強度に基づいて決定される。この例では、対物レンズに対する焦点位置は、最も強烈である(すなわち、最も明るいまたは最も小さい)レーザビーム反射をもたらす位置であるように決定される。しかしながら、下側表面および上側表面は両方とも、レーザビームを反射するであろうため、検索手技が、試料ホルダの下側表面の場所と上側表面を区別するために必要であり得る。対物レンズは、試料ホルダに対して減少距離において位置付けられ、反射レーザビーム強度が、各位置において観察される。故に、ピークレーザビーム強度は、下側表面および試料ホルダの上側表面の両方において生じ得る。この例では、第1のピークレーザビーム強度は、典型的には、試料ホルダの下側表面に対応し、第2のピークレーザビーム強度は、典型的には、試料ホルダの上側表面に対応する。第2のピークレーザビーム強度に対応する対物レンズの位置は、したがって、顕微鏡検査試料に対する焦点位置として識別される。
【0008】
これらの他の例示的タイプの顕微鏡検査撮像システムでは、試料ホルダの下側表面および上側表面の両方に対する検索は、試料ホルダが数百または数千の測定場所を含み、時間がかかり得る。これらの他の例示的タイプの顕微鏡検査撮像システムは、上側表面に対してのみ、検索を試みるように構成され得る。しかしながら、下側表面からの反射は、試料ホルダの上側表面からの反射に干渉し、したがって、上側表面に対する検索が失敗する可能性を増加させ得る。上側表面に対する検索が失敗する場合、これらの他のタイプの例示的顕微鏡検査撮像システムは、試料ホルダの下側表面および上側表面の両方に対する検索に依拠することになり、したがって、撮像手技の処理時間を増加させ得る。
【0009】
したがって、ハイコンテントスクリーニング顕微鏡検査撮像システムの対物レンズの焦点位置を決定するための改良されたシステムおよび方法が、必要とされる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ハイコンテントスクリーニング顕微鏡検査撮像システムの対物レンズの焦点位置を決定するためのシステムおよび方法が、提供される。試料ホルダの上側表面は、試料ホルダ上への集束レーザビームの投影から生じる反射レーザビームの検出を改善するために調整される。例えば、反射コーティングが、試料ホルダの上側表面に塗布され、反射レーザビームの検出を改善し得る。顕微鏡検査撮像システムは、顕微鏡検査試料を測定場所で撮像するとき、改良された反射を使用して、対物レンズに対する焦点位置を決定する。
【0015】
図1を参照すると、ハイコンテントスクリーニング(HCS)顕微鏡検査撮像システム100の実装の実施例が、示される。ステージ102は、撮像されるべき顕微鏡検査試料を含む試料ホルダ104を支持する。試料ホルダ104は、例えば、撮像すべき1つ以上の顕微鏡検査試料を支持するマイクロタイタープレート(すなわち、マイクロプレート)、スライド、受け皿、または任意の他の構造であり得る。一例として
図1に示される試料ホルダ104は、複数のウェル106を上側表面108上に含む、マイクロプレートである。
図1に見られ、さらに以下に論じられるように、試料ホルダ104の上側表面108は、試料ホルダ104から反射されるレーザビームの検出を改善するように調整される。
【0016】
対物レンズ110は、試料ホルダ104の下方に位置付けられ、顕微鏡検査撮像手技の際、試料ホルダ104によって支持される試料の画像を生成する。ステージ102の底部内に形成される開口(図示せず)は、試料ホルダを下方の対物レンズ110に暴露し得る。対物レンズ110は、本実施例では、試料ホルダ104に対する対物レンズ110の位置を制御する、焦点モータ112に取り付けられる。
図1に見られるように、試料ホルダ104は、XY−平面に常駐するように説明され得る。故に、焦点モータ112は、Z−軸に沿って、試料ホルダ104に対して対物レンズ110を位置付け得る。したがって、焦点モータ112はまた、Z−軸コントローラまたはZ−モータと称され得、Z−軸に沿った対物レンズ110の位置は、対物レンズ110のZ−位置と称され得る。
図1に見られるように、焦点モータ112は、試料ホルダ104に比較的近接して、またはそこから比較的離して、対物レンズ110を位置付け得る。
【0017】
図1に示される例示的顕微鏡検査撮像システム100では、レーザビーム114は、対物レンズ110の焦点位置を決定するために使用される。故に、顕微鏡検査撮像システム100は、本実施例では、集束光ビーム発生器116(すなわち、ビーム発生器、レーザビーム発生器、光ビーム発生器等)を含む。集束光ビーム発生器116は、例えば、レーザビーム等の集束光ビーム114を発生させ得る。集束光ビーム発生器116は、集束ビーム114を、集束ビーム114を試料ホルダ104上に投影する対物レンズ110に向け得る。一例として示されるように、顕微鏡検査撮像システム100は、集束ビーム鏡118を含み、集束光ビーム発生器116からの集束ビーム114を対物レンズ110に向け得る。集束ビーム鏡118は、一例として
図1に示されるように、対物レンズ110および集束光ビーム発生器116に対してある角度で位置付けられ得る。
【0018】
焦点位置は、本実施例では、対物レンズ110と撮像されるべき顕微鏡検査試料の焦点平面との間の距離を指す。
図1に見られるように、試料ホルダの上側表面108は、顕微鏡検査試料を支持し、したがって、顕微鏡検査試料の焦点平面は、本実施例では、試料ホルダ104の上側表面108に位置する。対物レンズ110を特定の測定場所に対して焦点位置に位置付けることは、顕微鏡検査撮像システム100が、その測定場所において、顕微鏡検査試料の焦点画像を得ることを可能にする。さらに以下に説明されるように、提供される顕微鏡検査撮像システム100は、有利には、試料ホルダ104の調整された上側表面108を使用することによって、それぞれの焦点位置を決定するとき、試料ホルダ104の厚さおよび曲率の変動を考慮する。
【0019】
焦点平面はまた、試料上方の固定または可変距離であり得る。焦点位置は、試料ホルダ104の上側表面108から試料焦点位置までの距離を調節するために、試料の画像を取得する前に、オフセットされ得る。距離が、撮像デバイス120の被写界深度を上回って変動する場合、システム100は、近似焦点位置のみを与え、試料の画像を介したさらなる集束が、最適焦点平面を決定するために行われ得る。それでもなお、上側表面108の識別は、最適焦点位置を決定するために使用される検索範囲が縮小されるため、有利である。
【0020】
顕微鏡検査撮像システム100は、顕微鏡検査撮像手技の際、対物レンズ110に対する焦点位置を決定するために、種々のアプローチをとり得る。一例示的アプローチによると、顕微鏡検査撮像システム100は、試料ホルダ104の調整された上側表面108からの集束光ビーム114の反射から生じる、反射光ビーム122のそれぞれの強度に基づいて、対物レンズ110に対する焦点位置を決定し得る。故に、顕微鏡検査撮像システム100は、例えば、カメラ等の撮像デバイス120を含み、反射光ビーム122のそれぞれの強度を捕捉し得る。いくつかの例示的実装では、鏡(図示せず)が、試料の画像を、例えば、CMOSカメラ(相補型金属酸化膜半導体)等の撮像デバイス120に向かって反射させ得る。
【0021】
別の例示的アプローチによると、顕微鏡検査撮像システム100は、反射光ビーム122が線形検出器124に衝突する位置に基づいて、対物レンズ110に対する焦点位置を決定し得る。反射光ビーム122が線形検出器124に衝突する位置は、したがって、試料ホルダ104に対する対物レンズ110の位置に対応する。前述の例示的アプローチのように、反射光ビーム122は、試料ホルダ104の調整された上側表面108からの集束光ビーム114の反射から生じる。
図1に見られるように、顕微鏡検査撮像システム100はまた、反射ビーム鏡126を含み、試料ホルダ104および集束ビーム鏡118から反射された反射光ビーム122を線形検出器124に向け得る。反射ビーム鏡126は、一例として
図1に示されるように、線形検出器124に対してある角度で位置付けられ得る。
【0022】
対物レンズ110の焦点位置を決定するためのこれらの例示的アプローチは、
図4および
図6を参照して、さらに詳細に後述される。また、
図1に示される例示的顕微鏡検査撮像システム100は、前述の両アプローチのために使用される構成要素を含むが、顕微鏡検査撮像システムは、前述のアプローチのうちの1つのみ、すなわち、反射光ビーム122の強度を捕捉するための撮像デバイス120または線形検出器124上の反射光ビーム122の位置を検出するための線形検出器124のいずれかのために使用される構成要素を含み得ることを理解されるであろう。
【0023】
依然として、
図1を参照すると、顕微鏡検査撮像システム100はまた、対物レンズ110の焦点位置を識別するための手技を制御するために、コントローラ128を含む。故に、コントローラ128は、焦点モータ112、集束光ビーム発生器116、撮像デバイス120、および線形検出器124に連結され得る。コントローラ128は、対物レンズ110の焦点位置を識別するための手技の際、これらの構成要素と通信し得る(例えば、コマンドを発行する、またはフィードバックを受信する)。コントローラ128は、コマンドを発行し、フィードバックを受信するために好適な任意のフォーマットおよびプロトコルを使用して、これらの構成要素と通信し得る。
【0024】
コントローラ128は、対物レンズ110を位置付けるために、焦点モータ112の作動を制御し得る。コントローラ128からのコマンドの受信に応答して、焦点モータ112は、Z−軸に沿って、対物レンズ110を試料ホルダ104に対する種々の位置に移動させ得る。コントローラ128はまた、手技の際、集束光ビーム114を発生させ、対物レンズ110に対する焦点位置を識別するために、コマンドを集束光ビーム発生器116に発行し得る。コントローラ128は、反射光ビーム122のそれぞれの強度の画像を得るために、コマンドを撮像デバイス120に発行し得、コントローラ128は、それに応答して、撮像デバイス120から画像を受信し得る。コントローラ128はまた、反射光ビーム122が線形検出器124に衝突するそれぞれの位置に対応する信号を線形検出器124から受信し得る。
【0025】
故に、コントローラ128は、焦点モータ112、集束光ビーム発生器116、撮像デバイス120、および線形検出器124とインターフェースをとるための種々の制御モジュール(図示せず)を含み得る。制御モジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせとして実装され得る。コントローラ128はまた、対物レンズ110に対する焦点位置を決定するための手技を促進するために使用される、他のソフトウェアまたはハードウェア構成要素(図示せず)を含み得る。例えば、コントローラ128は、焦点位置決定手技に関連する情報(例えば、反射光ビーム強度等)を処理するための1つ以上の処理ユニットを有する処理モジュールと、焦点位置決定手技に関連する情報(例えば、画像、信号値、制御設定等)を記憶するための1つ以上の揮発性または不揮発性メモリユニットを有するメモリモジュールとを含み得る。
【0026】
コントローラ128はまた、光路内外への光学系の移動を制御し得る。例えば、コントローラ128は、集束光ビーム114を試料ホルダ104上に投影するとき、鏡118および126を光路内に移動させ、試料の画像を取得するとき、鏡118および126を除去し得る。同様に、コントローラ128は、試料を撮像するとき、波長フィルタ、減光フィルタ、および他のタイプのフィルタ(図示せず)を画像経路内外に移動させ得る。コントローラ128は、集束光ビーム114が妨害されずに試料に到達するように、これらの構成要素を種々の位置に移動させ得る。
【0027】
ここで
図2Aおよび
図2Bを参照すると、それぞれ、調整された上側表面204を有する、試料ホルダ200および202の実装の実施例が、示される。本実施例では、上側表面204は、それぞれ、反射コーティング208を含むように調整されている。一例として
図2Aおよび
図2Bに示される試料ホルダ200および202は、試料ホルダ200および202の上側表面204上に位置付けられる複数のウェル210を有する、マイクロプレートである。ウェル210は、本実施例では、顕微鏡検査撮像手技のための顕微鏡検査試料を含むために使用される。
【0028】
図2Aおよび
図2Bに見られるように、反射コーティング208は、マイクロプレート200および202の上側表面204の少なくとも一部に塗布され得る。
図2Aでは、反射コーティング208は、マイクロプレート200の上側表面204の全体に塗布される。
図2Bでは、反射コーティング208は、マイクロプレート202のウェル210によって境界される、上側表面204の位置のみに塗布される。追加のまたは代替被覆パターンが、選択的に、採用され得る。さらに、反射コーティング208は、反射コーティング208が、集束光ビーム114(
図1)の特定の波長を反射するように構成され得る。
【0029】
種々のアプローチが、反射コーティング208を試料ホルダ200および202の上側表面204に塗布するために採用され得る。例えば、あるアプローチは、試料ホルダの上側表面204にわたって、上側表面204と化学的に相互作用する溶液を分配し得る。反射コーティング208は、溶液が、続いて、上側表面204から洗い流されても、試料ホルダの上側表面204上に残留し得る。試料ホルダが、本実施例では、試料ホルダ200および202のように、ウェル210を含む場合、溶液が、ウェル210が試料ホルダ200および202の上側表面204に取り付けられる前に、上側表面204上に分配され得る。
【0030】
反射コーティング208の組成物は、溶液中に提供される有機化合物であり得る。この場合、溶液ベースのコーティング技法が使用され、スピンコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、または浸漬コーティング等、上側表面204上に膜を形成し得る。コーティングが、ウェル210内のみに塗布される場合(
図2Bのように)、溶液は、パターン化されたマスクを通してスプレーされ得る。マスクは、最初に、上側表面204に取り付けられ、反射コーティング208が、次いで、マスクの窓を通して塗布され、マスクが、除去され得る。溶液ベースのコーティング後、乾燥ステップが続き、蒸発を介して、過剰溶媒を反射コーティング208から除去し得る。乾燥ステップは、熱または真空によって補助され得る。反射コーティング208が塗布された後、反射コーティング208は、それを固化するように硬化され得、加熱、あるいはUV光(紫外線)、X線、または他のタイプのエネルギーへの暴露を伴い得る。
【0031】
反射コーティング208の組成物は、金属または無機化合物であり得る。金属化合物の場合、コーティング技法は、マイクロエレクトロニクス産業において利用されるもの、例えば、電気めっきまたは熱蒸発等の金属化技法であり得る。金属または無機化合物のいずれかの場合、コーティング技法は、マイクロエレクトロニクスまたはマイクロ加工産業において利用されるもの、例えば、物理蒸着、スパッタ堆積、または化学蒸着等の真空堆積技法であり得る。反射コーティング208が、ウェル210内のみに塗布される場合(
図2Bのように)、堆積後、好適なパターン化またはエッチング技法、すなわち、フォトリソグラフィが続き得る。
【0032】
溶液の塗布または堆積技法の実装に加え、反射コーティング208は、最初から、既存のシート、箔、または乾燥膜の形態で提供され得る。この場合、反射コーティングは、積層として、試料ホルダ200および202に適用され得、その場合、接着剤が、使用され得る。高度に光学的に透明であるように規定され、したがって、レーザビームに干渉し得ない、市販の接着剤が、存在する。接着剤の代替として、既存のシートは、加熱されることのみ必要とする材料であり得、材料は、下にある試料ホルダ200および202の上側表面204への熱の印加で十分に自己接着し得る。
【0033】
試料ホルダ200および202の上側表面204に塗布される反射コーティング208は、いくつかの実装では、生物学的に活性または化学的に活性なコーティングと組み合わせられ得る。実施例として、特定のタンパク質の存在下で蛍光を発するコーティングが、採用され得る。加えて、試料ホルダ200および202の上側表面204への細胞接着に役立つ特性を有するコーティングが、採用され得る。
【0034】
加えて、偏光コーティングが、反射コーティングの代替として採用され得る。偏光コーティングが使用される場合、偏光コーティングは、レーザ光がその性質によって偏光されるため、特定の偏光の光(すなわち、X−Y軸において特定の配向に延びる光波)が試料ホルダ200および202から反射することを阻止し得る。加えて、フィルタが、非偏光光を偏光するために採用され得る。反射コーティングおよび偏光コーティングに加え、試料ホルダ200および202の上側表面204は、代替として、蛍光コーティングを含むように調整され得る。試料ホルダ200および202の上側表面204を調整するための他の技法もまた、選択的に、採用され得る。例えば、試料ホルダ200および202の上側表面204の調整は、上側表面204がマイクロエッチングされた線を伴うようなエッチングを含み得る。マイクロエッチングされた線間の間隔は、光の波長に対応し、それによって、偏光または色反射率を提供し得る。試料ホルダ200および202の調整された上側表面204を提供するための別の代替は、試料ホルダ200および202のウェル210内に着色された媒体を含むことであり得る。
【0035】
試料ホルダ200および202の調整された上側表面204からの反射は、したがって、調整されていない試料ホルダ200および202の底部表面212(または従来の試料ホルダの透明表面)からの反射と比較してより強力(例えば、より強烈、より明るい等)となるであろう。その結果、調整された上側表面204を有する試料ホルダ(例えば、試料ホルダ200または202)を使用する、顕微鏡検査撮像システム100(
図1)は、上側表面204上に支持される顕微鏡検査試料に対する焦点平面に対応する上側表面204の位置をより迅速かつより正確に特定し得る。このように、対物レンズ110(
図1)に対する焦点位置の決定は、有利には、あまり複雑ではなく、あまり時間がかからず、かつほとんどエラーが起きにくい。
【0036】
ここで
図3を参照すると、試料ホルダの調整された上側表面を有する試料ホルダを使用して、顕微鏡検査試料を撮像するための例示的方法ステップの流れ
図300が、示される。ユーザは、試料ホルダを顕微鏡検査撮像システムのステージ上に設置する(ステップ302)。ユーザは、顕微鏡検査撮像システムに、試料ホルダの物理的寸法に対応するパラメータを提供し得る(ステップ304)。例えば、ユーザは、試料ホルダの長さ、幅、および厚さ、ならびに試料ホルダにおける測定場所の数に対応するパラメータを提供し得る。ユーザはまた、焦点位置決定プロセスのための制御設定を提供し得る(ステップ306)。例えば、ユーザは、集束光ビームの強度、Z−軸ステップサイズ、Z−軸範囲を提供し得る。制御設定はまた、例えば、露光時間等の撮像デバイスの動作に対応し得る。試料ホルダのためのパラメータおよび構成設定は、ユーザによって、手動で提供されるか、あるいは、加えて、または代替として、ハードコードされた値として、顕微鏡検査撮像システム自体によって記憶され得る。
【0037】
Z−モータは、離散単位で移動し得る。故に、Z−モータは、検索の間、1度に10ミクロン移動し得る。Z−軸範囲は、Z−モータが検索の間に移動すべき距離を指す。例えば、ウェル間を移動するとき、Z−軸範囲は、新しいウェルにおける新しい焦点位置を検索するとき、Z−モータが移動すべき距離である。Z−軸範囲は、対物レンズが、検索の間、試料ホルダと接触するほど大き過ぎないように、あるウェルと次のウェルとの間のZ−軸に沿った高さの差異に対応するために十分であるべきである。
【0038】
顕微鏡検査撮像システムは、次いで、試料ホルダの種々の測定場所に常駐する顕微鏡検査試料を撮像し得る。撮像プロセスを開始するために、対物レンズは、撮像するための第1の顕微鏡検査試料を有する、第1の測定場所に位置付けられ得る(ステップ308)。対物レンズは、例えば、対物レンズ自体を移動させること、測定場所を含む試料ホルダを移動させること、または試料ホルダを支持するステージを移動させることによって、測定場所に位置付けられ得る。
【0039】
前述のように、試料ホルダの厚さまたは曲率の変動は、個々の顕微鏡検査試料を異なる焦点平面に位置させ得る。その結果、顕微鏡検査撮像システムは、各測定場所において、顕微鏡検査試料を撮像するために使用される対物レンズに対する焦点位置を決定し得る。顕微鏡検査撮像システムは、試料ホルダの調整された上側表面からの集束光ビームの反射から生じる1つ以上の反射光ビームに基づいて、対物レンズに対する焦点位置を決定する(ステップ310)。対物レンズに対する焦点位置を決定するための例示的アプローチは、
図4および
図6を参照して、以下でさらに詳細に論じられる。対物レンズに対する焦点位置が決定されると、対物レンズは、決定された焦点位置に移動される(ステップ312)。所望に応じて、追加のオフセットが、対物レンズに適用され得る(ステップ314)。
【0040】
追加のオフセットは、色収差が予期される場合、適用され得る。システム内のレンズの特性のため、同一の物体までの焦点距離は、光の波長に基づいて、若干、変動し得る。ある場合には、試料の厚さは、焦点位置を上側表面からシフトさせ得る。接着性細胞では、例えば、細胞の核は、多くの場合、細胞質より厚い。したがって、核を撮像するために、核の中央の焦点位置にシフトし、可能性な最も焦点が合ったデータを得ることが望ましくあり得る。典型的核サイズは、多くの場合、既知であって、したがって、シフトは、試料集合全体に対して固定され得る。同様に、組織試料の中央にシフトするために、追加のオフセットを適用することが望ましくあり得る。加えて、製造業者またはユーザによって試料ホルダの上側表面上に含まれる他の材料も、試料がこれらの追加の材料上に置かれ得るため、最適焦点位置を得るために、追加のオフセットを適用することを要求し得る。
【0041】
このように、対物レンズは、現在の測定場所において、顕微鏡検査試料の焦点画像を生成する。顕微鏡検査撮像システムは、したがって、試料ホルダの現在の測定場所において、顕微鏡検査試料を撮像する(ステップ316)。試料ホルダが、追加の測定場所を含む場合(ステップ318)、対物レンズは、新しい測定場所に位置付けられ得(ステップ320)、顕微鏡検査撮像システムは、追加の測定場所においてそれぞれの顕微鏡検査試料を撮像するために、ステップ310−316を繰り返し得る。
図3に見られるように、顕微鏡検査撮像システムは、測定場所の範囲にわたる試料ホルダの厚さまたは曲率のいかなる変動も考慮するために、各測定場所において、各顕微鏡検査試料に対して対物レンズに対する焦点位置を決定し得る。試料ホルダが、任意の追加の測定場所を含まない場合(ステップ320)、顕微鏡検査撮像システムは、顕微鏡検査撮像プロセスを完了し得る(ステップ322)。
【0042】
ここで
図4を参照すると、試料ホルダの調整された上側表面から反射された光ビームに基づいて、対物レンズに対する焦点位置を決定するための例示的方法ステップの流れ
図400が、示される。一例として前述の
図1に示されるように、対物レンズは、試料ホルダを支持するステージの下方に位置付けられ得る。故に、対物レンズは、本実施例では、試料ホルダの下方の第1の距離(すなわち、z−位置)まで移動され得る(ステップ402)。
【0043】
集束光ビームは、調整された上側表面、例えば、試料ホルダの上側表面に塗布された反射コーティングを含む試料ホルダ上に投影される(ステップ404)。集束光ビームは、したがって、反射光ビームとして、試料ホルダの調整された上側表面から反射される。試料ホルダの調整された上側表面からの集束光ビームの反射から生じる反射光ビームは、次いで、反射光ビームに対する焦点スコアを決定するために(ステップ408)、観察される(ステップ406)。
【0044】
実施例として、顕微鏡検査撮像システムは、例えば、反射光ビームの画像を得る(捕捉する)カメラ等の撮像デバイスを含み得る。顕微鏡検査撮像システムは、反射光ビームに対する焦点スコアを決定するために、反射光ビームの画像を分析し得る。焦点スコアは、例えば、捕捉された画像内で観察される反射光ビームの輝度、あるいは、加えて、または代替として、捕捉された画像内で観察される反射光ビームのサイズに基づき得る。反射光ビームのサイズは、例えば、捕捉された画像内の反射光ビームの直径を測定することによって、決定され得る。比較的により明るい反射光ビームおよび比較的により小さい反射光ビームは、それぞれ、比較的により高い焦点スコアに対応し得る。
【0045】
顕微鏡検査撮像システムは、本実施例では、したがって、対物レンズのz−位置に対応するそれぞれの焦点スコアに基づいて、対物レンズに対する焦点位置を決定する。故に、顕微鏡検査撮像システムは、対物レンズに対する焦点位置が、最も明るい反射光ビーム、あるいは、加えて、または代替として、最も小さい反射光ビームに対応するz−位置であると決定し得る。
【0046】
顕微鏡検査撮像システムは、対物レンズの複数のz−位置に対する焦点スコアを決定し得る。追加のz−位置が存在する場合(ステップ410)、顕微鏡検査撮像システムは、対物レンズを試料ホルダにより近い新しいz−位置に移動させ(ステップ412)、新しいz−位置に対する焦点スコアを得るために、ステップ404−408を繰り返し得る。顕微鏡検査撮像システムは、対物レンズを新しいz−位置に移動させるとき、Z−軸ステップサイズを使用して、対物レンズが移動させられるべき距離を決定し得る。対物レンズが試料ホルダのより近くに移動されるにつれて、反射光ビームの輝度は、反射光ビームの輝度が減少し始めるピーク(すなわち、最大輝度)に輝度が達するまで増加するはずである。同様に、反射光ビームのサイズは、対物レンズが試料ホルダのより近くに移動されるにつれて、反射光ビームのサイズが増加し始めるピーク(すなわち、最小サイズ)に反射光ビームのサイズが達するまで減少するはずである。観察されるピーク(最大焦点スコア)から生じるz−位置は、したがって、顕微鏡検査試料の焦点画像、すなわち、対物レンズに対する焦点位置をもたらす、Z−軸に沿った対物レンズに対する位置である。
【0047】
焦点スコアを決定する追加のz−位置が存在しない場合(ステップ410)、次いで、顕微鏡検査撮像システムは、最大焦点スコアに対応するz−位置を決定する(ステップ414)。顕微鏡検査撮像システムは、本実施例では、したがって、対物レンズに対する焦点位置として、最大焦点スコアに対応するz−位置を識別する(ステップ416)。試料ホルダの調整された上側表面のため、試料ホルダの上側表面から反射された光ビームは、試料ホルダの下側表面から反射された任意の光ビームよりも比較的強い。このように、顕微鏡検査撮像システムは、より確実かつ迅速に、試料ホルダの上側表面の位置を特定し、さらに、より正確に、対物レンズに対する焦点位置を決定することができる。
【0048】
図5Aは、試料ホルダ506の上側表面502および下側表面504からの集束光ビーム500の反射を図示し、上側表面502は、調整されていない。
図5Aに示される実施例では、対物レンズ508は、下方から集束光ビーム500を試料ホルダ506上に集束させる。集束光ビーム500は、試料ホルダ506から2つの反射光ビーム510および512、すなわち、試料ホルダ506の下側表面504から反射された光ビーム反射510および試料ホルダ506の上側表面502から反射された光ビーム反射512をもたらす。反射光ビーム510および512は、それぞれ、試料ホルダ506の下側表面504および上側表面502上の2つのグレーの半卵形として、
図5Aに描写される。
図5Aに見られるように、2つの反射光ビーム510および512は、対物レンズ508の焦点が合っていないとき、強度またはサイズがほぼ等しくあり得る。その結果、それぞれ、下側表面504および上側表面502からの反射ビーム510および512は、上側表面502の特定を試みるとき、混乱を生じさせ得る。
【0049】
対照的に、
図5Bは、調整された上側表面を含む、試料ホルダ518の上側表面514および下側表面516からの集束光ビーム500の反射を図示する。本実施例では、試料ホルダ518の上側表面514は、反射コーティング520を含むこと等によって、光反射特性(または、向上された光反射特性)を含むように調整される。
図5Bに示される実施例では、対物レンズ508は、同様に、下方から集束光ビーム500を試料ホルダ518上に集束させる。
図5Bにおける集束光ビーム500もまた、それぞれ、試料ホルダ518の下側表面516および上側表面514からの反射光ビーム522および524をもたらす。反射光ビーム522および524はまた、それぞれ、試料ホルダ518の下側表面516および上側表面514上の半卵形として
図5Bに描写される。しかしながら、
図5Aとは対照的に、上側表面514に塗布された反射コーティング520から反射された光ビーム524は、下側表面516から反射された光ビーム522(比較的により大きく、より明るく着色された半卵形によって描写されている)より比較的強い(比較的により小さく、より暗い半卵形によって描写されている)。
【0050】
このように、顕微鏡検査撮像システム100(
図1)は、有利には、試料ホルダ518の調整された上側表面514からの集束光ビーム500の反射から生じる比較的強い反射光ビーム524に基づいて、試料ホルダ518の上側表面514を識別し得る。故に、顕微鏡検査撮像システム100は、試料ホルダ518の下側表面516からの比較的弱い反射光ビーム522を無視し得る。例えば、反射光ビーム524の輝度またはサイズの画像を捕捉する撮像デバイス120(
図1)は、試料ホルダ518の下側表面516からの比較的弱い反射光ビーム522が、捕捉された画像内で背景雑音を下回り、したがって、撮像デバイス120によって捕捉されないような比較的低い露光時間で構成され得る。本実施例では、撮像デバイス120は、調整された上側表面514から反射された比較的強い光ビーム524を捕捉し、調整されていない試料ホルダ518の下側表面516から反射された比較的弱い光ビーム522を無視するであろう。
【0051】
別の実施例として、顕微鏡検査撮像システム100(
図1)は、撮像デバイス120(
図1)が、z−位置に対する焦点スコアを決定するとき、反射閾値を上回る反射光ビーム(例えば、試料ホルダ518の調整された上側表面514の反射光ビーム524)のみを捕捉するような反射閾値で構成され得る。反射閾値は、試料ホルダ518の下側表面516から反射された光ビーム522が反射閾値を下回り、試料ホルダ518の上側表面514から反射された光ビーム524が反射閾値を上回るように設定され得る。このように、撮像デバイス120は、同様に、調整された上側表面514から反射された比較的強い光ビーム524を捕捉し、試料ホルダ518の下側表面516から反射された比較的弱い光ビーム522を無視するであろう。
【0052】
ここで
図6を参照すると、試料ホルダの調整された上側表面から反射された光ビームに基づいて、対物レンズの焦点位置を決定するための例示的方法ステップの別の流れ
図600が、示される。最初に、対物レンズは、対物レンズが焦点画像を生成するz−位置、すなわち、集束されたz−位置に移動される(ステップ602)。本実施例では、ユーザは、対物レンズを顕微鏡検査試料の焦点画像を生成するz−位置に手動で移動させ、目で確認することによって、画像の焦点が合っていることを決定し得る(例えば、ジョイスティックを用いて、Z−モータを駆動させることによって)。
【0053】
顕微鏡検査撮像システムは、次いで、軸外集束光ビームを試料ホルダ上に投影し得る(ステップ604)。本実施例では、対物レンズは、中心軸の周囲に配向されるように説明され得る。故に、軸外集束光ビームは、本実施例では、対物レンズの中心軸と平行であるが、対物レンズの中心軸から半径方向に離れて位置する集束光ビームを指す。軸外集束ビームは、本実施例では、反射光ビームとして、試料ホルダの調整された上側表面から反射し、対物レンズに再入射する。故に、対物レンズは、反射光ビームを集束させ、軸外反射光ビームを得る(ステップ606)。軸外集束光ビームのように、軸外反射光ビームは、本実施例では、対物レンズの中心軸と平行であるが、対物レンズの中心軸から半径方向に離れて位置する反射光ビームを指す。軸外集束光ビームおよび軸外反射光ビームは、一例として
図7Aおよび
図7Bに示される。
【0054】
顕微鏡検査撮像システムは、本実施例では、次いで、軸外反射光ビームを線形検出器上に向ける(ステップ608)。
図1を参照して前述のように、顕微鏡検査撮像システムは、1つ以上の鏡を含み、軸外反射光ビームを線形検出器上に向け得る。顕微鏡検査撮像システムは、次いで、軸外反射光ビームが線形検出器に衝突する場所を記録する(ステップ610)。線形検出器上の記録された場所(すなわち、集束された線形検出器場所)は、したがって、対物レンズがそのz−位置に位置付けられるとき、焦点画像を生成するz−位置に対応する。
【0055】
焦点画像をもたらすz−位置に対応する、線形検出器上の場所を記録することによって、顕微鏡検査撮像システムは、次いで、対物レンズを撮像するための顕微鏡検査試料を有する測定場所に位置付け得る(ステップ612)。前述のように、顕微鏡検査撮像システムは、例えば、対物レンズ自体を移動させること、測定場所を含む試料ホルダを移動させること、または試料ホルダを支持するステージを移動させることによって、対物レンズを測定場所に位置付け得る。
【0056】
対物レンズが、採取すべき顕微鏡検査画像を有する測定場所に位置付けられると、顕微鏡検査撮像システムは、現在の測定場所において、軸外集束光ビームを試料ホルダ上に投影する(ステップ614)。集束光ビームは、反射光ビームとして、試料ホルダの上側表面に塗布された反射コーティングから反射し、対物レンズは、反射光ビームを集束させ、軸外反射光ビームを得る。顕微鏡検査撮像システムは、現在の測定場所に対する軸外反射光ビームを線形検出器上に向ける。
【0057】
顕微鏡検査撮像システムは、現在の測定場所に対する軸外反射光ビームが線形検出器に衝突する場所を決定する(ステップ616)。顕微鏡検査撮像システムは、次いで、軸外反射光ビームに対する現在の線形検出器場所と記録された線形検出器場所を比較する(ステップ618)。顕微鏡検査撮像システムは、現在の線形検出器場所と記録された線形検出器場所を比較し、線形検出器上の場所がシフトしたかどうか決定する(ステップ620)。前述のように、対物レンズと試料ホルダとの間の距離が軸外集束光ビームおよび対応する軸外反射光ビームの使用により変化する場合、線形検出器上の場所は、シフトし得る。故に、試料ホルダの厚さおよび曲率の変動は、試料ホルダと対物レンズとの間に可変距離をもたらし得る。その結果、試料ホルダの厚さおよび曲率のこれらの変動は、線形検出器上の場所をシフトさせ得る。
【0058】
顕微鏡検査撮像システムが、線形検出器上の現在の場所がシフトしたと決定する場合(ステップ622)、すなわち、現在の線形検出器場所が、記録された線形検出器場所と一致しない場合、顕微鏡検査撮像システムは、対物レンズを再焦点化するために、シフトが対物レンズを新しいz−位置に移動させるために十分に有意であるかどうか決定し得る(ステップ624)。顕微鏡検査撮像システムは、シフトのサイズをシフト閾値と比較することによって、シフトが十分に有意であるかどうか決定し得る。Z−モータは、有効最小移動サイズまたは最大精度を有し得る。例えば、Z−モータの最大精度が500nm(ナノメートル)である場合、200nmのシフトは、無視されるはずである。同様に、撮像システムの被写界深度は、既知であり得、これは、試料によって決定され得る。対物レンズの被写界深度が2μm(マイクロメートル)である場合、焦点の改善が予測されないであろうため、0.5μmのシフトに対して調節することは望ましくない場合がある。シフトのサイズがシフト閾値を超えない場合、顕微鏡検査撮像システムは、対物レンズの焦点が、依然として、合っていると決定し、対物レンズに対する焦点位置として、対物レンズの現在のz−位置を識別し得る(ステップ626)。
【0059】
しかしながら、顕微鏡検査撮像システムが、シフトがシフト閾値を超えると決定する場合(ステップ624)、顕微鏡検査撮像システムは、軸外反射光ビームがシフト閾値を超えない場所において線形検出器に衝突する新しいz−位置に、対物レンズを移動させ得る(ステップ628)。顕微鏡検査撮像システムは、現在の線形検出器場所と記録された線形検出器場所との間の差異に基づいて、新しいz−位置を決定し得る。言い換えると、現在の線形検出器場所と記録された線形検出器場所との間の距離は、Z−軸に沿った移動距離に対応し得る。顕微鏡検査撮像システムは、移動距離(現在の線形検出場所と記録された線形検出場所との間の差異に対応する)にわたって、Z−軸に沿って対物レンズを移動させることによって、対物レンズを新しいz−位置に移動させ得る。顕微鏡検査撮像システムは、次いで、対物レンズに対する焦点位置として、この新しいz−位置を識別し得る(ステップ626)。顕微鏡検査撮像システムは、各測定場所における対物レンズに対する焦点位置を決定するために、各測定場所において、ステップ602−626を繰り返し得る。
【0060】
いくつかの例示的実装では、最小シフトが存在しないこともある。例えば、非コンピュータ化システムは、線形検出器から電流を出力し得、Z−モータは、実質的下限がなく、かつ閾値を導入することによってフィードバックに干渉する理由もなく、線形検出器からの電流に基づいて継続的に調節され得る。また、カメラが、画像内の反射光ビームの場所に基づいて、反射光ビームのシフトを監視するために、この方式において採用され得ることを理解されるであろう。
【0061】
図7Aは、上側表面706が調整されていない試料ホルダ704に対して対物レンズ702を焦点化するために使用される軸外集束ビーム700を図示する。
図7Aに見られるように、軸外集束ビーム700は、下方から試料ホルダ704上に投影される。軸外集束ビーム700は、この例では、対物レンズ702の中心軸708と平行であるが、中心軸708から半径方向に離れて位置する。対物レンズ702は、軸外集束ビーム700を試料ホルダ704上に向け、試料ホルダ704は、反射光ビーム710、712、および714として、集束光ビーム700を反射する。
【0062】
図7Aに示される例では、軸外集束光ビーム700は、試料ホルダ704の下側表面716および上側表面706の両方から反射する。集束光ビーム700は、実線として、一例として
図7Aに示される。反射光ビーム710および712は、破線として、一例として
図7Aに示される。この例では、試料ホルダ704の下側表面716は、集束光ビーム700が試料ホルダ704に入射するにつれて、軸外集束光ビーム700を反射させ、それによって、反射光ビーム710をもたらす。軸外集束光ビーム700は、試料ホルダ704を通って上側表面706に進行し、反射光ビーム712として、上側表面706から反射して試料ホルダを通って戻る。試料ホルダの下側表面716は、反射光ビーム712が試料ホルダから出射するとき、反射光ビーム712を偏向させ、偏向光ビーム714をもたらす。偏向された光ビーム714もまた、この例では、破線として示される。
【0063】
一例として
図7Aに示される反射および偏向された光ビーム710、712、および714は、同等の強度または強さを有し得る。その結果、線形検出器124(
図1)は、試料ホルダ704の下側表面716から反射された光ビーム710(または、偏向された光ビーム714)と試料ホルダ704の上側表面706から反射された光ビーム712とを区別できないこともある。したがって、顕微鏡検査撮像システム100(
図1)の線形検出器124は、対物レンズ702が再焦点化されるべきかどうか正確に決定できないこともある。
【0064】
対照的に、
図7Bは、調整された上側表面720を含む、試料ホルダ718に対して対物レンズ702を焦点化するために使用される、軸外集束ビーム700を図示する。この例では、試料ホルダ718の上側表面720は、反射コーティング722を含むように調整されている。
図7Bに見られるように、軸外集束光ビーム700は、試料ホルダ718の上側表面720に塗布された反射コーティング722から反射する。反射コーティング722からの集束光ビーム700の反射は、したがって、試料ホルダ718の下側表面730からの反射光ビーム726および偏向された光ビーム728より比較的強い、反射光ビーム724をもたらす。比較的強い反射光ビーム724は、比較的太い破線として、
図7Bに描写される。
【0065】
故に、一例として
図7Bに示される下側表面730によって反射された光ビーム726および偏向された光ビーム728は、試料ホルダ718の上側表面720に塗布された反射コーティング722によって反射された光ビーム724より比較的弱い。その結果、
図7Aとは対照的に、線形検出器124は、有利には、試料ホルダ718の下側表面730によって反射および偏向された光ビーム726および728と上側表面720の反射コーティング722から反射された光ビーム724とを区別し得る。線形検出器124は、したがって、この例では、試料ホルダ718の上側表面720に塗布された反射コーティング722からの集束光ビーム700の反射から生じる、それが受信する最も強い反射光ビームを監視するように構成され得る。
【0066】
前述の実装の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。包括的でもなく、請求される発明を開示される精密な形態に制限するものではない。修正および変形例が、前述の説明に照らして可能である、または本発明の実践から取得され得る。請求項およびその均等物は、本発明の範囲を定義する。