【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、患者の肢(たとえば、腕、脚、手、足および四肢の関節)を支持
する装置を特徴とする。本装置は、患者の肢(たとえば腕または脚)を支持するように構
成されている。本装置は、a)実質的に平面の基礎構造であって、基礎構造の2つの対向
する側部を形成する第1基礎支持体および第2基礎支持体を備えた基礎構造と、b)第1
立上り(raised)支持体および第2立上り支持体ならびに第1肢支持バーを備えた
第1肢支持構造であって、第1立上り支持体が、一端において第1基礎支持体に回転可能
に接続され、第2立上り支持体が、一端において第2基礎支持体に回転可能に接続され、
第1肢支持バーが、その端部でまたはその端部近くで第1立上り支持体および第2立上り
支持体に移動可能に取り付けられている、第1肢支持構造と、c)第3立上り支持体およ
び第4立上り支持体ならびに第2肢支持バーを含む第2肢支持構造であって、第3立上り
支持体が、一端において第1基礎支持体に回転可能に接続され、第4立上り支持体が、一
端において第2基礎支持体に回転可能に接続され、第2肢支持バーが、その端部でまたは
その端部近くで第3立上り支持体および/または第4立上り支持体に移動可能に取り付け
られている、第2肢支持構造とを含む。
【0007】
本発明の第1態様の実施形態では、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、互いに実
質的に平行である。たとえば、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、互いに対して約
60°以下の角度(たとえば、約0°から約60°の角度)の角度で向けられており、好
ましくは、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、互いに対して約0°(すなわち平行
)から約25°の角度で向けられている。別の実施形態では、第1基礎支持体および第2
基礎支持体は、長さが、約10cmから約100cmの範囲であり得る(たとえば、第1
基礎支持体および第2基礎支持体を、長さを約10cm、20cm、30cm、40cm
、50cm、60cm、70cm、80cm、90cmまたは100cmとすることがで
き、または約10cmから約60cmの範囲の長さとすることができる)。ある実施形態
では、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、長さが同じであるかまたは異なる。別の
実施形態では、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、長さが、第3基礎支持体および
第4基礎支持体の長さより大きい。
【0008】
他の実施形態では、実質的に平面の基礎構造は、単一の堅固な平面支持面である(たと
えば、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、それらの全長に沿って互いに接続されて
おり、単一の堅固な平面支持面の2つの対向する縁を構成しており、またはそれらの全長
の一部に沿ってあるいはそれらの全長に沿ったさまざまな箇所で接続されている)。別法
として、実質的に平面の基礎構造の第1基礎支持体および第2基礎支持体は、基礎構造の
平面内にあり続けかつさまざまな箇所で第1基礎支持体および第2基礎支持体を接続する
、1つまたは複数の支持部材を含むことができる。さらに他の実施形態では、平面支持構
造の第1基礎支持体および第2基礎支持体は、装置の近位端部から(すなわち、患者の胴
に最も近くに位置決めされるように構成されている装置の端部から)、装置の遠位端部ま
で(すなわち、患者の胴から最も遠くに位置決めされるように構成されている装置の端部
から)高さが増大する。たとえば、第1基礎支持体および第2基礎支持体は、傾斜した形
状または楔形状を有する(たとえば、約1〜10°の角度であるか、または約1cmから
約5cmまで基礎支持体を横切って端部から端部まで高さが増大する)ことができる。
【0009】
さらに他の実施形態では、装置の基礎構造は、互いに実質的に平行な第3基礎支持体お
よび第4基礎支持体をさらに備え、第1基礎支持体、第2基礎支持体、第3基礎支持体お
よび第4基礎支持体は、それらの端部において実質的に平行四辺形の形態で(たとえば、
正方形、矩形、偏菱形または菱形の形態で)接続されることにより、基礎構造を形成する
。第3基礎支持体および第4基礎支持体は、長さが、約10cmから約100cmの範囲
であり得る(たとえば、第3基礎支持体および第4基礎支持体を、長さを約10cm、2
0cm、30cm、40cm、50cm、60cm、70cm、80cm、90cmまた
は100cmとすることができ、または約10cmから約60cmの範囲の長さとするこ
とができる)。他の実施形態では、第3基礎支持体および第4基礎支持体を、互いに対し
て実質的に平行に(たとえば、約0°の角度で)向けてもよく、または一方あるいは両方
を、患者の胴に対して内方または外方に、たとえば互いに対して弓形に湾曲させてもよい
。
【0010】
他のいくつかの実施形態では、装置の立上り支持体は、同じ長さであるかまたは異なる
長さである。たとえば、第1立上り支持体および第2立上り支持体の各々を、第3立上り
支持体および第4立上り支持体と同じ長さであるか、それより短いかまたはそれより長く
することができる。別の実施形態では、第1立上り支持体は、第2立上り支持体と同じ長
さであるか、それより短いかまたはそれより長い。さらに別の実施形態では、第3立上り
支持体は、第4立上り支持体と同じ長さであるか、それより短いかまたはそれより長い。
他の実施形態では、立上り支持体は、長さがたとえば約5cmから約100cmであり、
好ましくは長さが約10cmから約100cmであり、より好ましくは長さが約10cm
から約60cmである。
【0011】
別の実施形態では、装置の第1肢支持構造は、実質的に基礎構造の2つの角において第
1基礎支持体および第2基礎支持体に回転可能に接続され、第2肢支持構造は、実質的に
基礎構造の反対側の2つの角において第1基礎支持体および第2基礎支持体に回転可能に
接続されている。さらに他の実施形態では、装置の第1肢支持構造および第2肢支持構造
は、第1基礎支持体および第2基礎支持体の第3基礎支持体および第4基礎支持体との交
差部分から形成される角以外の箇所で、基礎構造に回転可能に接続されている。第1基礎
支持体、第2基礎支持体、第3基礎支持体および第4基礎支持体を、それらの端部におい
て、基礎構造の分解を可能にする(または防止する)解放可能(または非解放可能)コネ
クタによって接続することができる。別法として、第1基礎支持体、第2基礎支持体、第
3基礎支持体および第4基礎支持体は、継目またはコネクタなしに接合されている。
【0012】
さらに他の実施形態では、第1立上り支持体、第2立上り支持体、第3立上り支持体お
よび第4立上り支持体のうちの1つまたは複数は、移動可能であるか回転可能であるかま
たはその両方であり得る肢支持構造コネクタによって、基礎支持体に回転可能に接続され
ている。肢支持構造コネクタにより、第1基礎支持体および第2基礎支持体の長さに沿っ
た立上り支持体の移動を可能にすることができ、それにより、第1基礎支持体および第2
基礎支持体に沿った第1肢支持構造と第2肢支持構造との間の距離を、増大させるかまた
は低減させることができる。肢支持構造コネクタはまた、第1基礎支持体および第2基礎
支持体に対する立上り支持体の回転も可能にすることができる(たとえば、立上り支持体
と基礎構造との間の角度を増大させるかまたは低減させることができる)。たとえば、肢
支持構造コネクタにより、第1肢支持構造および第2肢支持構造が基礎構造によって画定
される平面に向かうかまたはそこから離れる方向の回転が可能になる。肢支持構造コネク
タを使用して第1肢支持構造および第2肢支持構造を回転させることにより、第1肢支持
構造および第2肢支持構造を、第1基礎支持体および第2基礎支持体に対して約0°から
約180°の角度(たとえば、肢支持構造の面と基礎構造の面との間の約30°、約50
°、約70°、約90°、約100°、約120°、約140°、約160°および約1
80°の角度)で向けることができる。特に、第1肢支持構造および第2肢支持構造は、
(たとえば、容易に保管し搬送することができる実質的に平坦な折畳み構造をもたらすよ
うに、たとえば
図4を参照)基礎構造の内部領域内に回転することができるように構成さ
れている。基礎構造の内部領域を、第1基礎支持体と第2基礎支持体との間の領域として
画定することができ、第3基礎支持体および第4基礎支持体がある場合、内部領域を、第
1基礎支持体、第2基礎支持体、第3基礎支持体および第4基礎支持体の間の領域として
さらに画定することができる。
【0013】
他の実施形態では、立上り支持体の肢支持構造コネクタを、装置が使用される時、たと
えば患者の肢の支持中に、第1肢支持構造および第2肢支持構造の立上り支持体の移動あ
るいは回転または両方を防止するように締め付けることができる。望ましい場合、立上り
支持体の肢支持構造コネクタを、第1基礎支持体および第2基礎支持体の長さのすべてま
たは一部に沿った立上り支持体の移動を可能にするように緩めることができる。たとえば
、第1立上り支持体および第2立上り支持体の肢支持構造コネクタが緩められると、第1
立上り支持体および第2立上り支持体を第1基礎支持体および第2基礎支持体に沿って押
すことにより、第1肢支持構造を、第2肢支持構造に向かってまたはそこから離れる方向
に移動させることができる。第1肢支持構造が所望の位置に位置すると、第1立上り支持
体および第2立上り支持体の肢支持構造コネクタを再度締め付けることができる。別法と
して、第1立上り支持体および第2立上り支持体の肢支持構造コネクタを、第1肢支持構
造が、第1基礎支持体および第2基礎支持体から完全に切り離されるように緩めることが
できる。そして、肢支持構造コネクタを介して第1基礎支持体および第2基礎支持体に先
に接続されている第1立上り支持体および第2立上り支持体の端部を嵌合させて、肢支持
構造コネクタを(たとえば手によりまたは器具により)再度締め付けることにより、肢支
持構造を基礎構造に堅固に固定することによって、第1肢支持構造を第1基礎支持体およ
び第2基礎支持体の上の位置に戻すことができる。
【0014】
実施形態では、肢支持構造コネクタは、肢支持構造コネクタによって提供される移動特
性および/または回転特性が独立しているように構成されている。たとえば、装置の肢支
持構造コネクタを、締め付けかつ緩めることができる以下の2つの別個の機構を含むよう
に構成することができ、すなわち、緩められると、立上り支持体が回転のみ行うことがで
きるようにする(かつ締め付けられると、立上り支持体が回転しないように装置を固定す
る)第1機構と、緩められると立上り支持体を基礎支持体に沿って移動させる(またはそ
こから取り除く)ことができるようにする(かつ締め付けられると、立上り支持体が基礎
支持体の長さに沿って移動しないように装置を固定する)第2機構とである。したがって
、本発明の装置は、立上り支持体の移動および回転をそれぞれ独立して調整する2つの機
構を有する肢支持構造コネクタ、または立上り支持体の移動および回転の両方を調整する
単一機構のみを有する肢支持構造コネクタを含むことができる。
【0015】
本発明の装置はまた、第1肢支持構造および第2肢支持構造の立上り支持体のうちの1
つを第1基礎支持体または第2基礎支持体に解放可能に接続する少なくとも1つの第1係
止支持体を含むことも可能である。本装置はまた、立上り支持体のうちのいくつかまたは
すべて(たとえば、立上り支持体のうちの2つ、3つまたは4つ)を基礎構造に解放可能
に接続するさらなる第1係止支持体を含むことも可能である。第1係止支持体を、たとえ
ばロッドとすることができ、第1係止支持体は、たとえば係止ヒンジ、係止ばねまたは他
の機構を含むことができる。存在する場合、第1係止支持体を用いて、立上り支持体のう
ちの1つまたは複数を基礎支持体に固定することができる。係止支持体を、使用者による
係止支持体の係合および切離しを可能にするコネクタを用いて、立上り支持体および基礎
支持体に固定することができる。係合すると、係止支持体は、使用時に装置に対してさら
なる支持を提供するはずである。装置の使用後、または装置の構成要素の調整中、係止支
持コネクタを切り離して、たとえば立上り支持体の調整を可能にすることができ、かつ立
上り支持体が所望の位置に配置されると再度係合させることができる。
【0016】
本発明の装置は、第2基礎支持体の第1肢支持構造および第2肢支持構造の立上り支持
体を互いに固定する少なくとも1つの第2係止支持体を含むことも可能である。本装置は
、2つ、3つ、4つまたはそれより多くの第2係止支持体を含んでもよい。第2係止支持
体を、たとえばロッドとすることができ、第2係止支持体は、たとえば係止ヒンジ、係止
ばねまたは他の機構を含むことができる。
【0017】
さらに別の実施形態では、本発明の装置は、ロッドが患者の肢(たとえば腕または脚)
を箱枠に取り付けるのを可能にする穿孔を備えた少なくとも1つの第3係止支持体を含む
ことができる。本装置は、2つ以上の第3支持体を含んでいてもよい。
【0018】
本発明の装置は、第1係止支持体、第2係止支持体または第3係止支持体のみを含んで
いてもよく、または第1係止支持体、第2係止支持体および第3係止支持体の組合せ(た
とえば、1つまたは複数の第1係止支持体および第2係止支持体、1つまたは複数の第1
係止支持体および第3係止支持体、1つまたは複数の第2係止支持体および第3係止支持
体、または1つまたは複数の第1係止支持体、第2係止支持体および第3係止支持体)を
含んでいてもよい。
【0019】
本装置はまた、テレスコープ形でありかつ(たとえば約5cmから約20cmの長さま
で)伸長し収縮するように構成されている立上り支持体を含むことも可能である。テレス
コープ形支持体はまた、第1肢支持バーおよび第2肢支持バー用の取付箇所を提供するポ
ジショナを含むことも可能である。別の実施形態では、基礎構造は、(たとえば約5cm
から約20cmの長さまで)伸長しまたは収縮することができるさらなるテレスコープ形
脚(たとえば、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多くのテレスコープ形脚)を含む
ことも可能である。テレスコープ形脚を用いて、たとえば使用時に装置を水平にするか、
または装置を上昇させることができる。
【0020】
他の実施形態では、第1肢支持バーおよび第2肢支持バーは、解放可能コネクタによっ
て立上り支持体に取り付けられており、解放可能コネクタの各々を、立上り支持体の長さ
に沿って第1肢支持バーおよび第2肢支持バーの移動を可能にするように独立して係合さ
せかつ切り離すことができる。係合すると、解放可能コネクタは、たとえば、たとえば患
者の肢の重量によって肢支持バーに圧力が加えられると、肢支持バーの移動を防止する。
肢支持バーを移動させるために、肢支持バーの一端または両端の解放可能コネクタは切り
離され、肢支持バーは、立上り支持体に沿って所望の高さまで移動する。解放可能コネク
タを再度係合させて、肢支持バーを選択された高さで固定することができる。解放可能コ
ネクタを、切り離されると、本発明の装置の肢支持バーを装置から完全に分離することが
できるように構成することができる。別法として、解放可能コネクタを、切り離されると
、本発明の装置の肢支持バーを、立上り支持体を上下に自由に移動させることができるが
、装置から完全に分離され得ないように構成することができる。
【0021】
さらに他の実施形態では、肢支持バーは、実質的に直線状であるか、湾曲している(た
とえば、肢支持バーの端部を基礎構造から離れる方向に湾曲させて、弓形状をもたらすこ
とができる)か、または肢支持バーが患者の肢を支持することができることを妨げない他
の形状および形態を有している。第1肢支持バーは、第1立上り支持体および第2立上り
支持体に対して実質的に垂直であり、かつ基礎構造によって画定される平面に対して実質
的に平行である向きを有していてもよく、一方で、第2肢支持バーは、第3立上り支持体
および第4立上り支持体に対して実質的に垂直であり、かつ支持構造によって画定される
平面に対して実質的に平行である向きを有していてもよい。肢支持バーは、長さが約10
cmから約60cmとそれらの間のあらゆる長さ(たとえば、約10cmから約30cm
までの長さ)であってもよい。第1肢支持バーおよび第2肢支持バーを、立上り支持体の
長さに沿って独立して移動させることができる。第1支持バーの高さは、第2肢支持体の
高さと同じであってもよくまたは異なっていてもよい。さらに、第1肢支持バーは、第2
肢支持バーと同じ長さであっても、それより長くても短くてもよい。
【0022】
他の実施形態では、本装置の第1立上り支持体を、第1肢支持バーにその端部にまたは
その端部近くにおいて(たとえば、第1肢支持バーの端部から約10cm以下の(たとえ
ば、約5cm、約4cm、約3cm、約2cm、約1cm、約0.5cm、約0.25c
mまたはそれより小さい)箇所で)固定することができる。同様に、第2立上り支持体を
、たとえば解放可能コネクタを用いて、第1肢支持バーにその他方の端部にまたはその他
方の端部近くにおいて(たとえば、第1肢支持バーの他端から約10cm以下の(たとえ
ば、約5cm、約4cm、約3cm、約2cm、約1cm、約0.5cm、約0.25c
mまたはそれより小さい)箇所で)固定することができる。第2肢支持バーを、第1肢支
持バーに対して上述したように第3立上り支持体および第4立上り支持体に固定すること
ができる。第1肢支持バーおよび第2肢支持バーを、たとえば解放可能コネクタを用いて
、または肢支持バーの中心軸を二分する肢支持バーの穴を通して、立上り支持体に固定す
ることができる。たとえば、肢支持バーを、立上り支持体のうちの2つ(たとえば、第1
立上り支持体および第2立上り支持体または第3立上り支持体および第4立上り支持体)
の端部を、肢支持バーのうちの1つの2つの穴を通るように摺動させることにより、立上
り支持体のうちの2つに固定することができる。そして、肢支持バーを、たとえばクラン
プ、ピン、ブラケット、ディスク、ねじ等によって、立上り支持体の選択された高さに固
定することができる。
【0023】
別の実施形態では、第1肢支持バーおよび第2肢支持バーは、肢支持バーのそれらの長
手方向軸を中心とする回転を可能にするように構成されている解放可能コネクタを用いて
立上り支持体に固定されている。解放可能コネクタを、装置の使用中に肢支持バーの移動
を防止するように(たとえば患者の肢を支持するために)、手によりまたは器具により締
め付けられるように構成してもよい。ある実施形態では、肢支持バーは、立上り支持体に
取外し可能に取り付けられている。
【0024】
本発明の装置は、立上り支持体の長さに沿って2つ以上のポジショナを含むことも可能
である。立上り支持体の長さのすべてまたは一部に沿った事前設定された位置に溝、穴ま
たは窪みを含むことができるポジショナを用いて、事前設定された位置に第1肢支持バー
および第2肢支持バーを固定することができる。他の実施形態では、第1肢支持バーおよ
び第2肢支持バーの解放コネクタは、立上り支持体に沿った事前設定された位置において
肢支持バーを係止する溝、穴または窪み内に嵌合するように構成されている係止部材(た
とえば、ピン、ディスク、ねじ、ブラケット、クランプ等)をさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1肢支持バーおよび第2肢支持バーまたは立上り支持体は
、それらの長さのすべてまたは一部に沿って、実質的に円形断面形状、実質的に三角形断
面形状、または実質的に正方形断面形状を有しており、基礎支持体、立上り支持体または
肢支持バーは、それらの長さの実質的にすべてまたは一部のみに沿ってその断面形状を有
していてもよい。基礎支持体、立上り支持体または肢支持バーを、わずかな湾曲(たとえ
ば、約30°以下の弓状屈曲(たとえば、約25°、約20°、約15°、約10°、約
5°またはそれより小さい弓状屈曲)があるように形成してもよい。別の実施形態では、
基礎支持体、立上り支持体または肢支持バーは、断面形状が、それらの長さのすべてまた
は一部に沿って実質的に多角形である。
【0026】
他の実施形態では、本装置の構成要素のすべてまたは一部は、放射線透過性材料、金属
構成要素、非金属構成要素(たとえば、サーモポリマー材料(たとえば、RADEL(登
録商標)スルホンポリマー(たとえば、Solvay Advanced Polyme
rsのRADEL(登録商標)ポリフェニルスルホン(PPSU))等のUSP Cla
ss VIサーモポリマー材料)等のプラスチック構成要素)、非磁性構成要素、または
常磁性構成要素(たとえば、チタン、好ましくは計測器用チタン)を用いて製造される。
本発明の装置を、非電磁材料を用いて製造することができ、したがって、本装置を、コン
ピュータ支援手術(たとえば、たとえば肢および術野に対して非磁性支持構造を必要とす
るセンサ位置決めの電磁気源または赤外線原を用いる、コンピュータ支援手術ナビゲーシ
ョンおよび標的化(surgical navieation and targeti
ng)システム)、X線撮像あるいはX線誘導手術、または磁気共鳴画像化(MRI)処
置で使用することができる。
【0027】
さらに他の実施形態では、本装置は滅菌されているか、またはたとえば放射線、化学薬
品、熱あるいは圧力を用いて(たとえばオートクレーブ内で)滅菌することができる。滅
菌されると、本装置装置を、封止材内に、汚染物質がない状態に保持することができる。
【0028】
他の実施形態では、肢は、患者(たとえば人間の患者)の腕または脚である。実施形態
では、肢は脚であり、第1肢支持バーは、患者の脚の膝の上方の部分を支持するように構
成され、第2肢支持バーは、患者の脚の膝の下方の部分を支持するように構成されている
。
【0029】
本発明の第2態様は、患者(人間の患者)の肢(たとえば腕または脚)を、本発明の第
1態様の装置の肢支持バー(たとえば、第1肢支持バーおよび第2肢支持バー)を横切っ
て患者の肢を配置することによって支持しかつ位置決めする方法を特徴とする。実施形態
では、本方法は、第1肢支持バーの上面に沿って患者の脚の臀部と膝との間の部分を位置
決めするステップと、第2肢支持バーの上面に沿って患者の脚の膝と踝との間の部分を位
置決めするステップとを含む。他の実施形態では、肢を、たとえばストラップ、ラップ、
バックル、VELCRO(登録商標)、スナップまたは他の締結具あるいは材料を用いて
、第1肢支持バーおよび第2肢支持バーに固定することができる。本方法により、患者の
四肢(たとえば、腕、脚、手、足および四肢の関節)に対するアクセスが、その肢の手術
、評価(たとえば手術の前または後)およびその肢のリハビリテーション中に可能になる
。
【0030】
別の実施形態では、本方法は、患者の肢に対して手術を行うステップと、評価するする
ステップと、リハビリするステップとを含む。さらに別の実施形態では、手術は、骨欠損
の治療または修復、たとえば骨折固定(骨形成を含んでも含まなくてもよい)、または、
たとえば前十字靭帯断裂を修復するための膝手術に対するものである。別の実施形態では
、本装置を用いて、血管手術において用いるように患者の肢を位置決めする。たとえば、
本発明の装置を、形成外科医が、皮膚移植のために皮膚を除去する際に、または患者(た
とえば火傷患者)の肢に皮膚移植片を配置する際に役立つように用いることができる。さ
らに別の実施形態では、本装置を用いて、軟組織、靭帯または軟骨の治療または修復に使
用するために患者の肢を位置決めする。さらに他の実施形態では、本装置を、患者の肢(
たとえば腕または脚)に対する再建処置に用いることができる。特定の使用としては、た
とえば、骨形成、変形矯正、骨髄炎の外科的治療および腫瘍手術が挙げられる。
【0031】
本発明の第3態様は、本発明の第1態様の組み立てられたまたは分解された装置を含む
キットを特徴とする。実施形態では、装置(組み立てられた形態または分解された形態)
は、滅菌された材料または滅菌可能材料で包装される。
【0032】
定義
本明細書で用いる用語「約」は、列挙されている値の±10%を意味する。
【0033】
「骨欠損」とは、骨における空隙、間隙、凹部または他の不連続性等、あらゆる骨の不
完全な領域を意味する。骨欠損は、人工的にまたは自然に確立される可能性があり、たと
えば疾患または外傷のために発生する可能性がある。したがって、骨欠損は、病理学的疾
患あるいは炎症性疾患、骨腫瘍の形成および/あるいは除去、外科的介入、先天的欠損ま
たは骨折等の結果として発生する可能性がある。たとえば、骨腫瘍等のいくつかの疾患の
場合、骨欠損は、腫瘍組織の除去により人工的に確立される可能性がある。本発明の骨ス
クリューを、たとえば、歯周欠損の修復において、頭蓋顔面または顎顔面の手術または再
建において、手の手術において、関節再建において、骨折修復において、整形外科手術処
置において、かつ脊椎固定において適用することができる。「骨欠損」という用語はまた
、選択的美容整形手術における等、疾患または外傷のない患者によって、骨機能に対する
増強が望まれる、解剖学的部位を含むようにも意図されている。したがって、「欠損」は
、患者によって主観的に感知されるものであって、骨の不完全な領域の増強が望まれる場
所であり得る。
【0034】
「骨形成術」とは、骨充填材料および/または流動媒体が骨の内部に送達されるあらゆ
る処置を意味する。
【0035】
「実質的に」とは、列挙される向き(たとえば、平行な向きまたは垂直な向き)を含む
、列挙された値の±10%または列挙された角度の±10°を意味する。
【0036】
「治療する」または「治療」とは、創傷あるいは疾患、病理学的状態または障害の改善
、修復あるいは予防が生じることを意図する、患者の医療管理を意味する。この用語は、
積極的な治療、すなわち、特に、創傷あるいは疾患、病理学的状態または障害の改善に向
けられた治療を含み、原因治療、すなわち、創傷あるいは疾患、病理学的状態または障害
の原因の除去に向けられた治療も含む。さらに、この用語は、緩和治療、すなわち、創傷
あるいは疾患、病理学的状態または障害の治癒ではなく症状の軽減が意図された治療と、
予防的治療、すなわち、創傷あるいは疾患、病理学的状態または障害の予防に向けられた
治療と、支持的治療、すなわち、創傷あるいは疾患、病理学的状態または障害の改善に向
けられた別の所定の療法を補足するために採用される治療を含む。
【0037】
本発明の他の特徴および利点は、図面、以下の詳細な説明から、かつ特許請求の範囲か
ら明らかとなろう。