特許第6275859号(P6275859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6275859
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】力センサを有する超音波加工デバイス
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20180129BHJP
【FI】
   B23K20/10
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-550586(P2016-550586)
(86)(22)【出願日】2015年2月18日
(65)【公表番号】特表2017-507785(P2017-507785A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】EP2015053424
(87)【国際公開番号】WO2015128236
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年12月5日
(31)【優先権主張番号】102014102685.3
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516211282
【氏名又は名称】ヘルマン ウルトラシャルテクニーク ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】HERRMANN ULTRASCHALLTECHNIK GMBH & CO.KG
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(72)【発明者】
【氏名】フォグラー、ウルリッヒ
【審査官】 岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0050474(US,A1)
【文献】 米国特許第06190296(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソノトロードと、コンバーターと、対応ツールとを有する超音波振動ユニットを有し、材料ウェブを加工するために、ウェブをソノトロードと対応ツールとの間の間隙を通過させ、超音波振動ユニットが、その超音波振動ユニットを力方向、すなわち対応ツールの方向又は離れるようにキャリッジと共に移動させることができるように対応ツールに対して移動可能なキャリッジに固定され、材料ウェブによってソノトロードに加えられる力を測定する力センサが設けられ、ソノトロードとキャリッジとが、力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続された材料ウェブの超音波加工装置において、
センサコンポーネントが、少なくとも2つの接続要素を介して互いに接続された2つのプレート要素を備え、一方のプレート要素が超音波振動ユニットに接続され、他方のプレート要素がキャリッジに接続され、少なくとも1つの力センサが接続要素に固定されたことを特徴とする超音波加工装置。
【請求項2】
ソノトロードと、それに対して振幅変換器を介して接続されたコンバーターと、対応ツールとを有する超音波振動ユニットを有し、材料ウェブを加工するために、ウェブをソノトロードと対応ツールとの間の間隙を通過させ、超音波振動ユニットが、その超音波振動ユニットを力方向、すなわち対応ツールの方向又は離れるようにキャリッジと共に移動させることができるように対応ツールに対して移動可能なキャリッジに固定され、材料ウェブによってソノトロードに加えられる力を測定する力センサが設けられ、ソノトロードとキャリッジとが、力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続された材料ウェブの超音波加工装置において、
センサコンポーネントが、少なくとも2つの接続要素を介して互いに接続された2つのプレート要素を備え、一方のプレート要素が超音波振動ユニットに接続され、他方のプレート要素がキャリッジに接続され、少なくとも1つの力センサが接続要素に固定されたことを特徴とする超音波加工装置。
【請求項3】
ソノトロードとキャリッジとが、2つの力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続され、
一方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるように配置され、
他方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力が測定されるように配置された請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
キャリッジを力方向に対して平行に移動させる駆動部が設けられ、好ましくは、駆動部が、例えばトグルレバーシステムのような力撓みシステムを介してキャリッジに接続された請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
一方の接続要素が他方の接続要素よりも対応ツールの近くに配置され、
好ましくは、2つの力センサが設けられ、一方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるように、対応ツールから遠くに配置された接続要素上に位置付けられるとともに、
他方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力が測定されるように、対応ツールの近くに配置された接続要素上に位置付けられた請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも4つの接続要素が設けられ、それらを介してプレート要素が互いに接続され、各2つの接続要素が、対応ツールから等しく離間している請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
2つのプレート要素が、略同一平面に配置され、
好ましくは一方のプレート要素が、他方のプレート要素が配置される開口部を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
力センサがひずみゲージを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
2つのプレート要素の、力方向及び力方向に対して垂直な方向の両方における互いに対するモビリティが、20μm/kN未満、好ましくは10μm/kN未満、最も好ましくは3μm/kN未満である請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
力センサが圧電センサである請求項1〜のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
圧電センサが、一方のプレート要素が他方のプレート要素にかける力が検出されるように、両方のプレート要素に固定され、好ましくは圧電センサが材料ウェブによってソノトロードに対して力がかけられていないときでも圧電センサが力を測定するように付勢されている請求項4に従属する限りの請求項10に記載の装置。
【請求項12】
圧電センサが、加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるように、センサコンポーネント上に配置された請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
2つの力センサが設けられ、一方の力センサは加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるようにセンサプレートに固定された圧電センサであり、
他方の力センサは好ましくはひずみゲージを有し、加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力が測定されるように、接続要素上に、より具体的に好ましくは対応ツールの近くに配置された接続要素上に位置付けられた請求項11又は12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料ウェブの超音波加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような超音波加工装置は、ソノトロードと、コンバーターと、任意に振幅変換器とを備える超音波振動ユニットを有する。その配置構成において、コンバーターは、振幅変換器を介してソノトロードに接続される場合がある。コンバーターは、AC電圧を機械振動に変換する。超音波振動ユニットの個々の要素は、超音波振動ユニットが、所望の超音波周波数において共鳴周波数、いわゆる自然周波数を有するように、互いに対して調整して合わせられている。従って、コンバーターが適切なAC電圧で作用されると、超音波振動ユニットは自然周波数で振動する。
【0003】
また、ソノトロードに対向配置された対応ツールが設けられる。材料ウェブを加工するために、材料ウェブをソノトロードと対応ツールとの間の間隙を通過させる。加工作業中、一方のソノトロードと他方の対応ツールとの間で材料ウェブに超音波加工が施されるように、超音波周波数で振動しているソノトロードが、対応ツールの方向に材料ウェブに対して押し当てられる。
【0004】
その目的のために、ソノトロードと対応ツールとを、互いに対して移動できる必要がある。これにより、例えばソノトロードと対応ツールとの間の間隙を大きくして材料ウェブを間隙内に導入できるようにしなければならない。その後、間隙は加工作業中に相応に小さくされる。従って、超音波振動ユニットは、その超音波振動ユニットが、力方向、すなわち対応ツールの方向又は離れる方向にキャリッジと一緒に移動できるように、対応ツールに対して移動可能なキャリッジに固定される。
【0005】
最適な加工結果を実現するために、ソノトロードが所定の溶着力で材料ウェブに押し当てられると有利である。
【0006】
従って、材料ウェブによりソノトロードに加えられる力を測定する力センサを有する装置が、特許文献1において既に提案されている。この装置において、キャリッジはトグルレバーシステムを介して駆動され、センサは、そのトグルレバーシステム内部に配置されている。
【0007】
しかしながら、この装置は、力の測定がキャリッジとキャリッジガイドとの間及びトグルレバーシステム内部の摩擦力のために、高いレベルのヒステリシスを伴うという欠点を被る。また、既知の構成では、横力、すなわち材料ウェブが力の方向に対して垂直にソノトロードにかける力を測定できない。
【0008】
しかしながら、非常に小さい加工帯域幅を伴う使用状況が存在する。例えば195Nのみの溶着力では完全な溶着が生じず、また205Nの溶着力では材料に対して部分的な損傷が生じてしまうような、200Nの溶着力が要求される用途を想定することが可能である。
【0009】
これらの使用状況は、これまでの連続超音波加工では対応できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第19753740号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、上述の技術水準を基本的な起点として、本発明の目的は、超音波により、極めて小さい加工帯域幅を伴う使用状況で連続的に加工することを可能とするために、溶着力のより正確な測定を可能とする、本明細書の冒頭部分に記載した種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成する本発明の超音波加工装置は、ソノトロードと、コンバーターと、対応ツールとを有する超音波振動ユニットを有し、材料ウェブを加工するために、ウェブをソノトロードと対応ツールとの間の間隙を通過させ、超音波振動ユニットが、その超音波振動ユニットを力方向、すなわち対応ツールの方向又は離れるようにキャリッジと共に移動させることができるように対応ツールに対して移動可能なキャリッジに固定され、材料ウェブによってソノトロードに加えられる力を測定する力センサが設けられ、ソノトロードとキャリッジとが、力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続された材料ウェブの超音波加工装置において、センサコンポーネントが、少なくとも2つの接続要素を介して互いに接続された2つのプレート要素を備え、一方のプレート要素が超音波振動ユニットに接続され、他方のプレート要素がキャリッジに接続され、少なくとも1つの力センサが接続要素に固定されたことを特徴とするものである。
また、本発明の超音波加工装置は、ソノトロードと、それに対して振幅変換器を介して接続されたコンバーターと、対応ツールとを有する超音波振動ユニットを有し、材料ウェブを加工するために、ウェブをソノトロードと対応ツールとの間の間隙を通過させ、超音波振動ユニットが、その超音波振動ユニットを力方向、すなわち対応ツールの方向又は離れるようにキャリッジと共に移動させることができるように対応ツールに対して移動可能なキャリッジに固定され、材料ウェブによってソノトロードに加えられる力を測定する力センサが設けられ、ソノトロードとキャリッジとが、力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続された材料ウェブの超音波加工装置において、センサコンポーネントが、少なくとも2つの接続要素を介して互いに接続された2つのプレート要素を備え、一方のプレート要素が超音波振動ユニットに接続され、他方のプレート要素がキャリッジに接続され、少なくとも1つの力センサが接続要素に固定されたことを特徴とするものである。
【0013】
好ましい実施形態において、ソノトロードとキャリッジとは、2つの力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続される。その場合、一方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるように配置され、他方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力が測定されるように配置される。
【0014】
ソノトロードの直近にセンサコンポーネントを位置付けるおかげで、2つの力センサにより、力方向に対して平行な力及び力方向に対して垂直な力の両方を測定することも可能となる。3つ以上の力センサを使用してもよいことは理解されよう。
【0015】
好ましい実施形態において、キャリッジを力方向に対して平行に移動させる駆動部が設けられ、好ましくは、駆動部が、例えばトグルレバーシステムのような力撓みシステムを介してキャリッジに接続される。そのような配置構成は、例えば上述の特許文献1に見出せる。その場合、キャリッジは、力方向に対して垂直ではなく力方向にのみ、機械支持構造に対して移動させることができるようにガイド内に位置付けられる。
【0016】
特に好ましい実施形態において、センサコンポーネントが少なくとも2つの弾性接続要素を介して互いに接続された2つのプレート要素を備え、一方のプレート要素が超音波振動ユニットに接続され、他方のプレート要素がキャリッジに接続される。その場合、最も好ましくは、力センサが接続要素に固定される。
【0017】
特に好ましい実施形態は、一方の接続要素が他方の接続要素よりも対応ツールの近くに配置され、そして好ましくは、2つの力センサが設けられ、一方の力センサは、加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるように、対応ツールから遠くに配置された接続要素上に位置付けられ、他方の力センサは加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力が測定されるように、対応ツールの近くに配置された接続要素上に位置付けられたものである。
【0018】
接続要素は、例えば材料ウェブによってソノトロードに力がかけられたときに、接続要素が変形して2つのプレート要素の相対移動が生じるように、2つのプレート要素を互いに接続する弾性接続アームの形態とすることができる。
【0019】
更に好ましい実施形態において、プレート要素を互いに接続する少なくとも4つの接続要素が設けられ、各2つの接続要素が対応ツールから等しく離間している。対となった接続要素の配置構成のために、より高い安定性がセンサプレートに対して、ひいては、ソノトロードとキャリッジとの間の接続に与えられる。
【0020】
好ましい実施形態において、2つのプレート要素が互いに対して平行に配置され、それらは好ましくは、プレート平面に対して垂直な方向に互いに偏位した関係で配置され、最も好ましくは、一方のプレート要素が、他方のプレート要素が配置される開口部を有する。
【0021】
その場合、開口部は、原則として任意の所望の構成のものにできる。それにより、例えばO字状の開口部を想到でき、すなわち外側プレート要素が、そのO字状の開口部内に配置された内側プレート要素の周囲全体を囲む。しかしながら、代わりに外側プレート要素が3つの辺においてのみ内側プレート要素を囲むU字状開口部や、外側プレート要素が2つの辺においてのみ内側プレート要素を囲むL字状開口部を想定することも可能である。
【0022】
良好な溶着結果を実現するために、原則として、ソノトロードと機械支持構造との間の接続に、高いレベルの剛性が必要である。しかしながら、本発明のセンサプレートの配置構成は、力が測定できるようにモビリティが必要である。2つのプレート要素の、力方向及び力方向に対して垂直な方向の両方における互いに対するモビリティを、20μm/kN未満、好ましくは10μm/kN未満、最も好ましくは3μm/kN未満とすべきであることが分かっている。
【0023】
好ましい実施形態において、力センサが接続要素の変形を測定するひずみゲージを有することができ、そこから材料ウェブによってソノトロードにかけられる力に関する結論が得られる。
【0024】
更に好ましい実施形態において、力センサは圧電センサである。
【0025】
圧電センサの剛性は、ひずみゲージに基づく力センサと比較して70〜100倍大きいため、力センサとして圧電センサを使用するおかげで、2つのプレート要素の互いに対するモビリティを、少なくとも力方向においてより一層低減できる。
【0026】
従って、システムの弾性を単に力センサとして圧電センサを使用するだけで大きく低減できる。
【0027】
しかしながら、圧電センサは、その圧電センサの構造や、それに接続された圧電性結晶により供給される電荷を測定する電荷増幅器の使用のために、電荷増幅器により測定され電圧に変換される電荷が、静的測定に対して低下するように、放電が常に生じるという問題を有する。
【0028】
従って、圧電センサの測定結果を向上させるために、好ましい実施形態において、超音波加工システムが材料の加工作業をなんら行っていない場合に圧電センサを短絡させる、あるいは圧電センサにより測定された力に対して時間的に変化する力補正値を加える制御デバイスを設けることができる。
【0029】
これにより、例えば場合によって、より具体的にはソノトロードが材料と係合していないとき、すなわち溶着が生じていないときに、圧電センサを短絡することが可能である。そのとき、ソノトロードは材料ウェブに対して力をかけない、又は、かける力が小さい。圧電センサは短絡動作によっていわばゼロとなり、短絡プロセス後にのみ、力の変化を測定できる。
【0030】
ここで、圧電センサがひずみゲージに基づかないため、好ましくは接続要素に固定されない。例えば圧電センサは、一方のプレート要素が他方のプレート要素にかける力が検出されるように、センサプレートの2つのプレート要素に固定できる。その場合、圧電センサは、力の流れの主要な部分が圧電センサを介して転換されるように、2つのプレート要素に接続される。
【0031】
更に好ましい実施形態において、圧電センサは、材料ウェブによってソノトロードに対して力がかけられていないときでもその圧電センサが力を測定するように付勢されている。
【0032】
これは、例えば圧電センサが、対応する第1のプレート要素のスレッド付き貫通ボアと係合するねじにより、第2のプレート要素に対して押圧されることによって行われる。そのようにして、どの場合でも、力が圧電センサにかけられる。これは、ソノトロードのその後の振動が生じる場合に圧電センサにおいて圧縮力のみならず引張力も生じるため、特に有利であろう。
【0033】
好ましい実施形態において、圧電センサは、加工対象の材料によって力方向に対して平行にソノトロードに加えられる力が測定されるように、センサコンポーネント上に配置される。
【0034】
加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力を測定することも可能であることは理解されよう。これは、例えば第2のセンサを用いることにより行うことができる。しかしながら、この場合、加工対象の材料によって力方向に対して垂直にソノトロードに加えられる力を測定するのに使用されるセンサとしては、ひずみゲージが好ましくは採用され、接続要素上、より具体的に好ましくは対応ツールに近づけて配置された接続要素上に位置付けられる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、この目的は、ソノトロードとキャリッジとが、力センサを有するセンサコンポーネントを介して互いに接続されることで達成される。
【0036】
従って、本発明によれば、力センサの位置がトグルレバーによってソノトロードの方向、より具体的にはソノトロードとキャリッジとの間の位置へと変位する。その位置において、力センサは、溶着力の変化のために生じる対応ツールに対するソノトロードの移動を直接検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る実施形態の斜視図である。
図2図1の実施形態の断面図である。
図3図1及び図2に示す実施形態において使用されるセンサコンポーネントの斜視図である。
図3a図1及び図2に示す実施形態において使用されるセンサコンポーネントの拡大詳細図である。
図3b図1及び図2に示す実施形態において使用されるセンサコンポーネントの拡大詳細図である。
図4】長手方向に変形中の図4のセンサコンポーネントの斜視図である。
図5】横力により変形中の図3のセンサコンポーネントの斜視図である。
図6】本発明に係る第2実施形態の平面図である。
図6a】本発明に係る第2実施形態の拡大部分図である。
図7】圧電センサの平面図を示す。
図8】本発明に係る第2実施形態の後面図である。
図8a】本発明に係る第2実施形態の拡大部分図である。
図9】本発明に係る第2実施形態の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の更なる利点は、以下の好ましい実施形態の説明及び添付の図面から明らかとなろう。
【0039】
図1は、本発明に係る加工装置1の斜視図を示す。
【0040】
図2は、図1の一部断面側面図を示す。この装置は、振幅変換器4を介してコンバーター3に接続されたソノトロード2を有する。ソノトロード2と、振幅変換器4と、コンバーター3とを備える超音波振動ユニットがホルダ5に固定されている。そして、ホルダ5はセンサプレートの形態のセンサコンポーネント6を介してキャリッジ7に固定されている。キャリッジ7は、機械支持構造に対して鉛直方向に移動させることができる。その目的のために、キャリッジ7は、トグルレバー機構9を介して駆動モータ8に接続されている。
【0041】
駆動モータ8は、それに接続されたスレッド付きロッドを移動させ、それがトグルレバー機構9を介してキャリッジ7の鉛直方向の移動に繋がる。
【0042】
図2は、ローラーの形態の対応ツール16を図示する。加工作業のために、1枚又は複数枚の材料ウェブを、ソノトロード2と、軸線周りに回転する対応ツール16との間を通過させる。その場合、加工対象の材料は、ソノトロード2に対して、図2において矢印で示すように、実際の溶着力である力方向の力と、またソノトロード2と対応ツール16との間の間隙を通過する材料の前進移動により実質的に生じる、力方向に対して横方向の力とをかける。
【0043】
本発明によれば、力センサがセンサプレート6内部に設けられる。
【0044】
センサプレートを、図3、3a及び3bに、斜視図及び2つの詳細図で示す。センサプレート6は、外側プレート要素10と内側プレート要素11とを備える。2つのプレート要素は、外側プレート要素10が実質的に完全に内側プレート要素11を囲むように、略1つの平面に配置される。
【0045】
内側及び外側プレート要素10、11の両方は、固定孔を有する。2つのプレート要素のうちの1つ、例えば内側プレート要素11は、キャリッジ7に固定され、他方のプレート要素、例えば外側プレート要素10は、ホルダ5に固定される。2つのプレート要素10、11は、接続要素13、14を介して互いに接続される。
【0046】
しかしながら、図示の実施形態において、2つのプレート要素は、相互に若干変位した関係で配置されている、すなわち、それらは正確に1つの平面に配置されていないことに注意されたい。そのような構成により、キャリッジ及びソノトロードへの固定が可能となり、材料ウェブの力により生じる力の伝達が、接続要素12、14により単純かつ簡素に行われるのを確実にする。
【0047】
図3aは、図3の細部Aの拡大図を示す。この図には、内側プレート要素11を外側プレート要素10に接続する接続要素14が示されている。またここで、ひずみゲージ15の形態の2つの力センサが、接続要素14上に配置されている。
【0048】
図3bは、図3に示す詳細Bの図を示す。ここで、2つの接続要素12が、内側プレート要素11を外側プレート要素10に接続していることが分かる。ここで、2つの力センサ13が、各接続要素12と対応付けられている。センサコンポーネントは、長手軸線に対して略ミラー対称構成となっている、すなわち、図3bに示すように2対の接続要素と、図3aに示すもののような2つの対向配置された接続要素14がある。
【0049】
図4は、長手方向又は力方向にソノトロードに加えられた力との関係における状況を表す、センサプレート6の線図を示す。その方向を、図において矢印で示す。長手方向に作用する力が、材料ウェブによってソノトロード2に加えられると、ソノトロード2又はホルダ5と外側プレート要素10との接続のために、接続要素12、14が変形する。内側プレート要素11は、固定的に位置付けられたキャリッジ7に接続されている。特に、接続要素14の領域において、それらのアームの形態の接続要素が変形するのが分かるであろう。その変形は、接続要素14上に配置された力センサ15により測定できる。
【0050】
図5は、力方向に対して垂直に作用する力がソノトロードに加えられたときにおこる状況を示す。その方向を、図において矢印で示す。
【0051】
ソノトロード2がホルダ5を介して外側プレート要素10に接続されているとともに、内側プレート要素11がキャリッジ7に接続されているため、ソノトロードにかかる力方向に対して垂直な力が、図5に示す変形に繋がる。これは実質的に下側領域、すなわち、てこの作用のために最も大きな力の伝達が生じる接続要素14それ自体の領域において生じる。このため、略横方向の力を接続要素14に固定された力センサ15で測定でき、略力方向に作用する力を接続要素12に固定された力センサ13により測定できる。
【0052】
図6〜9は、本発明に係る第2実施形態を示し、ここでは、圧電センサ17が力センサとして使用される。図6は、この実施形態の平面図を示す。ここでも、センサプレートは2つのプレート要素10、11を有する。図6aに拡大寸法で示す部分図から、圧電センサ17が、内側プレート要素11と外側プレート要素10との間において、センサプレートの長手方向に配置されていることが分かるであろう。図7に圧電センサ17を図示する。これは、適切な圧電ディスクと接続18とを備え、それを介して、圧電性結晶により発生する電荷を測定できる。
【0053】
図8及び8aは、実施形態の後面図を示す。接続18が外側プレート要素10に沿って通されているのが分かるであろう。内側プレート要素が、ソリッドステートヒンジ12、14により外側プレート要素10に固定されている。このヒンジ又は接続部により、形状に関して安定性が提供される。しかしながら、特に力方向において、この配置構成が力の流れの主要な部分が圧電センサを介することを確実にする。
【0054】
最後に、図9は下方からの図を示す。ここで、外側プレート要素10における対応するスレッド付き貫通ボアに案内された2つのねじ19を見ることができる。それらは、外側プレート要素10を通じて係合し、圧電センサ17を内側プレート要素11に対して押圧することにより、力が常に圧電センサにかけられることを確実にする。
【0055】
圧電センサは、センサを装着した後に較正する必要がある。
【符号の説明】
【0056】
1 加工装置
2 ソノトロード
3 コンバーター
4 振幅変換器
5 ホルダ
6 センサプレート/センサコンポーネント
7 キャリッジ
8 駆動モータ
9 トグルレバー機構
10 外側プレート要素
11 内側プレート要素
12、14 接続要素
13、15 力センサ
16 対応ツール
17 圧電センサ
18 接続
19 ねじ
図1
図2
図3
図3a
図3b
図4
図5
図6
図6a
図7
図8
図8a
図9