(54)【発明の名称】TAAR1モジュレーターとしての5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル及び5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル誘導体
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鬱病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神病性障害、統合失調症、神経系疾患、パーキンソン病、神経変性障害、アルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用、代謝障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病の合併症、肥満、脂質異常症、エネルギーの消費若しくは同化の障害、体温恒常性の障害若しくは機能不全、睡眠の若しくは概日リズムの障害、又は心血管障害を処置するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物或いはその薬学的に許容し得る酸付加塩、そのラセミ混合物、又はその対応するエナンチオマー若しくは光学異性体と、薬学的に許容し得る担体及び/又は補助剤とを含む医薬組成物。
鬱病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神病性障害、統合失調症、神経系疾患、パーキンソン病、神経変性障害、アルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用、代謝障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病の合併症、肥満、脂質異常症、エネルギーの消費若しくは同化の障害、体温恒常性の障害若しくは機能不全、睡眠の若しくは概日リズムの障害、又は心血管障害の処置において治療活性物質として使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物或いはその薬学的に許容し得る酸付加塩、そのラセミ混合物、又はその対応するエナンチオマー若しくは光学異性体。
鬱病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神病性障害、統合失調症、神経系疾患、パーキンソン病、神経変性障害、アルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用、代謝障害、摂食障害、糖尿病、糖尿病の合併症、肥満、脂質異常症、エネルギーの消費若しくは同化の障害、体温恒常性の障害若しくは機能不全、睡眠の若しくは概日リズムの障害、又は心血管障害を治療的に又は予防的に処置するための医薬を調製するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物或いはその薬学的に許容し得る酸付加塩、そのラセミ混合物、又はその対応するエナンチオマー若しくは光学異性体の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【化1】
[式中、
---C---は、−CH
2−又は−CH
2−CH
2−であり;
Xは、−NH−、−C(O)NH−又は−NHC(O)NH−であり;
Arは、フェニル又は1若しくは2個のN原子を含有する5員若しくは6員ヘテロアリール基であり;
R
1は、ハロゲン、低級アルキル、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキルによって置換されている低級アルコキシ、ハロゲンによって置換されている低級アルコキシであるか、又はシクロアルキルであり;
−( )−は、−CH
2−であり;
nは、0又は1であり;
mは、0、1又は2である]
で示される化合物、又はその薬学的に好適な酸付加塩、すべてのラセミ混合物、すべてのそれらの対応するエナンチオマー及び/若しくは光学異性体に関する。
【0002】
今般、式Iの化合物が、微量アミン関連受容体(TAAR)、とりわけTAAR1に対して、良好な親和性を有することが見出された。
【0003】
本化合物は、鬱病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ストレス関連障害、精神病性障害、例えば統合失調症、神経系疾患、例えばパーキンソン病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、癲癇、片頭痛、高血圧、薬物乱用、ならびに代謝障害、例えば摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害、ならびに心血管障害の処置に使用され得る。
【0004】
アドレナリン受容体に結合し得る化合物に関して報告されている(WO02/076950、WO97/12874又はEP 0717 037)いくつかの生理学的作用(すなわち、心血管系作用、低血圧、鎮静の誘導)は、上述したような中枢神経系の疾患を処置することを目的とする医薬の場合、望ましくない副作用であると見なされ得る。それゆえ、アドレナリン受容体と対比してTAAR1受容体に選択性を有する医薬を得ることが望ましい。本発明の目的は、アドレナリン受容体を上回るTAAR1受容体への選択性、特に、ヒト及びラットのα1及びα2アドレナリン受容体と対比して良好な選択性を示す。
【0005】
古典的な生体アミン(セロトニン、ノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン、ヒスタミン)は、中枢及び末梢神経系において神経伝達物質として重要な役割を果たしている[1]。それらの合成及び貯蔵、ならびにそれらの放出後の分解及び取り込みは、緊密に制御されている。生体アミンのレベルの不均衡は、多くの病的状態下で、脳機能の変化の原因となることが知られている[2〜5]。第二のクラスの内因性アミン化合物である、いわゆる微量アミン(TA)は、構造、代謝及び細胞内局在性に関して古典的な生体アミンと著しく重複する。TAは、p−チラミン、β−フェニルエチルアミン、トリプタミン及びオクトパミンを含み、そして、これらは、一般に古典的な生体アミンよりも低いレベルで、哺乳動物の神経系内に存在する[6]。
【0006】
それらの調節障害は、統合失調症及び鬱病のような種々の精神疾患[7]、ならびに注意欠陥多動性障害、片頭痛、パーキンソン病、薬物乱用及び摂食障害のような他の病態に関連付けられている[8,9]。
【0007】
長い間、TA特異的受容体は、ヒト及び他の哺乳動物のCNS中の解剖学的に別個の高親和性TA結合部位に基づいて仮説を立てられていたにすぎない[10,11]。したがって、TAの薬理学的作用は、古典的な生体アミンの周知の機構を介して、それらの放出を誘発すること、それらの取り込みを阻害すること又はそれらの受容体系と「交差反応する」ことのいずれかによって媒介されると考えられていた[9,12,13]。この見解は、GPCRの新規ファミリーの数種類のメンバーである微量アミン関連受容体(TAAR)の最近の同定により大きく変化した[7,14]。ヒトにおいて9種のTAAR遺伝子(3種の偽遺伝子を含む)及びマウスにおいて16種の遺伝子(1種の偽遺伝子を含む)がある。TAAR遺伝子は、イントロンを含有せず(1つの例外として、TAAR2は、1個のイントロンを含有する)、同じ染色体断片上に互いに隣接して位置する。受容体遺伝子の系統発生学的関係は、綿密なGPCRのファーマコフォア類似性比較及び薬理学的データに従って、これらの受容体が3種の異なるサブファミリーを形成することを示唆している[7,14]。TAAR1は、ヒトとげっ歯動物との間で高度に保存された4種の遺伝子(TAAR1〜4)の第一サブクラスに属する。TAは、Gαを介してTAAR1を活性化する。TAの調節障害は、鬱病、精神病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用、パーキンソン病、片頭痛、摂食障害、代謝障害のような種々の疾患の病因の原因となると示され、それゆえ、TAAR1リガンドは、これらの疾患の処置に対して高い潜在性を有する。
【0008】
それゆえ、微量アミン関連受容体についての知識を増やすことに対して幅広い関心がある。
【0009】
使用した参考文献:
【表1】
【0010】
本発明の目的は、式Iの新規化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩、微量アミン関連受容体の生物学的機能に関連する疾患の処置のための医薬の製造のためのそれらの使用、それらの製造、ならびに、鬱病、不安障害、双極性障害、注意欠陥多動性障害、ストレス関連障害、精神病性障害、例えば統合失調症、神経系疾患、例えばパーキンソン病、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、癲癇、片頭痛、薬物乱用、ならびに代謝障害、例えば摂食障害、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、脂質異常症、エネルギー消費及び同化の障害、体温恒常性の障害及び機能不全、睡眠及び概日リズムの障害、ならびに心血管障害などの病気の制御又は予防における本発明に係る化合物に基づく医薬である。
【0011】
本発明の化合物を使用した好ましい適応症は、鬱病、精神病、パーキンソン病、不安症、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び糖尿病である。
【0012】
本明細書において使用される場合、用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含有する飽和直鎖又は分岐鎖基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチルなどを示す。好ましいアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0013】
本明細書において使用される場合、用語「低級アルコキシ」は、アルキル残基が上に定義したとおりでありかつそれが酸素原子を介して連結している基を示す。
【0014】
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を示す。好ましいハロゲン基は、フッ素である。
【0015】
本明細書において使用される場合、用語「ハロゲンによって置換されている低級アルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子に置き換わっている、用語「低級アルキル」について定義したとおりの1〜7個の炭素原子を含有する飽和の直鎖又は分岐鎖基を示す。好ましいハロゲン原子は、フルオロである。そのような基の例は、CF
3、CHF
2、CH
2F、CH
2CF
3又はCH
2CHF
2である。
【0016】
用語「シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を含有する飽和炭素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを示す。
【0017】
用語「ハロゲンによって置換されている又はシクロアルキルによって置換されている低級アルコキシ」は、少なくとも1個の水素原子が上に定義したとおりのハロゲン又はシクロアルキル基に置き換わっている、上に定義したとおりのアルコキシ基を示す。
【0018】
用語「1若しくは2個のN原子を含有する5員若しくは6員ヘテロアリール基」は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル又はピラジニルからなる群より選択される。
【0019】
用語「薬学的に許容し得る酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0020】
本発明の1つの実施態様は、式I(式中、---C---は−CH
2−であり、そして、nは1である)で示される化合物、例えば、以下の化合物である:
1−(4−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
1−(3−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
1−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
1−(2−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
1−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
4−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
4−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
3−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
4−エトキシ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
1−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
1−(4−クロロフェニル)−3−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
1−(3−クロロフェニル)−3−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
6−エトキシ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド
2−シクロプロピル−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
4−クロロ−3−シクロプロピル−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
5−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−2−アミン
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピラジン−2−アミン
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン
3−イソプロピル−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
3−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
4−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
5−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−2−アミン
1−(2−クロロフェニル)−3−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
1−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
6−エトキシ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド
N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド
4−クロロ−3−シクロプロピル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
4−エトキシ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
2−エチル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
2−シクロプロピル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
3−イソプロピル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、又は
N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン。
【0021】
本発明の1つの更なる実施態様は、式I(式中、---C---は−CH
2−であり、そして、nは0である)で示される化合物、例えば、以下の化合物である:
5−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン
5−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン
4−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
3−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン
N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−アミン
4−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
3−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン、又は
N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン。
【0022】
本発明の1つの更なる実施態様は、式I(式中、---C---は−CH
2CH
2−であり、そして、nは1である)で示される化合物である。
【0023】
本発明の1つの更なる実施態様は、式I(式中、---C---は−CH
2CH
2−であり、そして、nは0である)で示される化合物、例えば、以下の化合物である:
(RS)−5−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリジン−2−アミン
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
(RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
3−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
(RS)−4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
(RS)−6−エトキシ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド
(RS)−2−シクロプロピル−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
(RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
(RS)−2−エチル−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
4−エトキシ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピラジン−2−アミン
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン
(RS)−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ウレア
(RS)−1−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア、又は
(RS)−1−(3−クロロフェニル)−3−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ウレア。
【0024】
本発明の式Iの化合物の調製は、逐次又は収束合成経路で実施され得る。本発明の化合物の合成を以下のスキーム1〜5及び68の特定の実施例の記載に示す。本反応及び得られた生成物の精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの記載において使用される置換基及び指数は、特に反対の記載のない限り、先に本明細書に示した意味を有する。
【0025】
より詳細に述べると、式Iの化合物は、以下に示す方法によって、実施例に示す方法によって、又は同様の方法によって製造され得る。個別の反応工程についての適切な反応条件は、当業者に公知である。反応シーケンスは、スキーム1〜5に表示したものに限定されず、出発物質及びそれらの各反応性に応じて、反応工程のシーケンスは自由に変更され得る。出発物質は、市販のものであるか、あるいは以下に示す方法と同様の方法によって、本記載若しくは実施例で引用した参考文献に記載されている方法によって、又は当技術分野において公知の方法によって調製され得るかのいずれかである。
【0026】
式Iの本化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、当技術分野において公知の方法によって、例えば、後述のプロセスによって調製され得、該プロセスは、以下を含む:
a)式:
【化2】
で示される化合物からN−保護基(R
2)を開裂させて、
式:
【化3】
[式中、R
2は、−C(O)O−tert−ブチル又はBOCから選択されるN−保護基であり、そして、他の定義は、上述したとおりである]
で示される化合物にする工程、及び
所望により、得られた化合物を薬学的に許容し得る酸付加塩に変換する工程。
【0027】
一般手順
スキーム1
【化4】
【0028】
工程A:グリニャール付加は、不活性雰囲気下、0℃〜室温の間の温度での、無水非プロトン性有機溶媒(THF及びジエチルエーテルなど)中のN−BOC−4−オキソ−プロリン1の溶液への、フェニル又はベンジルグリニャール試薬2(n=0又は1、X
1=Cl又はBr)の添加によって達成され得る。
【0029】
好ましい条件は、溶媒としてTHFを使用し、0℃で30分間〜3時間である。
【0030】
工程B:カルボン酸3の対応するジオール4への変換は、非プロトン性有機溶媒(THF、エーテル、DME、及び1,4−ジオキサン、及びTBMEなど)中、ボラン試薬(ボランジメチルスルフィド錯体又はボラン−THF錯体など)での酸3の還元によって達成され得る。
【0031】
好ましい条件は、0℃で、THF中のカルボン酸3の溶液へボラン−THF錯体を添加し、次いで、反応を還流温度で3時間続けることである。
【0032】
工程C:環化は、スルホン酸エステル中間体が関与する光延型反応又は段階プロセスのいずれかによって達成され得る。
【0033】
光延型反応では、ジオール4は、エーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEなど)又は他の非プロトン性有機溶媒(トルエン及びベンゼンなど)中、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボキシラート(ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)又はジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)など)での処理によって保護架橋モルホリン5へと変換され得る。
【0034】
好ましい条件は、ジオール4を、0℃にて、DIAD及びトリフェニルホスフィンで処理し、反応を室温で一晩続けることである。
【0035】
段階プロセスでは、変換は、エーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEなど)中、有機塩基(ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はN−メチルモルホリンなど)の存在下、又は有機塩基を溶媒として使用して、0℃〜50℃で、一当量の塩化スルホニル(塩化メタンスルホニル又は塩化トルエンスルホニルなど)でのジオール4の処理によって達成され得る。得られたスルホン酸エステルは、エーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEなど)中、非求核塩基(水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、又はカリウム2−メチル−2−ブトキシドなど)での処理によって保護架橋モルホリン5へと変換され得る。第一の工程のための好ましい条件は、0〜5℃で、ピリジン中のジオール4の溶液へ塩化トルエンスルホニルを添加し、次いで、30℃で48時間反応させることである。第二の工程のための好ましい条件は、0〜5℃で、THF中のスルホン酸エステルの溶液へ水素化ナトリウムを添加し、次いで、室温で12時間反応させることである。
【0036】
工程D:ニトロ化は、発煙硝酸中又は硝酸と他の有機酸及び無機酸(トリフルオロ酢酸又は硫酸のような)の混合物中、−40℃〜室温の間の温度での、場合により炭化水素又はハロゲン化炭化水素溶媒(ヘキサン、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンなど)中での、保護架橋モルホリン5の処理によって達成され得る。代替的に、反応は、他の有機酸及び無機酸(トリフルオロ酢酸又は硫酸のような)中、−40℃〜室温の間の温度での、保護架橋モルホリン5の硝酸塩(硝酸カリウム、硝酸ナトリウム又は硝酸セシウムなど)での処理によって実施され得る。
【0037】
好ましい条件は、トリフルオロ酢酸中、0〜5℃で、保護架橋モルホリン5を硝酸カリウムで処理し、次いで、室温で12時間反応させることである。
【0038】
工程E:工程Eの間、窒素保護基は、ニトロ化反応条件下で除去される。架橋モルホリン6の再保護は、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンなど)中又はエーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEなど)中、場合により有機塩基又は無機塩基(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸セシウムなど)の存在下、炭酸ジ−tert−ブチルでの処理によって達成され得る。
【0039】
好ましい条件は、THF、塩基として炭酸カリウムの存在下、室温で16時間である。
【0040】
工程F:7のニトロ基の還元は、溶媒(MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、HOAc、EtOAc、CH
2Cl
2、DMF又はそれらの混合物など)中、触媒(PtO
2、Pd−C又はラネーニッケルなど)を用いた、常圧若しくは高圧下での水素による水素化によって又は水素源としてギ酸アンモニウム若しくはシクロヘキサジエンを使用した転移水素化によって達成され得る。
【0041】
好ましい条件は、触媒としてPd−C及び溶媒としてMeOHを使用し、反応を50psiのH
2下、30℃で続けることである。
【0042】
スキーム2
【化5】
【0043】
工程A:BOC−保護架橋モルホリン5の脱保護は、溶媒(CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、ジオキサン、MeOH、EtOH又はH
2Oなど)中、0℃〜80℃の間の温度での、鉱酸(H
2SO
4、H
3PO
4、HNO
3など)又は有機酸(CF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAc又はp−トルエンスルホン酸など)での処理によって達成され得る。
【0044】
好ましい条件は、0℃で、CH
2Cl
2を用いた、トリフルオロ酢酸である。
【0045】
工程B:架橋モルホリン9のトリフルオロアセトアミドとしての保護は、溶媒(ジクロロメタン、THF、DMF、ジオキサン、MeOH又はEtOHなど)中、0℃〜60℃の間の温度での、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなど)を用いた、トリフルオロアセチル化試薬(無水トリフルオロ酢酸、CF
3CO
2Et、CF
3COO−スクシンイミジル、(トリフルオロアセチル)ベンゾトリアゾール、CF
3CO
2C
6F
5など)による処理によって達成され得る。
【0046】
好ましい条件は、塩基としてトリエチルアミンを用い、無水トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン中、0℃〜25℃である。
【0047】
工程C:架橋モルホリン11(R
2=BOC又はCF
3CO)のハロゲン化は、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム又はテトラクロロメタンなど)中、室温〜80℃の間の温度での、ハロゲン化試薬、例えば、ヨウ素、臭素、ヨードスクシンイミド、ブロモスクシンイミド、又はヨウ素を伴う多価ヨウ素([ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン/ヨウ素及びビス(アセトキシ)フェニルヨウ素/ヨウ素など)での処理によって達成され得る。
【0048】
好ましい条件は、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン/ヨウ素、テトラクロロメタン中、室温である。
【0049】
工程D:ハロゲン化アリール12(R
2=BOC又はCF
3CO)とベンゾフェノンイミンのカップリングは、パラジウム又は銅触媒、配位子及び塩基の存在下、溶媒(ジオキサン、DME、THF、トルエン及びDMSOなど)中、高温で、例えば、パラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ(Buchwald-Hartwig)反応を使用して達成され得る。
【0050】
好ましい条件は、触媒のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、触媒の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサント(dimethylxanth)(キサントホス)及びCs
2CO
3、トルエン中、100℃で5時間である。
【0051】
工程E:13中のジフェニルメチレンN−保護基の除去は、触媒(PtO
2、Pd−C又はラネーニッケルなど)の存在下、溶媒(MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、EtOAc、ジクロロメタン、クロロホルム、DMF又はそれらの混合物など)中、常圧若しくは高圧下での水素による水素化によって又は水素源としてギ酸アンモニウム若しくはシクロヘキサジエンを使用した転移水素化によって達成され得る。
【0052】
変換はまた、溶媒(MeOH、EtOH、ジオキサン、THF、DMF又はそれらの混合物など)中、塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)を伴う、ヒドロキシルアミン塩酸塩での処理によって実行され得る。
【0053】
好ましい条件は、酢酸ナトリウムを伴うヒドロキシルアミン塩酸塩、MeOH中、室温で1時間である。
【0054】
スキーム3
【化6】
【0055】
ジオール15[CAS 282537-78-4]は、文献に報告された手順(Tetrahedron 2000, 56, 3043-3051)に従って調製され得る。
【0056】
工程A:ジオール15中の窒素の選択的保護は、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンなど)又はエーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEなど)中、場合により有機塩基(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン又はN−メチルモルホリンなど)又は無機塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)の存在下、炭酸ジ−tert−ブチルでの処理によって達成され得る。
【0057】
好ましい条件は、塩基として炭酸カリウム、溶媒としてTHF中、60℃で1時間である。
【0058】
工程B:ジオール16の環化は、ルイス酸、例えば、金属トリフラート塩(例えば、スカンジウム(III)トリフラート)、又は三フッ化ホウ素及びその錯体(三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素アセトニトリル錯体を含む)での処理によって達成され得る。場合により、添加剤としてEt
3SiHを使用することができる。溶媒は、ジクロロメタン、トルエン及びヘキサンであることができる。
【0059】
好ましい条件は、ルイス酸として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、添加剤としてEt
3SiH、ジクロロメタン中、0℃〜室温で16時間である。
【0060】
工程C:工程Bの間、窒素保護基は、環化反応条件下で除去される。17中の窒素の再保護は、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンなど)又はエーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF又はTBMEなど)中、場合により有機塩基(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン又はN−メチルモルホリンなど)又は無機塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)の存在下、炭酸ジ−tert−ブチルでの処理によって達成され得る。
【0061】
好ましい条件は、塩基として炭酸カリウム、溶媒としてTHF中、60℃で1時間である。
【0062】
工程D:架橋モルホリン18のハロゲン化は、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム又はテトラクロロメタンなど)中、室温〜80℃での、ハロゲン化試薬、例えば、ヨウ素、臭素、ヨードスクシンイミド、ブロモスクシンイミド、又はヨウ素を伴う多価ヨウ素([ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン/ヨウ素及びビス(アセトキシ)フェニルヨウ素/ヨウ素など)での処理によって達成され得る。
【0063】
好ましい条件は、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン/ヨウ素、テトラクロロメタン中、室温で16時間である。X
2は、ハロゲンである。
【0064】
工程E:ハロゲン化アリール19とベンゾフェノンイミンのカップリングは、パラジウム又は銅触媒、配位子及び塩基の存在下、溶媒(ジオキサン、DME、THF、トルエン及びDMSOなど)中、高温で、例えば、パラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ反応を使用して達成され得る。
【0065】
好ましい条件は、触媒のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、触媒の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサント(キサントホス)及びCs
2CO
3、ジオキサン中、90℃で16時間である。
【0066】
工程F:20中のジフェニルメチレンN−保護基の除去は、触媒(PtO
2、Pd−C又はラネーニッケルなど)の存在下、溶媒(MeOH、EtOH、H
2O、ジオキサン、THF、EtOAc、ジクロロメタン、クロロホルム、DMF又はそれらの混合物など)中、常圧若しくは高圧下での水素による水素化によって又は水素源としてギ酸アンモニウム若しくはシクロヘキサジエンを使用した転移水素化によって達成され得る。
【0067】
変換はまた、溶媒(MeOH、EtOH、ジオキサン、THF、DMF又はそれらの混合物など)中、塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)を伴う、ヒドロキシルアミン塩酸塩での処理によって実行され得る。
【0068】
好ましい条件は、酢酸ナトリウムを伴うヒドロキシルアミン塩酸塩、MeOH中、室温で2時間である。
【0069】
スキーム4
【化7】
【0070】
工程A:ハロゲン化アリール12−1(R
2=BOC又はCF
3CO)とアリールアミン22又はアリールアミド23とのカップリングは、溶媒(ジオキサン、DMF、THF、トルエン、DMF及びDMSOなど)中、高温で、例えば、パラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ反応を使用した、パラジウム又は銅触媒、配位子及び塩基での処理によって達成され得る。
【0071】
好ましい条件は、触媒のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、触媒の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサント(キサントホス)及びCs
2CO
3、ジオキサン中、90℃で16時間である。
【0072】
工程B:BOC N−保護基の除去は、溶媒(CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oなど)中、0〜80℃で、鉱酸(HCl、H
2SO
4又はH
3PO
4など)又は有機酸(CF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAc又はp−トルエンスルホン酸など)を用いて実行され得る。
【0073】
好ましい条件は、酸としてCF
3COOH、CH
2Cl
2中、室温で2時間である。
【0074】
スキーム5
【化8】
【0075】
工程A:アニリン27(R
2=BOC又はCF
3CO)とハロゲン化アリール28とのカップリングは、溶媒(ジオキサン、DMF、THF、トルエン、DMF及びDMSOなど)中、高温で、例えば、パラジウム触媒ブッフバルト・ハートウィッグ反応を使用した、パラジウム又は銅触媒、配位子及び塩基での処理によって達成され得る。
【0076】
好ましい条件は、触媒のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、触媒の4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサント(キサントホス)及びCs
2CO
3、ジオキサン中、90℃で12時間である。
【0077】
アニリン27(R
2=BOC又はCF
3CO)とカルボン酸29とのアミド形成は、カップリング試薬(DCC、EDC、TBTU、HBTU又はHATUなど)の存在下、有機塩基(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はN−メチルモルホリンなど)の存在下、溶媒(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、DMF、DMSOなど)又はエーテル溶媒(ジエチルエーテル、ジオキサン、THF、DME又はTBMEを含む)中での反応によって達成され得る。
【0078】
好ましい条件は、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを伴うHATU、DMF中、室温で16時間である。
【0079】
アニリン27(R
2=BOC又はCF
3CO)とイソシアナート30とのウレア形成は、有機塩基(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はN−メチルモルホリンなど)の存在下、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなど)中での反応によって達成され得る。
【0080】
好ましい条件は、塩基としてトリエチルアミン、ジクロロメタン中、室温で16時間である。
【0081】
工程B:BOC N−保護基の除去は、溶媒(CH
2Cl
2、CHCl
3、THF、MeOH、EtOH又はH
2Oなど)中、0〜80℃で、鉱酸(HCl、H
2SO
4又はH
3PO
4など)又は有機酸(CF
3COOH、CHCl
2COOH、HOAc又はp−トルエンスルホン酸など)を用いて実行され得る。
【0082】
好ましい条件は、酸としてCF
3COOH、CH
2Cl
2中、室温で2時間である。
【0083】
工程C:イソシナート(isocynate)30が市販されていない場合、それは、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンなど)中、有機塩基(トリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)又は無機塩基(炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなど)の存在下、対応するアミン22のトリホスゲン、ジホスゲン又はホスゲンでの処理によって調製され得る。
【0084】
好ましい条件は、トリホスゲン及び炭酸ナトリウム、ジクロロメタンと水との混合物中、室温で2〜3時間である。
【0085】
化合物の単離及び精製
本明細書に記載される化合物及び中間体の単離及び精製は、所望により、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、分取低圧若しくは高圧液体クロマトグラフィー又はこれらの手順の組み合わせなどの任意の好適な分離又は精製手順によって実行され得る。好適な分離及び単離手順の具体的例示は、本明細書以下の調製及び実施例を参照することによって得られ得る。しかし、当然ながら、他の等価な分離又は単離手順を使用することもできる。式Iのキラル化合物のラセミ混合物は、キラルHPLCを使用して分離され得る。キラルな合成中間体のラセミ混合物もまた、キラルHPLCを使用して分離され得る。
【0086】
式Iの化合物の塩
式Iの化合物は、塩基性であり、対応する酸付加塩に変換され得る。この変換は、少なくとも化学量論量の適切な酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など)での処理によって達成される。典型的には、遊離塩基を、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール又はメタノールなどの不活性有機溶媒に溶解し、類似の溶媒中の酸を加える。温度は、0℃〜50℃で維持される。得られた塩は、自然に沈殿するか、又はより極性の小さい溶媒によって溶液から析出し得る。
【0087】
実施例1
1−(4−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
【化9】
【0088】
a) (2S)−4−ベンジル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸
ベンジルマグネシウムブロミド(THF中1M、436mL、436mmol、CAS:1589−82−8)の溶液に、THF(200mL)中のN−Boc−4−オキソ−L−プロリン(25g、109mmol、CAS:84348−37−8)の溶液を0℃で滴下した。TLC分析が出発物質の完全な消費を示すまで、反応混合物を0℃で3時間撹拌した。反応混合物に、飽和NH
4Cl水溶液(200mL)を0℃で加えた。混合物を室温に温めて、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2/MeOH=100/1〜20/1)による精製が、(2S)−4−ベンジル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(16g、収率46%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):322.0([M+H]
+)
【0089】
b) tert−ブチル (2S)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート
THF(300mL)中の(2S)−4−ベンジル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(64g、0.2mol)の溶液に、ボランテトラヒドロフラン錯体(THF中1M、600mL、0.6mol)を0℃で加えた。TLC分析が出発物質の完全な消費を示すまで、溶液を4時間還流した。MeOH(500mL)を加えた。溶液を室温で2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2/MeOH=100/1〜20/1)による精製が、tert−ブチル(2S)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(33g、収率54%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):308.0([M+H]
+)。
【0090】
c) tert−ブチル (1S,4S)−4−ベンジル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
ピリジン(160mL)中のtert−ブチル (2S)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(14g、45.5mmol)の溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(11.3g、59.2mmol、CAS:98−59−9)を0℃で加えた。反応混合物を、30℃で48時間撹拌した。混合物を、10%クエン酸水溶液(1L)に注ぎ、そしてCH
2Cl
2(1L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1L×5)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル/酢酸エチル=30/1〜10/1)による精製が、tert−ブチル(2S)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(10.1g)を白色の固体として与えた。
【0091】
0℃で、THF(500mL)中のtert−ブチル(2S)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(10.1g、21.9mmol)の溶液に、NaH(1.31g、60%、32.8mmol)を加えた。反応混合物を25℃で一晩撹拌した。水(50mL)を加えた。混合物をCH
2Cl
2(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル/酢酸エチル=20/1〜10/1)による精製が、tert−ブチル(1S,4S)−4−ベンジル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(4.8g、2工程で収率36%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):290.0([M+H]
+)。
1H NMR (CDCl
3, 400MHz): δ 7.32-7.24 (m, 5H), 4.41 (d, 1H), 3.88 (dd, 1H), 3.82 (s, 1H), 3.26 (d, 2H), 3.11 (m, 2H), 1.73 (m, 1H), 1.59 (s, 1H), 1.44 (s, 9H).
【0092】
d) (1S,4S)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン
TFA(70mL、CAS:76−05−1)中のtert−ブチル (1S,4S)−4−ベンジル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(4.8g、16.58mmol)の溶液に、KNO
3(5.02g、49.8mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。水(100mL)を加えた。NaHCO
3を加えて、pHを7〜8に調整した。混合物をCH
2Cl
2/MeOH(容量により10/1、200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗(1S,4S)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(3.88g、収率100%)を黄色の油状物として与えた。MS(ESI):290.0([M+H]
+)。
【0093】
e) tert−ブチル (1S,4S)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
THF(50mL)とH
2O(20mL)との混合物中の粗(1S,4S)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(3.88g、16.58mmol、工程dから)の溶液に、Boc
2O(3.58g、16.58mmol、CAS:24424−99−5)及びK
2CO
3(4.58g、33.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル/酢酸エチル=30/1〜10/1)による精製が、tert−ブチル(1S,4S)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(2.8g、2工程で収率50%)を黄色の油状物として与えた。
MS(ESI):357.1([M+Na]
+)、279.1([M−C
4H
8+H]
+)、235.1([M−C
4H
8−CO
2+H]
+)。
【0094】
f) tert−ブチル (1S,4S)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
MeOH(200mL)中のtert−ブチル (1S,4S)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(5.2g、15.5mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(湿潤、5g、CAS:7440−05−3)を加えた。反応混合物を、H
245psi雰囲気下で30℃で一晩撹拌した。溶液を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、更に高真空下で乾燥させて、tert−ブチル(1S,4S)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(4.5g、収率96%)を黄色の油状物として与えた。
1H NMR (CDCl
3, 400MHz): δ 7.01 (m, 2H), 6.63 (m, 2H), 4.40 (d, 1H), 3.88 (dd, 1H), 3.83 (s, 1H), 3.24 (d, 2 H), 2.98 (m, 2H), 1.68 (m, 2H), 1.44 (s, 9H).
【0095】
g) 1−(4−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
CH
2Cl
2(1mL)中のtert−ブチル (1S,4S)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(50mg、0.16mmol)及びEt
3N(25mg、CAS:121−44−8)の溶液に、4−クロロフェニル イソシアナート(30mg CAS:104−12−1)を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(20ml)で希釈し、NaHCO
3水溶液(5ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。混合物をCH
2Cl
2(2mL)に溶解した。TFA(0.5ml、CAS:76−05−1)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。粗混合物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C18カラム)により精製して、1−(4−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア(25mg、収率44%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):360.1([{
37Cl}M+H]
+)、358.1([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400MHz): δ 7.43 (d, 2H), 7.36 (d, 2H), 7.27 (d, 2H), 7.20 (d, 2H), 3.87 (m, 3H), 3.03 (m, 2H), 2.97 (m, 2H), 1.91 (s, 1H), 1.77 (s, 1H).
【0096】
実施例2
1−(3−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
【化10】
標記化合物を、工程(g)の4−クロロフェニル イソシアナートの代わりに、3−クロロフェニル イソシアナート(CAS:2909−38−8)を用い、実施例1と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0097】
実施例3
(RS)−5−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリジン−2−アミン
【化11】
【0098】
a) tert−ブチル 5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−5−フェニル−ピペリジン−1−カルボキシラート
6−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピペリジン−3−オール((2R,5S)−rel−5−ヒドロキシ−5−フェニル−2−ピペリジンメタノール[CAS:282537−78−4]と(2R,5R)−rel−5−ヒドロキシ−5−フェニル−2−ピペリジンメタノール[CAS:282537−80−8]の混合物)を、既知の文献の手段に従って調製した(X. Wu et al. / Tetrahedron 2000, 56, 3043-3051)。
【0099】
THF(500mL)中の6−(ヒドロキシメチル)−3−フェニル−ピペリジン−3−オール(31.0g、150mmol)及びBoc
2O(39.2g、179mmol)の撹拌した溶液に、K
2CO
3(62.0g、449mmol)を室温で加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を室温に冷やして、濾過した。濾液を集め、減圧下で濃縮して、粗生成物をオフホワイトの固体として与えた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2/MeOH=50:1〜10:1)により精製して、tert−ブチル 5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−5−フェニル−ピペリジン−1−カルボキシラート(26g、収率65%)を白色の固体として与えた。
MS(ESI):308.1([M+H]
+)。
【0100】
b) 4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン
0℃で、CH
2Cl
2(20mL)中のtert−ブチル 5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−5−フェニル−ピペリジン−1−カルボキシラート(307mg、1.0mmol)及びEt
3SiH(1.2g、10.0mmol、CAS:617−86−7)の溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.14g、8.0mmol、CAS:109−63−7)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液でクエンチした。混合物をCH
2Cl
2(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を、水及びブラインで洗浄した。揮発物を減圧下で除去した。更に残留物を高真空下で乾燥させて、粗4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.3g)を黄色の油状物として与えた。MS(ESI):190.1([M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400 MHz): δ 7.49-7.32 (m, 5H), 4.42 (d, 1H), 4.21 (d, 1H), 3.75 (s, 1H), 3.68 (d, 1H), 3.49 (d, 1H), 2.36 (m, 2H), 2.20 (m, 2H).
【0101】
c) tert−ブチル 4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート
THF(200mL)中の4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(5.0g、26.4mmol)、Boc
2O(8.6g、39.6mmol、CAS:24424−99−5)の撹拌した溶液に、K
2CO
3(11.0g、79.2mmol)を室温で加えた。TLC分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=100:0〜20:1)による精製が、tert−ブチル 4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(1.94g、2工程で収率25%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):234.1([M−C
4H
8+H]
+)、190.1([M−C
4H
8−CO
2+H]
+)。
【0102】
d) tert−ブチル 4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート
CCl
4(3.3mL)中のtert−ブチル 4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(289mg、1.0mmol)の溶液に、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(516mg、1.2mmol、CAS:2712−78−9)及びヨウ素(254mg、1.0mmol、CAS:7553−56−2)を加えた。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH
2Cl
2(50mL)で希釈し、5% NaHSO
3(20mL)及び10% NaCl(20mL)で洗浄して、MgSO
4で乾燥させた。混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=20:1〜10:1)による精製が、tert−ブチル 4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(0.25g、収率58%)を黄色の固体として与えた。
MS(ESI):316.0([M−C
4H
8−CO
2+H]
+)。
【0103】
e) (RS)−5−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリジン−2−アミン
1,4−ジオキサン(2.0ml)中のtert−ブチル 4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(50mg、0.12mmol)の溶液に、2−アミノ−5−クロロピリジン(26mg、0.2mmol、CAS:1072−98−6)、ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス、12mg、0.02mmol、CAS:161265−03−8)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(18mg、0.02mmol、CAS:51364−51−3)、及びCs
2CO
3(65mg、0.2mmol、CAS:534−17−8)を加えた。LC−MS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物をN
2雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。混合物を室温に冷やし、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% NH
3・H
2O、C−18カラム)により精製して、tert−ブチル 4−[4−[(5−クロロ−2−ピリジル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラートを白色の固体として与えた。
【0104】
CH
2Cl
2(2.0ml)中のtert−ブチル 4−[4−[(5−クロロ−2−ピリジル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラートの溶液に、TFA(0.4ml、CAS:76−05−1)を加えた。反応混合物を0℃で4時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)による精製が、(RS)−5−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリジン−2−アミン(25mg、収率66%)を黄色の油状物として与えた。MS(ESI):317.9([{
37Cl}M+H]
+)、315.9([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400MHz): δ 8.05 (d, 2H), 7.65 (m, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.37(d, 2H), 6.91 (d, 1H), 4.40 (d, 1H), 4.20 (d, 1H), 3.73 (s, 1H), 3.64 (d, 1H), 3.33 (d, 1H), 2.36-2.19 (m, 4H).
【0105】
実施例4
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
【化12】
標記化合物を、工程(e)の2−アミノ−5−クロロピリジンの代わりに、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(CAS:74784−70−6)を用い、実施例3と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):350.0([M+H]
+)。
【0106】
実施例5
(RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
【化13】
1,4−ジオキサン(2.0ml)中のtert−ブチル 4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(50mg、0.12mmol)の溶液に、4−クロロベンズアミド(32mg、0.21mmol、CAS:619−56−7)、キサントホス(12mg、0.02mmol、CAS:161265−03−8)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(18mg、0.02mmol、CAS:51364−51−3)、及びCs
2CO
3(65mg、0.2mmol、CAS:534−17−8)を加えた。LCMSが反応の完了を示すまで、反応混合物をN
2雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。残留物を分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% NH
3・H
2O、C−18カラム)により精製して、tert−ブチル 4−[4−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラートを褐色の固体として与えた。
【0107】
CH
2Cl
2(4.0ml)中のtert−ブチル 4−[4−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラートの溶液に、TFA(0.5ml、CAS:76−05−1)をN
2雰囲気下、0℃で加えた。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)による精製が、白色の固体として(RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド(21mg、収率51%)を与えた。MS(ESI):345.0([{
37Cl}M+H]
+)、343.0([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400MHz): δ 7.94 (d, 2H), 7.73 (d, 2H), 7.53 (d, 2H), 7.46 (d, 2H), 4.42 (d, 1H), 4.23 (d, 1H), 3.83 (s, 1H), 3.67 (d, 1H), 3.50 (d, 1H), 2.38-2.21 (m, 4H).
【0108】
実施例6
3−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
【化14】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、3−クロロベンズアミド(CAS:618−48−4)を用い、実施例5と同様にして得た。MS(ESI):344.9([{
37Cl}M+H]
+)、342.9([{
35Cl}M+H]
+)。
【0109】
実施例7
5−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン
【化15】
【0110】
a) (2S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸
無水THF(500mL)中のN−Boc−4−オキソ−L−プロリン(50g、0.22mol、CAS:84348−37−8)の溶液を、無水THF(500mL)中のフェニルマグネシウムブロミド溶液(THF中1N、650mL、CAS:100−58−3)に、0℃で加えた。TLC分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を0℃で15分撹拌した。反応液を飽和NH
4Cl溶液(100mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。更に高真空下で乾燥させて、粗(2S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸(40g、収率59%)を黄色の固体として与えた。
1HNMR (DMSO-d
6, 400 MHz): δ7.46-7.44 (m, 2H), 7.35-7.32 (m, 2H), 7.26 (m, 1H), 5.51 (s, 1H), 4.33-4.25 (m, 1H), 3.64-3.53 (m, 2H), 2.63-2.58 (m, 1H), 2.27-2.21 (m, 1H), 1.39 (s, 9H).
【0111】
b) tert−ブチル (2S)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシラート
無水THF(400mL)中の(2S)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピロリジン−2−カルボン酸(40g、0.13mol)の溶液に、ボランテトラヒドロフラン錯体溶液(390mL、0.39mol、CAS:14044−65−6)を0℃で加えた。TLC分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を還流温度で3時間加熱した。反応混合物をMeOH(50mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2:MeOH=100:1)により精製して、tert−ブチル (2S)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシラート(28g、収率:74%)を白色の固体として与えた。
1HNMR (DMSO-d
6, 400 MHz): δ 7.48 (m, 2H), 7.33 (m, 2H), 7.24 (m, 1H), 5.11 (s, 1H), 3.91-3.74 (m, 2H), 3.61-3.54 (m, 2H), 3.43 (d, 1H), 3.17 (d, 1H), 2.41-2.36 (m, 1H), 2.22-2.11 (m, 1H), 1.41 (s, 9H).
【0112】
c) tert−ブチル (1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
無水トルエン(300mL)中のtert−ブチル (2S)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4−フェニル−ピロリジン−1−カルボキシラート(25g、80mmol)の溶液に、PPh
3(96g、96mmol、CAS:603−35−0)及びDIAD(27.5g、96mmol、CAS:2446−83−5)を0℃で加えた。TLC分析が反応の完了を示すまで、混合物をN
2雰囲気下、室温で一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、tert−ブチルメチルエーテル(500mL)に溶解して、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=20:1)による精製が、tert−ブチル (1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(13.5g、収率58%)を白色の固体として与えた。
1HNMR (DMSO-d
6, 400 MHz): δ 7.49 (m, 2H), 7.40-7.35 (m, 3H), 4.64 (d, 1H), 4.08 (dd, 1H), 4.04 (s, 1H), 3.70-3.56 (m, 2H), 2.26 (d, 1H), 2.06 (d, 1H), 1.49 (d, 9H)
【0113】
d) tert−ブチル (1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
無水CCl
4(15mL)中のtert−ブチル (1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(1.3g、4.7mmol)、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(2.4g、5.6mmol、CAS:2712−78−9)、及びヨウ素(1.3g、5.2mmol、CAS:7553−56−2)の溶液を、N
2雰囲気下、室温で一晩撹拌した。次に、溶液をクロロホルム(200mL)で希釈し、飽和NaHSO
3水溶液(2×200mL)及び飽和NaCl水溶液(5×100mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製して、tert−ブチル (1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(500mg、収率26%)を褐色の油状物として与えた。
1HNMR (CDCl
3, 400 MHz): δ 7.72 (d, 2H), 7.22 (d, 2H), 4.62 (d, 1H), 4.05 (dd, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.57 (m, 2H), 2.22 (d, 1H), 1.99 (d, 1H), 1.49 (d, 9H).
【0114】
e) 5−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン
ジオキサン(10mL)中の2−アミノ−5−クロロピリジン(175mg、1.35mmol、CAS:1072−98−6)及びtert−ブチル (1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(500mg、1.25mmol)の溶液に、Cs
2CO
3(1.22g、3.75mmol、CAS:534−17−8)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(100mg、0.125mmol、CAS:51364−51−3)及びキサントホス(130mg、0.25mmol、CAS:161265−03−8)を加えた。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応物をN
2雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=50:1〜5:1)により精製して、tert−ブチル (1S,4R)−4−[4−[(5−クロロ−2−ピリジル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(80mg)を黄色の油状物として与えた。
【0115】
無水CH
2Cl
2(1mL)中のtert−ブチル (1S,4R)−4−[4−[(5−クロロ−2−ピリジル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(80mg)の溶液に、TFA(170mg、1.5mmol、CAS:76−05−1)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。水(10mL)を加えた。飽和NaHCO
3溶液を加えてpHを約9に調整した。混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% NH
3・H
2O、C−18カラム)により精製して、5−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン(5mg、収率1.3%)を白色の固体として与えた。
MS(ESI):304.1([{
37Cl}M+H]
+)、302.1([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400MHz): δ 8.08 (d, 1H), 7.60-7.51 (m, 3H), 7.39 (m 2H), 6.81 (d, 1H), 4.03 (m, 3H), 3.35-3.24 (m, 2H), 2.18 (m, 2H).
【0116】
実施例8
1−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
【化16】
標記化合物を、工程(g)の4−クロロフェニル イソシアナートの代わりに、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナート(CAS:1548−13−6)を用い、実施例1と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):392.0([M+H]
+)。
【0117】
実施例9
1−(2−クロロフェニル)−3−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
【化17】
標記化合物を、工程(g)の4−クロロフェニル イソシアナートの代わりに、2−クロロフェニル イソシアナート(CAS:3320−83−0)を用い、実施例1と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0118】
実施例10
1−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
【化18】
標記化合物を、工程(g)の4−クロロフェニル イソシアナートの代わりに、3−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナート(CAS:329−01−1)を用い、実施例1と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):392.0([M+H]
+)。
【0119】
実施例11
(RS)−4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
【化19】
【0120】
a)a) 4−(シクロプロピルメトキシ)ベンズアミド
DMF(2.0mL)中の4−(シクロプロピルメトキシ)安息香酸(384mg、CAS:355391−05−8)、HATU(836mg、CAS:148893−10−1)及びEt
3N(606mg、CAS:121−44−8)の溶液に、水中のNH
3(25%〜28%、1.0mL)を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。混合物を、逆相クロマトグラフィー(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)で精製して、4−(シクロプロピルメトキシ)ベンズアミド(275mg、収率72%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):192.1(M+H)
+。
【0121】
b) (RS)−4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、4−(シクロプロピルメトキシ)ベンズアミドを用い、実施例5と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):379.1([M+H]
+)。
【0122】
実施例12
(RS)−6−エトキシ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化20】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、6−エトキシピリジン−3−カルボキサミド(CAS:473693−84−4)を用い、実施例5と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):354.0([M+H]
+)。
【0123】
実施例13
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド
【化21】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド(CAS:676533−51−0)を用い、実施例5と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):408.0([M+H]
+)。
【0124】
実施例14
(RS)−2−シクロプロピル−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
【化22】
【0125】
a) 2−シクロプロピルピリミジン−5−カルボキサミド
DMF(2.0mL)中の2−シクロプロピルピリミジン−5−カルボン酸(328mg、CAS:648423−79−4)、HATU(836mg、CAS:148893−10−1)及びEt
3N(606mg、CAS:121−44−8)の溶液に、水中のNH
3(25%〜28%、1.0mL)を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。混合物を、逆相クロマトグラフィー(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)で精製して、白色の固体として、2−シクロプロピルピリミジン−5−カルボキサミド(241mg、収率74%)を与えた。MS(ESI):164.1(M+H)
+。
【0126】
b) (RS)−2−シクロプロピル−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、2−シクロプロピルピリミジン−5−カルボキサミド(CAS:1447607−18−2)を用い、実施例5と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0127】
実施例15
4−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化23】
DMF(1mL)中の4−クロロ安息香酸(35.9mg、0.23mmol、CAS:74−11−3)の溶液に、HATU(96.2mg、0.253mmol、CAS:148893−10−1)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(89.1mg、0.69mmol、CAS:7087−68−5)及びtert−ブチル (1S,4S)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(70mg、0.23mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物をCH
2Cl
2(10mL)で希釈した。溶液をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物をCH
2Cl
2(1mL)及びTFA(1mL)に溶解した。溶液を室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)により精製して、黄色の固体としてRW−04−012−01(26mg、収率の33%)を与えた。
1H NMR(400 MHz, メタノール-d
4): 7.92-7.90 (d, 2H), 7.65-7.63 (d, 2H), 7.54-7.52 (d, 2H), 7.31-7.28 (d, 2H), 4.33 (s, 1H), 4.00 (d, 1H), 3.91 (d, 1H), 3.25-3.16 (m, 4H), 2.01-1.92 (m, 2H).
MS(ESI):344.9([{
37Cl}M+H]
+)、342.9([{
35Cl}M+H]
+)。
【0128】
実施例16
4−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化24】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、4−クロロ−5−プロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(CAS:1340578−20−2)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):377.0([{
37Cl}M+H]
+)、375.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0129】
実施例17
3−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化25】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、3−クロロ安息香酸(CAS:535−80−8)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):345.0([{
37Cl}M+H]
+)、343.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0130】
実施例18
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
【化26】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボン酸(CAS:131747−41−6)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):378.0([M+H]
+)。
【0131】
実施例19
4−エトキシ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化27】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、4−エトキシ安息香酸(CAS:619−86−3)を用い、実施例15と同様にして得た。MS(ESI):353.0([M+H]
+)。
【0132】
実施例20
5−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン
【化28】
【0133】
a) tert−ブチル (1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
tert−ブチル (1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラートは、tert−ブチル (1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラートと同様に調整することができ、これは、実施例7の調製中の工程(a)のN−Boc−4−L−プロリンの代わりに、N−Boc−4−オキソ−D−プロリン(CAS:364077−84−9)を用いて、実施例7の調製中の工程(c)の生成物である。
MS(ESI):298.2([M+Na
+])、220.1([M−C
4H
8+H]
+)、176.2([M−C
4H
8−CO
2+H]
+)
1H NMR (メタノール-d
4, 400MHz): δ 7.50 (d, 2H), 7.36 (m, 3H), 4.61 (s, 1H), 4.01 (m, 2H), 3.62-3.31 (m, 2H), 2.31 (t, 1H), 2.07 (d, 1H), 1.49 (d, 9H).
【0134】
b) (1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン
乾燥CH
2Cl
2(5mL)中のtert−ブチル (1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(500mg、1.82mmol)の溶液に、TFA(269mg、2.36mmol、CAS:76−05−1)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLC分析が反応の完了を示した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、(1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(100mg、収率31%)を黄色の油状物として与えた。
MS(ESI):176.2([M+H]
+)
【0135】
c) 2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン
CH
2Cl
2(10mL)中の(1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(500mg、2.85mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(1.2g、5.71mmol、CAS:407−25−0)及びEt
3N(865mg、8.55mmol、CAS:121−44−8)を加えた。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を室温で4時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(200mg、収率26%)を黄色の油状物として与えた。
MS(ESI):272.1([M+H]
+)。
【0136】
d) 2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン
CCl
4(5mL)中の2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(200mg、0.74mmol)の溶液に、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(594mg、0.81mmol、CAS:2712−78−9)及びヨウ素(188mg、0.74mmol、CAS:7553−56−2)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。LCMSが反応の完了を示した。混合物をクロロホルム(50mL)で希釈して、5% NaHSO
3水溶液、続いて10% NaCl水溶液で洗浄した。溶液をMgSO
4で乾燥させた。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=50:1〜5:1)により精製して、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(160mg、収率54%)を黄色の固体として与えた。MS(ESI):397.9([M+H]
+)。
【0137】
e) 5−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン
オーブンで乾燥させたシュレンクチューブに、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(80mg、0.20mmol)、2−アミノ−5−クロロピリジン(25mg、0.2mmol、CAS:1072−98−6)、キサントホス(46mg、0.08mmol、CAS:161265−03−8)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(73mg、0.08mmol、CAS:51364−51−3)を加えた。チューブを脱気して、窒素でフラッシュした。Cs
2CO
3(130g、0.4mmol)及び1,4−ジオキサン(3mL)を、窒素下で加えた。チューブを密閉した。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を90℃で24時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈して、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄して、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% NH
3・H
2O、C−18カラム)により精製して、1−[(1R,4S)−4−[4−[(5−クロロ−2−ピリジル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノンを白色の固体として与えた。
【0138】
1−[(1R,4S)−4−[4−[(5−クロロ−2−ピリジル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノンを、MeOH(10mL)と水(5mL)の混合物に溶解した。K
2CO
3(700mg、5.06mmol)を加えた。LCMSが反応の完了を示すまで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% NH
3・H
2O、C−18カラム)により精製して、5−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ピリジン−2−アミン(10mg、収率17%)をロウ状の固体として与えた。
MS(ESI):304.1([{
37Cl}M+H]
+)、302.1([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400 MHz): δ 8.07 (d, 1H), 7.53 (m, 3H), 7.28 (d, 2H), 6.80 (d, 1H), 3.97 (m, 2H), 3.79 (s, 1H), 3.16 (m, 2H), 2.12 (d, 1H), 2.03 (d, 1H).
【0139】
実施例21
4−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化29】
【0140】
a) (2R)−4−ベンジル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸
0℃で、ベンジルマグネシウムブロミド(THF中1M、436mL、CAS:1589−82−8)の溶液に、THF(1000mL)中の(R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−オキソピロリジン−2−カルボン酸(60g、259mmol、CAS:364077−84−9)を滴下した。TLC分析が出発物質の完全な消費を示すまで、混合物を0℃で3時間撹拌した。反応混合物に、NH
4Cl水溶液(1000mL)を0℃で加えた。溶液を室温に温め、EtOAc(1000mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1000mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2/MeOH=100/1〜20/1)による精製が、(2R)−4−ベンジル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(10g、収率12%)を黄色の油状物として与えた。
【0141】
b) tert−ブチル (2R)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート
THF(20mL)中の(2R)−4−ベンジル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸(5g、15.6mmol)の溶液に、ボランテトラヒドロフラン錯体溶液(THF中1M、50mL、CAS:14044−65−6)を0℃で加えた。TLC分析が出発物質の完全な消費を示すまで、反応混合物を還流温度で3時間撹拌した。反応混合物に、MeOH(100mL)を0℃で加えた。溶液を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2/MeOH=100/1〜20/1)による精製が、tert−ブチル (2R)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(1.5g、収率31%)を黄色の油状物として与えた。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 7.32-7.22 (m, 5H), 3.86 (d, 2H), 3.61 (t,1H), 3.51 (t, 1H), 3.29 (d, 1H), 2.88 (d, 2H), 2.25 (m, 1H), 1.88 (dd, 1H), 1.49 (s, 9H).
【0142】
c) tert−ブチル (2R)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート
ピリジン(40mL)中のtert−ブチル (2R)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(2.8g、14.6mmol)の溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(4.1g、13.3mmol、CAS:98−59−9)を、0℃で加えた。溶液を30℃で48時間撹拌した。反応液を10%クエン酸水溶液(500mL)に注いだ。混合物をCH
2Cl
2(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル/酢酸エチル=30/1〜10/1)による精製が、tert−ブチル (2R)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(1.5g、収率25%)を黄色の油状物として与えた。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 7.78 (d, 2H), 7.46 (m, 2H), 7.31-7.23 (m, 5H), 4.22 (m, 2H), 3.93 (m, 1H), 3.46 (t, 1H), 3.11 (d, 1H), 2.86~2.54 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.03 (m, 1H), 1.90 (d, 1H), 1.40 (s, 9H).
【0143】
d) tert−ブチル (1R,4R)−4−ベンジル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
THF(20mL)中のtert−ブチル (2R)−4−ベンジル−4−ヒドロキシ−2−(p−トリルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート(1.05g、2.2mmol)の溶液に、60% NaH(132mg、3.3mmol)を0℃で加えた。溶液を25℃で一晩撹拌した。反応液に水(50mL)を加えた。混合物をCH
2Cl
2(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル/酢酸エチル=15/1〜3/1)による精製が、tert−ブチル (1R,4R)−4−ベンジル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(600mg、収率70%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 7.28 (m, 5H), 4.41 (s, 1H), 3.81 (d, 2H), 3.26 (m, 1H), 3.12 (m, 3H), 1.77 (m, 1H), 1.69 (d, 1H), 1.46 (d, 9H).
【0144】
e) (1R,4R)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン
トリフルオロ酢酸(15mL、CAS:76−05−1)中のtert−ブチル (1R,4R)−4−ベンジル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(1.26g、4.35mmol)の溶液に、KNO
3(1.32g、13mmol)を0℃で加えた。次に、溶液を室温で一晩撹拌した。反応液を水(100mL)で希釈した。NaHCO
3水溶液を加えて、pHを7〜8に調整した。混合物をCH
2Cl
2/MeOH(10/1、200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、黄色の油状物として(1R,4R)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(1.5g、粗)を与えて、これを精製することなく次の工程においてそのまま使用した。
【0145】
f) tert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
THF(45mL)中の(1R,4R)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(1.5g、粗)の溶液に、ジ−tert−ブチル ジカルボナート(2g、9mmol、CAS:24424−99−5)及びK
2CO
3(3g、22.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈した。混合物をブライン(50mL)で洗浄して、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発物を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル/酢酸エチル=30/1〜10/1)による精製が、tert−ブチル(1R,4R)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(590mg、2工程で収率43%)を黄色の固体として与えた。MS(ESI):357.0(M+Na
+)、279.0(M−C
4H
9+H)
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 8.19 (d, 2H), 7.55 (d, 2H) 4.43 (s, 1H), 3.80 (s, 2 H), 3.34-3.14 (m, 4 H), 1.86 (t, 1 H), 1.66 (d, 1H), 1.46 (d, 9 H).
【0146】
g) tert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート
MeOH(20mL)中のtert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−ニトロフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(850mg、2.5mmol)の溶液に、10% Pd/C(湿潤、500mg)を加えた。混合物を、H
2 50psi雰囲気下で30℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、更に高真空下で乾燥させて、tert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(750mg、収率97%)を澄明な油状物として与えた。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 7.01 (d, 2H), 6.69 (d, 2H) 4.40 (s, 1H), 3.80 (m, 2H), 3.24 (d, 1H), 3.13 (m, 1H), 2.97 (m, 2H), 1.71 (m, 2H), 1.47 (m, 9 H).
【0147】
h) 4−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
tert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(40mg、0.13mmol)、4−クロロ安息香酸(27mg、0.14mmol、CAS:74−11−3)、HATU(50mg、0.157mmol、CAS:148893−10−1)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(50mg、0.47mmol、CAS:7087−68−5)を、DMF(1mL)に溶解した。LCMS分析が出発物質の完全な消費を示すまで、溶液を室温で撹拌した。溶液を酢酸エチル(50mL)で希釈した。混合物をH2O(20mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、粗tert−ブチル (1R,4R)−4−[[4−[(4−クロロベンゾイル)アミノ]フェニル]メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラートを黄色の油状物として与え、続いてこれをCH
2Cl
2(2mL)に溶解した。TFA(1mL)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)による精製が、4−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド(21mg、収率47%)を白色の固体として与えた。
MS(ESI):345.0([{
37Cl}M+H]
+)、343.0([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 7.94 (d, 2H), 7.66 (d, 2H), 7.56 (d, 2H), 7.32 (d, 2H), 4.35 (s, 1 H), 4.03 (d, 1H), 3.92 (d, 1H), 3.24~3.18 (m, 4H), 1.9 (dd, 2 H).
【0148】
実施例22
1−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
【化30】
tert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(40mg、0.13mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナート(22mg、0.14mmol、CAS:1548−13−6)及びトリエチルアミン(64mg、0.5mmol、CAS:121−44−8)を、CH
2Cl
2(1mL)に溶解した。LCMS分析が出発物質の完全な消費を示すまで、溶液を室温で撹拌した。水(10mL)を加えた。混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、粗tert−ブチル (1R,4R)−4−[[4−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイルアミノ]フェニル]メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラートを黄色の油状物として与え、次にこれをCH
2Cl
2(2mL)に溶解した。TFA(1mL)を溶液に加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物をCH
2Cl
2/CH
3OH(容量により10:1)の混合物に溶解した。溶液を飽和NaHCO
3溶液(10mL)及びブライン(5mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)により精製して、白色の固体として1−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(11mg、収率25%)を与えた。MS(ESI):392.0([M+H]
+)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 7.65 (d, 2H), 7.59 (d, 2H), 7.43 (d, 2H), 7.25 (d, 2H), 4.34 (s, 1H), 4.02 (d, 1H), 3.91 (d, 1H), 3.23-3.14 (m, 4H), 1.98 (dd, 2H).
【0149】
実施例23
1−(4−クロロフェニル)−3−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
【化31】
標記化合物を、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナートの代わりに、4−クロロフェニル イソシアナート(CAS:104−12−1)を用い、実施例22と同様にして得た。
MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0150】
実施例24
1−(3−クロロフェニル)−3−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
【化32】
標記化合物を、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナートの代わりに、3−クロロフェニル イソシアナート(CAS:2909−38−8)を用い、実施例22と同様にして得た。
MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0151】
実施例25
4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化33】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、4−(シクロプロピルメトキシ)安息香酸(CAS:355391−05−8)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):379.0([M+H]
+)。
【0152】
実施例26
6−エトキシ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化34】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、6−エトキシ−ニコチン酸(CAS:97455−65−7)を用い、実施例15と同様にして得た。MS(ESI):354.0([M+H]
+)。
【0153】
実施例27
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド
【化35】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(CAS:175204−90−7)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):408.0([M+H]
+)。
【0154】
実施例28
2−シクロプロピル−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
【化36】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、2−シクロプロピル−5−ピリミジンカルボン酸(CAS:648423−79−4)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0155】
実施例29
4−クロロ−3−シクロプロピル−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化37】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、4−クロロ−5−シクロプロピル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(CAS:1291275−83−6)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):375.0([{
37Cl}M+H]
+)、373.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0156】
実施例30
5−クロロ−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−2−アミン
【化38】
ジオキサン(3mL)中のtert−ブチル (1S,4S)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(70mg、0.23mmol)及び2−ブロモ−5−クロロピリジン(44mg、0.23mmol、CAS:40473−01−6)の溶液に、キサントホス(40mg、0.07mmol CAS:161265−03−8)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(21mg、0.023mmol、CAS:51364−51−3)を加えた。混合物を、N
2雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。溶液をCH
2Cl
2(10mL)に希釈した。溶液をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧下で濃縮した。残留物を、CH
2Cl
2(1mL)とTFA(1mL)の混合物に溶解した。溶液を室温で3時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)により精製して、標記化合物(28mg、39%=収率)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 8.04 (d, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.23 (d, 2H), 6.83 (d, 1H), 4.32 (s, 1H), 4.00 (d, 1H), 3.90 (dd, 1H), 3.24-3.12 (m, 4H), 1.96 (dd, 2H).
MS(ESI):318.0([{
37Cl}M+H]
+)、316.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0157】
実施例31
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
【化39】
標記化合物を、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(CAS:50488−42−1)を用い、実施例30と同様にして得た。
MS(ESI):350.0([M+H]
+)。
【0158】
実施例32
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピラジン−2−アミン
【化40】
標記化合物を、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピラジン(CAS:799557−87−2)を用い、実施例30と同様にして得た。
MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0159】
実施例33
N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン
【化41】
標記化合物を、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(CAS:69034−12−4)を用い、実施例30と同様にして得た。
MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0160】
実施例34
(RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化42】
【0161】
a) tert−ブチル 4−[4−(ベンズヒドリリデンアミノ)フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート
1,4−ジオキサン(6.0ml)中のtert−ブチル 4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(300mg、0.72mmol)の溶液に、ベンゾフェノンイミン(157mg、0.87mmol、CAS:1013−88−3)、ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス、83mg、0.144mmol、CAS:161265−03−8)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(132mg、0.144mmol、CAS:51364−51−3)及びCs
2CO
3(469mg、1.44mmol、CAS:534−17−8)を加えた。反応混合物を、N
2雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、濾過した。濾液を水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。揮発物を減圧下で除去した。分取TLC(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=4:1)による精製が、tert−ブチル 4−[4−(ベンズヒドリリデンアミノ)フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(339mg、>99%収率)を黄色の油状物として与えた。
MS(ESI):469.3([M+H]
+)。
【0162】
b) tert−ブチル 4−(4−アミノフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート
メタノール(4mL)中のtert−ブチル 4−[4−(ベンズヒドリリデンアミノ)フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(339mg、0.72mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(250mg、3.6mmol、CAS:5470−11−1)及び酢酸ナトリウム(593mg、7.2mmol、CAS:127−09−3)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% NH
3・H
2O、C−18カラム)による精製が、tert−ブチル 4−(4−アミノフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(70mg、収率32%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):305.2([M+H]
+)。
【0163】
c) (RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
無水DMF(1mL)中のtert−ブチル 4−(4−アミノフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(20mg、0.063mmol)の溶液に、HATU(38mg、0.1mmol、CAS:148893−10−1)及びDIPEA(26mg、0.2mmol、CAS:7087−68−5)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。4−クロロ−5−プロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(38mg、0.2mmol、CAS:80194−69−0)を加えた。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物をCH
2Cl
2(20mL)に溶解し、次に水及びブラインで洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させて、粗tert−ブチル 4−[4−[(4−クロロ−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボニル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラートを黄色の固体として与えて、これを次の工程でそのまま使用した。
【0164】
乾燥CH
2Cl
2(2mL)中の粗tert−ブチル 4−[4−[(4−クロロ−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボニル)アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラートの溶液に、TFA(0.5mL、CAS:76−05−1)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)により精製して、(RS)−4−クロロ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(16mg、収率68%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):375.0([{
37Cl}M+H]
+)、377.0([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400MHz): δ 7.74 (d, 2H), 7.40 (d, 2H), 4.42 (d, 1H), 4.23 (d, 1H), 3.75 (s, 1H), 3.66 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 2.71 (t, 2H), 2.38-2.23 (m, 4H), 1.73 (m, 2H), 0.99 (t, 3H).
【0165】
実施例35
(RS)−2−エチル−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
【化43】
【0166】
a) 2−エチルピリミジン−5−カルボキサミド
DMF(2.0mL)中の2−エチルピリミジン−5−カルボン酸(304mg、CAS:72790−16−0)、HATU(836mg、CAS:148893−10−1)及びEt
3N(606mg、CAS:121−44−8)の溶液に、水中のNH
3(25%〜28%、1.0mL)を室温で加えた。反応混合物を一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。混合物を逆相クロマトグラフィー(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)で精製して、2−エチルピリミジン−5−カルボキサミド(120mg、収率40%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):152.2(M+H)
+。
【0167】
b) (RS)−2−エチル−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド(CAS:676533−51−0)を用い、実施例5と同様にして得た。ロウ状の固体。MS(ESI):339.0([M+H]
+)。
【0168】
実施例36
N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン
【化44】
標記化合物を、工程(e)中の2−アミノ−5−クロロピリジンの代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン(CAS:672−42−4)を用い、実施例3と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0169】
実施例37
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
【化45】
a) 2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
DMF(2.0mL)中の2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボン酸(382mg、2.0mmol、CAS:131747−41−6)、HATU(836mg、2.2mmol、CAS:148893−10−1)及びEt
3N(606mg、6.0mmol、CAS:121−44−8)の溶液に、水中のNH
3(25%〜28%、1.0mL)を室温で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応は、LCMSにより検出されたとおり完了した。混合物を、逆相クロマトグラフィー(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)で精製して、2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド(228mg、収率60%)を白色の固体として与えた。白色の固体。MS(ESI):191.0([M+H]
+)。
【0170】
b) (RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミドを用い、実施例5と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):378.0([M+H]
+)。
【0171】
実施例38
3−イソプロピル−N−[4−[[(1S,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化46】
標記化合物を、4−クロロ安息香酸の代わりに、3−イソプロピルピラゾール−5−カルボン酸(CAS:92933−47−6)を用い、実施例15と同様にして得た。
MS(ESI):341.0([M+H]
+)。
【0172】
実施例39
3−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化47】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、3−クロロ安息香酸(CAS:535−80−8)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):345.0([{
37Cl}M+H]
+)、343.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0173】
実施例40
N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
【化48】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボン酸(CAS:131747−41−6)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):378.0([M+H]
+)。
【0174】
実施例41
4−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化49】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、4−クロロ−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(CAS:1340578−20−2)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):377.1([{
37Cl}M+H]
+)、375.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0175】
実施例42
5−クロロ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−2−アミン
【化50】
ジオキサン(5mL)中のtert−ブチル (1R,4R)−4−[(4−アミノフェニル)メチル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(70mg、0.23mmol)、2−ブロモ−5−クロロピリジン(46mg、0.25mmol、CAS:40473−01−6)、キサントホス(26mg、0.046mmol、CAS:161265−03−8)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(21mg、0.023mmol、CAS:51364−51−3)及びCs
2CO
3(224mg、0.69mmol)の混合物を、N
2雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温に冷やし、水(50mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、水(50mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させて、黄色の固体を与え、これをCH
2Cl
2(3mL)とTFA(1mL)の混合物に溶解した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)により精製して、標記化合物(25mg、収率34%)を白色の固体として与えた。
MS(ESI):318.0([{
37Cl}M+H]
+)、316.1([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 8.05 (d, 1H), 7.69 (dd, 1H), 7.47 (d, 2H), 7.29 (d, 2H), 6.93 (d, 1 H), 4.35 (s, 1 H), 4.03 (d, 1H), 91 (d, 1H), 3.23~ 3.16 (m, 4H), 1.99 (t, 2 H).
【0176】
実施例43
1−(2−クロロフェニル)−3−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ウレア
【化51】
標記化合物を、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナートの代わりに、2−クロロフェニル イソシアナート(CAS:3320−83−0)を用い、実施例22と同様にして得た。
MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0177】
実施例44
1−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
【化52】
標記化合物を、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナートの代わりに、3−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナート(CAS:329−01−1)を用い、実施例22と同様にして得た。
MS(ESI):392.0([M+H]
+)。
【0178】
実施例45
4−(シクロプロピルメトキシ)−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化53】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、4−(シクロプロピルメトキシ)安息香酸(CAS:355391−05−8)を用い、実施例21と同様にして得た。MS(ESI):379.1([M+H]
+)。
【0179】
実施例46
6−エトキシ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド
【化54】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、6−エトキシニコチン酸(CAS:97455−65−7)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):354.0([M+H]
+)。
【0180】
実施例47
N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−カルボキサミド
【化55】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ニコチン酸(CAS:175204−90−7)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):408.0([M+H]
+)。
【0181】
実施例48
4−クロロ−3−シクロプロピル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化56】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、4−クロロ−3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(CAS:1291275−83−6)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):375.0([{
37Cl}M+H]
+)、373.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0182】
実施例49
4−エトキシ−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ベンズアミド
【化57】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、4−エトキシ安息香酸(CAS:619−86−3)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):353.0([M+H]
+)。
【0183】
実施例50
2−エチル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
【化58】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、2−エチルピリミジン−5−カルボン酸(CAS:72790−16−0)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):339.0([M+H]
+)。
【0184】
実施例51
2−シクロプロピル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]ピリミジン−5−カルボキサミド
【化59】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、2−シクロプロピルピリミジン−5−カルボン酸(CAS:648423−79−4)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0185】
実施例52
3−イソプロピル−N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
【化60】
標記化合物を、工程(h)中の4−クロロ安息香酸の代わりに、3−イソプロピルピラゾール−5−カルボン酸(CAS:92933−47−6)を用い、実施例21と同様にして得た。
MS(ESI):341.3([M+H]
+)。
【0186】
実施例53
4−エトキシ−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ベンズアミド
【化61】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、4−エトキシベンズアミド(CAS:55836−71−0)を用い、実施例5と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):353.2([M+H]
+)。
【0187】
実施例54
4−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
【化62】
ジオキサン(2mL)中の2,2,2−トリフルオロ−1−[(1R,4S)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(80mg、0.2mmol)、4−クロロベンズアミド(37mg、0.24mmol、CAS:619−56−7)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(36mg、0.04mmol、CAS:51364−51−3)、キサントホス(38mg、0.08mmol、CAS:161265−03−8)及びCs
2CO
3(326mg、1mmol)の溶液を、N
2雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。TLC分析が出発物質の完全な消費を示した。混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製し、4−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−2−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミドを褐色の油状物として与えた。4−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−2−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミドを、MeOH(10mL)と水(5mL)の混合物に溶解した。K
2CO
3(700mg、5.06mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、標記化合物(7.0mg、収率11%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):331.1([{
37Cl}M+H]
+)、329.1([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (メタノール-d
4, 400 MHz): δ 7.92 (d, 2H), 7.70 (d, 2H), 7.54-7.48 (m, 4H), 3.99 (m, 2H), 3.81 (s, 1H), 3.17 (m, 2H), 2.17 (d, 1H), 2.03 (d, 1H).
【0188】
実施例55
3−クロロ−N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
【化63】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、3−クロロベンズアミド(CAS:618−48−4)を用い、実施例54と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):331.1([{
37Cl}M+H]
+)、329.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0189】
実施例56
N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン
【化64】
標記化合物を、工程(e)の2−アミノ−5−クロロピリジンの代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン(CAS:672−42−4)を用い、実施例20と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):337.1([M+H]
+)。
【0190】
実施例57
N−[4−[(1R,4S)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−アミン
【化65】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド(実施例37、工程[a]中で調製した)を用い、実施例54と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):364.1([M+H]
+)。
【0191】
実施例58
4−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
【化66】
【0192】
a) (1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン
乾燥CH
2Cl
2(100mL)中のtert−ブチル (1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシラート(10g、0.036mol)の溶液に、TFA(24.8g、0.22mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。揮発物を減圧下で直接除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量によりCH
2Cl
2:MeOH=50:1〜5:1)により精製して、(1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(2.1g、収率33%)を黄色の油状物として与えた。MS(ESI):298.2([M+Na
+])、176.1([M−C
4H
8−CO
2+H]
+)。
【0193】
b) 2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン
CH
2Cl
2(80mL)中の(1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(4g、0.022mol)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(9.2g、0.044mol、CAS:407−25−0)及びEt
3N(6.7g、0.066mol)を加えた。反応混合物を25℃で4時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(2g、収率34%)を黄色の油状物として与えた。
MS(ESI):272.2([M+H]
+)。
【0194】
c) 2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン
CCl
4(10mL)中の2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−フェニル−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(500mg、1.84mmol)の溶液に、[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(870mg、2.02mmol、CAS:2712−78−9)及びヨウ素(467mg、1.84mmol、CAS:7553−56−2)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。LCMSが反応の完了を示した。混合物をクロロホルム(100mL)で希釈し、5% NaHSO
3水溶液(100mL×2)、続いて10% NaCl水溶液(100mL)で洗浄した。溶液をNa
2SO
4で乾燥させた。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、容量により石油エーテル:酢酸エチル=50:1〜5:1)により精製して、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(400mg、収率55%)を黄色の固体として与えた。
MS(ESI):398.0([M+H]
+)。
【0195】
d) 4−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
オーブンで乾燥させたシュレンクチューブに、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(80mg、0.20mmol)、4−クロロベンズアミド(38mg、0.24mmol、CAS:619−56−7)、キサントホス(46mg、0.08mmol、CAS:161265−03−8)、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(73mg、0.08mmol、CAS:51364−51−3)及びCs
2CO
3(130mg、0.4mmol)を加えた。1,4−ジオキサン(3mL)を加えた。反応混合物をN
2雰囲気下、90℃で24時間撹拌した。水(20mL)を加えた。混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、4−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−2−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド(25mg、収率29%)を黄色の油状物として与えた。
【0196】
次に、4−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−2−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド(25mg、0.065mmol)を、MeOH(5mL)と水(2mL)の混合物に溶解した。K
2CO
3(350mg、2.53mmol)を0℃で加えた。LCMS分析が反応の完了を示すまで、反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、4−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド(5mg、収率33%)を白色の固体として与えた。MS(ESI):331.1([{
37Cl}M+H]
+)、329.1([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 7.95 (d, 2H), 7.72 (d, 2H), 7.56~7.50 (m, 4H), 4.01 (m, 2H), 3.83 (s, 1H), 3.19 (d, 2H), 2.19 (d, 1H), 2.04 (d, 2H).
【0197】
実施例59
3−クロロ−N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]ベンズアミド
【化67】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、3−クロロベンズアミド(CAS:618−48−4)を用い、実施例58と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):331.1([{
37Cl}M+H]
+)、329.1([{
35Cl}M+H]
+)。
【0198】
実施例60
N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド
【化68】
標記化合物を、4−クロロベンズアミドの代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−カルボキサミド(実施例37、工程[a]中で調製した)を用い、実施例58と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):364.0([M+H]
+)。
【0199】
実施例61
N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
【化69】
オーブンで乾燥させたシュレンクチューブに、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−(4−ヨードフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(80mg、0.20mmol)、5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(39mg、0.24mmol、CAS:74784−70−6)、キサントホス(46mg、0.08mmol、CAS:161265−03−8)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(73mg、0.08mmol、CAS:51364−51−3)及びCs
2CO
3(130mg、0.4mmol)を加えた。1,4−ジオキサン(3mL)を加えた。反応混合物を、N
2雰囲気下、90℃で24時間撹拌した。水(20mL)を加えた。混合物を、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−[4−[[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(35mg、収率41%)を黄色の油状物として与えた。
【0200】
次に、2,2,2−トリフルオロ−1−[(1S,4R)−4−[4−[[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジル]アミノ]フェニル]−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]エタノン(35mg、0.08mmol)を、MeOH(10mL)と水(5mL)の混合物に溶解した。K
2CO
3(500mg、3.61mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(C−18カラム、移動相:A、H
2O;B、CH
3CNと共に0.5% NH
3・H
2O)により精製して、N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(8mg、収率30%)を白色の固体として与えた。
MS(ESI):336.2([M+H]
+)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 8.41 (s, 1 H), 7.74 (m, 1H), 7.65 (d, 2H), 7.45 (d, 2H), 6.90 (d, 1H), 4.01 (m, 2H), 3.82 (s, 1H), 3.19 (m, 2H), 2.17 (d, 1H), 2.05 (d, 1H).
【0201】
実施例62
N−[4−[(1S,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]フェニル]−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン
【化70】
標記化合物を、5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミンの代わりに、2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン(CAS:672−42−4)を用い、実施例61と同様にして得た。白色の固体。
MS(ESI):337.0([M+H]
+)。
【0202】
実施例63
N−[4−[[(1R,4R)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−4−イル]メチル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
【化71】
標記化合物を、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(CAS:50488−42−1)を用い、実施例42と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):350.1([M+H]
+)。
【0203】
実施例64
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピラジン−2−アミン
【化72】
標記化合物を、工程(e)の2−アミノ−5−クロロピリジンの代わりに、5−トリフルオロメチル−2−アミノピラジン(CAS:69816−38−2)を用い、実施例3と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0204】
実施例65
(RS)−N−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン
【化73】
標記化合物を、工程(e)の2−アミノ−5−クロロピリジンの代わりに、5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミン(CAS:69034−08−8)を用い、実施例3と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):351.0([M+H]
+)。
【0205】
式Iの化合物及びその薬学的に使用可能な付加塩は、有益な薬理学的特性を有する。具体的には、本発明の化合物が、微量アミン関連受容体(TAAR)、とりわけTAAR1に対して、良好な親和性を有することが見出された。
【0206】
本化合物を本明細書で以下に示す試験に従って調査した。
【0207】
実施例66
(RS)−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ウレア
【化74】
tert−ブチル 4−(4−アミノフェニル)−5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシラート(40mg、0.13mmol)、4−クロロフェニル イソシアナート(22mg、0.14mmol、CAS:104−12−1)及びトリエチルアミン(64mg、0.5mmol、CAS:121−44−8)を、CH
2Cl
2(1mL)に溶解した。LCMS分析が出発物質の完全な消費を示すまで、溶液を室温で撹拌した。水(10mL)を加えた。混合物を、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、高真空下で乾燥させた。次に、残留物を、CH
2Cl
2(2mL)に溶解した。TFA(1mL)を溶液に加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残留物を、分取HPLC(移動相A:H
2O、B:CH
3CNと共に0.1% TFA、C−18カラム)により精製して、(RS)−1−(4−クロロフェニル)−3−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ウレア(12mg)を白色の固体として与えた。
MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): 7.46 (m, 4H), 7.28 (m, 4H), 4.40 (d, 1H), 4.24 (m, 1H), 3.74 (s, 1H), 3.64 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 2.40-2.21 (m, 4H).
【0208】
実施例67
(RS)−1−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
【化75】
標記化合物を、4−クロロフェニル イソシアナートの代わりに、4−(トリフルオロメチル)フェニル イソシアナート(CAS:1548−13−6)を用い、実施例66と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):392.1([M+H]
+)。
【0209】
実施例68
(RS)−1−(3−クロロフェニル)−3−[4−(5−オキサ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)フェニル]ウレア
【化76】
標記化合物を、4−クロロフェニル イソシアナートの代わりに、3−クロロフェニル イソシアナート(CAS:2909−38−8)を用い、実施例66と同様にして得た。白色の固体。MS(ESI):360.0([{
37Cl}M+H]
+)、358.0([{
35Cl}M+H]
+)。
【0210】
材料及び方法
TAAR発現プラスミド及び安定的にトランスフェクトされた細胞株の構築
発現プラスミドの構築のために、ヒト、ラット及びマウスのTAAR1のコード配列を、基本的にはLindemann等によって記載されるとおりゲノムDNAから増幅させた[14]。Expand High Fidelity PCR System(Roche Diagnostics)を1.5mM Mg
2+と共に使用し、精製したPCR産物を、製造業者の指示に従って、pCR2.1−TOPOクローニングベクター(Invitrogen)にクローニングした。PCR産物をpIRESneo2ベクター(BD Clontech, Palo Alto, California)にサブクローニングし、細胞株への導入の前に発現ベクターを配列検証した。
【0211】
HEK293細胞(ATCC # CRL-1573)を、基本的にはLindemann等によって記載されるとおり培養した(2005)。安定的にトランスフェクトされた細胞株の生成のために、HEK293細胞に、製造業者の指示に従ってリポフェクトアミン2000(Invitrogen)を用いて、TAARコード配列(上述)を含有するpIRESneo2発現プラスミドをトランスフェクトし、トランスフェクションの24時間後、培養培地に1mg/ml G418(Sigma, Buchs, Switzerland)を補充した。約10日間の培養期間後、クローンを単離し、増殖させ、そして、cAMP Biotrak Enzyme immunoassay (EIA) System(Amersham)を用いて、製造業者によって提供される非アセチル化EIA手順に従って、微量アミンに対する反応性を試験した(すべての化合物は、Sigmaから購入した)。15継代の培養期間にわたって安定なEC
50を示したモノクロナール細胞株をすべての後続の研究に使用した。
【0212】
ラットTAAR1での放射性リガンド結合アッセイ
膜調製及び放射性リガンド結合
ラットTAAR1を安定的に発現するHEK−293細胞を、37℃及び5%CO
2にて、ウシ胎仔血清(10%、56℃で30分間加熱不活性化した)、ペニシリン/ストレプトマイシン(1%)及び375μg/mlジェネティシン(Gibco)を含有するDMEM高グルコース培地中で維持した。細胞を、トリプシン/EDTAを使用して培養フラスコから剥がし、収集し、氷冷PBS(Ca
2+及びMg
2+不含)で2回洗浄し、4℃で5分間、1’000rpmでペレット化し、凍結し、そして−80℃で保存した。凍結ペレットを、10mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20mlに懸濁し、Polytron(PT 6000, Kinematica)を用いて14’000rpmで20秒間ホモジナイズした。ホモジェネートを、4℃で30分間、48’000×gで遠心分離した。その後、上清を除去及び廃棄し、Polytron(14’000rpmで20秒間)を使用してペレットを0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20mlに再懸濁した。この手順を繰り返し、最終ペレットを、0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOHに再懸濁して、Polytronを使用してホモジナイズした。典型的には、膜部分の2mlアリコートを−80℃で保存した。新しい膜バッチごとに、解離定数(K
d)を飽和曲線によって決定した。TAAR1放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン(WO 2008/098857に記載されている)を、計算したK
d値に等しい濃度(通常、2.3nM前後であった)で使用し、結果として、放射性リガンドのおよそ0.2%の結合及び全結合のおよそ85%に相当する特異的結合を生じた。非特異的結合を、10μM未標識リガンドの存在下で結合した
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミンの量として定義した。すべての化合物を、広範な濃度範囲(10pM〜10μM)で、2連で試験した。試験化合物(20μl/ウェル)を96ディープウェルプレート(TreffLab)に移し、MgCl
2(10mM)及びCaCl
2(2mM)を含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)(結合緩衝液)180μl、3.3×K
dの濃度(nM単位)の放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン300μl、ならびに膜(1ml当たりタンパク質50μgで再懸濁した)500μlを加えた。96ディープウェルプレートを4℃で1時間インキュベートした。インキュベーションを、Unifilter−96プレート(Packard Instrument Company)及び予めポリエチレンイミン(0.3%)中に1時間浸漬したガラスフィルターGF/C(Perkin Elmer)に通す急速濾過によって終了し、冷結合緩衝液1mlで3回洗浄した。Microscint 40(PerkinElmer)45μlの添加後、Unifilter−96プレートを密閉し、1時間後、TopCount Microplate Scintillation Counter(Packard Instrument Company)を使用して放射活性を計数した。
【0213】
マウスTAAR1での放射性リガンド結合アッセイ
膜調製及び放射性リガンド結合
マウスTAAR1を安定的に発現するHEK−293細胞を、37℃及び5%CO
2にて、ウシ胎仔血清(10%、56℃で30分間加熱不活性化した)、ペニシリン/ストレプトマイシン(1%)及び375μg/mlジェネティシン(Gibco)を含有するDMEM高グルコース培地中で維持した。細胞を、トリプシン/EDTAを使用して培養フラスコから剥がし、収集し、氷冷PBS(Ca
2+及びMg
2+不含)で2回洗浄し、4℃で5分間、1’000rpmでペレット化し、凍結し、そして−80℃で保存した。凍結ペレットを、10mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20mlに懸濁し、Polytron(PT 6000, Kinematica)を用いて14’000rpmで20秒間ホモジナイズした。ホモジェネートを、4℃で30分間、48’000×gで遠心分離した。その後、上清を除去及び廃棄し、Polytron(14’000rpmで20秒間)を使用してペレットを0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)20mlに再懸濁した。この手順を繰り返し、最終ペレットを、0.1mM EDTAを含有するHEPES−NaOHに再懸濁して、Polytronを使用してホモジナイズした。典型的には、膜部分の2mlアリコートを−80℃で保存した。新しい膜バッチごとに、解離定数(K
d)を飽和曲線によって決定した。TAAR1放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン(WO 2008/098857に記載されている)を、計算したK
d値に等しい濃度(通常、0.7nM前後であった)で使用し、結果として、放射性リガンドのおよそ0.5%の結合及び全結合のおよそ70%に相当する特異的結合を生じた。非特異的結合を、10μM未標識リガンドの存在下で結合した
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミンの量として定義した。すべての化合物を、広範な濃度範囲(10pM〜10μM)で、2連で試験した。試験化合物(20μl/ウェル)を96ディープウェルプレート(TreffLab)に移し、MgCl
2(10mM)及びCaCl
2(2mM)を含有するHEPES−NaOH(20mM、pH7.4)(結合緩衝液)180μl、3.3×K
dの濃度(nM単位)の放射性リガンド
3[H]−(S)−4−[(エチル−フェニル−アミノ)−メチル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イルアミン300μl、ならびに膜(1ml当たりタンパク質60μgで再懸濁した)500μlを加えた。96ディープウェルプレートを4℃で1時間インキュベートした。インキュベーションを、Unifilter−96プレート(Packard Instrument Company)及び予めポリエチレンイミン(0.3%)中に1時間浸漬したガラスフィルターGF/C(Perkin Elmer)に通す急速濾過によって終了し、冷結合緩衝液1mlで3回洗浄した。Microscint 40(PerkinElmer)45μlの添加後、Unifilter−96プレートを密閉し、1時間後、TopCount Microplate Scintillation Counter(Packard Instrument Company)を使用して放射活性を計数した。
【0214】
本化合物は、以下の表に示すように、マウス又はラットにおいてTAAR1(μM単位)についてのK
i値(μM)を示す。
【0215】
【表2】
【0216】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容し得る塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用され得る。医薬製剤は、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与され得る。しかしながら、投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内にも、又は例えば注射液の剤形で非経口的にも実施され得る。
【0217】
式Iの化合物は、医薬製剤の製造ため、薬学的に不活性な無機又は有機の担体と共に加工され得る。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための好適な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである。しかしながら、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に好適な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤のための好適な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオールなどである。
【0218】
医薬製剤は、更に、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香料、浸透圧を変動させるための塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。これらはまた、更に他の治療有用物質を含有することができる。
【0219】
式Iの化合物又はその薬学的に許容し得る塩と治療上不活性な担体とを含有する医薬もまた本発明の目的であり、1つ以上の式Iの化合物及び/又は薬学的に許容し得る酸付加塩と、所望により、1つ以上の他の治療有用物質とを、1つ以上の治療上不活性な担体と共にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、それらの製造プロセスも、本発明の目的である。
【0220】
本発明に係る最も好ましい適応症は、中枢神経系の障害を含むものであり、例えば、鬱病、精神病、パーキンソン病、不安症、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び糖尿病の治療又は予防である。
【0221】
投与量は、広い範囲内で変更することができ、当然ながら、各々の特定の症例における個別の要件に適合されるだろう。経口投与の場合には、成人への投与量は、一日に約0.01mg〜約1000mgの一般式Iの化合物又は対応する量のその薬学的に許容し得る塩と変更することができる。一日投与量は、1回用量として又は分割用量で投与してもよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0222】
錠剤の処方(湿式造粒法)
項目 成分 mg/1錠剤当たり
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.無水乳糖DTG 125 105 30 150
3.Sta−Rx1500 6 6 6 30
4.微結晶セルロース 30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0223】
製造手順
1.項目1、2、3及び4を混合し、精製水で造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を好適な微粉砕装置に通す。
4.項目5を加え、3分間混合し;好適な成形機で圧縮する。
【0224】
カプセル剤の処方
項目 成分 mg/1カプセル当たり
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.含水乳糖 159 123 148 −−−
3.トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4.タルク 10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0225】
製造手順
1.項目1、2及び3を好適なミキサー中で30分間混合する。
2.項目4及び5を加え、3分間混合する。
3.好適なカプセルに充填する。