(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等における火災を検出して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【0003】
例えば、このような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検出するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の検出信号に基づき火災を検出すると警報部から所定パターンの警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で無線通信を行うことによって、任意の住警器で警報音が出力されると、他の住警器でも連動して警報音を出力させる無線連動型の住警器を用いた警報システムも実用化され、普及している。
【0005】
このような無線連動型の警報システムでは、住警器で火災を検出した場合、当該火災を検出した連動元の住警器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」といった警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点灯し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点滅するようにしている。
【0006】
一方、住警器には点検スイッチを兼ねた警報停止スイッチが設けられており、警報出力中に引き紐などによりスイッチを操作すると警報を停止するようにしている。
【0007】
しかしながら、このような従来の住警器による連動警報の停止にあっては、火災が発生した連動元の住警器の場所を警報音から確認する場合、連動元の住警器が分かるまで、部屋を回りながら警報音を出している住警器の警報音を停止させる操作が必要であり、連動元の住警器を特定するまでに手間と時間がかかる恐れがある。
【0008】
また連動警報が出た場合の対応として、とりあえず警報音は停止し、警報音に煩わされることなく火災発生場所を確認したい場合もあるが、その場合にも、警報停止に手間と時間がかかり、連動警報による大きな警報音の中で火災発生場所を確認せざるを得ないという問題もある。
【0009】
更に、従来は音声メッセージの内容により連動元と連動先を区別するようにしているが、警報音メッセージを停止した場合には連動元か連動先かがわかりづらいという問題もある。
【0010】
この問題を解決するため、本願出願人にあっては、連動先の住警器で警報音の停止操作を行った場合、全ての連動先の警報音の出力と警報表示は停止するが、連動元の警報音の出力及び又は警報表示を停止せずに継続しておくことで、警報停止操作を行った後の連動元の確認を簡単且つ容易にできるようにした住警器を提案している(特許文献3)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、連動先の警報器で警報停止操作を行った場合に、連動元の住警器の警報音の出力及び又は警報表示を停止せずに継続するようにした場合、通信障害などにより警報停止連動信号が有効受信されていなくとも、警報音及び又は警報表示は停止せずに継続し、警報停止連動信号による指示が届いて警報音及び又は警報表示を継続しているのか、警報停止連動信号による指示が届かずに警報音及び又は警報表示を継続しているかの区別できず、無線連動型警報器による警報停止動作が正常に行われている否か確認できないという問題がある。
【0013】
本発明は、連動先の警報器による警報停止操作で警報停止連動信号を送信して連動元の警報器の警報出力を残した場合に、連動元に警報停止指示が届いていることを簡単且つ容易に識別可能とする警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(警報器)
本発明は、
異常を検知するセンサ部と、
警報音の出力と警報表示を行う報知部と、
警報停止操作を行う操作部と、
他の警報器との間で信号を送受信する通信部と、
センサ部による異常を検知した場合に自身が連動元であることを示す連動元警報音の出力と連動元警報表示による警報を行うと共に異常連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異常連動信号を受信した場合に自身が連動先であることを示す連動先警報音の出力と連動先警報表示による警報を行い、また、警報の出力中に、操作部による警報停止操作を検知した場合
、通信部に、警報停止連動信号を他の警報器へ送信させる制御部と、
を備えた警報器
を対象とする。
【0015】
(連動元の警報停止指示表示)
制御部は、連動元警報音の出力と連動元警報表示による警報中に、通信部を介して他の警報器からの警報停止連動信号を受信した場合、報知部に、連動元警報表示を停止させ、連動元警報音の出力は停止せずに維持させると共に、警報停止連動動信号による警報停止指示が届いていることを示す警報停止指示表示を連動元警報表示とは別に行わせる。
あるいは、制御部は、連動元警報音の出力と連動元警報表示による警報中に、通信部を介して他の警報器からの警報停止連動信号を受信した場合、報知部に、連動元警報音の出力を停止させ、連動元警報表示は停止せずに維持させると共に、警報停止連動動信号による警報停止指示が届いていることを示す警報停止指示表示を連動元警報表示とは別に行わせるようにしてもよい。
【0016】
(連動先の警報停止制御)
制御部は、連動先警報音の出力と連動先警報表示による警報中に、通信部を介して他の警報器からの警報停止連動信号を受信した場合、報知部に、連動先警報音の出力及び連動先警報表示を停止させる。
あるいは、制御部は
、連動先警報音の出力と連動先警報表示による警報中に、通信部を介して他の警報器からの警報停止連動信号を受信した場合、報知部に、連動先警報音の出力及び連動
先警報表示を停止させると共に、警報停止連動信号による警報停止指示が届いていることを示す警報停止指示表示を
連動先警報表示とは別に行わせる
ようにしてもよい。
【0017】
(警報停止操作)
制御部は、警報の出力中に、操作部による警報停止操作を検知した場合、報知部に、出力中の警報を停止させる。
また、制御部は、警報停止指示表示が行われている状態で、操作部による警報停止操作を検知した場合、報知部に、警報停止指示表示を停止させる。
【発明の効果】
【0018】
(基本的な効果)
本発明の警報器によれば、連動元警報音の出力と連動元警報表示による警報中に、他の警報器からの警報停止連動信号を受信した場合、連動元警報音の出力及び又は連動元
警報表示を停止せずに維持させると共に、警報停止連動動信号による警報停止指示が届いていることを示す警報停止指示表示を別に行わせるようにしたため、連動先警報が全て停止した状態で、連動元警報だけが継続することで、連動元の警報器を簡単且つ容易に特定することができ、更に、連動元の警報器で警報停止連動動信号による警報停止指示が届いていることを示す警報停止指示表示が別に行われていることで、警報停止指示が届いたことによって連動元警報音及び又は連動元警報表示が継続していることを識別することができ、警報停止連動信号により連動元の警報器が正常に動作したことを簡単且つ容易に確認することができる。
【0019】
(警報停止指示表示の停止による効果)
また、連動元の警報器で、連動元警報音の出力と連動元警報表示を維持させると共に警報停止指示表示を行わせている状態で、自己の警報停止操作を検知した場合には、利用者が連動元を確認してから警報停止操作を行っていることから、これに基づき報知部に、連動元警報音の出力、連動元
警報表示、及び警報停止指示表示を停止させることで、通常監視状態への復旧が簡単にできる。
【0020】
(連動先の警報停止制御による効果)
連動先の警報器については、連動先警報音の出力と連動先警報表示による警報中に、操作部による警報停止操作を検知した場合に、報知部に、連動先警報音の出力及び連動先
警報表示を停止させ、一方、連動先警報音の出力と連動先警報表示による警報中に、通信部を介して他の警報器からの警報停止連動信号を受信した場合、報知部に、連動先警報音の出力及び連動元
警報表示を停止させると共に、警報停止連動信号による警報停止指示が届いていることを示す警報停止指示表示を別に行わせるようにしたため、警報停止指示が届いたことで、連動先警報音及び連動先警報表示が停止していることを識別することができ、警報停止連動信号により連動先の警報器が正常に動作したことを簡単且つ容易に確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1発明による警報器の実施形態]
(住警器の配置)
図1は住宅における本発明による警報器の設置状態を例示した説明図である。
図1の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、子供部屋、主寝室、ガレージのそれぞれの監視領域に火災を検知して警報する本発明による無線式の住警器(住宅用火災警報器)10−1〜10−5が設置されている。なお、以下、住警器10−1〜10−5及をそれぞれ区別しない場合は住警器10という。
【0023】
住警器10は、警報器として機能し、火災等の連動信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災監視を行っている。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、火災発生場所(台所)の住警器10−1が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0024】
住警器10−1が発報する場合、自身が連動元であることを示す連動元警報音の出力と連動元警報表示による火災警報を行うと共に火災連動信号を、通信経路11で示すように、他の住警器10−2〜10−5へ送信する。また、住警器10−1は、他の
住警器10−2〜10−5の何れかからの火災連動信号の有効受信を検知した場合に、自身が連動先であることを示す連動先警報音の出力と連動先警報表示による火災警報を行う。
【0025】
住警器10から送信する火災連動信号には、送信元を示す識別子である送信元符号、連動グループを示す識別子であるグループ符号、火災等の事象(イベント)を示す事象符号、制御コマンド等を含んだ形式とする。また送信元符号としては、例えばシリアル番号を利用する。また、火災連動信号を有効受信した住警器10は必要に応じ火災連動信号の中継送信を行う。
【0026】
連動元となった住警器10−1の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった連動元を示す警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−2〜10−5にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった連動先を示す警報音を出力する。
【0027】
また連動元となった住警器10−1の警報動作に伴う警報表示としては、例えば警報表示用LEDを点灯させる。一方、連動先の住警器10−2〜10−5にあっては、警報表示用LEDを点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報における警報表示用LEDによる警報表示を区別できるようにしている。なお、警報表示については他に適宜の手段及び方法を用いることができる。
【0028】
住警器10が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、火災警報の停止制御を行うと共に、他の住警器へ警報停止連動信号を送信する。
【0029】
即ち、住警器10は、連動元を示す火災警報の出力中に、警報停止スイッチによる警報停止操作を検知した場合、連動元を示す警報音の出力を停止すると共に、警報表示用LEDの点灯による連動元を示す警報表示を停止し、更に、他の住警器に警報停止連動信号を送信する。
【0030】
また、住警器10は、連動先を示す火災警報の出力中に、警報停止スイッチの操作による警報停止操作を検知した場合、連動元を示す警報音の出力を停止すると共に、警報表示用LEDの点滅による連動先を示す警報表示を停止し、更に、他の住警器に警報停止連動信号を送信する。
【0031】
また、住警器10は、連動元を示す火災警報の出力中に、他の
住警器からの警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、連動元を示す警報音の出力を停止すると共に、警報表示用LEDの点滅による連動元を示す警報表示を停止し、更に、別途設けた警報停止指示表示用LEDの点灯又は点滅により、連動先の住警器からの警報停止連動動信号による警報停止指示が届いていることを示す表示を行う。
【0032】
このように連動先となる全ての住警器で警報が停止した状態で、連動元の住警器からは警報出力が継続することで、利用者は簡単且つ容易に、連動元の
住警器を識別でき、更に、連動元の住警器における警報停止指示表示から、連動先の住警器からの警報停止連動動信号による警報停止指示が届いている正常に機能していることを簡単且つ容易に識別できる。
【0033】
なお、「信号の有効受信を検知」とは、受信した信号に含まれる連動グループ符号が、受信装置である自己のメモリに予め登録した連動グループ符号に一致して自己に宛てた信号と認識し、更に、信号内容としても異状が無いことを認識したことを意味する。以下、このような有効受信を含め、単に受信ということがある。
【0034】
[住警器の構成]
(住警器の構造)
図2は本発明の警報システムに設けた住警器の外観を示した説明図であり、
図2(A)に正面図を、
図2(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0035】
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。
【0036】
カバー12に設けた複数の開口部の内部には検煙部16を備え、検煙部16の左下側には複数の音響孔(スリット)18が設けられ、この背後にスピーカを内蔵し、所定パターンの警報音を出力できるようにしている。
【0037】
検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は住警器10の機能の自己点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報中に警報停止スイッチ20が操作されると火災警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると機能点検を実施して結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中でない状態を指す。
【0038】
警報停止スイッチ20は、透光性部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、これに連携してプッシュスイッチが押されるようになっている。
【0039】
スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行う警報表示用LED22が配置されており、警報表示用LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過して警報表示用LED22の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【0040】
警報停止スイッチ20の図示右側には、表示カバー内部に点線で示すように警報停止指示表示用LED23が配置されており、警報停止指示表示用LED23が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が表示カバーの部分を透過して警報停止指示表示用LED23の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【0041】
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁面にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0042】
なお、火災に伴う熱気流や煙は空間の上方に向かうため、住警器は比較的高所に設置する。本実施形態のように壁面設置する場合も、壁面の高所に設置し、天井面等に設置する場合もある。天井面に設置する場合には別に取付アダプタを使用することもある。住警器はこのように高所に設置されるため、警報停止スイッチ20を操作するため、例えばスイッチカバーに引き紐を設けて垂下させ、引き紐の操作に連携してスイッチカバー、プッシュスイッチが押圧されるようにしたものもある。
【0043】
(住警器の構成)
図3は住警器10−1の機能構成の概略を示したブロック図であり、他の住警器10−2〜10−5も同様となる。
【0044】
図3において、住警器10−1は、制御部30、センサ部32、アンテナ36を接続した通信部34、報知部38、操作部40を備え、図示しない電池電源により動作する。
【0045】
制御部30は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0046】
センサ部32は検煙部であり、公知の散乱光式検煙構造をもち、制御部30の指示により、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を制御部30へ出力する。
【0047】
なお、センサ部32としては温度検出部を設けても良い。センサ部32として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を制御部30へ出力する。
【0048】
通信部34は、他の住警器10−2〜10−5との間で所定の通信プロトコルに従って火災等の連動信号を送受信する。この通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)又は900MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。
【0049】
報知部38は、スピーカ、警報表示用LED、警報停止指示表示用LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ制御部30の指示によりスピーカから警報音を出力すると共に警報表示用LEDにより警報表示を行い、更に警報停止指示表示用LEDにより警報停止指示が届いたことを表示する。
【0050】
また、報知部38は、警報表示用LEDによる警報表示として、点灯、明滅、点滅の3形態の表示が可能であり、連動元を示す警報表示と、連動先を示す警報表示を、点灯、明滅、点滅の3形態の表示のうち互いに異なる形態で表示し、本実施形態では、連動元を示す警報表示を警報表示用LEDの点灯で表示し、連動先を示す警報表示を警報表示用LEDの点滅で表示している。
【0051】
また、報知部38は、警報停止指示表示用LEDによる警報表示としても、点灯、明滅、点滅の3形態の表示が可能であり、本実施形態では、連動元を示す警報表示を警報表示用LEDが点灯で表示していることから、これと区別するため、例えば警報停止指示表示用LEDを点滅で表示する。
【0052】
操作部40は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチなどの各種スイッチを備える。
【0053】
制御部30は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、次の火災警報制御、火災復旧制御、及び警報停止制御等を行う。
【0054】
(火災警報制御)
制御部30は、センサ部32から出力した煙濃度の検出信号をAD変換により読み込み、所定の閾値以上の場合に火災を検知し、報知部38から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の火災警報として、報知部38は、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった連動元を示す警報音をスピーカから繰り返し出力すると共に、警報表示用LEDを例えば点灯して連動元を示す警報表示を行う。
【0055】
また、制御部30は、報知部38から火災警報を出力させた場合、所定の通信プロトコルに従った火災連動信号を生成し、通信部34に指示し、他の住警器10−2〜10−5へ火災連動信号を送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した他の住警器10−2〜10−5で連動先を示す火災警報を出力させる。
【0056】
この場合の連動先を示す火災警報として、報知部38は、例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった連動先を示す警報音をスピーカから繰り返し出力すると共に、警報表示用LEDを例えば点滅して連動先を示す警報表示を行う。
【0057】
また、制御部30は、通信部34を介して他の住警器10−2〜10−5の何れかが送信した火災連動信号の有効受信を検知した場合、報知部38からの連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の連動先を示す火災警報として、報知部38は、例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった連動先を示す警報音をスピーカから繰り返し出力すると共に、警報表示用LEDを例えば点滅して連動先を示す警報表示を行う。
【0058】
(火災復旧制御)
制御部30は、センサ部32の検出信号に基づき煙濃度が閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検知状態が解消したこと)を検知し、報知部38からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、所定の通信プロトコルに従った火災復旧連動信号を生成し、通信部34に指示し、当該火災復旧連動信号を他の住警器10−2〜10−5へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
【0059】
ここで、制御部30は、火災の復旧を検知して火災警報を停止する場合、報知部38に指示し、連動元を示す警報音の出力及び警報表示用LEDの点灯による連動元を示す警報表示は停止せず、後に、発報した住警器を認識可能としても良い。
【0060】
また制御部30は、通信部34を介して他の住警器10−2〜10−5の何れかが送信した火災復旧連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部38からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
【0061】
(警報停止制御)
制御部30は、連動元として火災警報の出力中に操作部40の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、報知部38からの連動元を示す警報音の出力を停止させると共に、警報表示用LEDの点灯による連動元を示す警報表示を停止させる制御を行う。
【0062】
また、制御部30は、連動元として火災警報の出力中に操作部40の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、所定の通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成し、通信部34に指示し、当該警報停止連動信号を他の住警器10−2〜10−5へ送信させる制御を行う。
【0063】
また制御部30は、連動元として火災警報の出力中に、通信部34を介して連動先となる他の住警器10−2〜10−5の何れかが送信した警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、報知部38に、連動先を示す警報音の出力を停止せずに継続させると共に、警報表示用LEDの点滅による連動先を示す警報表示も停止せずに継続させ、更に警報停止指示表示用LEDを点滅させて警報停止指示が届いたことを示す制御を行う。
【0064】
図4は連動先の住警器で警報停止操作を行った場合の動作を示した説明図であり、
図4(A)は連動警報を示し、
図4(B)は警報停止動作を示す。
【0065】
図4(A)に示すように、住警器10−1が火災を検知したとすると、住警器10−1から連動元を示す警報音を出力すると共に、警報表示用LED22の点灯Pにより連動元を示す警報表示を行う。また火災を検知した住警器10−1は火災連動信号を他の住警器10−2〜10−5へ送信する。
【0066】
火災連動信号を受信した住警器10−2〜10−5は、連動先を示す警報音を出力すると共に、警報表示用LED22の点滅Qにより連動先を示す警報表示を行う。
【0067】
このような住警器10−1〜10−5の連動警報中に、
図4(B)に示すように、例えば連動先の住警器10−3の警報停止スイッチ20を操作したとすると、住警器10−3から住警器10−1,10−2,10−4,10−5へ警報停止連動信号が送信される。
【0068】
この場合、警報停止連動信号を有効受信した連動先の住警器10−2,10−4,10−5は、連動先を示す警報音の出力を停止すると共に、警報表示用LED22の点滅Qによる連動先を示す警報表示も停止する。
【0069】
これに対し連動元の住警器10−1は、警報停止連動信号を有効受信した場合、連動元を示す警報音の出力及び警報表示用LED22の点灯Pによる連動元を示す警報表示を停止せずに継続する。
【0070】
また連動元の住警器10−1は、警報停止指示表示用LED23の点滅Rにより、警報停止指示が届いている旨を表示する。これにより利用者は、警報停止指示が届いたことによって連動元警報音及び又は連動元警報表示が継続していることを識別することができ、警報停止連動信号により連動元の
住警器が正常に動作したことを簡単且つ容易に確認することができる。
【0071】
[連動元住警器による警報停止制御の他の実施形態]
図5(A)は連動元の住警器が警報停止連動信号を有効受信した場合の他の実施形態による動作を示した説明図である。
【0072】
図4(A)に示したと同じ連動警報の動作状態で、
図5(A)に示すように、例えば連動先の住警器10−3の警報停止スイッチ20を操作したとすると、住警器10−3から住警器10−1,10−2,10−4,10−5へ警報停止連動信号が送信される。
【0073】
この場合、警報停止連動信号を有効受信した連動先の住警器10−2,10−4,10−5は、連動先を示す警報音の出力を停止すると共に、警報表示用LED22の点滅Qによる連動先を示す警報表示も停止する。
【0074】
これに対し連動元の住警器10−1は、警報停止連動信号を有効受信した場合、連動元を示す警報音の出力を停止するが、警報表示用LED22の点灯Pによる連動元を示す警報表示を停止せずに継続する。
【0075】
また連動元の住警器10−1は、警報停止指示表示用LED23の点滅Rにより、警報停止指示が届いている旨を表示する。
【0076】
これにより利用者は、連動元警報音が停止した静かな状況で、警報表示用LED22の点灯Pにより住警器10−1が連動元であることを識別し、更に、警報停止指示表示用LED23の点滅Rにより、連動元警報停止指示が届いたことによって連動元警報音及び又は連動元警報表示が継続していることを識別できる。
【0077】
[連動先住警器による警報停止指示表示を行う他の実施形態]
図5(B)は連動先の住警器が警報停止連動信号を有効受信した場合の他の実施形態による動作を示した説明図である。
【0078】
図4(A)に示したと同じ連動警報の動作状態で、
図5(B)に示すように、例えば連動先の住警器10−3の警報停止スイッチ20を操作したとすると、住警器10−3から住警器10−1,10−2,10−4,10−5へ警報停止連動信号が送信される。
【0079】
この場合、連動元の住警器10−1は、
図4(B)の場合と同様に、警報停止連動信号を有効受信した場合、連動元を示す警報音の出力を停止せずに継続すると共に、警報表示用LED22の点灯Pによる連動元を示す警報表示を停止せずに継続し、また警報停止指示表示用LED23の点滅Rにより、警報停止指示が届いている旨を表示する。
【0080】
これに対し警報停止連動信号を有効受信した連動先の住警器10−2,10−4,10−5は、連動先を示す警報音の出力を停止すると共に、警報表示用LED22の点滅Qによる連動先を示す警報表示も停止するが、これに加えて、警報停止指示表示用LED23の点滅Rにより、警報停止指示が届いている旨を表示する。
【0081】
これにより利用者は、警報停止操作を行っていない連動先の
住警器10−2,10−4,10−5についても、警報停止指示表示用LED23の点滅Rにより、連動元警報停止指示が届いたことによって連動先警報音及び又は連動先警報表示が停止していることを識別できる。
【0082】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は監視領域の異状として火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、住警器以外の火災警報器、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器についても同様に適用できる。
【0083】
また、警報器の各連動は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【0084】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチとして示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【0085】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【0086】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。