特許第6275998号(P6275998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6275998
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】コンクリートの湿潤養生装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20180129BHJP
   E01D 21/00 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   E04G21/02 104
   E01D21/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-231938(P2013-231938)
(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公開番号】特開2015-94064(P2015-94064A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年4月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】安永 正道
【審査官】 星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−207028(JP,A)
【文献】 特開2013−159981(JP,A)
【文献】 米国特許第05843554(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/02
E01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド型枠の撤去または上部への移動後、養生する範囲の上部に取り付けるブラケットに、もしくは、ブラケットの代わりにスライド型枠の下端を利用して、コンクリート養生面の上方に噴霧ノズルと給水配管を配設し、保水シートをコンクリートの養生面に密着させずに吊り下げ設置し、下方に余剰水回収樋を設け、前記保水シートの外側で、コンクリート面の養生面から30〜40cm離れた位置にビニールシートを吊り下げ設置し、外方をビニールシートで囲繞してなる閉鎖空間と給水配管から水を保水シートに供給し、その後、噴霧ノズルからの噴霧を継続して行うことを特徴としたコンクリートの湿潤養生装置。
【請求項2】
ビニールシートは上部をコンクリートの養生面に接続固定し、下端部を余剰水回収樋に入れる請求項1に記載のコンクリートの湿潤養生装置。
【請求項3】
余剰水回収樋に集水された水の量が多い場合には、養生に循環利用する請求項1または請求項2に記載のコンクリートの湿潤養生装置。
【請求項4】
ビニールシートと保水シートの間の湿度を90〜100%に保持し、それよりも低い場合には噴霧ノズルからの噴霧量を増やす請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコンクリートの湿潤養生装置。
【請求項5】
保水シートはタオル生地または補強繊維入り不織布である請求項1記載のコンクリートの湿潤養生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの養生に使用する湿潤養生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物は、コンクリートの硬化後に所定の強度や耐久性を発揮することが要求されており、表面の強度増加、緻密化のため高炉セメントB種の場合で、打設後7−12日間湿潤状態を保つことが求められる(この期間は、型枠、養生シートなどによりコンクリート表面を乾燥させず、湿った状態に保つもので、セメントの種類、外気温などの条件によって異なる)。
【0003】
具体的な養生の方法として、基礎スラブなど広い面積を有する構造物の上面の場合には、湛水養生(5−10cm程度の水を溜める)に加えて養生マット(不織布など)で覆うことが行われ、この規定が確実に守られている。
【0004】
一方、側壁、橋脚など鉛直方向に大きい構造物の側面の場合は、湛水養生ができないことから、型枠撤去後、夏期においては封緘養生(ビニールシートを壁に貼り付け、コンクリート表面の乾燥を抑制)、また冬期においては保温+封緘養生(気泡緩衝シート(登録商標プチプチ)を壁に貼り付け、コンクリート表面の乾燥を抑制すると同時に熱の放散を抑制する)が行われているのが実状であり、湿潤状態を確実に保つことができていない。
【0005】
一方、橋脚、サイロ、煙突、タンクあるいは超高層ビルのコア部分のようなRC塔状構造物を施工する際の型枠工法として、型枠パネルを上方に滑動させながらコンクリートを連続打設していくスリップフォーム工法が知られている。
【0006】
このスリップフォーム工法は、急速施工が可能であるという顕著な工法上の特徴を有するが、その反面、打設されたコンクリートの表面が数時間後には外気に露出されてしまうため、十分な湿潤養生を行うことができないという問題を生じていた。
【0007】
かかる問題は、若材齢段階でコンクリート表面から水分が蒸発してしまうことによって水和反応が十分に進行せず本来の強度が出ない、乾燥収縮によるひび割れが生じやすい、該ひび割れを介して二酸化炭素や塩素イオンあるいは雨水などがコンクリート内部に入り込み、コンクリートの中性化を経てあるいは直接的に鉄筋腐食が早期に進行するといった事態を招く原因となる。
【0008】
下記特許文献1は、主としてスリップフォーム工法で使用されるコンクリート表面の養生装置に関し、スリップフォーム工法の急速施工性を低下させることなくコンクリート表面を確実に湿潤養生してコンクリートの品質を向上させることが可能なものとして提案されたものである。
【特許文献1】特開2000−179155号公報
【0009】
この特許文献1は、図7に示すように、コンクリート表面8の養生装置1は、滑動型枠2の下縁近傍に水分付与機構としての噴霧器3を取り付けるとともに該噴霧器を給水ホース4、給水ポンプ(図示せず)を介して給水タンク(図示せず)に順次接続してあり、かかる給水ホース4、給水ポンプ及び給水タンクは、噴霧器3に随時給水を行うための給水機構として機能する。
【0010】
一方、滑動型枠2には、その下縁に沿って風除けフード7を別途取り付けてあり、噴霧器3の取付け位置や噴霧方向は、該噴霧器からの霧が風除けフード7と滑動型枠2の上昇に伴って露出したコンクリート表面8との間に噴霧されるよう、適宜調整してある。
【0011】
コンクリート表面の養生装置1は、スリップフォーム工法で滑動型枠2を連続的若しくは断続的に上昇させながらコンクリート9を打設していく際、滑動型枠2の下縁近傍に取り付けられた噴霧器3を介して霧を噴霧し、該滑動型枠の下から順次現れるコンクリート表面8に水分を付与する。
【0012】
図中10は鉄筋を示し、乾燥収縮によるひび割れ発生の防止、ひび割れ幅の抑制を可能とする。このことで、該ひび割れを介して二酸化炭素や塩素イオンあるいは雨水などがコンクリート9内部に入り込み、該コンクリートの中性化を経てあるいは直接的に鉄筋10の腐食が進行するといった事態を未然に回避することが可能となる。
【0013】
下記特許文献2は、打設形成されたコンクリート体の養生方法において、コンクリート体形成用の型枠を撤去した後に、前記コンクリート体の表面に、繊維材と、この繊維材中に埋設された多孔性ドレーン管とを備えた養生シートを、前記繊維材が前記コンクリート体の表面に接触し、かつ、前記多孔性ドレーン管が略水平になるように覆設して、前記多孔性ドレーン管に給水するようにしたものである。
【特許文献2】特開平10−46816号公報
【0014】
特許文献2によれば、多孔性ドレーン管に水を給水すると、ドレーン管から放出された水は、毛細管現象により繊維材間に拡散して、保持される。繊維材とこれに埋設された多孔性ドレーン管とを備えた養生シートは、コンクリート体の表面を覆うように覆設され、コンクリート体の表面に繊維材が接触しているので、給水を適宜行うことにより、コンクリート体の表面を常時湿潤状態に保つことができるとある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記特許文献1では、打設後数時間で露出してくる一軸圧縮強度0.06N/mm2程度の弱強度のコンクリート表面に霧または水を吹きかけることになる。コンクリート表面にできた水滴が流れ落ちると、表面のセメント分を流出させてしまうことがある。その場合、コンクリート表面が緻密に仕上がることは無く、砂っぽいざらざらした面となる。
【0016】
また、コンクリートは水に接することで水和反応が進む。その水和反応は湿潤状態に保たれた時間とともに進行することから、長時間の湿潤養生(少なくとも2週間以上)を行うことによってその効果はより高まる。前記特許文献1のスリップフォーム工法における滑動型枠は5〜6m/日の速度で上昇し、風除けフードは型枠と一緒に上昇することから、風除けフードが短いとすぐに養生面を離れてしまう。
【0017】
従って、スリップフォーム工法で構築する場合、構造物の下端まで達する風除けフードでなければ、例えば2週間の湿潤養生は確保できない。
【0018】
これに加えて、噴霧水は結露して流れ落ちるか、または風除けフードの下端部から大気中に放散されるため、湿度を維持するため水を大量に使用することになる。
【0019】
前記特許文献2では、ドレーン管から放出する水を養生シートの繊維材間に拡散して保持するのがなかなか困難であり、高吸水性繊維または高吸水性樹脂を坦持した繊維材で構成すると高額なものとなる。さらに、養生シートから直射日光や風などによる水の逸散を防止する工夫も必要で、養生シートには繊維材の外表面に水分逸散防止用フィルムを貼付することなどが必要となる。
【0020】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、コンクリート表面を湿潤状態に保つことが容易であり、コンクリート表面を水が流れたとしても表面のモルタル分流出の心配はなく、また、装置として簡単に設置でき、しかも運転管理も容易なコンクリートの湿潤養生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、スライド型枠の撤去または上部への移動後、養生する範囲の上部に取り付けるブラケットに、もしくは、ブラケットの代わりにスライド型枠の下端を利用して、コンクリート養生面の上方に噴霧ノズルと給水配管を配設し、保水シートをコンクリートの養生面に密着させずに吊り下げ設置し、下方に余剰水回収樋を設け、前記保水シートの外側で、コンクリート面の養生面から30〜40cm離れた位置にビニールシートを吊り下げ設置し、外方をビニールシートで囲繞してなる閉鎖空間と給水配管から水を保水シートに供給し、その後、噴霧ノズルからの噴霧を継続して行うことを要旨とするものである。
【0022】
請求項1記載の本発明によれば、ビニールシートで囲繞した閉鎖空間が重要な要素となり、コンクリート表面を養生するのに外方をビニールシートで囲繞して閉鎖空間とするので、密閉空間に噴霧(ミスト)を放出することにより少ない水分で湿潤養生が実現でき、養生の開始は脱型後(打設4日〜5日)以降で強度が十分に発現していることからコンクリート表面を荒らすおそれもない。
【0023】
さらに、外方をビニールシートで囲繞して閉鎖空間とすることで、湿度保持が容易であり、湿潤状態を維持しやすいものとすることができる。
【0024】
また、ビニールシートで閉鎖空間となっている上部から噴霧(ミスト)を放出し、下部で湿度計測をすることにより、比較的簡単な運転管理となる。
【0025】
前記作用に加えて密閉空間に噴霧(ミスト)を放出することによる湿潤養生が実現でき、コンクリート表面に近接して濡れた保水シート(タオル生地または補強繊維入り不織布)があるため、コンクリート表面を湿潤状態に保つことが容易にできる。また、脱型後(打設4〜5日後)に湿潤養生を開始することから、コンクリート表面を水が流れたとしても表面のモルタル分流出の心配はない。
【0026】
保水シート(タオル生地または補強繊維入り不織布)、ビニールシートの長さを変えるだけで、容易に養生期間の調整ができる。(例えば3ロッド分の長さのタオル生地または補強繊維入り不織布、ビニールシートを使用すれば、3ロッドの打設期間、湿潤養生が可能。)
【0027】
保水シート(タオル生地または補強繊維入り不織布)、ビニールシートをコンクリート面に密着させる必要が無いことから、凸凹な表面の構造物、上部と下部で大きさの異なるコンクリート構造物であっても適応できる。
【0028】
保水シート(タオル生地または補強繊維入り不織布)、ビニールシート、噴霧ノズル用配管の設置はブラケットが設置されていれば簡単にできる。また、ブラケットの設置もセパレータPコン部のボルトを利用することにより簡単にできる。
【0029】
請求項2記載の本発明は、ビニールシートは上部をコンクリートの養生面に接続固定し、下端部を余剰水回収樋に入れることを要旨とするものである。
【0030】
請求項2記載の本発明によれば、結露水となって流れ落ちた水はビニールシートに沿って流れ、確実に下方の余剰水回収樋で回収できる。
【0031】
請求項3記載の本発明は、余剰水回収樋に集水された水の量が多い場合には、養生に循環利用することを要旨とするものである。
【0032】
請求項3記載の本発明によれば、基本的には密閉空間に噴霧(ミスト)を放出することによる湿潤養生であるが、余剰水を循環使用することから使用水量を非常に少なくできる。
【0033】
請求項4記載の本発明は、ビニールシートと保水シートの間の湿度を90〜100%に保持し、それよりも低い場合には噴霧ノズルからの噴霧量を増やすことを要旨とするものである。
【0034】
請求項4記載の本発明によれば、ビニールシートで閉鎖空間となっている上部から噴霧(ミスト)を放出することで、コンクリート養生面と保水シートの間の湿度を90〜100%に保持することが容易にでき、噴霧ノズルからの噴霧量も少なくてすむ。
【0035】
請求項5記載の本発明は、保水シートはタオル生地または補強繊維入り不織布であることを要旨とするものである。
【0036】
請求項5記載の本発明によれば、特にタオル生地の場合は、極めて入手し易い材料を利用することで、安価に実施できる。また、使用済みのタオル生地の再利用も可能である。
【発明の効果】
【0037】
以上述べたように本発明のコンクリートの湿潤養生装置は、コンクリート表面を湿潤状態に保つことが容易であり、コンクリート表面を水が流れたとしても表面のモルタル分流出の心配はなく、また、装置として、簡単に設置でき、しかも運転管理も容易なものである。さらに凸凹な表面の構造物、上部と下部で大きさが異なる構造物であっても問題なく適応できるものである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のコンクリートの湿潤養生装置の1実施形態を示す詳細縦断側面図、図2は設置状態を示す断面図で、図中11は例えば石油備蓄タンク、橋梁などのコンクリート構造物の側壁や柱、図中12はスライド型枠、13は型枠に組み込まれる足場である。
【0039】
型枠12の撤去または上部への移動後、図示は省略するがセパレータのPコンのボルトを利用して、養生する範囲の上部にブラケット14を取り付ける。
【0040】
噴霧ノズル15としてスプレーノズル付の配管を前記ブラケット14を利用して側壁11の壁面に平行に配置し、これを給水ポンプに接続する。
【0041】
コンクリート面16の養生面に近接して密着させずに保水シート17であるタオル生地を吊り下げ設置する。この保水シート17も前記ブラケット14を利用して取り付けることができる。なお、保水シート17としてはタオル生地の他に補強繊維入り不織布、スポンジ、水膨潤性の繊維シートなども採用できる。
【0042】
図6に示すように、保水シート17であるタオル生地の上端には給水配管(穴あきポリエチレン管)20を縫い込み、給水ポンプに接続する。保水シート17の下端はU形の溝である余剰水回収樋18の中に入れた。
【0043】
この余剰水回収樋18は保水シート17の下端に取り付けて保水シート17とともに吊り下げるようにしてもよいし、また、保水シート17とは別に側壁11に取り付けるようにしてもよい。
【0044】
前記保水シート17の外側で、コンクリート面16の養生面から30〜40cm離れた位置にビニールシート19を吊り下げ設置する。このビニールシート19もブラケット14で吊支するもので、上部はブラケット14に添わせて水平に展開し、その端部はコンクリート面16に密着させ、そのままブラケット14の端部から吊り下げて前記保水シート17に平行させ、下部をコンクリート面16側に絞り込むようにし、下端を余剰水回収樋18の中に入れる。
【0045】
ビニールシート19としては、塩化ビニールシート、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、その他の合成樹脂シート、もしくはゴム製シートなどであり、不透水性であれば特にその材質を問わない。
【0046】
次に使用法について説明する。給水配管20から水を供給し、上端から下端に向かって保水シート(タオル生地)17を濡らす。給水は2回/日程度とする。
【0047】
その後、噴霧ノズル15からの噴霧(ミスト)を継続して行う。
【0048】
保水シート(タオル生地)17及びビニールシート19についたミストは水滴になり、徐々に流れ落ち、下部に設置した余剰水回収樋18に集水される。集水された水の量が多い場合には、給水などの養生水として循環利用する。
【0049】
コンクリート面16と保水シート(タオル生地)17の間の湿度を90〜100%に保持し、それよりも低い場合には噴霧量を増やす。
【0050】
湿潤養生の期間は、養生期間とコンクリート面の緻密化進行の関係から最低でも打設後2週間とする。
【0051】
ビニールシート19内において湿度計により湿度を測定し、噴霧量の調整または噴霧の間欠運転間隔の調整を行う。これらはコンピュータ制御による自動化も可能である。
【0052】
図3図4は本発明の第2実施形態を示すもので、柱構造、壁構造などで、スライド型枠によりコンクリートを数ロッドに分けて順次打設するような場合、ブラケットの代わりにスライド型枠足場の下端を利用して、これに保水シート(タオル生地)17、噴霧ノズル15、ビニールシート19の取り付けを行うこともできる。
【0053】
このようにすれば、本発明装置は型枠の移動に伴って移動可能である。なお、保水シート(タオル生地)17があることで湿度の維持が容易になるが、養生する部位の高さが3m程度以下と低い場合には保水シート(タオル生地)17がなくとも噴霧量の調整で湿度管理が可能である。
【0054】
また、図5に示すように壁に囲まれた内側が比較的小面積の場合には、打設済みコンクリートの上部に平面方向にビニールシート19を張り巡らし、壁の内側周りに保水シート(タオル生地)17、噴霧ノズル15を配置するようにしてもよい。
【0055】
寒冷地において加温養生を必要とする場合には、ビニールシート19として気泡緩衝シート、噴霧ノズル15からの常温水の噴霧の代わりに加温水を用い、湿度と温度を維持することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明のコンクリートの湿潤養生装置の第1実施形態を示す詳細縦断側面図である。
図2】本発明のコンクリートの湿潤養生装置の第1実施形態を示す設置状態の断面図である。
図3】本発明のコンクリートの湿潤養生装置の第2実施形態を示す詳細縦断側面図である。
図4】本発明のコンクリートの湿潤養生装置の第2実施形態を示す設置状態の断面図である。
図5】本発明のコンクリートの湿潤養生装置の第3実施形態を示す設置状態の断面図である。
図6】保水シート(タオル生地)の側面図である。
図7】従来例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0057】
1…コンクリート表面の養生装置 2…滑動型枠
3…噴霧器 4…給水ホース
7…風除けフード 8…コンクリート表面
9…コンクリート 10…鉄筋
11…側壁 12…型枠
13…足場 14…ブラケット
15…噴霧ノズル 16…コンクリート面
17…保水シート 18…余剰水回収樋
19…ビニールシート 20…給水配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7