(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図6を参照して本発明の一実施形態に係る停止装置1について説明する。
図1は停止装置1の斜視図、
図2及び
図3は停止装置1の分解斜視図、
図4(A)〜(D)は補助停止ユニット70の説明図、
図5は
図1の線X−Xに沿う要部断面図、
図6は図
5において、可動ユニット10及び連結部322を外観図として示した図である。
【0012】
停止装置1は、搬送中のワークWに当接してワークの搬送を停止させる装置であって、可動ユニット10と、停止レバーLBと、付勢ユニットBUと、規制機構20と、駆動ユニット30と、支持ユニット50と、補助停止ユニット70と、を備える。停止装置1は、たとえば、ローラコンベア等の搬送装置に設けられ、該搬送装置上を搬送されるワークを一時停止させるために用いられる。各図において、一点鎖線Lは搬送面を意味する。搬送面は、不図示の搬送装置においてワークが載置されて搬送される位置(高さ)である。ワークの搬送方向で上流側、下流側というときはワークが順方向に搬送される場合を基準とする。
【0013】
<可動ユニット10>
可動ユニット10は、揺動部11と可動部12とを備え、その全体が回動軸54回りに回動自在である。
【0014】
揺動部11は、水平方向に延在する揺動部材111を備える。揺動部材111は、その一方端部に軸孔111bを備える。軸孔111bには回動軸54が挿入されて回動軸54を回動中心として揺動部材11は回動自在である。揺動部材111は、その他方端部に、軸孔111cと、溝111aとを備える。溝111aには後述する可動部材121の垂直部1211が挿入される。
【0015】
軸孔111cと垂直部1211の軸孔1211aとには回動軸112が挿入され、可動部12は回動軸112を回動中心として回動自在に揺動部11に回動軸112を介して連結されている。回動軸54と回動軸112とは互いに平行であり、
図5に示すように回動軸112は回動軸54よりもワークWの搬送方向(同図の矢印の方向)で上流側に位置しており、また、回動軸54及び112はいずれも搬送面Lよりも下方に位置している。
【0016】
揺動部材111は、また、その一方端部に、下方に突出した規制部111eを、その他方端部に、下方に突出した規制部111dを、それぞれ備える。揺動部材111は、その下面に開口した有底の開口部111h及び111iを備える。開口部111hは後述する弾性部材33が装着されるバネ受け孔である。
【0017】
開口部111iは、溝111aと連通しており、後述する連結部322の上端部が挿入される孔である。揺動部材111の側面部には、その側面間を貫通するピン差込孔111fが形成されており、このピン差込孔111fは開口部111iと連通しているとともに、連結ピン113が挿入されている。
【0018】
規制部111dの内側側面には、取付孔111gが揺動部材111の幅方向に離間して2つ設けられており、これらの取付孔111gには、当接部材114、114がそれぞれ固定される。この当接部材114は後述する回動規制部材40と当接する。なお、本実施形態では揺動部材111と当接部材114、114とを別部材としたが、両者を一体的に構成してもよい。
【0019】
可動部12は、可動部材121と支持ユニット122とを備える。可動部材121は上下方向に延びる垂直部1211と、垂直部1211から曲折されて水平方向に延びる水平部1212と、を一体に備えたL字形状をなしている。可動部材121と支持ユニット122とは、後述するように互いに固定される。
【0020】
垂直部1211の上部は、その下部よりも幅細とされて揺動部材111の溝111aに挿入される部位であり、また、回動軸112が挿入される軸孔1211aを有する。垂直部1211の下部における両側には規制部1211b、1211bが形成されている。
【0021】
垂直部1211の規制部1211bと、揺動部材111の規制部111dとは、
図6に示すように、互いに当接することで揺動部11に対する可動部12の回動範囲を規制する。本実施形態では、揺動部11に対して可動部12が、回動軸112回りに
図6の位置を超えて反時計回りに回転することを規制している。本実施形態では、後述するように可動ユニット10の回動軸54回りの回動に伴って、揺動部11に対して可動部12が回動軸112回りに回動する。その際に、規制部1211b及び111dは、規制部111dの右側側面(当接部材114が取付けられた面)より内側(反時計回り方向)に可動部12が回動する事を規制することで、意図する方向と逆方向に可動部12が回動することを防止でき、更に、駆動ユニット30や回動規制部材40等との干渉を避けるとともに、規制機構20による可動部12の動きを補助する。
【0022】
垂直部1211にはまた、溝1211cが形成されている。この溝1211cは、後述する連結部322と可動部材121との干渉を回避するべく形成されている。
【0023】
水平部1212には、支持ユニット122が搭載される。水平部1212の上面には、水平部1212を貫通する貫通孔1212a及びネジ孔1212bが形成されている。また、水平部1212の一方側面には、該一方側面に開口したピン差込孔1212cが形成されている。
【0024】
支持ユニット122は、軸1221と、支持部材1222とを備え、支持部材1222の図示しない貫通孔に軸122
1が挿通される。停止レバーLBは軸1221に軸支されており、ワークの搬送方向の下流側に向かって所定の範囲で回動可能である。支持ユニット122と停止レバーLBとの間には、
図2で矢印dで示す方向(ワークの搬送方向の下流側の方向)に停止レバーLBを付勢する不図示のリターンスプリングが設けられており、停止レバーLBは付勢ユニットBUに押し付けられている。
【0025】
支持部材1222には、その上下面を貫通した挿通孔(不図示)が形成されており、付勢ユニットBUはこの挿通孔に取り付けられている。支持部材1222には、補助停止ユニット70が着脱自在に取り付けられる取付部1222aを備える。取付部1222aにはネジ孔が形成されている。また、支持部材1222にはボルト1223のロッド部分が入り込む切欠が設けられる。ボルト1223をネジ孔1212bに螺合させることで、支持部材1222がボルト1223のフランジ部と水平部1212との間に挟みこむように固定され、支持ユニット122は可動部材121に固定される。
【0026】
<停止レバーLB>
停止レバーLBは搬送中のワークと当接して所定の停止位置にワークを停止させる。停止レバーLBは、ワークに当接するワーク当接部としてのローラRLと、ローラRLを回転自在に支持する本体部BDと、を備える。本体部BDには軸1221が挿通しており、軸1221を回動中心として回動自在である。
【0027】
<付勢ユニットBU>
付勢ユニットBUは、停止レバーLBを、ワークの搬送方向の上流側に向かって付勢するユニットであり、本実施形態の場合、ショックアブソーバであるが、ばね等の弾性部材のみの構成であってもよい。付勢ユニットBUは、そのシリンダ部(外筒部)が支持部材1222の挿通孔(不図示)に挿入され、そのロッド部RDを支持部材1222の上面に突出させた状態で支持部材1222に固定されている。付勢ユニットBUのシリンダ部の、支持部材1222の下面に突出した部分は、貫通孔1212aに挿通される。
【0028】
付勢ユニットBUのロッド部RDの先端に、本体部BDの後端部下面が当接される。上述したリターンスプリングによって、本体部BDの後端部下面はロッド部RDの先端に常時当接した状態となるが、リターンスプリングはロッド部RDを押し下げるほどの弾性力はなく、本体部BDの後端部下面はロッド部RDの先端に軽く触れる状態となる。付勢ユニットBUの付勢力は、ロッド部RDが押し下げられることにより発揮され、本体部BDを、
図2で矢印dで示す方向と逆方向に付勢する。
【0029】
<支持ユニット50>
支持ユニット50はL字型の一対の壁部51、51と、壁部51、51の垂直部(
図2中では右下側部、
図5中では右側部)を接続する接続部52と、壁部51、51の水平部(
図2中では左上側部、
図5中では左側部)を接続する接続部53と、を一体に備え、上下に開放した枠体をなしている。
【0030】
各壁部51、51は、回動軸54を支持する軸受孔51a、51aを備える。これらの壁部51、51間に揺動部材111を嵌め込むと共に、軸受孔51a、51a及び軸孔111bを位置合わせし、それらの孔に回動軸54を挿通する。最後に、止め輪54a、54aを回動軸54の両端部に係合する。こうして、支持ユニット50と揺動部材111とが組み付けられて互いに係合する。これにより、可動ユニット10全体が回動軸54を回動中心として回動自在に支持ユニット50に支持される。
【0031】
各壁部51、51は、回動規制部材40が挿通する溝51b、51bを備える。溝51bは上下方向(後述するプランジャ321の移動方向と平行)に延びる長円形状をなしており、壁部51をその厚み方向に貫通している。回動規制部材40はピン状をなし、溝51b、51bに跨って挿通してこれらと係合しており、溝51bに沿って上下方向に移動自在である。止め輪40a、40aは回動規制部材40の各端部に装着され、回動規制部材40の抜け止めとなっている。
【0032】
各溝51b内には、回動規制部材40の両端部を下方より支持する受け部材41及びその受け部材41と溝51bの底部との間に配置される弾性部材42とがそれぞれ設けられる。
【0033】
受け部材41は、回動規制部材40と弾性部材42との間に介在し、弾性部材42の付勢力を回動規制部材40に安定して伝達する部材である。弾性部材42は本実施形態の場合、押しバネ(コイルバネ)であり、受け部材41を介して回動規制部材40を上方向に常時付勢するものであり、その付勢力は後述する弾性部材33の付勢力よりも小さい。なお、弾性部材42はコイルバネに限られず、例えば、板バネ等の他の押しバネの他、他の弾性部材も採用可能である。各溝51bの底部には孔51cが形成され、この孔51cに弾性部材42の下端部が挿入されることにより、弾性部材42が安定的に支持される。
【0034】
接続部52における軸受孔51aの近傍部分は、水平面をなしており、回動規制面52aを構成している。回動規制面52aに揺動部材111の規制部111eが当接することにより、可動ユニット10(揺動部材111)が
図4や
図5の状態から時計回りに回動することを防止する。接続部52における軸受孔51aと溝51bとの中途部には、有底の穴52bが開口している。この穴52bは、後述する弾性部材33が挿入、装着されるバネ受け穴である。
【0035】
<規制機構20>
規制機構20は、可動部12の回動軸112回りの回動を案内するべく、その移動範囲を規制する機構である。規制機構20を設けることで、可動ユニット10が回動軸54回りに回動する際、可動部12を、意図した軌跡で移動させることができる。
【0036】
本実施形態の場合、規制機構20は、ピン21とガイド溝22とを備える。ピン21は、可動部材121のピン差込孔1212cに挿入され、可動部材121の側面部から突出した突起部を形成する。ガイド溝22は、一対の壁部51、51のうちの一方の壁部51に形成される。
【0037】
ピン21の端部はガイド溝22に係合され、これにより可動部12の移動をガイド溝22で案内することができる。なお、本実施形態では、ピン21を可動部12側の係合部とし、ガイド溝22を壁部51側の不動の係合部としたが、ピンとガイド溝の配設部位を逆にしてもよい。尤も、本実施形態の場合、ガイド溝22と溝51bとを、共通の支持ユニット50を用いて形成することができる。これは、ガイド溝22及び溝51bの成形や、両者の位置精度の点で有利である。
【0038】
ガイド溝22は、その上部が上下方向に延設され、その下部は搬送方向下流側で下方に傾斜して延設されている。言い換えると、ガイド溝22は、搬送方向下流側に向かって緩やかに曲ったV字状に設けられる。このため、
図4や
図5の状態から可動ユニット10の揺動部11を回動軸54回りに反時計回りで回動すると、その初期においては可動部12は下方へ略真っ直ぐ移動し、その後、搬送方向下流側で下方に移動することになる。可動部12の移動方向は、ガイド溝22の溝形状(曲げ形状)によって決定される。
【0039】
<駆動ユニット30>
駆動ユニット30は可動ユニット10を回動軸54回りに回動することで変位させる。駆動ユニット30は、弾性部材33を備える。弾性部材33は本実施形態の場合、押しバネ(コイルバネ)であり、揺動部材111の開口部111hと接続部52の穴52bとの間に装填される。弾性部材33は可動ユニット10を上方向に常時付勢し、
図5及び
図6の状態(規制部111eが回動規制面52aに当接し、揺動部材111の回動が規制された状態)を維持する。なお、弾性部材33はコイルバネに限られず、例えば、板バネ等の他の押しバネの他、他の弾性部材も採用可能である。
【0040】
駆動ユニット30は、また、ケース60に囲包された電動の駆動部31と、駆動部31により移動する可動部32と、を備える。可動部32はプランジャ321と、プランジャ321と可動ユニット10とを連結する連結部322と、連結ピン323とを備える。
【0041】
本実施形態の場合、駆動部31とプランジャ321とはプルソレノイドを構成しており、筒状の駆動部31(電磁石)に対する通電により、プランジャ321を駆動部31の筒内に引き込む方向(下方向)にのみ駆動力を発揮させる。すなわちプルソレノイドはプランジャ321を駆動部31の筒内から押出す方向(上方向)には駆動力を発揮しない。本実施形態ではプルソレノイドを採用したが、モータ等、他の電動駆動アクチュエータでもよい。なお、電動駆動アクチュエータの代わりに、周知の電動以外のアクチュエータ(例えば、エアシリンダ等)を用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。尤も、プルソレノイドを採用することで、装置の小型化が図れる。
【0042】
プランジャ321の上端部には、連結部322の一端部(下端部)が係合、挿入されるスリット(凹部)321aが設けられている。プランジャ321の上端部周面にはプランジャ321を径方向(スリット321aに対して垂直な方向)に貫通するピン差込孔321bが形成されている。
【0043】
連結部322は、本体部322aを備える。本体部322aの下部には、連結ピン323が挿通する、円形の連結孔322cが形成されている。連結部322をスリット321aに挿入すると共に、ピン差込孔321b及び連結孔322cを位置合わせし、それらの孔に連結ピン323を挿し込むことで、プランジャ321と連結部322が係合される。なお、連結ピン323の端部には止め輪323bが係合して連結ピン323の抜け止め防止がなされる。部材323a、323aはスペーサである。
【0044】
これにより、プランジャ321に対して、連結ピン323を回動中心として連結部322が回動自在に連結される。なお、本実施形態では、停止装置1の小型化を図りつつ、本体部322aがその周囲の構成と干渉しないように本体部322aを多段に湾曲させているが、その形状は任意に設定できる。例えば、周囲の構成と干渉しないならば本体部322aを直線状としてもよい。
【0045】
本体部322aの上部には、軸体である連結ピン113が挿通する連結孔322dが形成されている。連結孔322dは、上下方向に延びる長孔となっている。連結部322は、その上端部が揺動部材111の開口部111iに挿入され、連結ピン113を揺動部材111のピン差込孔111fと連結孔322dとに挿通することで、連結部322と揺動部材111とが係合される。連結孔322dが長孔であることから、連結部322と揺動部材111とは一定の遊びを持った嵌合(遊嵌)となる。
【0046】
連結孔322dの下方には当接部322bが形成されている。当接部322bは、回動規制部材40の周面の最上部に当接して回動規制部材40と係合する。
【0047】
本実施形態の場合、連結部322は、相対的に搬送方向の上流側で駆動ユニット30と連結され、相対的に搬送方向の下流側で揺動部材111と連結されている。この連結構造により、ワークと当接するローラRLの下方に駆動ユニット30を配置した構成を実現している。この結果、ワークと当接する当接部分を直線上に往復動させるタイプの従来の停止装置と同様の場所に駆動源を配置させながら、回動タイプの停止装置を提供できる。
【0048】
<補助停止ユニット70>
主に
図4を参照して補助停止ユニット70の構成について説明する。
図4(A)は補助停止ユニット70を上から見た図、
図4(B)は補助停止ユニット70をワークの搬送方向の上流側から見た図である。
図4(C)は
図4(B)を正面図とした場合に、補助停止ユニット70の右側面図に相当する図である。
図4(D)は補助停止ユニット70の動作説明図である。
【0049】
補助停止ユニット70は、停止レバーLBによるワークの搬送停止が困難な場合に、ワークを停止させるために設けられている。補助停止ユニット70は、補助停止レバー71と、支持部材72と、軸73と、付勢ユニット74と、を備える。
【0050】
支持部材72は、取付部721と、本体部722とを備える。取付部721は支持部材1222の取付部1222aに固定される部分であり、ボルトを挿通する取付孔721aが形成されている。この取付孔721aに、図示しないボルトを挿通して取付部1222aのネジ孔にボルトを螺着することで、補助停止ユニット70を支持部材1222に固定できる。
【0051】
補助停止ユニット70は、停止装置1から分離不能な構成であってもよいが、本実施形態のように取付部721を介して着脱自在な構成としたことで、補助停止ユニット70が必要な場合のみこれを停止装置1に装着して利用でき、停止装置1の構成が不必要に多くなることを回避できる。また、補助停止ユニット70を持たない、同種の停止装置に最小限の加工で補助停止ユニット70を装着して利用することもできる。
【0052】
本体部722は、その上部に板状の突出部である支持部722aを備える。この支持部722aには図示しない貫通孔が設けられており、この貫通孔に軸73が挿通される。補助停止レバー71は一対の板状の側板部711、711で構成され、両側板部711は連結部711bにより連結され、平面視U字状を呈している(
図4(A)を参照)。両側板部711には図示しない貫通孔が設けられ、両側板部711の間には開口711aが形成されており、この開口711aに支持部722aを挿入することで支持部722aが両側板部711で挟み込まれる。支持部722aの貫通孔及び両突出部の貫通孔に軸73が挿通して設けられる。この軸73を中心に補助停止レバー71が本体部722に対してワークの搬送方向に回動される。
【0053】
本体部722は、また、補助停止レバー71の回動範囲を規制する当接面722bを備える。この当接面722bに補助停止レバー71の当接面713が当接することで、
図4(C)において、補助停止レバー71が時計回りにこれ以上回動することを規制する。
【0054】
本体部722は、また、当接面722bに開口した収容孔723を備える。この収容孔723には付勢ユニット74が取付けられている。付勢ユニット74は、補助停止レバー71の当接面713と連続する傾斜面714を上側に常時付勢するユニットであり、本実施形態の場合、ピン741と弾性部材742とを備える。ピン741と弾性部材742とは収容孔723に挿入されており、弾性部材742が収容孔723の底部側に位置している。弾性部材742は、本実施形態の場合、ピン741の先端が当接面722bから上面に突出するよう、その付勢力が調整されたばねである。ピン741が傾斜面714に当接して常時上側に付勢することにより、補助停止レバー71の当接面713が本体部722の当接面722bに常時当接した状態で保持される(
図4(C)参照)。
【0055】
補助停止レバー71は、ワークの搬送方向上流側の部分に、傾斜面714に連続する垂直面であるワーク当接部712を備える。ワーク当接部712はワークに当接してワークを停止する部分である。ワーク当接部712は、停止レバーLBがワークの搬送を停止させる搬送停止位置と同じ位置又は搬送停止位置よりも搬送方向下流側の位置に位置するように配置される。本実施形態の場合、搬送停止位置よりも僅かに搬送方向下流側に位置する。ワーク当接部712は、本実施形態の場合、補助停止レバー71の一側面によって構成されているが、停止レバーLBのようにローラで構成してもよい。
【0056】
図4(D)を参照して補助停止レバー71の動作について説明する。同図左側は、補助停止レバー71がワークに当接する当接位置に位置した状態を示し、同図右側は、補助停止レバー71が搬送方向の上流側に傾倒したワーク通過許容位置に位置した状態を示す。
【0057】
当接位置においては、付勢ユニット74の付勢により補助停止レバー71は同図で時計回りに最大限回動して当接面713と当接面722bとが当接した状態にある。可動ユニット10が後述する作動位置にある場合、当接部712がワークの搬送面Lよりも上方に位置しており、同図左側から搬送されてくるワークに当接部712が当接することでワークの搬送停止が可能である。
【0058】
ワーク通過許容位置においては、外力(例えば、ワークの搬送力)の作用により、付勢ユニット74の付勢に抗して補助停止レバー71は同図で反時計回りに回動し、可動ユニット10が後述する作動位置にある場合であっても、当接部712(又は連結部711b)がワークの搬送面Lよりも下方に退避した状態にある。したがって、ワークの走行を停止させずにその通過を許容する。外力が解除される(例えば、ワークが完全に通過する)と付勢ユニット74の付勢により補助停止レバー71は当接位置に戻る。
【0059】
本実施形態の場合、後述するようにワークを逆送(
図4(D)において右側から左側に搬送)する場合に、補助停止レバー71がワークの走行を停止させないように補助停止レバー71をワーク通過許容位置に回動できる構成としている。専らワークの停止のみを目的とする場合、補助停止レバー71を回動自在に構成する必要はなく、当接位置に固定した構成としてもよい。
【0060】
<停止装置1の動作例>
次に、停止装置1の動作例について
図5、
図7及び
図8を参照して説明する。
図7及び
図8は停止装置1の動作説明図である。ここでは主に、停止レバーLBによるワークの停止動作について説明する。
【0061】
図5は、上流側から下流側(同図の左から右)へ水平方向に搬送されてきたワークWを停止させる直前の状態を示している。停止装置1の可動ユニット10は、停止レバーLBのローラRLがワークWに当接可能な作動位置に位置している。この作動位置においてローラRLはワークWの下面、つまり搬送面Lよりも上方に突出している。
【0062】
弾性部材33は可動ユニット10に対して、可動ユニット10を作動位置に位置させる方向(同図では上方向であり、揺動部材111の水平状態を上限とし、回動軸54を中心とした時計回りの方向)に付勢力を付与している。なお、上記の通り、接続部52の回動規制面52aと揺動部材111の規制部111eとの当接によって、可動ユニット10は、
図5の状態から更に時計回りには回動しないようになっている。
【0063】
図5の状態では駆動部31は非駆動状態にある。弾性部材42の付勢により回動規制部材40は溝51bの上端に位置している。回動規制部材40は連結部322の当接部322bに当接して係合状態にある。駆動部31は非駆動状態であるため、弾性部材42の付勢により回動規制部材40を介して連結部322及びプランジャ321がこれらの最上方位置に押し上げられており、連結ピン113は連結孔322dの最下部に位置している。このように弾性部材42は、回動規制部材40を連結部322に係合させる方向に付勢力を付与する。
【0064】
補助停止ユニット70は、その補助停止レバー71が当接位置にある。
【0065】
図7の状態ST1は、ワークWがローラRLに当接してワークWを所定の搬送停止位置に停止させた状態を示す。本実施形態の場合、ローラRLを支持する本体部BDが軸1221を回動中心として回動自在である。このため、ワークWがローラRLに当接し始めた段階では、ワークWの搬送力が可動ユニット10全体を回動させる方向には働かず、本体部BDのみがワークWの搬送方向の下流側に向かって回動して状態ST1の形態となる。本体部BDの回動に伴って付勢ユニットBUのロッド部RDの先端に本体部BDが当接し始めるので、付勢ユニットBUによりワークWとローラRLとの衝突の衝撃が緩衝されると共に、本体部BDの回動範囲が所定の範囲に規制される。
【0066】
状態ST1の形態においては、ワークWの搬送力が可動部12を回動軸112を回動中心として時計回りに回動させる方向に働き、揺動部11に対しては、回動軸54を回動中心として反時計回りにこれを回動させる力が作用する。つまり、可動部12と揺動部11とを屈曲させる力が作用する。
【0067】
しかし、回動規制部材40と揺動部材111の当接部材114とが当接して係合状態となるので、揺動部11の回動が規制される。また、可動部12もガイド溝22の上端部とピン21との当接により、その回動が規制される。
【0068】
こうして本実施形態では、駆動部31の駆動力を利用せずに、より確実かつ強固に揺動部11及び可動部12の回動を規制でき、ワークWを所定の停止位置に停止させることができる。
【0069】
補助停止ユニット70は、その補助停止レバー71が当接位置に位置した状態が継続する。既に述べたとおり、本実施形態ではワーク当接部712が搬送停止位置よりも僅かに搬送方向下流側に位置している。しかし、搬送停止位置にワーク当接部712を位置させて状態ST1の状態においてワーク当接部712もワークWに当接するように構成してもよい。
【0070】
次に、駆動部31を駆動することで、ローラRLをワークWの下面よりも下方に後退させ、停止レバーLBのローラRLがワークWに当接不能な退避位置に可動ユニット10を回動させ、ワークWが停止装置1を通過可能とされる場合について説明する。本実施形態の場合、駆動部31は、弾性部材33の付勢に抗して可動ユニット10が退避位置側に回動する方向にプランジャ321を移動させる。
【0071】
ここで、本実施形態では、可動ユニット10の回動中心である回動軸54がワークWの停止位置よりも搬送方向で下流側に位置している。このため、仮に、可動ユニット10が回動軸112を有さず、可動部12が揺動部11に対して回動しない構成である場合、ワークWに対するローラRLの当接点は
図7の状態ST1に記載した円弧軌道T上を移動することになる。ここで、円弧軌道Tは、ワークWに対するローラRLの当接点と回動軸54の軸心との距離Rを半径とする仮想円弧である。
【0072】
ワークWに対するローラRLの当接点が、円弧軌道T上を移動する場合、ローラRLが、ワークWとローラRLとが接触した接触位置から、ワークWとローラRLとが非接触の退避位置まで動く際に、ローラRL(停止装置1)でワークWを上流側に僅かに押し戻すことになり、この押し戻す分の力だけ駆動部31の出力が余計に必要となる。本実施形態では、可動部12を揺動部11に対して回動する構成としたことで、この問題を解決している。
【0073】
図7の状態ST2は駆動部31を駆動し始めた初期の状態を示しており、プランジャ321が下方へ移動し始めている(駆動部31に引き込まれ始めている)。回動規制部材40は連結部322と係合しているので、プランジャ321および連結部322の移動に連動して、回動規制部材40もまた下方へ移動し始める。
【0074】
プランジャ321の移動方向と溝51bの長手方向が平行であるため、回動規制部材40はプランジャ321の移動方向と平行な方向に移動する。回動規制部材40が図
7の状態ST2の位置(連結ピン113が連結孔322の上端に位置している状態)まで下方へ移動すると、回動規制部材40と当接部材114とが係合(当接)しなくなり、係合が解除される。回動規制部材40と当接部材114とが、係合しているときの回動規制部材40の移動範囲を規制領域といい、係合していないときの回動規制部材40の移動範囲を規制解除領域という。
【0075】
上記の通り連結孔322dは長孔であり、連結孔322dと連結ピン113とは遊嵌である。そして、長孔の長さは、回動規制部材40が規制領域を脱するまでは、揺動部材111と連結部322とは非連結状態にあり、駆動部31から可動ユニット10に回動力が付与されないように設定されている。そして、回動規制部材40が規制解除領域に至ると、連結ピン113の周面上部が連結孔322dの上部に着座される。これによって、揺動部材111と連結部322とが連結状態となり、駆動部31から可動ユニット10に回動力が付与されることになる。
【0076】
このように、本実施形態では連結部322と揺動部材111とが、プランジャ321及び回動規制部材40の移動に遅れて連結状態になるようにしている。これは、回動規制部材40による可動ユニット10の回動規制が解除される前に、駆動部31から可動ユニット10に回動力が付与されても無駄になるため、この状態を回避しようとしたものである。
【0077】
可動ユニット10と連結部322とが連結状態になり、回動規制部材40が規制解除領域に移動した状態で、プランジャ321が更に下方へ移動すると、弾性部材33の付勢に抗して可動ユニット10が反時計回り(下向き)に回動し、
図8の状態ST3に示すように停止レバーLBが退避位置へ降下し始め、状態ST4に示すように退避位置に至ってワークの停止が解除される。補助停止ユニット70も、停止レバーLBと共に降下し、補助停止レバー71は搬送面Lから下方へ退避する。
【0078】
可動ユニット10が退避位置へ回動する際、可動部12が揺動部11に対して回動するため、可動ユニット10はその途中部位(回動軸112)において曲折する。可動部12は、規制機構20によって、回動軸112回りの回動が案内され、揺動部11に対して時計回り(上向き)に回動する。この結果、可動ユニット10が作動位置から退避位置へ回動するに伴って回動軸54とローラRLとの距離が短くなり、ローラRLとワークWとの当接点は、
図7の円弧軌道Tよりも内側を移動する。
【0079】
この状態ST3から状態ST4に至る動作を更に説明する。揺動部11が回動軸54を中心に反時計回りに回転をはじめ、これによって回動軸112も揺動部11と共に移動することになる。
【0080】
ここで、ガイド溝22はその上部が上下方向に延設されており、可動部材121はピン21を介して
図7で右側への移動が規制されている。この為、可動部材121は、ガイド溝22に沿って下方向に移動すると共に、ピン21を中心に時計回りに回りはじめる。
【0081】
この結果、ローラRLは時計回りに移動しながら下方向に移動することになる。つまり、ローラRLは搬送方向の下流側、下方向(
図8の右下方向)に移動することになる。
【0082】
なお、揺動部11の揺動部材111の長さ、回動軸112とピン21の距離、ローラRLとピン21との距離等によっては、可動部材121が下方向に移動する距離よりも、ローラRLがその時計回りの移動により上方向に移動する距離が、一時的に大きくなる場合も考えられる。
【0083】
しかし、この場合もローラRLは絶えず搬送方向で下流側に移動する。このため、ローラRLとワークWとの当接点は、円弧軌道Tよりも内側を移動し、ローラRLとワークWの当接点と、回動軸54との距離は短くなる。
【0084】
次に、ガイド溝22はその下部が搬送方向下流側に向かって下方に傾斜して延設されている。これにより、可動部材121はピン21を介して搬送方向下流側に案内されることになる。そのため、ローラRLの搬送方向下流側で下方向の移動が更に促進される。これら二つの動き(搬送方向下流側への案内(水平移動)と、下方向への移動)を組み合わせることで、より円滑にローラRLを退避位置に移行することができる。
【0085】
このように本実施形態では、可動ユニット10を作動位置から退避位置へ回動させる際に、可動部12は下方へ略真っ直ぐ移動し、その後、搬送方向下流側で下方に移動することになり、ワークWを上流側に押し戻す方向へ移動することはない。すなわち、可動部12を作動位置から退避位置へ回動させる際に、その回動力にワークWを上流側に押し戻す力を加味する必要はない。
【0086】
このため、停止装置1のアクチュエータ(駆動部31)として、より低出力の駆動部31アクチュエータを採用可能とすることができる。
【0087】
なお、ローラRLとワークWとの当接点を円弧軌道Tよりも内側を移動させ、回動軸54と当接点との距離が短くなるようにローラRLを移動させる事ができれば、ガイド溝22の形状はどのようなものであってもよい。
【0088】
本実施形態の場合、回動軸54に対して、連結部322と揺動部11とが連結される位置(連結ピン113)を、弾性部材33が揺動部11に対して付勢力を付与する作用位置(開口部111h)よりも離れた位置に設けている。このため、回転軸54に対して、連結ピン113の位置を作用位置よりも近くに設ける場合と比べて、梃子の原理により、駆動部31はより低出力のものを利用できる。
【0089】
図8の状態ST4から駆動部31を非駆動状態とすると、弾性部材33と弾性部材42との復元力により、揺動部11および可動部12は、
図5の状態に復帰することになる。なお、ローラRLが、搬送が再開されたワークWの底面に当接した状態(状態ST4)で駆動部31を非駆動状態とすると、弾性部材33と弾性部材42との復元力により、ワークWの通過後、揺動部11および可動部12は、
図5の状態に復帰する。この結果、補助停止ユニット70も
図5の状態に復帰する。停止レバーLBは付勢ユニットBUの付勢により
図5の状態に復帰する。
【0090】
本実施形態では、回動規制部材40を可動部32の移動に連動させて移動させたことにより、単方向にのみ駆動力を発揮する駆動部31を採用しながら、可動ユニット10が作動位置から不意に回動してしまうことの防止や、可動ユニット10の退避位置への移動ができ、停止装置に必要な機能を実現することができる。
【0091】
<補助停止ユニット70による停止例>
次に、補助停止ユニット70によるワークWの停止例について説明する。まず、
図9を参照して補助停止ユニット70が無い場合に、ワークWが停止できなくなる状況について説明する。
【0092】
状態ST11及び状態ST12は、
図5及び
図7の状態ST1と同じ状況を示しており、上流側から搬送されてきたワークWを停止した状況を示している。この後、状態ST13ではワークWが不図示の昇降機構により上昇される。ワークWには、例えば上方に待機される装置により何らかの処理が施される。この時、ワークWによる押圧がなくなるので、停止レバーLBは付勢ユニットBUの付勢により搬送方向上流側に回動して状態ST11と同じ位置に戻ってしまう。
【0093】
状態ST14はワークWが搬送停止位置に降下してきた状態を示す。この時、ローラRLは停止位置よりも上流側に戻っているので、ワークWがローラRLを押し下げ、状態ST15に示すように停止レバー
LBが上流側へ更に回動してしまう。
【0094】
この結果、ワークWの搬送を停止するものがなくなり、状態ST16に示すようにワークWは下流側へ搬送されてしまうことになる。
【0095】
ワークWを降下した後、そのまま搬送する場合は問題がないが、再度停止させておく必要がある場合には、ワークWを停止させることができない。補助停止ユニット70はこのような場合にワークWを停止するものである。
【0096】
図10は補助停止ユニット70の動作説明図である。状態ST21及び状態ST22は、
図9の状態ST11及び状態ST12と同じ状況を示しており、上流側から搬送されてきたワークWを停止した状況を示している。ワークWは停止レバーLBで停止され、この段階では補助停止ユニット70はワークWの停止に寄与していない。この後、状態ST23では、状態ST13と同様、ワークWが不図示の昇降機構により上昇される。
【0097】
この時、状態ST13と同様、ワークWによる押圧がなくなるので、停止レバーLBは付勢ユニットBUの付勢により搬送方向上流側に回動して状態ST11と同じ位置に戻ってしまう。しかし、補助停止ユニット70の当接部712が搬送面Lよりも上方に位置している。
【0098】
状態ST24はワークWが搬送停止位置に降下してきた状態を示す。この時、ローラRLは停止位置よりも上流側に戻っているので、ワークWがローラRLを押し下げ、停止レバー
LBが上流側へ更に回動してしまう。しかし、補助停止ユニット70の当接部712が搬送面Lよりも上方に位置しているため、状態ST25に示すようにワークWは当接部712と当接して搬送が停止される。
【0099】
搬送停止を解除する場合、状態ST26へ示すように、可動ユニット10を退避位置に変位する。これにより当接部712が搬送面Lよりも下方へ退避し、ワークWは下流側へ搬送されることになる。
【0100】
このように本実施形態では、ワークWの停止後、ワークWを上昇して再び停止位置に降下した場合に、ワークWが搬送されてしまうことを防止することができる。
【0101】
なお、上記実施形態の構成は一例にすぎず、可動ユニット10や駆動ユニット30といった各構成は様々な構成を採用できることはいうまでもない。例えば、可動ユニット10として、本実施形態のようにその途中部分が回動する構成ではなく、全体として一体的に回動する構成でもよく、或いは、回動ではなく平行移動により変位する構成であってもよい。また、駆動ユニット30として、モータ等のように双方向に駆動力を発揮するものをもちいてもよく、この場合、弾性部材33や規制機構20を省略できる場合がある。
【0102】
<ワークの逆送>
テスト動作時等に、ワークWを逆送(下流側から上流側へ搬送する場合)する必要が生じる場合がある。可動ユニット10を退避位置に維持しておけば、ワークWを逆送する際に、停止レバーLBや補助停止ユニット70がワークWの走行を停止することはないが、電力を消費する。そこで、可動ユニット10が作動位置に位置したまま、ワークWを逆送できることが好ましい。
【0103】
停止レバーLBについては、ワークWが下流側から当接した場合に、状態ST15や状態ST24に示したように停止レバーLBが上流側に回動するため、ワークWの走行を停止させることはない。補助停止ユニット70についても、本実施形態の場合、補助停止レバー71がワーク通過許容位置に回動するため、ワークWの走行を停止させることはない。
図11はその説明図である。
【0104】
状態ST31は、下流側からワークWが逆送されてきた状態を示す。可動ユニット10は作動位置に位置している。状態ST32に示すように、ワークWが補助停止レバー71に下流側から当接すると、先ず、補助停止レバー71が上流側に回動することでワークWの走行を許容する。続けて、ワークWが停止レバーLBに当接すると、停止レバーLBが上流側に回動することでワークWの走行を許容する。ワークWが補助停止レバー71の位置を完全に通過すると、付勢ユニット74の付勢力により、補助停止レバー71が状態ST31の位置に復帰する。続けて、ワークWが停止レバーLBの位置を完全に通過すると、リターンスプリングの付勢力により、停止レバーLBが状態ST31の位置に復帰する。その後、上流側からワークWが順送されてきた場合には、
図10の状態ST21、ST22に示したように、その停止が可能である。
【0105】
<他の実施形態>
テスト動作時等に、順送、逆送を問わず、ワークWの搬送を停止したくない場合がある。この場合、可動ユニット10を退避位置に維持しておけば、停止レバーLBや補助停止ユニット70がワークWを停止することはないが、電力を消費する。そこで、機械的に可動ユニット10を退避位置に維持する機構を設けることもできる。
図12(A)及び
図12(B)はその一例を示す。
【0106】
支持ユニット50の壁部51には固定具81が着脱自在に装着される装着部80が設けられている。本実施形態の場合、装着部80は壁部51をその厚み方向に貫通する孔であり、固定具81はピンであるが他の構造であってもよい。装着部80は、退避位置に可動ユニット10を移動させたときに可動ユニット10よりも上側となる位置に形成されている。
【0107】
可動ユニット10を、例えば手動で退避位置に移動し、装着部80に固定具81を挿入する。すると、
図12(B)に示すように、可動ユニット10の上側に固定具81が位置し、可動ユニット10が作動位置に戻ること、すなわち可動ユニット10が上方に回動することを規制する。こうして、可動ユニット10を退避位置に位置させることを物理的に維持することができる。
【0108】
次に、順送、逆送を問わず、ワークWの搬送を停止したくない場合の別の対策例について説明する。補助停止ユニット70は取り外し可能であるので、補助停止ユニット70は可動ユニット10から取り外す。これにより、補助停止ユニット70によってワークWの走行が停止される場合は無くなることになる。停止レバーLBについては、
図9の状態ST15や
図10の状態ST24に示すように、ワークWに当接しない位置(非停止位置と呼ぶ)に維持できれば、可動ユニット10の位置に関わらずワークWの搬送を停止することはない。そこで、物理的に停止レバーLBを非停止位置に維持する機構を設けることもできる。
図13(A)及び
図13(B)はその一例を示す。
【0109】
可動ユニット10の支持部材1222には固定具92が着脱自在に装着される装着部90が設けられている。また、停止レバーLBの本体部BDにも固定具92が着脱自在に装着される装着部91が設けられている。本実施形態の場合、装着部90は支持部材1222をその厚み方向に貫通する孔であり、装着部91は有底孔又は貫通孔である。固定具92はピンである。これらは他の構造であってもよい。
【0110】
装着部90と装着部91とは、停止レバーLBが非停止位置に位置した場合に、互いに連通する位置に形成されている。停止レバーLBを、例えば手動で非停止位置に移動し、
図13(B)に示すように装着部90及び91に固定具92を挿入する。すると、停止レバーLBの、ワークWの搬送方向下流側への回動が固定具92により規制され、停止レバーLBを非停止位置に位置させることを物理的に維持することができる。
【0111】
なお、装着部91を省略する構成も可能であり、例えば、固定具92が本体部BDの後端部下面の下側に位置するように装着部90を設ける位置を調整してもよい。