(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水70重量%〜99重量%及びポリマーを含む汚れ捕捉剤0.005重量%超〜5重量%を含む液体洗浄組成物であって、前記ポリマーは、使用に際して前記液体洗浄組成物が38mg以上の汚れ吸着値を示すように、汚れを吸着し、捕捉し、保持するものであり、前記汚れ吸着値は保持された汚れの平均量であり、前記保持された汚れは下式から計算されるものであり、
保持された汚れ=重量添加された汚れ−重量残留汚れ
(式中、
重量添加された汚れは、0.1784g±0.0005gのBlack Todd Clayであり、
重量残留汚れは、重量皿+乾燥汚れ−重量皿であり、皿に残った乾燥汚れの量である。)
前記ポリマーが、
a.少なくとも69.9重量%のα,β−エチレン性不飽和アミドから選択される非イオン性モノマー単位;
b.30.1重量%以下のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸及び対応する無水物、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマー単位;
c.30.1重量%以下のアクリロイル−又はアクリロイルオキシアンモニウムモノマー、ポリ四級化モノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマー単位;及び
d.30.1重量%以下の3−((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(SZ)、N−(カルボキシメチル)−3−メタクリルアミド−N,N−ジメチルプロパン−1−アミニウムクロリド(CZ)、及びこれらの混合物からなる群から選択される双極性モノマー単位
からなる群から選択される2以上のモノマー単位を含み、
前記ポリマーが、
(i)グループaからの少なくとも1つのモノマー単位及びグループdからの少なくとも1つのモノマー単位の組み合わせ、
(ii)グループaからの少なくとも1つのモノマー単位、グループbからの少なくとも1つのモノマー単位、及びグループdからの少なくとも1つのモノマー単位の組み合わせ、又は
(iii)グループaからの少なくとも1つのモノマー単位、グループcからの少なくとも1つのモノマー単位、及びグループdからの少なくとも1つのモノマー単位の組み合わせを含み、
前記液体洗浄組成物が2.5から5.0のpHを示す、液体洗浄組成物。
前記カチオン性モノマー単位が、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)に由来する、請求項1〜3のいずれかに記載の液体洗浄組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
I.定義
本明細書で使用する場合、以下の用語は下記で指定される意味を有する。
「アニオン性モノマー」とは、本明細書で使用するとき、pH 7で正味の負電荷を示す及び/又は本明細書でアニオン性モノマーとして分類されるモノマーを意味する。アニオン性モノマーは、一般的に、例えばアンモニウム等のカチオン性基のナトリウムのような、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のプロトン又はカチオン等の、1以上のカチオンに結合している。
【0012】
「アニオン性モノマー単位」とは、本明細書で使用するとき、pH 7で正味の負電荷を示す及び/又は本明細書でアニオン性モノマー単位として分類されるモノマー単位を意味する。アニオン性モノマー単位は、アニオン性モノマーに由来し得る。アニオン性モノマー単位は、一般的に、例えばアンモニウム等のカチオン性基のナトリウムのような、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のプロトン又はカチオン等の、1以上のカチオンに結合している。
【0013】
「物品」とは、本明細書で使用するとき、ウェブ、スポンジ、発泡体構造、共成形(co-form)材料、又は粒子等の任意の固形物である。一例では、物品は、乾燥物品である。
【0014】
「坪量」とは、本明細書で使用するとき、gsmで報告されるサンプルの単位面積当たりの重量であり、また本明細書に記載する坪量試験方法に従って測定される。
【0015】
「カチオン性モノマー」とは、本明細書で使用するとき、pH 7で正味の正電荷を示す及び/又は本明細書でカチオン性モノマーとして分類されるモノマーを意味する。カチオン性モノマーは、一般的に、塩化物イオン、臭化物イオン、スルホナート基、及び/又はメチルスルファート基等の1以上のアニオンと結合している。
【0016】
「カチオン性モノマー単位」とは、本明細書で使用するとき、pH 7で正味の正電荷を示す及び/又は本明細書でカチオン性モノマー単位として分類されるモノマー単位を意味する。カチオン性モノマー単位は、一般的に、塩化物イオン、臭化物イオン、スルホナート基、及び/又はメチルスルファート基等の1以上のアニオンと結合している。
【0017】
「乾燥物品」とは、本明細書で使用するとき、物品が、本明細書に記載する含水量試験方法に従って測定したとき、約30重量%未満及び/又は約20重量%未満及び/又は10重量%未満及び/又は5重量%未満及び/又は3重量%未満及び/又は2重量%未満及び/又は1重量%未満及び/又は0.5重量%未満の水分を含むことを意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「繊維」及び/又は「フィラメント」は、見掛け上の長さが見掛け上の幅を大きく上回っている、すなわち、長さの直径に対する比が少なくとも約10である細長い微粒子を意味する。一例では、「繊維」は、長さが5.08cm(2インチ)未満の細長い微粒子であり、「フィラメント」は、長さが5.08cm(2インチ)以上の細長い微粒子である。
【0019】
本明細書で使用するとき、「繊維性構造体」は、繊維性フィラメント及び/又は繊維を含む構造体を意味する。一例では、本発明に係る繊維性構造体は、機能を果たすために、フィラメント及び/又は繊維が規則正しく配列している構造体を意味する。繊維性構造体の非限定的な例としては、紙、布地(織布、編地、及び不織布を含む)、及び吸収性パッド(例えば、おむつ又は婦人衛生製品用)を挙げることができる。
【0020】
「フィルム」は、長さ及び幅が厚みを大きく超えるシート状材料を指す。
【0021】
「硬質表面」とは、典型的に、セラミック、エナメル、塗装及び非塗装コンクリート、しっくい、レンガ、ビニル、ワックス不要のビニル、リノリウム、メラミン、Formica(登録商標)、ガラス、任意のプラスチック、金属、クロムめっき表面等の様々な材料で製造される、浴室、台所、地下室、及び車庫等の家の中及び家の周辺でみられる、例えば、床、壁、タイル、窓、調理台、シンク、シャワー、シャワー可塑化カーテン、洗面台、WC、皿、装備品及び建具等、任意の種類の表面を指す。表面という用語は、本明細書で使用するとき、洗濯機、自動乾燥機、冷蔵庫、冷凍庫、オーブン、電子レンジ、食器洗浄機等が挙げられるがこれらに限定されない家庭電化製品も含む。
【0022】
「モノマー単位」とは、本明細書で使用するとき、ポリマーの構成単位(構造単位と呼ばれることもある)である。
【0023】
「非イオン性モノマー」とは、本明細書で使用するとき、pH 7で正味電荷を示さない及び/又は本明細書で非イオン性モノマーとして分類されるモノマーを意味する。
【0024】
「非イオン性モノマー単位」とは、本明細書で使用するとき、pH 7で正味電荷を示さない及び/又は本明細書で非イオン性モノマー単位として分類されるモノマー単位を意味する。非イオン性モノマー単位は、非イオン性モノマーに由来し得る。
【0025】
「数平均分子量」は、本明細書で使用するとき、Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects,Vol.162,2000,pg.107〜121にみられるプロトコルに従ってゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定したときの数平均分子量M
nを意味する。
【0026】
「多分散指数」又は「PDI」は、本明細書で使用するとき、ゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定したとき、重量平均分子量の数平均分子量に対する比M
w/M
nを意味する。
【0027】
「衛生ティッシュ製品」は、本明細書で使用するとき、排尿及び排便後の洗浄用(トイレットペーパー)、耳鼻咽喉科的排泄物用(ティッシュペーパー)、及び多機能吸収及び洗浄用(吸収性タオル)の拭き取り具、並びに箱等の容器から分配される折り畳まれた衛生ティッシュ製品を含むナプキン及び/又はティッシュペーパー等の折り畳まれた衛生ティッシュ製品として有用な柔らかい低密度(すなわち、約<0.15g/cm
3)のウェブを意味する。衛生ティッシュ製品は、衛生ティッシュ製品のロールを形成するように、芯を中心に、又は芯なしで、それ自体に回旋状に巻き付けられていてもよい。
【0028】
「汚れ」は、埃、泥、食品微粒子、皮脂又は油っぽい残留物、すす等を含んでよい、自然界では微粒子状であることが多い有機又は無機物質を指す。
【0029】
「ウェブ」は、本明細書で使用するとき、繊維性構造体又はフィルムを意味する。
【0030】
「重量平均分子量」は、本明細書で使用するとき、Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects,Vol.162,2000,pg.107〜121にみられるプロトコルに従ってゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定したときの重量平均分子量M
wを意味する。
【0031】
「双極性モノマー」は、本明細書で使用するとき、pH 7で同じモノマーにおいて負電荷及び正電荷の両方を示す及び/又は本明細書で双極性モノマーとして分類されるモノマーを意味する。双極性モノマーは、一般的に、例えば、ナトリウム、若しくはアンモニウム等のカチオン性基等の1以上のカチオン(アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のようなプロトン若しくはカチオン)に結合しており、また、塩化物イオン、臭化物イオン、スルホナート基、及び/又はメチルスルファート基等の1以上のアニオンとに結合している。
【0032】
「双極性モノマー単位」は、本明細書で使用するとき、pH 7で同じモノマー単位において負電荷及び正電荷の両方を示す及び/又は本明細書で双極性モノマー単位として分類されるモノマー単位を意味する。双極性モノマー単位は、双極性モノマーに由来し得る。双極性モノマー単位は、一般的に、例えば、ナトリウム、若しくはアンモニウム等のカチオン性基等の1以上のカチオン(アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のようなプロトン若しくはカチオン)に結合しており、また、塩化物イオン、臭化物イオン、スルホナート基、及び/又はメチルスルファート基等の1以上のアニオンとに結合している。
【0033】
II.ポリマー及び汚れ捕捉剤
本明細書に記載する汚れ捕捉剤は、汚れの捕捉における効果を高める。このような汚れ捕捉剤は、単独で用いても、他の成分と組合せて洗浄組成物(例えば、液体洗浄溶液)を形成してもよい。特定の実施形態では、このような汚れ捕捉剤は、ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、幾つかのモノマー単位を含み得るので、1種類のモノマー単位からなるホモポリマーではなくコポリマーと呼ばれる場合もある。本開示のポリマーは、ターポリマー(3つの異なるモノマー単位)であってもよい。本開示のポリマーは、ランダムコポリマーであってもよい。一例では、本開示のポリマーは、水溶性及び/又は水分散性であってよく、これは、前記ポリマーが、少なくとも特定のpH及び濃度範囲にわたって、23℃±2.2℃及び相対湿度50%±10%で、水中にて二相組成物を形成しないことを意味する。
【0034】
一例では、本発明のポリマーは、2,000,000g/モル未満及び/又は1,750,000g/モル未満及び/又は1,700,000g/モル未満及び/又は1,500,000g/モル未満及び/又は500,000g/モル超及び/又は900,000g/モル超の数平均分子量を示す。別の例では、ポリマーは、約500,000〜2,000,000g/モル及び/又は約900,000〜1,700,000g/モル及び/又は1,000,000〜1,500,000g/モルの数平均分子量を示す。
【0035】
別の例では、本発明のポリマーは、本明細書に記載する汚れ吸着試験方法に従って測定したとき、少なくとも38mg及び/又は少なくとも40mg及び/又は少なくとも42mg及び/又は少なくとも45mg及び/又は少なくとも47mg及び/又は少なくとも50mg及び/又は少なくとも53mg及び/又は少なくとも55mg及び/又は少なくとも57mg及び/又は少なくとも60mg及び/又は少なくとも62mgの汚れ吸着値を示す。
【0036】
更に別の例では、本発明のポリマーは、本明細書に記載する電荷密度試験方法に従って測定したとき、約−0.1meq/g及び/又は約−0.05meq/g及び/又は約−0.02meq/g及び/又は約0meq/gから約+0.1meq/g及び/又は約+0.09meq/g及び/又は約+0.08meq/g及び/又は約+0.06meq/g及び/又は約+0.05meq/g及び/又は約+0.02meq/gの(pH 4.5における)電荷密度を示す。更に別の例では、本発明のポリマーは、本明細書に記載する電荷密度試験方法に従って測定したとき、約−0.1meq/g〜約+0.1meq/g及び/又は−0.05meq/g〜約+0.1meq/g及び/又は約0から+0.1meq/g未満及び/又は+0.09meq/g未満及び/又は+0.08meq/g未満及び/又は+0.06meq/g未満及び/又は+0.05meq/g未満の電荷密度を示す。一例では、本発明のポリマーは、約0〜約0.1meq/gの過剰電荷(電荷密度)を示す。別の例では、本発明のポリマーは、約0.05meq/gかそれ以下の過剰電荷(電荷密度)を示す。
【0037】
別の例では、ポリマーは、2.5未満及び/又は2.0未満及び/又は1.7未満及び/又は1.5未満及び/又は1.3未満の多分散指数を示す。
【0038】
一例では、本発明のポリマーは、a.非イオン性モノマー単位、b.アニオン性モノマー単位、c.カチオン性モノマー単位、d.双極性モノマー単位、及びe.これらの混合物からなる群から選択される2以上のモノマー単位を含む。
【0039】
本発明のポリマーは、本明細書に記載する汚れ吸着試験方法に従って測定したとき、少なくとも38mgの汚れ吸着値を示し得る。
【0040】
a.非イオン性モノマー単位
非イオン性モノマー単位は、非イオン性親水性モノマー単位、非イオン性疎水性モノマー単位、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0041】
本発明に好適な非イオン性親水性モノマー単位の非限定的な例としては、以下からなる群から選択される非イオン性親水性モノマーに由来する非イオン性親水性モノマー単位が挙げられる:α,β−エチレン性不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピルアクリレート及びメタクリレート、グリセリルモノメタクリレート、α,β−エチレン性不飽和アミド、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ポリ(エチレンオキシド)タイプの水溶性ポリオキシアルキレンセグメントを有するα,β−エチレン性不飽和モノマー、例えば、ポリ(エチレンオキシド)α−メタクリレート(Bisomer S20W,S10W等、Laporte製)又はα,ω−ジメタクリレート、Sipomer BEM(Rhodia製、ω−ベヘニルポリオキシエチレンメタクリレート)、Sipomer SEM−25(Rhodia製、ω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレート)、酢酸ビニル等の親水性単位又はセグメントの前駆体であるα,β−エチレン性不飽和モノマー
であって、いったん重合されるとビニルアルコール単位又はポリビニルアルコールセグメントを生じさせるために加水分解され得るもの、ビニルピロリドン、ウレイドタイプのα,β−エチレン性不飽和モノマー、特に、2−イミダゾリジノン−エチルメタクリルアミド(Sipomer WAM II、Rhodia製)、及びそれらの混合物。一例では、非イオン性親水性モノマー単位は、アクリルアミドに由来する。
【0042】
本発明に好適な非イオン性疎水性モノマー単位の非限定的な例としては、以下からなる群から選択される非イオン性疎水性モノマーに由来する非イオン性疎水性モノマー単位が挙げられる:ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルハライド又はビニリデンハライド、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、α,β−モノ
エチレン性不飽和酸のC
1〜C
12アルキルエステル、例えば、メチル、エチル、又はブチルアクリレート及びメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、飽和カルボン酸のビニルエステル又はアリルエステル、例えば、酢酸、プロピオン酸、バーサチック酸(versatates)、ステアリン酸ビニル又はアリル、3〜12個の炭素原子を含有するα,β−モノエチレン性不飽和ニトリル、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−オレフィン、例えば、エチレン、共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、並びにこれらの混合物。
【0043】
b.アニオン性モノマー単位
本発明に好適なアニオン性モノマー単位の非限定的な例としては、少なくとも1つのカルボン酸官能基を有するモノマー、例えば、α,β−エチレン不飽和性カルボン酸又は対応する無水物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、若しくはマレイン酸、又は無水物、フマル酸、イタコン酸、N−メタクロイルアラニン、N−アクリロイルグリシン、及びこれらの水溶性塩、重合後に加水分解によってカルボン酸官能基を生じさせるt−ブチルアクリレート等のカルボキシレート官能基の前駆体であるモノマー、少なくとも1つのスルファート又はスルホナート官能基を有するモノマー、例えば、2−スルホオキシエチルメタクリレート、ビニルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、スルホエチルアクリレート又はメタクリレート、スルホプロピルアクリレート又はメタクリレート、及びこれらの水溶性塩、少なくとも1つのホスホナート又はホスファート官能基を有するモノマー、例えば、ビニルホスホン酸等、エチレン性不飽和ホスファートエステル、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレートに由来するホスファート(Empicryl 6835、Rhodia製)、及びポリオキシアルキレンメタクリレートに由来するもの、及びこれらの水溶性塩、及び2−カルボキシエチルアクリレート(CEA)、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来するアニオン性モノマー単位が挙げられる。一例では、アニオン性モノマー単位は、アクリル酸、AMPS、CEA、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来する。別の例では、アニオン性モノマー単位は、アクリル酸に由来する。
【0044】
c.カチオン性モノマー単位
本発明に好適なカチオン性モノマー単位の非限定的な例としては、以下からなる群から選択されるカチオン性モノマーに由来するカチオン性モノマー単位が挙げられる:α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のN,N−(ジアルキルアミノ−ω−アルキル)アミド、例えば、N,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド又は−メタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリルアミド又は−メタクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド又は−メタクリルアミド、及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチルアクリルアミド又は−メタクリルアミド、α,β−モノエチレン性不飽和アミノエステル、例えば、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(DMAA)、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAM)、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジペンチルアミノ)エチルメタクリレート、及び2(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、ビニルピリジン、ビニルアミン、ビニルイミダゾリン、単純な酸又は塩基の加水分解によって一級アミン官能基を生じさせるアミン官能基の前駆体であるモノマー、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイル−又はアクリロイルオキシアンモニウムモノマー、例えば、
トリメチルアンモニウムプロピルメタクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチルアクリルアミド又は−メタクリルアミドクロリド又はブロミド、トリメチルアンモニウムブチルアクリルアミド又は−メタクリルアミドメチルスルファート、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドメチルスルファート、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルファート(MAPTA−MES)、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、メタクリロイルオキシエチル−トリメチルアンモニウムクロリド又はメチルスルファート、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド;1−エチル−2−ビニルピリジウム又は1−エチル−4−ビニルピリジウムブロミド、クロリド、又はメチルスルファート;N,N−ジアルキルジアリルアミンモノマー、例えば、N,N−ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC);ポリ四級化モノマー、例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドクロリド、及びN−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム(DIQUAT又はDQ)及び2−ヒドロキシ−N
1−(3−(2((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアミノ)−アセトアミド)プロピル)−N
1,N
1,N
3,N
3,N
3−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアミニウムクロリド(TRIQUAT又はTQ)、並びにこれらの混合物。一例では、カチオン性モノマー単位は、四級化アンモニウムモノマー単位、例えば、モノ四級化アンモニウムモノマー単位、ジ四級化アンモニウムモノマー単位、及びトリ四級化アンモニウムモノマー単位を含む。一例では、カチオン性モノマー単位は、MAPTACに由来する。別の例では、カチオン性モノマー単位は、DADMACに由来する。更に別の例では、カチオン性モノマー単位は、TQに由来する。
【0045】
一例では、カチオン性モノマー単位は、以下からなる群から選択されるカチオン性モノマーに由来する:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、及びビニルイミダゾール、並びにこれらの混合物。
【0046】
別の例では、カチオン性モノマー単位は、以下からなる群から選択されるカチオン性モノマーに由来する:トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、1−エチル−2−ビニルピリジニウムブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、4−ビニルピリジニウムブロミド、クロリド、又はメチルスルファート、及びこれらの混合物。
【0047】
d.双極性モノマー単位
本発明に好適な双極性モノマー単位の非限定的な例としては、以下からなる群から選択される双極性モノマーに由来する双極性モノマー単位が挙げられる:スルホベタインモノマー、例えば、スルホプロピルジメチルアンモニウムエチルメタクリレート(SPE、Raschig製)、スルホプロピルジメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミド(SPP、Raschig製)、及びスルホプロピル−2−ビニルピリジニウム(SPV、Raschig製)、3−((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(SZ)、ホスホベタインモノマー、例えば、ホスファトエチルトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート、カルボキシベタインモノマー、N−(カルボキシメチル)−3−メタクリルアミド−N,N−ジメチルプロパン−1−アミニウムクロリド(CZ)。一例では、双極性モノマー単位は、CZ、SZ、及びこれらの混合物に由来する。
【0048】
一例では、本発明のポリマーは、グループa(非イオン性モノマー単位)及びb(アニオン性モノマー単位)から選択される少なくとも1つのモノマー単位と、グループc(カチオン性モノマー単位)及びd(双極性モノマー単位)からなる群から選択される少なくとも1つのモノマー単位とを含んでよい。
【0049】
一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%及び/又は少なくとも70重量%及び/又は少なくとも75重量%及び/又は少なくとも80重量%及び/又は少なくとも85重量%及び/又は少なくとも90重量%及び/又は少なくとも95重量%及び/又は少なくとも98重量%及び/又は少なくとも99重量%及び/又は少なくとも99.5重量%のグループaからのモノマー単位を含む。ポリマーの残部(合計30.1重量%以下及び/又は30重量%以下及び/又は25重量%以下及び/又は20重量%以下及び/又は15重量%以下及び/又は10重量%以下及び/又は5重量%以下及び/又は2重量%以下及び/又は1重量%以下及び/又は0.5重量%以下)は、グループb、c、及びdから選択される1以上のモノマー単位を含む。一例では、ポリマーは、約70重量%〜約99.5重量%のグループからaのモノマー単位、約0.1重量%〜約10重量%のグループbからのモノマー単位、約0.3重量%〜約29重量%のグループcからのモノマー単位を含む。更に別の例では、ポリマーは、約70重量%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位、合計約0.5重量%〜約30重量%のグループb及びcからのモノマー単位を含む。
【0050】
一例では、ポリマーは、少なくとも0.1重量%及び/又は少なくとも1%及び/又は少なくとも5重量%及び/又は少なくとも7重量%及び/又は少なくとも10重量%から約25重量%及び/又は約20重量%及び/又は約15重量%のグループbからのモノマー単位を含む。
【0051】
一例では、ポリマーは、少なくとも0.1重量%及び/又は少なくとも0.3重量%及び/又は少なくとも0.5%及び/又は少なくとも1%及び/又は少なくとも5重量%及び/又は少なくとも7重量%及び/又は少なくとも10重量%から約75重量%及び/又は約70重量%及び/又は約65重量%及び/又は約55重量%及び/又は約40重量%及び/又は約30重量%及び/又は約25重量%及び/又は約20重量%及び/又は約15重量%のグループcからのモノマー単位を含む。
【0052】
一例では、ポリマーは、少なくとも0.1重量%及び/又は少なくとも0.3重量%及び/又は少なくとも1%及び/又は少なくとも5重量%及び/又は少なくとも7重量%及び/又は少なくとも10重量%から約75重量%及び/又は約70重量%及び/又は約65重量%及び/又は約55重量%及び/又は約40重量%及び/又は約30重量%及び/又は約25重量%及び/又は約20重量%及び/又は約15重量%のグループdからのモノマー単位を含む。
【0053】
別の例では、ポリマーは、30.1重量%以下の、グループb、グループc、グループd、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマー単位を含む。
【0054】
一例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位とグループbからのモノマー単位とを含んでよい。
【0055】
一例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位とグループcからのモノマー単位とを含んでよい。
【0056】
別の例では、本発明のポリマーは、グループからaのモノマー単位とグループdからのモノマー単位とを含んでよい。
【0057】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループbからのモノマー単位とグループcからのモノマー単位とを含んでよい。
【0058】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループbからのモノマー単位とグループdからのモノマー単位とを含んでよい。
【0059】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループcからのモノマー単位とグループdからのモノマー単位とを含んでよい。
【0060】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループaからのモノマー単位、グループbからのモノマー単位、及びグループcからのモノマー単位を含んでよい。
【0061】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループaからのモノマー単位、グループbからのモノマー単位、及びグループdからのモノマー単位を含んでよい。
【0062】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループaからのモノマー単位、グループcからのモノマー単位、及びグループdからのモノマー単位を含んでよい。
【0063】
別の例では、本発明のポリマーは、グループbからのモノマー単位、グループcからのモノマー単位、及びグループdからのモノマー単位を含んでよい。
【0064】
更に別の例では、本発明のポリマーは、グループaからのモノマー単位、グループbからのモノマー単位、グループcからのモノマー単位、及びグループdからのモノマー単位を含んでよい。
【0065】
一例では、ポリマー中に存在する場合、グループbからのモノマー単位及びグループcからのモノマー単位は、約3:1〜1:3及び/又は約2:1〜1:2及び/又は約1.3:1〜1:1.3及び/又は約1:1かそれ以下、又は約1:1かそれ以上のモル比でポリマー中に存在する。
【0066】
別の例では、ポリマー中に存在する場合、グループbからのモノマー単位及びグループdからのモノマー単位は、約3:1〜1:3及び/又は約2:1〜1:2及び/又は約1.3:1〜1:1.3及び/又は約1:1かそれ以下、又は約1:1かそれ以上のモル比でポリマー中に存在する。
【0067】
別の例では、ポリマー中に存在する場合、グループcからのモノマー単位及びグループdからのモノマー単位は、約3:1〜1:3及び/又は約2:1〜1:2及び/又は約1.3:1〜1:1.3及び/又は約1:1かそれ以下、又は約1:1かそれ以上のモル比でポリマー中に存在する。
【0068】
更に別の例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位とグループcからのモノマー単位とを含む。例えば、ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位と四級化アンモニウムモノマー単位とを含んでよい。四級化モノマー単位は、モノ四級化アンモニウムモノマー単位、ジ四級化アンモニウムモノマー単位、及びトリ四級化アンモニウムモノマー単位からなる群から選択してよい。一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%のグループaからのモノマー単位と、30.1重量%以下のグループcからのモノマー単位とを含んでよい。
【0069】
更に別の例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位とグループbからのモノマー単位とを含む。例えば、ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位とアクリル酸モノマー単位とを含んでよい。一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%のグループaからのモノマー単位と、30.1重量%以下のグループbからのモノマー単位とを含んでよい。
【0070】
更に別の例では、ポリマーは、グループbからのモノマー単位とグループcからのモノマー単位とを含む。例えば、ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、カルボキシエチルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来するアニオン性モノマー単位と、四級アンモニウムモノマー単位とを含んでよい。四級化アンモニウムモノマー単位は、モノ四級化アンモニウムモノマー単位、ジ四級化アンモニウムモノマー単位、トリ四級化アンモニウムモノマー単位、及びこれらの混合物からなる群から選択される四級化モノマーに由来してよい。一例では、ポリマーは、アクリル酸に由来するアニオン性モノマー単位と、MAPTACに由来する四級化アンモニウムモノマー単位とを含む。一例では、ポリマーは、25重量%以下のグループbからのモノマー単位と、75重量%以下のグループcからのモノマー単位とを含んでよい。
【0071】
更に別の例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位、グループbからのモノマー単位、及びグループcからのモノマー単位を含む。例えば、ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、カルボキシエチルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来するアニオン性モノマー単位と、四級アンモニウムモノマー単位とを含んでよい。四級化アンモニウムモノマー単位は、モノ四級化アンモニウムモノマー単位、ジ四級化アンモニウムモノマー単位、トリ四級化アンモニウムモノマー単位、及びこれらの混合物からなる群から選択される四級化モノマーに由来してよい。一例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、アクリル酸に由来するアニオン性モノマー単位と、MAPTACに由来するカチオン性モノマー単位とを含む。別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、アクリル酸に由来するアニオン性モノマー単位と、DADMACに由来するカチオン性モノマー単位とを含む。更に別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、アクリル酸に由来するアニオン性モノマー単位と、TQに由来するカチオン性モノマー単位とを含む。別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、CEAに由来するアニオン性モノマー単位と、MAPTACに由来するカチオン性モノマー単位とを含む。更に別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、AMPSに由来するアニオン性モノマー単位と、MAPTACに由来するカチオン性モノマー単位とを含む。一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%のグループaからのモノマー単位と、合計30.1重量%以下のグループb及びcからのモノマー単位とを含んでよい。別の例では、ポリマーは、約70重量%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、0.1重量%〜約30重量%のグループbからのモノマー単位と、約0.1重量%〜約30重量%のグループcからのモノマー単位とを含んでよい。更に別の例では、ポリマーは、約70重量%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、合計約0.5重量%〜30重量%のグループb及びcからのモノマー単位とを含んでよい。
【0072】
更に別の例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位と、グループcからのモノマー単位と、グループdからのモノマー単位とを含む。例えば、ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位と、四級化アンモニウムモノマー単位と、CZ、SZ、及びこれらの混合物からなる群から選択される双極性モノマー単位とを含んでよい。四級化アンモニウムモノマー単位は、モノ四級化アンモニウムモノマー単位、ジ四級化アンモニウムモノマー単位、トリ四級化アンモニウムモノマー単位、及びこれらの混合物からなる群から選択される四級化モノマーに由来してよい。一例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、MAPTACに由来するカチオン性モノマー単位と、CZに由来する双極性モノマー単位とを含む。別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、MAPTACに由来するカチオン性モノマー単位と、SZに由来する双極性モノマー単位とを含む。一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%のグループaからのモノマー単位と、合計30.1重量%のグループc及びdからのモノマー単位とを含んでよい。別の例では、ポリマーは、約70%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、0.1%〜約30重量%のグループcからのモノマー単位と、約0.1%〜約30重量%のグループdからのモノマー単位とを含んでよい。更に別の例では、ポリマーは、約70%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、合計約0.5%〜30重量%のグループc及びdからのモノマー単位とを含んでよい。
【0073】
更に別の例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位と、グループbからのモノマー単位と、グループdからのモノマー単位とを含む。例えば、ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、カルボキシエチルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来するアニオン性モノマー単位と、CZ、SZ、及びこれらの混合物からなる群から選択される双極性モノマー単位とを含んでよい。一例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、アクリル酸に由来するアニオン性モノマー単位と、CZに由来する双極性モノマー単位とを含む。別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、アクリル酸に由来するアニオン性モノマー単位と、SZに由来する双極性モノマー単位とを含む。一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%のグループaからのモノマー単位と、合計30.1重量%のグループb及びdからのモノマー単位とを含んでよい。別の例では、ポリマーは、約70%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、0.1%〜約30重量%のグループbからのモノマー単位と、約0.1%〜約30重量%のグループdからのモノマー単位とを含んでよい。更に別の例では、ポリマーは、約70%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、合計約0.5%〜30重量%のグループb及びdからのモノマー単位とを含んでよい。
【0074】
更に別の例では、ポリマーは、グループaからのモノマー単位と、グループdからのモノマー単位とを含む。例えば、ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位と、CZ、SZ、及びこれらの混合物からなる群から選択される双極性モノマー単位とを含んでよい。一例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、CZに由来する双極性モノマー単位とを含む。別の例では、ポリマーは、アクリルアミドに由来する非イオン性モノマー単位と、SZに由来する双極性モノマー単位とを含む。一例では、ポリマーは、少なくとも69.9重量%のグループaからのモノマー単位と、30.1重量%以下のグループdからのモノマー単位とを含んでよい。別の例では、ポリマーは、約70%〜約99.5重量%のグループaからのモノマー単位と、約0.5%〜約30重量%のグループdからのモノマー単位とを含んでよい。
【0075】
一例では、本発明のポリマーは、非イオン性親水性モノマー単位を含む。好適な親水性モノマー単位の非限定的な例は、以下からなる群から選択される非イオン性親水性モノマーに由来する:α,β−エチレン性不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル、α,β−エチレン性不飽和アミド、α,β−エチレン性不飽和モノアルキルアミド、α,β−エチレン性不飽和ジアルキルアミド、ポリ(エチレンオキシド)タイプの水溶性ポリオキシアルキレン部分を有するα,β−エチレン性不飽和モノマー、親水性モノマー又はセグメントの前駆体であるα,β−エチレン性不飽和モノマー、ビニルピロリドン、ウレイドタイプのα,β−エチレン性不飽和モノマー、及びこれらの混合物。一例では、非イオン性親水性モノマー単位は、アクリルアミドに由来する。
【0076】
別の例では、本発明のポリマーは、非イオン性疎水性モノマー単位を含む。好適な非イオン性疎水性モノマー単位の非限定的な例は、ビニル芳香族モノマー、ビニルハライド、ビニリデンハライド、α,β−モノエチレン性不飽和酸のC
1〜C
12アルキルエステル、飽和カルボン酸のビニルエステル、飽和カルボン酸のアリルエステル、3〜12個の炭素原子を含有するα,β−モノエチレン性不飽和ニトリル、α−オレフィン、共役ジエン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性親水性モノマーに由来する。
【0077】
一例では、ポリマーは、アニオン性モノマー単位を含む。好適なアニオン性モノマー単位の非限定的な例は、以下からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来する:少なくとも1つのカルボン酸官能基を有するモノマー、例えば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸又は対応する無水物、カルボキシレート官能基の前駆体であるモノマー、少なくとも1つのスルファート又はスルホナート官能基を有するモノマー、少なくとも1つのホスホナート又はホスファート官能基を有するモノマー、エチレン性不飽和ホスファートエステル、及びこれらの混合物。一例では、アニオン性モノマー単位は、以下からなる群から選択されるアニオン性モノマーに由来する:アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、カルボキシエチルアクリレート、及びこれらの混合物。
【0078】
一例では、ポリマーは、カチオン性モノマー単位を含む。好適なカチオン性モノマー単位の非限定的な例は、以下からなる群から選択されるカチオン性モノマーに由来する:アクリロイル−又はアクリロイルオキシアンモニウムモノマー、1−エチル−2−ビニルピリジニウム又は1−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド、クロリド、メチルスルファート、N,N−ジアルキルジアリルモノマー、ポリ四級化モノマー、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のN,N−(ジアルキルアミノ−ω−アルキル)アミド、α,β−モノエチレン性不飽和アミノエステル、ビニルピリジン、ビニルアミン、ビニルイミダゾリン、単純な酸又は塩基の加水分解によって一級アミン官能基を生じさせるアミン官能基の前駆体であるモノマー、及びこれらの混合物。一例では、カチオン性モノマー単位は、MAPTACに由来する。別の例では、カチオン性モノマー単位は、DADMACに由来する。更に別の例では、カチオン性モノマー単位は、2−ヒドロキシ−N
1−(3−(2((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)−アセトアミド)プロピル)−N
1,N
1,N
3,N
3,N
3−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアミニウムクロリドに由来する。
【0079】
一例では、本発明のポリマーは、水溶性である。
【0080】
ポリマーを製造するためのプロセス
本発明のポリマーは、当該技術分野において公知の任意の好適なプロセスにより製造することができる。例えば、ポリマーは、ラジカル重合によって製造してよい。
【0081】
本発明のポリマーは、バルク、溶液、乳化、又は懸濁重合を含む広範な技術によって製造することができる。重合方法及び重合技術は、概して、参照により本明細書に援用されるEncyclopedia of Polymer Science and Technology,Interscience Publishers(New York),Vol.7,pp.361〜431(1967)及びKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,3rd edition,Vol 18,pp.740〜744,John Wiley & Sons(New York),1982に記載されている。Sorenson,W.P.and Campbell,T.W.,Preparative Methods of Polymer Chemistry,2nd edition,Interscience Publishers(New York),1968,pp.248〜251も参照されたい。一例では、ポリマーは、水溶性反応開始剤を用いて、フリーラジカル共重合によって製造される。好適なフリーラジカル反応開始剤としては、熱反応開始剤、酸化還元対、及び光化学反応開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。酸化還元及び光化学反応開始剤は、約30℃(86°F)未満の温度で開始される重合プロセスに用いることができる。このような反応開始剤は、一般的に、参照により本明細書に援用されるKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,3rd edition,John Wiley & Sons(New York),Vol.13,pp.355〜373(1981)に記載されている。30℃以下でラジカルを提供し得る典型的な水溶性反応開始剤としては、過硫酸カリウム/硝酸銀、及びアスコルビン酸/過酸化水素等の酸化還元対が挙げられる。一例では、方法は、40℃(104°F)超で実施される重合プロセスにおいて熱反応開始剤を利用する。40℃(104°F)以上でラジカルを提供し得る水溶性反応開始剤を用いてよい。これらとしては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。一例では、水溶性出発モノマーは、反応開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドを用いて60℃(140°F)の水性アルコール溶媒中で重合される。溶媒は、重合反応媒体がゲル化するのを防ぐために、典型的に、少なくとも約10体積%のアルコールを含有する。このような反応において使用するための好適なアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びブタノール等の低分子量アルコールが挙げられる。
【0082】
別の技術は、両方とも参照により本明細書に援用される、米国特許第3,317,370号(Kekish、1967年5月2日発行)、及び米国特許第3,410,828号(Kekish、1968年11月12日発行)に記載されているような溶液重合である。このようなプロセスに従って、アクロレイン又は他のアルデヒド性モノマーは、非求核、水溶性、窒素−複素環式重合性モノマー及び酸化還元反応開始剤系と共重合する。次いで、コポリマーを水溶性アミン又は四級アミンと反応させることによって、コポリマーをカチオン性にする。有用な四級アミンを含むアミンとしては、一級、二級、又は三級アミン、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、又は前述のいずれかの部分的若しくは完全に四級化された誘導体、ヒドラジド及びその四級体、例えば、ベタインヒドラジドクロリド、N−N−ジメチルグリシンヒドラジド、非対称ジメチルヒドラジド、ポリマー、例えば、尿素とポリアルキレンポリアミンとの反応によって形成されるもの等、グアニジン、ビグアニド、グアニルウレア、モノ及びポリヒドロキシポリアミン、並びにこれらの四級体等が挙げられるが、これらに限定されない。この乳化共重合技術を用いる場合、本明細書に提供する範囲内に分子量を制御する必要がある。
【0083】
一例では、本発明に係るポリマーを製造する方法は、
i.以下からなる群から選択される2以上のモノマー単位を提供する工程と:
a.非イオン性モノマー単位;
b.アニオン性モノマー単位;
c.カチオン性モノマー単位;
d.双極性モノマー単位;及び
e.これらの混合物;
ii.本明細書に記載する汚れ吸着試験方法に従って測定したとき、少なくとも38mgの汚れ吸着値を示すポリマーが生成されるように前記2以上のモノマー単位を重合させる工程とを含む。一例では、重合工程は、2以上のモノマー単位又はそれらが由来するモノマーと水とを混合して、モノマー溶液を形成する工程を含む。モノマー溶液は、脱酸素されてもよい。更に、モノマー溶液は、60℃等の少なくとも25℃の温度に供して(加熱して)もよい。ポリマーを製造するのに用いられる温度は、本発明に係るポリマーが生成される限り、任意の好適な温度であってよい。ポリマーは、反応条件に依存して、モノマー単位をポリマーに重合させるのに十分な時間、例えば、少なくとも10分間及び/又は少なくとも18時間、このような温度に供してよい。フリーラジカル反応開始剤等の反応開始剤をモノマー溶液に添加して、モノマー溶液中のモノマー単位(モノマー)を重合させて、本発明のポリマーを生成することができる。ポリマーを製造するために用いられるフリーラジカル反応開始剤の濃度は、本発明に係るポリマーが生成される限り、任意の好適な濃度であってよい。ポリマーを製造するために用いられる様々なモノマー単位(モノマー)の濃度は、本発明に係るポリマーが生成される限り、任意の好適な濃度であってよい。
【0084】
非限定的な合成例
試料調製
反応開始剤溶液の調製
10mLの水を、1グラムの2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド(Wako Chemicalsから入手可能)(本明細書ではV−50と呼ぶ)と共にフラスコに添加する。この溶液をアルゴンガスでスパージして、酸素を除去する。
【0085】
モノマーの調製
2−ヒドロキシ−N
1−(3−(2−((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)−アセトアミド)プロピル)−N
1,N
1,N
3,N
3,N
3−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアミニウムクロリド(本明細書ではTQと呼ぶ)の合成。
機械的撹拌機、ガス注入口、冷却器、及び温度計を備えるジャケット付丸底フラスコに、340.6グラムのジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA、Sigma−Aldrichから入手可能)、238.8グラムのメチルクロロアセテート(Sigma−Aldrichから入手可能)、0.5gの4−メトキシフェノール(Sigma−Aldrichから入手可能)、及び423グラムのメタノール(Sigma−Aldrichから入手可能)を添加する。丸底フラスコを70℃で5時間加熱する。この反応物を室温まで冷却し、次いで、0.5グラムの4−メトキシフェノール(Sigma−Aldrichから入手可能)及び225グラムのジメチルアミノプロピルアミン(Sigma−Aldrichから入手可能)を2時間かけて均等に添加する。2時間後、反応物を2時間かけて65℃まで加熱し、その後、真空下で50℃にてメタノールを留去する。これに、690グラムの(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(Sigma−Aldrichから60%水溶液として入手可能)を添加する。温度を2時間、65〜70℃で維持する。これら2時間の間、メタノールを除去し、水を添加して、55重量%水溶液を作製する。更に1時間65〜70℃の水中で反応を継続して、TQモノマーを得る。
【0086】
3−((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(本明細書ではSZと呼ぶ)の合成
丸底フラスコに、26.4グラムの無水アセトニトリル(Sigma−Aldrichから入手可能)及び15.5グラムのプロパンスルトン(Sigma−Aldrichから入手可能)を添加し、これを30分間撹拌する。30分間後、56.5グラムのアセトニトリル中25.6グラムのDMAPMA溶液を添加する。混合物を撹拌し、35℃まで加温する。白色の沈殿物が速やかに形成される。白色の沈殿物がバルクの体積を占めたら、液体をデカントする。固体をアセトニトリルで1回洗浄し、再度、デカントによって液体を除去する。次いで、固体を2×体積のジエチルエーテルで洗浄する。次いで、これらを漏斗で濾過し、大量のジエチルエーテルで洗浄する(濾過を介する)。NMR構造は、標的分子であるSZと一致する。
【0087】
N−(カルボキシメチル)−3−メタクリルアミド−N,N−ジメチルプロパン−1−アミニウムクロリド(本明細書ではCZと呼ぶ)の合成。
丸底フラスコに、16.5グラムのメチルブロモアセテート(Sigma−Aldrichから入手可能)、74グラムのテトラヒドロフラン(THF、Sigma−Aldrichから入手可能)、及び16.5グラムのDMAPMAを添加する。溶液を25℃で16時間撹拌し、次いで、撹拌を止める。沈降後、THFの上層を廃棄する。下層を50mLのヘキサン(Sigma−Aldrichから入手可能)で2回洗浄すると、粘稠な物質になる。次いで、物質を15mLのメタノール(Sigma−Aldrichから入手可能)に溶解させ、150mLのジエチルエーテル(Sigma−Aldrichから入手可能)に沈殿させる。粘稠な半固体になるまで、沈殿物をジエチルエーテルで数回洗浄する。次いで、それを室温で高真空下で一晩乾燥させる。NMR解析用に少量取り出す。中間体の残部を、次の工程まで、塩化カルシウムを収容しているガラス製のデシケータに入れる。
【0088】
上記で得られた3.3グラムの中間体を10mLの脱イオン水に溶解させ、2.7mL/分で直径2.5cmのガラスカラム中の50mLのDowex Marathon A水酸化物交換樹脂(VWR Scientificから入手可能)からなるカラムに通す。溶出液を回収し、13mLの1N塩酸(Sigma−Aldrichから入手可能)を添加する。室温で真空下にて水を乾燥させる。次いで、サンプルを室温で高真空下にて一晩乾燥させる。物質を真空から除去し、NMR解析用に少量を取り出す。2.71gの脱イオン水を物質に添加して、最終生成物であるCZを形成し、これを水溶液として保存する。
【0089】
ポリマーの調製
反応容器に、以下の表1の実施例に記載の量のモノマーと456gの水とを添加する。モノマー、アクリルアミド(本明細書ではAAMと呼ぶ)、アクリル酸(本明細書ではAAと呼ぶ)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(本明細書ではDADMACと呼ぶ)、2−カルボキシエチルアクリレート(本明細書ではCEAと呼ぶ)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(本明細書ではAMPSと呼ぶ)及び[3−(
メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(本明細書ではMAPTACと呼ぶ)は、全てSigma Aldrichから入手可能である。MAPTACは、50% w/w溶液として用いられる。TQ、SZ、及びCZは、上記で調製した通り用いられる。反応容器を窒素でスパージして系から酸素を除去し、窒素雰囲気を容器内で維持する。反応容器及び内容物を60℃の温度まで加熱する。
【0090】
内容物が60℃に達したら、上記の通り調製したV−50の反応開始剤溶液1mLを10%溶液として添加する(0.0562gのV−50(未希釈)を用いる実施例1.17を除く)。反応を48時間60℃で維持する。
【0091】
以下の表は、製造される本発明のポリマーの非限定的な実施例について記載する。
【0095】
【表4】
* Mirapol(登録商標)HSC 300は、Rhodia S.A.(Paris,France)より入手した。
【0096】
【表5】
* Mirapol(登録商標)HSC 300は、Rhodia S.A.(Paris,France)より入手した。
【0097】
試験方法
固形分パーセントの測定
空の計量鍋(タブ付のVWR使い捨てアルミニウム波状皿、VWRカタログ番号25433−010;又は等価な鍋)を±0.1mg以内まで計量する(重量鍋)。ポリマー溶液、例えば、上記で調製したポリマー溶液のアリコート、2.5±0.5グラムを鍋に入れ、±0.1mg以内まで計量する(重量鍋
+ホ゜リマー溶液)。鍋及びポリマー溶液を、蓋をしていない80℃の換気オーブンに12時間入れる。室温に冷却した後、次いで、鍋及びポリマー固体を±0.1mg以内まで計量する(重量鍋+ホ゜リマー固体)。固形分パーセントを以下の通り計算する:
【0099】
0.02%ポリマー溶液の調製
それぞれ、表2及び4に列挙する量を用いて、上で調製したポリマー溶液は、ポリマーのみの汚れ吸着試験の場合は脱イオン水で、又はポリマーを含有する洗浄組成物の汚れ吸着試験の場合は市販の洗浄溶液(詳細は以下を参照されたい)で、0.02固形分パーセントに希釈する必要がある。洗浄組成物が、試験するポリマーを0.02固形分パーセント超の濃度で既に含有している場合、それは、以下の等式を用いてポリマー濃度を0.02固形分パーセントにするために更なる脱イオン水で希釈する必要がある。
【0101】
ポリマー溶液又はポリマーを含有する洗浄組成物が、0.02固形分パーセント未満のポリマーを含有する場合、希釈の必要はない。(洗浄組成物は、以下に提供するSwiffer Wetjet溶液
*である必要はないが、この方法を適用する場合、問題の任意の洗浄組成物を含み得ることが理解される)。
【0102】
希釈溶液を保持するのに十分な大きさの受容容器の風袋をはかる。所望の量の元のポリマー溶液を受容容器に添加し、(溶液のみの)重量を±0.01g以内まで記録する(重量ホ゜リマー溶液)。0.02固形分パーセントのポリマー溶液又は市販の洗浄組成物の重量を、±0.01g以内まで記録する(重量ホ゜リマー溶液
+洗浄組成物)。次いで、ポリマー溶液又は洗浄組成物に蓋をし、使用前に時折撹拌しながら24時間放置して、ポリマーを確実に溶解させる。濃度を以下の通り計算する:
【0103】
【数3】
*Swiffer WetJet Multipurpose Cleaner Refill、Procter & Gamble,Cincinnati,Ohio製(Open Window Fresh scent、42.2流体オンス、Walmartで入手可能)
【0104】
ポリマー分子量の決定
ポリマーの分子量は、GPC SEC/MALSによって求める。HPLCは、室温で2つの線状μStyragel HTカラムのバンクを備える自動注入器を有するWaters Alliance 2695 HPLCである。流速は、1.0mL/分であり、移動相は、0.1%(重量/体積)LiBrを含むジメチルスルホキシド(DMSO)である。検出器は、トルエンで較正し、移動相において25Kデキストランを用いて正規化したWyatt Dawn EOS光散乱検出器、及び30℃のWyatt Optilab rEX屈折率検出器である。
【0105】
分析用のサンプルを1〜5mg/mLの範囲の既知の濃度で調製する。サンプルを、0.2μmのポリプロピレンメンブレンフィルタを用いて濾過する。注入体積は、100μLである。データは、ASTRA 5.3.4.14を用いて収集し、分析する。dn/dcの値を、100%の質量回復を想定したRI追跡から計算する。数平均分子量及び多分散指数を計算し、報告する。
【0106】
処理された物品の調製
下記の通り調製し、処理した直線状の7.62cm×10.2cm(3.00インチ×4.00インチ)のハンドシート片を、必要に応じて、7.62cm×10.2cm(3インチ×4インチ)のダイカッターを用いて切断して、19g/m
2〜33g/m
2の坪量を有するサンプル部分を提供する(この範囲外のサンプル部分は廃棄する)。全ての試料を、任意の縁部から少なくとも1.27cm(0.5インチ)の試験材料の一部から得る。ハンドシートに、ボールペン又は同等のマーカーを用いて試料名を記載する。ハンドシートを21℃±1℃(70°F±2°F)及び相対湿度50%±2%のコンディショニングされた室内で少なくとも2時間(好ましくは一晩)コンディショニングした後、コンディショニング条件を維持しながら、ハンドシートを±10mg以内まで計量する(重量基材)。残りの作業は、23℃±2℃(73°F±3.5°F)の温度及び相対湿度<70%で実験室にて行う。次いで、ハンドシートを格子(60.3cm×121.3cm(23.75”×47.75”)ポリスチレン軽量パネル、Plaskolite,Inc.,Columbus,Ohio製、Home Depotからモデル番号1425005Aとして入手可能;又は同等の格子)上に置く。次いで、各ハンドシートを、上記の通り調製した0.02固形分パーセントのポリマー溶液又は洗浄組成物合計3.8mL(必要に応じて過飽和を避けるために1〜4回に分けて)で処理するか、又は試験されるポリマー溶液又は洗浄組成物が0.02固形分パーセント未満である場合、(必要に応じて過飽和を避けるために1〜4回に分けて)各ハンドシートに添加されるポリマー溶液又は洗浄組成物の総量は、以下の等式によって決定される:
【0108】
ポリマー溶液又は洗浄組成物を、ハンドシートの上面(処理した面)のみに塗布する。ハンドシートを少なくとも部分的に乾燥させるために、塗布と塗布との間に少なくとも1.5時間置く。ポリマー溶液又は洗浄組成物を全て塗布した後、ハンドシートを格子上で少なくとも4時間放置して空気乾燥させる。
【0109】
汚れ溶液の調製
遠心管(VWRブランドの、平坦な蓋を備える50mL超透明超高性能自立遠心管、VWRカタログ番号82018−052;又は等価な管)に試料名を記載し、±1mg以内まで計量する(重量ハ゛イアル
+蓋)。次に、0.1784g±0.0005gのモデル汚れ(Empirical Manufacturing Co.,7616 Reinhold Drive,Cincinnati,Ohio 45237−3208から入手可能なBlack Todd Clay)を計量し(重量添加シタ汚レ)、次に遠心管に入れる。脱イオン水、25.0mL±0.2mLを、好適なディスペンサを用いて遠心管にゆっくり添加する。脱イオン水を、モデル汚れから埃が舞い上がるのを防ぐために慎重に遠心管に入れる。埃が舞い上がった場合、管を廃棄し、新たな管を準備する。次に、管を±1mg以内まで再計量する(重量ハ゛イアル
+蓋
+分散液)。
【0110】
ペトリ皿(VWR滅菌ペトリ皿、Simport plastics、60mm×15mm、体積28mL、VWRカタログ番号60872−306;又は等価物)に試料名を記載し、並びに±1mg以内まで計量する(重量皿)。
【0111】
汚れ吸着試験方法
7.62cm×10.2cm(3インチ×4インチ)の試料を、長さ3.81cm×幅10.2cm(長さ1.5インチ×幅4インチ)になるように、処理された側面を対向させて半分に折り畳む。次いで、アコーディオン(扇子)型の折り畳み技術を用いて試料を5回折り畳み、それぞれ幅約1.70cm(2/3インチ)の6つのセグメントを含むサンプルを作製する。モデル汚れ及び水を収容している蓋付遠心管を撹拌/振盪して、水中に汚れを分散させて、汚れ分散液を形成する。次いで、遠心管の蓋を開けて、折り畳まれた試料が、折り畳みが遠心管の長さに平行になるように、遠心管内のモデル汚れ及び水の分散液に完全に浸かるようにする。直ちに管に再度蓋をし、60±1秒間、WS 180度振盪器内で振盪した。WS 180度振盪器(Glas−Col番号099AWS18012;又は等価な振盪器)を、試料が1秒毎に160〜170度反転するように設定する(50%速度)。
【0112】
振盪後、折り畳まれた試料を、実験室用ピンセットを用いて慎重にペトリ皿上に取り除く。分散液が全て、元の遠心管又は対応するペトリ皿のいずれかに、確実に維持されるように注意しなければならない。「絞り」動作を用いて試料から分散液を搾り取り、ペトリ皿に回収する(埃分散液の≧85%を回収しなければならない)。分散液を試料から除去したら、試料を廃棄する。混合物を回旋させてモデル汚れを水に再分散させた後、残りの分散液を遠心管からペトリ皿に注いで、意図なしにモデル汚れが遠心管に残らないようにする。モデル汚れ/水混合物を収容しているペトリ皿を、±1mg以内に計量する(重量皿
+排水)。次いで、ペトリ皿は、サンプルが乾燥するまで、好ましくは一晩、60℃のベント式実験室用乾燥オーブンに入れられる。
【0113】
試料が乾燥したら、それをオーブンから取り出し、室温まで冷却する(23℃±2℃(73°F±3.5°F))。乾燥したモデル汚れを収容しているペトリ皿を±1mg以内まで再計量する(重量皿
+乾燥汚レ)。
【0114】
ハンドシートの調製−ポリマー等の材料の汚れ吸着特性を試験するために、ハンドシートを以下のように調製し、次いで、上記汚れ吸着試験方法において用いる。
【0115】
ハンドシートは、繊維性構造体の手製の試料である。ハンドシートは、以下の手順を用いて、標的坪量は26.8g/m
2であるが、19g/m
2以上且つ33g/m
2以下で調製される。
【0116】
a.パルプの調製−Northern Softwood Kraft(NSK)パルプのパルプスラリーを以下の通り調製する。±0.0002gまで計量できる化学天秤を用いて、30gのNSK乾燥ラップ(パルプ)を量り分ける。NSK乾燥ラップの重量を記録する。このパルプについて、完全乾燥パルプの割合又は稠度を記録する。23℃±2℃のCity of Cincinnati,Ohio Water(又は以下の特性を有する等価物:合計硬度=CaCO
3として155mg/L;カルシウム含量=33.2mg/L;マグネシウム含量=17.5mg/L;ホスファート含量=0.0462)500mLを2000mLのポリプロピレンビーカーに入れる。水をビーカーに添加した直後、ビーカー内の水に、計量したNSK乾燥ラップを添加する。NSK乾燥ラップを完全に湿らせた後(約50〜60秒間)、濡れたNSK乾燥ラップを取り出し、濡れたNSK乾燥ラップを約2cm
2かそれ以下の片の小片に手で引き裂く。濡れたNSK乾燥ラップの小片をビーカー内の水に戻す。濡れたNSK乾燥ラップを水に少なくとも1時間、典型的には1〜2時間浸漬する。浸漬期間の最後に、商品名73−18パルプ粉砕機としてTesting Machines,Inc.から市販されているパルプ粉砕機又はその等価物の粉砕機タンクに、ビーカーの内容物(水及びパルプ)を移す。必要に応じて、粉砕機を維持、較正、及び洗浄するために製造業者の説明書に従う。粉砕機は、TAPPI規格T−205を満たさなければならない。ポリエチレン製の洗浄瓶によって送達される更なるCity of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)を用いて、ビーカーに付着している任意の残りのパルプを洗浄し、粉砕機タンクに取り除く。更なるCity of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)を粉砕機タンクに添加して、粉砕機タンク中の総体積を合計1500mLという結果にする。
次に、パルプ及びCity of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)(23℃±2℃)を収容している粉砕機タンクを、粉砕機の台に置き、粉砕機のシャフト及び羽根の下に配置する。粉砕機タンクを、粉砕機の台上の所定の位置にしっかりと固定する。羽根を製造業者の説明書に従って所定の位置まで下げ、固定する。粉砕機タンクの蓋を粉砕機タンクの所定の位置に置く。時限付のスイッチ出口を備える間隔タイマーを正確に10分間に設定する。粉砕機を作動させ、正確に10分間動作した後自動的にアラームが鳴り、粉砕機が停止するように設定したアラームを備えるタイマーをスタートさせる。アラームを切る。10分間の動作が終了した後、1時間以内に粉砕機内でパルプスラリー(pulp slurry)(パルププラスCity of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水))を用いる。ハンドシートを作製するために用いる前に、パルプスラリーを1時間超放置してはならない。
【0117】
b.パルプの調合処理−パルプスラリーを上記の通り粉砕機タンク内で調製した後、パルプスラリーを、以下の通りAdirondack Machine Corporationから市販されている、Noble and Woodハンドシート形成機又はプロポーショナー及びハンドシート形成機等のプロポーショナーにおいて調合処理する。
19〜21Lのステンレス鋼タンクを有するプロポーショナーに、City of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)を添加して、タンクを約半分(約9〜10L)まで充填する。プロポーショナーの撹拌機を作動させ、撹拌機の速度を23rpm±2rpmに調整して、パルプスラリーを添加した時点で良好な混合を提供する。タンクに添加されるCity of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)とパルプスラリーとが均一に混合されることを確認することによって、良好な混合であると定めることができる。次に、タンクに、上で製造したパルプスラリーの完全乾燥パルプ30gの等価物を添加する。パルプスラリーをタンクに添加した後、プロポーショナーの体積目盛を19Lマークに設定する。更にCity of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)を添加して、液面をプロポーショナーの溶液指示計器のフックの頂部とほぼ等しくする。
【0118】
c.ハンドシートの形成−以下の通り、上記プロポーショナー内に存在するパルプスラリーからハンドシートを作製する。
ハンドシートは、Adirondack Machine Corporationから市販されている30.5cm×30.5cm(12”×12”)のステンレス鋼シート成形型を用いて作製する。まず、シート成形型のデックルボックス(deckle box)における排水弁を開き、デックルボックスから完全に排水する。デックルボックスを洗浄し、混入物のないようにする必要がある。排水弁を閉じ、デックルボックスを開ける。City of Cincinnati,Ohio water(又は上記の通り等価な水)の給水を始め、デックルボックスをあふれさせる。フォーミングワイヤ下に任意の気泡を捕捉しないように、粗いデックルボックスワイヤ上に清浄なフォーミングワイヤ(84M 35.6cm×35.6cm(14”×14”)のポリエステルモノフィラメントプラスチック布、Appleton Wire Co.から市販)を置く。気泡が残っている場合、デックルボックスを閉じる前に手で穏やかにワイヤをこすることによって除去する。フォーミングワイヤ下の気泡は、除去されていない場合、ハンドシートに穴を開けたり、ハンドシートを本明細書に記載する試験において用いるのに受容できないものにしたりする。
【0119】
フォーミングワイヤを水によって完全に濡らした後、デックルボックスを閉じ、鍵をかけ、デックルボックス内のフォーミングワイヤから水を21.6cm(8 1/2”)まで上げる。デックルボックスの内側のマークは、この体積を常に示すために用いなければならない。プロポーショナーのサンプル容器を用いて、2543mLのパルプスラリーをプロポーショナーからデックルボックス内の水に添加する。穿孔された金属のデックルボックスプランジャを用いて、パルプスラリーの頂部付近からデックルボックス内のパルプスラリーの底部にプランジャを移動させ、3周期完全に上下させることによってパルプスラリーを均一に分布させる。下方に動かす際、フォーミングワイヤに触れてはいけない。3回目の周期後、プランジャを上げ、(波作用をなくすために)パルプスラリー表面の直下にプランジャプレートを保持しながら2秒間一時停止させ、次いで、ゆっくりと引く。パルプスラリーがデックルボックス内で乱れていないことを確認する。
【0120】
デックルボックスのドロップ弁の時限付開放を作動させるためにスイッチを押し下げる。ドロップ弁は、デックルボックスが完全に排水された後自動的に閉まる。大部分のユニットは、約20〜25秒で完全に排水される。ドロップ弁を閉じた後、デックルボックスを開け、デックルボックスから繊維マット側を上にしたフォーミングワイヤを慎重に取り出す。直ちに、繊維マットを備えるフォーミングワイヤがその上を通過する真空スロット(33.0cm×0.16cm(13”×1/16”)90°フレア)に表面を有する真空ボックスの表面(真空ボックステーブル)上に、繊維マット側を上にしたフォーミングワイヤを置く。デックルボックスから真空ボックステーブルへのこの移動中、操作者に隣接するフォーミングワイヤの縁部を同じ相対位置に維持する。
【0121】
Ashcroft Inc.から市販されているAshcroft Vacuum Gauge Model 1189(範囲0〜50.79kPa(0〜15”Hg)に従って、13.55±1.69kPa(4.0±0.5”Hg)の低レベルの真空ピーク、及び33.86±1.69kPa(10.0±0.5”Hg)の高レベルの真空ピークになるように、真空ボックステーブルの真空弁を設定する)。
【0122】
真空ボックステーブルに結合している真空ポンプ(50.0L/s(106cfm)で引くNash H4ポンプ、モータ−10HP、1745rpm、3Ph、60Hz、ECM Inc.から入手可能)を作動させる。低レベルの真空にする(予真空)。フォーミングワイヤの前縁部(操作者に隣接する縁部)が、真空スロット上に約0.64〜1.27cm(1/4”〜1/2”)延在するように、繊維マット側を上にしたフォーミングワイヤを真空ボックステーブル上に置く。繊維マットを備えるフォーミングワイヤを均一な速度で1±0.3秒真空スロットを横断して引っ張る。真空ゲージは、13.55±1.69kPa(4.0±0.5”Hg)をピークとしなければならない。この工程を予真空工程と呼ぶ。
【0123】
次に、低レベルの真空を作動させ、高レベル側の真空系を開く。真空スロットの後ろの真空ボックステーブル上に、トランスファーワイヤ(44M 40.6cm×35.6cm(16”×14”)ポリエステルモノフィラメントプラスチック布、Appleton Wire Co.から市販、機械方向を示す矢印で印をつけた節玉のある(knobby)側面(シート側)を有する)の節玉のある側を上にして置く。40.6cm(16”)の長さが真空スロットに対して垂直になるように、トランスファーワイヤを真空ボックステーブル上に置く。操作者に隣接しているフォーミングワイヤの縁部を同じ相対位置に維持しながら、慎重に繊維マットを備えるフォーミングワイヤをひっくり返す。トランスファーワイヤの中心に繊維マットを備えるフォーミングワイヤをそっと置いて、トランスファーワイヤの前縁部(操作者に隣接する縁部)が真空スロット上に約0.64cm〜1.27cm(1/4”〜1/2”)延在するように「サンドイッチ」を形成する。真空スロット上の繊維マットの移動方向は、上記予真空工程中の繊維マットを備えるフォーミングワイヤの移動方向と同一でなければならない。「サンドイッチ」を、均一な速度で1±0.3秒真空スロットを横断して引っ張る。真空スロットは、33.86±1.69kPa(10.0±0.5”Hg)をピークとしなければならない。フォーミングワイヤからトランスファーワイヤまで繊維マットを移動させるこの工程を、移動真空工程と呼ぶ。
【0124】
高レベルの真空を閉じ、真空系全体を停止させる。この時点までに、繊維マットはハンドシートになっている。次に、「サンドイッチ」を真空ボックステーブル上に置く。フォーミングワイヤの1つの角部を穏やかに持ち上げ、それを取り除くことによって、ハンドシート及びトランスファーワイヤからフォーミングワイヤを分離して、トランスファーワイヤに付着しているハンドシートを残す。移動真空工程中であるとき、操作者に隣接する布地の縁部をハンドシートと同じ相対位置に維持する。真空スロットを横断する移動方向を示すために、ハンドシートの角部に消えないペン(Dick Blick Art Suppliesから市販されている水性ペン)で矢印を書く。これは、ハンドシートの機械方向を特定する。
【0125】
次に、トランスファーワイヤがドラム乾燥機に隣接し、且つ操作者に隣接するように維持された縁部が最後にはドラム乾燥機に行き着くように、Adirondack Machine Corporationから市販されているE−100ドラム乾燥機に、ハンドシートが付着しているトランスファーワイヤを通過させる。ハンドシートがドラム乾燥機に隣接する状態で、ドラム乾燥機にハンドシートが付着しているトランスファーワイヤを再度通過させる。
【0126】
乾燥機ドラムを2回目に出た直後、まだ温かい間に、ハンドシートを取り出す。
【0127】
形成されるハンドシートの標的坪量は、26.8g/m
2であるが、19g/m
2以上且つ33g/m
2以下が試験に好適である。坪量が19g/m
2未満又は33g/m
2超である場合、パルプの量が少なくなりすぎるか又は多くなりすぎるため、標的坪量は26.8g/m
2であり、19g/m
2以上且つ33g/m
2以下であるハンドシートを製造するためにプロセスを適宜調整する必要がある。
【0128】
計算
ペトリ皿に残る残留モデル汚れの量(
重量残留汚
れ)を計算するために、以下の等式を用いる:
【0129】
重量残留汚れ=重量
皿+乾燥汚れ−重量
皿
残留モデル汚れは、mgで報告する。
【0130】
試料に吸着した汚れ(保持された汚れ)の量を計算するために、以下の等式を用いる:
【0131】
保持された汚れ=重量
添加された汚れ−
重量残留汚れ
吸着した汚れの量は、mgで報告する。
【0132】
保持された汚れの割合(保持された汚れ%)を計算するために、以下の等式を用いる:
【0134】
4つの複製において試験を実施し、物品について、吸着した汚れの平均量(汚れ吸着値としても知られる)及び保持された汚れの平均割合(保持された汚れ平均%)を計算する。
【0135】
電荷密度試験方法
汚れ吸着ポリマー等のポリマーの電荷密度は、BTGから入手可能なMutek PCD−04粒子電荷検出器又は等価な機器を用いて測定することができる。BTGによって提供される以下の指針が用いられる。
【0136】
0.1%溶液(0.1gポリマー+99.9g脱イオン水)(サンプル)で開始する。滴定剤の消費に応じて、必要な場合はポリマー含量を増加又は減少させる。多くのポリマー及び/又は添加剤の電荷密度は、溶液のpHに依存するので、最後の希釈前に溶液のpHを調整する。ここでは、pH 4.5を用いる。
1.サンプル20mLをPCD測定セル及び挿入ピストンに入れる。
2.測定セルをピストンで押して、サンプルをPCDに入れ、電極を背面に対向させる。それが背面に接触するまで、ガイドに沿ってセルをスライドさせる。
3.ピストンを上方に引き、逆時計回りに回してピストンを所定の位置に固定する。
4.モータのスイッチを入れる。流動電位がタッチパネル上に示される。信号が安定するまで2分間待つ。
5.逆帯電した滴定剤を用いる(例えば、陽性流動電位を有するカチオン性サンプルの場合、アニオン性滴定剤を用いる)。滴定剤は、0.001N PVSK又は0.001N PolyDADMACからなり、BTGから入手可能である。
6.BTGから入手可能な自動滴定装置を利用する。適切な滴定剤を選択した後、滴定装置を設定して、全ての気泡を確実に一掃するために10mLを分配することによって管をすすぐ。
7.サンプルの表面の下に管の先端を配置し、滴定を開始する。電位が0mVに達したときに自動的に停止するよう、自動滴定装置を設定する。
8.滴定剤の消費を記録する。理想的には、滴定剤の消費は、0.2mL〜10mLでなければならず、そうでない場合は、ポリマー含量を減少又は増加させる。
9.ポリマーサンプルの第2の20mLのアリコートで滴定を繰り返す。
10.電荷要求量(溶液)又は電荷要求量(固体)を計算する;
【0137】
【数8】
ポリマーの電荷要求量(電荷密度)をmeq/g単位で報告する。
【0138】
坪量試験方法
汚れ吸着試験方法において上記の通り直線に切断した7.62cm×10.2cm(3.00インチ×4.00インチ)の試料の片を、21℃±1℃(70°F±2°F)及び相対湿度50%±2%のコンディショニングされた室内で、少なくとも2時間、典型的には一晩コンディショニングする。コンディショニング条件を維持しながら、試料を±10mg以内まで計量する(重量基材)。次いで、試料の坪量を以下の通り計算する:
【0140】
含水量試験方法
物品中に存在する含水量を、以下の含水量試験方法を用いて測定する。
【0141】
物品又はその一部分(「サンプル」)を、試験前に少なくとも24時間、温度約23℃±2.2℃(73°F±4°F)及び相対湿度50%±10%の室内に置く。少なくとも5分の間、更なる重量変化が検出されないときの試料の重量を記録する。この重量をサンプルの「平衡重量」として記録する。次いで、サンプルを、相対湿度約4%である70℃の乾燥オーブン内に24時間置き、乾燥させる。24時間乾燥させた後、乾燥オーブンからサンプルを取り出し、直ちにサンプルを計量する。この重量をサンプルの「乾燥重量」として記録する。試料の含水量を以下のように算出する:
【0142】
【数10】
3つの複製についてサンプル中の水分%を平均して、サンプル中の水分%を報告する。
【0143】
III.洗浄組成物
本開示は、更に、表面及び対象(例えば、硬質表面)を洗浄するための洗浄組成物に含まれる汚れ捕捉剤(本明細書に記載する通り)を有するものに関する。
【0144】
特定の実施形態では、汚れ捕捉剤は、洗浄組成物の0.005重量%超及び/又は0.01重量%超及び/又は0.05重量%超及び/又は0.1重量%超及び/又は0.15重量%超及び/又は0.2重量%超から約50重量%及び/又は約25重量%及び/又は約10重量%及び/又は約5重量%及び/又は約3重量%及び/又は約2重量%及び/又は約1重量%の濃度で洗浄組成物中に存在し得る。一例では、汚れ捕捉剤は、洗浄組成物の約0.005重量%〜約1重量%の濃度で洗浄組成物中に存在する。
【0145】
このような洗浄組成物は、水性であってよい。例えば、このような洗浄組成物は、洗浄組成物の約70重量%〜約99重量%の水を有し得、特定の実施形態では、約75%〜約95%の水、特定の実施形態では、約80%〜約95%の水を有し得る。他の好適な実施形態では、洗浄組成物は、例えば、アルコール系溶液を含む他の非水系溶液を含み得る。
【0146】
洗浄組成物は、pHを有し、特定の実施形態では、約2.0〜約10.0のpHを有し、特定の実施形態では、約2.5〜約7.5のpHを有し、特定の実施形態では、約2.5〜約5.0のpHを有し、特定の実施形態では、約2.8〜約4.0のpHを有する。
【0147】
洗浄組成物は、水のような粘度を有し得る。「水のような粘度」とは、本明細書では、水の粘度に近い粘度を意味する。このような洗浄組成物は、スピンドル2を備えるBrookfieldデジタル粘度計モデルDV IIで測定したとき、60rpmで約50cps以下の粘度を有し得、特定の実施形態では、0cps〜約30cps、特定の実施形態では、0cps〜約20cps、特定の実施形態では、60rpm及び20℃で0cps〜約10cpsの粘度を有する。
【0148】
別の実施形態では、洗浄組成物は、増粘してもよい。したがって、このような洗浄組成物は、2°(最高8分で0.1〜100s
-1線状増分)で、4cmのステンレス鋼の円錐スピンドルを備えるレオメーターモデルAR 1000(TA Instrumentsによって供給される)で測定したとき、20s
-1で約50cps〜約5000cps、特定の実施形態では、約50cps〜約2000cps、特定の実施形態では、約50cps〜約1000cps、特定の実施形態では、20s
-1及び20℃で約50cps〜約500cpsの粘度を有し得る。このような増粘された洗浄組成物は、剪断減粘性組成物であってよく、したがって、前記組成物は、増粘剤(例えば、多糖類ポリマー)を含み得る。このような増粘剤は、国際出願第PCT/US2011/042644号に記載されている。
【0149】
本明細書に記載する洗浄組成物は、他の汚れ捕捉剤を用いる公知の組成物と比べて、本明細書に記載する汚れ吸着試験方法に従って測定したとき、改善された平均汚れ吸着値を示し得る。特定の実施形態では、洗浄溶液は、本明細書に記載する汚れ吸着試験方法に従って測定したとき、約40mg以上、特定の実施形態では約55mg以上、特定の実施形態では約80mg以上、特定の実施形態では約90mg以上、特定の実施形態では約100mg以上の平均汚れ吸着値を示し得る。
【0150】
洗浄組成物は、汚れ捕捉剤に加えて、様々な他の成分を含み得る。このような任意成分は、目標とする技術効果及び処理される表面の種類に基づいて選択してよい。本明細書で使用するのに好適な任意成分としては、酸類(例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸)、キレート剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、ビニルピロリドンホモポリマー又はコポリマー、多糖類ポリマー、ラジカルスカベンジャー、香料、ビニルピロリドンホモポリマー又はコポリマー及び多糖類ポリマー以外の表面修飾ポリマー、溶媒、他の界面活性剤、ビルダー、バッファ、殺菌剤、ヒドロトロープ、着色剤、安定剤、漂白剤、漂白活性化剤、脂肪酸等の制泡剤、酵素、汚れ懸濁剤、増白剤、防塵剤、分散剤、顔料及び染料が挙げられる。これら任意成分のそれぞれの例は、米国特許出願公開第2010/0154823A1号及び国際出願第PCT/US2011/042644号に記載されている。
【0151】
使用中、このような洗浄組成物は、洗浄物品と組合せて用いてもよい。このような洗浄物品は、湿潤物品であっても乾燥物品であってもよい。洗浄物品は、ウェブを含み得る。ウェブは、1つ以上の不織布ウェブ及び織布ウェブ、又はこれらの組合せを含み得る。特定の実施形態では、ウェブは、複数のパルプ繊維を含み得る。特定の実施形態では、ウェブは、繊維性構造体を含み得る。繊維性構造体は、特定の実施形態では、共成形された繊維性構造体であってよい。共成形繊維性構造体のこのような好適な例は、米国特許第4,100,324号に記載されている。
【0152】
更に別の実施形態では、物品は、発泡体構造又はスポンジを含み得る。好適な発泡構造体又はスポンジは、米国特許第4,638,017号、同第4,738,992号、及び同第4,957,810号;並びに米国特許出願公開第2007/0061991 A1号、同第2007/0161533 A1号、及び同第2009/0163598 A1号に記載されている。
【0153】
洗浄物品は、使用前に物品に塗布されるか、物品に塗布する前に表面に塗布される洗浄組成物を有してもよい。例えば、洗浄組成物は、対象の表面を洗浄するためにそれを用いる前、物品の表面に予め適用して(例えば、埋め込んで)よい。別の実施形態では、洗浄組成物を、洗浄される表面(例えば、テーブルの天板)に適用し、次いで、物品を表面と接触させて、汚れを除去してよい。
【0154】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0155】
明瞭にする目的のために、合計「重量%」値は、100重量%を超えない。
【0156】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において、本明細書に参照として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものであると解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0157】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。