(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)
図1に示す複合成形体の製造方法
図1(a)は、金属平板(又は金属角材や金属丸棒)1の端面1aと樹脂成形体2が接合一体化された複合成形体3の側面図である。
【0014】
<
図1(a)、(b)>
図1(a)及び(b)で示す複合成形体3の製造方法は、次のとおりである。
図1(a)は、側面図(又は平面図)であり、(b)は接合面のマーキング状態(マーキング方向)を示す図である。
【0015】
まず、接合一体化前の金属平板1の端面(接合部分)1aに対して、
図1(b)に示すように、一方向のみ(
図1(b)中のマーキング5に付した矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング5を形成するようにレーザースキャンする。なお、矢印(矢尻部分)はスキャン方向を示すもので、実際のスキャン箇所は直線のみであり、矢尻形状にはスキャンしていない。以下の他の実施形態においても同様である。
ここで不連続の直線状にマーキング5を形成するようにレーザースキャンするとは、多数のドット状のマーキングの組み合わせで直線(破線)のマーキング5を形成するようにレーザースキャンすることを意味する。以下の他の実施形態においても同様である。
スキャン方向は一方向のみであるから、
図1(b)の方向に代えて、
図1(b)の方向とは直交する方向のみにスキャンしてもよいし、斜め方向のみにスキャンしてもよい。
このとき、同じマーキング5に対して複数回繰り返してレーザースキャンすることもできる。同じマーキング5に対するレーザースキャンの回数を増加させることにより、接合強度を高めることができる。
【0016】
レーザースキャンは、
図1(b)に示すように、間隔をおいて複数本のマーキング5を形成することができる。このとき、全てのマーキング5は同一方向(即ち、全てのレーザースキャン方向が同一)であり、かつそれぞれが直線であるから、互いに交差することはない。
【0017】
<
図1(a)、(c)>
図1(a)及び(c)で示す複合成形体3の製造方法は、次のとおりである。
図1(a)は、側面図(又は平面図)であり、(c)は接合面のマーキング状態(マーキング方向)を示す図である。
【0018】
第1スキャン工程では、金属成形体1の接合面1aに対して、特定の一方向(
図1(c)のマーキング5の矢印方向)にのみ連続又は不連続の直線状にマーキング5を形成するようにレーザースキャンする。
【0019】
第2スキャン工程では、第1スキャン工程における特定の一方向とは180°反対方向(第1スキャン工程のスキャン方向とは交差しない方向であり、
図1(c)のマーキング5’の矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング5’を形成するようにレーザースキャンする。マーキング5、5’は互いに平行な直線である。
このようにスキャン方向が180°反対になるように往復してスキャンすることで、同じ本数だけマーキング5を形成する場合には、同一方向からマーキングを形成した場合と比べると、スキャンに要する時間を短縮することができる。
【0020】
図1(b)、(c)に示すようにレーザースキャンしたとき(マーキング5又はマーキング5、5’が形成されているとき)、
図1(a)で示すX方向(
図1(b)、(c)のX1又はX2方向を示す)への接合強度(例えば剪断力)が、
図1(a)で示すY方向(軸方向)への接合強度(例えば引張強度)と比べて高くなる。なお、
図1(b)、(c)のX1又はX2方向の剪断力は、マーキング方向に沿ったX2方向の剪断力が大きくなる。
【0021】
<
図1(a)、(d)>
図1(a)及び(d)で示す複合成形体3の製造方法は、次のとおりである。
図1(a)は、側面図(又は平面図)であり、(d)は接合面のマーキング状態を示す図である。
【0022】
接合一体化前の金属平板1の端面(接合面)1aに対して、
図1(d)に示すように、接合面1aの中心を通る放射状のマーキング5が形成されるようにレーザースキャンする。このとき、中心から8本の直線からなるマーキング5を形成してもよいし、中心を通る4本の直線からなるマーキング5を形成してもよい。
この方法で形成されたマーキング5は1点でのみに交差するが、2点以上では交差していない。
【0023】
図1(d)に示すようにレーザースキャンしたとき(マーキング5が形成されているとき)、
図1(a)で示すX方向(
図1(d)のX1又はX2方向を示す)への接合強度(例えば剪断力)が、
図1(a)で示すYへの剪断力と比べて高くなる。なお、
図1(d)のX1又はX2方向の剪断力は同程度になる。
【0024】
図1(b)、(c)、(d)におけるマーキング5又はマーキング5、5’の間隔、長さ及び本数は、接合対象となる金属平板1と樹脂平板2の大きさ、質量、種類、さらには求められる接合強度等に応じて適宜決定する。
【0025】
図1で示す複合成形体3は、金属平板1と樹脂平板2の一面で接合されたものであるが、金属平板1の2つの面に対してレーザースキャンした後、前記金属平板1の2つの面と樹脂が接合できるようにインサート成形することができる。
また、断面が多角形(例えば六角形)の金属棒を使用する場合には、1面〜6面の一部面及び全ての面に対してレーザースキャンして、金属成形体と1つ又は複数の樹脂成形体を接合することができる。
【0026】
次に、レーザースキャンした金属成形体1の接合面1aを含む部分を金型内に配置して、樹脂成形体2となる熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)をインサート成形する。なお、熱硬化性樹脂(プレポリマー)を使用したときには後硬化処理をする。
インサート成形方法は特に制限されるものではなく、金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)を射出する方法、金属成形体1と樹脂成形体2を加熱プレスする方法等を適用することができる。
【0027】
(2)
図2に示す複合成形体の製造方法
図2(a)は、金属平板(又は金属角材)1の平面と樹脂成形体2の平面が接合一体化された複合成形体3の側面図である。
【0028】
<
図2(a)、(b)、(c)>
図2(a)、(b)及び(c)で示す複合成形体3の製造方法は、次のとおりである。
図2(a)は複合成形体3の側面図、
図2(b)は(a)の平面図であり、
図2(c)は接合面1aのマーキング状態(マーキング方向)を示す図である。
図2(a)、(b)の複合成形体3も
図1(a)の複合成形体3と同様にして、接合一体化前の金属平板1の平面(接合面)1aに対して、
図1(c)に示すように、長さ方向の一方向のみ(
図1(c)中のマーキング5に付した矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング5を形成するようにレーザースキャンする。
【0029】
レーザースキャンは、
図1(c)に示すように、間隔をおいて複数本のマーキング5を形成することができる。このとき、全てのマーキング5(即ち、全てのレーザースキャン方向)は同一方向であり、かつそれぞれが直線であるから、互いに交差することはない。
【0030】
<
図2(a)、(b)、(d)>
図2(a)、(b)及び(d)で示す複合成形体3の製造方法は、次のとおりである。
図2(a)は複合成形体3の側面図、
図2(b)は(a)の平面図であり、
図2(d)は接合面1aのマーキング状態(マーキング方向)を示す図である。
第1スキャン工程では、金属成形体1の接合面1aに対して、特定の一方向(
図2(d)のマーキング5の矢印方向)にのみ連続又は不連続の直線状にマーキング5を形成するようにレーザースキャンする。
【0031】
第2スキャン工程では、第1スキャン工程における特定の一方向とは180°反対方向(第1スキャン工程のスキャン方向とは交差しない方向であり、
図2(d)のマーキング5’の矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング5’を形成するようにレーザースキャンする。
このようにスキャン方向が180°反対になるように往復してスキャンすることで、同じ本数だけマーキング5、5’を形成する場合には、同一方向からマーキングを形成した場合と比べると、スキャンに要する時間を短縮することができる。
【0032】
なお、
図2の実施形態においても、
図1(d)で示すような放射状のマーキング5を形成することができる。
【0033】
図2(c)、(d)に示すようにレーザースキャンしたとき(マーキング5又はマーキング5、5’が形成されているとき)、
図2(a)で示すX1方向(長さ方向)、
図2(b)で示すX2方向(幅方向)への接合強度(例えば剪断力)が、
図2(a)で示すZ方向(厚み方向)への接合強度(例えば引張強度)と比べて高くなる。なお、
図2(c)、(d)のX1又はX2方向の剪断力は、マーキング方向に沿ったX1方向の剪断力が大きくなる。
図2(c)、(d)におけるマーキング5又はマーキング5、5’の間隔、長さ及び本数は、接合対象となる金属平板1と樹脂平板2の大きさ、質量、種類、さらには求められる接合強度等に応じて適宜決定する。
【0034】
図2で示す複合成形体3は、金属平板1と樹脂平板2の一面で接合されたものであるが、金属平板1の2つの面に対してレーザースキャンした後、前記金属平板1の2つの面と樹脂が接合できるようにインサート成形することができる。
また、断面が多角形(例えば六角形)の金属棒を使用する場合には、1面〜6面の一部面及び全ての面に対してレーザースキャンして、金属成形体と1つ又は複数の樹脂成形体を接合することができる。
【0035】
次に、レーザースキャンした金属成形体1の接合面1aを含む部分を金型内に配置して、樹脂成形体2となる熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)をインサート成形する。なお、熱硬化性樹脂(プレポリマー)を使用したときには後硬化処理をする。
インサート成形方法は特に制限されるものではなく、金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)を射出する方法、金属成形体1と樹脂成形体2を加熱プレスする方法等を適用することができる。
【0036】
(3)
図3に示す複合成形体の製造方法
図3(a)は、金属棒(幅方向の断面が円形、楕円形、三角形、四角形、六角形等の多角形の棒)11の一端側の周面11aと樹脂成形体12が接合一体化された複合成形体13の側面図である。
複合成形体13は、金属棒11の一端側の周面11aが樹脂で包み込まれた状態(即ち、樹脂成形体12中に金属棒11の一端側の周面11aが埋設された状態)で接合一体化されている。
【0037】
<
図3(a)、(b1)、(b2)>
図3(a)、(b1)で示す複合成形体13の製造方法は、次のとおりである。
接合一体化前の金属棒11の一端側周面(接合面)11aに対して、
図3(b1)に示すように、マーキング15の矢印方向のみに連続又は不連続の螺旋状にマーキング15を形成するようにレーザースキャンした実施形態である。
ここで不連続の螺旋状にマーキング15を形成するようにレーザースキャンするとは、多数のドット状のマーキングの組み合わせで螺旋状の線を形成するようにレーザースキャンすることを意味する。螺旋状の線であるから、マーキング5が交差することはない。以下の他の実施形態においても同様である。
図3(b1)に示すように螺旋状にレーザースキャンしたとき(マーキング15が形成されているとき)、金属棒11のα軸を中心とするときの回転方向(
図3(b1)の矢印方向又は反対方向への回転方向。)への接合強度(反対方向の接合強度が高くなる)とα軸方向への接合強度(引張強度)を高くすることができる。
【0038】
図3(a)、(b2)で示す複合成形体13の製造方法は、次のとおりである。
第1スキャン工程では、接合一体化前の金属棒11の接合面11aに対して、特定の一方向(
図3(b2)のマーキング15の矢印方向)にのみ連続又は不連続の螺旋状にマーキング15を形成するようにレーザースキャンする。
第2スキャン工程では、第1スキャン工程における特定の一方向とは180°反対方向(第1スキャン工程のスキャン方向とは交差しない方向であり、
図3(b2)のマーキング15’の矢印方向)に連続又は不連続の螺旋状にマーキング15’を形成するようにレーザースキャンする。
このようにスキャン方向が180°反対になるように往復してスキャンすることで、同じ本数だけマーキングを形成する場合には、同一方向からマーキングを形成した場合と比べると、スキャンに要する時間を短縮することができる。
【0039】
図3(b2)に示すように螺旋状にレーザースキャンしたとき(マーキング15が形成されているとき)、金属棒11のα軸を中心とするときの回転方向(
図3(b2)の矢印方向又は反対方向の正逆方向への回転。)への接合強度(反対方向の接合強度が高くなる)とα軸方向への接合強度(引張強度)を高くすることができる。
【0040】
図3(b1)、(b2)で示す接合方法を適用したときは、α軸を中心とするときの回転方向やα軸方向への引張強度が高いことが要求される部品(複合成形体)、例えば、モーター部品、ピストンのような部品の製造方法として好適である。
【0041】
<
図3(a)、(c1)>
図3(a)、(c1)で示す複合成形体13の製造方法は、次のとおりである。
接合一体化前の金属棒11の一端側周面(接合面)11aに対して、
図3(c1)に示すように、マーキング15の矢印方向のみに連続又は不連続の直線状にマーキング15を形成するようにレーザースキャンした実施形態である。このとき、一端側周面(接合面)11aの一部面のみスキャンしてもよいし、全周面にスキャンしてもよい。
【0042】
レーザースキャンは、
図3(c1)に示すように、間隔をおいて複数本のマーキング15を形成することができる。このとき、全てのマーキング15(即ち、全てのレーザースキャン方向)は同一方向であり、かつそれぞれが直線であるから、互いに交差することはない。
【0043】
<
図3(a)、(c2)>
図3(a)、(c2)で示す複合成形体13の製造方法は、次のとおりである。
第1スキャン工程では、接合一体化前の金属棒11の接合面11aに対して、特定の一方向(
図3(c2)のマーキング15の矢印方向)にのみ連続又は不連続の直線状にマーキング15を形成するようにレーザースキャンする。
第2スキャン工程では、第1スキャン工程における特定の一方向とは180°反対方向(第1スキャン工程のスキャン方向とは交差しない方向であり、
図3(c2)のマーキング15’の矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング15’を形成するようにレーザースキャンする。
このとき、一端側周面(接合面)11aの一部面のみスキャンしてもよいし、全周面にスキャンしてもよい。
このようにスキャン方向が180°反対になるように往復してスキャンすることで、同じ本数だけマーキングを形成する場合には、同一方向からマーキングを形成した場合と比べると、スキャンに要する時間を短縮することができる。
【0044】
図3(c1)、(c2)に示すように直線状にレーザースキャンしたとき(マーキング15又はマーキング15、15’が形成されているとき)、金属棒11のα軸を中心とするときの正逆の回転方向への接合強度を特に高くすることができる。
このため、α軸を中心とするときの回転方向が高いことが要求される部品(複合成形体)、例えば、モーター部品の製造方法として好適である。
【0045】
<
図3(a)、(d1)>
図3(a)、(d1)で示す複合成形体13の製造方法は、次のとおりである。
接合一体化前の金属棒11の一端側周面(接合面)11aに対して、
図3(d1)に示すように、マーキング15の矢印方向のみに間隔をおいて複数本を連続又は不連続の環状にレーザースキャンした実施形態である。ここで不連続の環状とは、多数のドット状のマーキングの組み合わせで環状の線を形成するようにレーザースキャンすることを意味する。環状線であるから、マーキング同士が交差することはない。以下の他の実施形態においても同様である。
【0046】
<
図3(a)、(d2)>
図3(a)、(d2)で示す複合成形体13の製造方法は、次のとおりである。
第1スキャン工程では、接合一体化前の金属棒11の接合面11aに対して、特定の一方向(
図3(d2)のマーキング15の矢印方向)にのみ連続又は不連続の環状にマーキング15を形成するようにレーザースキャンする。
【0047】
第2スキャン工程では、第1スキャン工程における特定の一方向とは180°反対方向(第1スキャン工程のスキャン方向とは交差しない方向であり、
図3(d2)のマーキング15’の矢印方向)に連続又は不連続の環状にマーキング15’を形成するようにレーザースキャンする。
【0048】
図3(d1)、(d2)に示すように環状にレーザースキャンしたとき(マーキング15又はマーキング15、15’が形成されているとき)、金属棒11のα軸方向への接合強度(引張強度)を特に高くすることができる。なお、
図3(d1)、(d2)では、
図3(b)のように斜め方向への環状を形成するようにスキャンすることもできる。
このため、α軸方向への引張強度が高いことが要求される部品(複合成形体)、例えば、ピストンのような部品の製造方法として好適である。
【0049】
図3(a)、(b1)〜(d2)では、同じマーキング15、15’に対して複数回繰り返してレーザースキャンすることもできる。同じマーキング15、15’に対するレーザースキャンの回数を増加させることにより、接合強度を高めることができる。
【0050】
レーザースキャンは、
図3(b1)〜(d2)に示すように、間隔をおいて複数本のマーキング15、15’を形成する。このときのマーキング15、15’の間隔、長さ及び本数は、接合対象となる金属棒11と樹脂成形体12の大きさ、質量、種類、さらには求められる接合強度等に応じて適宜決定する。
【0051】
図3(b1)〜(d2)では、金属棒11の一端側の周面(接合面)11aのみにレーザースキャンしているが、一端側の周面11aに代えて、或いは一端側の周面11aと共に、金属棒11の端面11bに対してもレーザースキャンすることができる。
金属棒11の端面11bに対してレーザースキャンするときは、
図1(c)で示すマーキング15、15’が形成されるようにスキャンしてもよいが、
図3(e)、(f)に示すように、接合面11bの中心を通る放射状のマーキング15が形成されるようにレーザースキャンしてもよいし、さらに
図5(a)〜(f)、
図6(a)、(b)、
図7(a)、(b)、
図8(a)、(b)、
図9(a)、(b)に示すマーキングが形成されるようにスキャンしてもよい。
図3(e)、(f)に示すマーキング15は1点でのみ交差して、2点以上では交差していない。
【0052】
次に、レーザースキャンした金属棒11の接合面11aを含む部分を金型内に配置して、樹脂成形体12となる熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)をインサート成形する。なお、熱硬化性樹脂(プレポリマー)を使用したときには後硬化処理をする。
インサート成形方法は特に制限されるものではなく、金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)を射出する方法、金属成形体11と樹脂成形体を加熱プレスする方法等を適用することができる。
【0053】
(4)
図4に示す複合成形体の製造方法
図4(a)は、表面に凸部を有する金属板21と樹脂成形体22との複合成形体23の側面図である。凸部は、平面21aと4つの斜面(又は垂直面でもよい)21bから形成されている。
【0054】
<
図4(a)、(b)>
図4(a)、(b)で示す複合成形体23の製造方法は、次のとおりである。
まず、接合一体化前の金属板21の平面(接合面)21aに対して、
図4(b)に示すように、一方向のみ(
図4(b)中のマーキング25に付した矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング25が形成されるようにレーザースキャンする。
また
図4(c)に示すように、平面21aだけでなく、4つの斜面21bの一部又は全部の面、必要に応じてさらに凸部周辺の平面24に対してもレーザースキャンしてもよい。
スキャン方向は一方向のみであるから、
図4(b)の方向とは直交する方向のみにスキャンしてもよいし、斜め方向のみにスキャンしてもよい。
このとき、同じマーキング25に対して複数回繰り返してレーザースキャンすることもできる。同じマーキング25に対するレーザースキャンの回数を増加させることにより、接合強度を高めることができる。
【0055】
レーザースキャンは、
図4(b)に示すように、間隔をおいて複数本のマーキング25を形成することができる。このとき、全てのマーキング25(即ち、全てのレーザースキャン方向)は同一方向であり、かつそれぞれが直線であるから、互いに交差することはない。
【0056】
<
図4(a)、(d)>
図4(a)、(d)で示す複合成形体23の製造方法は、次のとおりである。
第1スキャン工程では、金属成形体21の接合面21aに対して、特定の一方向(
図4(d)のマーキング25の矢印方向)にのみ連続又は不連続の直線状にマーキング25が形成されるようにレーザースキャンする。
【0057】
第2スキャン工程では、第1スキャン工程における特定の一方向とは180°反対方向(第1スキャン工程のスキャン方向とは交差しない方向であり、
図4(d)のマーキング25’の矢印方向)に連続又は不連続の直線状にマーキング25’が形成されるようにレーザースキャンする。
また
図4(c)で示すように、平面21aだけでなく、4つの斜面21bの一部又は全部の面、必要に応じてさらに凸部周辺の平面24に対してもレーザースキャンしてもよい。
スキャン方向は一方向のみであるから、
図4(d)に示す方向とは直交する方向のみにスキャンしてもよいし、斜め方向のみにスキャンしてもよい。
このようにスキャン方向が180°反対になるように往復してスキャンすることで、同じ本数だけマーキングを形成する場合には、同一方向からマーキングを形成した場合と比べると、スキャンに要する時間を短縮することができる。
【0058】
マーキング25又はマーキング25、25’の間隔、長さ及び本数は、接合対象となる金属板21と樹脂平板22の大きさ、質量、種類、さらには求められる接合強度等に応じて適宜決定する。
【0059】
次に、レーザースキャンした金属成形体21の接合面21aを含む部分を金型内に配置して、樹脂成形体22となる熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)をインサート成形する。なお、熱硬化性樹脂(プレポリマー)を使用したときには後硬化処理をする。
インサート成形方法は特に制限されるものではなく、金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(プレポリマー)を射出する方法、金属成形体21と樹脂成形体22を加熱プレスする方法等を適用することができる。
【0060】
図1〜
図4に示す実施形態では、直線に代えて幅の狭いジグザグ線、幅の狭い波線(即ち、曲線)からなるマーキングを形成するようにスキャンすることもできる。
【0061】
(5)
図5〜
図10に示す所望のマーキングパターンを形成する方法
本発明の複合成形体の製造方法においては、接合対象となる金属成形体の接合面の形状により、レーザースキャンする工程において所望のマーキングパターンを形成することができる。
このマーキングパターンは、金属成形体の接合面の形状に応じて、接合面の全体又はその一部に対して、所望方向に対して所望強度の接合強度が得られるように形成されるものである。
【0062】
<
図5(a)〜(f)>
図5(a)〜(f)は、金属成形体の接合面が四角形のものの実施形態であるが、円形、楕円形、他の多角形のような他の形状からなる接合面にも適用することができる。
【0063】
図5(a)は、金属成形体1の接合面1aに対して、X2方向に突き出された折れ線(図面上では逆V字状)を複数並べた状態のマーキングパターン5を形成している。
図5(a)のマーキングパターン5の場合は、X1及びX2方向への剪断力を高めることができ、特にX2方向への剪断力を高めることができる。
なお、以下の
図5の説明において、X1、X2方向というときは、
図5(a)に示されたX1、X2方向を基準とする。
【0064】
図5(b)は、金属成形体1の接合面1aに対して、X2方向に突き出された曲線(円弧を形成する線)を複数並べた状態のマーキングパターン5を形成している。
図5(b)のマーキングパターン5の場合は、X1及びX2方向への剪断力を高めることができ、特にX2方向への剪断力を高めることができる。
【0065】
図5(c)は、
図5(a)の変形例であり、複数のジクザク線を複数並べた状態のマーキングパターン5を形成している。
図5(c)のマーキングパターン5の場合は、X1、X2を含む面内のあらゆる方向に対して、方向依存性にない均一な接合力(剪断力)を得ることができる。
【0066】
図5(d)は、
図5(b)の変形例であり、複数の波線を複数並べた状態のマーキングパターン5を形成している。
図5(d)のマーキングパターン5の場合は、X1、X2を含む面内のあらゆる方向に対して、方向依存性にない均一な接合力(剪断力)を得ることができる。
【0067】
図5(e)は、1本の連続した直線で全体として波線が形成された状態のマーキングパターン5を形成している。
図5(e)のマーキングパターン5の場合は、X1、X2を含む面内のあらゆる方向に対して、方向依存性にない均一な接合力(剪断力)を得ることができる。
【0068】
図5(f)は、
図5(e)のマーキングパターン5を曲線で形成したものである。
図5(f)のマーキングパターン5の場合は、X1、X2を含む面内のあらゆる方向に対して、方向依存性にない均一な接合力(剪断力)を得ることができる。
図5(a)〜(f)のマーキングパターン5は、いずれにおいても各直線又は各曲線が互いに交差しないように形成されている。
【0069】
<
図6(a)、(b)>
図6(a)、(b)は、金属成形体の接合面が四角形のもの実施形態である、
図6(a)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aと同一形状(四角形)の図形であり、同じ中心点を有し、かつ大きさが異なる複数の図形(四角形)を形成するようにマーキングパターン5を形成している。
【0070】
図6(b)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aの中心点を基準として渦巻きを形成するようにマーキングパターン5を形成している。
なお、
図6(a)、(b)のほかに、
図1(d)で示すマーキングパターン5、
図3(f)で示すマーキングパターン15を形成することもできる。
【0071】
図6(a)、(b)のようなマーキングパターン5を形成したとき、
図5で示すX1、X2を含む全ての方向への剪断力を高くすることができる。
図6(a)、(b)のマーキングパターン5は、いずれにおいても各直線が互いに交差しないように形成されている。
【0072】
<
図7(a)、(b)>
図7(a)、(b)は、金属成形体の接合面が円形のもの実施形態である、
図7(a)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aと同一形状(円形)の図形であり、同じ中心点を有し、かつ大きさが異なる複数の図形(即ち、同心円)を形成するようにマーキングパターン5を形成している。
【0073】
図7(b)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aの中心点を基準として渦巻きを形成するようにマーキングパターン5を形成している。
この中心点は、面積の中心又は重心の中心である。
図7のように接合面1aが円形の場合には面積の中心を中心点とすることが好ましいが、接合面1aが不定形のものの場合には重心を中心点とすることができる。
なお、
図7(a)、(b)のほかに、
図3(e)で示すマーキングパターン15を形成することもできる。
【0074】
図7(a)、(b)のようなマーキングパターン5を形成したとき、
図5で示すX1、X2を含む全ての方向への剪断力を高くすることができる。
図7(a)、(b)のマーキングパターン5は、いずれにおいても各曲線が互いに交差しないように形成されている。
【0075】
<
図8(a)、(b)>
図8(a)、(b)は、金属成形体の接合面が楕円形のもの実施形態である、
図8(a)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aと同一形状(楕円形)の図形であり、同じ中心点を有し、かつ大きさが異なる複数の図形(楕円形)を形成するようにマーキングパターン5を形成している。
【0076】
図8(b)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aの中心点を基準として渦巻きを形成するようにマーキングパターン5を形成している。
なお、
図8(a)、(b)のほかに、
図3(e)で示すマーキングパターン15を利用することもできる。
【0077】
図8(a)、(b)のようなマーキングパターン5を形成したとき、
図5で示すX1、X2を含む全ての方向への剪断力を高くすることができる。
図8(a)、(b)のマーキングパターン5は、いずれにおいても各曲線が互いに交差しないように形成されている。
【0078】
<
図9(a)、(b)>
図9(a)、(b)は、金属成形体の接合面が三角形のもの実施形態である、
図9(a)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aと同一形状(三角形)の図形であり、同じ中心点を有し、かつ大きさが異なる複数の図形(三角形)を形成するようにマーキングパターン5を形成している。
【0079】
図9(b)は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aの中心点を基準として渦巻きを形成するようにマーキングパターン5を形成している。
なお、
図9(a)、(b)のほかに、
図3(f)で示すマーキングパターン15を利用することもできる。
【0080】
図9(a)、(b)のようなマーキングパターン5を形成したとき、
図5で示すX1、X2を含む全ての方向への剪断力を高くすることができる。
図9(a)、(b)のマーキングパターン5は、いずれにおいても各直線が互いに交差しないように形成されている。
【0081】
図10は、金属成形体の接合面が星形のもの実施形態である、
図10は、金属成形体1の接合面1aに対して、接合面1aと同一形状(星形)の図形であり、同じ中心点を有し、かつ大きさが異なる複数の図形(星形)を形成するようにマーキングパターン5を形成している。
【0082】
図10のようなマーキングパターン5を形成したとき、
図5で示すX1、X2を含む全ての方向への剪断力を高くすることができる。
図10のマーキングパターン5は、いずれにおいても各直線が互いに交差しないように形成されている。
【0083】
(6)
図11に示す所望のマーキングパターン
図11(a)は、金属成形体1の接合面1aが四角形の場合において、
図6(b)に示すマーキングパターン5を複数組み合わせて形成した実施形態である。
図11(b)は、金属成形体1の接合面1aが円形の場合において、
図7(b)に示す大きさの異なるマーキングパターン5を複数組み合わせて形成した実施形態である。
【0084】
1つの金属成形体の接合面であっても、前記接合面の形状に応じて、
図5〜
図10示される同じ大きさ又は異なる大きさのマーキングパターン5、さらには他のマーキングパターンを組み合わせて所望のマーキングパターンを形成することができる。
このように異なるマーキングパターンを組み合わせることで、所望方向の接合強度が高い複合成形体の製造が容易になる。
【0085】
本発明の複合成形体の製造方法を適用する金属は特に制限されるものではなく、用途に応じて公知の金属から適宜選択することができる。例えば、鉄、各種ステンレス、アルミニウム又はその合金、銅、マグネシウム及びそれらを含む合金から選ばれるものを挙げることができる。
【0086】
本発明の複合成形体の製造方法を適用する樹脂として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のほか、熱可塑性エラストマーも含まれる。
【0087】
熱可塑性樹脂は、用途に応じて公知の熱可塑性樹脂から適宜選択することができる。例えば、ポリアミド系樹脂(PA6、PA66等の脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド)、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン単位を含む共重合体、ポリエチレン、エチレン単位を含む共重合体、ポリプロピレン、プロピレン単位を含む共重合体、その他のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂を挙げることができる。
【0088】
熱硬化性樹脂は、用途に応じて公知の熱硬化性樹脂から適宜選択することができる。例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レソルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ビニルウレタンを挙げることができる。
【0089】
熱可塑性エラストマーは、用途に応じて公知の熱可塑性エラストマーから適宜選択することができる。例えば、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーを挙げることができる。
【0090】
これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマーには、公知の繊維状充填材を配合することができる。
公知の繊維状充填材としては、炭素繊維、無機繊維、金属繊維、有機繊維等を挙げることができる。
炭素繊維は周知のものであり、PAN系、ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等のものを用いることができる。
無機繊維としては、ガラス繊維、玄武岩繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維等を挙げることができる。
金属繊維としては、ステンレス、アルミニウム、銅等からなる繊維を挙げることができる。
有機繊維としては、ポリアミド繊維(全芳香族ポリアミド繊維、ジアミンとジカルボン酸のいずれか一方が芳香族化合物である半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維)、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリエステル繊維(全芳香族ポリエステル繊維を含む)、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリイミド繊維、液晶ポリエステル繊維を用いることができるが、これらの中でも全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)がより好ましい。
【0091】
これらの繊維状充填材は、繊維径が3〜60μmの範囲のものを使用することができる
が、これらの中でも、例えば金属成形体1の接合面1aに対して形成されるマーキングパターン5の幅(溝の幅又は孔の開口径)より小さな繊維径のものを使用することが好ましい。繊維径は、より望ましくは5〜30μm、さらに望ましくは7〜20μmである。
このようなマーキングパターン5の幅より小さな繊維径の繊維状充填材を使用したときには、金属成形体のマーキングパターン5内に繊維状充填材の一部が張り込んだ状態の複合成形体が得られ、金属成形体と樹脂成形体の接合強度が高められるので好ましい。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性エラストマー100質量部に対する繊維状充填材の配合量は5〜250質量部が好ましい。より望ましくは、25〜200質量部、さらに望ましくは45〜150質量部である。
【0092】
本発明の複合成形体の製造方法では公知のレーザーを使用することができ、例えば、YAGレーザー、半導体レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、He−Neレーザー、窒素レーザー、キレートレーザー、色素レーザーを使用することができる。
【0093】
レーザーのスキャン条件、例えば、波長、ビーム径、マーキングの間隔、スキャン速度、周波数、スキャンする範囲(マーキングの形成範囲)は、接合対象となる金属と樹脂の大きさ、質量、種類、さらには求められる接合強度等に応じて適宜決定することができる。
【実施例】
【0094】
実施例1、2及び比較例1
金属板(SUS303)(幅12.5mm,長さ50mm,厚み0.2mm)とポリアミド66からなる複合成形体(
図2(a)で示す形態の複合成形体3)を製造した。
【0095】
図12に示すように、金属板1の接合面1aに対して90度の角度で(真上から)、一方向(
図12中の矢印方向)のみに直線状にレーザースキャンした。レーザースキャン条件は以下のとおりである。
【0096】
<レーザースキャン条件>
レーザー:YAG
出力:4.5W
波長:1064mm
ビーム径:20μm
線間距離(レーザービームの中心間の距離)(
図12で示す隣接するマーキング5の線の中心から中心の間隔):100μm
スキャン速度:100mm/sec
周波数:50kHz
加工エリア面積(マーキング5の形成範囲であり、幅W=5mm,長さL=3mmの範囲):15mm
2
【0097】
金属板1にレーザースキャンした後、下記の方法でインサート成形して、
図13で示す金属板1と樹脂成形体2が接合一体化された複合成形体3を得た。但し
図13は、引張試験用のスペーサー7(スペーサー7は、本発明の複合成形体3には含まれない)を取り付けた状態で示している。
なお、レーザースキャンしていない金属板を用いて同様に射出成形した複合成形体を比較例1とした。
【0098】
<インサート成形(射出成形)>
樹脂:GF60%強化PA66樹脂(プラストロンPA66−GF60−01(L9):ダイセルポリマー(株)製)
樹脂温度:320℃
金型温度:100℃
射出成形機:FUNAC ROBOSHOT S−2000i−100B
【0099】
図13で示す複合成形体3(スペーサー7を含む)を用いて、引張試験を行った。結果を表1に示す。
<引張試験条件>
試験機:テンシロンUCT−1T
引張速度:5mm/min
チャック間距離:50mm
引張方向:
図12、
図13に示す白矢印方向(マーキング5と同一方向)
【0100】
【表1】
【0101】
マーキング回数は、レーザースキャン回数を示す。実施例1は、1回だけレーザースキャンした例であり、実施例2は、1つのマーキング5に対して合計で3回レーザースキャンした例である。
【0102】
実施例3〜8
金属板(SUS303)(幅15mm,長さ60mm,厚み1mm)とポリアミド66からなる複合成形体(
図2(a)で示す形態の複合成形体)を製造した。
【0103】
図14に示す金属板(SUS304)(幅15mm,長さ60mm,厚み1mm)の示すレーザー照射エリア(マーキング60の形成範囲,40mm
2〔4mm×10mm〕)に対して、
図15(a)〜(d)に示すように、金属板50の接合面51に対して90度の角度で(真上から)、直線状にレーザースキャンした。なお、
図15(a)〜(d)はマーキング方向やマーキングパターンを示すものであり、実際のマーキング本数を示すものではない。
実施例7の
図15(c)のパターンは、直線からなる渦巻き状にスキャンされている。
実施例8は、1つのマーキング60に対して2回スキャンした例である。
【0104】
レーザースキャン条件は以下のとおりである。
<レーザースキャン条件>
レーザー:YAG
出力:表2に示す
波長:1064mm
ビーム径:20μm
線間距離(
図15(a)〜(d)で示す隣接する同方向へのマーキング60の線の中心から中心までの間隔):100μm
スキャン速度:100mm/sec
周波数:50kHz
【0105】
金属板50の接合面51にレーザースキャンした後、下記の方法でインサート成形して、
図14で示す金属板と樹脂成形体が接合一体化された複合成形体を得た。
金属板50の接合面51にレーザースキャンした後、下記の方法でインサート成形して、
図14で示す金属板50と樹脂成形体が接合一体化された
図13と同じ引張試験用のスペーサー7が取り付けられた複合成形体を得た。
【0106】
<インサート成形(射出成形)>
樹脂:GF60%強化PA66樹脂(プラストロンPA66−GF60−01(L9):ダイセルポリマー(株)製)
樹脂温度:320℃
金型温度:100℃
射出成形機:FUNAC ROBOSHOT S−2000i−100B
【0107】
<引張試験条件>
試験機:テンシロンUCT−1T
引張速度:5mm/min
チャック間距離:50mm
引張方向:
図14、
図15(a)〜(d)に示す白矢印方向。試験は、n数5で行い、それらの平均値を求めた。
【0108】
【表2】