特許第6276258号(P6276258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6276258OspAの変異型断片、並びにそれに関する方法および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276258
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】OspAの変異型断片、並びにそれに関する方法および使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/20 20060101AFI20180129BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20180129BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20180129BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20180129BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20180129BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20180129BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20180129BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20180129BHJP
   C07K 16/12 20060101ALI20180129BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20180129BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   C07K14/20
   C07K19/00
   C12N15/00 AZNA
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   C12P21/02 C
   C07K16/12
   A61K39/02
   A61P31/10
【請求項の数】20
【全頁数】115
(21)【出願番号】特願2015-519248(P2015-519248)
(86)(22)【出願日】2013年7月8日
(65)【公表番号】特表2015-522270(P2015-522270A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】EP2013064403
(87)【国際公開番号】WO2014006226
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】61/668,627
(32)【優先日】2012年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/802,991
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515004832
【氏名又は名称】バルネバ オーストリア ゲーエムベーハ―
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】コムステット ペール
(72)【発明者】
【氏名】ランドベルク ウルバン
(72)【発明者】
【氏名】マインケ アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンナー マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シューラ― ウォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ワイゼル ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ライニッシュ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】グローマン ブリジット
(72)【発明者】
【氏名】シュレグル ロバート
【審査官】 高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0023325(US,A1)
【文献】 JOURNAL OF MOLECULAR BIOLOGY,2005年,Vol. 350, No. 2,pp.290-299
【文献】 ANNUAL REVIEW OF BIOPHYSICS,2012年 6月 9日,Vol.41, No. 1,pp.63-79
【文献】 Infection and Immunity,2001年,Vol. 69, No 8,pp.4799-4807
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
PubMed
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)、Lip-S4D1-S3D1(配列番号:194)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)からなる群より選択されるヘテロ二量体を含む、または該ヘテロ二量体からなる、ポリペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする、核酸。
【請求項3】
請求項に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項4】
請求項に記載の核酸または請求項に記載のベクターを含む宿主細胞であって、大腸菌(E. coli)である、宿主細胞。
【請求項5】
請求項に記載の核酸分子を発現させる工程を含む、請求項1に記載のポリペプチドを産生するための方法。
【請求項6】
a)ポリペプチドをコードするベクターを宿主細胞に導入する工程、
b)該ポリペプチドを発現させる条件下で該宿主細胞を増殖させる工程、
c)該宿主細胞をホモジナイズする工程、および
d)該宿主細胞のホモジネートを精製工程に供する工程
を特徴とする、請求項1に記載のポリペプチドを産生するための方法。
【請求項7】
請求項1に記載のポリペプチドの少なくとも1つおよび/または請求項に記載の核酸と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項8】
Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項9】
前記薬学的に許容される賦形剤がL-メチオニンを含む、請求項7または8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ボレリア由来またはボレリア以外の病原体由来の少なくとも1つの付加的な抗原をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの付加的な抗原が、第2のワクチン組成物に含まれており、前記第2のワクチン組成物が、ダニ媒介性脳炎ワクチン、日本脳炎ワクチン、またはロッキー山紅斑熱ワクチンである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
ポリカチオン性重合体、ポリカチオン性ペプチド、免疫賦活性オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、オリゴ(dIdC)13(配列番号:32)、少なくとも2つのLysLeuLysモチーフを含むペプチド、ペプチド
[この文献は図面を表示できません]
、神経刺激性化合物、ヒト成長ホルモン、水酸化アルミニウムもしくはリン酸アルミニウム、フロイント完全もしくは不完全アジュバント、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される免疫賦活性物質をさらに含むことを特徴とする、請求項11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
ワクチンである、請求項12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬としての使用のための、請求項13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
ボレリア感染症を治療または予防する方法における使用のための、請求項14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
請求項1に記載のポリペプチドに選択的に結合するが、対応する野生型OspA断片に結合しない、抗体。
【請求項17】
レリア生物による感染に対して動物またはヒトを免疫するための方法における使用のための、請求項7〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項18】
ボレリア生物による感染に対して動物またはヒトを免疫するための医薬組成物の調製における、請求項1に記載のポリペプチド、請求項2に記載の核酸分子、または請求項3に記載のベクターの使用。
【請求項19】
レリア生物に対する動物またはヒトにおける免疫応答を刺激するための方法における使用のための、請求項7〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項20】
ボレリア生物に対する動物またはヒトにおける免疫応答を刺激するための医薬組成物の調製における、請求項1に記載のポリペプチド、請求項2に記載の核酸分子、または請求項3に記載のベクターの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ボレリア(Borrelia)感染症の予防および治療のための組成物および方法に関する。特に、本発明は、細胞表層タンパク質A(OspA)の変異型断片を含むポリペプチド、これをコードする核酸、該ポリペプチドおよび/または核酸を含む(特にボレリア感染症を治療または予防する方法において医薬として使用するための)医薬組成物、ボレリア感染症を治療または予防する方法、並びに対象を免疫する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ライムボレリア症またはライム病は、欧州および北アメリカにおいて最も一般的に報告されるダニ媒介性疾患である。該疾患は、節足動物媒介性グラム陰性様スピロヘータであるボレリア・ブルグドルフェリ・センス・ラト(Borrelia burgdorferi sensu lato;B.ブルグドルフェリs.l.(B. burgdorferi s.l.))により引き起こされ、多器官または多組織が含まれ得る感染症であり、皮膚、心臓、筋骨格および神経の障害を生じる。大部分の国において、ライムボレリア症は届出疾患でなく、年間発生率に関する正確なデータは入手できない。米国では、原因菌はボレリア・ブルグドルフェリ・センス・ストリクト(Borrelia burgdorferi sensu stricto;B.ブルグドルフェリs.s.(B. burgdorferi s.s.))であり、ライムボレリア症は北東部、中部大西洋および上方中北部の州に局在化している。2010年には、米国については合計約30,000例のライムボレリア症の症例が、疾病管理予防センター(CDC)に報告されていた。欧州においては、B.ブルグドルフェリs.s.およびB.ババリエンシス(B. bavariensis)と同様に、B.アフゼリ(B. afzelii)およびB.ガリニ(B. garinii)がライムボレリア症の主な原因菌であり、それらは地理的位置に依存して寄与程度はより小さい。ライムボレリア症の流行は、欧州の様々な国においてかなり変化し、全体の有病率は西から東へと増加する。欧州の多くの国において、ライムボレリア症の報告された症例数は1990年代初期から増加し(たとえば、チェコ共和国、エストニア、リトアニア;欧州におけるライムボレリア症(Lyme borreliosis in Europe)、2006年WHO報告(WHO report of 2006)(非特許文献1)参照)、また症例の地理的分布も拡大した。
【0003】
ボレリア属はスピロヘータ科に属し、それは医学的に重要な属であるレプトスピラ属(Leptospira)およびボレリア属に細分化される。B.ブルグドルフェリs.l.は螺旋形の勢いよく運動するグラム陰性菌であり、長さが約10〜20μm、幅は0.2〜0.5μmで、微好気性条件下で増殖する。スピロヘータ細胞壁は、ペプチドグリカンおよび幾つかの鞭毛に囲まれた原形質膜と、次いでゆるく結合された外膜とからなっている。
【0004】
ライムボレリア症は、一般に、緩解および悪化を伴った、異なる臨床的徴候を特徴とする複数の段階で生じる。初期の感染であるステージ1は皮膚の限局性感染からなり、数日または数週間以内の播種性感染であるステージ2が続き、また数ヶ月から数年後の持続的な感染であるステージ3が続く。しかし、感染は不定である;幾人かの患者は皮膚の限局性感染だけを有する一方で、他の患者は関節炎のような疾病後期の徴候だけを示す。ライムボレリア症の別の臨床的症候群もまた、多様なB.ブルグドルフェリs.l.種に感染することによって生じる。B.ブルグドルフェリs.s.は、より多くの場合に、関節症状(関節炎)および心臓疾患を生じ、B.アフゼリは主に真皮性の症候(遊走性紅斑;EMおよび慢性萎縮性先端皮膚炎;ACA)を生じさるのに対して、B.ガリニは、殆どの神経ボレリア症の症例に関係する。
【0005】
限局性感染− 感染のステージ1で最も共通の症候は遊走性紅斑であり、それは感染した人々の70〜80%において生じる。この皮膚病変の後には、筋痛、関節痛、頭痛および発熱のようなインフルエンザ様症候が続く。これらの非特異的症候は、遊走性紅斑の患者の50%において生じる。
【0006】
播種性の感染− ステージ2の間に、細菌は感染の部位から遠位の組織および器官へと血流の中に移動する。この段階において生じる、神経性、心血管系および関節炎の症候には、髄膜炎、脳神経障害および断続的な炎症性関節炎が含まれる。
【0007】
持続的な感染− ステージ3の感染は慢性的であり、およびマダニ咬創の後に数月から数年に亘って生じる。北アメリカにおいて最も共通の症候は慢性関節リウマチであり、B.ブルグドルフェリs.s.の感染によって生じる。B.ガリニでの中枢神経系の持続的な感染は、ステージ3の際により重篤な神経性の症候を生じさせ、B.アフゼリでの皮膚の持続的な感染は慢性萎縮性先端皮膚炎を生じる。
【0008】
農業従事者、林業労働者、ハイカー、ランナーまたは休暇中の人のような幾つかのリスク群では、15歳以下の子供および39歳から59歳の成人において、血清有病率および疾患発病率が性別を問わず増加した。ライムボレリア症のこの発病率増加は、森林生息地並びに社会的因子における変化と関連している。森林の断片化のような環境の変化は、キツネおよび猛禽などの齧歯類肉食動物の急激な減少を導き、これは次にマウス集団の増大と、その後のマダニ集団の増大をもたらした。最近では、不調和な再植林によって鹿の数、したがってマダニの数が増加した。郊外のスプロール現象、並びにキャンピングおよびハイキング等のレクリエーションのための森林領域の使用の増加は、ヒトを、より莫大な数のマダニボレリア媒体とより広範に接触させることになった。これら全ての因子が共に、ボレリアのより広い分布およびライムボレリア症のより高い発病率の一因となった。
【0009】
抗菌物質は、ボレリア感染症の主要な治療方法である。使用する抗生物質は、疾患のステージ、症候および薬物療法に対する患者のアレルギーに依存する。抗生物質コースの長さは、疾患のステージおよび症状の重篤度にも依存する。初期のライムボレリア症は、典型的にはドキシサイクリンのような経口テトラサイクリンおよびアモキシリンまたはペニシリンVのような半合成ペニシリンで治療される。関節炎および神経性障害は、高用量の静脈内ペニシリンGまたはセフトリアキソンで治療される。30%以下のライムボレリア症患者は、ボレリア属感染の初期の特徴症候を示さず、診断および治療を困難にする。特に後期の疾患ステージの際には、抗生物質の治療コースは長くなり(数か月まで)、時には効果がなくなる可能性があり、したがってボレリアの分野において議論されている。ボレリアの有効な治療の場合においてさえ、その後何年もの間、患者には治療後ライム病症候群と称される衰弱性の疲労、疼痛または神経性の症候が残る可能性がある。一般に、抗生物質の使用は、標的微生物に耐性が生じる等のような望ましくない結果を有する可能性がある。最後に、抗生物質療法は、ライムボレリア症を効率的に治療し得るが、その後の感染症に対しては防御を提供しない。
【0010】
B.ブルグドルフェリs.s.により生じるライム病の予防のために、一価の血清型1-OspAに基づくワクチン(LYMErix(商標))が米国において承認され、市場に出された。しかし、欧州および他の地域の異なる血清型に亘るOspA配列の不均一性は、単一の血清型だけからのOspAに基づくワクチンを用いた効率的な防御を妨げる。
【0011】
1つのOspA血清型由来の近位部分および別のOspA血清型由来の遠位部分を含むキメラOspA分子は、親ポリペプチドの両方の抗原特性を保持するが、ライム病またはボレリア症の予防および治療に使用される可能性がある(WO 2011/143617(特許文献1)、WO 2011/143623(特許文献2))。
【0012】
現在では、市販されているライムボレリア症のための予防医薬はなく、したがって、当該技術分野においては、米国、欧州等に存在するボレリアに対して有効な防御を提供できる医薬の開発が必要とされており、特に、幾つかのボレリア血清型に対して、同時に有効な防御を提供できる医薬の開発が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO 2011/143617
【特許文献2】WO 2011/143623
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】欧州におけるライムボレリア症(Lyme borreliosis in Europe)、2006年WHO報告(WHO report of 2006)
【発明の概要】
【0015】
本発明は、ボレリア属細胞表層タンパク質A(OspA)の変異型断片を含むポリペプチド、これをコードする核酸、このような核酸分子を含むベクターおよびこのようなベクターを含む宿主細胞に関する。さらに、本発明は、このようなポリペプチドを製造する方法およびこのようなポリペプチドを発現する細胞を製造する方法を提供する。さらにまた、本発明は、このようなポリペプチドに特異的に結合する抗体、このような抗体を産生するハイブリドーマ細胞、このような抗体を製造する方法、このようなポリペプチド、核酸分子、ベクターまたは抗体を含む医薬組成物、医薬もしくは医薬組成物(特にワクチンとして、またはボレリア感染症を治療もしくは予防する方法において使用するためのもの)の調製のための、このようなポリペプチド、核酸分子、ベクターまたは抗体の使用、ボレリア感染症を診断する方法、ボレリア感染症を治療または予防する方法、および対象を免疫する方法を提供する。
【0016】
ライムボレリア症の予防のためのサブユニットワクチンを開発する努力は、大部分が、ボレリア細胞表層タンパク質A(OspA)の抗原としての使用に集中された。OspAタンパク質は、ボレリア属が媒介ダニの腸にある場合にだけ、ボレリア属によって発現される。したがって、ワクチン接種によって産生されるOspA抗体は、身体において感染と戦わずに、むしろマダニが血液を摂取するときにマダニの腸の中に入る。そこでは、抗体がスピロヘータを中和し、ボレリアが脊椎動物宿主に入る経路であるマダニの中腸から唾液腺までの細菌の移動を遮断する。したがって、OspA特異的抗体は、媒介ダニからヒト宿主へのボレリア属の感染を予防する。
【0017】
水酸化アルミニウムを伴ったB.ブルグドルフェリs.s. ZS7株由来のOspA脂質化形態が、スミスクラインビーチャム社[SmithKline Beecham;現在はグラクソスミスクライン社(GlaxoSmithKline)(GSK)]によって、ボレリアに対するワクチン(LYMErix(商標))として米国市場のために開発された。最適な防御のためには、1年超の期間に亘ってLYMErix(商標)の3用量が必要であった。最初の2用量の後、ライムボレリア症に対するワクチンの有効性は49%であり、3回目の用量の後には76%であった。しかし、LYMErix(商標)が市販されて暫くした後の2002年に、その市販は中止された。挙げられる理由は、ワクチンの実際の適用の問題であった。たとえば、ワクチンは毎年または1年置きにブースター注射をする必要があり、また初期感染の抗生物質療法と比較して、この予防アプローチは相対的に高コストである。加えて、証明はされなかったが、LYMErix(商標)はヒトタンパク質との配列相同性のために、集団のサブグループにおいて自己免疫反応をトリガーする可能性があるとの懸念があった。加えて、他の臨床的に重要なボレリア種に対する交差防御は、このワクチンでは提供されなかった。
【0018】
したがって、一つの態様において、ライムボレリア症の予防のための改善されたワクチンを提供することが本発明の目的であった。好ましくは、該ワクチンは容易に製造される一方、防御性が高く安全であり、また既存療法よりもさらに効果的であり、および/または複数のボレリア種に対して防御を提供する。
【0019】
本発明の基礎をなす問題は、細胞表層タンパク質A(OspA)の変異型断片を含むポリペプチドによって解決され、ここで、変異型断片は、ボレリア属OspAタンパク質のC末端ドメインからなり、且つ少なくとも1つのジスルフィド結合を少なくとも導入することにより、対応する野生型断片とは異なっている。
【0020】
驚くべきことに、変異型断片における少なくとも1つのジスルフィド結合の導入が、野生型OspA断片を含むポリペプチドに比較して、変異型OspA断片を含むポリペプチドの防御能力を増加させることが、感染のインビボモデルにより判明した。実施例に示されるように、B.アフゼリOspAのC末端断片に対する少なくとも1つのジスルフィド結合の導入は、その防御能力を、ジスルフィド結合を有しない野生型OspA断片に比較して増大させた。表2および表3では、変異型OspA断片による免疫化後には、野生型OspA断片に比較してより少数の動物のみが感染したことから、野生型断片(「S2D0」)と比較した場合の、ジスルフィド結合が導入された変異型断片(「S2D1〜5」)の防御能力を証明するデータが提供される。試験された変異型OspA断片の幾つかは、陽性対照抗原(非脂質化全長OspAタンパク質)によって運ばれるものと同等の防御を提供した。
[本発明1001]
細胞表層タンパク質A(OspA)の変異型断片を含むポリペプチドであって、変異型OspA断片が、
a)ボレリア(Borrelia)のOspAタンパク質のC末端ドメインからなり;かつ
b)少なくとも1つのジスルフィド結合の少なくとも導入によって、対応する野生型OspA断片配列とは異なる、ポリペプチド。
[本発明1002]
前記変異型OspA断片が、プラセボ対照と比較して少なくとも50%のボレリア針曝露法における防御能力の差(Δpc)を有する、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1003]
前記変異型OspA断片における少なくとも1つのジスルフィド結合の導入が、ボレリア針曝露法において測定したときに、ジスルフィド結合を有しないそれぞれのOspA断片を含むポリペプチドに比べて前記変異型OspA断片を含むポリペプチドの防御能力を10%、より好ましくは20%、より好ましくは30%、より好ましくは40%、より好ましくは50%、より好ましくは60%、より好ましくは70%、より好ましくは80%、さらにより好ましくは90%増加させる、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1004]
前記OspAが、B.アフゼリ(B. afzelii)、特に株K78、OspA血清型2(配列番号:19);B.ブルグドルフェリ(B. burgdorferi)s.s.、特に株B31、OspA血清型1(配列番号:20);B.ガリニ(B. garinii)、特に株PBr、OspA血清型3(配列番号:21);B.ババリエンシス(B. bavariensis)、特に株PBi、OspA血清型4(配列番号:22);B.ガリニ、特に株PHei、OspA血清型5(配列番号:23);B.ガリニ、特に株DK29、OspA血清型6(配列番号:24);およびB.ガリニ、特に株T25、OspA血清型7(配列番号:25)からなる群より選択されるボレリア種から得られる、本発明1001または1002のポリペプチド。
[本発明1005]
前記少なくとも1つのジスルフィド結合が、B.アフゼリ、特にB.アフゼリ株K78、OspA血清型2のOspAの、
a)位置182 +/- 3のいずれかと位置269 +/- 3のいずれかとの間、特に位置182と269の間(ジスルフィド結合型1);
b)位置182 +/- 3のいずれかと位置272 +/- 3のいずれかとの間、特に位置182と272の間(ジスルフィド結合型2);
c)位置244 +/- 3のいずれかと位置259 +/- 3のいずれかとの間、特に位置244と259の間(ジスルフィド結合型3);
d)位置141 +/- 3のいずれかと位置241 +/- 3のいずれかとの間、特に位置141と241の間(ジスルフィド結合型4);
e)位置165 +/- 3のいずれかと位置265 +/- 3のいずれかとの間、特に位置165と265の間(ジスルフィド結合型5);
f)位置185 +/- 3のいずれかと位置272 +/- 3のいずれかとの間、特に位置185と272の間(ジスルフィド結合型6);
g)位置199 +/- 3のいずれかと位置223 +/- 3のいずれかとの間、特に位置199と223の間(ジスルフィド結合型7);
h)位置243 +/- 3のいずれかと位置262 +/- 3のいずれかとの間、特に位置243と262の間(ジスルフィド結合型8);
i)位置184 +/- 3のいずれかと位置204 +/- 3のいずれかとの間、特に位置184と204の間(ジスルフィド結合型9);
j)位置201 +/- 3のいずれかと位置214 +/- 3のいずれかとの間、特に位置201と214の間(ジスルフィド結合型10);
k)位置246 +/- 3のいずれかと位置259 +/- 3のいずれかとの間、特に位置246と259の間(ジスルフィド結合型11);および/もしくは
l)位置167 +/- 3のいずれかと位置178 +/- 3のいずれかとの間、特に位置167と178の間(ジスルフィド結合型12)
にあるか、またはB.アフゼリ株K78以外のボレリア、特にB.ブルグドルフェリs.s.、特に株B31、OspA血清型1;B.ガリニ、特に株PBr、OspA血清型3;B.ババリエンシス、特に株PBi、OspA血清型4;B.ガリニ、特に株PHei、OspA血清型5;B.ガリニ、特に株DK29、OspA血清型6;もしくはB.ガリニ、特に株T25、OspA血清型7からのOspAの相同アミノ酸間にある、本発明1001〜1003のいずれかのポリペプチド。
[本発明1006]
前記変異型OspA断片が、配列番号:34、配列番号:35、配列番号:179、配列番号:180、配列番号:181、配列番号:182および配列番号:183からなるアミノ酸配列の群に由来し、かつ少なくとも1つのジスルフィド結合の少なくとも導入によって該アミノ酸配列とは異なり、特に該少なくとも1つのジスルフィド結合が、
a)位置182と269の間(ジスルフィド結合型1);
b)位置182と272の間(ジスルフィド結合型2);
c)位置244と259の間(ジスルフィド結合型3);
d)位置141と241の間(ジスルフィド結合型4);
e)位置165と265の間(ジスルフィド結合型5);
f)位置185と272の間(ジスルフィド結合型6);
g)位置199と223の間(ジスルフィド結合型7);
h)位置243と262の間(ジスルフィド結合型8);
i)位置184と204の間(ジスルフィド結合型9);
j)位置201と214の間(ジスルフィド結合型10);
k)位置246と259の間(ジスルフィド結合型11);および/または
l)位置167と178の間(ジスルフィド結合型12)
にある、本発明1001〜1005のいずれかのポリペプチド。
[本発明1007]
a)前記ポリペプチドが脂質化されているか、もしくは前記ポリペプチドが、脂質付加シグナル、好ましくはボレリア細胞表層タンパク質(Osp)の脂質付加シグナル、より好ましくは
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、最も好ましくは大腸菌由来のlpp脂質付加シグナル
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を含む;および/または
b)前記ポリペプチドが、アミノ酸配列
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を含まず、特に該アミノ酸配列
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が、B.ブルグドルフェリs.s.株B31以外のボレリア種からの相同配列によって、好ましくは
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によって置換されている;および/または
c)前記ポリペプチドが、脂質付加のための部位としてのN末端システイン残基を先頭とするリンカーペプチド、好ましくはCSSもしくはCKQN(配列番号:211)を含む;および/または
d)前記ジスルフィド結合の導入が、OspA断片の変異していない区域のシステインとジスルフィド結合を形成する1つのシステインの導入によるものである;および/または
e)前記ジスルフィド結合の導入が、ジスルフィド結合を形成する2つのシステインの導入によるものである;および/または
f)前記ジスルフィド結合の導入が、1つもしくは2つのシステインの導入によるもの、特にアミノ酸付加もしくは好ましくは置換によるものである;および/または
g)前記変異型OspA断片が、対応する野生型OspA断片に対して、少なくとも1つのジスルフィド結合の導入だけ異なる、特に1つ、2つ、3つもしくは4つのジスルフィド結合の導入だけ異なる;および/または
h)OspAタンパク質のC末端ドメインが、OspAタンパク質の最もC末端側の140〜152の連続したアミノ酸を含む;および/または
i)前記ポリペプチドがOspAのN末端β-シートを含まない、
本発明1001または1002のポリペプチド。
[本発明1008]
少なくとも2つの、本発明1001〜1007のいずれかの変異型OspA断片を含む、本発明1001〜1007のいずれかのポリペプチド。
[本発明1009]
Lip-S1D4-S2D4(配列番号:185)、Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)、Lip-S3D4-S4D4(配列番号:187)、Lip-S3D1-S4D1(配列番号:188)、Lip-S5D4-S6D4(配列番号:189)、Lip-S5D1-S6D1(配列番号:190)、Lip-S2D4-S1D4(配列番号:191)、Lip-S2D1-S1D1(配列番号:192)、Lip-S4D4-S3D4(配列番号:193)、Lip-S4D1-S3D1(配列番号:194)、Lip-S6D4-S5D4(配列番号:195)、Lip-S6D1-S5D1(配列番号:196)、Lip-S1D4-S2D1(配列番号:197)、Lip-S1D1-S2D4(配列番号:198)、S3D4-S4D1(配列番号:199)、S3D1-S4D4(配列番号:200)、S5D4-S6D1(配列番号:201)、S5D1-S6D4(配列番号:202)、S2D4-S1D1(配列番号:203)、S2D1-S1D4(配列番号:204)、S4D4-S3D1(配列番号:205)、S4D1-S3D4(配列番号:206)、S6D4-S5D1(配列番号:207)およびLip-S6D1-S5D4、(配列番号:208)からなる群より選択されるヘテロ二量体を含む、または該ヘテロ二量体からなる、本発明1008のポリペプチド。
[本発明1010]
Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)、Lip-S4D1-S3D1(配列番号:194)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)からなる群より選択されるヘテロ二量体を含む、または該ヘテロ二量体からなる、本発明1008のポリペプチド。
[本発明1011]
a)前記少なくとも2つの変異型OspA断片のうちの2つの変異型OspA断片が、リンカーを介して接続され、特にリンカーが、
[この文献は図面を表示できません]
を含む;並びに/または
b)前記ポリペプチドが、2つの異なる、本発明1001〜1007のいずれかの変異型OspA断片を含む、最大で500アミノ酸の全体のサイズを有する;並びに/または
c)前記ポリペプチドが、脂質付加のための部位としてのN末端システイン残基を先頭とするリンカーペプチド、好ましくはCSSもしくはCKQN(配列番号:211)を含む;並びに/または
d)前記ポリペプチドが、(i)2つの異なる、本発明1001〜1007のいずれかの変異型OspA断片、(ii)アミノ酸配列
[この文献は図面を表示できません]
からなるリンカー、および(iii)任意で、脂質付加のための部位としてのN末端システイン残基、好ましくはCSSを含む;並びに/または
e)前記ポリペプチドが、(i)2つの異なる、本発明1001〜1007のいずれかの変異型OspA断片、(ii)最大で23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12もしくは11アミノ酸、好ましくは最大で10、9、8、7もしくは6アミノ酸、さらにより好ましくは最大で5、4、3、2もしくは1アミノ酸からなる断片のN末端伸長部であって、それぞれのボレリアOspAの断片のN末端に直接位置している該N末端伸長部、および(iii)任意で、N末端システインもしくはN末端CSSペプチドもしくはCKQNペプチド(配列番号:211)を含む、
本発明1001〜1010のいずれかのポリペプチド。
[本発明1012]
配列番号:185〜208を有するアミノ酸配列;もしくは該アミノ酸配列の任意の機能的変種、好ましくは、配列番号:185〜208の配列のいずれかに対して少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する機能的変種の群から選択されるポリペプチドを含む、または該ポリペプチドからなる、本発明1001〜1011のいずれかのポリペプチド。
[本発明1013]
本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドをコードする、核酸。
[本発明1014]
本発明1013の核酸分子を含む、ベクター。
[本発明1015]
本発明1013の核酸または本発明1014のベクターを含む宿主細胞であって、好ましくは大腸菌(E. coli)である、宿主細胞。
[本発明1016]
本発明1014のベクターで適切な宿主細胞を形質転換する、または本発明1014のベクターを適切な宿主細胞にトランスフェクトする工程を含む、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドを発現する細胞を産生するための方法。
[本発明1017]
本発明1013の核酸分子を発現させる工程を含む、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドを産生するための方法。
[本発明1018]
a)ポリペプチドをコードするベクターを宿主細胞に導入する工程、
b)該ポリペプチドを発現させる条件下で該宿主細胞を増殖させる工程、
c)該宿主細胞をホモジナイズする工程、および
d)該宿主細胞のホモジネートを精製工程に供する工程
を特徴とする、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドを産生するための方法。
[本発明1019]
本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドの少なくとも1つおよび/または本発明1013の核酸と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
[本発明1020]
Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)、Lip-S4D1-S3D1(配列番号:194)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
[本発明1021]
Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
[本発明1022]
Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)およびLip-S4D1-S3D1(配列番号:194)と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
[本発明1023]
Lip-S4D1-S3D1(配列番号:194)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)と、任意で、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
[本発明1024]
前記薬学的に許容される賦形剤がL-メチオニンを含む、本発明1019〜1023のいずれかの医薬組成物。
[本発明1025]
ボレリア由来またはボレリア以外の病原体由来の少なくとも1つの付加的な抗原をさらに含む、本発明1019〜1024のいずれかの医薬組成物。
[本発明1026]
前記付加的な抗原が、ダニ媒介性病原体に由来する、本発明1025の医薬組成物。
[本発明1027]
前記ダニ媒介性病原体が、ボレリア・ヘルムシー(Borrelia hermsii)、ボレリア・パルケリ(Borrelia parkeri)、ボレリア・ダットニイ(Borrelia duttoni)、ボレリア・ミヤモトイ(Borrelia miyamotoi)、ボレリア・タリカテ(Borrelia turicatae)、リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)、リケッチア・オストラーリス(Rickettsia australis)、リケッチア・コノリイ(Rickettsia conorii)、リケッチア・ヘルベティカ(Rickettsia helvetica)、リケッチア・パルケリ(Rickettsia parkeri)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、エーリキア・センネツ(Ehrlichia sennetsu)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、コクシエラ・バーネッティイ(Coxiella burnetii)およびボレリア・ロネスタリ(Borrelia lonestari)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)、コロラドダニ熱ウイルス(CTFV)、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)、キャサヌール森林病ウイルス(KFDV)、ポワッサンウイルス、ハートランドウイルス、オムスク出血熱ウイルス(OHFV)およびバベシア属(Babesia)の種を含む群から選択される、本発明1026の医薬組成物。
[本発明1028]
前記少なくとも1つの付加的な抗原が、第2のワクチン組成物に含まれている、本発明1025〜1027のいずれかの医薬組成物。
[本発明1029]
前記第2のワクチン組成物が、好ましくはダニ媒介性脳炎ワクチン、日本脳炎ワクチン、またはロッキー山紅斑熱ワクチンである、本発明1028の医薬組成物。
[本発明1030]
ポリカチオン性重合体、特にポリカチオン性ペプチド、免疫賦活性オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、特にオリゴ(dIdC)13(配列番号:32)、少なくとも2つのLysLeuLysモチーフを含むペプチド、特にペプチド
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、神経刺激性化合物、特にヒト成長ホルモン、水酸化アルミニウムもしくはリン酸アルミニウム、フロイント完全もしくは不完全アジュバント、またはこれらの組み合わせからなる群から好ましくは選択される免疫賦活性物質をさらに含むことを特徴とする、本発明1019〜1029のいずれかの医薬組成物。
[本発明1031]
前記免疫賦活性物質が、ポリカチオン性重合体と免疫賦活性デオキシヌクレオチドの、または少なくとも2つのLysLeuLysモチーフを含むペプチドと免疫賦活性デオキシヌクレオチドのいずれかの組み合わせ、好ましくは
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とオリゴ(dIdC)13(配列番号:32)の組み合わせである、本発明1030の医薬組成物。
[本発明1032]
前記ポリカチオン性ペプチドがポリアルギニンである、本発明1031の医薬組成物。
[本発明1033]
ワクチンである、本発明1019〜1032のいずれかの医薬組成物。
[本発明1034]
医薬としての、特にワクチンとしての使用のための、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドまたは本発明1019〜1033のいずれかの医薬組成物。
[本発明1035]
ボレリア感染症、特にB.ブルグドルフェリs.s.、B.ガリニ、B.アフゼリ、B.アンデルソニ(B. andersoni)、B.ババリエンシス、B.ビセッティ(B. bissettii)、B.バライシアナ(B. valaisiana)、B.ルシタニエ(B. lusitaniae)、B.スピエルマニ(B. spielmanii)、B.ジャポニカ(B. japonica)、B.タヌキイ(B. tanukii)、B.ツルジ(B. turdi)またはB.シニカ(B. sinica)感染症、好ましくはB.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリまたはB.ガリニ感染症を治療または予防する方法における使用のための、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドまたは本発明1019〜1032のいずれかの医薬組成物。
[本発明1036]
本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドもしくは本発明1019〜1032のいずれかの医薬組成物の治療的有効量を対象に投与する工程を含む、その必要のある対象におけるボレリア感染症を治療もしくは予防する方法、または本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドもしくは本発明1018〜1033のいずれかの医薬組成物の治療的有効量を対象に投与する工程を含む、その必要のある対象を免疫する方法。
[本発明1037]
本発明1001の変異型OspA断片に選択的に結合するが、対応する野生型OspA断片に結合しない、抗体、または少なくともその有効な部分。
[本発明1038]
前記変異型OspA断片のジスルフィド結合に結合する、本発明1037の抗体。
[本発明1039]
モノクローナル抗体である、本発明1037または1038の抗体。
[本発明1040]
前記有効な部分が、Fab断片、F(ab)断片、F(ab)N断片、F(ab)2断片またはFv断片を含む、本発明1037〜1039のいずれかの抗体。
[本発明1041]
キメラ抗体である、本発明1037〜1040のいずれかの抗体。
[本発明1042]
ヒト化抗体である、本発明1037〜1041のいずれかの抗体。
[本発明1043]
本発明1037〜1042のいずれかの抗体を産生する、ハイブリドーマ株化細胞。
[本発明1044]
a)非ヒト動物において、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドを該動物に投与することによって免疫応答を開始させる工程、
b)抗体を含む体液を該動物から取り出す工程、および
c)該抗体を含む体液をさらなる精製工程に供することによって抗体を産生する工程
を特徴とする、本発明1037〜1043のいずれかの抗体を産生するための方法。
[本発明1045]
a)非ヒト動物において、本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドを該動物に投与することによって免疫応答を開始させる工程、
b)該動物から脾臓または脾細胞を取り出す工程、
c)該脾臓または脾細胞のハイブリドーマ細胞を産生する工程、
d)該ポリペプチドに特異的なハイブリドーマ細胞を選択し、かつクローン化する工程、
e)クローン化されたハイブリドーマ細胞の培養によって抗体を産生する工程、および
f)任意で、さらなる精製工程を行う工程
を特徴とする、本発明1037〜1043のいずれかの抗体を産生するための方法。
[本発明1046]
本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドまたは本発明1013の核酸分子または本発明1014のベクターまたは本発明1019〜1033のいずれかの医薬組成物の有効量を動物またはヒトに投与する工程を含む、ボレリア生物による感染に対して動物またはヒトを免疫するための方法であって、該有効量が、該動物またはヒトにおける免疫応答を誘発するのに適切である、方法。
[本発明1047]
本発明1001〜1012のいずれかのポリペプチドまたは本発明1013の核酸分子または本発明1014のベクターまたは本発明1019〜1033のいずれかの医薬組成物の有効量を動物またはヒトに投与する工程を含む、ボレリア生物に対する動物またはヒトにおける免疫応答を刺激するための方法であって、該有効量が、該動物またはヒトにおける免疫応答を刺激するのに適切である、方法。
[本発明1048]
ボレリア生物が、B.ブルグドルフェリ、特にB.ブルグドルフェリs.s.、B.ガリニ、B.アフゼリ、B.アンデルソニ、B.ババリエンシス、B.ビセッティ、B.バライシアナ、B.ルシタニエ、B.スピエルマニ、B.ジャポニカ、B.タヌキイ、B.ツルジまたはB.シニカ、好ましくはB.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリまたはB.ガリニを含む群から選択される、本発明1046または1047の方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
したがって、第1の局面において、本発明は、細胞表層タンパク質A(OspA)の変異型断片を含むポリペプチドに関し、ここで、変異型断片は、ボレリアのOspAのC末端ドメインからなり、且つ少なくとも1つのジスルフィド結合の少なくとも導入によって、対応する野生型断片とは異なる。
【0022】
B.ブルグドルフェリs.l.との用語は、少なくとも13のボレリア種(表A-1)を包含する。これらの種は、異なる地理的領域において生じ、かつイクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)複合種(シュルツェマダニ(Ixodes persulcatus)複合種とも呼ばれる)のマダニと、広範囲の動物宿主とを含む地方病サイクルにおいて天然に生存している。次の4つのボレリア種は、ヒトにおける感染症の大多数の原因である:B.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシス、およびB.ガリニ。その他の3つの種、B.ルシタニエ(B. lusitaniae)、B.ビセッティ(B. bissettii)、およびB.スピエルマニ(B. spielmanii)がヒトにおいて時折検出されたが、ライムボレリア症におけるこれらの役割は現時点では不明確である。ボレリアの新たな種が未だに報告されている。
【0023】
(表A−1)
[この文献は図面を表示できません]
【0024】
上記のように、ボレリアの細胞表層タンパク質A(OspA)は、ワクチンの候補としての潜在的能力のために特に興味深い、ボレリアの豊富な免疫原性リポタンパク質である。B.ブルグドルフェリs.l.のOspAは、約30kDaの分子量を有する塩基性のリポタンパク質であり、直鎖状プラスミド上にコードされる。OspAタンパク質の重要な局面は、そのN末端脂質付加である;即ち、N末端システイン残基は、二重結合の有無にかかわらずC14〜C19の鎖長をもった脂肪酸(OspAタンパク質の免疫原性を増強する特徴)で置換される。免疫原性の不十分な合成ペプチドは、脂質化されたとき、たとえば、脂質付着を指定するシグナル配列を用いて合成される多くの細菌リポタンパク質のアミノ末端に見られる脂肪酸置換であるPam3Cys(Bessler and Jung, Research Immunology (1992) 143:548-552)と共有結合したときには、より強力な抗体反応を誘導することが示された。加えて、Pam3Cys部分は、一部はTLR-2との相互作用を介して、マウスにおいてOspAに対する免疫応答を増強することが示された(Yoder、et al.(2003)Infection and Immunity 71:3894-3900)。したがって、OspAのC末端断片の脂質付加は、該断片の免疫原性および防御能力を増強すると予測される。
【0025】
北アメリカおよび欧州において得られたB.ブルグドルフェリs.l.単離物の解析によって、OspAが抗原可変性を有すること、および幾つかの異なる基が血清学に基づいて定義できることが明らかになった。特定のN末端およびC末端の抗原決定基に結合する抗OspA mAbが報告されている。X線結晶学およびNMR解析を用いて、OspAにおいて免疫学的に重要な超可変ドメインが同定され、またLA-2エピトープがC末端アミノ酸203〜257にマッピングされた(Ding et al., Mol. Biol. 302:1153-64, 2000)。以前の研究では、C末端エピトープLA-2に対する抗体産生が、OspAでのワクチン接種後の防御免疫と相関することが示されている(Van Hoecke et al. Vaccine(1996)14(17-18):1620-6、およびSteere et al., N Engl J Med(1998)339:209-215)。LA-2に対する抗体は、ダニから宿主までのボレリア属の伝播を遮断することが示された(Golde et al., Infect. Immun(1997)65(3):882-889)。これらの研究は、OspAタンパク質のC末端部分が、防御免疫を誘導するのに十分であり得ることを示唆した。なお、OspAのC末端部分の配列は、N末端部分よりも、ボレリア血清型間において高度に保存されていないことに注意すべきである(図1参照)。
【0026】
他の研究と共に、上記で概説した研究からの情報に基づいて、本発明では、C末端部分を含むOspAの切断型(本明細書では、「OspA断片」または「単量体」とも称する)を使用した。これらOspAの切断型は、全長OspAタンパク質より防御性が低いことが判明した。しかしながら、驚くべきことに、本発明の過程において、この切断型の中にジスルフィド結合を導入することによって(本明細書では「変異型OspA断片」または「変異型断片」とも称する)、この不都合を克服できることが見出された。特定の機構に限定されるものではないが、この改善された防御は、熱的安定度を測定するアッセイ法に示すように、OspA断片の増加した安定性によるものと考えられる。
【0027】
本発明に従えば、変異型OspA断片は、任意のボレリア種由来であってよい。しかし、医学分野におけるそれらの関連のため、特にヒトについては、B.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシスおよびB.ガリニが好ましい。この点において、これら4つボレリア種は、これらのOspAの血清型に従ってさらに分類することができ、これはそれぞれのOspAタンパク質に特異的なモノクローナル抗体を用いた解析によって決定された。血清型1〜7(これらはヒトボレリア感染症の大部分を占める)を、これらの有病率と共に下記の表A-2に示す。
【0028】
(表A−2)B.ブルドフェルリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシス、およびB.ガリニの血清型名および有病率。ヒト脳脊髄液または皮膚から、または媒介ダニから単離されたボレリアの血清型を、各々がOspAの特定のエピトープに特異的であるマウスモノクローナル抗体で全細胞溶解物をプロービングすることにより決定した[Wilske et al., J. of Clin Microbiol(1993)31(2):340-350に記載され、また「Climate change effect on ticks and tick-bone diseases」, Brussels, 06 Feb 2009においてバクスター・バイオサイエンス社(Baxter Bioscience)により提示された]。
[この文献は図面を表示できません]
【0029】
B.ブルグドルフェリs.s.株B31由来のOspAタンパク質の構造は、Li et al.によって決定された(Proc Natl Acad sci(1997)94:3584-3589)。それは、N末端(βストランド1〜4)および中央のβシート(βストランド5〜14n[N末端部分])、バレルシート1(βストランド14c[C末端部分]〜16)、バレルシート2(βストランド17〜21)およびC末端のαヘリックスで構成される。用語「OspAのC末端ドメイン」または本明細書の全体にわたって使われるOspAに関する「C末端ドメイン」もしくは「野生型断片」もしくは「C末端部分」は、OspAのC末端アミノ酸配列、即ち、少なくともN末端βシート(βストランド1〜4を含む)を欠失したOspAを意味するものとする。B.ブルグドルフェリs.s.株B31由来のOspAにおいて、N末端シートは、アミノ酸17〜70からなっている(16アミノ酸長の脂質付加シグナルペプチドの翻訳後切断の後)。
【0030】
本発明のC末端OspA断片は、N末端における脂質付加シグナル配列、たとえば、B.ブルグドルフェリs.s.株B31由来のOspAの(配列番号:14)またはOspBの(配列番号:15)アミノ酸1〜16の脂質付加シグナル配列、大腸菌(E. coli)由来の脂質付加シグナル配列(本明細書では「lpp脂質付加シグナル」(配列番号:16)と称する)、またはたとえば以下で定義するような任意の他のシグナル配列を含んでよい。
【0031】
新生OspAポリペプチド上に存在するようなN末端脂質付加シグナル配列によるタンパク質の脂質付加は、大腸菌発現ベクターにおいて、それぞれ酵素ジアシルグリセリルトランスフェラーゼ、シグナルペプチダーゼIIおよびトランスアシラーゼの段階的作用によって生じる。第1の工程は、修飾されていないプロリポタンパク質のシステインスルフヒドリル基への、ジアシルグリセリドの移動、続いてシグナルペプチダーゼIIによるシグナルペプチドの切断、および最後に、アポリポタンパク質のN末端システインにおけるα-アミノ基のアシル化である。その結果は、ポリペプチドのN末端システイン残基における、1つの脂質の配置と、2つのさらなる脂質で置換されたグリセロール基の配置である。脂質付加の際に切断除去される脂質付加シグナル配列は、最終的なポリペプチド配列には存在しない。
【0032】
本発明によれば、変異型OspA断片は、脂質化タンパク質(リポプロテインとも称する)であってよく、ここで、脂質部分はグリセロール基と共に「Lip」とも称する。本発明によれば、Lipは1〜3の脂質、たとえば、グリセロールおよび本発明のポリペプチドのN末端システインに結合されたC14-20アルキルおよび/またはC14-20アルケニルを含んでおり、あるいは、好ましくは、Lipは下記の式(I)の部分である。
【化1】
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式中、R1、R2またはR3のうちの1つはC14-C20アルキルまたはアルケニルであり、他の各々は独立してC14-C20アルキルまたはC14-C20アルケニルであり、Xは式(I)に示されるシステイン残基に結合されたアミノ酸配列である。より好ましくは、LipとポリペプチドのN末端システインを加えたものは、N-パルミトイル-S-(2RS)-2,3-ビス-(パルミトイルオキシ)プロピルシステイン(本明細書では「Pam3Cys」と称する)であり、システインのカルボニルCを介して本発明の前記アミノ酸配列に結合される。式(I)において、R1、R2またはR3はパルミトイル部分であり、かつXはシステイン残基に結合されたアミノ酸配列である。
【0033】
本発明に従えば、B.ブルグドルフェリs.s. B31以外の株に由来するOspAのC末端ドメインは、(i)少なくともアミノ酸17〜70の欠失、および/また(ii)少なくとも、B.ブルグドルフェリs.s.に由来するOspAのアミノ酸17〜70に対して相同のN末端ドメインの欠失によって定義される。加えて、本発明に従うOspA のC末端ドメインは、Liおよびその共同研究者(前出のLi et al.)によって定義される中央シートのさらなる部分、特に、任意のボレリア属(特にB.ブルグドルフェリs.s.B31)のアミノ酸17から82、93、105、118または119、好ましくは17〜129、より好ましくは1〜125、1〜129、または1〜130のアミノ酸部分などのさらなるストランド、またはB.ブルグドルフェリs.s.B31以外のボレリア種に由来するOspAタンパク質の相同部分を欠失してもよい。
【0034】
本発明に関して、OspA C末端ドメインは、「OspA断片」または「OspAの断片」とも称する。
【0035】
本発明のポリペプチドに関して、また本明細書の全体を通して使用されるときに、「変異型断片」とは、上記で定義したOspAのC末端断片を意味するものであり、これはジスルフィド結合を形成できる少なくとも2つの導入されたシステインによって、野生型断片とは異なっている。理論に拘束されるものではないが、このジスルフィド結合は、当該断片を、抗体結合の誘導に貢献するコンホメーションに安定化させると仮定される。OspAの野生型C末端断片の折畳みは、全長タンパク質に比較して低下した温度安定性を示す(Koide et al., Structure-based Design of a Second-generation Lyme Disease Vaccine Based on a C-terminal Fragment of Borrelia burgdorferi OspA, J. Mol. Biol. (2005) 350:290-299)。本発明について、このC末端ドメインの折畳みの安定性を向上し得る導入ジスルフィドブリッジの位置を決定するために、B.ブルグドルフェリs.s.B31 OspAのC末端ドメインの配列がコンピュータで解析された。この解析の結果は、この折畳みが複数の種に亘って保存されていると仮定して、他のボレリア種の相同OspA断片にも適用された。
【0036】
典型的には、このジスルフィド結合は、1つまたは複数のシステイン残基の導入によって導入されてよく、ここで、ジスルフィド結合(S-Sブリッジ)は、2つのシステイン残基のチオール基間に形成される。ジスルフィド結合が野生型断片に存在するシステイン残基で形成される場合、1つのシステイン残基だけの導入が必要とされる。1つ、または好ましくは2つのシステインは、アミノ酸付加によって、または好ましくはアミノ酸置換によって導入されてよい。
【0037】
また、OspA変異型断片は、野生型に比較してさらなる変異を含んでいてよい。上記のように、OspAの構造および表面ドメインは当該技術分野において知られている。したがって、変異型断片は、特に当該タンパク質の表面上になく、および/または免疫応答に関与しない部位、したがって、抗原性能力に影響を与えない部位にさらなる変異を含んでいてもよい。これらは、1つまたは複数のアミノ酸欠失、特に小さな(たとえば、10アミノ酸以下の)欠失、1つまたは複数のアミノ酸付加(特にCまたはN末端に)、または1つまたは複数のアミノ酸置換(特に1つまたは複数の保存的アミノ酸置換)を含むことができる。保存的アミノ酸置換の例には下記に列挙したものが含まれるが、これらに限定されない。
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【0038】
好ましい変異は、断片の選択された部分に変化を含んでおり、たとえば、B.ブルグドルフェリs.s.に存在するヒト白血球機能関連抗原(hLFA-1)に対する配列類似性をもった配列が修飾され、たとえば他のボレリア種由来のOspAタンパク質からの相同配列で置換される。この修飾のための理論的根拠は、ヒトタンパク質で免疫交差反応を誘導するリスクを減少させることである。また、最終断片または中間断片における、脂質付加のためのシグナル配列の付加、またはマーカータンパク質(たとえば、同定または精製のためのもの)の付加も可能である。
【0039】
幾つかの態様において、変異型OspA断片は、野生型断片に対する60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性をもったアミノ酸配列を有する。別の態様では、配列の付加、欠失または置換に起因して、該配列は最大で10%、最大で9%、最大で8%、最大で7%、最大で6%、5%、4%、3%、2%、最も好ましくは最大で1%だけ異なる。
【0040】
当該技術分野で知られているように、また本明細書で使用するように、同一性とは、配列を比較することによって定まる2つ以上のポリペプチド配列の間の関係である。また、当該技術において同一性とは、場合によっては、このような配列の鎖間の一致性によって定まる、ポリペプチド配列間またはポリヌクレオチド配列間の配列の関連性の程度を意味する。同一性は、容易に算出することができる。2つのポリヌクレオチド配列または2つのポリペプチド配列の間の同一性を測定するために多くの方法が存在するが、この用語は当業者に周知である(たとえば、Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987)。同一性を決定する好ましい方法は、試験すべき配列の間に最も大きな一致性を与えるように設計されている。同一性を決定する方法は、コンピュータプログラムにおいて体系化されている。2つの配列間の同一性を決定する好ましいコンピュータプログラム方法にはGCGプログラムパッケージ(Devereux, J. et al., 1984), BLASTP, BLASTN, および FASTA (Altschul, S. et al., 1990)が含まれるが、限定されない。
【0041】
変異型OspA断片とは対照的に、本発明の関係での「野生型断片」とは、天然に存在するボレリア属のOspA断片に関する。この野生型断片はN末端欠失により得られるが、それは内部欠失(本明細書で詳述するシグナル配列からは除く)または内部変異を含まない。変異型OspA断片に関して、野生型断片は、OspAの同一部分(OspAの同一の長さおよび同じ株など)からなり、また上記で詳述した変異、特に少なくとも1つのジスルフィド結合の導入、またはヒト相同性をもった配列(たとえばhLFA-1;上記参照)の置換においてのみ異なる。
【0042】
本発明の好ましい態様に従えば、本発明のポリペプチドは、導入された少なくとも1つのジスルフィド結合を有する全長OspAポリペプチドを含むものではない、または該全長OspAポリペプチドからなるものではない。
【0043】
本発明の一つの態様において、当該変異型OspA断片は、少なくとも1つ、好ましくはまさに1つのジスルフィド結合の導入だけが、それぞれの野生型断片と異なりうる。
【0044】
ポリペプチドは、ペプチド結合によって連結され、また幾つかの場合にはジスルフィド結合によって連結されたアミノ酸の単一の直鎖状重合体である。本発明によれば、ポリペプチドは、1つまたは複数の翻訳後修飾を含んでいてもよい;即ち、結合された酢酸、リン酸、脂質または糖質、好ましくは脂質、またはグリセロールと共にN末端システインに結合された脂質、より好ましくは1〜3のC14-C20アルキルまたはアルケニル部分、より好ましくは1〜3のパルミトイル基、最も好ましくは3つのパルミトイル基(Pam3)のような生化学的官能基を含んでよい。
【0045】
本発明によれば、本発明のポリペプチドは、上記の変異型OspA断片を含む。本発明によれば、それは、(i)上記で定義したN末端シートを含まず、かつ(ii)任意で、上記で定義した中央シートの1つまたは複数のさらなるストランドを含まない。しかし、当該ポリペプチドは、シグナル配列のような1つまたは複数の機能的配列、たとえば脂質付加シグナル配列または脂質付加のような翻訳後修飾を含んでいてよい。
【0046】
本発明のさらなる態様において、本発明のポリペプチドは、(i)たとえば上記で定義したリンカーにより任意に連結された、1つまたは複数の変異型OspA断片、および(ii)任意で、OspAに対して異種の1つまたは複数のアミノ酸、特にシグナル配列、および(iii)任意で、脂質付加のような翻訳後修飾からなっている。
【0047】
本発明のポリペプチドは、防御能力を有している。上記のように、変異型OspA断片へのジスルフィド結合の導入は、該ポリペプチドの防御能力を、ジスルフィド結合を有しないそれぞれの断片を含むポリペプチドに比較して増大させる。幾つかの態様において、この防御能力は、ジスルフィド結合を有しないそれぞれの断片を含むポリペプチドに比べて、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも90%増大される。
【0048】
防御能力との用語は、対象をボレリア感染症から防御するための能力を記述する。本発明のポリペプチドに関して、防御能力とは、対象をボレリア感染症から防御する免疫応答を誘導するための、ポリペプチドの能力に関する。防御能力は、ポリペプチドに対する免疫反応を誘導するように、対象にポリペプチドを投与することによって、試験することができる。その後、対象をボレリアに曝露すればよい。感染に対する対象の反応がモニターされる。特に、対象におけるボレリアの存在が決定されうる。たとえば、ボレリアが対象において検出できない場合、ポリペプチドは防御性が高い。ボレリアの存在は、ボレリア特異的核酸を検出することによって(たとえば、PCRによって)、またはボレリア特異的抗体を検出することによって(たとえば、ELISAまたはウェスタンブロットによって)、またはボレリア自体を検出することによって(たとえば、増殖培地中で器官または組織を培養し、顕微鏡分析によってボレリアの存在を検証する)、決定することができる。特に、特定の用量について、パーセンテージで報告される防御能力(「pc」)は、次のように定義される:
pc(%)=[(試験した対象の総数−ボレリアに感染した対象の数)/試験した対象の総数]×100
【0049】
防御能力(pc)の差(Δpc)は、たとえば、ジスルフィド結合を有する変異型OspA断片の防御能力(pc[結合あり])を、ジスルフィド結合を有しないOspA断片の防御能力(pc[結合なし])と比較することによって決定されてよい。本発明によれば、比較されるポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合の導入についてだけ異なる。ジスルフィド結合の導入による防御能力の変化(Δpc)は、以下のようにして決定される:
Δpc=(pc[試料]−pc[対照])
たとえば、Δpc=(pc[結合あり]−pc[結合なし])
【0050】
Δpcがゼロより大きければ(>0)、全ての他のパラメーター(たとえば、用量およびアッセイ)が同じである場合には、試料(たとえばジスルフィド結合を有する変異型OspA断片)の防御能力が、対照(たとえばジスルフィド結合を有しないOspA断片)の防御能力よりも優れている。逆に、Δpcがゼロ未満(<0)であれば、且つ他のパラメーター(たとえば、用量およびアッセイ)が同じであると仮定すれば、試料(たとえばジスルフィド結合を有する変異型OspA断片)の防御能力は、比較例(たとえば、ジスルフィド結合を有しないOspA断片)の防御能力よりも小さい。
【0051】
好ましくは、本発明のポリペプチドは、インビボ曝露アッセイによってその防御能力が評価され、ここで、本発明のポリペプチドまたはプラセボ対照で免疫されたマウスは、皮下針(針曝露法)によって、または媒介ダニによる導入(マダニ曝露法)によって、免疫された対象に導入されたボレリアに曝露される。
【0052】
針曝露法は、望ましいボレリア株(たとえば、B.ブルグドルフェリN40株)については、本発明の第1の局面の前記第1のポリペプチドでまたは適切なプラセボ(陰性)対照、たとえばバッファーもしくはアジュバント単独で免疫されたマウスに対して、感染量(ID)50の20倍から50倍のボレリアを皮下に導入し、該曝露されたマウスにおける感染率を比較することにより実施される。ID50は、曝露されたマウスの50%が感染する用量として定義される。ボレリアの用量は細菌の数で測定される。曝露用量は大きく異なりうるものであり、株依存性である;したがって、株のビルレンスが、まずID50の決定のための曝露実験によって評価されなければならない。針曝露の4週間後に、感染状態を決定する読み取り方法のために、血液および組織を採取する。これらの読み取り方法は、たとえば、本明細書に記載した血清に対するVlsE ELISAまたはボレリアの同定のための採取された組織に対するqPCR、またはその他の方法でありうる。
【0053】
マダニ曝露法は、第1の局面の前記第1のポリペプチドで免疫されたマウスに、ボレリア(たとえば、B.アフゼリ株IS1)に感染した少なくとも1匹のマダニ若虫(たとえば、I.リシヌス(I. ricinus))を適用すること;およびb)第1の局面の前記第2のポリペプチドで免疫された第2のマウスに、少なくとも1匹の感染マダニ若虫を適用すること;およびc)一般に曝露の6週間後に、前記2つのマウスにおける感染率を比較することによって実施される。好ましくは、前記アッセイまたは試験は、試験されるべきポリペプチドにつき、一群のマウスを用いて行われる。適切な試験は、実施例において記述および例示される。感染状態の評価は、血清に対するVlsE ELISA、または採取された組織に対するqPCRを使用して、または他の適切な方法を使用して行うことができる。
【0054】
本発明の好ましい態様において、たとえば対象に対して3回、30μg、好ましくは10μg、好ましくは5.0μg、好ましくは1.0μg、好ましくは0.3μgの用量で対象に投与されるジスルフィド結合を有する変異型OspA断片を含む本発明のポリペプチドは、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上の防御能力を有する。一つの態様において、防御能力は、たとえば実施例で説明するようにインビボ曝露法で評価され、より好ましくはマダニ曝露法で、より好ましくは針曝露法で評価される。驚くべきことに、1つの血清型のOspA変異型断片での免疫化が、その他の別の血清型に対する交差防御を提供できることが観察された(実施例4、表4)。この発見に基づけば、本発明のポリペプチドの用量はさらに減少させ得ることが予想されるであろう。
【0055】
好ましい態様において、ジスルフィド結合を有する変異型OspA断片を含む本発明のポリペプチドと、プラセボ(陰性)対照との間の防御能力の差(Δpc)は、30μgの用量、好ましくは10μg、好ましくは5.0μg、好ましくは1.0μg、好ましくは0.3μg以下の用量で対象に3回投与されたとき、少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは90%、さらにより好ましくは95%、最も好ましくは少なくとも95%である。
【0056】
本発明の好ましい態様において、C末端ドメインは、OspAタンパク質の少なくともC末端の150アミノ酸からなる断片として定義される。一つの態様において、該C末端ドメインは、140〜152アミノ酸長である。さらなる態様において、該C末端ドメインは、OspAタンパク質の好ましくは最後の152アミノ酸以下、より好ましくは最後の151アミノ酸、より好ましくは最後の150アミノ酸からなる。別の態様において、該C末端ドメインは、OspAタンパク質の最後の140アミノ酸以上、好ましくは最後の141アミノ酸、好ましくは最後の142アミノ酸、最も好ましくは最後の143アミノ酸からなる。OspAタンパク質の最後のアミノ酸は、本明細書では、OspAタンパク質の最もC末端側の連続したアミノ酸配列として定義される。
【0057】
別の態様において、ボレリア属のOspAタンパク質のC末端ドメインは、(i)B.アフゼリ株K78のOspAの位置126、131または130から位置273までのアミノ酸、または(ii)B.アフゼリ株K78以外のボレリア株由来のOspAのアミノ酸に対する相同ドメインから本質的になる、またはこれからなる。
【0058】
本発明のポリペプチドは、(i)たとえば以下に定義するリンカーにより任意に連結された、1つまたは複数のこれらの変異型断片、および(ii)任意で、OspAに対して異種の1つまたは複数のアミノ酸、特に脂質付加等の翻訳後修飾のためのシグナル配列または部位、および(iii)任意で、脂質付加のような翻訳後修飾を含んでいてよい、またはこれらから本質的になる、またはこれらからなる。
【0059】
本発明に従えば、本発明のポリペプチドは、本明細書に定義する要素、特に1つまたは複数の変異型OspA断片、および任意で、1つまたは複数のさらなる要素、たとえば相同ドメイン、リンカーペプチド、シグナル配列、または脂質付加のための部位を含みうる、またはこれらから本質的になりうる、またはこれらからなりうる。この関連での「本質的になる」とは、当該要素が、上記配列に関して幾つかの軽微なアミノ酸の変化、好ましくは、本明細書に定義した要素のアミノ酸の、最大で10%、5%、4%、3%、2%または1%に関して、たとえばアミノ酸の付加、置換または欠失を有し得ることを意味する。
【0060】
本発明に従えば、少なくとも1つのジスルフィド結合がOspA断片に導入される。これは、好ましくは、少なくとも1つのジスルフィド結合の形成を可能にするために、該断片の中に少なくとも1つまたは2つのシステイン、特に2つのシステインを導入することによって達成されてよい。ジスルフィド結合のために当該断片中の別のシステインが利用可能であるならば、1つのシステインだけが導入されうる。しかしながら、好ましくは2つのシステインが導入される。このシステインは、アミノ酸の付加または置換、好ましくは置換によって導入される。付加の場合には、システインは該アミノ酸配列へと、2つのアミノ酸の間に挿入されるのに対して、置換の場合には、1つのアミノ酸がシステインで置き換えられる。
【0061】
本発明に従えば、OspAは如何なるボレリア株に由来してもよく、特にB.ブルグドルフェリs.s.、B.ガリニ、B.アフゼリ、B.アンデルソニ(B. andersoni)、B.ビセッティ、B.バライシアナ(B. valaisiana)、B.ルシタニエ、B.スピエルマニ、B.ジャポニカ(B. japonica)、B.タヌキイ(B. tanukii)、B.ツルジ(B. turdi)またはB.シニカ(B. sinica)、B.ババリエンシスのような本明細書で特定されたもの、好ましくは、B.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシスまたはB.ガリニに由来してよい。好ましくは、OspAは、B.アフゼリ、特に株K78、OspA血清型2(配列番号:19);B.ブルグドルフェリs.s.、特に株B31、OspA血清型1(配列番号:20);B.ガリニ、特に株PBr、OspA血清型3(配列番号:21);B.ババリエンシス、特に株PBi、OspA血清型4(配列番号:22);B.ガリニ、特に株PHei、OspA血清型5(配列番号:23);B.ガリニ、特に株DK29、OspA血清型6(配列番号:24)またはB.ガリニ、特に株T25、OspA血清型7、(配列番号:25)由来である。これらのOspAタンパク質(全長)のアミノ酸配列は、下記に与えられる。
【0062】
(表A−3)ボレリア種の選択された株由来のOspA配列のアクセッション番号。略語: Baf=ボレリア・アフゼリ、Bbu=ボレリア・ブルグドルフェリs.s.、Bga=ボレリア・ガリニ、Bsp=ボレリア・スピエルマニ、Bbi=ボレリア・ビセッティ、Bva=ボレリア・バライシアナ、Btu=ボレリア・タリカテ(Borrelia turicatae)、Bdu=ボレリア・ダットニイ(Borrelia duttonii)、Blu=ボレリア・ルシタニエ、Bja=ボレリア・ジャポニカ、gb=GenBank、emb=EMBL、tr=UniProt/tremble、sp=UniProt/Swissprot、prf=タンパク質研究奨励会(Protein Research Foundation)、dbj=日本DNAデータバンク(DDBJ)、pdb=タンパク質データバンク、db=データベース
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【0063】
本発明に従えば、ジスルフィド結合は、断片の適切な折り重ねを可能にし、またはサポートするOspA断片の任意の位置に導入されたシステインの間に形成されてよい。この位置は、上記のように、OspAの公知の構造に基づいて選択してよい。好ましい態様において、本発明のポリペプチドは、B.アフゼリ、特にB.アフゼリK78血清型2 OspAの、位置182 +/- 3のいずれかと位置269 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型1);位置182 +/- 3のいずれかと位置272 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型2);位置244 +/- 3のいずれかと位置259 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型3);位置141 +/- 3のいずれかと位置241 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型4);位置165 +/- 3のいずれかと位置265 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型5);位置185 +/- 3のいずれかと位置272 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型6);位置199 +/- 3のいずれかと位置223 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型7);位置243 +/-3のいずれかと位置262 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型8);位置184 +/- 3のいずれかと位置204 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型9);位置201 +/- 3のいずれかと位置214 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型10);位置246 +/-3のいずれかと位置259 +/- 3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型11);および/または位置167 +/- 3のいずれかと位置178 +/-3のいずれかとの間(ジスルフィド結合型12)に、またはB.アフゼリ以外のボレリアsp.、たとえばB.ブルグドルフェリs.s.、特に株B31、血清型1;B.ガリニ、特に株PBr、血清型3;B.ババリエンシス、特に株PBi、血清型4;B.ガリニ、特に株PHei、血清型5;B.ガリニ、特に株DK29、血清型6;またはB.ガリニ、特に株T25、血清型7に由来するOspAの相同アミノ酸間に、少なくとも1つのジスルフィド結合を含んでいる。
【0064】
さらに詳しくは、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合を、B.アフゼリ、特にB.アフゼリK78血清型2 OspAの、位置182と269の間(ジスルフィド結合型1);位置182と272の間(ジスルフィド結合型2);位置244と259の間(ジスルフィド結合型3);位置141と241の間(ジスルフィド結合型4);位置165と265の間(ジスルフィド結合型5);位置185と272の間(ジスルフィド結合型6);位置199と223の間(ジスルフィド結合型7);位置243と262の間(ジスルフィド結合型8);位置184と204の間(ジスルフィド結合型9);位置201と214の間(ジスルフィド結合型10);位置246と259の間(ジスルフィド結合型11);および/または位置167と178の間(ジスルフィド結合型12)に、またはB.アフゼリ以外のボレリア、たとえばB.ブルグドルフェリs.s.、特に株B31、血清型1;B.ガリニ、特に株PBr、血清型3;B.ババリエンシス、特に株PBi、血清型4;B.ガリニ、特に株PHei、血清型5;B.ガリニ、特に株DK29、血清型6;またはB.ガリニ、特に株T25、血清型7に由来するOspAの相同アミノ酸間に、含んでいる。
【0065】
(表A−4)血清型2 OspAタンパク質におけるジスルフィド結合型の名称およびシステイン置換の位置
[この文献は図面を表示できません]
【0066】
ジスルフィド結合型1〜5、特にジスルフィド結合型1〜4がより好ましい。
【0067】
なお、次の略語に注意されたい:
位置182 +/- 3は、位置179、180、181、182、183、184または185(好ましくは182)についての略語である。
位置269 +/- 3は、位置266、267、268、269、270、271または272(好ましくは269)についての略語である。
位置272 +/- 3は、位置269、270、271、272、273、274または275(好ましくは272)についての略語である。
位置244 +/- 3は、位置241、242、243、244、245、246または247(好ましくは244)についての略語である。
位置259 +/- 3は、位置256、257、258、259、260、261または262(好ましくは259)についての略語である。
位置141 +/- 3は、位置138、139、140、141、142、143または144(好ましくは141)についての略語である。
位置241 +/- 3は、位置238、239、240、241、242、243または244(好ましくは241)についての略語である。
位置165 +/- 3は、位置162、163、164、165、166、167または168(好ましくは165)についての略語である。
位置265 +/- 3は、位置262、263、264、265、266、267または268(好ましくは265)についての略語である。
位置185 +/- 3は、位置182、183、184、185、186、187または188(好ましくは185)についての略語である。
位置199 +/- 3は、位置196、197、198、199、200、201または202(好ましくは199)についての略語である。
位置223 +/- 3は、位置220、221、222、223、224、225または226(好ましくは223)についての略語である。
位置243 +/- 3は、位置240、241、242、243、244、245または246(好ましくは143)についての略語である。
位置262 +/- 3は、位置259、260、261、262、263、264または265(好ましくは262)についての略語である。
位置184 +/- 3は、位置181、182、183、184、185、186または187(好ましくは184)についての略語である。
位置204 +/- 3は、位置201、202、203、204、205、206または207(好ましくは204)についての略語である。
位置201 +/- 3は、位置198、199、200、201、202、203または204(好ましくは201)についての略語である。
位置214 +/- 3は、位置211、212、213、214、215、216または217(好ましくは214)についての略語である。
位置246 +/- 3は、位置243、244、245、246、247、248または249(好ましくは246)についての略語である。
位置167 +/- 3は、位置164、165、166、167、168、169または170(好ましくは167)についての略語である。
位置178 +/- 3は、位置175、176、177、178、179、180または181(好ましくは178)についての略語である。
【0068】
好ましい態様において、当該変異型断片は、B.アフゼリ株K78、血清型2のOspAの野生型配列(配列番号:18)の位置126、130または131から位置273のアミノ酸に由来すると共に、少なくとも1つのジスルフィド結合の導入だけが異なるものであり、該少なくとも1つのジスルフィド結合は、位置182と269の間(ジスルフィド結合型1);位置182と272の間(ジスルフィド結合型2);位置244と259の間(ジスルフィド結合型3);位置141と241の間(ジスルフィド結合4型);位置165と265の間(ジスルフィド結合型5);位置185と272の間(ジスルフィド結合型6);位置199と223の間(ジスルフィド結合型7);位置243と262の間(ジスルフィド結合型8);位置184と204の間(ジスルフィド結合型9);位置201と214の間(ジスルフィド結合型10);位置246と259の間(ジスルフィド結合型11);および/または位置167と178の間(ジスルフィド結合型12)にあるか、あるいは、B.アフゼリ以外のボレリアsp.、たとえばB.ブルグドルフェリs.s.、特に株B31、血清型1;B.ガリニ、特に株PBr、血清型3;B.ババリエンシス、特に株PBi、血清型4;B.ガリニ、特に株PHei、血清型5;B.ガリニ、特に株DK29、血清型6;またはB.ガリニ、特に株T25、血清型7に由来するOspAの相同断片および位置間にある。
【0069】
さらにより好ましい態様において、当該変異型断片は、配列番号:167、配列番号:168、配列番号:169、配列番号:170、配列番号:171、配列番号:172、配列番号:173、配列番号:174、配列番号:175、配列番号:176、配列番号:177、配列番号:178のアミノ酸配列、および配列番号:2〜13の少なくとも1つの配列に対して80%、より好ましくは、85%、より好ましくは、90%、より好ましくは、95%の配列同一性を有するアミノ酸配列(ここで、システインは置換されない)からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。変異および配列同一性についてのさらなる詳細は上記で与えられている。
【0070】
上記のように、本発明のポリペプチドは、シグナル配列を含んでいてよい。脂質付加がOspAに対してアジュバント特性を与えることについては既に示した。したがって、本発明のポリペプチドの脂質化形態、または脂質付加シグナルを含むポリペプチドが好ましい。好ましい態様において、本発明のポリペプチドは、脂質付加シグナル、好ましくはボレリア細胞表層タンパク質OspAまたはOspBの脂質付加シグナル(それぞれ配列番号:14および15)、またはさらに好ましくは、大腸菌lpp脂質付加シグナル配列(配列番号:16)を含んでいる。脂質付加シグナルを含む本発明のOspA断片は、プロセシングの間に脂質化され、かつ脂質付加シグナルペプチドは切断される。したがって、シグナルペプチドは、成熟した脂質化タンパク質にはもはや存在しない。
【0071】
本発明による脂質化タンパク質は、ポリペプチドへの3つの脂肪酸基およびグリセロールの付加を示すために、N末端が「Lip」で標識されている(図4参照)。上記の適切な脂質付加シグナルには、
[この文献は図面を表示できません]
が含まれる。脂質部分およびグリセロールは全長の野生型OspAタンパク質に存在するN末端システイン残基に結合されるので、脂質付加のためのOspA C末端断片はさらに、システイン残基に続く「脂質付加ペプチド」または「LP」(図1および2を参照されたい)と称する付加的なアミノ酸を含むペプチドを含んでいてよい。たとえば、脂質付加シグナル配列に対して直ぐC末端にあるCSSまたはCKQN(配列番号:211)のような配列は、脂質付加シグナルペプチドの切断の際に、脂質付加のためのN末端システイン残基を提供する。この脂質化システイン含有ペプチドが、本発明の最終的な脂質化ポリペプチドに存在する。
【0072】
B.ブルグドルフェリs.s.のOspAタンパク質は、T細胞受容体に結合する能力をもった配列を含んでおり、これはヒト白血球機能関連抗原(hLFA-1)(本明細書では「hLFA-1様配列」とも称する)に結合する能力をも有することが分かっている。このOspA領域のhLFA-1に対する類似性は、B.ブルグドルフェリs.s.の投与に際して、交差反応性を伴って免疫応答を生じる可能性がある。ヒト対象に対するOspAは、感受性の個体において自己免疫疾患(特に自己免疫関節炎)を誘導する可能性がある。したがって、好ましい態様において、本発明のポリペプチドは、ヒト白血球機能関連抗原(hLFA-1)に対する結合能力を有するT細胞受容体への結合能力を有する配列を含まず、特に、アミノ酸配列
[この文献は図面を表示できません]
を含まない。この目的で、hLFA-1様配列、特にアミノ酸配列
[この文献は図面を表示できません]
は、特に別のボレリアsp.のOspAタンパク質からの相同配列によって、特に
[この文献は図面を表示できません]
によって置換されていてよい。
【0073】
好ましい態様において、少なくとも1つのジスルフィド結合を含む本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのボレリア株、特にB.アフゼリK78、OspA血清型2(配列番号:19);B.ブルグドルフェリs.s.、特に株B31、血清型1(配列番号:20);B.ガリニ、特に株PBr、血清型3(配列番号:21);B.ババリエンシス、特に株PBi、血清型4(配列番号:22);B.ガリニ、特に株PHei、血清型5(配列番号:23);B.ガリニ、特に株DK29、血清型6(配列番号:24)またはB.ガリニ、特に株T25、血清型7(配列番号:25)に由来する野生型全長OspAタンパク質の少なくとも1つに関し、ボレリア感染に対して前記ポリペプチドと同じ防御能力を本質的に確立する。
【0074】
異なるボレリア属種またはOspA血清型に対して交差防御を提供するためには、多価ワクチンの開発が望ましい。したがって、別の好ましい態様において、前記第1の局面のポリペプチドは、上記で定義した2つの異なるボレリア血清型に由来する少なくとも2つの変異型断片を含む。好ましい態様において、前記第1の局面のポリペプチドは少なくとも2つの変異型OspA断片を含み、これら断片は下記からなる群から選択される:
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型2を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型3を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型4を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型5を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型6を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型7を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型1を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型3を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型4を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型5を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型6を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型7を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型2を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型4を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型5を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型6を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型7を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型3を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型5を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型6を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型7を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型4を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型6を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型7を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型5を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型6を有する断片およびジスルフィド結合型7を有する断片;
・ジスルフィド結合型6を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型6を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型6を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型6を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型6を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型7を有する断片およびジスルフィド結合型8を有する断片;
・ジスルフィド結合型7を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型7を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型7を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型7を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型8を有する断片およびジスルフィド結合型9を有する断片;
・ジスルフィド結合型8を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型8を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型8を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型9を有する断片およびジスルフィド結合型10を有する断片;
・ジスルフィド結合型9を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型9を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型10を有する断片およびジスルフィド結合型11を有する断片;
・ジスルフィド結合型10を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
・ジスルフィド結合型11を有する断片およびジスルフィド結合型12を有する断片;
特に、ここで、
・ジスルフィド結合型1を有する断片は、配列番号:2のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:2に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型2を有する断片は、配列番号:3のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:3に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型3を有する断片は、配列番号:4のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:4に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型4を有する断片は、配列番号:5のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:5に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型5を有する断片は、配列番号:6のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:6に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型6を有する断片は、配列番号:7のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:7に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型7を有する断片は、配列番号:8のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:8に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型8を有する断片は、配列番号:9のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:9に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型9を有する断片は、配列番号:10のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:10に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型10を有する断片は、配列番号:11のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:11に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;
・ジスルフィド結合型11を有する断片は、配列番号:12のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:12に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない;および/または
・ジスルフィド結合型12を有する断片は、配列番号:13のアミノ酸配列を有するか、または配列番号:13に対して少なくとも80%、より好ましくは85%、より好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、ここで、システインが置き換えられていない。
なお、変異および配列同一性についてのさらなる詳細が、上記に与えられていることに留意すべきである。
【0075】
(表A−5)本発明に記載された、非脂質化および脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体の名称および配列番号
[この文献は図面を表示できません]
*S=血清型 (1〜6) (表A-2参照); D=ジスルフィド結合型(表A-4参照);
Lip=脂質付加: グリセロールおよび脂肪酸残基のN末端付加。
【0076】
別の好ましい態様において、本発明の第1の局面に従うポリペプチドは、1つまたは複数のリンカーを介して連結される少なくとも2つまたは3つの変異型断片を含んでいる。リンカーは2つの断片を結合するために用いられる幾分短いアミノ酸配列である。それは、前記断片、治療またはワクチン接種すべき対象中でのそれらの相互作用、またはそれらの防御能力に対する負の影響を回避するために設計されるべきである。好ましいのは、最大でも21アミノ酸、特に最大でも15アミノ酸、とりわけ最大でも12または8アミノ酸の短いリンカーである。より好ましくは、1つまたは複数のリンカーは、断片との相互作用を低減または最小化するために、グリシン、セリンおよびアラニンのような短いアミノ酸で構成される。好ましいリンカーの例には、(G)8(配列番号:36)、(G)12(配列番号:37)のようなポリG、GAGA(配列番号:38)、(GAGA)2(配列番号:39)、(GAGA)3(配列番号:40)、(GGGS)2(配列番号:41)、または(GGGS)3(配列番号:42)を含むリンカー、またはこれからなるリンカーが含まれる。より好ましいリンカーは、「LN1」ペプチドリンカー、即ち、次の配列
[この文献は図面を表示できません]
を有した、B.ブルグドルフェリs.s. 株B31に由来するOspAのN末端半分の2つの別々のループ領域(aa65〜74およびD53Sの位置53のアミノ酸置換を有するaa42〜53)の融合体である。
【0077】
別の好ましい態様において、第1の局面に従うポリペプチドは、第1の局面の好ましい態様において定義した2つまたは3つの異なる変異型断片を含む、全体のサイズが最大で500アミノ酸のポリペプチド;または2つまたは3つの異なる変異型断片、1つまたは2つのリンカー、および任意で、N末端システインから本質的になるポリペプチド;および/または2つまたは3つの異なる変異型断片、最大で24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12または11アミノ酸、好ましくは最大で10、9、8、7または6アミノ酸、さらにより好ましくは最大で5、4、3、2または1アミノ酸からなる前記断片のN末端伸長部(該N末端伸長部は、それぞれのボレリアOspAの断片のN末端に直接位置している)、および任意で、N末端システインから本質的になるポリペプチドを含むものである。該N末端システインの後には、任意で、1〜10アミノ酸長の短いペプチドリンカーが続いてよく、好ましくはN末端CSSペプチドまたはCKQNペプチド(配列番号:211)の形態を取る。
【0078】
第2の局面において、本発明は、第1の局面に従うポリペプチドをコードする核酸に関する。
【0079】
本発明はさらに、本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供する。本発明の目的にとって、一般に用語「核酸」は、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを言い、それは一本鎖および二本鎖の領域/形態を含む未修飾のRNAもしくはDNAまたは修飾されたRNAもしくはDNAでよい。
【0080】
本明細書に使用される用語「ポリペプチドをコードする核酸」は、本発明のペプチドまたはポリペプチドをコードする配列を含んだポリヌクレオチドを包含する。この用語はまた、ペプチドまたはポリペプチドをコードする単一の連続領域、または不連続な複数の領域(たとえば、組み込まれたファージによって中断された、またはRNAエディティングもしくはゲノムDNA再編成によるもの)、並びに付加的な領域(非コード配列および/またはコード配列を含んでもよい)を含むポリヌクレオチドを包含してよい。
【0081】
遺伝子コードの縮重の結果として、本明細書に記載したポリペプチドをコードする多くのヌクレオチド配列が存在することは、当業者に理解されるであろう。これらポリヌクレオチドの幾つかは、いずれかの天然の(即ち、天然に存在する)ヌクレオチド配列に対して最小限の類似性を有する。にもかかわらず、本発明では、コドン使用の相違によって変化するポリヌクレオチド、たとえば、ヒトおよび/または霊長類および/または大腸菌のコドン選択のために最適化されているポリヌクレオチドが個別的に想定される。
【0082】
所望のポリペプチドをコードする配列は、当該技術において周知の化学的方法を使用して(Caruthers, M. H. ef al., Nucl. Acids Res. Symp. Ser. pp. 215-223 (1980), Horn et al., Nucl. Acids Res. Symp. Ser. pp. 225-232 (1980)参照)、全体的または部分的に合成されてもよい。あるいは、タンパク質自身を、ポリペプチドまたはその一部のアミノ酸配列を合成する化学的方法によって製造してもよい。たとえば、ペプチド合成は種々の固相法(Roberge et al., Science 269:202-204(1995))を使用して行うことができ、また、たとえばASI 431 Aペプチド合成機(Perkin Elmer, Palo Alto, CA)を使用して自動合成が達成されてもよい。
【0083】
さらに、本発明のポリヌクレオチド配列は、種々の理由(遺伝子産物のクローニング、プロセシングおよび/または発現を修飾する変化を含むが、これに限定されない)で、ポリペプチドをコードする配列を変化させるために、当該技術で一般に知られた方法を使用して加工することができる。たとえば、遺伝子断片のランダムな断片化、およびPCR再構築によるDNAシャッフリングを使用して、ヌクレオチド配列を加工してよい。加えて、新たな制限部位を挿入する、グリコシル化パターンを変化させる、コドン優先性を変える、スプライスバリアントを作製する、または変異を導入する等のために、部位特異的変異を使用してよい。
【0084】
本発明のさらなる局面において、本発明は、プロモーターが誘導されるときに、核酸によりコードされるポリペプチドが発現されるように、誘導性プロモーターに連結された本発明の核酸を含むベクターに関する。好ましい態様において、該ベクターはpET28b(+)である。
【0085】
本発明のさらなる局面は、前記ベクターを含み、ここで前記プロモーターは、好ましくは増殖培地への十分量のIPTG(イソプロピルβ-D-l-チオガラクトピラノシド)の添加によって活性化される。任意に、これは0.1〜10mM、0.1〜5mM、0.1〜2.5mM、0.2〜10mM、0.2〜5mM、0.2〜2.5mM、0.4〜10mM、1〜10mM、1〜5mM、2.5〜10mM、2.5〜5mM、5〜10mMの濃度である。あるいは、プロモーターは、温度またはpHの変化によって誘導されてもよい。
【0086】
本明細書で使用される核酸分子とは、一般には、任意のリボ核酸分子またはデオキシリボ核酸分子を言うものであり、これは未修飾のRNAもしくはDNAまたは修飾されたRNAまたはDNAであってよい。したがって、たとえば、本明細書で使用される核酸分子は、少なくとも一本鎖および二本鎖のDNA、またはDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を言い、該ハイブリッド分子のDNAおよびRNAは一本鎖もしくはより典型的には二本鎖、または一本鎖および二本鎖の領域の混合物であってよい。本明細書で使用する核酸分子との用語には、1つまたは複数の修飾塩基を含む上記で述べたDNAまたはRNA分子が含まれる。したがって、安定性またはその他の理由で修飾された骨格をもったDNAまたはRNA分子は、該用語が本明細書で意図した「核酸分子」である。さらに、異常な塩基(ほんの2例を挙げればイノシンまたはトリチル化された塩基等の修飾塩基など)を含んだDNAまたはRNA種もまた、本明細書で定義される核酸分子である。DNAおよびRNA分子に対して、当業者に既知の多くの有用な目的で、多様な修飾がなされてきたことが理解されるであろう。本明細書に使用される核酸分子との用語は、このような化学的、酵素的または代謝的に修飾された核酸分子の形態、並びにウイルスおよび細胞(特に単純型細胞および複合型細胞を含む)に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含する。また、核酸分子との用語は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される短い核酸分子をも包含する。「ポリヌクレオチド」および「核酸」または「核酸分子」は、本明細書では互換可能に使用される。
【0087】
本発明に従う核酸は、化学的に合成されてよい。あるいは、当該核酸はボレリアから単離することができ、また当業者に周知の方法により修飾することができる。同じことが、本発明に従うポリペプチドにも適用される。
【0088】
さらにまた、本発明の核酸は、クローニングなどの標準的な技術を用いて、いずれかの望ましい配列に、それがボレリアの制御配列もしくは異種の制御配列、異種のリーダー配列、異種のマーカー配列、または異種のコード配列であろうとなかろうと、機能的に連結させて、融合遺伝子を作製することができる。
【0089】
本発明の核酸分子は、mRNAもしくはcRNA のようなRNAの形態、またはDNAの形態(cDNAおよびゲノムDNAを含む)であってよく、これらはクローニングによって得られ、あるいは化学合成技術によって製造され、またはそれらの組合せによって製造される。DNAは三本鎖、二本鎖、または一本鎖でよい。一本鎖DNAは、コーディング鎖(別名センス鎖)でもよく、またはそれは非コーディング鎖(またアンチセンス鎖と称する)でもよい。本発明の核酸は、ベクターまたは細胞に含まれていてよい。ベクターは、ベクターが宿主細胞中で複製可能であるように、且つヌクレオチド配列でコードされるタンパク質を発現できるように、上述した核酸を含んでいてもよい。
【0090】
本発明のポリペプチドの組換え製造のために、宿主細胞は、本発明の発現システムもしくはその一部または核酸を組み込むように遺伝子的に操作することができる。宿主細胞への核酸の導入は、多くの標準的な研究室マニュアル[たとえば、Davis, et al., BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, (1986) 、および Sambrook, et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)]に記述される方法、たとえばリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン介在トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、カチオン脂質介在トランスフェクション、エレクトロポレーション、コンジュゲーション(conjugation)、形質導入、スクレープローディング、弾道導入(ballistic introduction)および感染によって行うことができる。
【0091】
適切な宿主の代表的な例には、グラム陰性菌細胞、たとえば大腸菌、アシネトバクター(Acinetobacter)、アクチノバチルス(Actinobacillus)、ボルデテラ(Bordetella)、ブルセラ(Brucella)、カンピロバクター(Campylobacter)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、エンテロバクター(Enterobacter)、エルウィニア(Erwinia)、フランシスセラ(Franciscella)、ヘリコバクター(Helicobacter)、ヘモフィルス(hemophilus)、クレブシエラ(Klebsiella)、レジオネラ(Legionella)、モラクセラ(Moraxella)、ナイセリア(Neisseria)、パスツレラ(Pasteurella)、プロテウス(Proteus)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シゲラ(Shigella)、トレポネーマ(Treponema)、ビブリオ(Vibrio)、エルシニア(Yersinia)の細胞などが含まれる。一つの態様において、宿主細胞は大腸菌(Escherichia coli)細胞である。好ましい態様において、宿主細胞は大腸菌BL21(DE3)細胞、または大腸菌BL21 Star(商標)(DE3)細胞である。
【0092】
あるいは、グラム陽性細菌細胞を使用してもよい。本発明のポリペプチドを産生するために、極めて多様な発現システムが使用できる。一つの態様において、ベクターは細菌プラスミドから誘導される。一般に、ポリヌクレオチドを維持する、増やす、または発現させる、かつ/または宿主内でポリペプチドを発現させるのに適した如何なるベクターも、これに関して発現のために使用されてよい。適切なDNA配列は、たとえば「分子クローニング、実験室マニュアル(Sambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL、前記)に記載のような周知かつルーチンの種々の技術のいずれかによって、発現系の中に挿入されてよい。
【0093】
本発明の一つの態様において、細胞は、抗生物質、好ましくはカナマイシンの存在のような選択圧の下で増殖させる。別の態様において、細胞は抗生物質の非存在下で増殖させる。
【0094】
本発明に従うポリペプチドを発現させるために、非常に多種多様な発現ベクターを使用することができる。一般に、核酸を維持する、増やす、または発現させて、宿主内でポリペプチドを発現させるのに適した任意のベクターが、この点に関して発現のために使用されてよい。本発明のこの局面に従えば、ベクターは、たとえばプラスミドベクター、一本鎖もしくは二本鎖のファージベクター、または一本鎖もしくは二本鎖のRNAもしくはDNAウイルスのベクターであってよい。本明細書に開示した出発プラスミドは、商業的に入手可能または公的に入手可能であるか、または周知もしくは公開された方法のルーチンの応用よって、入手可能なプラスミドから構築することができる。一定の点において、ベクターの中でも好ましいのは、本発明による核酸分子およびポリペプチドの発現のためのものである。宿主細胞中の核酸構築物は、組換え配列によってコードされる遺伝子産物を産生するために、従来の方法で使用することができる。あるいは、本発明に従うポリペプチドは、従来のペプチド合成機によって合成的に製造することができる。
【0095】
加えて、本発明は、該ベクターを含む宿主細胞に関する。適切な宿主細胞の代表例には、細菌、たとえば連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、ストレプトマイセス(Streptomyces)および枯草菌(Bacillus subtilis);真菌、たとえば酵母およびコウジカビ(Aspergillus);昆虫細胞、たとえばショウジョウバエ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞;哺乳動物細胞、たとえばCHO細胞、COS細胞、Hela細胞、C127細胞、3T3細胞、BHK細胞、293細胞またはボウズ(Bowes)メラノーマ細胞;および植物細胞が含まれる。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを使用してこのようなタンパク質を産生するために、無細胞翻訳系もまた用いることができる。
【0096】
本発明よるベクターを宿主細胞に導入することによって、実際に所望のアミノ酸配列を発現させるために、ベクターは、本発明による核酸配列に加えて、発現を制御するための他の配列(たとえば、プロモーター配列、ターミネータ配列およびエンハンサー配列)、および微生物、昆虫細胞、動物培養細胞等を選別するための遺伝子マーカー(たとえば、ネオマイシン耐性遺伝子およびカナマイシン耐性遺伝子)を含んでいてもよい。さらにまた、該ベクターは、反復形態(たとえばタンデム)で、本発明による核酸配列を含んでいてよい。該ベクターは、遺伝子工学の分野で慣用的に用いられる手順および方法に基づいて構築してよい。
【0097】
宿主細胞は適切な培地で培養してよく、また本発明によるタンパク質は培養産物から得ることができる。また、本発明に従うタンパク質は培地から回収し、従来の方法で精製してよい。
【0098】
本発明の基礎となる問題はさらに、次の工程を特徴とする、上記で定義したポリペプチドを製造するための方法によって解決される:
a)ポリペプチドをコードするベクターを宿主細胞に導入する工程、
b)該ポリペプチドを発現させる条件下で該宿主細胞を増殖させる工程、
c)該宿主細胞をホモジナイズする工程、および
d)該宿主細胞のホモジネートを精製工程に供する工程。
【0099】
本発明はさらに、次の工程を特徴とする、上記で定義したポリペプチドを製造する方法に関する:
a)ポリペプチドをコードする核酸をベクターに導入する工程、
b)該ベクターを宿主細胞に導入する工程、
c)該ポリペプチドを発現させる条件下で該宿主細胞を増殖させる工程、
d)該宿主細胞をホモジナイズする工程、
e)相分離によって、脂質相におけるポリペプチドを濃縮する工程、および
f) ゲル濾過カラム上でさらに精製する工程。
【0100】
本発明はさらに、次の工程を特徴とする、上記で定義したポリペプチドを製造するための方法に関する:
a)ポリペプチドをコードする核酸をベクターに導入する工程、
b)該ベクターを宿主細胞に導入する工程、
c)該ポリペプチドを発現させる条件下で該宿主細胞を増殖させる工程、
d)該宿主細胞をホモジナイズする工程、
e)相分離によって、脂質相におけるポリペプチドを濃縮する工程、
g) ゲル濾過カラム上でさらに精製する工程、および
h) 任意で、バッファー交換カラム上でさらに処理する工程。
【0101】
さらなる局面において、本発明の基礎をなす問題は、上記で定義したとおり、ポリペプチドの少なくとも選択的な部分に特異的に結合する抗体、またはその少なくとも有効な部分によって解決される。
【0102】
好ましい態様において、前記抗体はモノクローナル抗体である。
【0103】
別の好ましい態様において、前記有効な部分は、Fab断片、F(ab)断片、F(ab)N断片、F(ab)2断片またはFv断片を含んでいる。
【0104】
本発明のさらに別の態様において、前記抗体はキメラ抗体である。
【0105】
さらに別の態様において、前記抗体はヒト化抗体である。
【0106】
好ましい局面において、本発明の抗体は、本発明の変異型OspA断片ポリペプチドに特異的に結合し、対応する野生型OspA断片ポリペプチドに結合しない。より好ましい局面において、抗体は、本発明の変異型OspA断片のジスルフィド結合に特異的に結合する。
【0107】
用語「特異性」は、異なるタイプの抗原または抗原決定基の数をいい、そこに、特定の抗原結合性分子または抗原結合性タンパク質(本発明のナノボディまたはポリペプチドなど)分子が結合することができる。抗原結合性タンパク質の特異性は、親和性および/または結合活性に基づいて決定することができる。親和性は、抗原結合性タンパク質(KD)と抗原との解離についての平衡定数によって表され、抗原決定基と抗原結合性タンパク質上の抗原結合部位との間の結合強度についての尺度である: KDの値が小さいほど、抗原決定基と抗原結合性分子との間の結合強度は強力である(あるいは、また、親和性は、親和定数(KA)として表現することができ、1/KDである)。
【0108】
当業者に明らかであろうように(たとえば、本明細書におけるさらなる開示に基づいて)、親和性は、それ自体公知の様式において決定することができ、関心対象の特異的抗原に依存する。結合活性は、抗原結合性分子(本発明の抗体またはその有効な部分など)と関連抗原との間の結合の強度の尺度である。結合活性は、抗原決定基と抗原結合性分子上のその抗原結合部位との間の親和性および抗原結合性分子上に存在する関連する結合部位の数の両方に関連がある。典型的には、抗原結合性タンパク質(本発明の抗体またはその有効な部分など)が、10-5〜10-12モル/リットルまたはそれ未満、および好ましくは10-7〜10-12モル/リットルまたはそれ未満、およびより好ましくは10-8〜10-12モル/リットルの解離定数(KD)(すなわち、105〜1012リットル/モルまたはそれ以上、および好ましくは107〜1012リットル/モルまたはそれ以上、およびより好ましくは108〜1012リットル/モルの会合定数(KA))で、これらの抗原に結合する。一般に、104モル/リットルより大きい任意のKD値(または104 M-1未満の任意のKA値)リットル/モルは、非特異的結合を示すと考慮される。好ましくは、本発明の一価の免疫グロブリン配列は、500nM未満、好ましくは200nM未満、より好ましくは、10nM未満、たとえば500pM未満の親和性で、所望の抗原に結合する。抗原または抗原決定基への抗原結合性タンパク質の特異的結合は、それ自体公知の任意の適切な様式において決定することができ、スキャッチャード解析および/または競合結合アッセイ、たとえば、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素免疫アッセイ(EIA)およびサンドイッチ競合アッセイおよび当技術分野においてそれ自体公知のその異なる変形物、並びに本明細書において言及したその他の技術を含む。
【0109】
解離定数は、当業者に明らかであろう、実際の、または見かけの解離定数でもよい。解離定数を決定するための方法は、当業者に明らかであり、およびたとえば、本明細書において言及した技術を含む。この観点において、また、10-4モル/リットルまたは10-3モル/リットルを超える(たとえば、10-2モル/リットルの)解離定数を測定することができない可能性があることが明らかである。任意に、また、当業者に明らかであろうように、(実際の、または見かけの)解離定数を、関係[KD = 1/KA]を用いて、(実際の、または見かけの)会合定数(KA)に基づいて算出してもよい。
【0110】
親和性は、分子相互作用の強度または安定性を意味する。一般に、親和性は、KDまたは解離定数によって与えられ、モル/リットル(またはM)のユニットを有する。また、親和性を、会合定数、KAとして、表すことができ、1/KDと同等であり、および(モル/リットル)-1(またはM-1)の単位を有する。本明細書において、主に、2つの分子(たとえば、本発明のアミノ酸配列、ナノボディまたはポリペプチドと、その意図された標的との)間の相互作用の安定性は、これらの相互作用のKD値によって表される;KA = 1/KDの関係を考慮して、また、そのKD値によって分子相互作用の強度を特定することは、対応するKA値を算出するために使用することができることが当業者に明らかである。KD値は、また、周知の関係DG = RT.ln(KD)(同等にDG =-RT.ln(KA))による結合の自由エネルギー(DG)に関連した熱力学的意味における分子相互作用の強度を特徴づけ、式中Rは気体定数に等しく、Tは絶対温度に等しく、およびlnは自然対数を意味する。
【0111】
意味があると考えられる(たとえば特異的な)生物学的相互作用についてのKDは、典型的には10-10 M(0.1nM)〜10-5M(10000nM)の範囲である。相互作用がより強力であるほど、そのKDはより低い。
【0112】
好ましい態様において、本発明の抗体のKDは、10-12 M〜10-5 Mであり、好ましくは、10-6未満、好ましくは10-7未満、好ましくは10-8 M未満、好ましくは10-9M未満、より好ましくは10-10M未満、さらにより好ましくは10-11M未満、最も好ましくは10-12 M未満である。
【0113】
また、KDは、koffとして表示される複合体の解離速度定数の、konで表示されるその会合の速度に対する比として表すことができる(その結果、KD = koff/konおよびKA = kon/koff)。オフ速度koffは、単位s-1(sは、秒の国際単位表示法である)を有する。オン速度konは、単位M-1 s-1を有する。オン速度は、二分子相互作用についての拡散律速の会合速度定数に近似して、102 M-1 s-1〜約107 M-1s-1の間で変化し得る。オフ速度は、関係t1/2 = ln(2)/koffによって、所与の分子相互作用の半減期に関連する。オフ速度は、10-6 s-1(t1/2が複数日でほぼ不可逆な複合体)〜1 s-1 (t1/2 = 0.69 s)の間で変化し得る。
【0114】
2つの分子間の分子相互作用の親和性は、周知の表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサー技術などの(たとえば、Ober et al., Intern. Immunology, 13, 1551-1559, 2001を参照されたい)、それ自体公知の異なる技術を介して、測定することができ、1つの分子を、バイオセンサーチップ上に固定し、かつその他の分子を、kon、koff測定およびそれ故、KD(またはKA)値を生じる流動条件下で固定化分子上を通過させる。たとえば、これは、周知のBIACORE機器を使用して行うことができる。
【0115】
また、たとえば、測定するプロセスが、暗に示される分子の固有の結合親和性に対して、何らかによって、たとえばある分子のバイオセンサー上のコーティングに関連したアーチファクトによって影響を与える場合、測定されたKDが見かけのKDに対応し得ることは、当業者に明らかだろう。また、1つの分子がその他の分子のための複数の認識部位を含む場合、見かけのKDを測定してもよい。このような状況において、測定された親和性は、2つの分子による相互作用の結合活性によって影響を受け得る。
【0116】
親和性を評価するために使用してもよい別のアプローチは、Friguet et al.の2段階ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)手順である(J. Immunol. Methods, 77, 305-19, 1985)。この方法は、溶液相結合平衡測定を確立し、かつプラスチックなどの支持体上の分子の1つの吸着に関する想定されるアーチファクトを回避する。しかし、KDの正確な測定は、かなり労働集約型であり得る;したがって、時々、見かけのKD値が、2つの分子の結合強度を評価するために決定される。全ての測定が一貫した方法で行われる(たとえば、不変のアッセイ状態を保持する)限り、見かけのKD測定を真のKDの近似値として使用することができることに留意すべきであり、およびそれ故、本文書において、KDおよび見かけのKDは、同等の重要性または関連性で扱われるべきである。
【0117】
最後に、多くの状況において、経験豊かな科学者が、いくつかの参照分子と比較して結合親和性を決定することが、便利であると判断し得ることに留意すべきである。たとえば、分子AとBの間の結合強度を評価するために、たとえば、Bに結合することが公知であり、およびELISAまたはフローサイトメトリーまたはその他の形式における簡単な検出のための蛍光団または発色団群またはその他の化学的部分、たとえばビオチン(蛍光検出のための蛍光団、光吸収検出のための発色団、ストレプトアビジン介在ELISA検出のためのビオチン)で適切にラベルされた参照分子Cを使用してもよい。典型的には、参照分子Cは、固定された濃度にて保持し、およびAの濃度は、Bの所与の濃度または量に対して様々である。結果として、阻害濃度(IC)50値は、Aの非存在下においてCについて測定されたシグナルが半分になるAの濃度に対応して、得られる。参照分子の総濃度crefだけでなく、提供されるKD ref、すなわち参照分子のKDは公知であり、相互作用A-Bについての見かけのKDは、以下の式から得ることができる:KD = IC50/(1 + cref/KDref)。cref << KDrefである場合、KD≒IC50であることに注目する。IC50の測定が、比較される結合剤のために、一貫した方法(たとえば、固定されたcrefを保持する)において行われるならば、分子相互作用の強度または安定性は、IC50によって評価することができ、およびこの測定は、本明細書全体にわたってKDまたは見かけのKDと同等と判断される。
【0118】
本発明の別の局面は、上記のとおり抗体を産生するハイブリドーマ株化細胞に関する。
【0119】
さらに、本発明の根底にある問題は、次の工程を特徴とする、上記で定義した抗体を産生するための方法によって解決される:
a)非ヒト動物において、上記で定義したポリペプチドを該動物に投与することによって免疫応答を開始させる工程、
b)抗体を含む体液を該動物から取り出す工程、および
c)該抗体を含む体液をさらなる精製工程に供することによって抗体を産生する工程。
【0120】
さらに、本発明は、次の工程を特徴とする、上記で定義した抗体を産生するための方法に関する:
a)非ヒト動物において、上記で定義したポリペプチドを該動物に投与することによって免疫応答を開始させる工程、
b)該動物から脾臓または脾細胞を取り出す工程、
c)該脾臓または脾細胞のハイブリドーマ細胞を産生する工程、
d)該ポリペプチドに特異的なハイブリドーマ細胞を選択し、かつクローン化する工程、
e)クローン化されたハイブリドーマ細胞の培養によって抗体を産生する工程、および
f)任意で、さらなる精製工程を行う工程。
【0121】
本発明の別の局面は、上で明記したように、抗体を含む医薬組成物に関する。
【0122】
さらに別の局面は、ボレリア(Borrelia)種、より好ましくは本明細書において開示した病原性ボレリア種、より好ましくはB.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシスおよびB.ガリニを含むボレリア種による感染症の治療または予防のための、上記のとおりの抗体、または上記のとおりの抗体を含む医薬組成物に関する。
【0123】
本発明の根底にある問題は、別の局面において、ボレリア種、より好ましくは本明細書において開示した病原性ボレリア種、より好ましくはB.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシスおよびB.ガリニを含むボレリア種による感染症を治療または予防するための医薬組成物の調製のための、上記のとおりの抗体の使用によって解決される。
【0124】
第3の局面において、本発明は、第1の局面に従うポリペプチドおよび/または第2の局面に従う核酸を含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、緩衝液物質、安定剤またはさらなる活性成分、特に医薬組成物および/またはワクチン製造と関連して公知である成分などの任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を任意に含んでいてもよい。好ましくは、医薬組成物は、医薬として、特にワクチンとして、またはボレリア種、より好ましくは本明細書において開示した病原性ボレリア種、より好ましくはB.ブルグドルフェリs.s.、B.アフゼリ、B.ババリエンシスおよびB.ガリニを含むボレリア種によって生じる、および/または抗原がワクチンに含まれたその他の病原体によって生じる感染症を予防する、または治療するために使用される。
【0125】
一つの態様において、医薬組成物はさらにアジュバントを含む。細菌毒素または本発明のプロセスを使用して作製されたコンジュゲートと混合される適切なアジュバントの選択は、当業者の知識の範囲内である。適切なアジュバントは、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を含み、しかしまた、カルシウム、マグネシウム、鉄または亜鉛のものなどのその他の金属塩でもよく、またはアシル化チロシンの不溶性懸濁液またはアシル化糖、陽イオンまたは陰イオンで誘導体化されたサッカライドまたはポリホスファゼンでもよい。好ましい態様において、医薬組成物は、水酸化アルミニウムで補助される。
【0126】
さらなる態様において、医薬組成物は、好ましくは、ポリカチオン性重合体、特にポリカチオン性ペプチド、免疫賦活性オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、特にオリゴ(dIdC)13(配列番号:32)、少なくとも2つのLysLeuLysモチーフを含むペプチド、特にペプチド
[この文献は図面を表示できません]
、神経刺激性化合物、特にヒト成長ホルモン、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、フロイント完全または不完全アジュバント、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される免疫賦活性物質をさらに含む。好ましくは、免疫賦活性物質は、ポリカチオン性重合体と免疫賦活性デオキシヌクレオチドの、または少なくとも2つのLysLeuLysモチーフを含むペプチドと免疫賦活性デオキシヌクレオチドのいずれかの組み合わせ、好ましくは、
[この文献は図面を表示できません]
とオリゴ(dIdC)13(配列番号:32)の組み合わせである。より好ましくは、前記ポリカチオン性ペプチドは、ポリアルギニンである。
【0127】
さらなる態様において、医薬組成物は、6.7 +/- 0.2のpHにて、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、L-メチオニン、スクロースおよびTween-20を含む。好ましくは、医薬組成物はまた、水酸化アルミニウムを好ましくは0.15%の濃度で含む。
【0128】
一つの態様において、製剤は、5mM〜50mMのリン酸ナトリウム、100〜200mMの塩化ナトリウム、5mM〜25mMのL-メチオニン、2.5%〜10%のスクロース、0.01%〜0.1%のTween 20および0.1%〜0.2%(w/v)の水酸化アルミニウムを含む。より好ましくは、製剤は、pH 6.7±0.2にて、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、10mM L-メチオニン、5%スクロース、0.05% Tween 20および0.15%(w/v)水酸化アルミニウムを含む。さらにより好ましくは、製剤は、本発明にしたがって、少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの変異型OspAヘテロ二量体を含む。
【0129】
一つの態様において、医薬組成物は、3つのヘテロ二量体、好ましくはLip-S1D1-S2D1(配列番号:186)、Lip-S4D1-S3D1(配列番号:194)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)を含む。好ましくは、3つのヘテロ二量体は、1:2:1、1:3:1、1:1:2、1:1:3、1:2:2、1:2:3、1:3:2、1:3:3、2:1:1、2:1:2、2:1:3、2:2:3、2:2:1、2:3:1、2:3:2、2:3:3、3:1:1、3:1:2、3:1:3、3:2:1、3:2:2、3:2:3、3:3:1、3:3:2、最も好ましくは1:1:1のモル比にて混合される。
【0130】
さらなる態様において、医薬組成物は、2つのヘテロ二量体、好ましくはLip-S1D1-S2D1(配列番号:186)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)、Lip-S1D1-S2D1(配列番号:186)およびLip-S4D1-S3D1(配列番号:194)またはLip-S4D1-S3D1(配列番号:194)およびLip-S5D1-S6D1(配列番号:190)を、1:2、1:3、2:1、3:1、2:3、3:2、好ましくは1:1のモル比にて含む。
【0131】
一つの態様において、さらに、本発明の医薬組成物またはワクチンは、少なくとも1つの付加的な抗原を含む(本明細書において、一般的に、「混合ワクチン」と称する)。好ましい態様において、付加的な抗原は、少なくとも1つの、ライムボレリア症をもたらすボレリア種に由来する。種々の局面において、少なくとも1つの付加的な抗原は、別の病原体、好ましくはダニ媒介性病原体に由来する。さらなる局面において、病原体は、ロッキー山紅斑熱、ヒト顆粒球エールリヒア症(HGE)、腺熱、ヒト単核球エールリヒア症(HME)、アナプラズマ症、ボタン熱、リケッチア・パルケリ(Rickettsia parkeri)リケッチア症、南部マダニ関連発疹症(STARI)、ヘルベティカ斑点熱、364Dリケッチア症、アフリカ斑点熱、回帰熱、野兎病、コロラドダニ熱、ダニ媒介性脳炎(TBE、別名FSME)、クリミア・コンゴ出血熱、Q熱、オムスク出血熱、キャサヌール森林病、ポワッサン脳炎、ハートランドウイルス疾患またはバベシア症をもたらす。さらなる局面において、疾患は、日本脳炎である。
【0132】
さらなる態様において、少なくとも1つの付加的な抗原は、媒介動物媒介性の、好ましくはダニ媒介性の、ボレリア・ヘルムシー(Borrelia hermsii)、ボレリア・パルケリ(Borrelia parkeri)、ボレリア・ダットニイ(Borrelia duttoni)、ボレリア・ミヤモトイ(Borrelia miyamotoi)、ボレリア・タリカテ、リケッチア・リケッチイ(Rickettsia rickettsii)、リケッチア・オストラーリス(Rickettsia australis)、リケッチア・コノリイ(Rickettsia conori)、リケッチア・ヘルベティカ(Rickettsia helvetica)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、エーリキア・センネツ(Ehrlichia sennetsu)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、コクシエラ・バーネッティイ(Coxiella burnetii)およびボレリア・ロネスタリ(Borrelia lonestari)を含む群から選択される病原体、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV aka FSMEウイルス)、コロラドダニ熱ウイルス(CTFV)、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)、オムスク出血熱ウイルス(OHFV)、日本脳炎ウイルス(JEV)およびバベシア属(Babesia)の種に由来する。
【0133】
別の局面において、本発明の混合ワクチンは、少なくとも第2のワクチン組成物と組み合わせて本明細書において考察した任意のワクチン組成物を含む。いくつかの局面において、第2のワクチン組成物は、媒介動物媒介性疾患、好ましくはダニ媒介性疾患に対して防御する。種々の局面において、第2のワクチン組成物は、ボレリア感染症またはライムボレリア症に対する免疫化と適合した、季節的な免疫化予定を有する。その他の局面において、混合ワクチンは、複数の疾患の予防において、これらの疾患が流行する地理的な位置における使用のために有用である。
【0134】
一つの局面において、第2のワクチン組成物は、ダニ媒介性脳炎ワクチン、日本脳炎ワクチン、およびロッキー山紅斑熱ワクチンからなる群より選択されるワクチンである。好ましい局面において、ワクチン組成物は、FSME-IMMUN(登録商標)(Baxter)、Encepur(登録商標)(Novartis Vaccines)、EnceVir(登録商標)(Microgen NPO)、またはTBE Moscow Vaccine(登録商標)(Chumakov Institute of Poliomyelitis and Viral Encephalitides of Russian Academy of Medical Sciences)である。別の好ましい局面において、ワクチン組成物は、IXIARO(登録商標)/JESPECT(登録商標)(Valneva SE)、JEEV(登録商標)(Biological E, Ltd.)またはIMOJEV(登録商標)(Sanofi Pasteur)である。
【0135】
さらに、医薬組成物を含むワクチンが提供され、このワクチンは、薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい。好ましい態様において、賦形剤は、L-メチオニンである。
【0136】
また、本発明は、免疫原性組成物を含む。いくつかの局面において、本発明の免疫原性組成物は、本明細書において考察した組成物および薬学的に許容される担体のいずれかを含む。種々の局面において、免疫原性組成物は、細胞表層タンパク質A(OspA)タンパク質と特異的に結合する抗体の産生を誘導する特性を有する。一定の局面において、免疫原性組成物は、ボレリアと特異的に結合する抗体の産生を誘導する特性を有する。特定の局面において、免疫原性組成物は、ボレリアを中和する抗体の産生を誘導する特性を有する。いくつかの局面において、抗体は、動物によって産生される。さらなる局面において、動物は、哺乳動物である。さらに、さらなる局面において、哺乳動物は、ヒトである。
【0137】
本発明の医薬組成物を含むワクチンの調製を、全身または粘膜経路を介して前記ワクチンを投与することによって、ボレリア感染に感受性のある哺乳動物を防御する、またはボレリア感染を有する哺乳動物を治療するために使用してもよい。これらの投与は、筋肉内、腹腔内、皮内または皮下経路を介する注射を含んでいてもよく;または口/消化管、呼吸器または尿生殖路に対する粘膜投与を介してもよい。本発明のワクチンは、一回の用量として投与してもよいが、また、その成分は、同じ時間にて、または異なる時間にて共に同時投与してもよい。
【0138】
本発明の一つの局面において、任意に凍結乾燥された形態で本発明の医薬組成物を含むバイアルを含み、および本明細書において記述されたとおりのアジュバントを含むバイアルをさらに含むワクチンキットが提供される。本発明の本局面において、アジュバントは、凍結乾燥された免疫原性組成物を再構成するために使用されると想像される。さらなる局面において、本発明の医薬組成物は、バイアルにおいて、好ましくは注射器において使用前に混合してもよい。
【0139】
本発明のさらなる局面は、宿主に本発明の医薬組成物またはワクチンまたはキットの免疫防御用量を投与することを含む、ボレリア感染症を予防または治療する方法である。一つの態様において、宿主に本発明の医薬組成物またはワクチンまたはキットの免疫防御用量を投与することを含む、ボレリア感染症の原発性および/または再発性エピソードを予防または治療する方法を提供する。
【0140】
本発明のさらなる局面は、ボレリアの疾患の治療または予防における使用のための本発明の医薬組成物である。一つの態様において、ボレリア感染症の治療または予防における使用のための医薬組成物を提供する。
【0141】
本発明のさらなる局面は、ボレリア感染症の治療または予防のための医薬の製造における本発明の医薬組成物またはワクチンまたはキットの使用である。一つの態様において、ボレリア感染症の治療または予防のための医薬の製造における使用のための本発明の医薬組成物を提供する。
【0142】
また、本発明は、対象における免疫学的応答を誘導するための方法を含む。種々の局面において、このような方法は、本明細書において考察した免疫原性組成物またはワクチン組成物のいずれかを、免疫学的応答を誘導するのに有効な量で対象に投与する工程を含む。一定の局面において、免疫学的応答は、抗OspA抗体の産生を含む。
【0143】
本発明は、対象におけるボレリア感染症またはライムボレリア症を予防する、または治療するための方法を含む。種々の局面において、このような方法は、本明細書において考察したワクチン組成物のいずれか、または本明細書において考察した混合ワクチンのいずれかを、ボレリア感染症またはライムボレリア症を予防するまたは治療するのに有効な量で対象に投与する工程を含む。
【0144】
本発明は、医薬の調製のための、本発明のポリペプチド、核酸、抗体、医薬組成物またはワクチンの使用を含む。また、その他の関係する局面を、本発明において提供する。
【0145】
本明細書における用語「含むこと」、「含む」および「含む」は、あらゆる例において、それぞれ、用語「からなっている」、「からなる」および「からなる」で任意に代用可能なことが発明者によって意図される。用語「含む(comprise)」は、「含む(include)」を意味する。したがって、文脈上別段の解釈を要する場合を除き、語「含む」および「含む」および「含むこと」などの変化は、明示された化合物または組成物(たとえば、核酸、ポリペプチド、抗体)または工程または化合物もしくは工程の群を含むことを暗に示すと理解されるであろうが、しかし任意のその他の化合物、組成物、工程またはそれらの群を除外しない。略語、「たとえば」は、ラテン語のたとえば(exempli gratia)に由来し、かつ非限定的な例を示すために本明細書に使用される。したがって、略語「たとえば(e.g.)」は、用語「たとえば」と同義である。
【0146】
また、本発明の「ワクチン組成物」に関する本明細書における態様は、本発明の「医薬組成物」に関する態様に適用でき、および逆もまた同じである。
【0147】
説明されない限り、本明細書に使用された全ての専門的および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。分子生物学における共通用語の定義は、オックスフォード大学出版部によって刊行されたBenjamin Lewin, Genes V; Kendrew ef al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, published by Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0-632-02182-9); およびVCH Publishers, Inc.によって刊行されたRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, 1995 (ISBN 1 -56081 -569-8)において見つけることができる。
【0148】
単数形の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、状況が別途明らかに示されていない限り、複数の指示物を含む。同様に、語「または」は、状況が別途明らかに示されていない限り、「および」を含むことを意図する。用語「複数」は、2つ以上をいう。さらに、全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズおよび全ての分子重量または分子質量値、与えられた核酸またはポリペプチドは、概算であり、および記述のために提供されることが理解される。加えて、抗原などの、物質の濃度またはレベルに関して与えられた数の限界は、概算でありうる。
【0149】
これらの多様な態様において、本発明に従ったポリペプチドまたは本発明に従った核酸分子のための好ましい担体または賦形剤は、本発明に従ったポリペプチドまたはそのコード核酸分子に対する免疫応答をさらに刺激するためのアジュバントなどの免疫賦活性化合物である。
【0150】
本発明の組成物において、使用してもよいアジュバントは、以下を含むが、これらに限定されない。
【0151】
A. ミネラル含有組成物
本発明におけるアジュバントとしての使用のために適したミネラル含有組成物は、アルミニウム塩およびカルシウム塩などのミネラル塩を含む。本発明は、水酸化物(たとえば、オキシ水酸化物)、リン酸塩(たとえば、ヒドロキシリン酸塩、オルトリン酸塩)、硫酸塩、などのミネラル塩または任意の適切な形態(たとえば、ゲル、結晶質、非晶質など)をとる化合物を伴う、および好ましい吸着を伴う、異なるミネラル化合物の混合物を含む。また、ミネラル含有組成物は、金属塩の粒子として製剤化してもよい。
【0152】
有用なリン酸アルミニウムアジュバントは、0.84〜0.92のPO4/Alモル比の非晶質のヒドロキシリン酸アルミニウムである。別の有用なアルミニウムに基づいたアジュバントは、AS04、水酸化アルミニウム+モノホスホリルリピドA(MPL)の組み合わせである。
【0153】
B. 油エマルジョン
本発明におけるアジュバントとしての使用に適切な油エマルジョン組成物は、MF59(5%スクアレン、0.5% Tween 80および0.5% Span 85、マイクロ流動化装置を使用してサブミクロンの粒子に製剤化された)などの、水中スクアレンエマルジョン、AS03(スクアレン、DL-α-トコフェロールおよびTween 80)およびAF03(スクアレン、Montane(登録商標)80およびEumulgon(登録商標)B1 PH)を含む。また、完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)を使用してもよい。
【0154】
有用な水中油エマルジョンは、典型的には、少なくとも1つの油および少なくとも1つの表面活性物質を含み、油および表面活性物質は生物分解性(代謝可能)および生物学的適合性である。一般に、エマルジョンにおける油滴は、直径1μm未満であり、安定なエマルジョンを形成するためにこれらの小さなサイズがマイクロ流動化装置で達成される。220nm未満のサイズでの液滴は、これらが滅菌濾過に供することができるので、好ましい。
【0155】
エマルジョンは、動物(魚などの)または植物源からのものなどの油を含むことができる。植物性油のための供与源は、木の実、種および穀物を含む。最も一般に利用できる、落花生油、ダイズ油、ヤシ油およびオリーブ油は、木の実油の例証となる。たとえば、ホホバマメから得られたホホバ油を使用することができる。種子油は、ベニバナ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油および同様のものを含む。穀物群において、トウモロコシ油は、最も容易に利用でき、しかし、また、コムギ、カラスムギ、ライ麦、米、テフ、ライ小麦および同様のものなどのその他の穀物の油を使用してもよい。グリセロールおよび1,2-プロパンジオールの6〜10の炭素脂肪酸エステルは、種子油において天然に生じないが、木の実および種子油から開始する適切な材料の加水分解、分離およびエステル化によって調製してもよい。哺乳動物の乳からの油脂は、代謝可能であり、およびしたがって、本発明の実施において使用してもよい。動物供与源から純粋な油を得るために必要な分離、精製、鹸化およびその他の手段のための手順は、当該技術分野において周知である。大部分の魚は、容易に回収してもよい代謝可能油を含む。たとえば、タラ肝油、サメ肝油、および鯨ろうなどの鯨油は、本明細書で使用されうる魚油のいくつかの例証となる。多数の分枝鎖油は、5-炭素イソプレン単位において生化学的に合成され、および一般に、テルペノイドと称する。サメ肝油はスクアレン、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチル-2,6,10,14,18,22-テトラコサヘキサエンとして公知の分枝、不飽和テルペノイドを含み、特に本明細書において好ましい。また、スクアラン、スクアレンに対する飽和類似体は、好ましい油である。魚油は、スクアレンおよびスクアランを含み、市販の供与源から容易に利用でき、または当該技術分野において公知の方法によって得ることができる。その他の好ましい油は、トコフェロールである(下記を参照されたい)。油の混合物を使用することができる。
【0156】
表面活性物質は、これらの「HLB」(親水性/親油性バランス)によって分類することができる。本発明の好ましい表面活性物質は、少なくとも10のHLB、好ましくは少なくとも15、およびより好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、以下を含む表面活性物質とともに使用することができるが、限定されない:ポリオキシエチレンソルビタンエステル表面活性物質(一般に、Tweensと称する)、特に、ポリソルベート20およびポリソルベート80;エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)の共重合体、DOWF AX(商標)商品名下で販売される直鎖状のEO/ POブロック共重合体など;オクトキシノールは、反復するエトキシ(オキシ-1,2-エタンジイル)群の数において変化することができ、特に関心対象であるオクトキシノール-9(Triton X-100またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)を伴う;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA-630/NP-40);ホスファチジルコリン(レシチン)などの、リン脂質;Tergitol(商標)NPシリーズなどのノニルフェノールエトキシレート;トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij 30)などのラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコール(Brij表面活性物質として公知の)に由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル;およびトリオレイン酸ソルビタン(SPAN85)およびソルビタンモノラウレートなどの、ソルビタンエステル(一般にSPANとして公知)。非イオン性表面活性物質が好ましい。エマルジョンにおいて含む好ましい表面活性物質は、Tween 80(ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン)、Span85(トリオレイン酸ソルビタン)、レシチンおよびTriton X-100である。
【0157】
表面活性物質の混合物は、たとえばTween 80/ Span 85混合物を使用することができる。また、ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン(Tween 80)などのポリオキシエチレンソルビタンエステルおよびt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X-100)などのオクトキシノールの組み合わせは、適切である。別の有用な組み合わせは、ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールに加えてラウレス 9を含む。
【0158】
表面活性物質の好ましい量は(重量%)、以下のとおりである:ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween 80など)0.01〜1%、特に約0.1%;オクチル-またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(Triton X-100またはTritonシリーズにおけるその他の界面活性剤など)0.001〜0.1%、特に0.005〜0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス 9など)0.1〜20%、好ましくは0.1〜10%および特に0.1〜1%または約0.5%。
【0159】
好ましくは、実質的に油滴の全て(たとえば、機械的に少なくとも90%)は、1μmより小さい直径を有し、たとえば、<750nm、<500nm、<400nm、<300nm、<250nm、<220nm、<200nm、またはより小さい。1つの特に有用なサブミクロンのエマルジョンは、スクアレン、Tween 80およびSpan 85からなる。容積によるエマルジョンの組成物は、約5%スクアレン、約0.5%ポリソルベート80および約0.5% Span 85であることができる。重量に関して、これらの比は、4.3%スクアレン、0.5%ポリソルベート80および0.48% Span 85になる。MF59エマルジョンは、クエン酸イオン、たとえば10mMクエン酸ナトリウム緩衝液を都合よく含む。
【0160】
C. サポニン製剤
サポニン製剤も、本発明におけるアジュバントとして使用することができる。サポニン類は、ステロールグリコシドおよび広範囲の植物種の樹皮、葉、幹、根および花においてさえ見いだされるトリテルペノイドグリコシドの不均質な群である。キラヤサボンソウリーナ樹木の樹皮からのサポニンは、アジュバントとして広く研究された。また、サポニンは、スミラクス・オルナタ(Smilax ornata)(サルサパリラ)、カスミソウ(Gypsophilla paniculata)(ブリデアル・ヴェイル(brideal veil))およびサポナリア・オフィシアナリス(Saponaria officianalis)(ソープルート(soap root))から商業的に得ることができる。サポニンアジュバント製剤は、QS21、並びにISCOMなどの脂質製剤などの精製された製剤を含む。QS21は、Stimulon(商標)として市販されている。
【0161】
サポニン組成物を、HPLCおよびRP-HPLCを使用して精製した。これらの技術を使用してQS7、QS 17、QS l8、QS21、QH-A、QH-BおよびQH-Cを含む特定の精製画分を同定した。好ましくは、サポニンは、QS21である。また、サポニン製剤は、コレステロールなどのステロールを含んでもよい。
【0162】
サポニン類およびコレステロールの組み合わせは、免疫賦活性複合体(ISCOM)と呼ばれる独特の粒子を形成するために使用することができる。また、ISCOMは、典型的には、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンなどのリン脂質を含む。任意の公知のサポニンは、ISCOMにおいて使用することができる。好ましくは、ISCOMは、1つまたは複数のQS7、QS 17、QS l8、QS21、QH-A、QH-BおよびQH-Cを含む。任意に、ISCOMは、付加的な界面活性剤を欠いていてもよい。
【0163】
D. ビロソームおよびウイルス様粒子
ビロソームおよびウイルス様粒子(VLP)も、本発明におけるアジュバントとして使用することができる。一般に、これらの構造は、任意にリン脂質と組み合わせたまたはリン脂質で製剤化したウイルスからの1つまたは複数のタンパク質を含む。一般に、これらは、非病原性で、非複製性で、かつ一般に天然のウイルスゲノムのいずれをも含まない。ウイルスタンパク質は、組換えにより産生してもまたはウイルス全体から単離してもよい。ビロソームまたはVLPにおいての使用に適するこれらのウイルスのタンパク質は、インフルエンザウイルス(HAまたはNAなど)、B型肝炎ウイルス(コアまたはキャプシドタンパク質など)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNA-ファージ、Qβ-ファージ(コートタンパク質など)、GA-ファージ、fr-ファージ、AP205ファージおよびTy(レトロトランスポゾンTyタンパク質piなど)に由来するタンパク質を含む。
【0164】
E. 細菌または微生物誘導体
本発明における使用に適するアジュバントは、腸内細菌性リポ多糖体(LPS)の無毒性誘導体、リピドA誘導体、免疫賦活性オリゴヌクレオチドおよびADPリボシル化毒素および解毒されたそれらの誘導体などの細菌または微生物誘導体を含む。
【0165】
LPSの無毒性誘導体は、モノホスホリルリピドA(MPL)および3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)を含む。3dMPLは、4、5または6アシル化鎖と3脱-O-アシル化モノホスホリルリピドAの混合物である。3dMPLのこのような「小さな粒子」は、0.22μm膜を介して滅菌濾過するのに十分なほど小さい。その他の無毒性LPS誘導体は、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体、たとえばRC-529および合成リン脂質二量体、E6020などのモノホスホリルリピドA模倣物を含む。
【0166】
リピドA誘導体は、OM-174などの大腸菌からのリピドAの誘導体を含む。本発明におけるアジュバントとしての使用に適切な免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、CpGモチーフ(グアノシンへのリン酸結合によって連結された非メチル化シトシンを含むジヌクレオチド配列)を含むヌクレオチド配列を含む。また、パリンドローム配列またはポリ(dG)配列を含む二本鎖RNAおよびオリゴヌクレオチドは、免疫賦活性であることが示されている。
【0167】
CpGは、ホスホロチオエート修飾などのヌクレオチドの修飾/類似体を含むことができ、および二本鎖または一本鎖でありうる。CpG配列は、モチーフGTCGTTまたはTTCGTTなど、TLR9に向けられてもよい。CpG配列は、CpG-A ODNなど、Th1免疫応答を誘導するために特異的であり得、またはそれはCpG-B ODNなど、B細胞反応を誘導するためにより特異的であり得る。好ましくは、CpGは、CpG-A ODNである。
【0168】
好ましくは、CpGオリゴヌクレオチドは、5'末端が受容体認識のためにアクセス可能であるように、構築される。任意に、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列は、これらの3'末端を付着させて「イムノマー」を形成してもよい。免疫賦活性オリゴヌクレオチド周辺に基づく特に有用なアジュバントは、IC31(登録商標)として公知である。したがって、本発明で使用されたアジュバントは、以下の混合物を含んでいてもよい(i)少なくとも1つの(および好ましくは複数の)CpIモチーフ(すなわち、ジヌクレオチドを形成するためにイノシンに連結されたシトシン)を含むオリゴヌクレオチド(たとえば、15〜40ヌクレオチド)、および(ii)少なくとも1つの(および好ましくは複数の)Lys-Arg-Lysトリペプチド配列を含むオリゴペプチド(たとえば、5〜20アミノ酸)などのポリカチオン性重合体。オリゴヌクレオチドは、26merの配列5'-(dIdC)13-3'(配列番号:32)を含むデオキシヌクレオチドでもよい。ポリカチオン性重合体は、11merのアミノ酸配列
[この文献は図面を表示できません]
を含むペプチドでもよい。
【0169】
天然供与源に由来するポリカチオン性化合物は、生化学的な、または組換えによる産生によって、HIV-REVまたはHIV-TAT(由来するカチオン性ペプチド、アンテナペディアペプチド、キトサンまたはその他のキチン誘導体)またはこれらのペプチドまたはタンパク質に由来するその他のペプチドを含む。その他の好ましいポリカチオン性化合物は、カテリンまたは関連した、またはカテリンに由来する物質である。たとえば、マウスカテリンはペプチドであり、アミノ酸配列
[この文献は図面を表示できません]
を有する。関連した、または由来するカテリン物質は、少なくとも15〜20個のアミノ酸残基を有するカテリン配列の全体または部分を含む。誘導体は、20個の標準的なアミノ酸には入らないアミノ酸による、天然アミノ酸の置換または修飾を含んでもよい。その上、さらなるカチオンの残基がこのようなカテリン分子に導入されてもよい。これらのカテリン分子は、抗原と組み合わせることが好ましい。驚くべきことに、また、これらのカテリン分子は、さらなるアジュバントの添加のない抗原のためのアジュバントとして有効であることがわかった。したがって、さらなる免疫活性化物質の有無にかかわらず、ワクチン製剤における効率的なアジュバントとして、このようなカテリン分子を使用することができる。
【0170】
細菌ADPリボシル化毒素およびそれらの解毒された誘導体は、本発明におけるアジュバントとして使用してもよい。好ましくは、タンパク質は、大腸菌(大腸菌熱不安定エンテロトキシン「LT」)、コレラ菌(Vibrio cholerae)(コレラ毒素「CT」)または百日咳菌(Bordetella pertussis)(百日咳毒素「PT」)に由来する。粘膜アジュバントとしてのおよび非経口アジュバントとしての解毒されたADPリボシル化毒素の使用は、公知である。好ましくは、毒素またはトキソイドは、ホロ毒素の形であり、AおよびBサブユニットを含む。好ましくは、Aサブユニットは、解毒化変異を含む;好ましくは、Bサブユニットは、変異されない。好ましくは、アジュバントは、LT-K63、LT-R72、LT-G192またはdmLTなどの、解毒されたLT変異型である。有用なCT変異型は、CT-E29Hである。
【0171】
F. ヒト免疫調節物質
本発明におけるアジュバントとしての使用に適切なヒト免疫調節物質は、インターロイキン(たとえば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、その他)などの、サイトカイン、インターフェロン(たとえば、インターフェロン-γ)、マクロファージコロニー刺激因子および腫瘍壊死因子を含む。好ましい免疫調節物質は、IL-12である。
【0172】
G. 生体接着剤および粘膜付着剤
生体接着剤および粘膜付着剤も、本発明におけるアジュバントとして使用することができる。適切な生体接着剤は、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(pyrollidone)、多糖類およびカルボキシメチルセルロースの架橋された誘導体などの、エステル化されたヒアルロン酸微粒子または粘膜付着剤を含む。キトサンおよびその誘導体も、本発明におけるアジュバントとして使用することができる。
【0173】
H. 微小粒子
微小粒子も、本発明におけるアジュバントとして使用することができる。微小粒子(すなわち、直径約100nm〜約150μmの粒子、より好ましくは直径約200nm〜約30μm、および最も好ましくは直径約500nm〜約10μm)は、生物分解性および無毒性である(たとえば、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)など)材料から形成され、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)は、好ましくは、任意で、負に荷電した表面(たとえば、SDSで)または正に荷電した表面(たとえば、CTABなどの陽イオン性界面活性剤で)を有するように処理される。
【0174】
I. リポソーム
アジュバントとしての使用に適切なリポソーム製剤の例は、公知である。
【0175】
J. ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステル製剤
本発明における使用に適するアジュバントは、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルを含む。このような製剤は、オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル表面活性物質、並びにオクトキシノールなどの少なくとも1つの付加的な非イオン性表面活性物質と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル表面活性物質をさらに含む。好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群から選択される:ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル(ラウレス 9)、ポリオキシエチレン-9-ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)-8-ステオリルエーテル、ポリオキシエチレン-4-ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-35-ラウリルエーテルおよびポリオキシエチレン-23-ラウリルエーテル。
【0176】
K. ムラミルペプチド
本発明におけるアジュバントとしての使用に適切なムラミルペプチドの例は、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(nor-MDP)、およびN-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(l'-2'-ジパルミトイル-5n-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミンMTP-PE)を含む。
【0177】
L. イミダゾキノロン化合物
本発明におけるアジュバントとしての使用に適切なイミダゾキノロン化合物の例は、イミキモドおよびその同族体(たとえば、「レシキモド3M」)を含む。
【0178】
また、本発明は、上で同定されたアジュバントの1つまたは複数の局面の組み合わせを含んでもよい。
【0179】
好ましくは、本発明に従った医薬調製における免疫賦活性化合物は、ポリカチオン性物質、特にポリカチオン性ペプチド、免疫賦活性核酸分子、好ましくは免疫賦活性デオキシヌクレオチド、水中油型または油中水型エマルジョン、MF59、アルミニウム塩、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント、神経刺激性化合物、特にヒト成長ホルモン、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
【0180】
水酸化アルミニウムおよび/またはリン酸アルミニウムアジュバントの使用は、特に好ましく、および一般に、抗原は、これらの塩に吸着される。
【0181】
また、本発明に従った医薬組成物は、以下の化合物またはこれらの組み合わせの少なくともいずれかを含む医薬組成物である:本発明に従った核酸分子、これらの多様な態様において本発明に従ったポリペプチド、本発明に従ったベクター、本発明に従った細胞および本発明に従った抗体。これに関連して、これらの化合物のいずれかを、細胞、組織または生物との使用のための非無菌または無菌の担体または担体、たとえば対象に対する投与に適切な医薬担体などと組み合わせて使用してもよい。このような担体は、生理食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびこれらの組み合わせを含むが、限定されない。製剤は、投与の様式に適するべきである。
【0182】
一つの態様において、医薬組成物は、安定剤を含む。用語「安定剤」は、ワクチンの免疫原性組成物を、有害な状態、たとえば加熱または凍結の間に生じるものなどから保護し、かつ/または安定なおよび免疫原性の条件または状態における免疫原性組成物の安定性または保存寿命を延長する、物質またはワクチン賦形剤をいう。安定剤の例は、限定されないが、スクロース、ラクトースおよびマンノースなどの糖;マンニトール(manitol)などの、糖アルコール;グリシンまたはグルタミン酸などのアミノ酸;およびヒト血清アルブミンまたはゼラチンなどのタンパク質を含む。
【0183】
本発明の医薬組成物を、任意の有効な便利な様式において投与してもよく、たとえば、とりわけ局所的、経口、肛門内、膣内、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、気管内または皮内経路による投与を含む。好ましい態様において、医薬組成物は、皮下または筋肉内、最も好ましくは筋肉内に投与される。
【0184】
療法において、または予防として、本発明の医薬組成物の活性薬剤は、たとえば無菌の水性分散液、好ましくは等張性として注射可能な組成物として個体に投与してもよい。
【0185】
あるいは、組成物、好ましくは、医薬組成物は、たとえば軟膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼、点耳液、含嗽薬、浸透性包帯および縫合およびエアロゾルの形態で局所的な施用のために製剤化してもよく、およびたとえば、保存剤、薬物透過を助ける溶媒、および軟膏における軟化薬およびクリームを含む適切な従来の添加剤を含んでいてもよい。また、このような局所的な製剤は、適合性の従来の担体、たとえばクリームまたは軟膏基剤およびエタノールまたはローションのためのオレイルアルコールを含んでもよい。このような担体は、製剤の約1重量%〜約98重量%を構成してもよい;より通常は、これらは、製剤の約80重量%までを構成する。
【0186】
上記の療法に加えて、一般に、本発明の組成物を、損傷組織において曝露されたマトリックスタンパク質に対する細菌の接着を予防する損傷治療薬剤として、および抗生物質予防投与に代わるものとして、または併せて、歯科治療における予防的使用のために使用してもよい。
【0187】
好ましい態様において、医薬組成物は、ワクチン組成物である。好ましくは、このようなワクチン組成物は、都合よく注射可能な形態である。従来のアジュバントは、免疫応答を増強するために使用されてもよい。タンパク質抗原でのワクチン接種のための適切な単位用量は、成人については体重1kgあたり0.02μg〜3μgおよび子供については体重1kgあたり抗原0.2μg〜10μgであり、および好ましくは、このような用量は、2〜24週の間隔にて1〜3回投与される。
【0188】
示された用量範囲にて、適切な個体への本発明の化合物の投与を妨げる、該化合物での有害な中毒学的作用は予想されない。
【0189】
付加的な局面として、本発明は、対象への投与のためにこれらの使用を容易にする形でパッケージされた、対象への投与のための1つまたは複数の薬学的製剤を含むキットを含む。好ましい態様において、キットは、2mLの最終容積の製剤を含み、より好ましくは、1mLの最終容積である。
【0190】
特定の態様において、本発明は、1回用量投与ユニットを生成するためのキットを含む。キットは、種々の局面において、それぞれ乾燥タンパク質を有する第1の容器および水性製剤を有する第2の容器両方を含む。また、本発明の範囲内に含まれるものは、単一のおよび多数のチャンバを備えたあらかじめ充填された注射器(たとえば、液体の注射器およびリオシリンジ(lyosyringe))を含むキットである。
【0191】
別の態様において、このようなキットは、本明細書において記述された医薬製剤を含み(たとえば、治療上のタンパク質またはペプチドを含む組成物)、ラベルを容器に添付した、または方法を実践することにおける化合物または組成物の使用を記述するパッケージ中に含まれた、封をした瓶または器などの容器においてパッケージされる。一つの態様において、医薬製剤は、容器におけるヘッドスペースの量(たとえば、液体製剤と容器上部との間の空気の量)が非常に小さいように、容器中にパッケージされる。好ましくは、ヘッドスペースの量は、ごくわずかである(すなわち、ほとんどない)。
【0192】
一つの局面において、キットは、治療上のタンパク質またはペプチド組成物を有する第1の容器および組成物のための生理的に許容される再構成溶液を有する第2の容器を含む。一つの局面において、医薬製剤は、単位剤形においてパッケージされる。さらに、キットは、任意で、投与の特定の経路に従って、医薬製剤を投与するために適切な装置を含む。いくつかの局面において、キットは、医薬製剤の使用を記述するラベルを含む。
【0193】
医薬組成物は、異なる抗原の範囲を含むことができる。抗原の例は、完全に死滅させたまたは減弱された生物、これらの生物の細画分、タンパク質、またはこれらの最も単純な形態のペプチドである。また、抗原は、グリコシル化されたタンパク質またはペプチドの形態で免疫系によって認識されうるものであり、およびまた、多糖または脂質であってもよく、または含んでいてもよい。細胞傷害性T細胞(CTL)は、主要な組織適合性複合体(MHC)に結合した、短い、通常8〜11アミノ酸長のペプチドの形態の抗原を認識するため、短いペプチドが使用されうる。B細胞は、4〜5アミノ酸と同程度短い直鎖状エピトープ、並びに三次元構造(高次構造的なエピトープ)を認識することができる。
【0194】
加えて、第3の局面の医薬組成物は、好ましい態様において、抗原、断片およびWO 2008/031133に記載されたような変種などの、ボレリアタンパク質または活性断片またはその変種に対する、高度免疫血清反応性抗原を含む。
【0195】
本発明に従って、第3の局面に従う医薬組成物は、ボレリアによって生じる、ボレリアと関連性がある、またはボレリアに関連した特に疾患または病気の状態に特に関連する医薬として、特にワクチンとして使用することができる。
【0196】
本発明の医薬組成物は、ボレリア、より好ましくは任意の病原性のボレリア種によって生じる、関連性がある、または関連した疾患または病気の状態に特に関連する医薬として、特にワクチンとして、さらに好ましくは、ボレリア感染症、特にB.ブルグドルフェリs.s.、B.ガリニ、B.アフゼリ、B.アンデルソニ、B.ババリエンシス、B.ビセッティ、B.バライシアナ、B.ルシタニエ、B.スピエルマニ、B.ジャポニカ、B.タヌキイ、B.ツルジまたはB.シニカ感染症、好ましくはB.ブルグドルフェリs.s. 、B.アフゼリまたはB.ガリニ感染症を治療または予防するための方法において使用することができる。
【0197】
それに関連して、B.ブルグドルフェリs.l.を含む種々のボレリア種が、本明細書において開示したものを含むいくつかの種および株を含むことに留意すべきである。本発明に従って予防および/または治療されるべき細菌感染症と関連性がある、該細菌感染症を生じさせる、または細菌感染症に関連した疾患は、ライムボレリア症(ライム病)を含む。ライムボレリア症、並びに諸言の部分に含む本明細書においてまた開示されたような疾患に罹患している患者の特定の群のさらなる局面、症候、段階およびサブグループは、参照により本明細書に組み入れられる。より具体的には、一般に、ライムボレリア症は、それぞれの段階で異なる臨床的徴候を有する、緩解および悪化を伴った段階において生じる。初期の感染ステージ1は、皮膚の限局性感染から成り、数日あるいは数週間以内にステージ2の播種性感染が続き、数ヶ月から数年後にステージ3の持続的な感染が続く。しかし、感染は不定である;数人の患者は、皮膚の限局性感染のみを有し、その一方で、他の患者は、関節炎などの、疾病の後期の徴候だけを示す。
【0198】
第4の局面において、本発明は、第3の局面に従う医薬組成物の治療的有効量を対象に投与する工程を含む、必要のある対象においてボレリア感染症を治療または予防する方法に関する。
【0199】
用語「対象」は、本発明に従った治療または方法を提供する動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくは、ヒトを記述するために、本明細書の全体にわたって使用される。ヒト患者などの特定の動物に対して特異的であるこれらの感染症、状態または疾患状態の治療について、患者との用語は、その特定の動物をいう。好ましくは、対象は、ヒトである;しかし、また、組成物の医学的使用は、ニワトリ、シチメンチョウ、カモまたはガチョウなどの家禽、ウマ、ウシまたはヒツジなどの家畜、またはイヌまたはネコなどのコンパニオンアニマルを含む動物を含み得る。
【0200】
用語「有効量」は、本医薬組成物の量を記述するために、明細書の全体にわたって使用され、本発明の方法において使用されるとき、意図された結果を誘導するために使用され得る。多数の本発明の局面において、有効量との用語は、治療または予防と併せて使用される。その他の局面において、単に、有効量との用語は、ボレリア感染症の治療または予防が求められる本発明の方法におけるものを含む、有益な、または有用であると見られる結果をもたらす薬剤の量をいう。
【0201】
現在記述された化合物および組成物についての有効量との用語は、ボレリア感染症を軽減または抑制するために、ボレリア関連疾患に罹患している、特にヒト患者を含む哺乳動物患者に投与される本発明の化合物の量を記述するために、本明細書の全体にわたって使用される。
【0202】
好ましい態様において、第4の局面に従って対象を免疫する方法は、対象に本発明の第3の局面の医薬組成物の治療的有効量を投与する工程を含む。
【0203】
本方法は、前記個体を疾患から防御するために、その疾患が個体の中ですでに確立されているか否かに関わらず、遺伝子療法を介して、またはそうでなければ抗体または細胞性T細胞反応、サイトカイン産生T細胞または細胞障害性T細胞のいずれかを産生するための免疫学的応答を刺激するように本発明に従ったポリペプチドまたは核酸をインビボで投与することによって、個体における免疫学的応答を誘導することを含む。
【0204】
本発明の産物、特にポリペプチドおよび核酸は、好ましくは、単離された形態で提供され、および均一に精製してもよい。本明細書に使用された用語「単離された」は、その天然状態から「人の手によって」分離されたことを意味する;すなわち、天然において存在する場合、それは本来の環境から変えられた、または取り出された、またはその両方である。たとえば、その天然状態において生存する生物において天然に存在する核酸分子またはポリペプチドは、「単離され」ておらず、しかし、その天然状態の共存する材料から分離された同じ核酸分子またはポリペプチドは、本用語が本明細書において使用されるように、「単離され」ている。単離の一部として、またはその後、このような核酸分子は、変異誘発のため、融合遺伝子を形成するため、およびたとえば、宿主における増殖または発現のために、DNA分子などのその他の核酸分子に連結することができる。単独の、またはベクターなどのその他の核酸分子に連結された、単離された核酸分子は、培養においてまたは生物全体において、宿主細胞に導入することができる。培養におけるまたは生物全体において宿主細胞に導入されても、このようなDNA分子は、これらが天然に存在する形態または環境ではないため、本用語が本明細書において使用されるように、なおも単離されている。同様に、核酸分子およびポリペプチドは、組成物中、たとえば培地製剤中、核酸分子またはポリペプチドのたとえば細胞への導入のための溶液中、化学反応または酵素反応のための組成物または溶液中、たとえば天然に存在する組成物ではないものの中に存在していてもよく、その点で、本明細書において使用されているようにその用語の意味の範囲内で、単離された核酸分子またはポリペプチドのままである。
【0205】
本発明は本明細書において記述した特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されず、これは変化してもよい。さらにまた、本明細書に使用される用語法は、詳細な態様のみを記述する目的のためにあり、および本発明の範囲を限定することを意図しない。本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、状況を別途明確に指示していない限り、複数の言及を含む。同様に、語「含む」、「含む」、および「包含する」は、排他的よりもむしろ、包括的な解釈である。
【0206】
別途定義されていない限り、本明細書に使用される全ての専門的用語、科学用語および任意の頭字語は、本発明の技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記述したものに対する任意の方法および類似のまたは等価の材料を本発明の実施に際して使用することができるが、好ましい方法および材料を本明細書において記述した。
【0207】
さらに、本発明は、以下の図、表、実施例および配列表によって図示され、これらからさらなる特徴、態様および利点を取ってもよい。したがって、考察した具体的改変は、本発明の範囲の限定として解釈するべきではない。種々の等価物、変化および改変を本発明の範囲から逸脱せずに行ってもよいことは、当業者にとって明らかであり、したがって、このような等価物態様が本明細書に含まれるべきことは理解されるであろう。
【0208】
本発明に関連して、以下を示す。
【0209】
図1は、ボレリア由来OspA血清型1〜6アミノ酸配列の比較を示す。
【0210】
図2は、本発明に従う変異型OspA断片ヘテロ二量体の産生を模式的に示す。
【0211】
図3は、「混合ワクチン」である、3つの異なる変異型OspAヘテロ二量体を含む本発明の1つの可能な医薬組成物のポリペプチド成分を模式的に示す。
【0212】
図4は、本発明の脂質化ポリペプチドのN末端にて見いだされるような脂肪酸置換システインの例であるPam3Cysの化学構造を示す。
【0213】
図5は、本発明の変異型OspA断片ヘテロ二量体ポリペプチドで免疫されたマウス由来の抗体の、OspA血清型1〜6のボレリアの細胞表面への結合を示す。
【0214】
表1は、ジスルフィド結合を有しない(D0)野生型血清型2 OspA断片と比較して、D1からD5(命名法については、表A-4を参照されたい)のジスルフィド結合型を有する変異型血清型2 OspA断片の折り畳みの熱安定性を示す。
【0215】
表2は、PBS、全長OspAまたは野生型血清型2 OspA断片(S2D0-His)で免疫されたマウスの対照群を含む、ジスルフィド結合型D1からD5(命名法については、表A-4を参照されたい)を有する変異型血清型2 OspA断片での免疫化後のマダニ曝露法によるB.アフゼリ(株IS1)感染からのマウスの防御を示す。
【0216】
表3は、PBSまたは全長OspAタンパク質で免疫されたマウスの対照群を含む、ジスルフィド結合型D1、D3およびD4を有する脂質化変異型血清型2 OspA断片(Lip-S2D1-His、Lip-S2D3-HisおよびLip-S2D4-His)での免疫化後のダニ曝露法によるB.アフゼリ(株IS1)感染からのマウスの防御を示す。
【0217】
表4は、インビボでのボレリア曝露モデルにおける本発明の変異型OspAヘテロ二量体の防御能力を示す。マウスを、示したようにLip-S1D1-S2D1-His、Lip-S4D1-S3D1-His、Lip-S4D1-S3D1またはLip-S5D1-S6D1-Hisで免疫し、かつマダニまたは針曝露法を介して、示されたボレリアOspA血清型に曝露した。それぞれの実験における対照群をAl(OH)3アジュバント単独で免疫した。
【0218】
表5は、OspA血清型1ボレリア(針曝露法における株N40)およびOspA血清型2ボレリア(マダニ曝露法における株IS1)でのインビボでの曝露に対する本発明の混合ワクチンの防御能力を示す。マウスを、示したように3つの抗原Lip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1およびLip-S5D1-S6D1と共に1:1:1の比で(混合ワクチン)または示された対照抗原で免疫し、かつマダニまたは針曝露法を介してボレリアに曝露した。それぞれの実験における対照群をAl(OH)3アジュバント単独で免疫した。
【0219】
本明細書において参照され得る図および表を、さらに詳細に下で記述している。
【図面の簡単な説明】
【0220】
図1】OspA血清型1〜6のアミノ酸配列の配列比較。配列比較は、タンパク質の膜関連N末端部分が、より曝露されるC末端部分よりも高度に保存されたアミノ酸配列を有することを図示する。配列比較は、以下のOspAポリペプチドの表示のアミノ酸(17〜273または17〜274)を示している:血清型3(ST3)OspA(配列番号:21)、ST1 OspA(配列番号:20)、ST4 OspA(配列番号:22)、ST5 OspA(配列番号:23)、ST6 OspA(配列番号:24)、およびST2 OspA(配列番号:19)。(OspAのN末端の16アミノ酸は、プロセシングの間に切断される脂質付加シグナルであり、したがって、完全にプロセシングされたOspAタンパク質には存在しない。)
図2】ボレリア種の2つの異なるOspA血清型由来の変異型OspA C末端断片を含む、本発明の変異型OspAヘテロ二量体の産生。(A)脂質化変異型OspAヘテロ二量体をコードする核酸の略図。成分は、5'から3'へと、脂質付加シグナル配列(Lipシグナル)、N末端脂質付加のための小さなシステイン含有ペプチド(脂質付加ペプチド= LP)、2つの非天然システインを有するOspAの変異型C末端断片、短いリンカーペプチド(LN1)を含み、2つの非天然のシステインを有する第2の変異型OspA C末端断片のためのコード配列が続く。(B)中間の変異型OspAヘテロ二量体ポリペプチドは、核酸構築物の翻訳直後の新生産物を含む。NからC末端へと、このポリペプチドは、脂質付加シグナル配列(Lipシグナル)、脂質付加のためのシステイン含有ペプチド(LP)、非天然ジスルフィド結合を有する変異型OspA断片、短いリンカーペプチド(LN1)からなり、非天然ジスルフィド結合を有する第2の変異型OspA断片が続く。(C)翻訳後修飾の後の最終的な脂質化変異型OspAヘテロ二量体ポリペプチド。ヘテロ二量体は、NからC末端へと、脂質化N末端システイン(「Lip」によって示された)を有する短いシステイン含有ペプチド、ジスルフィド結合によって安定化された変異型OspA断片、リンカーペプチド(LN1)、およびジスルフィド結合によって安定化された第2の変異型OspA断片からなる。脂質付加シグナル配列は、示したようにポリペプチドの翻訳後修飾の間に、切断される。
図3】本発明に従った好ましい医薬組成物の例。2つの異なるボレリアOspA血清型由来の変異型OspA断片をそれぞれ含む3つの変異型OspAヘテロ二量体が、組成物において存在し、6つの異なるボレリアOspA血清型由来のOspA抗原を共に提供する。このような医薬組成物は、6つのボレリア血清型に対して同時の免疫化を可能にする。
図4】全長野生型OspAタンパク質並びに本発明の脂質化変異型OspA断片単量体およびヘテロ二量体のN末端システインの脂肪酸置換の例であるPam3Cysの化学構造の図解。本発明の全長OspAタンパク質またはポリペプチドの翻訳後修飾の間に、N末端脂質付加シグナル配列は切断され、かつ脂肪酸、最も一般的には3つのパルミトイル部分(「Pam3」)が酵素的にN末端システイン残基(硫黄原子「S」を矢印によって示す)に共有結合される。ポリペプチド鎖の残りの残基は、Pam3Cys残基からみてC末端側に位置し、「Xn」によって表される。(Bouchon, et al. (1997) Analytical Biochemistry 246: 52-61から変更。)
図5】免疫されたマウス由来の抗体の、ボレリアスピロヘータの細胞表面への結合。マウスを、示された抗原それぞれ1μgで3回、2週間の間隔にて、免疫した:OspA血清型1〜6の脂質化されたおよびHisタグ付き全長OspAタンパク質;Lip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1、またはLip-S5D1-S6D1単独で、もしくはLip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1およびLip-S5D1-S6D1を共に1:1:1の比において(「混合ワクチン」)。最後の投与から1週間後に血清を収集した。血清のいくつかの希釈物を、ボレリアの細胞表面への結合について、細胞染色およびフローサイトメトリーにより試験した。非特異的結合を考慮するために、Al(OH)3アジュバント単独で免疫された対照マウスから収集された血清で染色したときに観察された蛍光強度値を減算した。(使用したボレリアは、B.ブルグドルフェリ、OspA血清型1、株N40;B.アフゼリ、OspA血清型2、株「C」;B.ガリニ、OspA血清型3、株「D」;B.ババリエンシス、OspA血清型4、株Fin;B.ガリニ、OspA血清型5、株「E」;B.ガリニ、OspA血清型6、株「B」であった。)
【0221】
(表1)ジスルフィド結合の異なる配置を有するHisタグ付き非脂質化B.アフゼリK78変異型血清型2 OspA断片の熱安定性。異なるシステイン結合型(表A-4を参照されたい)を有する変異型血清型2 OspA断片を、50mM Tris-HCl、150mM NaCl(pH 8.0)中で可溶化し、かつ野生型血清型2 OspA断片(S2D0)と比較して、熱安定性について試験した。ジスルフィド結合の存在は、野生型血清型2 OspA断片と比較して、融解温度を増加させた。
[この文献は図面を表示できません]
*命名法については表A-4およびA-5を参照されたい。
【0222】
(表2)マダニ曝露法によるB.アフゼリ(血清型2)感染に対するHisタグ付き非脂質化変異型血清型2 OspA断片の減少用量での防御能力。5つのHisタグ付き非脂質化変異型血清型2 OspA断片を、2つの異なる用量(30 μgおよび5μg)にて防御能力について試験し、かつ野生型血清型2 OspA断片と比較した。それぞれ、Al(OH)3アジュバント単独でまたは非脂質化全長血清型2 OspA断片で免疫されたマウス群は、陰性対照および陽性対照として役割を果たした。全ての抗原は、Hisタグが付けられ、かつ脂質化されていなかった。提示したデータは、同じ条件下で行われたいくつかの実験の結果を合わせている。
[この文献は図面を表示できません]
【0223】
(表3)マダニ曝露法によるB.アフゼリ感染に対するHisタグ付き脂質化変異型血清型2 OspA断片の減少用量での防御能力。異なるジスルフィド結合型を有する3つのHisタグ付き脂質化変異型血清型2 OspA断片を、3つの異なる用量(3.0 μg、1.0 μgおよび0.3 μg)にて、防御能力について試験した。Al(OH)3アジュバント単独または非脂質化全長血清型2 OspAで免疫されたマウス群は、それぞれ、陰性対照および陽性対照として役割を果たした。提示したデータは、同じ条件下で行われたいくつかの実験の結果を合わせている。
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
(表4)針またはマダニ曝露法によるインビボでのボレリア曝露に対する本発明の変異型OspAヘテロ二量体の防御能力。マウス群を、3回、2週間の間隔にて、示された用量のOspAヘテロ二量体またはAl(OH)3 アジュバント単独で免疫した。使用した免疫原は、Lip-S1D1-S2D1-His(ボレリアOspA-ST1に曝露した、実験1〜3)、Lip-S1D1-S2D1-His、Lip-S4D1-S3D1-HisおよびLip-S5D1-S6D1-His、別々に(ボレリアOspA-ST2に曝露した、実験4〜6)、Lip-S4D1-S3D1(ボレリアOspA-ST4に曝露した、実験7および8)およびLip-S5D1-S6D1-His(ボレリアOspA-ST5に曝露した、実験9および10;ボレリアOspA-ST6に曝露した、実験11および12)であった。免疫されたマウスを、最後の免疫化の2週間後に、示したようにマダニまたは針曝露モデルを介して曝露した。
[この文献は図面を表示できません]
p値;フィッシャー直接確率法、両側。*有意(<0.05)、**非常に有意(<0.01)、
***極めて有意(<0.001)。
【0225】
(表5)OspA血清型1および血清型2ボレリア曝露に対する本発明の変異型OspAヘテロ二量体混合ワクチンの防御能力。マウス群を3回、2週間の間隔にて、示した用量の免疫原またはAl(OH)3単独で免疫した。使用した免疫原は、変異型OspAヘテロ二量体Lip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1およびLip-S5D1-S6D1の1:1:1の組み合わせ(混合ワクチン)、Lip-S1D1-S2D1、Lip-OspA1-HisおよびキメラOspA ST1/ST2であった。免疫されたマウスを、最後の免疫化の2週間後に、マダニ曝露法(ST2、実験13および14)または針曝露法(ST1、実験15および16)を介して曝露した。
[この文献は図面を表示できません]
p値;フィッシャー直接確率法、両側。*有意(<0.05)、**非常に有意(<0.01)、
***極めて有意(<0.001)。
【実施例】
【0226】
実施例1. 変異型血清型2 OspA断片の熱安定性の評価
実験手順
熱安定性
非脂質化変異型血清型2 OspA断片単量体の融解温度(Tm)をPantoliano, et al. (J. Biomol Screen 6:429-440 (2001))によって記述された蛍光に基づいた熱シフトアッセイによって決定した。蛍光色素SYPRO(登録商標)オレンジタンパク質ゲル染色(Sigma, U.S.A.によるDMSOにおける5000×濃縮物として供給された)を、タンパク質変性をモニターするために使用した。それぞれのウェルにおいて、SYPRO(登録商標)オレンジ7.5μL(保存液から1:1000に希釈した)および緩衝液中のタンパク質(1μgまたは2 μg)溶液17.5μLを合わせた。タンパク質試料をCFX96リアルタイム検出システム(Bio-Rad、USA)において、0.2℃/10秒の速度で25℃〜95℃まで加熱し、かつ蛍光変化をモニターした。それぞれ、蛍光強度を490および575nmの励起および発光波長で測定した。Tm をBio-Rad CFXマネージャー2.0プログラムを使用して決定した。Hisタグ付き非脂質化血清型2 OspA変異型断片のTm値を4つの異なる緩衝液システムにおいて測定した:50mM Tris-HCl、150mM NaCl(pH 9.0);50mM Tris-HCl、150mM NaCl(pH 8.0);PBS(pH 7.4);および25mM HEPES、150mM NaCl(pH 6.5)、対照として非脂質化血清型2 OspA野生型断片(S2D0)を使用した。
【0227】
結果
全ての場合において、導入されたシステイン結合を有する変異型血清型2 OspA断片は、野生型血清型2 OspA断片(S2D0)より高いTmを有した(表1を参照されたい)。Tmを、類似の結果を伴う4つの異なる緩衝液システムにおいて試験した(50mM Tris-HCl、150mM NaCl(pH 8.0)において溶解されたタンパク質についてのデータを表1に示す)が、タンパク質の安定性は、広いpH範囲にわたって類似であることを示す。この結果は、導入されたジスルフィド結合が、OspA断片を安定させるという仮説に信用を与える。
【0228】
実施例2. マダニ曝露法におけるHisタグ付き非脂質化変異型血清型2 OspA断片単量体の防御能力の評価(ST2、B.アフゼリ)
実験手順
組換えタンパク質のクローニングおよび発現
野生型血清型2 OspA断片並びにシステイン結合型1〜5を有する変異型血清型2 OspA断片(それぞれ、配列番号:1、2、3、4、5および6)をGenScript, USAによる大腸菌発現のためにコドン最適化した。非脂質化変異型血清型2 OspA断片を精製目的のためにC末端にHisタグ付けした。遺伝子断片を、pET28b(+)ベクター(Novagen、USA)中にクローン化し、ベクターは、カナマイシン耐性カセット並びにT7プロモーターを含んだ。単量体は、IPTGの添加によって37℃にてBL21 Star(商標)(DE3)細胞(Invitrogen、USA)において発現させた。4時間後、細胞を遠心分離によって収集し、かつペレットをさらなる処理の前に-70℃で最大12ヶ月間貯蔵した。
【0229】
Hisタグ付き非脂質化野生型および変異型OspA断片単量体タンパク質の精製
細胞を高圧ホモジナイゼーションによって機械的に破壊し、かつHisタグ付きOspA断片を含む可溶性画分をNi-セファロースカラム(Ni Sepharose(商標)6 Fast Flow; GE Healthcare, United Kingdom)に添加し、かつHisタグ付きOspA断片を、イミダゾール勾配(0〜250mM)上で溶出した。プールした画分をゲル濾過カラム(Superdex 200, GE Healthcare)に続いて緩衝液交換カラム(Sephadex G-25, GE Healthcare)でさらに精製した。Hisタグ付きOspA断片ピークを分析用サイズ排除カラムおよび逆相クロマトグラフィーに基づいてプールした。濾過滅菌後、精製したタンパク質を、製剤化するまで-20℃にて貯蔵した。
【0230】
マウスの免疫化
雌C3H/HeN (H-2k) マウスを全ての研究について使用した(Harlan、Italy)。それぞれの曝露の前に、8週齢のマウス5匹の群は尾静脈を介して採血し、免疫前血清を調製しかつプールした。5つの非脂質化変異型血清型2 OspA断片タンパク質(S2D1〜5、それぞれ、配列番号:2、3、4、5および6)を15件の別々の実験において試験した。3回の100μLの皮下(s.c.)免疫化を2週間の間隔にて施した。使用した用量は、それぞれのタンパク質30および5μgであり、それぞれ11件および4件の実験において試験した。全ての製剤は、0.15%の終濃度にて水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を含んだ。第3の免疫化の1週間後に、血液を収集し、かつ高度免疫血清を調製した。それぞれの実験において、Al(OH)3とともに製剤化されたPBSを注射された1つの群を陰性対照として含み、かつマウスの1つの群をS2D0、B.アフゼリ株K78からの野生型C末端OspA断片(配列番号:1)で免疫した。また、0.15% Al(OH)3とともに製剤化されたB.アフゼリ株K78からの非脂質化全長野生型OspAタンパク質(配列番号:209)で免疫した別の群を、それぞれの動物試験において陽性対照として含んだ。全ての動物実験は、オーストリアの法律(BGB1 Nr. 501/1989)に従って行われ、および「Magistratsabteilung 58」によって承認された。
【0231】
免疫されたマウスのマダニ曝露および血清および組織の収集(また、本明細書において「マダニ曝露法」と称される)
免疫されたマウスのマダニ曝露を、最後の免疫化の2週間後に行った。B.アフゼリで免疫されたマウスを曝露するために、それぞれのマウスの背中の毛を、Veet(登録商標)クリーム(Reckitt Benckiser、United Kingdom)で取り除き、かつ通気のある小さな容器を、スーパーグルー(Pattex、Germany)で皮膚に接着した。その後、マウス1匹につき、B.アフゼリ株IS1に感染した1匹または2匹のI.リシヌス若虫を適用し、それらが付着できるように、および放血を摂食することができるようにした。摂食状態は、それぞれの個々のマダニについて毎日モニターし、少なくとも1匹の十分に摂食を行ったマダニが収集されたマウスのみを、最終的な読み出しに含んだ。1匹または2匹の十分に摂食を行ったマダニが収集されたマウスの間に差異はなかった。
【0232】
マダニ処理の6週間後に、血液を眼窩出血によって収集し、かつ最終血清を調製して、感染状態を決定するためにVlsE ELISA解析のために使用した。次いで、マウスを頚椎脱臼によって屠殺し、かつそれぞれのマウスから1つの耳を収集し、DNAを抽出し、かつ組織中のボレリアを同定するためにネステッドPCR解析に供した。
【0233】
感染読み出し
適用されたマダニを十分に給餌しかつ収集することができたマウスのみを、実験の最終的な読み出しに含んだ。マウスをマダニ処理の6週間後に屠殺し、器官、並びに最終血清を収集した。最終的な感染読み出しは、2つの異なる解析(下の詳細に記載されたように16S-23Sの遺伝子間スペーサーを標的とするネステッドPCRおよびVlsE(IR6)ELISA)に基づいた。
【0234】
16S-23Sの遺伝子間スペーサーを標的とするネステッドPCR
それぞれのマウスからの1つの耳を、以下の変更とともに製造業者の説明書に従って、DNeasy Blood and Tissue Kit(Qiagen、Germany)を使用して、DNA抽出および精製に供した。それぞれの耳を組換えプロテイナーゼK、PCR等級(Roche、14〜22mg/mL)中で、60℃にて一晩消化した。DNAを50μL脱イオン滅菌水中で溶出し、さらなる解析まで-20℃にて貯蔵した。陰性対照として、1つの空の精製カラムをそれぞれのDNA抽出および精製において含み、かつ溶出液をネステッドPCRに供した。以下のプライマーを使用して、30秒間94℃、30秒間56℃および60秒間72℃の40サイクルを含むネステッドPCR手順によって、ボレリアDNAの存在について、全てのDNA抽出物をスクリーニングした;フォワード
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およびリバース
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。10μLの反応容積から1μLをネステッドPCR反応のためのテンプレートとして使用した。ネステッドPCR工程は、以下のプライマーを使用して、30秒間94℃、30秒間60℃および60秒間72℃の25サイクルを含んだ;フォワードネステッド
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およびリバースネステッド
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。最終反応容積のうち、5μLを、臭化エチジウムを含む1%アガロースゲル上で分離し、かつバンドを、UV光において視覚化した。
【0235】
それぞれのPCR解析において、B.アフゼリ株K78のインビトロ増殖培養物から精製されたDNAを陽性対照テンプレートとして使用した。加えて、PBSを陰性対照として、抽出されたDNAの代わりに使用した。5マイクロリットルの最終生成物を、臭化エチジウムを含む1%アガロースゲル上で分離し、かつバンドを、UV光において視覚化した。
【0236】
可変性主要タンパク質様配列Eタンパク質(VlsE)の不変領域6(IR6)のELISA
B.ガリニ株IP90の配列に由来するビオチン化された25merのペプチド
[この文献は図面を表示できません]
を解析に使用した(Liang FT, et al. (1999) J Immunol. 163:5566-73)。ストレプトアビジンプレコーティングされた96ウェルELISAプレート(Nunc、Denmark)を、0.1%Tween 20(PBS/0.1T)を補ったPBS中のビオチン化されたペプチド100μL/ウェル(1μg/mL)でコーティングした。プレートを4℃にて一晩インキュベートした。ペプチドでコーティングした後、プレートをPBS/0.1Tで一度洗浄した。次いで、プレートを再びPBS/0.1Tで洗浄する前にPBS + 2%BSA 100μL/ウェルで室温(RT)にて1時間ブロックした。ペプチドに対する曝露後血清の反応性をPBS + 1%BSA中の1:200、1:400および1:800の希釈にて試験した。プレートを、PBS/0.1Tで3回洗浄する前に、RTにて90分間、インキュベートした。次いで、それぞれのウェルには、PBS + 1%BSA中の1.3μg/mL のHRP(Dako、Denmark)結合ポリクローナルウサギ抗マウスIgG 50μLを入れた。次いで、プレートをRTにて1時間インキュベートした。PBS/0.1Tで3回洗浄後、ABTS(50 μL/ウェル)を基質(Sigma-Aldrich、USA)として添加し、かつ30分間発色させた。吸光度を405nmにて測定した。全ての血清を2つ組で試験した;陰性対照は、血清の代わりにPBSを含みかつペプチドでコーティングされていないプレートを含んだ。B.アフゼリ感染培養陽性であることを示したマウスからの血清を陽性対照として使用した。
【0237】
結果
マダニ曝露法における防御のレベル
高レベルの防御を、試験した用量の両方にて(30μgおよび5μg、表2を参照されたい)、全ての5つの安定化OspA B.アフゼリ断片について観察した。PBS対照群における高い感染率は、マダニが高頻度で感染したことを示す。加えて、陽性対照、B.アフゼリ株K78からの非脂質化全長OspAは防御性が高かった。共に、これらの対照群は、実験的な読み出しの高い信頼性を示す。
【0238】
30μg用量(11の全実験)および5μg用量(4の全実験)を試験する実験からの防御結果を、表2に要約する。感染を検証するために使用された2つの方法、すなわちVlsE ELISAおよびネステッドPCRは、実質的に同一の結果(データは示さず)を示し、マダニ曝露法における感染を評価するためのこれらの読み出し方法の頑強性を証明した。
【0239】
実施例3. マダニ曝露法(ST2、B.アフゼリ)を介したインビボでのボレリア曝露に対するHisタグ付き脂質化変異型血清型2 OspA断片単量体の防御能力の評価
実験手順
Hisタグ付き脂質化変異型OspA断片タンパク質のクローニングおよび発現
システイン結合型1、3および4を有する血清型2変異型OspA断片(それぞれ、配列番号:141、143および144)を、脂質付加のためのN末端システインを提供するためのCKQNペプチド(配列番号:211)が直接C末端に続くOspAに由来する脂質付加シグナル配列(配列番号:14)の付加によって修飾した。全ての変異型OspA断片は、精製目的のためにC末端にヒスチジンタグを付けた。遺伝子断片を、pET28b(+)ベクター(Novagen)中にクローン化し、ベクターは、カナマイシン耐性カセット並びにT7プロモーターを含んだ。脂質化単量体を、BL21 Star(商標)(DE3)細胞(Invitrogen)において発現させ、およびIPTGによる誘導後、タンパク質の効率的な翻訳後プロセシングを促進するために細胞の増殖温度を37℃から25℃まで低下させた。4時間後、細胞を遠心分離により収集し、かつペレットをさらなる処理の前に最大12ヶ月間-70℃にて貯蔵した。
【0240】
Hisタグ付き脂質化野生型および変異型OspA断片単量体タンパク質の精製
細胞を高圧ホモジナイゼーションによって機械的に破壊し、かつHisタグ付き脂質化OspA断片単量体ポリペプチドを、界面活性剤としてTriton X-114を使用して相分離によって脂質相中に濃縮した。その後、希釈した界面活性剤相(20〜30倍)をNi-セファロースカラム(Ni Sepharose(商標)6 Fast Flow; GE Healthcare)に添加し、かつHisタグ付き脂質化OspA断片をイミダゾール勾配(0〜250mM)溶出によって溶出した。さらに、プールした画分をゲル濾過カラム(Superdex 200, GE Healthcare)に続いて緩衝液交換カラム(Sephadex G-25, GE Healthcare)で精製した。Hisタグ付き脂質化OspA断片ピークを分析用サイズ排除カラムおよび逆相クロマトグラフィーに基づいてプールした。濾過滅菌後、精製されたタンパク質を、製剤化するまで-20℃にて貯蔵した。
【0241】
マウスの免疫化
3つの脂質化変異型OspAタンパク質(Lip-S2D1-His、Lip-S2D3-HisおよびLip-S2D4-His)を上記のとおりに発現させ、かつ精製した。インビボでの防御研究を、それぞれ陰性対照および陽性対照としてAl(OH)3アジュバント単独および非脂質化全長血清型2 OspAを使用して実施例2に記載したように行った。全ての免疫原を0.15% Al(OH)3とともに製剤化した。マウスを、3.0 μg、1.0 μgまたは0.3 μgの抗原を含む製剤で2週間の間隔にて3回皮下に注射し、かつ最後の免疫化の2週間後に、B.アフゼリ感染マダニ(株IS1)に曝露した。マウスを、マダニ曝露の6週間後に屠殺し、かつ感染を評価した。
【0242】
結果
マダニ曝露法における防御のレベル
3つ全ての脂質化変異型OspA断片は、試験された最少用量でさえ、B.アフゼリ曝露からの非常に高いレベルの防御を示した(表3)。Al(OH)3アジュバント単独で免疫されたマウスにおける感染割合は高く、マダニが高頻度に感染したことを示す。また、陽性対照抗原、B.アフゼリ株K78からの全長非脂質化OspAは、防御性が高かった。共に、これらの対照群は、感染の方法の高い信頼性を示し、したがって、脂質化変異型OspA断片での免疫化後に観察された結果に高い確実性を与える。
【0243】
実施例4. 針またはマダニ曝露法を介したインビボでのボレリア曝露に対する本発明の変異型OspAヘテロ二量体の防御能力の評価
実験手順
Hisタグ付き脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体のクローニングおよび発現
B.ブルグドルフェリs.s.株B31、B.アフゼリ株K78、B.ガリニ株PBr、B.ババリエンシス株PBi、B.ガリニ株PHEiおよびB.ガリニ株DK29からの変異型OspA断片単量体を、GenScript, USAによる大腸菌発現のためにコドン最適化した。B.ブルグドルフェリs.s.株B31からのOspAのhLFA-1様エピトープ(aa164〜174、配列番号:17)を、B.アフゼリ株K78からの非hLFA-1様配列
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号:18)によって置換した。変異型OspA断片ヘテロ二量体に付加された脂質付加シグナル配列は、大腸菌の主要外膜リポタンパク質であるLppに由来し、かつN末端システインを脂質付加に提供するためのCSSペプチドがそのC末端に直接続いた。変異型OspA断片ヘテロ二量体は、B.ブルグドルフェリs.s.株B31由来のOspAのN末端半分の2つの別々のループ領域から生じる21アミノ酸リンカー配列(「LN1」;aa65〜74およびD53Sのアミノ酸置換を有するaa42〜53、配列番号:184)を介して上記のとおりに異なる変異型OspA断片単量体を融合することによって生成した。ヘテロ二量体を精製目的のためにHisタグで構築した。遺伝子断片をpET28b(+)ベクター(Novagen)中にクローン化し、ベクターは、カナマイシン耐性カセット並びにT7プロモーターを含んだ。安定化ヘテロ二量体のリポタンパク質をBL21 Star(商標)(DE3)細胞(Invitrogen)において発現させ、IPTGによる誘導後、タンパク質の効率的な翻訳後プロセシングを促進するために細胞の増殖温度を37℃から25℃まで低下させた。4時間後、細胞を遠心分離により収集し、かつペレットを、さらなる処理の前に最大12ヶ月間-70℃にて貯蔵した。
【0244】
Hisタグ付き脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体の精製
細胞を高圧ホモジナイゼーションによって機械的に破壊し、Hisタグ付き脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体を、界面活性剤としてTriton X-114を使用して、相分離によって脂質相中に濃縮した。その後、希釈した界面活性剤相(20〜30倍)を、Ni-セファロースカラム(Ni Sepharose(商標)6 Fast Flow; GE Healthcare)に添加し、かつHisタグ付き脂質化OspAヘテロ二量体をイミダゾール勾配(0〜250mM)溶出によって溶出した。さらに、プールした画分をゲル濾過カラム(Superdex 200, GE Healthcare)に続いて緩衝液交換カラム(Sephadex G-25, GE Healthcare)で精製した。Hisタグ付き脂質化変異型OspAヘテロ二量体ピークを分析用サイズ排除カラムおよび逆相クロマトグラフィーに基づいてプールした。濾過滅菌後、精製されたヘテロ二量体を、製剤化するまで-20℃にて貯蔵した。
【0245】
Hisタグ付きでない脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体のクローニングおよび発現
上記のように作製された構築物を、PCR増幅による終止コドンの導入によるHisタグのない構築物の生成のために使用した。遺伝子断片をpET28b(+)ベクター(Merck Millipore)中にクローン化し、ベクターは、カナマイシン耐性カセット並びにT7プロモーターを含んだ。安定化ヘテロ二量体のリポタンパク質は、BL21 Star(商標)(DE3)細胞(Invitrogen)において発現させ、IPTGによる誘導後、タンパク質の効率的な翻訳後プロセシングを促進するために細胞の増殖温度を37℃から25℃まで低下させた。4時間後、細胞を遠心分離により収集し、かつペレットを、さらなる処理の前に最大12ヶ月間-70℃にて貯蔵した。
【0246】
Hisタグ付きでない脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体の精製
細胞を高圧ホモジナイゼーションによって機械的に破壊し、脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体を、界面活性剤としてTriton X-114を使用して相分離によって脂質相中に濃縮した。その後、希釈した界面活性剤相を、非結合様式で作動される陰イオン交換クロマトグラフィーに供した。生じた通過画分をヒドロキシアパタイトカラム(Bio-Rad)に添加し、脂質化タンパク質を直線的な塩勾配によってカラムから溶出した。溶出液を、緩衝液交換のために、非結合様式においてDEAE-セファロースカラム(GE Healthcare)に続いてゲル濾過カラム(Superdex 200, GE Healthcare)でのさらなる精製に供した。脂質化変異型OspAヘテロ二量体ピークを分析用サイズ排除カラムおよびSDS-PAGEに基づいてプールした。濾過滅菌後、精製されたヘテロ二量体を、製剤化するまで-20℃にて貯蔵した。
【0247】
マウスの免疫化
雌のC3H/HeNマウス(Janvier、France)を、全ての研究について使用した。それぞれの曝露の前に、8週齢のマウス10匹の群は顔面静脈を介して採血し、免疫前血清を調製しかつプールした。それぞれ100μLの3回の皮下(s.c.)免疫化を、2週間の間隔にて施した。それぞれの用量は、表4(用量)に示された免疫原の量を含み、終濃度0.15%の水酸化アルミニウム(Al(OH)3)とともに製剤化した。第3の免疫化の1週間後に、血液を、顔面静脈から収集し、かつ高度免疫血清を調製した。それぞれの実験において、Al(OH)3単独で免疫された1つの群を陰性対照として含んだ。全ての動物実験は、オーストリアの法律(BGB1 Nr. 501/1989)に従って行われ、および「Magistratsabteilung 58」によって承認された。
【0248】
免疫されたマウスのマダニ曝露および血清および組織の収集(また、本明細書において「マダニ曝露法」と称される)
免疫されたマウスをB.アフゼリに曝露するために、それぞれのマウスの背中の毛を、Veet(登録商標)クリーム(Reckitt Benckiser)で取り除き、かつ通気のある小さな容器を、スーパーグルー(Pattex)で皮膚に接着した。その後、マウス1匹につき、B.アフゼリ株IS1に感染した1匹または2匹のI.リシヌス若虫を適用し、それらが付着できるように、および十分に膨れかつ外れるまで摂食できるようにした。摂食状態をそれぞれの個々のマダニについて毎日モニターし、少なくとも1匹の十分に摂食を行ったマダニが収集されたマウスのみを、最終的な読み出しに含んだ。
【0249】
免疫されたマウスの、インビトロ増殖ボレリアでの針曝露
最後の免疫化の2週間後に、マウスを、ボレリア増殖培地(BSK II)100μL中に希釈したボレリアにs.c.にて曝露した。曝露用量は、株依存的であり、個々の株のビルレンスをID50の決定のための曝露実験によって評価した。針曝露実験に使用された用量は、ID50の20〜50倍の範囲であった。
【0250】
マウスの屠殺および材料の収集
示されたボレリアの種での針曝露の4週間後またはB.アフゼリでのマダニ曝露の6週間後に、マウスを頚椎脱臼によって屠殺した。血液を眼窩出血によって収集し、かつ最終血清を調製して、感染状態を決定するためにVlsE ELISAのために使用した。加えて、それぞれのマウスから1つの耳を収集し、DNAを抽出し、かつボレリアの同定のために定量的PCR(qPCR)に供した。最終感染読み出しは、2つの異なる解析(VlsE ELISAおよびrecAを標的とするqPCR)に基づいた。
【0251】
VlsEの不変領域6(IR6)でのELISA
B.ガリニ株IP90の配列に由来するビオチン化された25merのペプチド
[この文献は図面を表示できません]
を、解析に使用した(Liang FT, Alvarez AL, Gu Y, Nowling JM, Ramamoorthy R, Philipp MT. An immunodominant conserved region within the variable domain of VlsE, the variable surface antigen of Borrelia burgdorferi. J Immunol. 1999;163:5566-73)。ストレプトアビジンプレコーティングされた96ウェルELISAプレート(Nunc)を、0.1% Tween(PBS/0.1T)を補ったPBS中の100μL/ウェル(1μg/mL)のペプチドでコーティングした。プレートを4℃にて一晩インキュベートした。ペプチドでコーティングした後、プレートをPBS/0.1Tで一度洗浄した。次いで、プレートをPBS/0.1Tで再び洗浄する前に、PBS + 2% BSA 100μL/ウェルで室温(RT)にて1時間ブロックした。ペプチドに対する曝露後血清の反応性をPBS + 1%のBSA中の1:200、1:400および1:800の希釈にて試験した。プレートをPBS/0.1Tで3回洗浄する前にRTにて90分間インキュベートした。次いで、それぞれのウェルには、PBS + 1% BSA中の50μLのHRP(Dako)結合ポリクローナルウサギ抗マウスIgG 1.3μg/mLを入れた。次いで、プレートをRTにて1時間インキュベートした。PBS/0.1Tで3回洗浄後、ABTS(50μL/ウェル)を基質(Sigma-Aldrich)として添加し、かつ30分間発色させた。吸光度を、405nmにて測定した。全ての血清を2つ組で試験した。陰性対照は、血清の代わりにPBSを含みかつペプチドでコーティングされていないプレートを含んだ。B.アフゼリ感染培養陽性であることを示したマウスからの血清を陽性対照として使用した。
【0252】
recAを標的とするqPCR
オリゴヌクレオチドプライマーは、ライムボレリア症をもたらす全ての関連したボレリアの種の同定のためのqPCRにおいて使用することができるように、recA遺伝子のために設計した
[この文献は図面を表示できません]
。recA断片は、それぞれの反応において標準的なものとして使用されるようにB.ブルグドルフェリs.s.株N40からpET28b(+)中へクローン化した。マウスの耳から抽出された染色体DNAを、希釈されていないDNAで観察されるマトリックス効果を減少させるために水中に1:8に希釈した。SSoAdvanced(商標) SYBR(登録商標)Green Supermixからなるマスター混合物10 μL、それぞれのプライマー(10μM)0.3μLおよび水7.4μLをそれぞれの実験のために調製した。マスター混合物18μLを、マイクロタイタープレート中で、膀胱または耳のいずれかから抽出された希釈されたDNA 2μLと混合し、かつDNAを、CFX96リアルタイムPCR検出システム(Bio-Rad、USA)を使用して増幅した。DNAを95℃にて3分間変性させ、その後95℃にて15秒間および55℃にて30秒間の50サイクルを続けた。増幅後、DNAを、95℃にて30秒間、続いて55℃にて2分間の変性による融解曲線解析のために調製した。融解曲線解析は、55℃にて5秒間(サイクルごとに0.5℃増大しながら)および95℃にて5秒間のインキュベーションによって行った。それぞれのプレートについて、4つのテンプレートなし対照(NTC)並びに10〜10,000の範囲のテンプレートコピー数の2つ組の標準曲線を含んだ。
【0253】
結果
脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体を、12件の別々の実験において防御能力について試験した。マウスを、それぞれ3件ずつの実験のB.ブルグドルフェリs.s.、株N40、OspA血清型1(ST1、針曝露)またはB.アフゼリ、株IS1、OspA血清型2(ST2、マダニ曝露)またはそれぞれ2件ずつの実験のB.ババリエンシス、株Scf、OspA血清型4(ST4、針曝露)、B.ガリニ、株「A」、OspA血清型5(ST5、針曝露)またはB.ガリニ、株「B」、OspA血清型6(ST6、針曝露)のいずれかに曝露した。全ての実験において、Al(OH)3アジュバント単独で免疫されたマウス群は、陰性対照群として役割を果たした。マダニでの曝露については、マウス1匹につき1〜2匹のマダニを適用し、少なくとも1匹のマダニを十分に膨れるまで摂食させたマウスのみを最終的な読み出しに含んだ。しかし、1匹または2匹の十分に摂食を行ったマダニが収集されたマウスの間に差異はなかった。12件の実験からの防御データを表4に要約した。
【0254】
Hisタグ付き脂質化OspAヘテロ二量体(Lip-S1D1-S2D1-His)は、陰性対照群と比較してOspA血清型1およびOspA血清型2曝露両方に対して全ての6件の実験において高度に統計的に有意な防御を示した(フィッシャー直接確率法、両側)。驚くべきことに、また、Lip-S4D1-S3D1-HisおよびLip-S5D1-S6D1-Hisでの免疫化は、OspA血清型2曝露に対して高い防御能力を示し(実験4〜6)、変異型OspA断片の他の血清型による免疫化の交差防御効果があり得ることを示した。さらにまた、Lip-S4D1-S3D1での免疫化は、OspA血清型4ボレリアでの針曝露に対して、統計的に有意な防御を示した(実験7および8)。最後に、Lip-S5D1-S6D1-Hisでの免疫化は、OspA血清型5(実験9および10)およびOspA血清型6(実験11および12)両方での針曝露に対して防御を示した。それぞれのマウスの感染状態を、recA qPCRと組み合わせてVlsE ELISAを使用して決定した。マウスは、少なくとも1つの方法が陽性結果を示したとき、感染したとみなされた。
【0255】
結論として、本発明の変異型OspA断片ヘテロ二量体ポリペプチドでの免疫化は、試験された全てのボレリア血清型に対して防御を示し、また、いくつかの場合において交差防御を提供し得る。
【0256】
Hisタグ付き脂質化OspAヘテロ二量体(Lip-S1D1-S2D1-His)は、陰性対照群と比較して、OspA血清型1およびOspA血清型2曝露両方に対して、全ての6件の実験において高度に統計的に有意な防御を示した(フィッシャー直接確率法、両側)。驚くべきことに、また、Lip-S4D1-S3D1-HisおよびLip-S5D1-S6D1-Hisでの免疫化は、OspA血清型2曝露に対して高い防御能力を示し(実験4〜6)、変異型OspA断片の他の血清型による免疫化の交差防御効果があり得ることを示した。さらにまた、Lip-S4D1-S3D1での免疫化は、OspA血清型4ボレリアでの針曝露に対して、統計的に有意な防御を示した(実験7および8)。最後に、Lip-S5D1-S6D1-Hisでの免疫化は、OspA血清型5(実験9および10)およびOspA血清型6(実験11および12)両方での針曝露に対して防御を示した。それぞれのマウスの感染状態を、recA qPCRと組み合わせてVlsE ELISAを使用して決定した。マウスは、少なくとも1つの方法が陽性結果を示したとき、感染したとみなされた。
【0257】
結論として、本発明の変異型OspA断片ヘテロ二量体ポリペプチドでの免疫化は、試験された全てのボレリア血清型に対して防御を示し、また、いくつかの場合において交差防御を提供し得る。
【0258】
実施例5. 針曝露またはマダニ曝露法を介したインビトロでのOspA血清型1および血清型2ボレリア曝露に対する本発明の変異型OspAヘテロ二量体の1:1:1の混合ワクチンの防御能力の評価
実験手順
マウスの免疫化
雌C3H/HeNマウス(Janvier、France)を全ての研究について使用した。それぞれの曝露の前に、8週齢のマウス10匹の群は顔面静脈を介して採血し、免疫前血清を調製しかつプールした。それぞれ100μLの3回のs.c.免疫化を2週間の間隔にて施した。マウス群を、Lip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1およびLip-S5D1-S6D1それぞれ1μgからなる混合ワクチンで免疫した。3つの他のOspAに基づいた抗原を曝露実験に含んだ:Lip-OspA1-His(全長血清型OspA 1、脂質化された、およびhisタグ付き)、脂質化キメラOspA ST1/ST2*およびLip-S1D1-S2D1単独。陰性(プラセボ)対照は、Al(OH)3アジュバント(advuvant)単独であった。全ての抗原は、0.15%の終濃度にて水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を含むPBS中で製剤化した。
【0259】
*(キメラOspA ST1/ST2(配列番号:212)は、OspB(株B31)のN末端部分の最初の10アミノ酸、血清型1 OspAのアミノ酸11〜200からなるOspAキメラであり、血清型2 OspAのC末端部分からの最後の201〜255アミノ酸と融合され、ここで、血清型1 OspA(146〜170)のhLFA-1様配列は、血清型2 OspAからの相同配列と置換されている。血清型2 OspA配列の後には、ベクター中の終止コドンより前に、クローニングサイト(XhoI)のために付加された2つのアミノ酸が続いている。)
【0260】
第3の免疫化の1週間後に、血液を顔面静脈から収集し、かつ高度免疫血清を調製した。全ての動物実験は、オーストリアの法律(BGB1 Nr. 501/1989)に従って行われ、および「Magistratsabteilung 58」によって承認された。
【0261】
免疫されたマウスの、インビトロ増殖ボレリアでの針曝露
最後の免疫化の2週間後に、マウスを、増殖培地(BSKII)100μL中に希釈したボレリアスピロヘータにs.c.にて曝露した。曝露用量は、株依存的であり、個々の株のビルレンスをID50の決定のための曝露実験によって評価した。針曝露実験のために使用された用量は、ID50の20〜50倍の範囲であった。針曝露の4週間後にマウスを屠殺し、かつ血液および組織を、感染状態を決定するための読み出し法のために収集した。
【0262】
免疫されたマウスのマダニ曝露および血清および組織の収集(また、本明細書において、「マダニ曝露法」と称される)
B.アフゼリで免疫されたマウスを曝露するために、それぞれのマウスの背中の毛を、Veet(登録商標)クリーム(Reckitt Benckiser、United Kingdom)で取り除き、かつ通気のある小さな容器をスーパーグルー(Pattex、Germany)で皮膚に接着した。その後、マウス1匹につき、B.アフゼリ株IS1に感染した1匹または2匹のI.リシヌス若虫を適用し、それらが付着できるように、および十分に膨れかつ外れるまで摂食できるようにした。摂食状態をそれぞれの個々のマダニについてモニターし、少なくとも1匹の十分に摂食を行ったマダニが収集されたマウスのみを、最終的な読み出しに含んだ。
【0263】
結果
Hisタグ付きでない脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体は、1:1:1の比にて合わせ、かつボレリア曝露に対しての防御能力について試験した。免疫されたマウスを、それぞれ2件ずつの実験のB.アフゼリ(ST2、株IS1、マダニ曝露)またはB.ブルグドルフェリs.s.(ST1、株ZS7、針曝露)に曝露した。他のOspAに基づいた抗原は、全ての4件の実験においてLip-S1D1-S2D2、および実験15および16においてLip-OspA1-Hisおよび脂質化キメラOspA ST1/ST2を含んだ。Al(OH)3アジュバント単独で免疫されたマウス群は、それぞれの実験において陰性対照群として役割を果たした。マダニでの曝露については、マウス1匹につき1〜2匹のマダニを適用し、少なくとも1匹のマダニを十分に膨れるまで摂食させたマウスのみを最終的な読み出しに含んだ。しかし1匹または2匹の十分に摂食を行ったマダニが収集されたマウスの間に差異はなかった。4件の実験からの防御データを表5に要約してある。
【0264】
1:1:1の比にて3つの脂質化変異型OspA断片ヘテロ二量体を含む混合ワクチンは、陰性対照群と比較して全ての4件の曝露実験において統計的に有意な防御を示した(フィッシャー直接確率法、両側)。それぞれのマウスの感染状態は、recA qPCRと組み合わせてVlsE ELISAを使用して決定した。マウスは、少なくとも1つの方法が陽性結果を示したとき、感染したとみなした。
【0265】
実施例6. 変異型OspA断片ヘテロ二量体で免疫されたマウスの血清からの抗体の、ボレリアの細胞表面への結合
実験手順
マウスの免疫化
雌C3H/HeNマウスを全ての研究について使用した。それぞれの曝露の前に、8週齢のマウス20匹の群は顔面静脈を介して採血し、免疫前血清を調製しかつプールした。それぞれ100μLの3回のs.c.免疫化を、2週間の間隔にて施した。それぞれの用量は、Lip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1およびLip-S5D1-S6D1の各タンパク質を各1μgずつ含む(混合ワクチン)、または脂質化全長OspAタンパク質(示されたように、ST1〜ST6)を1μgまたは0.15%の終濃度にて水酸化アルミニウムでアジュバントされたOspAヘテロ二量体単独(示されたように、Lip-S1D1-S2D1、Lip-S4D1-S3D1またはLip-S5D1-S6D1)を1μg含む。陰性(プラセボ)対照は、アジュバントAl(OH)3単独であった。第3の免疫化の1週間後に、血液を顔面静脈から収集し、かつ高度免疫血清を調製した。全ての動物実験は、オーストリアの法律(BGB1 Nr. 501/1989)に従って行われ、および「Magistratsabteilung 58」によって承認された。
【0266】
ボレリアへの結合を評価するフローサイトメトリー
スピロヘータ(1×106)を同等の容積の4%パラホルムアルデヒドと混合し、96ウェルプレート(Nunclon 96U, Nunc)中で室温にて2時間インキュベートした。プレートを2,000gにて5分間遠心分離し、かつ上清を捨てた。細胞を、2% BSA(HBSS-B)を有するHBSS 150μLで洗浄し、上のように遠心分離し、かつ上清を捨てた。マウス血清を、35分間56℃にてインキュベートすることによって熱不活性化した。熱不活化血清をHBSS-B中に希釈し、Costar spin-X遠心管フィルター(0.22 μm, Corning, USA)を使用して、4,000g にて3分間、遠心分離することによって滅菌濾過した。スピロヘータを血清100μLに溶解し、かつ室温にて45分間インキュベートした。プレートを15分間、2,000gにて遠心分離し、かつ上清を捨てた。細胞をHBSS-B 150μLで一度洗浄し、次いで、HBSS-B 100μL中に溶解した。二次抗体(PE結合ヤギ抗マウスIgG、Beckman Coulter、USA)1マイクロリットルを、細胞に添加し、かつ暗所で45分間、室温にてインキュベートした。スピロヘータをHBSS-B 150μLで一度洗浄し、次いで、2.5μM SYTO-17 DNA色素を含むHBSS 200μL中に溶解し、かつ暗所で10分間、室温にてインキュベートした。染色されたスピロヘータを2000 gにて5分間、遠心分離することによって沈渣させ、およびその後、HBSS 200μL中に溶解した。標識されたスピロヘータを、FC500(Beckman Coulter)フローサイトメーターで測定し、SYTO-17陽性イベントについてゲートをかけた。非特異的結合を調整するために、プラセボ免疫群からの血清で得られた値を、ヘテロ二量体免疫群からの血清で観察された値から減算した。
【0267】
結果
高度免疫マウス血清からの抗体の結合を、全6つのOspA血清型を発現する異なるボレリアの場合において観察し、全ての抗原への反応において生成された抗体が、機能的に活性であり、およびインサイチューで天然のOspAと結合することができることを示した。蛍光強度は、血清希釈の大きな範囲にわたって直線的であった。大部分のOspA血清型については、ヘテロ二量体で生成された血清で観察された蛍光強度は、脂質化全長OspAで生成された血清で見られた蛍光強度と同等であった。
【0268】
実施例7. 製剤研究
本発明の混合ワクチンの製剤に関する研究を、安定性を最適化するために実施した。異なるタイプの緩衝液および安定剤を、水酸化アルミニウム(alumninium)と抗原の組み合わせの種々の濃度にて試験した。それぞれ40μg/mLの3つのヘテロ二量体(全タンパク質120μg)、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、10mM L-メチオニン、5%スクロース、0.05% Tween 20(ポリソルベート20)および0.15%(w/v)水酸化アルミニウム、pH 6.7±0.2の最適製剤を決定した#。
【0269】
配列
配列番号:1
S2D0-His:ボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2、野生型配列の位置131〜273のアミノ酸、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0270】
配列番号:2
S2D1-His:ジスルフィド結合型1(aa182および269)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0271】
配列番号:3
S2D2-His:ジスルフィド結合型2(aa182 and 272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0272】
配列番号:4
S2D3-His:ジスルフィド結合型3(aa244 and 259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0273】
配列番号:5
S2D4-His:ジスルフィド結合型4(aa141および241)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0274】
配列番号:6
S2D5-His:ジスルフィド結合型5(aa165および265)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0275】
配列番号:7
S2D6-His:ジスルフィド結合型6(aa185および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA 血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0276】
配列番号:8
S2D7-His:ジスルフィド結合型7(aa199および223)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0277】
配列番号:9
S2D8-His:ジスルフィド結合型8(aa243および262)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0278】
配列番号:10
S2D9-His:ジスルフィド結合型9(aa184および204)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0279】
配列番号:11
S2D10-His:ジスルフィド結合型10(aa201および214)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0280】
配列番号:12
S2D11-His:ジスルフィド結合型11(aa246および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0281】
配列番号:13
S2D12-His:ジスルフィド結合型12(aa167および178)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0282】
配列番号:14
ボレリアOspA脂質付加シグナル
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【0283】
配列番号:15
ボレリアOspB脂質付加シグナル
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【0284】
配列番号:16
大腸菌lpp脂質付加シグナル
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【0285】
配列番号:17
B.ブルグドルフェリs.s.株B31からのhLFA-1様配列
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【0286】
配列番号:18
B.アフゼリ株K78からの非hLFA-1様配列
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【0287】
配列番号:19
B.アフゼリ(株K78;OspA血清型2)
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【0288】
配列番号:20
B.ブルグドルフェリs.s.(株B31、OspA血清型1)
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【0289】
配列番号:21
B.ガリニ(株PBr、OspA血清型3)
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【0290】
配列番号:22
B.ババリエンシス(株PBi、OspA血清型4)
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【0291】
配列番号:23
B.ガリニ(株PHei、OspA血清型5)
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【0292】
配列番号:24
B.ガリニ(株DK29、OspA血清型6)
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【0293】
配列番号:25
B.ガリニ(株T25、OspA血清型7)
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【0294】
配列番号:26
フォワードプライマー
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【0295】
配列番号:27
リバースプライマー
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【0296】
配列番号:28
フォワードネステッドプライマー
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【0297】
配列番号:29
リバースネステッドプライマー
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【0298】
配列番号:30
25merペプチド
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【0299】
配列番号:31
マウスカテリン
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【0300】
配列番号:32
5'-(dIdC)13-3'
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【0301】
配列番号:33
KLKペプチド
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【0302】
配列番号:34
B.アフゼリ(株K78、血清型2)、OspA aa126〜273
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【0303】
配列番号:35
B.アフゼリ(株K78、血清型2)、OspA aa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
配列番号:36
ペプチドリンカー
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【0305】
配列番号:37
ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
配列番号:38
ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
配列番号:39
ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0308】
配列番号:40
ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0309】
配列番号:41
ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0310】
配列番号:42
ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0311】
配列番号:43
S1D4-S2D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1および2、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0312】
配列番号:44
Lip-S1D4-S2D4_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1および2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる融合タンパク質のためのコード配列
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【0313】
配列番号:45
Lip-S1D4-S2D4_His_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1および2、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
配列番号:46
Lip-S1D4-S2D4_His_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1および2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
配列番号:47
S1D1-S2D1_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびOspA血清型2、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
配列番号:48
Lip-S1D1-S2D1_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびOspA血清型2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0317】
配列番号:49
Lip-S1D1-S2D1_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびOspA血清型2、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
配列番号:50
Lip-S1D1-S2D1_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびOspA血清型2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
配列番号:51
S3D4-S4D4_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびOspA血清型4、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0320】
配列番号:52
Lip-S3D4-S4D4_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびOspA血清型4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0321】
配列番号:53
Lip-S3D4-S4D4_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびOspA血清型4、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0322】
配列番号:54
Lip-S3D4-S4D4_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびOspA血清型4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0323】
配列番号:55
S3D1-S4D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3および4、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0324】
配列番号:56
Lip-S3D1-S4D1_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3および4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0325】
配列番号:57
Lip-S3D1-S4D1_His_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3および4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0326】
配列番号:58
Lip-S3D1-S4D1_His_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3および4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0327】
配列番号:59
S5D4-S6D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5および6、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0328】
配列番号:60
Lip-S5D4-S6D4_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5および6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0329】
配列番号:61
Lip-S5D4-S6D4_His_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5および6、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0330】
配列番号:62
Lip-S5D4-S6D4_His_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5および6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0331】
配列番号:63
S5D1-S6D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0332】
配列番号:64
Lip-S5D1-S6D1_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA 血清型6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0333】
配列番号:65
Lip-S5D1-S6D1_His_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0334】
配列番号:66
Lip-S5D1-S6D1_His_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0335】
配列番号:67
S2D4-S1D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2および1、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVAND よって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0336】
配列番号:68
Lip-S2D4-S1D4_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2および1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0337】
配列番号:69
Lip-S2D4-S1D4_His_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2および1、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0338】
配列番号:70
Lip-S2D4-S1D4_His_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2および1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0339】
配列番号:71
S2D1-S1D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2および1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0340】
配列番号:72
Lip-S2D1-S1D1_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2および1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0341】
配列番号:73
Lip-S2D1-S1D1_His_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2および1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0342】
配列番号:74
Lip-S2D1-S1D1_His_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2および1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0343】
配列番号:75
S4D4-S3D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4および3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
配列番号:76
Lip-S4D4-S3D4_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4および3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0345】
配列番号:77
Lip-S4D4-S3D4_His_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4および3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0346】
配列番号:78
Lip-S4D4-S3D4_His_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4および3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0347】
配列番号:79
S4D1-S3D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4および3、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
配列番号:80
Lip-S4D1-S3D1_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4および3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0349】
配列番号:81
Lip-S4D1-S3D1_His_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4および3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
配列番号:82
Lip-S4D1-S3D1_His_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4および3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0351】
配列番号:83
S6D4-S5D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6および5、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0352】
配列番号:84
Lip-S6D4-S5D4_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6および5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0353】
配列番号:85
Lip-S6D4-S5D4_His_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6および5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
配列番号:86
Lip-S6D4-S5D4_His_nt:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6および5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0355】
配列番号:87
S6D1-S5D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6および5、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
配列番号:88
Lip-S6D1-S5D1_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6および5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0357】
配列番号:89
Lip-S6D1-S5D1_His_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6および5、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0358】
配列番号:90
Lip-S6D1-S5D1_His_nt:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6および5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0359】
配列番号:91
S1D4-S2D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0360】
配列番号:92
Lip-S1D4-S2D1_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0361】
配列番号:93
Lip-S1D4-S2D1_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0362】
配列番号:94
Lip-S1D4-S2D1_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
配列番号:95
S1D1-S2D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
配列番号:96
Lip-S1D1-S2D4_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0365】
配列番号:97
Lip-S1D1-S2D4_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
配列番号:98
Lip-S1D1-S2D4_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
配列番号:99
S3D4-S4D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0368】
配列番号:100
Lip-S3D4-S4D1_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0369】
配列番号:101
Lip-S3D4-S4D1_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0370】
配列番号:102
Lip-S3D4-S4D1_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
配列番号:103
S3D1-S4D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0372】
配列番号:104
Lip-S3D1-S4D4_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
配列番号:105
Lip-S3D1-S4D4_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
配列番号:106
Lip-S3D1-S4D4_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0375】
配列番号:107
S5D4-S6D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0376】
配列番号:108
Lip-S5D4-S6D1_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
配列番号:109
Lip-S5D4-S6D1_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0378】
配列番号:110
Lip-S5D4-S6D1_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
配列番号:111
S5D1-S6D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0380】
配列番号:112
Lip-S5D1-S6D4_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0381】
配列番号:113
Lip-S5D1-S6D4_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
配列番号:114
Lip-S5D1-S6D4_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0383】
配列番号:115
S2D4-S1D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0384】
配列番号:116
Lip-S2D4-S1D1_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0385】
配列番号:117
Lip-S2D4-S1D1_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
配列番号:118
Lip-S2D4-S1D1_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0387】
配列番号:119
S2D1-S1D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0388】
配列番号:120
Lip-S2D1-S1D4_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0389】
配列番号:121
Lip-S2D1-S1D4_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0390】
配列番号:122
Lip-S2D1-S1D4_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0391】
配列番号:123
S4D4-S3D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0392】
配列番号:124
Lip-S4D4-S3D1_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
配列番号:125
Lip-S4D4-S3D1_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、脂質の付加のためのN末端CSS、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
配列番号:126
Lip-S4D4-S3D1_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0395】
配列番号:127
S4D1-S3D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0396】
配列番号:128
Lip-S4D1-S3D4_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0397】
配列番号:129
Lip-S4D1-S3D4_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0398】
配列番号:130
Lip-S4D1-S3D4_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0399】
配列番号:131
S6D4-S5D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0400】
配列番号:132
Lip-S6D4-S5D1_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0401】
配列番号:133
Lip-S6D4-S5D1_His_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0402】
配列番号:134
Lip-S6D4-S5D1_His_nt:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0403】
配列番号:135
S6D1-S5D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5、LN1リンカー配列からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0404】
配列番号:136
Lip-S6D1-S5D4_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
[この文献は図面を表示できません]
【0405】
配列番号:137
Lip-S6D1-S5D4_His_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0406】
配列番号:138
Lip-S6D1-S5D4_His_nt:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5、大腸菌lpp脂質付加シグナル、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)からなるヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0407】
配列番号:140
Lip-S2D0-His:ボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2、野生型配列の位置131〜273のアミノ酸、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0408】
配列番号:141
Lip-S2D1-His:ジスルフィド結合型1(aa182および269)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0409】
配列番号:142
Lip-S2D2-His:ジスルフィド結合型2(aa182および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0410】
配列番号:143
Lip-S2D3-His:ジスルフィド結合型3(aa244および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0411】
配列番号:144
Lip-S2D4-His:ジスルフィド結合型4(aa141および241)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0412】
配列番号:145
Lip-S2D5-His:ジスルフィド結合型5(aa165および265)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0413】
配列番号:146
Lip-S2D6-His:ジスルフィド結合型6(aa185および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0414】
配列番号:147
Lip-S2D7-His:ジスルフィド結合型7(aa199および223)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0415】
配列番号:148
Lip-S2D8-His:ジスルフィド結合型8(aa243および262)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
配列番号:149
Lip-S2D9-His:ジスルフィド結合型9(aa184および204)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
配列番号:150
Lip-S2D10-His:ジスルフィド結合型10(aa201および214)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
配列番号:151
Lip-S2D11-His:ジスルフィド結合型11(aa246および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0419】
配列番号:152
Lip-S2D12-His:ジスルフィド結合型12(aa167および178)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
配列番号:153
Lip-S2D0:ボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2、野生型配列の位置131〜273のアミノ酸、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0421】
配列番号:154
Lip-S2D1:ジスルフィド結合型1(aa182および269)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
配列番号:155
Lip-S2D2:ジスルフィド結合型2(aa182および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0423】
配列番号:156
Lip-S2D3:ジスルフィド結合型3(aa244および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
配列番号:157
Lip-S2D4:ジスルフィド結合型4(aa141および241)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0425】
配列番号:158
Lip-S2D5:ジスルフィド結合型5(aa165および265)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
配列番号:159
Lip-S2D6:ジスルフィド結合型6(aa185および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0427】
配列番号:160
Lip-S2D7:ジスルフィド結合型7(aa199および223)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0428】
配列番号:161
Lip-S2D8:ジスルフィド結合型8(aa243および262)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0429】
配列番号:162
Lip-S2D9:ジスルフィド結合型9(aa184および204)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
配列番号:163
Lip-S2D10:ジスルフィド結合型10(aa201および214)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0431】
配列番号:164
Lip-S2D11:ジスルフィド結合型11(aa246および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
配列番号:165
Lip-S2D12:ジスルフィド結合型12(aa167および178)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273、脂質の付加のためのN末端CKQN
[この文献は図面を表示できません]
【0433】
配列番号:166
S2D0:ボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2、野生型配列の位置131〜273のアミノ酸
[この文献は図面を表示できません]
【0434】
配列番号:167
S2D1:ジスルフィド結合型1(aa182および269)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0435】
配列番号:168
S2D2:ジスルフィド結合型2(aa182および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0436】
配列番号:169
S2D3:ジスルフィド結合型3(aa244および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
配列番号:170
S2D4:ジスルフィド結合型4(aa141および241)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
配列番号:171
S2D5:ジスルフィド結合型5(aa165および265)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0439】
配列番号:172
S2D6:ジスルフィド結合型6(aa185および272)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0440】
配列番号:173
S2D7:ジスルフィド結合型7(aa199および223)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
配列番号:174
S2D8:ジスルフィド結合型8(aa243および262)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0442】
配列番号:175
S2D9:ジスルフィド結合型9(aa184および204)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0443】
配列番号:176
S2D10:ジスルフィド結合型10(aa201および214)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
配列番号:177
S2D11:ジスルフィド結合型11(aa246および259)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0445】
配列番号:178
S2D12:ジスルフィド結合型12(aa167および178)を有するボレリア・アフゼリ株K78、OspA血清型2のaa131〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
配列番号:179
血清型1 OspAからの置換hLFA様配列を有するB.ブルグドルフェリs.s.(株B31、血清型1)、OspA_aa126〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0447】
配列番号:180
B.ガリニ(株PBr、血清型3)、OspA_aa126〜274
[この文献は図面を表示できません]
【0448】
配列番号:181
B.ババリエンシス(株PBi、血清型4)、OspA_aa126〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0449】
配列番号:182
B.ガリニ(株PHei、血清型5)、OspA_aa126〜273
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
配列番号:183
B.ガリニ(株DK29、血清型6)、OspA_aa126〜274
[この文献は図面を表示できません]
【0451】
配列番号:184
B.ブルグドルフェリs.s.株B31由来のOspAのN末端半分の2つの別々のループ領域(aa65〜74およびaa42〜53、位置53にてアミノ酸置換:D53S)から構築されたLN1ペプチドリンカー
[この文献は図面を表示できません]
【0452】
配列番号:185
Lip-S1D4-S2D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1および2、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0453】
配列番号:186
Lip-S1D1-S2D1_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびOspA血清型2、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0454】
配列番号:187
Lip-S3D4-S4D4_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびOspA血清型4、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0455】
配列番号:188
Lip-S3D1-S4D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3および4、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
配列番号:189
Lip-S5D4-S6D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5および6、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0457】
配列番号:190
Lip-S5D1-S6D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
配列番号:191
Lip-S2D4-S1D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2および1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
配列番号:192
Lip-S2D1-S1D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2および1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0460】
配列番号:193
Lip-S4D4-S3D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4および3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0461】
配列番号:194
Lip-S4D1-S3D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4および3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
配列番号:195
Lip-S6D4-S5D4_aa:両方ともジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6および5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0463】
配列番号:196
Lip-S6D1-S5D1_aa:両方ともジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6および5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0464】
配列番号:197
Lip-S1D4-S2D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0465】
配列番号:198
Lip-S1D1-S2D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0466】
配列番号:199
Lip-S3D4-S4D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0467】
配列番号:200
Lip-S3D1-S4D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0468】
配列番号:201
Lip-S5D4-S6D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0469】
配列番号:202
Lip-S5D1-S6D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0470】
配列番号:203
Lip-S2D4-S1D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0471】
配列番号:204
Lip-S2D1-S1D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型2およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型1、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、非hLFA-1様配列NFTLEGKVANDによって置換されたOspA血清型1のaa164〜174、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
[この文献は図面を表示できません]
【0472】
配列番号:205
Lip-S4D4-S3D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0473】
配列番号:206
Lip-S4D1-S3D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型4およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型3、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなる中間および最終ヘテロ二量体融合タンパク質のためのコード配列
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【0474】
配列番号:207
Lip-S6D4-S5D1_aa:ジスルフィド結合型4を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型1を有するOspA血清型5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0475】
配列番号:208
Lip-S6D1-S5D4_aa:ジスルフィド結合型1を有するOspA血清型6およびジスルフィド結合型4を有するOspA血清型5、脂質の付加のためのN末端CSS、LN1リンカー配列、N末端脂質付加からなるヘテロ二量体融合タンパク質
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【0476】
配列番号:209
B.アフゼリ(株K78;OspA血清型2)aa17〜273、除去された脂質付加シグナル配列(aa1〜16:MKKYLLGIGLILALIA)、C末端Hisタグ(GLEHHHHHH)
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【0477】
配列番号:210
B.ブルグドルフェリ(OspA血清型1、株ZS7)aa17〜273、除去された脂質付加シグナル配列(aa1〜16:MKKYLLGIGLILALIA)、C末端Hisタグ(LEHHHHHH)
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【0478】
配列番号:211
OspAからのシステイン含有ペプチド
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【0479】
配列番号:212
キメラOspA 血清型1/血清型2、N末端脂質付加
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【0480】
配列番号:213
B.ガリニ株T25、OspA血清型7の位置126〜274のアミノ酸
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【0481】
配列番号:214
ボレリアのRecA遺伝子のためのフォワードオリゴヌクレオチドプライマー
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【0482】
配列番号:215
ヒスチジンタグ
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【0483】
配列番号:216
ボレリアのRecA遺伝子のためのリバースオリゴヌクレオチドプライマー
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【0484】
この出願の全体にわたって引用した全ての参照の全ての内容は(文献参照、発行された特許、公開された特許出願および同時係属特許出願を含む)、本明細書に明白に参照により組み入れられる。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]