【実施例】
【0046】
以下の実施例において使用した材料を表3に列挙する。
【0047】
【表3】
【0048】
ここで、Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、MWは、一つの分子の分子量である。
【0049】
1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン(DBU)を、CaH
2上で撹拌し、真空蒸留し、その後、グローブボックスへ移した。重量平均分子量25 kDa(bPEI-25)および1.8 kDa(bPEI-2)を有する分岐ポリエチレンイミン、細胞毒性アッセイのための1-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-3,5-ジフェニルホルマザン(MTT)、ならびにポリマー合成のための他の試薬は、Aldrichから市販されており、特に断りのない限り、他のいかなる精製もせずに使用した。ルシフェラーゼ基質および5×溶解バッファーを、Promega (Singapore)から購入した。GFPレポーター遺伝子(サイトメガロウイルスプロモーターによって駆動される野生型GFPの赤色シフト変異体をコードする)およびルシフェラーゼレポーター遺伝子(サイトメガロウイルスプロモーターによって駆動される6.4 kbホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードする)を、それぞれ、Clontech (U.S.A.)およびCarl Wheeler, Vical (U.S.A.)から得た。BCAタンパク質アッセイキットはPierce製であった。HepG2およびSK-OV-3ヒト癌細胞株をATCC (U.S.A.)から購入した。
【0050】
MTC-OHは、R. C. Pratt, et al., Chemical Communications, 2008, 114-116の方法によって調製することができる。
【0051】
MTC-C6H5(MW 326.2)の調製
【0052】
100 mL丸底フラスコに、ビス-MPA, (7), (5.00 g, 37 mmol, MW 134.1)、ビス-(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(PFC, 31.00 g, 78 mmol, MW 394.1)、およびテトラヒドロフラン(THF)70 mlでリンスしたCsF (2.5g, 16.4 mmol)を加えた。最初のうち反応は不均一であったが、1時間後に、透明な均一溶液が形成され、これを20時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を塩化メチレン中に再溶解した。溶液をおよそ10分間静置し、この時点で、ペンタフルオロフェノール副生成物が沈殿し、定量的に回収することができた。このペンタフルオロフェノール副生成物は、
19F NMRにおいてペンタフルオロフェノールの特徴的な3つのピークおよびGCMSにおいて質量184の単一のピークを示した。濾液を炭酸水素ナトリウム、水で抽出し、MgSO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で蒸発させ、生成物を再結晶させ(酢酸エチル/ヘキサン混合物)、MTC-C6F5を白色結晶性粉末として得た。GCMSは、質量326 g/molの単一のピークを有した。C
12H
7F
5O
5についての計算された分子量は、帰属された構造と一致していた。
1H-NMR (400MHz in CDCl
3): delta 4.85 (d, J = 10.8Hz, 2H, CH
aH
b), 4.85 (d, J = 10.8Hz, 2H, CH
aH
b), 1.55 (s, 3H, CCH
3)。
【0053】
I.モノマーの合成
実施例1
MTC-Cl(MW 178.6)の調製
【0054】
乾燥テトラヒドロフラン(THF) 50 mL中の塩化オキサリル(2.48 mL, 19.0 mmol)の溶液を、乾燥THF 50 mL中の5-メチル-5-カルボキシル-1,3-ジオキサン-2-オン(MTC-OH) (2.75 g, 17.2 mmol, MW 160.1)の溶液へ滴下し、続いて、窒素雰囲気下で30分間にわたって触媒量(3滴)の無水ジメチルホルムアミド(DMF)を添加した。N
2をバブリングしながら反応溶液を1時間撹拌し、揮発性物質を除去した。反応後、溶媒を真空下で蒸発させ、MTC-Clを得、これはさらに精製しなかった。
【0055】
実施例2
MTC-C2(MW 188.2)の調製
【0056】
I)ビス-MPA (22.1 g, 0.165 mol, MW 134.1)をAmberlyst-15 (6.8 g)と共にエタノール(150 mL)へ添加し、一晩還流した。次いで、樹脂を濾過して取り除き、濾液を蒸発させた。ジクロロメタン(200 mL)を、得られた粘性液体へ添加し、未反応試薬および副生成物を濾過した。溶液をMgSO4で乾燥させ、蒸発させた後、2,2-ビス(メチロール)プロピオン酸エチル(MW 162.2)を無色透明液体(24.3 g, 91%)として得た。
【0057】
II)ジクロロメタン(150 mL)中のトリホスゲン(11.7 g, 0.039 mol)の溶液を、窒素雰囲気下でドライアイス/アセトンを用いて-75℃で30分間にわたって、2,2-ビス(メチロール)プロピオン酸エチル(12.6 g, 0.078 mol, MW 162.2)およびピリジン(39 mL, 0.47 mol)のジクロロメタン溶液(150 mL)へ滴下した。反応混合物をチルド条件下でさらに2時間撹拌し続け、次いで、室温に加温されるまで置いた。反応を飽和NH
4Cl水溶液(75 mL)の添加によってクエンチし、その後、有機層を1 M HCl水溶液(3×100 mL)、飽和NaHCO
3水溶液(1×100 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルから再結晶させ、MTC-C2(MW 188)を白色結晶(8.0 g, 55%)として得た。
【0058】
実施例3
MTC-C8(MW 272.3)の調製
【0059】
フラスコにMTC-C6F5 (5.5 g, 16.9 mmol, MW 326.2)、オクタノール(2.0 g, 15.4 mmol)、PROTON SPONGE (3.29 g, 15.4 mmol)およびTHF (8 mL)を加えた。反応混合物を12時間撹拌し、過剰量の酢酸アンモニウムを添加した。反応混合物をさらに3時間撹拌し、次いで、シリカゲルカラムへ直接添加した。溶離剤としてヘキサン/酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーによって生成物を単離し、オイルを得た。
【0060】
実施例4
エタノールをドデカノールで置き換えて、実施例3の一般的手順を使用して、MTC-C12(MW 328.4)を合成した。
【0061】
実施例5
合成MTC-Bn(MW 250.3)
【0062】
2,2-ビス(メチロール)プロパン酸(ビス-MPA)(20 g, 149.1 mmol, MW 134.1)および水酸化ナトリウム(5.96 g, 149.1 mmol)を、DMSO 100 mL中に合わせ、80℃で一晩撹拌した。臭化ベンジル(30.6 g, 178.9 mmol)を滴下した。溶液は透明になり、反応をNMRによってモニタリングした。いったん反応が完了したら、溶液を室温まで冷却し、水500 mLを添加した。溶液をジエチルエーテルで数回抽出し、ジエチルエーテル溶液を250 mLまで濃縮した。この溶液を水、炭酸水素ナトリウム、および塩水で洗浄し、乾燥させ、固体まで濃縮した。固体をTHF/ヘキサンから再結晶させ、MPA-Bnの白色結晶(10.0 g, 30%)を得た。次いで、MPA-Bn (4.76 g, 21.2 mmol, MW 224.3)およびトリエチルアミン(5.4 g, 53.1)を、乾燥THF (210 mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。窒素下で、クロロギ酸エチル(5.1 g, 46.7 mmol)を撹拌溶液へ滴下した。溶液を室温まで加温し、18時間反応させた。次いで、反応溶液を固体まで濃縮し、固体をジエチルエーテルから2回再結晶させ、MTC-Bnを白色結晶として得た(3.86 g, 72.6%)。
【0063】
保護された糖ペンダント基を有する環状カーボネートモノマーとしては、MTC-IPMAN、MTC-IPGALおよびMTC-IPGLUが挙げられる。
【0064】
実施例6
MTC-IPMAN(MW 402.3)の調製
【0065】
MTC-IPMANの調製を示す。MTC-Clを上述のように形成し、乾燥ジクロロメタン(DCM)50 mL中に溶解した。乾燥ジクロロメタン(DCM)50 mL中の2,3;5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-マンノフラノース(IPMAN)(4.13 g, 15.8 mmol, MW 260.3)およびトリエチルアミン(2.8 mL, 20.6 mmol)の混合物を、室温で30分間にわたって溶液中へ滴下した。次いで、反応混合物を48時間40℃まで加熱した。混合物を室温まで冷却した後、溶液を濃縮し、THF 100 mLを添加し、トリエチルアミン塩を沈殿させた。塩を濾過し、溶媒を除去した後、得られた粗生成物を、酢酸エチルおよびヘキサン(20/80〜50/50)を使用する勾配溶出によってシリカゲルカラムを通過させ、生成物を粘着性無色オイルとして得、これは白色固体へ徐々に凝固した(5.85 g, 85%)。
【0066】
実施例7
MTC-IPGAL(MW 402.2)の調製
【0067】
実施例6の手順および1,2;3,4-ジ-O-イソプロピリデン-D-ガラクトピラノース(IPGAL、MW 260.3)を使用して、MTC-IPGALを調製した。収率81%。
【0068】
実施例8
MTC-IPGLU(MW 402.2)の調製
【0069】
実施例6の手順および1,2;5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-グルコフラノース(IPGLU、MW 260.3)を使用して、MTC-IPGLUを調製した。収率75%。
【0070】
ペンダントフェニル尿素基を有する環状カーボネートを、スキーム1に従って調製した。
【0071】
スキーム1
【0072】
実施例9
MTC-PUC2(MW 322.3)の合成
1)エタノールアミン(5.0 g, 48.5 mmol, 1 eq)を、撹拌子を備えた乾燥100 mL丸底フラスコ中に置き、乾燥THF (30 mL)を添加した。得られた溶液を氷浴によって0℃まで冷却した。フェニルイソシアネート(5.19 g, 4.74 mL, 43.6 mmol, 0.9当量)および乾燥THF 30 mLを、30分間にわたって滴下漏斗によってエタノールアミン/THF混合物へ滴下した。得られた混合物を周囲温度に加温されるまで置き、さらに16時間撹拌下に置いた。回転蒸発を使用してTHFを除去した。得られた粗生成物を酢酸エチルから再結晶させ、その後、さらに4時間激しく撹拌した。再結晶した固体を濾過によって単離し、酢酸エチルでさらに洗浄し、恒量に達するまで乾燥させ、中間体フェニル尿素エタノール(スキーム1においてn=2)7.0 g(約80%)を得た。
【0073】
2)上述のように塩化オキサリルを使用することによって、MTC-OH(4.3 g, 26.8 mmol)をMTC-Clへ変換した。MTC-Clを乾燥塩化メチレン50 mL中に溶解し、追加の漏斗(additional funnel)中に加えた。撹拌子を備えた乾燥500 mL丸底フラスコ中に、フェニル尿素エタノール(5.55 g, 25 mmol)、ピリジン(1.97 g, 2.02 mL, 25 mmol)および乾燥塩化メチレン(150 mL)を加えた。追加の漏斗を窒素下で付け、氷浴を使用してフラスコを0℃まで冷却した。MTC-Cl溶液を30分間滴下し、得られた溶液をさらに30分間撹拌した。氷浴を除去し、溶液を周囲温度に加温されるまで置き、さらに16時間撹拌下に置いた。シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製した。最初は塩化メチレンを溶離剤として使用し、その後、徐々に極性を増加させ、最終濃度5 vol%メタノールで終了した。生成物フラクションを集め、溶媒を回転蒸発によって除去した。単離された生成物を、恒量に達するまで真空下で乾燥させ、オフホワイト色/帯黄色オイル8.0 g (約80%)を得、これは静置時に結晶化した。
【0074】
実施例10
実施例9の手順および8-アミノ-1-オクタノールを使用して、MTC-PUC8(MW 406.5)を調製した。収率86%。
【0075】
実施例11
実施例9の手順および12-アミノ-1-ドデカノールを使用して、MTC-PUC12(MW 462.6)を調製した。収率65%。
【0076】
MTC-C8およびMTC-C12による修飾
bPEI-2は、1モル= 1800 (Mn)に基づいて、1モル当たり第1級アミン基10個、第2級アミン基20個および第3級アミン基10個を有する。スキーム2に従って、異なる鎖長の疎水性エステル基を有する環状カーボネートモノマーで、bPEI-2を修飾した。
【0077】
スキーム2
【0078】
実施例12
MTC-C8を使用してP1を形成するための手順を示す。グローブボックス中において、MTC-C8 (0.0408 g, 0.15 mmol, MW = 272 g)を、DCM 2 mL中のbPEI-2(0.270 g、1モル = 1800 g = Mnに基づいて0.15 mmol)の溶液へ添加した。bPEI-2:MTC-C8モル供給比は1:1であり、質量供給比は6.6:1であった。反応溶液を1時間撹拌した。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。ポリマーP1についてのNMRによって判明したモル比は1:1であった。したがって、スキーム2のポリマーP1について、m = 20、q = 1、n' = 9、k = 10、およびj = 43。
【0079】
実施例13
実施例12の一般的手順に従って、MTC-C12を用いてポリマーP2を調製した。bPEI-2:MTC-C12モル供給比は1:1であり、質量供給比は5.5:1であった。ポリマーP2についてのNMRによって判明したモル比は1:0.86であった。したがって、スキーム2のポリマーP2について、m = 20、q = 0.86、n' = 9.14、k = 10、およびj = 43。
【0080】
MTC-PUC2、MTC-PUC8、およびMTC-PUC12による修飾
実施例12の一般的手順を使用して、スキーム3に従って、異なる鎖長の疎水性尿素含有エステル基を有する環状カーボネートモノマーで、bPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP3〜P5を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
【0081】
スキーム3
【0082】
実施例14
ポリマーP3について、bPEI-2:MTC-PUC2モル供給比は1:1であり、質量供給比は5.6:1であった。ポリマーP3についてのNMRによって判明したモル比は1:0.9であった。したがって、スキーム3のポリマーP3について、m = 20、q =0.9、n' = 9.1、k = 10、およびj = 43。
【0083】
実施例15
ポリマーP4について、bPEI-2:MTC-PUC8モル供給比は1:1であり、質量供給比は4.4:1であった。ポリマーP4についてのNMRによって判明したモル比は1:0.9であった。したがって、スキーム3のポリマーP4について、m = 20、q = 0.9、n' = 9.1、k = 10、およびj = 43。
【0084】
実施例16
ポリマーP5について、bPEI-2:MTC-PUC12モル供給比は1:1であり、質量供給比は3.9:1であった。ポリマーP5についてのNMRによって判明したモル比は1:1.1であった。したがって、スキーム3のポリマーP5について、m = 20、q = 1.1、n' = 8.9、k = 10、およびj = 43。
【0085】
MTC-Bnによる修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム4に従ってMTC-Bn (MW 250)でbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP6およびP13を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
【0086】
スキーム4
【0087】
実施例17
P6の調製について、bPEI-2:MTC-Bnモル供給比は1:1であり、質量供給比は7.2:1であった。P6についてのNMRによって判明したbPEI-2:MTC-Bnモル比は1:1.1であった。したがって、P6についてスキーム4において、m = 20、q = 1.1、n' = 8.9、k = 10、およびj = 43。
【0088】
実施例18
P13の調製について、bPEI-2:MTC-Bnモル供給比は1:4であり、質量供給比は1.8:1であった。P13について、NMRによって判明したbPEI-2:MTC-Bnモル比は1:4.7であった。したがって、P13についてスキーム4において、m = 20、q = 4.7、n' = 5.3、k = 10、およびj = 43。
【0089】
MTC-C2による修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム5に従ってMTC-C2でbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP7〜P10を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
【0090】
スキーム5
【0091】
実施例19
P7の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:1であり、質量供給比は9.6:1であった。P7についてのNMRによって判明したモル比は1:1であった。したがって、P7についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 9、k = 10、およびj = 43。
【0092】
実施例20
P8の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:2であり、質量供給比は4.8:1であった。P8についてのNMRによって判明したモル比は1:1.8であった。したがって、ポリマーP8についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 8.2、k = 10、およびj = 43。
【0093】
実施例21
P9の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:4であり、質量供給比は2.8:1であった。P9についてのNMRによって判明したモル比は1:4.1であった。したがって、P9についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 5.9、k = 10、およびj = 43。
【0094】
実施例22
P10の調製について、bPEI-2:MTC-C2モル供給比は1:10であり、質量供給比は0.96:1であった。ポリマーP10についてのNMRによって判明したモル比は1:9.9であった。したがって、ポリマーP10についてスキーム5において、m = 20、q = 1、n' = 0.1、k = 10、およびj = 43。
【0095】
TMCによる修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム6に従ってTMCでbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP11およびP14を作製した。反応時間は1時間であった。ポリマーを無水エーテル中に沈殿させ、回転蒸発によって乾燥させた。
【0096】
スキーム6
【0097】
実施例23
P11の調製について、bPEI-2:TMCモル供給比は1:1であった。P11についてのNMRによって判明したモル比は1:1.2であった。したがって、P11についてスキーム6において、m = 20、q = 1、n' = 8.8、k = 10、およびj = 43。
【0098】
実施例24
P14の調製について、bPEI-2:TMCモル供給比は1:4であり、質量供給比は4.4:1であった。ポリマーP14についてのNMRによって判明したモル比は1:4.1であった。したがって、P14についてスキーム6において、m = 20、q = 4.1、n' = 5.9、k = 10、およびj = 43。
【0099】
BCFによる修飾
実施例12の一般的手順を使用してスキーム7に従ってクロロギ酸ブチル(BCF)でbPEI-2を修飾し、分岐ポリアミンP12を作製した。反応時間は1時間であった。
【0100】
スキーム7
【0101】
実施例25(比較)
P12の調製について、bPEI-2:BCFモル供給比は1:1であった。ポリマーP12についてのNMRによって判明したモル比は1:0.9であった。したがって、ポリマーP12についてスキーム7において、m = 20、q = 0.9、n' = 9.1、k = 10、およびj = 43。
【0102】
表4はポリマーの調製をまとめている。
【0103】
【表4】
【0104】
表5は修飾bPEIポリマーのNMR分析をまとめている。
【0105】
【表5】
a bPEI-2 1モル=1800 g、および1モル当たり第1級アミン基10個に基づく。
b 100%を超える値は、全ての活性第1級アミン部位での反応、ならびに第2級アミン基の反応および/または環状カーボネートモノマーの開環重合を示す。
c 実施例31〜37における10を超える数は、全ての活性第1級アミン部位での反応、ならびに第2級アミン基の反応および/または環状カーボネートモノマーの開環重合を示す。
【0106】
III.生物活性物質を有する複合体
細胞培養
HepG2およびSK-OV-3細胞をイーグル最小必須培地(MEM、Invitrogen, Singapore;HepG2について)およびRPMI 1640培地(Invitrogen, Singapore;SK-OV-3について)において培養した。両方の培地に、10%ウシ胎仔血清(FBS、Invitrogen, Singapore)、ストレプトマイシン100マイクログラム/mL、ペニシリン100 U/mL、L-グルタミン2 mM、および1 mMピルビン酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, Singapore)を補った。MEMに1 mM非必須アミノ酸(Sigma-Aldrich, Singapore)をさらに補った。細胞を5% CO
2および95%加湿空気の雰囲気下にて37℃で培養した。90%コンフルエンスに達したら、トリプシン/EDTA媒体を使用して、全ての細胞株を分離した。
【0107】
DNA複合体の形成
修飾bPEI-2ポリマーをDNase/RNaseフリー水およびHPLC水にそれぞれ溶解し、ポリマー水溶液を作った。複合体を形成するために、DNA(GFPレポーター遺伝子またはルシフェラーゼレポーター遺伝子)の等体積の溶液を、ポリマー溶液中へ滴として落とし、約10秒間のボルテックスによる緩やかな撹拌下で、意図したN/P比(ポリマー中の窒素含有量 対 核酸のリン含有量 のモル比)を達成した。混合物を30分間室温で平衡化し、ポリマーおよびDNA分子間の完全な静電的相互作用を可能にし、その後、続いての研究のために使用した。非修飾bPEI-2および非修飾bPEI-25の対照複合体を同様に調製した。
【0108】
DNA複合体の粒子サイズおよびゼータ電位分析
平衡化後のポリマー/DNA複合体の粒子サイズおよびゼータ電位を、散乱角90°にて、658 nmでHe-Neレーザービームを使用する動的光散乱(Brookhaven Instrument Corp., Holtsville, New York, U.S.A.)およびZetasizer (Malvern Instrument Ltd., Worcestershire, UK)によってそれぞれ測定した。粒子サイズおよびゼータ電位測定を、1サンプルにつき3回繰り返し、3リーディングの平均値±標準偏差として報告した。
【0109】
表6は、異なるN/P比での修飾bPEI-2ポリマーのいくつかの流体力学半径を列挙する。
【0110】
【表6】
b 100を超えるパーセンテージは、全ての活性第1級アミン部位の反応、ならびに第2級アミン基の反応および/または環状カーボネートモノマーの開環重合を示す。
【0111】
典型的に20 nm〜200 nmのサイズ範囲であるポリマーナノ粒子は、腎臓における糸球体濾過による早期排出を回避するのに十分大きいものであるが、血管に入り、標的腫瘍組織における受動蓄積のために血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果を利用するのに十分小さいものである。
図1から理解され得るように、修飾bPEI-2ポリマーのルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体は、約100 nmの平均粒子サイズを有し、一方、N/P 40で調製した非修飾bPEI-2のルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体は、約3000 nmの粒子サイズを有する。
【0112】
bPEI-2の疎水性修飾は、非修飾bPEI-2対照複合体と比較してゼータ電位の有意な増加を引き起こした(
図2)。理論によって拘束されないが、これは、負荷電の細胞膜とのナノ粒子相互作用を助け得、したがって、エンドサイトーシスおよびトランスフェクションを増強し得る。
【0113】
ゲル遅延度アッセイ
ポリマー/ルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体の様々な調合物を、1〜10または1〜15の範囲内のN/P比で、上述したように調製した。平衡化後、bPEI-2に由来する複合体を0.7%アガロースゲル上で電気泳動させ(electroporate)、bPEI-25で形成された複合体を1%アガロースゲル上で電気泳動させた。アガロースゲルを、アガロース溶液50 mL当たり10 mg/mL臭化エチジウム5マイクロリットルで染色した。ゲルを50分間80 Vで0.5×TBEバッファー中において電気泳動にかけ、次いで、UVイルミネーター(Chemi Genius, Evolve, Singapore)下で分析し、裸のDNAプラスミドに対する複合体化DNAの相対位置を明らかにした。
【0114】
ポリマーP1〜P7は、非修飾bPEI-2(
図3)および非修飾bPEI-25(
図4)と同じぐらい有効にN/P 3でDNAを凝集することができた(それぞれ、
図5〜11)。
【0115】
MTC-C2修飾bPEI-2の緩衝能
P7、P8、P9、およびP10は、bPEI-2のMTC-C2修飾レベルシリーズを表す(それぞれ、第1級アミン基の10%、20%、40%および100%修飾)。これらのポリマーおよび非修飾bPEI-2の緩衝能を表7に示す。緩衝能を2〜11のpH範囲にわたって測定した。先ず、ポリマー(窒素原子0.1 mmol)をNaCl溶液(150 mM) 5 mL中に溶解した。0.01 HCl 15 mLを添加し、pHを2まで下げ、次いで、自動滴定装置(Spectralab Instruments)を使用して、溶液を0.01 M NaOHに対して滴定した。緩衝能を、5.1〜7.4のpHにわたってプロトン化されたアミン基のパーセンテージと定義し、以下の式によって計算する:
緩衝能(%) = 100×(ΔV
NaOH×0.01 M)/N mol
式中、ΔV
NaOHは、pHを5.1から7.4へ増加させるために必要なNaOH (0.01 M)の体積であり、N molは、プロトン化可能なアミンの総モルである。
【0116】
【表7】
【0117】
図12は、添加したNaOHの関数としてのpHをプロットするグラフである。データは、MTC-C2置換の量の増加が緩衝能の減少をもたらすことを示している。
【0118】
図13は、N/P 0〜10での遊離遺伝子の相対的%蛍光として測定された、P7、P8、P9、P10、および非修飾bPEI-2のルシフェラーゼレポーター遺伝子結合能を比較するグラフである。MTC-C2置換度の増加は、第1級アミン基のおよそ100%が修飾された、特にP10において、より低下したDNA結合効率をもたらした。
【0119】
ルシフェラーゼ遺伝子発現
修飾bPEI-2ポリマーとルシフェラーゼレポーター遺伝子とを用いて調製した複合体のインビトロトランスフェクション効率を、HepG2およびSK-OV-3細胞株を使用して調べた。HepG2細胞を、ルシフェラーゼ遺伝子送達のために8×10
4細胞/500マイクロリットル/ウェルの密度で24ウェルプレート上へ播種した。SK-OV-3細胞を、ルシフェラーゼ遺伝子送達のために8×10
4細胞/500マイクロリットル/ウェルの密度で24ウェルプレート上へ播種した。24時間後、プレーティング培地を新鮮な増殖培地で置き換え、続いて、様々なN/P比でルシフェラーゼプラスミドDNA 2.5マイクログラムを含有する複合体溶液50マイクロリットルを滴下した。4時間のインキュベーション後、各ウェル中の培地を置き換えることによって、遊離複合体を除去した。さらに68時間インキュベーションをした後、各ウェル中の細胞培養培地を除去し、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、pH 7.4)0.5 mLで1回リンスした。ルシフェラーゼ発現アッセイのために、レポーター溶解バッファー0.2 mLを各ウェルへ添加した。凍結(-80℃、30分間)および解凍の2サイクル後に集めた細胞溶解物を、14000 rpmでの5分間の遠心分離によって清澄化し、その後、ルミノメーター(Lumat LB9507, Berthold, Germany)を使用しての相対的光単位(RLU)の測定のために、上清20マイクロリットルをルシフェラーゼ基質100マイクロリットルと混合した。RLUリーディングを、BCAタンパク質アッセイを使用して測定した上清のタンパク質濃度に対して正規化し、全体的なルシフェラーゼ発現効率を得た。全てのインビトロ遺伝子発現実験において、裸のDNAを陰性対照として使用した。非修飾bPEI-2/DNA複合体および非修飾bPEI-25/DNA複合体を陽性対照として使用した。これらの対照を最適なN/P比(即ち、非修飾bPEI-2についてはN/P 40、非修飾bPEI-25についてはN/P 10)で調製し、これらは、高い遺伝子発現効率を誘導したが、50%に近いかまたは50%を超える細胞生存度を提供した。データを、4回反復の平均値±標準偏差として表した。
【0120】
ルシフェラーゼ発現結果
図14は、N/P 10〜40での、選択した修飾bPEI-2ポリマーのルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体によって媒介されたSK-OV-3細胞におけるルシフェラーゼ発現レベルを比較する棒グラフである。P7〜P10(MTC-C2を使用してのbPEI-2の第1級アミン基の10%、20%、40%および100%の修飾レベル)を比較すると、修飾bPEI-2ポリマーのルシフェラーゼ発現レベルは、100%(P10)以外の各レベルで非修飾bPEI-2対照のそれを超え、100%(P10)では、発現レベルは、非修飾bPEI-2対照よりも2〜4桁低かった。修飾レベル10%ではアルキルエステルの鎖長は、発現レベルに対してほとんど影響を有しなかった(エチル、オクチル、およびドデシルエステル基をそれぞれ有する、P7、P1、およびP2を比較)。MTC-C2(エチルエステル)を使用する修飾レベルを10%から100%(P7からP10)へと増加させると、40%を超える修飾で、ルシフェラーゼ発現レベルの急激な減少が生じた。エステル鎖の末端へのフェニル尿素基の付加(P3、P4およびP5)は、非尿素相当物(P7、P1およびP2)と比較してルシフェラーゼ発現レベルを高めた。P3およびP4は、N/P 40で約10
9.5 RLU/mgタンパク質の最高発現レベルを達成し、これは、対照である非修飾bPEI-2複合体について得られた発現レベルよりも約10倍高い。10%および40%修飾レベルでのMTC-Bn修飾bPEI-2(それぞれ、P6およびP13)も高いルシフェラーゼ発現レベルを有した。他方で、10%および40%修飾レベルでのTMC修飾bPEI-2(それぞれ、P11およびP14)は、非修飾bPEI-2と匹敵するかまたは非修飾bPEI-2よりも低い発現レベルを有した。10%修飾レベルでのクロロギ酸ブチル(BCF)修飾bPEI-2(P12)も、環状カーボネート修飾bPEI-2ポリマーと比較して一般的により低いルシフェラーゼ発現レベルを有した。
【0121】
まとめると、一般に、環状カーボネートによる修飾は、非環状カーボネートであるクロロギ酸ブチルによる修飾よりも高い発現レベルをもたらした。10%〜50%、より特には10%〜40%の修飾レベルが、環状カーボネートを使用する100%修飾レベルよりも好ましかった。場合によっては、発現レベルは、1桁を超えて非修飾bPEI-2を上回った。
【0122】
同様の傾向がHepG2細胞株において観察された(
図15)。この細胞株において、P7、P8、P9、P3、およびP6が特に好ましく、非修飾bPEI-2と比較して約1〜1.5桁より高いルシフェラーゼ発現レベルを達成した。第1級アミン基の約40%よりも高いMTC-C2修飾レベルは、より低いルシフェラーゼ発現レベルをもたらした。
【0123】
細胞毒性試験
SK-OV-3およびHepG2細胞に対して標準MTTアッセイプロトコルを使用して、ポリマー/DNA複合体の細胞毒性を研究した。ルシフェラーゼプラスミドを複合体の形成および両細胞株の処理のために使用した。
【0124】
HepG2およびSK-OV-3細胞を、それぞれ、1ウェル当たり10000細胞、5000および16000細胞の密度で96ウェルプレート上へ播種し、60%〜70%コンフルエンシーまで増殖させ、その後、処理した。様々なN/P比でのポリマー/DNAまたはポリマー/siRNA複合体を、上述したように水中において調製した。次いで、各ウェル中の細胞を、37℃で4時間、ポリマー/核酸複合体10マイクロリットルおよび新鮮な培地100マイクロリットルから構成された増殖培地と共にインキュベートした。インキュベーション後、培地を新鮮な増殖培地で置き換え、さらに68時間インキュベートした。続いて、増殖培地100マイクロリットルおよびMTT溶液(PBS中5 mg/mL)20マイクロリットルを次いで各ウェルへ添加し、細胞を37℃で4時間インキュベートした。各ウェル中で形成されたホルマザン結晶を、増殖培地の除去時に、DMSO 150マイクロリットルを使用して可溶化した。次いで、各ウェルからのアリコート100マイクロリットルを新しい96ウェルプレートへ移し、550 nmおよび690 nmの波長でマイクロプレート分光光度計を使用して吸光度を測定した。相対的細胞生存度を[(A
550-A
690)サンプル/(A
550-A
690)対照]×100%として表した。データを、1つのN/P比につき少なくとも8回反復の平均値±標準偏差として表した。
【0125】
細胞毒性結果
図16は、N/P比10〜40での修飾bPEI-2ポリマーの様々なルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体とのインキュベーション後のSK-OV-3細胞の生存度を示す棒グラフである。N/P 40での非修飾bPEI-2ポリマーのみについての細胞生存度も示す。一般に、所定の環状カーボネートシリーズ内で、N/P比が増加すると、各修飾bPEI-2ポリマー複合体の細胞毒性は増加した。それにもかかわらず、SK-OV-3細胞生存度は、P2(MTC-C12を使用する10%修飾レベル)およびP4(MTC-PUC8を使用する10%修飾レベル)以外は、各分岐ポリアミンについて約80%超のままであった。
【0126】
図17は、N/P比10〜40での修飾bPEI-2ポリマーの様々なルシフェラーゼレポーター遺伝子複合体とのインキュベーション後のHepG2細胞の生存度を示す棒グラフである。N/P 40での非修飾bPEI-2ポリマーのみについての細胞生存度も示す。上記のSK-OV-3細胞と同様に、所定の環状カーボネートシリーズ内で、N/P比が増加すると、各修飾bPEI-2ポリマー複合体の細胞毒性は増加した。ここで、SK-OV-3細胞生存度は、P11(TMCでの10%修飾レベル)以外は、各ポリマーについてN/P 10〜40で約80%超のままであった。
【0127】
GFPトランスフェクション効率
緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター遺伝子のインビトロ遺伝子トランスフェクション効率を、SK-OV-3細胞およびHepG2細胞を使用して調べた。SK-OV-3細胞およびHepG2細胞を、GFP遺伝子送達のために8×10
4細胞/500マイクロリットル/ウェルの密度で24ウェルプレート上へ播種した。24時間後、プレーティング培地を新鮮な増殖培地で置き換え、続いて、様々なN/P比での複合体溶液100マイクロリットル(GFPプラスミドDNA 3.5マイクログラムを含有する)を滴下した。4時間のインキュベーション後、各ウェル中の培地を置き換えることによって、遊離複合体を除去した。さらに68時間インキュベーションをした後、各ウェル中の細胞培養培地を除去し、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、pH 7.4)0.5 mLで1回リンスした。
【0128】
GFPタンパク質発現分析のために、トリプシン0.3 mLを添加し、各ウェル中の細胞を分離した。新鮮な増殖培地(0.3 mL)を次いで添加し、細胞懸濁液を5分間1500 rpmで遠心分離した。再懸濁および遠心分離の2回のさらなる細胞洗浄サイクルをFACSバッファー(2%ウシ血清アルブミンが補われたPBS)中において行った。次いで、GFPを発現する細胞のパーセンテージを、10000事象からフローサイトメーター(FACSCalibur, BD Biosciences, USA)を使用して測定し、三つ組の平均値±標準偏差として報告した。
【0129】
図18は、SK-OV-3細胞における、様々なN/P比での修飾bPEI-2ポリマーP3、P6、P7、およびP9のインビトロGFP遺伝子トランスフェクション効率を比較する棒グラフである。対照は、未処理細胞、GFP遺伝子単独、非修飾bPEI-2、および非修飾bPEI-25を含んだ。非修飾bPEI-2は、N/P 40で約1.7%のピーク効率を有し、一方、非修飾bPEI-25は、N/P 20で約80%のピーク効率を有した。P3およびP6は、N/P 40で約6.2%のピーク効率を有した。
【0130】
図19は、HepG2細胞における、様々なN/P比での3つの修飾bPEI-2ポリマーP6、P7、およびP9のインビトロGFP遺伝子トランスフェクション効率を比較する棒グラフである。対照は、未処理細胞、GFP遺伝子単独、非修飾bPEI-2、および非修飾bPEI-25を含んだ。非修飾bPEI-2、P6およびP7は、N/P 40で1%未満のピーク効率を有し、一方、非修飾bPEI-25は、N/P 20で約24%のピーク効率を有した。P9は、N/P 40で約1.5%のピーク効率を有した。
【0131】
まとめ
場合によっては、bPEI-2の1つの第1級アミン基の平均修飾が、低い細胞毒性を維持しながら、SK-OV-3およびHepG2細胞においてルシフェラーゼ発現レベルを約10倍増加させるために十分であった。修飾bPEI-2ポリマーの高いトランスフェクション効率は、非修飾bPEI-2の第1級アミン基のうち約10%〜約40%が修飾された場合に生じた。修飾bPEIポリマーの細胞生存度は80%よりも大きかった。芳香環および/または尿素基を有するペンダントエステルを有する環状カーボネートモノマーは、最も高い遺伝子発現レベルを示した。
【0132】
修飾bPEI-2ポリマーは、多種多様の修飾基を使用して試験細胞タイプの各々へ送達することができる、ロバストな遺伝子トランスフェクション剤である。トランスフェクション効率は、HepG2およびSK-OV-3細胞株の両方においてプラス方向に改善された。
【0133】
特に、非荷電カルバメート基のみを有する修飾bPEI-2ポリマーを用いて、改善されたトランスフェクション効率が得られた。修飾bPEIポリマーのいずれも第4級アミンを含有しなかった。
【0134】
修飾bPEI-2ポリマーはまた、タンパク質および/または薬物についての送達ビヒクルとして使用することができる。
【0135】
本明細書において使用される用語は、単に特定の態様を説明する目的のためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでない場合を示していない限り、同様に複数形を含むように意図される。用語「含む(comprises)」および/または「含むこと(comprising)」は、本明細書において使用される場合、記載の特徴、整数、ステップ、操作、要素および/または成分の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、成分、および/またはそれらのグループについての存在または追加を排除するものではないことが、さらに理解されるであろう。2つの数的限界XおよびYを使用して可能性のある値を表すために範囲(例えば、X ppm〜Y ppmの濃度)が使用される場合、特に指定のない限り、値は、X、Y、またはXとYの間の任意の数であり得る。
【0136】
本発明の説明は、例示および説明を目的として提示されたが、網羅的であるようにも、開示される形態の本発明に限定されるようにも意図されない。本発明の範囲を逸脱することなく、多くの修飾および改変が当業者に明らかであろう。本発明の原理およびそれらの実際の適用を最もよく説明し、当業者が本発明を理解することを可能にするために、態様を選択し、説明した。