(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276286
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】コンパニオンアニマルのための老化防止の食品
(51)【国際特許分類】
A61K 35/57 20150101AFI20180129BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20180129BHJP
A61K 36/48 20060101ALI20180129BHJP
A61K 36/81 20060101ALI20180129BHJP
A61K 36/31 20060101ALI20180129BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20180129BHJP
A23K 20/00 20160101ALI20180129BHJP
A23K 10/37 20160101ALI20180129BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20180129BHJP
A23K 10/26 20160101ALI20180129BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20180129BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20180129BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20180129BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20180129BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20180129BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20180129BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
A61K35/57
A61K36/899
A61K36/48
A61K36/81
A61K36/31
A23K50/40
A23K20/00
A23K10/37
A23K10/30
A23K10/26
A61P3/00 171
A61P3/04
A61P3/06
A61P13/12
A61P31/04
A61P31/12 171
A61P29/00
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-544049(P2015-544049)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-537041(P2015-537041A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2012069611
(87)【国際公開番号】WO2014092717
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年5月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502329223
【氏名又は名称】ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ジュエル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ブロックマン
【審査官】
岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/103750(WO,A1)
【文献】
特開平10−114674(JP,A)
【文献】
特開平10−248508(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/077929(WO,A1)
【文献】
特表2009−523462(JP,A)
【文献】
特開2006−328056(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/011472(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/087769(WO,A1)
【文献】
実用新案登録第3179919(JP,Y2)
【文献】
特開平11−199497(JP,A)
【文献】
特開昭63−216822(JP,A)
【文献】
特開2007−269631(JP,A)
【文献】
特開2003−095930(JP,A)
【文献】
特開2012−163572(JP,A)
【文献】
Mol Nutr Food Res.,2012年 3月,56(3),417-24
【文献】
International Journal of Food Science and Technology,2009年,44,1263-71
【文献】
Nutr Care,2011年,4(6),618-9
【文献】
J Am Coll Nutr,2007年,26(2),182-9
【文献】
J Anim Physiol Anim Nutr,2008年,92(6),683-93
【文献】
Am J Vet Res,2003年,64(3),310-5
【文献】
フードリサーチ,2001年,2(170),24-8
【文献】
J Pharmacol Exp Ther,2001年,299(2),442-8
【文献】
J Sci Food Agric,2012年 8月,92(11),2349-57
【文献】
J Am Diet Assoc,2010年,110(2),205-14
【文献】
Food Chem,2001年,72(1),73-8
【文献】
日本栄養・食糧学会大会講演要旨集,2011年,65,121,2G-11p
【文献】
Nahrung,1998年,42(5),317-20
【文献】
J Nutr Biochem,2012年 5月,23(5),494-500
【文献】
日本栄養・食糧学会大会要旨集,2012年 4月,66,124,2I-01p
【文献】
J Nutr Biochem,2012年 5月,23(12),1732-9
【文献】
Intensivist,2012年 4月,4(2),365-9
【文献】
BBRC,1998年,250(2),506-10
【文献】
Drug Metab Dispos,1997年,25(1),116-22
【文献】
Nagoya J Med Sci,2010年,72(1-2),1-11
【文献】
Am J Med Sci,2010年,339(2),157-63
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/57
A23K 10/26
A23K 10/30
A23K 10/37
A23K 20/00
A23K 50/40
A61K 36/31
A61K 36/48
A61K 36/81
A61K 36/899
A61P 3/00
A61P 3/04
A61P 3/06
A61P 13/12
A61P 29/00
A61P 31/04
A61P 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする、ヒト以外の動物における加齢症状を治療または防止する方法であって、治療または防止が、肥満症の減少と、p−クレゾール血液レベルの減少、及び、硫酸3−インドキシル血液レベルの減少の少なくとも一方とによって証拠づけられ、
該方法は、動物に、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、10%〜45%の量のタンパク質原料、8%〜40%の量の炭水化物原料、および1.9%〜10%の量の野菜原料を含有する組成物の効果的量を与えることを含み、この組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、タンパク質を重量で25%〜50%、炭水化物を重量で10%〜50%、脂肪を重量で10%〜35%含有し、
前記の治療または防止が、腸健康状態の改善をもたらし、
該タンパク質原料が、チキンと、エンドウタンパク質コンセントレートと、コーングルテンミールとの組合せであり、
該炭水化物原料が、玄米と、オートグロートとの組合せであり、
該野菜原料が、トマト絞り滓とブロッコリー粉末との組合せからなり、
組成物がチキンを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%〜25%の量で含有し、
ヒト以外の動物が、成体のネコ科の動物、または老齢のネコ科の動物である方法。
【請求項2】
必要とする、ヒト以外の動物における加齢症状を治療または防止する方法であって、治療または防止が、肥満症の減少と、p−クレゾール血液レベルの減少、及び、硫酸3−インドキシル血液レベルの減少の少なくとも一方とによって証拠づけられ、
該方法は、動物に、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、10%〜45%の量のタンパク質原料、8%〜40%の量の炭水化物原料、および1.9%〜10%の量の野菜原料を含有する組成物の効果的量を与えることを含み、この組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、タンパク質を重量で15%〜50%、炭水化物を重量で10%〜50%、脂肪を重量で10%〜35%含有し、
前記の治療または防止が、腸健康状態の改善をもたらし、
該タンパク質原料が、チキンと、エンドウタンパク質コンセントレートと、コーングルテンミールとの組合せであり、
該炭水化物原料が、玄米と、オートグロートとの組合せであり、
該野菜原料が、トマト絞り滓とブロッコリー粉末との組合せからなり、
組成物がチキンを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%〜25%の量で含有し、
ヒト以外の動物が、成体のイヌ科の動物、または老齢のイヌ科の動物である方法。
【請求項3】
必要とする、ヒト以外の動物における加齢症状を治療または防止する組成物であって、治療または防止が、肥満症の減少と、p−クレゾール血液レベルの減少、及び、硫酸3−インドキシル血液レベルの減少の少なくとも一方とによって証拠づけられ、
該組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、10%〜45%の量のタンパク質原料、8%〜40%の量の炭水化物原料、および1.9%〜10%の量の野菜原料を含有し、
該組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、タンパク質を重量で25%〜50%、炭水化物を重量で10%〜50%、脂肪を重量で10%〜35%含有し、
前記の治療または防止が、腸健康状態の改善をもたらし、
該タンパク質原料が、チキンと、エンドウタンパク質コンセントレートと、コーングルテンミールとの組合せであり、
該炭水化物原料が、玄米と、オートグロートとの組合せであり、
該野菜原料が、トマト絞り滓とブロッコリー粉末との組合せからなり、
組成物がチキンを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%〜25%の量で含有し、
ヒト以外の動物が、成体のネコ科の動物、または老齢のネコ科の動物である組成物。
【請求項4】
必要とする、ヒト以外の動物における加齢症状を治療または防止する組成物であって、治療または防止が、肥満症の減少と、クレアチニン血液レベルの減少、p−クレゾール血液レベルの減少、及び、硫酸3−インドキシル血液レベルの減少の少なくとも一方とによって証拠づけられ、
該組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、10%〜45%の量のタンパク質原料、8%〜40%の量の炭水化物原料、および1.9%〜10%の量の野菜原料を含有し、
該組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて、タンパク質を重量で15%〜50%、炭水化物を重量で10%〜50%、脂肪を重量で10%〜35%含有し、
前記の治療または防止が、腸健康状態の改善をもたらし、
該タンパク質原料が、チキンと、エンドウタンパク質コンセントレートと、コーングルテンミールとの組合せであり、
該炭水化物原料が、玄米と、オートグロートとの組合せであり、
該野菜原料が、トマト絞り滓とブロッコリー粉末との組合せからなり、
組成物がチキンを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%〜25%の量で含有し、
ヒト以外の動物が、成体のイヌ科の動物、または老齢のイヌ科の動物である組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
老化は、死の確率の増加として規定される。しかしながら、老化は、それ自体、医学的な状態でなく、自然の過程である。老化は定義的には、いつかは起こる生理的低下を伴うが、進行の速度とこの過程の結果は動物属および種の間並びに動物種の個々の個体間でさえ必ずしも均一であるというわけではないことが容易に観察され得る。生理的低下の速度および個々の老齢コンパニオンアニマルの全体的な健康状態は、不明確な遺伝子の決定因子だけでなく、環境因子の影響を反映しているようにも見える。
【0002】
動物は、年齢関連性であるように見え、かつその年齢の全体的な健康や個々の動物の寿命に個別にかつ全体的に影響を与える、1以上の病気に苦しんでいるかもしれない。動物は「健康的な老化(healthy aging)」で死ぬのではなくて、むしろこれらの年齢関連性病気により死ぬと暗示された。ネコ科の動物の年齢関連性状態の実例は、特に、筋タンパク質の劣化、軟骨の劣化、体脂肪の蓄積および/または除脂肪体重の減少、腎臓健康状態の劣化、厄介な不適当または過度の炎症反応、消化管の健康状態および酸化損傷を包含する。
【0003】
従って、年齢関連状態の治療および改善のための組成物と方法が必要であり、それが「健康的な加齢」をサポートし、治療された動物に、より健康的なおよび/またはより長い寿命を提供する。
【0004】
[発明の概要]
本発明の適用性の更なる領域は、以下の詳しい説明から明らかになる。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい態様を示しているが、説明のためだけを意図し、本発明の範囲を制限することを意図しない、ことを理解すべきである。
【0005】
本発明は、必要とするコンパニオンアニマルにおいて年齢関連性状態の防止および治療のための組成物および方法を包含する。
【0006】
必要とする動物における年齢関連性状態を治療または防止する方法は、タンパク質原料、炭水化物原料および野菜原料またはそれらの2以上の組合せの少なくとも1つを含有する組成物の効果的量を動物に投与することを含有する。この方法では、タンパク質原料はチキン、「エンドウタンパク質コンセントレート」、コーングルテンミールとそれらの組合せからなる群から選択される。炭水化物原料は玄米、オートグロートおよびそれらの組合せからなる群から選択され、かつ野菜原料はビートパルプ、トマト絞り滓、ブロッコリー粉末およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0007】
方法の1つの態様では、年齢関連性状態は不適当な免疫応答および/または炎症、胃腸疾患、障害があるおよび/または最適状態に及ばない消化管機能、体脂肪の増大、除脂肪体重の減少、腎臓健康状態の減少、酸化損傷またはそれらの2以上の組合せの1つである。
【0008】
他の態様では、動物はコンパニオンアニマルである。この態様の1つの側面に、コンパニオンアニマルはイヌ科の動物であるが、べつの態様ではコンパニオンアニマルはネコ科の動物である。
【0009】
上記方法の他の態様では、投与される組成物は、成体のコンパニオンアニマルのための栄養的に完全な食餌である。この態様の1つの側面では、投与される組成物は成体のイヌ科の動物のための栄養的に完全な食餌であるが、他に投与される組成物が成体のネコ科の動物のための栄養的に完全な食餌である。
【0010】
方法の別の態様では、投与された組成物は老齢のコンパニオンアニマルのための栄養的に完全な食餌である。この態様の1つの側面では、投与された組成物は老齢のイヌ科の動物のための栄養的に完全な食餌であるが、別の態様では投与された組成物が老齢のネコ科の動物のための栄養的に完全な食餌である。
【0011】
特定の態様では、上記方法の実施は、治療された動物において、除脂肪体重、腸健康状態、消化健康状態、腎臓健康状態、免疫系機能、炎症、酸化防衛または組合せのそれらの2以上の少なくとも1つの改善をもたらす。特定の側面では、防止または治療方法は治療された動物において脂肪症の減少、除脂肪体重の増大、8−ヒドロキシグアノシンのレベルの減少、L−カルニチンの循環レベルの増加、循環酸化型グルタチオンのレベルの減少、循環硫酸p−クレゾール蓄積のレベルの減少、循環硫酸3−イノキシサルフェートのレベルの減少またはそれらの2以上の組合せの少なくとも1つをもたらす。
【0012】
本発明はまた、必要とする動物において年齢関連状態を治療または防止するための組成物であって、その組成物がタンパク質原料、炭水化物原料、野菜原料またはそれらの2以上の組合せを含有するものを包含する。この態様では、タンパク質原料はチキン、「エンドウタンパク質コンセントレート」、コーングルテンミールおよびそれらの組合せからなる群から選択され、炭水化物原料は玄米、オートグロートおよびそれらの組合せからなる群から選択され、かつ野菜原料はビートパルプ、トマト絞り滓、ブロッコリー粉末およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0013】
ある種の態様では、本発明の組成物は、成体のコンパニオンアニマルのための栄養的に完全な食餌である。この態様の特定の側面では、組成物はイヌ科の動物のための栄養的に完全な食餌であるが、他の側面では組成物はネコ科の動物のための栄養的に完全な食餌である。
【0014】
本発明の適用性の更なる領域は、以下の詳しい説明から明らかになる。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい態様を示しているが、説明のためだけを意図し、本発明の範囲を制限することを意図しない、ことを理解すべきである。
【0015】
[発明の詳細な説明]
好ましい態様の以下の記載は、本質的に単なる説明であり、本発明、その用途および使用に限定することを意図しない。
【0016】
本発明は、必要とするコンパニオンアニマルにおいて年齢関連状態を治療または防止するための組成物および方法に関する。その効果的量が本発明の方法で投与される本発明の組成物は、タンパク質原料、炭水化物原料、野菜原料またはそれらの2以上の組合せの少なくとも1つを包含し、そのタンパク質原料はチキン、エンドウタンパク質コンセントレート、コーングルテンミールおよびそれらの組合せからなる群から選択され、炭水化物原料が玄米、オートグロートおよびそれらの組合せからなる群から選択され、野菜原料はビートパルプ、トマト絞り滓、ブロッコリー粉末およびそれらの組合せからなる群から選択されるものを包含する。
【0017】
[定義]
別途規定されない限り、本明細書で用いられるすべての技術的かつ科学的用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で記載されたものと同様または等しい方法および材料が本発明の実施またはテストにおいて使用され得るが、好ましい方法、装置および材料はここに記載される。本明細書に記載のすべての出版物は、出版物で報告され、本発明に関して使用され得る材料および方法を記載および開示する目的で参照によって導入される。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用する単数形「a」、「an」および「the」は、明細書中で別途明確に記載しない限り、複数も含む。
【0019】
本明細書で使用される「動物」という用語はコンパニオンアニマルを意味する。1つの特定の側面では、動物は犬であり、他の態様では動物は猫である。
【0020】
本発明によれば、「必要とする動物」というフレーズは、年齢関連状態の治療、防止またはコントロールを必要とするコンパニオンアニマルを意味する。そのような動物は、現在症状を示していることがわかっている動物または年齢関連性状態で苦しんでいることがわかっている動物、並びに、年齢関連性状態になるリスクにあることがわかっている動物または同様のリスクにあることが予想される動物を包含する。年齢関連性状態になるリスクがあることがわかっている動物または同様のリスクにあることが予想される動物は、例えば、密接に関連した属、種やそれらのサブグループのメンバーと比較して、1以上の年齢関連性状態の高い確率を有する1以上の遺伝的決定因子を有することが知られているまたは予想される種またはサブグループのメンバーまたはその発症初期兆候またはレートを有することが知られているまたは予想される種またはサブグループのメンバーを包含する。
【0021】
本明細書に用いられる用語「防止」は、例えば、必要とする動物によって年齢関連性状態の発症または進行を完全にまたはほぼ完全に止めること並びに実質的に減少することを意味する。
【0022】
本明細書で用いられる用語「治療」は、本明細書で開示される方法を必要とする動物の年齢関連性状態の発症を治す、抑制する、抑えること、その症状または影響を改善するまたはその症状または影響を軽減するまたは軽減させることを意味する。従って、用語「防止」、「治療」および「制御」は、本発明の範囲を限定する意図は無く、互いに区別されるけれどもこれらの用語には重複部分があり得ることを認識しなければならない。
【0023】
本発明で使用される用語「コンパニオンアニマル」は、人間によるペットとして保たれるために適切な人間以外の動物、例えば犬、猫、ウサギおよびげっ歯類を包含するが、これらに限定されない。本発明の特定の態様は、犬および/または猫の治療の配合および方法である。1つの特定の側面では、本発明は猫の治療の配合および方法に関する。
【0024】
「犬」という用語は、コンパニオンアニマル(例えば、カニスファミリアリス(Canis familiaris)、作業犬など)である犬を包含する。犬という用語は、イヌ科の動物という用語と同意義である。
【0025】
「猫」という用語は、飼いならされた猫またはハウス猫またはフェリスドメスチカス(Felis domesticus)として知られたコンパニオンアニマルである猫を包含する。猫という用語は、ネコ科の動物という用語と同意義である。
【0026】
本明細書で使用される「効果的量」、「効果量」等の用語は、特定の生物学的結果(すなわち、年齢関連性状態の防止、治療または改善)を達成するのに効果的であり得る、本明細書に記載される材料または組成物の量を意味する。特定の態様では、本発明の組成物の効果的量の投与は、治療された動物における年齢関連性状態またはその1以上の影響または徴候を防止、治療または改善するのに十分な時間行われる。特定の態様では、上記方法は本明細書で開示される防止および治療を必要とする人間以外の動物の所有者に許容されるレベルに治療された動物において、年齢関連性状態またはそれらの1以上の影響を防止、治療または改善するのに十分な時間、本発明の組成物を投与および消費することを含有する。効果的量はいくつかの要因、例えば、動物の理想の重量、動物の年齢、性別および活動性、組成物の代謝エネルギーおよび本発明の組成物を供給する頻度(例えば、一日に一度、二度または三度)、並びに動物に供給する他の組成物に基づいてもよい。
【0027】
「食品(またはフード)」、「食品(またはフード)組成物」または「ペットフード組成物」は、本発明のある態様では、意図されたレシピエント動物(例えばコンパニオンアニマル、例えば飼いならされた猫または飼いならされた犬)のための栄養的に完全な食餌であり得る。
【0028】
本明細書で使用される「成分」は、組成物のいずれかの成分を意味する。
【0029】
「栄養素」という用語は、栄養を提供する物質を意味する。ある場合には、成分が1より多い「栄養素」を含有してもよく、例えば組成物は、タンパク質および炭水化物の両方を含む重要な栄養素を含有すコーンを含有してもよい。
【0030】
本明細書で意図されるように、本発明の組成物は栄養的に完全でかつバランスのよいアニマルフード組成物を包含することを意味するが、これに限定されない。「栄養的に完全な食餌」は、食餌で健康的な動物の通常の健康状態を維持するために十分な栄養素を包含する食餌である。例えば、コンパニオンのネコ科の動物およびイヌ科の動物のための栄養的に完全でバランスのよいペットフード組成物は、当業者によく知られている。例えば、栄養的に完全でバランスのよい動物飼料組成物のために適切な物質、例えば栄養素および成分、およびそれらの推薦量は、例えばザ・アソシエーション・オブ・アメリカン・フィード・コントロール・オフィシャルズ社(The Association of American Feed Control Officials,Inc.(AAFCO))、ジョージア州アトランタ、(2012)のオフィシャルパブリケーションにみられ得る。
【0031】
本明細書で使用される用語「補助食品」は、動物の食餌全体の栄養のバランスまたは性能を改善するために別の飼料で使用される飼料を含むが、これに限定されるものでない。補助食品は、他の飼料の補助として生のまま供給され、別途入手可能な動物の飼料の他の部分との自由選択として供給され、または動物の規則的な飼料と希釈および混合して、完全な飼料を得る組成物を含むが、これらに限定されるものではない。AAFCOガイドラインは、例えば、アソシエーション・オブ・アメリカン・フィード・コントロール・オフィシャルズ社(AAFCO)、ジョージア州アトランタ(2012)のオフィシャルパブリケーション中に補助食品に関する議論を含む。補助食品は、例えば、粉体、液体、シロップ、錠剤、カプセル化された組成物などを包含するいろいろな形態であってもよい
【0032】
「生理活性食事成分」(Bioactive Dietary Components:BDCs)は、アミノ酸、シンプルおよびコンプレックスシュガー、ビタミン、コファクター、抗酸化剤、オメガ−3脂肪酸、種々の植物性調剤等を包含してもよい。ある種の材料は、既知または未知にかかわらず、材料の生理活性の効果に加算的にまたは相乗作用で寄与してもよい1以上の生理活性成分を含み得るBDCsと考えられ得る。
【0033】
老化は、死の確率を増大する組織機構および機能における進行性の退化的変化によって特徴づけられる動物の自然のプロセスである。自然の加齢プロセスと付随するものは、年齢関連性状態、発病年齢、発症および進行速度であり、それらは遺伝的成分および環境成分の両方を有している。従って、年齢関連性状態は、同じ族および種のより若い動物と少なくとも比較して、より年老いた高齢の動物に観察され付随するそれらの状態を包含する。年齢関連の状態の例示的で非限定的な例は、筋タンパク質の劣化、軟骨の劣化、体脂肪の蓄積および/または除脂肪体重の減少の蓄積、腎臓健康状態の劣化、厄介なで不適当なまたは過度の炎症性反応、消化管の健康状態および酸化損傷を包含する。そのような年齢関連性状態の発病年齢、発症および進行の速度は、実質的には同じ種のメンバーの間で変化しうる。
【0034】
組成物と配合
上記方法の適用は、組み合わせて、動物、例えば、コンパニオンアニマル、具体的にイヌ科の動物およびネコ科の動物、および特定の態様では、飼い猫に高い老化防止利益を提供する組成物、食品および食餌を提供する生理活性食餌成分を確認した。必要とする動物に投与されるとき、これらの組成物、食品および食餌が治療された身体組成を改善し、腎機能を向上し、有毒な代謝物質の循環レベルを減少させ、動物の酸化状態を改善することが観察される。これらの研究は、3つのタンパク質原料(チキン、エンドウタンパク質コンセントレートおよびコーングルテンミール)を、動物、例えばイヌ科の動物および特に、ネコ科の動物に年齢関連状態の防止および/または治療のための本明細書に記載された方法で投与される組成物で、有用であると確認した。また、これらの研究は、2つの炭水化物原料(玄米およびオートグロート)並びに特定の野菜(ビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末)が本発明の方法において投与される組成物に有用であると確認した。
【0035】
従って、必要とする動物における年齢関連状態の防止および/または治療のために本明細書で記載された方法において投与される本発明の組成物は、タンパク質原料、炭水化物原料、野菜原料またはそれらの2以上組合せを含有する。タンパク質原料はチキン、エンドウタンパク質コンセントレート、コーングルテンミールおよびそれらの組合せからなる群から選択され、炭水化物原料は玄米、オートグロートおよびそれらの組合せからなる群から選択される。野菜原料はビートパルプ、トマト絞り滓、ブロッコリー粉末およびそれらの組合せからなるグループから選択される。
【0036】
本発明の特定の態様は、必要とする動物に投与されるとき、特定の老化防止効果を与える組成物および配合を提供する成分として、これらの生理活性食餌成分の混合物に関する。
【0037】
これらの態様の1つの側面では、組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%〜25%の量でチキンを含有する。
【0038】
別の側面では、組成物は「エンドウタンパク質コンセントレート」を乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて10%〜45%の量で含有する。
【0039】
別の側面では、組成物はコーングルテンミールを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて10%〜45%の量で含有する。
【0040】
別の側面では、本発明の組成物は玄米(brown rice)を乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて8%〜40%の量で含有する。
【0041】
別の側面では、本発明の組成物はオートグロートを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて8%〜40%の量で含有する。
【0042】
これらの態様のさらに別の側面では、組成物は示された野菜、ビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末の一つ以上を乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて1.9%〜10%の量で含有する。
【0043】
ある種の態様では、本発明の組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%または25%の量でチキンを含有する。これらの態様の特定の側面では、本発明の組成物は、チキンをこれらのいずれか2つの値を端点として定義する範囲内の乾燥重量で含有してもよい。
【0044】
ある種の態様では、本発明の組成物は、エンドウタンパク質コンセントレートを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%の量で含有する。これらの態様の特定の側面では、本発明の組成物は、エンドウタンパク質コンセントレートをこれらのいずれか2つの値を端点として定義する範囲内の乾燥重量で含有してもよい。
【0045】
ある種の態様では、本発明の組成物は、コーングルテンミールを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%の量で含有する。これらの態様の特定の側面では、本発明の組成物は、コーングルテンミールをこれらのいずれか2つの値を端点として定義する範囲内の乾燥重量で含有してもよい。
【0046】
ある種の態様では、本発明の組成物は、玄米を乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて8%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%の量で含有する。これらの態様の特定の側面では、本発明の組成物は、玄米をこれらのいずれか2つの値を端点として定義する範囲内の乾燥重量で含有してもよい。
【0047】
ある種の態様では、本発明の組成物は、オートグロートを乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて8%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%で含有する。これらの態様の特定の側面では、本発明の組成物は、オートグロートをこれらのいずれか2つの値を端点として定義する範囲内の乾燥重量で含有してもよい。
【0048】
これらの態様のさらに別の側面では、本発明の組成物は、示された野菜、ビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末の一つ以上を乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて1.9%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%の量で含有する。これらの態様の特定の側面では、本発明の組成物は、ビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末の一つ以上を含有する野菜をこれらのいずれか2つの値を端点として定義する範囲内の乾燥重量で含有してもよい。
【0049】
この態様の他の側面では、食品は成体のコンパニオンアニマル(例えば、成体のイヌ科の動物または成体のネコ科の動物コンパニオンアニマル)のための栄養的に完全な食餌である。特定の側面では、食品は成体のコンパニオン・ネコ科の動物のために調製される栄養的に完全な食餌である。
【0050】
この態様の他の側面では、食品は老齢のコンパニオンアニマル(例えば、老齢のイヌ科の動物または成体のネコ科の動物コンパニオンアニマル)のための栄養的に完全な食餌である。特定の側面では、食品は、老齢のコンパニオン・ネコ科の動物のために調製される栄養的に完全な食餌である。
【0051】
本発明の組成物は、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて10%〜75%の量でタンパク質を、乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて5%〜50%の量で脂肪を、および乾燥材料基準で組成物の総重量に基づいて8%〜75%の量で炭水化物を含有し得る食品組成物を包含し、その食品組成物は動物によって消費されるのが適切であり、その組成物はそれを必要とする動物において年齢関連状態の防止および/または治療のために効果的である。
【0052】
本発明の方法で投与される本発明の組成物は、ある態様では、栄養的にバランスのよいおよび/または栄養的に完全なアニマルフード製品または食餌であるアニマルフード組成物として配合されてもよい。他の態様では、組成物は、栄養補給、トリートまたはトイとして配合または調製される。
【0053】
例えば、本発明の栄養的に完全でバランスのよいキャットフード組成物は、タンパク質を重量で10%〜90%、15%〜75%、20%〜60%;タンパク質を重量で25%〜50%;および炭水化物を重量で8%〜75%、10%〜60%および5%〜50%;脂肪を重量で2%〜60%、5%〜50%および10%〜35%含有してもよい。組成物は、更に動物の栄養的なニーズをサポートするビタミン(例えば、ビタミンE)およびミネラル、抗酸化剤および他の栄養素(例えば、アミノ酸(例えば、メチオニン、DL−メチオニンおよびL−メチオニン))を0〜15重量%または2%〜8重量%の量で含有してもよい。
【0054】
例えば、本発明の栄養的に完全でバランスのよいドッグフード組成物は、タンパク質4%〜90%、5%〜75%、10%〜60およびタンパク質15%〜50%;炭水化物0%〜90%、2%〜80%、5%〜75%、および10%〜50%;および脂肪2%〜60%、5%〜50%および10%〜35%(全て重量%)含有してもよい。組成物は更に動物の栄養的なニーズをサポートするビタミンおよびミネラル、抗酸化剤および他の栄養素を0〜15%または2〜8%(重量%)を含んでもよい。
【0055】
本発明の組成物、特に請求項に記載された方法で投与される本発明の食品に配合するのに好適なタンパク質原料、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル、バランス剤等は、当業者に既知の従来の材料の中から選択されてもよい。
【0056】
本発明の食品組成物の成分として有用なタンパク質は、チキン、エンドウタンパク質コンセントレートおよびコーングルテンミールの1以上に加えて、例えば、動物原料からのタンパク質(例えば、食肉タンパク質単離物、ホエータンパク質単離物、それらの混合物等)ならびに野菜原料(例えば、大豆タンパク質単離物、コーン、小麦グルテン、それらの混合物等)を包含するいずれの原料からであってもよい。タンパク質の付加的な原料は、以下の一つ以上:動物タンパク質、例えば哺乳類、鳥類のタンパク質、爬虫類、両生類、魚、無脊椎動物タンパク質およびそれらの組合せ;例えば、牛、羊、ブタ、ヤギ、鹿、ウサギ、馬、カンガルー、それらのミルク、凝乳、ホエーまたは血液および内部組織および器官(例えば、平滑筋、線状筋肉(striate muscle)、肝臓、腎臓、腸または心臓):を包含してもよい。付加的な鳥類のタンパク質原料は、ターキー、ガチョウ、カモ、ダチョウ、ウズラ、ハト、それらの卵および内部組織および器官(例えば、平滑筋肉、線状筋肉、肝臓、腎臓、腸または心臓)含む。両生類原料は、カエルまたはサンショウウオを包含する。爬虫類タンパク質原料は、ワニ、トカゲ、カメおよびヘビを包含する。
魚タンパク質原料は、ナマズ、ニシン、サーモン、マグロ、アミキリ、タラ、オヒョウ、マス、メカジキおよびそれらの卵を包含する。および無脊椎動物タンパク質原料は、ロブスター、カニ、ハマグリ、カラスガイまたはカキおよびそれらの組合せを包含する。
【0057】
本発明の組成物の炭水化物成分は、玄米およびオートグロートの1以上に加えて、いずれの原料からでもよくて、別の成分(例えばタンパク質原料)の一部として食品組成物に導入してもよい。ある種の態様では、本発明の食品組成物の成分として有用な炭水化物は、加水分解される時にエネルギーのために代謝されるポリサッカライド(例えば、澱粉およびデキストリン)および糖質(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、グルコースおよびフルクトース)を包含する。本明細書中に開示する組成物に配合するのに適切な付加的な炭水化物原料の例としては、コーン、ホールイエローコーン、穀実用モロコシ、小麦、大麦および米を含むが、これに限定されるものではない。
【0058】
本発明の食品組成物の成分として有用な脂肪は、どのような原料(例えば鳥肉脂肪、牛脂、ラード、チョイスホワイトグリース、大豆油、トウモロコシ油、カノーラ油、ヒマワリ油、それらの混合物等)からでもよいが、これらに限定されない。脂肪は完全に食品組成物の中で導入されるか、食品組成物の外側に付着させるか、またはその2つの方法の組合せであってよい。
【0059】
1つの態様では、請求項に記載された方法で投与される組成物は補助食品として配合され調製される。補助食品は、例えば、全体の栄養のバランスまたは性能を向上する別の食品飼料またはペットフード組成物に使用され得る食品、飼料またはペットフードを包含する。予想された補助食品は、他の飼料またはペット食品への補助食品として生のままである供給されるか、別途利用できる動物の飼料の他の部分と共にフリーチョイスで提供されるか、または完全な飼料またはペットフードを生産するために動物のレギュラー飼料またはペットフードと共に希釈または混合される組成物を包含する。AAFCOは例えば、アソシエーション・オブ・アメリカン・フィード・コントロール・オフィシャルズ・インクのオフィシャルパブリケーション(ジョージア州アトランタ2012年)で補助食品に関しての議論を提供した。補助食品は、種々の形態、例えば粉末、液体、シロップ、錠剤、カプセル化された組成物等であってよい。
【0060】
別の態様では、本発明のトリートは、例えば、食品製造のための乾燥食品について下に記載する方法と同様の押出方法またはベーキング方法によって調製され得る。トリートは、例えば、動物を誘惑して非食事時間の間に動物に与えられる組成物を含む。トリートは組成物が1以上の栄養素を含む栄養的あってもよく、かつ食品について上記した組成を有してもよい。非栄養的なトリートは、非毒性の他のトリートも含む。本発明の組成物はトリートの上へ被覆されても、投入されてもその両方であってもよい。
【0061】
別の態様において、動物トイは、典型的には既存のトイを本発明の配合で被覆することによって調製される、噛めるまたは消耗できるトイである。従って、トイは、例えば、噛めるトイを包含する。犬用に予想されるトイは、例えば、人工骨を包含する。ある種の態様では、本発明の組成物はトイの表面またはトイの成分の表面上に被膜を形成するかまたはトイ中に部分的にまたは完全に導入するか、若しくはその両方で形成し得る。広範囲の適切なトイは、現在市場に出されている。米国特許第5,339,771号(および米国特許第5,339,771号に開示される引用文献)参照。例えば、米国特許第5,419,283号(および米国特許第5,419,283号に開示される引用文献)参照。本発明は部分的に消耗できるトイ(例えば、プラスチック成分を含有しているトイ)および完全に消耗できるトイ(例えば、生皮および種々の人工骨)を包含すると認識されなければならない。本発明はコンパニオンアニマルおよび特に犬または猫による使用のためのトイを包含すると更に認められなければならない。
【0062】
発明の組成物の調製
本発明の組成物は、本明細書で開示される方法において必要な動物に投与されものであり、動物による消費のために適切な食品として調製され得る。これらの食品はいずれか硬さまたは水分含量を有してもよく、即ち本発明の組成物は湿潤、半湿潤または乾燥食品でもよい。「湿潤」食品は通常、60%〜90%またはそれ以上の水分含量を有するものである。「乾燥」食品は通常、水分含量3%〜11%のものであり、しばしば小さなピースまたはキブルの形で製造される。「半湿潤」食品は、水分含量25%〜35%を一般に有する。また、例えば、本発明の食品は、二つ以上の硬さの成分、例えばソフト、かみごたえのある肉様粒子またはピース並びに、例えば米国特許第6,517,877号に記載されているような、外側のシリアル成分またはコーティングと内側「クリーム」成分とを有するキブルを包含してもよい。
【0063】
ある種の態様では、食品は、当業者に既知の従来の食品調製方法を使用して缶詰またはウェット形態で調製されてもよい。典型的には、挽いた動物タンパク性組織は他の成分、例えばシリアル穀物、適切な炭水化物原料、脂肪、油およびバランス成分、具体的には特別な目的添加剤(例えばビタミン、ミネラル混合物、無機塩、セルロース等、および水を工程の為に十分な量で混合される。成分を加熱のために適切な容器中でブレンドしながら混合する。混合物を加熱することはいずれか適切な方法、例えば直接の蒸気噴射または熱交換器を備える容器を使用して行われる。配合成分のすべてを添加した後、混合物を
10℃〜100℃(50°F〜212°F
)の温度に加熱する。この範囲以外の温度を使用し得るが、それらは他の加工助剤を使わずに商業的には非実用的でありうる。適切な温度に加熱されるとき、材料は一般的に濃い液体の形であり、それは缶に分配される。蓋をして容器が密封される。シールされた缶は、次いで、内容物の殺菌のために設計される常套装置に入れられる。殺菌は通常230℃を超える温度で、使用される温度、組成物の性質および関連する要因に基づいて適当な時間加熱を行う。また、本発明の組成物と食品は、それらの調製の前に、調製の間または調製の後食品組成物に添加されるか、または組み合わせられ得る。
【0064】
他の態様では、食品は、当業者に既知の常套の方法を使用して乾燥形態で調製されてもよい。典型的には、乾燥動物タンパク質、植物タンパク質、穀物等を含む乾燥成分は、共に粉砕され混合される。脂肪、油水、動物タンパク質、水等を含む液体または湿潤成分は、乾燥材料に添加され組合せられる。種々の成分を組み合わせるのに使用される特定の配合、添加の順序、組合せおよび方法および装置は、当業者に既知のものから選択され得る。例えば、ある種の態様において、得られた混合物はキブルまたは同様の乾燥ピースに加工されるが、それは乾燥および湿潤成分の混合物を高温高圧で機械的作業にかけ、小さな開口端または開口を通過させ、キブルに例えば回転ナイフでカットされる押出工程を用いて形成される。得られたキブルを乾燥し、必要に応じて、例えば、フレーバー、脂肪、油、粉末成分等を含有する1以上の局所コーティングで被覆してもよい。また、キブルは押出しよりもむしろ生地からベーキングすることよって調製されてもよく、その場合生地は乾燥熱処理の前に型に入れられる。
【0065】
本発明の方法で使用する組成物を調製する際に、成分を配合の処理の間、例えば組成物の他の成分の混合の間および/または後に、組成物に導入されてもよい。組成物へのこれらの成分の分布は、従来の手段によって達成されることができる。ある種の態様では、挽いた動物および/または鳥肉を、他の成分、例えば栄養的なバランス薬剤、無機塩、更にセルロース、増量剤等に、処理用の十分な水と共に混合する。
【0066】
特定の態様では、組成物は簡単に噛めるように配合する。特定の態様では、組成物および食品は、動物の種類および属種並びに動物の特質間の栄養的な違いに対処するように配合する。例えば、犬のおよび猫のフードは、例えば、典型的には成長段階、年齢、サイズ、重量、体の組成および種類に基づいて調製される。
【0067】
従って、1つの特定の態様において、本発明は食品を調製する方法に関するもので、その方法はタンパク質、脂肪、炭水化物、ミネラルおよびビタミンの適当な原料を混合し、混合物を処理して食品を提供し、コンパニオンアニマル(例えば、ネコ科またはイヌ科のコンパニオンアニマル)の消費に好適な食品を提供し、その食品はタンパク質原料、炭水化物原料、野菜原料、果実原料またはそれらの2以上の組合せを含有し、(1)タンパク質原料の少なくとも1つがチキン、エンドウタンパク質コンセントレート、コーングルテンミール、およびそれらの組合せから選択され、(2)炭水化物原料が玄米、オートグロート、それらのおよびの組合せからなる群から選択され、および(3)野菜原料がビートパルプ、トマト絞り滓、ブロッコリー粉末およびそれらの組合せからなる群から選択されるものである。
【0068】
これらの態様の1つの側面では、組成物は、乾燥重量でチキンを5%〜25%のレベルで含有する食品である。
【0069】
別の側面では、組成物は、エンドウタンパク質コンセントレートを乾燥重量で10%〜45%のレベルで含有する食品である。
【0070】
別の側面では、組成物は、コーングルテンミールを乾燥重量で10%〜45%のレベルで含有する食品である。
【0071】
別の側面では、組成物は、玄米を乾燥重量で8%〜40%のレベルで含有する食品である。
【0072】
別の側面では、組成物は、オートグロートを乾燥重量で8%〜40%のレベルで含有する食品である。
【0073】
これらの態様のさらに別の側面では、組成物は、示された野菜、ビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末の1以上を、この野菜セットの量が乾燥重量で1.9%〜10%のレベルである食品である。
【0074】
この態様の他の側面では、食品は成体のコンパニオンアニマル(例えば、成体のイヌ科の動物または成体のネコ科の動物コンパニオンアニマル)のための栄養的に完全な食餌である。特定の側面では、食品は、成体のコンパニオン・ネコ科の動物のために調製される栄養的に完全な食餌である。別の特定の態様では、食品は、成体のコンパニオン・イヌ科の動物のために調製される栄養的に完全な食餌である。
【0075】
この態様の他の側面では、食品は老齢のコンパニオンアニマル(例えば、老齢のイヌ科の動物または成体のネコ科の動物コンパニオンアニマル)のための栄養的に完全な食餌である。特定の側面では、食品は、老齢のコンパニオン・ネコ科の動物のために調製される栄養的に完全な食餌である。別の特定の態様では、食品は、老齢のコンパニオン・イヌ科の動物のために調製される栄養的に完全な食餌である。
【0076】
栄養的に完全な食餌として調製される本発明の組成物は、成熟した成体または老齢の動物(例えば、コンパニオン・イヌ科の動物またはネコ科の動物)のニーズを満たす。これらの栄養的に完全な食餌は、食餌において健康的な動物の通常の健康状態の維持のために十分な栄養素を包含する。例えばコンパニオン・イヌ科の動物およびネコ科の動物のための、栄養的に完全でバランスのよいペットフード組成物は、当業者に知られている。例えば、栄養的に完全でバランスのよい動物飼料組成物のために適切な物質、例えば栄養素および成分、およびそれらの推薦量は、例えばザ・アソシエーション・オブ・アメリカン・フィード・コントロール・オフィシャルズ社(The Association of American Feed Control Officials,Inc.(AAFCO))、ジョージア州アトランタ(2012)のオフィシャルパブリケーションにみられ得る。
【0077】
本発明の組成物は、必要とする動物に投与する時に、老化の1以上の劣化効果を相殺する生体効果、例えば、脂肪症の減少、除脂肪体重の増加、腎臓健康状態の改善、消化健康状態の改善および酸化ストレスの減少をもたらすものである。
【0078】
本発明の方法
本発明は、更に必要とする動物における年齢関連性状態を治療若しくは防止するための方法に関する。これらの方法は、タンパク質原料、炭水化物原料、野菜原料、またはそれらの組合せの2以上の少なくとも1つを含有する本発明の組成物の効果的量を動物に投与することを含有する。これらの方法で投与される組成物に調製されるためのタンパク質原料は、チキン、エンドウタンパク質コンセントレート、コーングルテンミールおよびそれらの組合せからなる群から選択され得る。これらの方法で投与される組成物に調製されるための炭水化物原料は、玄米、オートグロートおよびそれらの組合せからなる群から選択され得る。これらの方法で投与される組成物に調製されるための野菜原料は、ビートパルプ、トマト絞り滓、ブロッコリー粉末およびそれらの組合せからなる群から選択され得る。
【0079】
本本発明の方法により防止および/または治療される年齢関連状態は、体重の増加、脂肪症の増加、除脂肪体重の減少、酸化ストレス、酸化損傷、腎機能低下、微生物の毒素の血液レベルの増加、過度の炎症性反応またはそれらの2以上の組合せを包含するが、これらに限定されない。
【0080】
ある種の態様では、本明細書に記載される防止および/または治療の実行は、治療された動物で脂肪症の減少、除脂肪体重の増加、p−クレゾール血液レベルの減少、硫酸3−インドキシル血液レベルの減少、L−カルニチン血液レベルの増加、酸化型グルタチオン血液レベルの減少、8−ヒドロキシグアノシン血液レベルの減少、腎糸球体ろ過の増加、クレアチニン血液レベルの減少またはそれらの2以上の組合せの中から少なくとも1つの改善をもたらす。
【0081】
従って、ある種の態様では、本明細書で記載される防止および/または治療の方法の実行は、肥満症の減少、除脂肪体重の増加、腎臓健康状態の増進、炎症の減少、酸化ストレスの減少、消化健康状態の改善をもたらす。これらの態様の特定の側面では、本明細書で記載される防止および/または治療の方法の実行は、体重の維持、脂肪症の減少、除脂肪体重の増加、腎糸球体ろ過率の増加、循環クレアチニンのレベルの減少、循環8−ヒドロキシグアノシンのレベルの減少、循環L−カルニチンレベルの増加、循環酸化グルタチオンレベルの減少、循環硫酸p−クレゾールレベルの減少、循環硫酸3−イノキシレベルの減少またはそれらの2以上の組合せにもたらす。
【0082】
本明細書で記載される方法により治療される動物は、そのような治療が必要な動物である。ある種の態様では、その動物は、コンパニオンアニマル(例えば、ハウス・ペット(犬、猫、ウサギ等))である。1つの態様では、動物は家畜化したコンパニオンアニマルまたは「ハウス」ペット(例えばイヌ科の動物またはネコ科の動物)である。1つの側面では、動物は犬である。別の側面では、動物は猫である。
【実施例】
【0083】
実施例1:投与フードの組成物
下記の実施例において猫に投与される食品は、研究の開始前に動物に与えたプレ飼料並びに研究で投与したコントロールフードおよび本発明の代表的老化防止フードを包含する。これらの食品中の湿分、灰分、タンパク質、粗脂肪、繊維および全体脂肪酸のレベルは、以下の表1に提供される。
【表1】
*炭水化物(窒素−遊離抽出物)≡100%−(%タンパク質+%脂肪%灰分+%繊維+%湿分)
【0084】
老化防止フードはチキン、「エンドウタンパク質コンセントレート」およびコーングルテンミールを包含したタンパク質原料、玄米およびオートグロートを包含する炭水化物原料およびビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末を包含する野菜原料を配合した。全体的な組成物において同様であるけれども、コントロールフードはチキン、「エンドウタンパク質コンセントレート」、コーングルテンミール、玄米、オートグロート、ビートパルプ、トマト絞り滓およびブロッコリー粉末の組合せを本明細書で記載される濃度より大きく少なく包含しなかった。従って、コントロールと老化防止フードの両方はそれらの組成物を与えられる猫の栄養要求に合うように配合されるが、これらの食餌を配合するために使用された成分原料は互いに異なる。
【0085】
表1の老化防止フードの投与は、以下の実施例および表に示すように一連の生化学的マーカーにおける改善をもたらす。これらの結果は、本明細書に記載される方法が必要とする動物、特にコンパニオンアニマル(例えば、猫または犬)において年齢関連状態の防止および/または治療に有効であることを証明した。
【0086】
実施例2:身体状態の改善
動物(例えば、猫および犬)の年齢関連性状態は、体脂肪の増加であり、しばしば体の除脂肪体重(筋肉および骨)の減少並びに総体重の増加を伴う。この実施例で示されるように、表1の老化防止フードを猫に与えることはそれらの体重量の維持をもたらす。180日の実験にわたって、コントロールフードに対する表1の老化防止フードのいずれかを与えた猫の体重に殆ど変化はなく、即ちコントロールフードを与えた動物の90日および180日時点での体重変化は、猫の平均初期体重より各々約0.6%減少および0.6%上昇であったが、老化防止フードを与えた猫の体重変化は猫の平均初期体重のそれぞれ1.8%減少および1.1%減少であった。
【0087】
しかしながら、表1の老化防止フードを猫に与えることは、絶対基準(初期データとの比較)並びに相対基準(コントロールフードとの比較)において、体脂肪の減少および非脂肪体重(除脂肪体重)の増加に至った。これらのデータは、以下の表2および表3に提供される。
【表2】
【0088】
表2のデータは、表1の老化防止フードを猫に与えることが、テスト猫集団の初期体脂肪レベルおよび比較猫集団のそれの両方と比較して総体脂肪の減少をもたらしたことを示す。
【0089】
表1の老化防止フードにより提供される利点のための1つの基準は、L−カルニチンの血中濃度の増加によって提供されてもよい。L−カルニチンの同一量が食品に含まれる時には、L−カルニチンの循環レベルが一定であると予想される。しかしながら、表3のデータによって示されるように、それは観察されなかった。むしろ、治療した集団においてL−カルニチンの循環レベルの増加がみられた。
【表3】
【0090】
表3のデータは、実験の開始時点で測定されたL−カルニチンに対する指定時間でのL−カルニチン血中濃度の比を提示する。表4のデータは、テスト猫に表1の老化防止フードを与えて180日後には、コントロールフードを与えた猫のコントロール集団で観察されるレベルと比べてそれらの猫のL−カルニチンの循環レベルの増大を示す。
【0091】
従って、上記のデータは、本発明の老化防止フードを与えることが、必要とするコンパニオンアニマル、この場合猫の年齢関連状態、具体的には体脂肪の年齢関連増加、除脂肪体重(筋肉および骨)の年齢関連減少並びに総体重の年齢関連増加を防止および/または治療することを示す。
【0092】
実施例3:腎機能の改善
動物(例えば、猫と犬)の年齢関連性状態は、腎臓機能の減少である。この実施例で示されるように、表1の老化防止フードを猫に与えることは腎糸球体濾過率の増加に関してならびに循環クレアチニン濃度の減少の両方に関して腎機能を改善することもたらす。上述の効果についてのデータは表4に提供される。
【表4】
【0093】
これらのデータは180日の実験に渡って、コントロールフードを与えられる猫のそれと比較して表1の老化防止フードを与えられた猫で腎糸球体濾過率に大きな増加があることを確認する。
【0094】
表1の老化防止フードの投与から得られた循環クレアチニン濃度の減少を示すデータは、表5に提供される。
【表5】
【0095】
これらのデータは、180日の実験に渡ってコントロールフードを与えられた猫のそれと比較して、表1の老化防止フードを与えられた猫において循環クレアチニン濃度に大きな減少があったことが解った。
【0096】
従って、上記のデータは本発明の組成物を与えることがコンパニオンアニマル、例えば猫および犬の腎臓機能の減少である年齢関連性状態を防止および/または治療することを示す。
【0097】
実施例4:毒性代謝物質の循環レベルの減少
動物(例えば、猫と犬)の別の年齢関連性状態は、細菌が生産した毒物の循環レベルの増加である。その二つの代表例はp−クレゾール(例えば、硫酸p−クレゾールとして)および3−ヒドロキシインドール(硫酸3−インドキシルとして)である。
【0098】
p−クレゾールおよび3−ヒドロキシインドール・レベルは、一般の研究所、ノースカロライナ州ダーラムのメタボロン社(Metabolon Inc.)で測定された。血清サンプルは、溶媒抽出され、質量分光学およびガスクロマトグラフィー(疎水性分子)または液体クロマトグラフィー(親水性分子)のいずれかによって分析された。関心の代謝物質についてのデータ(ここではp−クレゾールおよび3−ヒドロキシインドール)は、各ラン−デイブロック(run−day block)についてメジアン値と計算して標準化し、インターデイサンプル(inter−day sample)の変化に邪魔されないでインストルメントゲイン(instrument gain)における潜在的インターデイドリフト(inter−day drift)を最小にする。
【0099】
この実施例で示されるように、表1の老化防止フードを猫に与えることはこれらの毒物の両方の循環レベルの低下をもたらす。得られたデータは表6に提供される。
【表6】
【0100】
表6のデータはコントロールフードと与えた猫の集団における循環代謝物質の濃度に対して表1の老化防止フードを与えた猫の集団における循環代謝物質の濃度の比として提供する。これらのデータは180日の実験に渡ってこれらの細菌産出代謝物質の両方のレベルにおいて実質的な減少があることを示す。
【0101】
従って、上記のデータは本発明の組成物を与えることがコンパニオンアニマル(例えば、猫と犬)における細菌産出毒性代謝物質、例えばp−クレゾールおよび3−ヒドロキシインドール(これらに限定されない)のレベルの増加である年齢関連性状態を防止および/または治療することを示す。
【0102】
実施例5:酸化状態の改善
動物(例えば、猫と犬)の別の年齢関連状態は、酸化損傷(例えば、病気の動物のDNAへの酸化損傷)である。ここで示されるように、本発明の組成物(例えば、表1の老化防止フード)の投与はそのような酸化損傷を改善するか防止し、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(DNAへの酸化損傷の生物マーカー)の尿レベルの減少並びに酸化型グルタチオンの循環レベルの減少の両方によってあらわされる治療した猫の酸化状態を改善する。
【0103】
8−ヒドロキシデオキシグアノシンの尿レベルの減少は、表7に提出するデータによって示される。
【表7】
【0104】
表7のデータは、尿中のクレアチンのレベル(mg)に対する8−ヒドロキシデオキシグアノシン(ng)の比率の数値変化として示す。これらのデータは、180日の実験の結果、コントロールフードを与えた猫で測定される8―ヒドロキシデオキシグアノシンのレベルに対して、表1の老化防止フードを与えた猫の尿中の8−ヒドロキシデオキシグアノシンのレベルに実質的な減少が存在することを示す。
【0105】
酸化型グルタチオンの循環レベルの減少は、表8に存在するデータによって示される。
【表8】
【0106】
表8のデータは、コントロールフードを与えたコントロール猫で測定された循環酸化グルタチオンの量に対する、表1の老化防止フードを与えた猫で測定された酸化グルタチオンの量の比として示す。これらの酸化レベルの低下は、コントロール猫と比較して治療された猫の酸化状態が改善されたことを示し、酸化損傷に対する改善された抵抗を示す。
【0107】
従って、本発明の組成物の投与は、高齢の動物の酸化状態および/または酸化損傷においての減少を含む年齢関連状態の防止および/または治療方法として有用である。
【0108】
上記データを総合すると、本発明の方法記載の本発明の組成物の投与がそれを必要とするコンパニオンアニマル(例えば、猫または犬)における年齢関連状態、具体的には酸化損傷の増加、消化管健康状態の悪化、腎機能の低下、体脂肪の増加および除脂肪体重の減少を伴う身体組成およびそれらの組合せの防止および/または治療に有用であることを示す。
【0109】
本明細書中に用いられる範囲は、範囲の中の各値およびすべての値を記載することの短縮形として用いられる。範囲の中のいかなる値も、範囲の終点として選ばれることができる。また、この中のすべての引用文献は、参考として全体が本明細書に導入される。本明細書の定義と引用文献のそれとが矛盾する場合は、本明細書の記載が優先する。
【0110】
特に明記しない限り、本明細書のいずれかの場所でまたは本明細書に記載される%および量は、重量パーセントに関するものと理解されなければならない。本明細書で表されるすべてのパーセントは、別途記載しない限り、乾燥材料基準での組成物の重量に基づく。