特許第6276292号(P6276292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276292
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】混合燃料減圧燃焼炉
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/24 20060101AFI20180129BHJP
   F23C 3/00 20060101ALI20180129BHJP
   F23C 1/08 20060101ALI20180129BHJP
   F23D 14/66 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   F23D14/24 E
   F23D14/24 C
   F23C3/00 301
   F23C1/08
   F23D14/66 B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-558438(P2015-558438)
(86)(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公表番号】特表2016-511386(P2016-511386A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】EP2014053254
(87)【国際公開番号】WO2014128175
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】13/772,075
(32)【優先日】2013年2月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515228771
【氏名又は名称】デ ラ ソベラ、ホルヘ
【氏名又は名称原語表記】DE LA SOVERA,Jorge
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【弁理士】
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】デ ラ ソベラ、ホルヘ
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0250098(US,A1)
【文献】 特開昭49−096329(JP,A)
【文献】 特開平11−051307(JP,A)
【文献】 米国特許第05636510(US,A)
【文献】 特開平6−341617(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第19527453(DE,A1)
【文献】 米国特許第8057224(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 1/08
F23C 3/00
F23D 14/24
F23D 14/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三つの渦を形成する混合燃料減圧燃焼炉であって、
減圧室、当該減圧室への圧縮空気ノズルインレット、当該圧縮空気ノズルインレットを通して減圧室に入る圧縮空気ノズル、およびイジェクタアウトレットを含み、気体燃料を第1燃焼室に供給するインテークマニホールドと、
円筒形の外側部と、円錐形内部とを有する第1燃焼室であり、前記円錐形内部が、より小さい直径の第1の端と、より大きい直径を持つ第2の端を有し、前記円錐形内部の第1の端が前記インテークマニホールドに連結され、前記円錐形内部が方向付けブレードの第1のセットをさらに備えてなる第1燃焼室と、
前記第1燃焼室の円錐形内部の第2の端に連結される縮小するノズルであり、前記第1燃焼室に連結する、より大きな直径の円錐台形の第1の部分と、前記円錐台形の第1の部分のより小さな直径から延びた円筒形の第2の部分とを備えた縮小するノズルと、
前記縮小するノズルの円錐台形の第1の部分に対し直角とされ、液体燃料を第1燃焼室に注入するイジェクタと、そして
円筒形の第2燃焼室であり、当該第2燃焼室に空気を導くための方向付けブレードの第2のセット備えた第2燃焼室とを備えてなり、
前記第1燃焼室のより小さい第1の端と、前記第1燃焼室のより大きい第2の端と、前記第1の方向付けブレードのセットとが、燃料の3つの渦を形成し、もって、燃焼炉の外に至るまで燃料の回転を維持し、燃料の通過を遅らせて完全な燃焼を可能にすることを特徴とする、燃焼炉。
【請求項2】
前記圧縮空気ノズルが、前記インテークマニホールドを経て第1燃焼室の炎の中心部に圧縮空気を吹き込む、請求項に記載の混合燃料の減圧燃焼炉。
【請求項3】
前記インジェクタが、気体燃料の回転と反対の方向で、液体燃料を第1燃焼室に注入し、前記気体燃料が、前記第1の方向付けブレードのセットにより形成される3番目の渦において前記第1燃焼室の円錐形内部に対して右回りまたは左回りの方向に回転する、請求項に記載の混合燃料の減圧燃焼炉。
【請求項4】
前記気体燃料が、天然ガス、水電気分解の副産物(HHO)、またはそれらの組み合わせである、請求項に記載の混合燃料の減圧燃焼炉。
【請求項5】
前記液体燃料が、廃油、グリセリン、大豆オイル、産業燃料油(IFO)、またはそれらの組み合わせである、請求項に記載の混合燃料の減圧燃焼炉。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の、三つの渦を形成する混合燃料の減圧燃焼炉において、混合燃料を効率よく燃焼させる方法であって、当該方法が
円錐形の第1燃焼室と接続されたインテークマニホールドを通して空気を噴出することにより、円錐形の第1燃焼室に減圧条件を作り、
インテークマニホールドを通じて円錐形の第1燃焼室に燃料を導入し、前記第1燃焼室のより小さい第1の端、および前記第1燃焼室のより大きい第2の端が、二つの最初の燃料セットおよび出てゆくガスの渦形成
3番目の渦を形成するために、燃料の最初のセットを、前記円錐形の第1燃焼室の第1の方向付ブレードのセットに当て、前記円錐形の第1燃焼室および第2燃焼室を通り、燃焼炉の外に至るまで、前記三つの渦の回転を維持し、そして
最初の燃料セットの回転方向とは逆の方向に2番目の燃料セットをイジェクタにより円錐形の第1燃焼室に注入することを含んでなる、方法。
【請求項7】
記最初の燃料セットが気体燃料であり、2番目燃料セットが液体燃料である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
第2の空気入口のブレードを通し、第2燃焼室へのさらに空気を導入することを含んでなる、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
バーナーは、燃料を燃焼させ、工業環境の(例えば、発電のため、金属や他の素材の溶融、化学薬品や他の物質の処理のために)熱を発生させる装置である。従来の設計のバーナーでは不完全燃焼が生じることから、最新の実例では、より多くのオキシダントを燃焼プロセスに供給するよう渦(すなわち、空気と燃料の回転混合)を作り出すために、バーナー内にジェネレータが用いられている。これにより空気燃料混合の増加という目的が達成されるが、燃焼を持続するために点火器が必要であり、また全燃料の燃焼を完全には達成できていない。ガイド断片およびフロースペース(すなわち反応炉)を使用する解決手段があるが、品質のよくない燃料を用いたとき、残留物と洗浄の難題に悩まされることになる。同様に、プレミックスバーナーと炎管を用いた反応炉により、個々の混合において段階的に燃焼させる解決手段がある。しかし、これらの解決手段にもまた、高品質で、クリーンな燃焼の燃料が必要であり、残留物によるメンテナンスの問題がある。
【発明の概要】
【0002】
本発明によれば、混合燃料の減圧燃焼炉は、第1燃焼室、インテーク、縮小するノズル、インジェクタ、および第2燃焼室を備える。第1燃焼室は、円錐形内部および第1の方向付けブレードのセットを有する。前記インテークは、円錐形内部の第1の端と接続される。前記縮小するノズルは、前記円錐形内部の第2の端と接続される。縮小するノズルの第1の端は第1燃焼室の円錐形内部に接続され、縮小するノズルの第2の端は第2燃焼室と接続される。インジェクタは縮小するノズルに垂直に設置されて、2番目の燃料を第1燃焼室に注入するために設定される。2番目の燃料は、廃油、アルコール(50%までの加えられた水)、グリセリン、大豆オイル、工業用燃料油(IFO)、またはそれらの組み合わせのような液体燃料である。
【0003】
第1燃焼室は、第1燃焼室に入りそして出ていく最初の燃料の2つの渦が自然生じるよう構成され、第1の方向付けブレードのセットは、燃焼炉の外側部に、最初の燃料の回転を維持する3番目の渦を作り出すために構成される。いくつかの態様にあっては、第1燃焼室は、円筒形の外側部と、円錐形内部の間のスペースに絶縁素材が置かれる。第2燃焼室は円筒形で、第2燃焼室に空気を導くよう構成された方向付けブレードの第2のセットを備える。
【0004】
いくつかの態様において、混合燃料減圧燃焼炉は、インテーク部分に接続されているインテークマニホールドをさらに備える。いくつかの態様において、インテークマニホールドは、減圧室、インテークマニホールドに伸びる圧縮空気ノズル、および出口を与えるイジェクタアウトレットを備える。いくつかの態様によれば、圧縮空気ノズルは、圧縮空気を炎の中心部において、第1燃焼室に注入するよう構成される。いくつかの態様において、気体燃料はインテークマニホールドを経て第1燃焼室に供給される。気体燃料は、天然ガス、水電気分解の副産物(HHO)、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、インジェクタは、燃料を第1燃焼室に、燃料の渦の回転と逆におよび/または燃焼室の軸に対して30度で注入するよう構成される。
【0005】
他の態様において、混合燃料を三つの渦の減圧燃焼炉において効率的に燃焼させる方法は、円錐形の第1燃焼室と接続されたインテークマニホールドを通して空気を注入することにより、円錐形の第1燃焼室の減圧条件を作り出すこと含む。この方法は、さらに、インテークマニホールドを通じて燃料を円錐形の第1燃焼室に導入し、燃料の最初のセットおよび出てゆくガスの二つの渦が形成される。この方法はさらに、最初の燃料セットは、3つめの渦を形成するために、円錐形の第1燃焼室の第1の方向付けブレードに当てられ、3つの渦は、円錐形の燃焼室および第2燃焼室を通り、燃焼炉の外に至るまで回転を維持する。この方法にあってはさらに、最初の燃料セットの回転方向と反対の向きで、2番目の燃料セットが、円錐形の第1燃焼室に注入される。ある態様においては、最初の燃料のセットが気体燃料であり、2番目の燃料のセットは液体燃料である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面は、本発明の代表的な態様を説明する。
図1】本発明による、混合燃料の減圧燃焼炉の図である。
図2】本発明による第1燃焼室の断面図である。
図3図2の第1燃焼室の後方からの図である。
図4】本発明による第1燃焼室と第2燃焼室を接続する縮小するノズルの斜視図である。
図5図5Aは本発明による第2燃焼室の正面図であり、図5Bは本発明による第2燃焼室の斜視図であり、図5Cは本発明による第2燃焼室の背面図である。
図6】本発明によるインテークマニホールドの簡略図である。
図7】発明による混合燃料を三つの渦の減圧燃焼炉において効率的に燃焼させる方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
説明され開示された燃焼炉を、以下の実施態様により説明する。以下の開示は、本発明を全ての記載された態様に限定するもの、またそれを必要とするものと解釈されるべきではない。可能な場合、明確さのために、同様の構成は同様に番号が付される。適用可能な代わりなるものが説明されるが、他の同等物も明らかであり、また適切には予期される。
【0008】
図1は、本発明の態様による混合燃料減圧燃焼炉100の横断面図である。燃焼炉100は、第1燃焼室110と、それに接続された縮小するノズル120と、それに接続された第2燃焼室130とを備える。燃焼炉100は、縮小するノズル120に垂直に置かれたインジェクタ140をさらに含む。第1燃焼室110は、また、縮小するノズル120の反対側においてインテークマニホールド150と接続される。上記の構成のそれぞれは詳細に説明されるが、容易な理解のため述べれば、ガスおよび圧縮空気がインテークマニホールド150から第1燃焼室110に導入され、減圧条件の燃焼プロセスが開始される。インジェクタ140が、燃料混合物を作り出すために、先に供給された燃料と混合される追加の燃料を注入する。燃料混合は、第2燃焼室130の外に至るまでの間、回転し続けて、ゆっくり進行し、用いられた燃料の品質を問わず、より完全で、よりクリーンな燃焼を生じる。種々の態様において、燃焼炉100は、インジェクタ140の前または後で、フランジ(図示されていい)によって溶鉱炉と接続できる。
【0009】
図2を参照して以下に説明されるように、第1燃焼室110は、円錐形内部と、円筒形の外側部を有する。円錐形内部は、インテークマニホールド150と、そのより小さい端で接続し、そのより大きな端で縮小するノズル120に接続する。燃料と圧縮空気は、インテークマニホールド150から第1燃焼室110に導入されて、第1燃焼室110での燃焼を起こす(すなわち、バーナーである)。本発明の態様によれば、いずれの種類の可燃性のガスも利用可能である。例えば、天然ガスの利用が可能であり、同様に、HHO、水電気分解の副産物の利用も可能である。
【0010】
少なくとも部分において、インテークマニホール150および第1燃焼室110が減圧条件で動作するよう構成されることから、高い温度で、容易にかつ即座の熱分解が達成できる。減圧条件のため、ガスは、燃焼室に駆り立てられるというよりも燃焼室に引き入れられる。これはガスの燃焼が生じ、燃焼は、圧縮されながら(HHOなど)の爆発的なものとなり、またより重い燃料のより効率的な酸化が生じる。減圧条件は、また、特定の熱目的も可能とし、例えば、第1燃焼室の断熱や、減圧条件を利用しない場合よりも、より速い起動を可能にする。
【0011】
燃焼プロセスのこの段階において、インテークマニホールド150から第1燃焼室110に供給された燃料は、減圧条件から、入口と出口との2つの渦を自然に作り出す。これらの自然に起こる渦は、減圧条件が、圧力差によって燃焼室に入り出てゆくガスを回転させるような時に生じ、これは、急に水が入りまたは出てゆくときの流体の動きや、航空機の翼の後ろで生じる現象と同じである。
【0012】
一旦運転されれば必要ないが、第1燃焼室は、HHOや天然ガスなどの少量の燃料を使って予熱される。例えば、以下に説明されるように2番目の燃料をシステムに導入する前に、20分の間、約2200度まで室を予熱するために、HHOの3 m3/hrと天然ガスの16 m3/hrを利用できる。いったん燃焼炉100が予熱されたら、HHOは運転性能に影響を与えず止めることができる。HHOは、メタンと比較して7倍速い酸素と水素の層流を炎に提供し、良好な分解と燃焼を可能にし、さらに排出物を低減する。
【0013】
図2は、本発明の態様によれる第1燃焼室110の横断的図である。第1燃焼室110は円筒形の外側部210および円錐形内部220を備える。断熱材230は外側部210と内部220の間にある。また、第1燃焼室110は、円錐形内部220内に方向付けブレード240の第1のセットを備える。方向付けブレード240は、回転燃料の2つの渦を取り囲む、第1燃焼室110における3番目の渦を作り出すよう構成され、この3番目の渦を作り出す。 この3番目の渦により、燃焼炉を通る間の燃料の通過は遅くなり、その結果、燃料の品質にかかわらず、完全で、クリーンな燃焼を生じる。
【0014】
円錐形内部220は、第1の端222と、第2の端224を有する。第1の端222は円錐形内部の、より小さい端であり、インテークマニホールド150から入る燃料ガスと圧縮空気のための入り口を提供する。 第1燃焼室110は、第1の端222に、ねじ切りされた接続部226を有していてもよく、これは燃料を燃焼炉の燃焼室に導入するためのインテークマニホールド150に対応する。
【0015】
インテークマニホールド150と第1燃焼室110とは連結され、これにより第1燃焼室と接続された連携された減圧室が、ガスが第1燃焼室110に吸引されるような減圧条件を作り出すことができる。また圧縮空気は、従来の多くのバーナーにおけるように吹きかけられ点火されるのではなく、第1燃焼室110の炎の中心部に供給される。 いくつかの態様において、第1燃焼室110は、断熱されたステンレス鋼などの材料により作られ、燃焼残留物の付着が抑えられる。典型的な反応炉溶液によって見られるような障害が無くなり、メンテナンスと信頼性もまた向上する。
【0016】
図3は、本発明の態様による第1燃焼室110の後方から図である。この図において、円筒形の外側部210、円錐(外側部210に同心円状の点線で描かれた円として示される)の部分に沿った円錐形内部220、および方向付けブレード240の第1のセットが示される。方向付けブレード240は、ブレードの後ろからインテークマニホールド150を経て第1燃焼室に入る燃料を、3番目の渦において回転させる。この図において、燃料は、右回りのまたは左回りの方向に回転し、図の手前に押し出されるようにシステムを通過する。
【0017】
縮小するノズル120上のインジェクタ140は、追加の燃料を、第1燃焼室110の反対の端において導入され既の回転している燃料に供給する。インジェクタ140により注入された燃料は、先に導入された燃料(すなわち、インテークマニホールド150から供給された気体燃料)の流れとは反対の方向に供給される。これらの燃料は流体であり、入手可能な燃料のどのような品質のものであってもよい。例えば、後記する実験的なデータは、大豆オイル、廃油、クリセリン、精製されたより高い品質の炭化水素燃料や、これらの流体の種々の混合物を用いた運転を示している。他の液体燃料としてはアルコールがあり、これは水を含まないものとする必要はない。例えば、本発明の態様によれば、50%の水を含むアルコールも用いることができた。
【0018】
図4は、本発明による縮小するノズル120の透視図である。縮小するノズル120は、すでに説明したように、第1燃焼室110の円錐形内部220の2番目の端224と接続される。縮小するノズル120は、第1燃焼室110と接続するための、より大きい直径を持つ円錐台形の第1の部分410を備える。縮小するノズル120は、円錐台形の第1の部分410のより小さな直径の箇所から第2燃焼室130につながる、円筒形の第2の部分420を備える。
【0019】
第1の部分410は、第1燃焼室110に、2番目の燃料、すなわち液体燃料の注入を可能にする、その上に設置されたインジェクタ140を備える。インジェクタ140は第1の部分410に対し垂直に設置される。インジェクタが設置される第1の部分が平面に対し、おおよそ60°の角度を有するならば、インジェクタは、第1燃焼室に、水平方向に対しておおよその30°角度で、かつ逆方向に回転する気体燃料の流れに逆の方向となるよう設置される。ブレード(図示されているが、番号は付されていない)は、前後軸に対し45度で縮小するノズル120の円筒形の第2の部分420に溶接される。これらのブレードは以下に詳述する。
【0020】
本発明において生成された高い温度と圧力のため、インジェクタ140は冷却される。いくつかの態様において、インジェクタ140は、ノズルを冷却する(図示されていない)ことによって冷却される。いくつかの態様では、冷却ノズルは、減圧された圧縮空気またはガスを利用している開回路の一部とされる。例えば、圧縮空気またはガスの約0.5Kg/cm2は、装置の中で排出され開回路において使われる。他の態様において、閉じられたオイルとポンプシステムが使われる。そのような閉じられたシステムによって、オイルとポンプは、同時に、熱交換器を通して供給タンクを熱する。
【0021】
図5Aは、本発明の態様による第2燃焼室130の正面図である。図5Bおよび5Cは、本発明の態様による第2燃焼室130の斜視図および背面図である。円筒形の第2燃焼室130は、外径510および縮小するノズル120の第2の部分420が挿入する内径520を備える。ブレード530が2つの径の間にある。それは第2燃焼室130の空気取り入れ口として機能する。従って、燃料が炎の中心部に供給される、気体燃料に対する超過の追加の空気と、圧縮空気は、ガス−液体燃料混合物のより完全な酸化に利用される。ガス−液混合物は、完全な燃焼を可能にして、それが第2燃焼室130の外部に推進されても回転し続ける。この増強されたプロセスにより、従来の手法に見られるような、ガイド断片、フロースペース、または炎管を使用せずに、残留物は生成されずおよび/または減る。また、利用された燃料品質を問わず、本システムによって、よりクリーンな排気が可能とされる。
【0022】
図6は、インテークマニホールド150および本発明の態様による調圧弁の簡素図である。 インテークマニホールド150は、第1燃焼室110のねじ切りされた接続226と係合されるためのねじ切りされた接続部610を備える。多数のインテークはハウジング620という形で減圧室を備える。ハウジング620は、圧縮空気ノズルインレット630をまた備え、それを通じて圧縮空気が圧縮空気ノズル640を経て供給される。空気がスプレーされた燃料混合物を空気で取り囲み、その結果不完全燃焼となる他のシステムと異なり、本発明によるシステムは、炎の中心部にノズル640を通して圧縮空気(約10バール以上)を提供するという逆の原則により運転される。
【0023】
調圧弁650は、インテークマニホールド150に入りまた出る空気およびガスの流れを制御する。減圧条件のため、種々の可燃性のガスであっても燃焼室に引き入れられて、燃焼炉100において使われうる。三つの渦のデザインにより、燃焼室内においてより効率的にリサイクルされ、使用されるガス(より重い燃料を含む)によらず、ガスはより均質となる。
【0024】
結果として、HHOなどの以前に不適当であった気体燃料もまた、廃油、グリセリン、他の燃料などの種々の液体燃料と組み合わせて利用できる。これはまた、不適当な燃料と、より高品質燃料との混合を可能にし、高品質な燃料の量を減らすことになる。可燃性のガスと液体のどのような組み合わせも同時に燃焼できること、高い運転温度、圧縮空気の注入、減圧、さらにその回転により燃焼室における、遅らされた炎の通過により、望まれる態様にあっては、排出物を減らし、従来のエネルギー変換機に比べ、火力のKWあたりの価格を下げることができる。また本発明によれば、内燃機関の廃棄オイルの適切な処分を可能にし、ここで廃棄オイルに含まれる残留金属は液体に濃縮され、さらに最終的には第2燃焼室の底に固体となる。
【0025】
図7は、混合燃料を三つの渦の減圧燃焼炉において効率的に燃焼させる方法700のフローチャートである。この方法は、ステップ710として円錐形の第1燃焼室と接続されたインテークマニホールドを通して空気を噴出することにより、円錐形の第1燃焼室に減圧条件を作ることから始まる。ステップ720において、最初の燃料セットはインテークマニホールドを通じて円錐形の第1燃焼室に導入されて(すなわち、それに吸引されて)、二つの最初の燃料セットおよび出てゆくガスの渦が形成される。最初の燃料セットは、ステップ730で3番目の渦を形成するために、円錐形の第1燃焼室の第1の方向付けブレードに当てられる。3つの渦は、円錐形の燃焼室および第2燃焼室を通り、燃焼炉の外部に至るまで回転を維持する。ステップ740において、最初の燃料セットの回転方向と反対の向きで、2番目の燃料セットが、円錐形の第1燃焼室に注入され、燃料混合物を燃やす。
【0026】
3つの渦の形成により、燃料の回転は燃焼室にわたって維持され、燃料の通過は遅らされる。燃料のより遅い通過は、より完全な燃焼を導く。より遅い燃焼サイクルは、次々により完全な燃焼を促進し、それは、燃焼炉100がガス状のおよび液状の燃料の種々の組み合わせを利用可能とする。グリセリン、廃油、それらの組み合わせのような下級の燃料を、一般産業廃油(IFO)380やバイオディーゼルなどの典型的にクリーンに燃焼する燃料の代替とすることができる。さらに排出物の生成は少なく、従って、より環境にやさしい熱を結果として発生させる。残留物とメンテナンスの問題は小さくなるかあるいは無くなり、安定した信頼性ある熱を発生させる。
【0027】
【表1】
【0028】
本発明による三つの渦のバーナーにより得られた実験データは、上の表1において示されるとおりである。表1は、グリセリンおよび/または内燃機関から廃油の内部燃焼により得られたキロワット/時間の火力あたりコストを示し、最も安い産業の化石燃料(すなわち、産業廃油(IFO)380)に比べて、28%から66%の削減がされたことを示す。
【0029】
以上の態様の説明および関連実験データは、本発明の発明概念の実施例を提供する。他の態様として、気体燃料にかえて、またはそれに加えて、固体の燃料を第1燃焼室に導入するために、減圧室および調圧弁を改変することが含まれる。例えば、燃焼室の減圧側から炭素粉またはそれに類するものを供給するための改変を行うことができる。固体燃料は、この態様において、ガス状のおよび/または液状の燃料と混合され、異なる混合燃料を提供する。
【0030】
以上の説明は、当業者に対して開示された態様を製造し、用いることを可能にする十分に詳細なものである。 しかし、上記開示に基づけば、他の代替される態様も明らかである。等価物は、本開示の基本意図および開示の範囲とされる。したがって、本開示の主題は、以下の特許請求の範囲の限定に包含されるものであると理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7