(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ある量のケラチン繊維(11)に美容成分を閉じ込めるためのデバイス(14)であって、該デバイスは2つの部材(28A、28B)であって、前記ある量のケラチン繊維(11)を所定の位置に配置することができる開放位置と、前記部材(28A、28B)間に形成される中間空間(72)に前記ある量のケラチン繊維(11)を閉じ込めるための閉鎖位置との間を互いに対して移動することができる、2つの部材(28A、28B)を備え、
前記可動部材(28A、28B)の一方が、剛性部分(30A、30B)と、可撓性のハーフシェル(70A、70B)を形成し、かつ前記ある量のケラチン繊維(11)の形状に合うように前記ある量のケラチン繊維(11)に適用されるようになっている変形可能部分(32A、32B)とを備え、
前記デバイス(14)は、前記閉鎖位置において、前記ある量のケラチン繊維(11)が前記2つの可動部材(28A、28B)間に捕捉された場合に、前記中間空間(72)が実質的に気密な方法で閉鎖されるように構成され、かつ前記ケラチン繊維(11)は、前記ある量のケラチン繊維(11)に形状を付与することができる引張り組立体(12)上に支持されるようになっており、前記閉鎖位置において前記中間空間(72)は、前記引張り組立体(12)によって部分的に閉鎖され、
各可動部材(28A、28B)は、前記中間空間(72)を少なくとも部分的に画定する周辺シール(74)を備え、前記可動部材(28A、28B)の前記周辺シール(74)同士が前記閉鎖位置において互いに接触し、
前記ハーフシェル(70A、70B)のそれぞれは、前記周辺シール(74)と、前記ある量のケラチン繊維(11)に接触してその形状に合う中央壁(76)とを備え、前記周辺シール(74)は、変形可能な壁(76)によって完全に閉鎖される中央開口部(92)を画定する、デバイス(14)。
前記引張り組立体(12)は、前記中間空間(72)に配置されたケラチン繊維(11)の温度を変更する手段(18)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス(14)。
前記中間空間(72)は、長軸B−B’に沿って長手方向に延在し、前記可動部材(28A、28B)はその閉鎖位置において、前記中間空間(72)の少なくとも1つの軸方向端部を横方向に閉鎖し、かつ密閉することを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス(14)。
前記閉鎖位置において、前記中間空間(72)は、その全周にわたって前記2つの要素(28A、28B)によって閉鎖されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(14)。
可動部材(28A、28B)の各周辺シール(74)は、他方の部材(28A、28B)と対向する前記周辺シール(74)の作用面(82)を画定し、前記作用面(82)は実質的に平面であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス(14)。
前記変形可能部分(32A、32B)は、前記周辺シール(74)と、前記ある量のケラチン繊維(11)に適用されるようになっている変形可能な中央壁76とを備え、前記周辺シール(74)および前記中央壁76は、好都合にすべて単一の部材で作られることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス(14)。
各可動部材(28A、28B)は、剛性部分(30A、30B)と、前記ある量のケラチン繊維(11)の形状に合うように前記ある量のケラチン繊維(11)に適用されるようになっている変形可能部分(32A、32B)とを備え、各々の剛性部分(30A、30B)は、変形可能部分(32A、32B)の支持領域(40)と、ユーザが握って前記可動部材をその閉鎖位置から開放位置へ移動させることができる操作領域(38)とを画定し、前記デバイス(14)は、好都合にクリップを形成することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス(14)。
前記変形可能部分(30A、30B)は、好都合に膜自体の面積を可逆的に少なくとも10%だけ広げることができる弾性的に伸長可能な膜を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス(14)。
前記変形可能部分(30A、30B)は、圧縮可能な内部体積(220)を画定する中空の本体(212)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス(14)。
前記開放位置から前記閉鎖位置に移動する間に、前記変形可能部分(30A、30B)が前記ある量のケラチン繊維(11)に適用され、前記ある量のケラチン繊維(11)の形状に合うように変形することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一目的は、髪の房のようなある量のケラチン繊維上に美容成分を極めて効率的に塗布して閉じ込め、この成分から得られる美容処理の効率を向上させるデバイスを得ることである。
【0012】
本発明の別の目的は、使用する成分の量を減らして特に効率的な美容処理を実行し、処理コストを低減させるデバイスを得ることである。
【0013】
本発明の別の目的は、取扱いが非常に容易な閉じ込めデバイスを得て美容処理の使用を簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の主題は、閉鎖位置において、ある量のケラチン繊維が2つの可動部材間に捕捉された際に実質的に漏れない方法で中間空間が密閉されるように構成されることを特徴とする、上述の種類のデバイスである。
【0015】
本発明によるデバイスは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を単独で備えてもあるいは技術的に可能な任意の組合せで備えてもよい。
− ケラチン繊維は、ある量のケラチン繊維に形状を付与することができる引張り組立体上に支持されるようになっており、閉鎖位置において、中間空間は、引張り組立体によって部分的に密閉される
− 引張り組立体は、中間空間に配置されたケラチン繊維の温度を変更する手段を備える
− 中間空間は、長軸に沿って長手方向に延在し、閉鎖位置において可動部材は、中間空間の少なくとも1つの軸方向端部を横方向に閉鎖かつ密封する
−閉鎖位置において、中間空間は、その全周にわたって2つの部材によって閉鎖される
−各可動部材は、中間空間を少なくとも部分的に画定する周辺シールを備え、可動部材の周辺シールは、閉鎖位置において互いに適用される
− 可動部材の各周辺シールは、他方の部材に面する周辺シール上の作用面を画定し、作用面は実質的に平面である
−変形可能部分は、周辺シールと、ある量のケラチン繊維上に適用されるようになっている変形可能な中央壁とを備え、周辺シールと中央壁は、好都合に、すべて単一の部材から作られる
− 各可動部材は、剛性部分と、ある量のケラチン繊維の形状に合うようにある量のケラチン繊維に適用される変形可能部分とを備え、各々の剛性部分は、変形可能部分の支持領域と、ユーザが握って可動部材をその閉鎖位置から開放位置へ移動させることができる操作領域とを画定し、デバイスは、好都合にクリップを形成する
− 変形可能部分は、好都合に膜自体の面積を可逆的に少なくとも10%広くすることができる弾性的に伸長可能な膜を備える
− 変形可能部分は、圧縮可能な内部体積を画定する中空本体を備える
【0016】
本発明の他の目的は、美容成分用の閉じ込めキットであって、
− 上記で定義した閉じ込めデバイスと、
− ある量のケラチン繊維用の張力組立体と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明によるキットは、以下の特徴を有してもよい。
− 閉鎖位置において、引張組立体は内部空間を部分的に閉鎖する
【0018】
本発明の他の主題は、ある量のケラチン繊維の美容処理のための方法であって、
− 上記で定義したデバイスを供給するステップと、
− 2つの可動部材の開放位置において、ある量のケラチン繊維を可動部材同士の間に挿入するステップと、
− 2つの可動部材をその開放位置から閉鎖位置に移動し、実質的に密閉された中間空間を形成するステップと、
を含む種類の方法である。
【0019】
本発明による処理方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を単独で備えてもよい、あるいは技術的に可能な任意の組合せで備えてもよい。
− 開放位置から閉鎖位置に移動する間に、変形可能部分がある量のケラチン繊維上に適用され、ある量のケラチン繊維の形状に合うように変形する
【0020】
本発明は、添付図面を参照しながら、単に一例として与えられる以下の説明を読んだ後によりよく理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜
図6は、本発明による第1の美容処理キット10を示す。
【0023】
この第1のキット10は、特に、
図2および
図3に示す、ユーザの一群のケラチン繊維11、特に髪の房を処理するのに使用されるようになっている。
【0024】
処理は、本発明によるキット10を使用して、髪の房に美容成分を塗布し、場合によっては加熱することにより美容成分を房に閉じ込めることによって行われる。
【0025】
毛髪処理は、毛髪の手入れまたはコンディショニング、毛髪の保持またはセットまたはパーマ、一時的、半永久的、または永久的なヘアカラー染め、直毛化、または平滑化を含む。
【0026】
特定の一例によれば、美容成分は持続的毛髪変形組成である。
【0027】
たとえば、美容成分は、ケラチンジスルフィド結合を還元するようになっている還元美容組成であってもよい。
【0028】
図1に示すように、キット10は、本発明によるケラチン繊維引張り組立体12と閉じ込めデバイス14とを備える。
【0029】
引張り組立体12は、引張り部16を備え、かつ好都合に、加熱手段18と、加熱手段18を電気的に接続するための部分20とを備える。
【0030】
引張り部16は、長軸A−A’に沿って全体的に細長い形状を有する。
【0031】
この部分16は、たとえば円筒形であってもよく、カーラーを形成するローラーまたはロッドを形成してもよい。
【0032】
この例では、加熱手段18は引張り部16に固定されている。加熱手段18は、好都合に、引張り部16に形成された空洞内に配置される。
【0033】
一変形実施形態(図示せず)において、加熱手段は閉じ込めデバイス14によって支持される。
【0034】
図1および
図6に示す例では、連結部20は、電流源に接続されるようになっている電線22と、加熱手段18に挿入され、かつ取り外すことができる接続ヘッド24とを備える。
【0035】
この例では、ヘッド24を加熱手段18および引張り部16から取り外すことができる。
【0036】
変形実施形態として、電線22は、加熱手段18に取り外せないように接続される。
【0037】
たとえば、電気接続ヘッド24は、引張り部16の長手方向端部の一方に挿入されている。
【0038】
引張り部16は、ケラチン繊維を成形しかつケラチン繊維11に適用される外面21を備える。ケラチン繊維11が引張り部に巻き付けられると、引張り部16はある量のケラチン繊維11を形成する。
【0039】
図5に示すように、閉じ込めデバイス14は、互いに対して自由に移動してクリップを形成する2つの部材28A、28Bを備え、2つの部材28A、28Bは、ケラチン繊維を所定の位置に配置することができる開放位置とある量のケラチン繊維を閉じ込めることができる閉鎖位置との間で動かすことができる。
【0040】
各可動部材28A、28Bは、支持材を形成する剛性部分30A、30Bと、ある量のケラチン繊維を収容し閉じ込めるように可撓性のハーフシェルによって形成された変形可能部分32A、32Bとを備える。
【0041】
図1〜
図6に示す例では、デバイス14は、可動部材28A、28Bを互いにヒンジ留めする手段36も備える。
【0042】
剛性部分30A、30Bは、操作領域38と支持領域40とを備え、操作領域38と支持領域40とは、関節手段36の各側に配置されている。
【0043】
それぞれの剛性部分30A、30Bの支持領域40は、互いにある距離だけ離れて向かい合うように配置されている。
【0044】
この例における各操作領域38は、支持領域40から横方向に突き出るラグ42を備える。
【0045】
この例において、支持領域40および操作領域38は同じ材料の単一の部材で作られる。
【0046】
支持領域40は、中央開口部46を画定する開放されたフレーム44を備える。
図1に示すように、フレーム44は軸B−B’に沿って実質的に細長い。
【0047】
中央開口部46の外形は、引張り部16を収容し引張り部16の周囲を囲むように設計されている。
【0048】
図1に示す例において、フレーム44は実質的に一平面内を延びている。フレーム44は、好都合に、実質的に矩形である。フレーム44は、横材50A、50Bを介して支柱48A、48Bの端部の所で互いに連結された、軸B−B’に実質的に平行な2つの長手方向支柱48A、48Bを備える。
【0049】
操作部38は、支持領域40内の支柱48Bから突き出ている。
図1に示す例において、線B−B’に垂直な横材50A、50Bの長さは、軸B−B’に平行に測定された支柱48A、48Bの長さよりも短い。
【0050】
第1の横材50Aは、実質的にフレーム44の平面内に延びている。第2の横材50Bは、反対側の剛性部分30A、30Bに向かって開口する切欠き54を画定する凸状中央領域52も備える。
【0051】
関節手段36は、それぞれ第1の剛性部分30Aおよび第2の剛性部分30Bに固定された関節タブ60A、60Bと、タブ60同士を互いに連結する関節軸62と、部材28A、28Bを閉鎖位置に配置する弾性作動部64とを備える。
【0052】
タブ60A、60Bは、剛性部分30A、30Bを動かす各領域38から互いの方へ突き出ている。タブ60A、60Bは、好都合に、操作領域38と同じ材料で作られている。
【0053】
ヒンジ軸は、タブ60A、60Bと交差し、タブ60A、60Bを互いに連結している。ヒンジ軸は、支持領域40から延びる軸B−B’に実質的に平行に延びている。
【0054】
したがって、剛性部分30A、30B同士を互いに対して移動させて、支持領域40同士が互いに距離を置いて配置され、かつ操作領域38同士が互いに近くに位置する開放位置と、支持領域40同士が互いに近くに位置し、かつ操作領域38同士が互いに距離を置いて配置される閉鎖位置との間で閉じ込めデバイス14を移動させることができる。
【0055】
弾性作動部64は、たとえば、剛性部分30A、30Bを作動させてデバイス14の閉鎖位置に配置することのできるばねで形成されてもよい。
【0056】
この例において、作動部64は、操作領域38同士の間に付加されたばねから形成される。
【0057】
変形実施形態(図示せず)において、作動部64は、少なくとも一方の操作領域38と同じ材料から作られた弾性ストリップによって形成される。
【0058】
この例における変形可能部分32A、32Bは、デバイス14が閉鎖位置にある場合に、ある量のケラチン繊維11のための中間閉じ込め空間72を画定する可撓性のハーフシェル70A、70Bによって形成される。
【0059】
図4および
図5に示す例において、各ハーフシェル70A、70Bは、周辺シール74と、ある量のケラチン繊維11に接触してその形状に合う中央壁76とを備える。
【0060】
周辺シール74は、それが固定されたフレーム44と相補的な形状を有する。周辺シール74は、中実のビード78を備え、それはフレーム44への取付け面80と、反対側のハーフシェル70B、70Aのシール74上に適用される対向面82とを形成する。周辺シール74は、好都合に、表面80から上方に突き出て、フレーム44に形成された対応する溝(図示せず)に挿入されるリブ83も備える。
【0061】
作用面82は、実質的に平面であり、したがって、対向するハーフシェル70B、70Aの作用面82に適用された場合にシールが形成される。
【0062】
周辺シール74は、フレーム44の支柱48A、48Bに適用される2つの長手方向部分84A、84Bと、対応する横材50A、50B上に適用される2つの横方向部分86A、86Bとを備える。
【0063】
閉鎖位置において、ハーフシェル70A、70Bの第1の横方向部分86Aは、実質的に一平面内に延在し、したがって、その全長にわたって、対向するハーフシェル70B、70Aの対応する領域86A上に適用されることができる。第2の横方向部分86Bは、切欠き54にはまって、引張り組立体12の電気接続ヘッド24が相補的にはまるくぼみ90を形成する凹状中央部を備える。
【0064】
周辺シール74は、変形可能な壁76によって完全に閉鎖される中央開口部92を画定する。
【0065】
変形可能な壁76は、薄い伸長可能な膜から形成されている。「伸長可能な膜」は、弾性的にかつ可逆的に変形し、たとえば厚さを薄くすることによって総面積を広くすることができる膜を意味する。
【0066】
壁76を形成する膜は、シール74を形成するビード78よりも薄く、好都合にビード78の厚さの2分の1である。
【0067】
この膜は、塑性ひずみをそれほど生じさせずに弾性的にかつ可逆的に伸長することのできる材料から作られている。
【0068】
したがって、壁76の表面積は、中間空間72に配置されたある量のケラチン繊維11の形状に合うように、塑性ひずみをそれほど生じさせずに少なくとも10%、たとえば10%〜100%の間だけ広くなることができる。
【0069】
伸長可能な壁76の膜は、好都合に、シリコーン、あるいは天然ゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンコポリマー)、NBR(ブタジエンとアクリロニトリルのコポリマー)、または熱可塑性物質、特にTPU、SEBS、SBS、もしくはEVAなどの可撓性の熱可塑性物質などの熱可塑性エラストマのようなエラストマなどの変形可能なポリマーから作られている。
【0070】
図5に示す例では、壁76は、周辺シール74と同じ材料で作られている。壁76は、シール74を開口部92内に拡張する。
【0071】
図4に示すように、周辺壁76が休止位置にあり、周辺壁76に外部応力が加わらないとき、周辺壁76は、長軸B−B’を有するとともに、好都合に中央領域100が容易に変形するように2つの横方向溝102を有する円筒形ドームの形をした中央領域100を備える。
【0072】
中央領域100は、周辺シール74によって画定された開口部92内の外側に突き出ている。中央領域は外側に向かって凸状になっている。
【0073】
溝102は、中央部100の各側に延びている。溝102は、中央部100の凸形状とは逆に内側に向かって凹状である。
【0074】
休止時に、壁76は、軸B−B’に対する横断面において実質的にΩ状の断面外形を有する。
【0075】
閉じ込めデバイス14がその開放位置から閉鎖位置に移動すると、ハーフシェル70A、70Bは、ハーフシェル70Aおよび70B同士が互いに距離を置いて配置される構成と一方のハーフシェルが他方のハーフシェルと接触する構成との間で互いの方へ移動することができる。
【0076】
したがって、デバイスの開放位置では、周辺シール74の作用面82同士が、特に関節軸62から最も遠い2つの長手方向部分84Bに沿って、少なくとも部分的に互いに分離される。
【0077】
次いで、中間空間72が開放され、ある量のケラチン繊維11を可動部材28A、28B間に挿入することが可能になる。
【0078】
デバイス14の閉鎖位置において、周辺シール74の作用面82は、好都合に、シール74の全周において測定したときに作用面82の周囲の75%を超える、くぼみ90を除く実質的に作用面82の全周にわたる範囲において互いに接触する。
【0079】
この例では、シール74は、電気接続部20が挿入される、シール74と向かい合うくぼみ92によって形成され、形状がこの部分20のヘッド24の外部の形状と相補的である通路104を画定する。
【0080】
したがって、閉鎖位置において、ハーフシェル70は、ある量のケラチン繊維11が中間空間72内に配置されたときに実質的に密封された中間空間72を形成するように形作られる。
【0081】
本発明において、「実質的に密封された」は、この空間が、ハーフシェル70A、70B間において、互いに向かい合うシール74によって全体的に閉鎖されるか、または互いに向かい合うシール74によって部分的に閉鎖されるとともに、相補的な部分においてシール74同士の間に形成される挿入通路104に対応するように配置された引張り組立体20によって部分的に閉鎖されることを意味する。
【0082】
「閉鎖された」は、互いに向かい合うシール74同士の間またはシール74と引張り組立体20との間に局所的に存在する可能性がある隙間が、シール74の厚さの2%未満であり、好都合には1%未満であることを意味する。
【0083】
ケラチン繊維11がシール74同士の間でシール74の周囲の一部に部分的にクランプ留めされることに留意されたい。
【0084】
この例において、シール74同士が特に、シール74の長手方向部分84A、84Bに沿ってかつ線B−B’に垂直な少なくとも1つの横方向部分86A上において互いに適用されることによって中間空間72を閉鎖する。
【0085】
一変形実施形態(図示せず)では、シール74同士が、中間空間72の全周にわたって互いに接触する。この場合、各シールがその隙間よりも大きな開口部104を形成することはない。
【0086】
閉鎖位置において、シールは、開放位置におけるシールの高さに対してシールの高さの少なくとも1%だけ圧縮され、好都合には開放位置におけるシールの高さに対してシールの高さの75%以下の量だけ圧縮される。
【0087】
閉鎖位置において、壁76は、溝102が外側に移動し、次いで壁76がその表面積を広げるように可逆的に弾性的に伸長することによって変形可能であり、その表面積は、引張り組立体20上に支持された一群のケラチン繊維11または引張り組立体20が存在しない場合に一群のケラチン繊維のみによって画定される体積に応じている。
【0088】
次に、一群のケラチン繊維11を処理するための本発明による第1のキット10の動作について説明する。
【0089】
まず、閉じ込めデバイス14および引張り組立体12を別々に供給する。閉じ込めデバイス14が閉鎖位置にある場合、作動部64は、周辺シール74同士が接触した状態に互いに適用された変形可能なハーフシェル70A、70Bを保持している。
【0090】
処理すべき一群のケラチン繊維11を選択し、次いで引張り部16に巻き付ける。美容成分、好都合に上述のようなパーマネントヘアウェーブ組成を、たとえばスプレーによりあるいはアプリケータを使用することによってケラチン繊維11に適用する。
【0091】
次いで、電気接続部20を引張り部16の加熱手段18に接続する。
【0092】
次いで、オペレータは閉じ込めデバイス14の操作領域38をオペレータの指の間に握る。オペレータは、これらの操作領域38を弾性作動部64の抵抗に対抗して互いの方へ移動させ、剛性部分30A、30Bを互いから離れた軸62の周りを枢動させる。
【0093】
剛性部分30A、30Bが変位すると、それに伴って可撓性のハーフシェル70A、70Bが変位して互いに離れるように移動し、閉じ込めデバイス14は、ある量のケラチン繊維11が所定の位置に配置される開放位置に移動する。
【0094】
次いで、デバイス14を引張り部16の方へ移動させて引張り部16およびケラチン繊維11をハーフシェル70A、70B間の中間空間内に挿入する。
【0095】
オペレータは次いで、引張り部16をフレーム44の中央開口部46に挿入することによって引張り部16をハーフシェル70Bの伸長可能な壁76に押し付ける。
【0096】
オペレータは、必要に応じて電気接続部20をくぼみ90内に配置する。
【0097】
オペレータは次いで、操作領域38を解放する。作動部64の作用の下で、操作領域38同士が互いから枢動し、支持領域40同士が互いの方へ移動して一方のハーフシェル70Aの周辺シール74がハーフシェル70Aと向かい合うハーフシェル70Bの周辺シール74と接触するのを可能にする。
【0098】
この変位の間、ケラチン繊維11が長手方向部分84Bに沿って互いに向かい合うシール74同士の間に捕捉される。同様に、電気接続部20が、くぼみ90によって形成される通路104内に相補的に固定される。
【0099】
伸長可能な壁76は、変形可能であるので、引張り部16上に巻き付けられた繊維11によって形成されたある量のケラチン繊維11上にしっかりと適用され、中央領域100および場合によってはその延長部が外側に配置され、かつ溝102が外側に配置される。
【0100】
周辺シール74同士が実質的にその全周にわたって互いに適用されるので、周辺シール74は、電気接続部20の接続ヘッド74およびシール24を通過するケラチン繊維11を周辺シール74同士の間にクランプ留めする。次に、閉鎖位置においてハーフシェル70A、70B間に形成される中間空間72をこの空間72の全周にわたって実質的に密封状態に閉鎖する。
【0101】
この場合、この内部空間72の形状は、引張り部16が存在するときにはある量のケラチン繊維11および引張り部16の形状と実質的に相補的である。これによって、空間72内でケラチン繊維11の周りに存在する気体の量が最小限に抑えられ、したがって、処理効率が高くなる。
【0102】
次いで加熱手段18をオンに切り替えてケラチン繊維11の温度を50℃から250℃の間、好都合に55℃から150℃の間、特に60℃から90℃の間に高める。
【0103】
この場合、この加熱の持続時間は1分から2時間の間、好ましくは1分から30分の間、より好ましくは5分から20分の間、理想的には10分から15分の間である。
【0104】
処理が終了した後、オペレータは、作動部64の抵抗に対抗して操作領域38を再び互いの方へ移動させて閉じ込めデバイス14を開放し、ある量のケラチン繊維11を空間72から取り出す。
【0105】
少なくとも1つの酸化剤を含む酸化組成を塗布し、ジスルフィド結合を改質することによる酸化によってケラチン繊維の配座を固定する。
【0106】
したがって、閉じ込めデバイス14は、電気接続部20がデバイス14を貫通するときでも、美容成分用の密封された空間72を安全にかつ簡単に画定する。
【0107】
特に伸長可能な壁76を備える変形可能なハーフシェル70A、70Bが存在するので、閉じ込めデバイス14を可変量のケラチン繊維11に適合させることができ、この適合は、選択される繊維11の量、または引張り部16が存在する場合に引張り部16に対するこれらの繊維11の巻付け特性、または引張り部16の形状のいずれかによって実現することができる。
【0108】
この結果は、2回の使用間に容易に洗浄できるデバイス14を使用して非常に簡単で高速でかつ確実な操作を行うことによって得られる。
【0109】
特に、これによって、この処理の準備に必要な時間が短縮されることによって美容処理のコストが削減される。
【0110】
本発明による第2のキット150の閉じ込めデバイス14が
図7〜
図9に示されている。
【0111】
第1のキット10内のデバイス14とは異なり、剛性部分30は、膜ヒンジ152によって形成される関節手段36によって互いに関節運動させられる。好都合に、閉じ込めデバイス14は操作領域38を有さない。
【0112】
さらに、関節手段36は、閉じ込め部14をその閉鎖位置の方へ動かすデバイスを有さない。
【0113】
第1のキット10と異なり、第2のキット150の閉じ込めデバイス14は、デバイス14をその閉鎖位置に保持する手段154を備える。
【0114】
図7および
図8に示す例において、保持手段154は、第1の剛性部分30A上に固定された一方の端部158と、第1の剛性部分30Aと向かい合う第2の剛性部分30Bの反対側の表面上に係合するようになっている自由端160とを備える少なくとも1つの可動タブ156を備える。
【0115】
タブ156は、第2の剛性部分30Bが解放され、自由端160が第2の剛性部分30Bから距離を置いた位置に維持される構成と、第2の剛性部分30Bを保持し、タブ156の閉鎖位置において、剛性部分30A、30Bおよびハーフシェル70A、70Bが、タブ156の自由端160と関係する端部158との間に挿入された状態に維持される構成との間において、第1の剛性部分30Aに対してタブ156の固定端158の周りを枢動することができる。
【0116】
図9に示す一変形実施形態において、保持手段154は、第1の剛性部分30Aに固定されたクリックフィットタブ166を備える。それと向かい合う剛性部分30Bは、タブ166が挿入され保持される貫通オリフィス168を備える。
【0117】
図10に示す一変形実施形態において、各ハーフシェル70A、70Bの周辺シール74は、間に周辺溝182を画定する互いに平行な2つのリップ180を備える。閉鎖位置にあるとき、各シール74のリップ180は押されて、このシール74と向かい合うシール74のリップ180と接触する。
【0118】
図11に示す変形実施形態において、各シール74は、フレーム44を越えた位置まで突き出る支持リム184を備える。閉鎖位置では、各ハーフシェル70Aのシール74の支持リム184が、ハーフシェル70Aと向かい合うハーフシェル70Bのシール74の対応する支持リム184上に適用される。
【0119】
本発明による第3のキット190が
図12に示されている。第1のキット10と異なり、第3のキット190は、デバイス14をその閉鎖位置に保持する手段154を備える。保持手段154は、操作領域38同士の間を自由に移動できるように設置されたクランプ留めレバー192を備える。
【0120】
ユーザは、レバー192を移動させて領域38同士を分離したり、離れた状態に保持したりすることができる。
【0121】
したがって、レバー192を領域38上で関節運動させ、それによって、第1の剛性部分30Aを関節軸62に対してハーフシェル70Aと反対側に動かす。
【0122】
レバー192は、クランプ留め領域194と、クランプ留め領域194から第2の剛性部分30Bの操作領域38に形成されたスリット198内に突き出る作動ヘッド196とを備える。
【0123】
クランプ留め部194は、第1の剛性部分30Aと向かい合う第2の剛性部分30Bの操作領域38の傾斜面200上を滑る。
【0124】
デバイス14がその閉鎖位置に配置された後、ユーザは作動部196を作動させてレバー192を作動軸62の方へ移動させる。
【0125】
この変位の間、クランプ留め194は、傾斜面200上を滑り、第1の剛性部分30Aの操作領域38を第2の剛性部分30Bの操作領域38から離れるように移動させる。これに応じて、支持領域40によって支持されるハーフシェル70A、70Bと向かい合うシール74が圧搾される。
【0126】
本発明による第4のキット210が
図13〜
図16に示されている。
【0127】
第1のキット10内の閉じ込めデバイス14とは異なり、各ハーフシェル70A、70Bは、ライナによって形成された中空の本体212を備える。中空の本体212は、押されてある量のケラチン繊維と接触する変形可能な周辺シール74および変形可能な壁76を形成する。
【0128】
中空の本体212は実質的にC字形の断面を有する。したがって、中空の本体212は、支持領域40に固定された実質的に平面状の外側隔壁214と、周辺隔壁215と、伸長可能な壁76およびシール74を画定する凹状内側隔壁216とを備える。
【0129】
ライナ212は、好都合に、隔壁214、216および周辺隔壁215の長手方向部分を一定断面ダイから押し出し、その後周方向壁216の軸方向端部を密閉して圧縮可能な内部体積220を形成することによって作られる。
【0130】
内側隔壁216は、変形可能な壁76を形成する凹状中央領域とシール74を形成する実質的に平面状の周辺領域とを有する。
【0131】
内側隔壁216が、外側隔壁214から距離を置いた位置に維持されており、シール74および変形可能な壁76が、外側隔壁214の方へ変形可能であり、特にある量のケラチン繊維11が引張り部16上に支持されているときにある量のケラチン繊維11の形状に合う。
【0132】
したがって、
図16に示すように、各ハーフシェル70A、70Bは、実質的に半円筒の形をした軸B−B’を有する中空の領域を形成する。
図16に示す例において、中空の領域は一方の軸方向端部の所でくぼみ92として開放されており、ケラチン繊維11用の引張り部16を挿入することが可能である。
【0133】
第4のキット210は、第1のキット10と同様に機能する。
【0134】
したがって、一群のケラチン繊維11が形成され、場合によっては引張り部14の周りに配置された後、操作領域38同士を互いの方へ移動させて中空の本体212同士を引き離しデバイス14を開放する。次いで、ある量のケラチン繊維11が中空の本体212同士の間に挿入され、閉じ込めデバイス14は、その閉鎖位置に切り替わっている。
【0135】
この変位の間、ケラチン繊維11によって形成される体積に合うように内側隔壁216が外側隔壁214の方へ変形し、ケラチン繊維を収容する。
【0136】
各々の中空の本体212のシール74は、対向する中空の本体212の対向するシール74に適用されたままになり、場合によっては電気接続部20によって軸方向に閉鎖された、実質的に密封された中間空間72をシール74同士の間に画定する。
【0137】
中空の本体212は、たとえば接着または高温力はめ、もしくは低温力はめ、あるいはインサート成形によって支持領域40上に固定される。
【0138】
操作領域38および支持領域40は、好都合に、たとえば射出成形によって単一の部材から形成される。
【0139】
「1つ」、「2つ」などの語は、別段の指摘がないかぎり「少なくとも1つ」、「少なくとも2つ」などを意味するものとして理解されるべきである。