特許第6276382号(P6276382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276382
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】車両前部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20180129BHJP
【FI】
   B62D25/08 E
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-508654(P2016-508654)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】JP2015056519
(87)【国際公開番号】WO2015141481
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2017年1月11日
(31)【優先権主張番号】特願2014-53856(P2014-53856)
(32)【優先日】2014年3月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 健児
(72)【発明者】
【氏名】笹本 和紀
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−189045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバと、
前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとを繋ぐように、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとに連結された補強メンバとを備え、
該補強メンバは、前記フロントサイドメンバから前記アッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されていることを特徴とする車両前部構造であって、
前記補強メンバは、前記アッパメンバと共に閉断面を形成するように、該アッパメンバに連結されており、該アッパメンバと共に閉断面を形成している部分において、該アッパメンバと平行に配置されている部分を有していることを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバと、
前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとを繋ぐように、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとに連結された補強メンバとを備え、
該補強メンバは、前記フロントサイドメンバから前記アッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されていることを特徴とする車両前部構造であって、
前記アッパメンバは、ホイールエプロンメンバに連結され、前記補強メンバは、前記ホイールエプロンメンバと共に閉断面を形成するように、該ホイールエプロンメンバに連結されていることを特徴とする車両前部構造。
【請求項3】
前記補強メンバは、その少なくとも一部が前記ホイールエプロンメンバよりも車両幅方向内側に配設されていることを特徴とする請求項に記載の車両前部構造。
【請求項4】
車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバと、
前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとを繋ぐように、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとに連結された補強メンバとを備え、
該補強メンバは、前記フロントサイドメンバから前記アッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されていることを特徴とする車両前部構造であって、
前記アッパメンバは、サスペンションタワーに連結され、前記補強メンバは、前記サスペンションタワーと共に閉断面を形成するように、該サスペンションタワーに連結されていることを特徴とする車両前部構造。
【請求項5】
前記補強メンバは、その少なくとも一部が前記サスペンションタワーよりも車両幅方向内側に配設されていることを特徴とする請求項に記載の車両前部構造。
【請求項6】
車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバと、
前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとを繋ぐように、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとに連結された補強メンバとを備え、
該補強メンバは、前記フロントサイドメンバから前記アッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されていることを特徴とする車両前部構造であって、
前記アッパメンバは、ホイールエプロンメンバに連結され、前記補強メンバは、前記ホイールエプロンメンバに連結されていることを特徴とする車両前部構造。
【請求項7】
車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、
該フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバと、
前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとを繋ぐように、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとに連結された補強メンバとを備え、
該補強メンバは、前記フロントサイドメンバから前記アッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されていることを特徴とする車両前部構造であって、
前記アッパメンバは、サスペンションタワーに連結され、前記補強メンバは、前記サスペンションタワーに連結されていることを特徴とする車両前部構造。
【請求項8】
前記補強メンバは、前記アッパメンバの前端部に連結されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両前部構造。
【請求項9】
前記補強メンバは、前記アッパメンバと共に閉断面を形成するように、該アッパメンバに連結されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の車両前部構造。
【請求項10】
前記補強メンバは、前記フロントサイドメンバと共に閉断面を形成するように、該フロントサイドメンバに連結されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車両前部構造。
【請求項11】
前記補強メンバは、前記フロントサイドメンバの後端部に連結されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両前部構造。
【請求項12】
前記補強メンバは、前記フロントサイドメンバに連結された部分から分岐して他の部材に連結する分岐部を有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の車両前部構造。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本国際出願は、2014年3月17日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2014−53856号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2014−53856号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、車両前部構造に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、そのフロントサイドメンバの上方において車両前後方向に延びるアッパメンバと、フロントサイドメンバとアッパメンバとを繋ぐように、フロントサイドメンバとアッパメンバとに連結された補強メンバとを備えた車両前部構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−30640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両前側衝突時、車両前部構造のうち、フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側の部分が衝突する、いわゆる微小ラップ衝突が発生する場合がある。従来の車両前部構造は、車両前部の剛性を高めることを目的としており、微小ラップ衝突時に入力される荷重を効率よく分散して吸収するという観点では不十分なものであった。
【0006】
ここで、図6A図6Bに、車両の微小ラップ衝突を模式的に示す。図6Aは、車両81が障害物である電柱82に衝突する例を示したものである。図6Bは、車両81同士が衝突する例を示したものである。図6A図6B中の矢印は、車両81の進行方向を示している。
【0007】
本発明の一側面においては、車両前部の剛性を高め、かつ、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を効率よく分散して吸収できる、エネルギー吸収性能に優れた車両前部構造を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面にかかる車両前部構造は、車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと、該フロントサイドメンバよりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバと、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとを繋ぐように、前記フロントサイドメンバと前記アッパメンバとに連結された補強メンバとを備え、該補強メンバは、前記フロントサイドメンバから前記アッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されている。
【0009】
前記車両前部構造は、フロントサイドメンバとアッパメンバとを繋ぐように、両者に連結された補強メンバを備えている。補強メンバは、フロントサイドメンバからアッパメンバまで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されている。すなわち、補強メンバは、アッパメンバからフロントサイドメンバまで、車両幅方向内側に向かって車両後方かつ斜め下方に延びるように配設されている。
【0010】
そのため、車両の微小ラップ衝突時に、車両前部構造において、車両前方側からフロントサイドメンバよりも車両幅方向外側の部分(特にアッパメンバ)に入力される荷重の一部を、アッパメンバに連結された補強メンバを介して車両幅方向内側かつ車両後方側へと伝達し、さらに補強メンバに連結されたフロントサイドメンバへと伝達することができる。
【0011】
これにより、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を効率よく分散して吸収することができ、エネルギー吸収性能を高めることができる。そして、車両の微小ラップ衝突時における室内への影響を低減することができる。また、フロントサイドメンバとアッパメンバとの間に、両者をつなぐ補強メンバを配設しているため、車両前部構造の剛性を高めることができる。これにより、車両前部の剛性を高めることができる。
【0012】
このように、本発明の一側面によれば、車両前部の剛性を高め、かつ、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を効率よく分散して吸収できる、エネルギー吸収性能に優れた車両前部構造を提供することができる。
【0013】
前記車両前部構造において、前記補強メンバは、前記アッパメンバの前端部に連結されていてもよい。この場合には、車両の微小ラップ衝突時に、車両前方側からアッパメンバに入力される荷重を補強メンバによってさらに効率よく分散して吸収することができる。
【0014】
また、前記補強メンバは、前記アッパメンバと共に閉断面を形成するように、該アッパメンバに連結されていてもよい。この場合には、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。
【0015】
なお、補強メンバがアッパメンバと共に閉断面を形成するとは、補強メンバがアッパメンバと閉断面を形成すること以外にも、補強メンバがアッパメンバ及びその他の1又は複数の部材と閉断面を形成することも含む。また、閉断面は、両者の連結部分の少なくとも一部に形成されていればよい。補強メンバが後述するホイールエプロンメンバ、サスペンションタワー及びフロントサイドメンバと共に閉断面を形成する場合も同様である。
【0016】
また、前記補強メンバは、前記アッパメンバと共に閉断面を形成している部分において、該アッパメンバと平行に配置されている部分を有していてもよい。この場合には、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をより一層高めることができる。なお、アッパメンバと平行に配置されている部分とは、補強メンバのうち、アッパメンバの一部と平行に配置されている部分のことをいう。また、アッパメンバと平行に配置されている部分は、補強メンバのうち、アッパメンバに連結(例えば溶接等により接合)されている部分であってもよいし、連結されていない部分であってもよい。
【0017】
また、前記アッパメンバは、ホイールエプロンメンバに連結され、前記補強メンバは、前記ホイールエプロンメンバと共に閉断面を形成するように、該ホイールエプロンメンバに連結されていてもよい。この場合には、ホイールエプロンメンバによって、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。
【0018】
また、前記補強メンバは、その少なくとも一部が前記ホイールエプロンメンバよりも車両幅方向内側に配設されていてもよい。この場合には、車両の微小ラップ衝突時に、車両前方側からアッパメンバに入力される荷重を補強メンバによって特に車両幅方向内側に効率よく分散して吸収することができる。
【0019】
また、前記アッパメンバは、サスペンションタワーに連結され、前記補強メンバは、前記サスペンションタワーと共に閉断面を形成するように、該サスペンションタワーに連結されていてもよい。この場合には、サスペンションタワーによって、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。
【0020】
また、前記補強メンバは、その少なくとも一部が前記サスペンションタワーよりも車両幅方向内側に配設されていてもよい。この場合には、車両の微小ラップ衝突時に、車両前方側からアッパメンバに入力される荷重を補強メンバによって特に車両幅方向内側に効率よく分散して吸収することができる。
【0021】
また、前記補強メンバは、前記フロントサイドメンバと共に閉断面を形成するように、該フロントサイドメンバに連結されていてもよい。この場合には、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。
【0022】
また、前記補強メンバは、前記フロントサイドメンバの後端部に連結されていてもよい。この場合には、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。特に、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を補強メンバによって分散して吸収するという前述の効果をさらに高めることができる。
【0023】
また、前記補強メンバは、前記フロントサイドメンバに連結された部分から分岐して他の部材に連結する分岐部を有していてもよい。この場合には、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。特に、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を補強メンバの分岐部によってさらに効率よく分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1における、車両前部構造を示す斜視図である。
図2図1のII矢視図である。
図3図1のIII−III線矢視断面図である。
図4図1のIV−IV線矢視断面図である。
図5】実施形態2における、車両前部構造を示す斜視図である。
図6A-6B】図6Aは車両の微小ラップ衝突(車両が障害物に衝突する例)を模式的に示す説明図であり、図6Bは車両の微小ラップ衝突(車両同士が衝突する例)を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1…車両前部構造
2…フロントサイドメンバ
3…アッパメンバ
4…補強メンバ
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態の車両前部構造1は、車両前後方向に延びるフロントサイドメンバ2と、フロントサイドメンバ2よりも車両幅方向外側かつ上方に配設され、車両前後方向に延びるアッパメンバ3と、フロントサイドメンバ2とアッパメンバ3とを繋ぐように、フロントサイドメンバ2とアッパメンバ3とに連結された補強メンバ4とを備えている。補強メンバ4は、フロントサイドメンバ2からアッパメンバ3まで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されている。以下、この車両前部構造1について詳細に説明する。
【0027】
なお、本実施形態では、図1に示すように、車両前部における車両幅方向の一端側(左側)の構造について説明する。車両前部における車両幅方向の他端側(右側)の構造は、一端側の構造と左右対称であるため、図示及びその説明を省略する。また、車両幅方向とは、車両左右方向のことである。同図において、車両幅方向内側は車両右側、車両幅方向外側は車両左側である。
【0028】
図1に示すように、車両前部構造1における車両幅方向の一端側には、フロントサイドメンバ2が配設されている。フロントサイドメンバ2は、車両前後方向に延びるように配設されている。フロントサイドメンバ2は、車両幅方向内側に配設されたフロントサイドメンバインナ21と、車両幅方向外側に配設されたフロントサイドメンバアウタ22とを有している。
【0029】
フロントサイドメンバインナ21は、側壁部211と、側壁部211の上端から車両幅方向外側に延びる上壁部212と、側壁部211の下端から車両幅方向外側に延びる下壁部213と、上壁部212の外端から上方に延びるフランジ部214と、下壁部213の外端から下方に延びるフランジ部215とを有している。フロントサイドメンバ2は、フロントサイドメンバインナ21のフランジ部214、215とフロントサイドメンバアウタ22とが溶接等で接合されている。フロントサイドメンバ2は、フロントサイドメンバインナ21とフロントサイドメンバアウタ22とによって、矩形の閉断面構造を形成している。
【0030】
フロントサイドメンバ2の上方には、アッパメンバ3が配設されている。アッパメンバ3は、フロントサイドメンバ2よりも車両幅方向外側の位置において、車両前後方向に延びるように配設されている。アッパメンバ3は、車両幅方向内側に配設されたアッパメンバインナ31と、車両幅方向外側に配設されたアッパメンバアウタ32とを有している。
【0031】
アッパメンバインナ31は、側壁部311と、側壁部311の上端から車両幅方向外側に延びる上壁部312と、側壁部311の下端から車両幅方向外側下方に傾斜して延びる傾斜部313と、傾斜部313の下端から下方に延びる下端部314とを有している。アッパメンバアウタ32は、側壁部321と、側壁部321の上端から車両幅方向外側に延びる上壁部322とを有している。アッパメンバ3は、アッパメンバインナ31の上壁部312とアッパメンバアウタ32の上壁部322とが溶接等で接合されている。アッパメンバ3は、アッパメンバインナ31の下端部314とアッパメンバアウタ32の側壁部321とが溶接等で接合されている。アッパメンバ3は、アッパメンバインナ31とアッパメンバアウタ32とによって、矩形の閉断面構造を形成している。
【0032】
フロントサイドメンバ2の車両幅方向外側には、ホイールエプロンメンバ51が配設されている。ホイールエプロンメンバ51は、車両幅方向内側においてフロントサイドメンバ2のフロントサイドメンバアウタ22に溶接等で接合されている。また、ホイールエプロンメンバ51は、車両幅方向外側においてアッパメンバ3のアッパメンバインナ31の下端部314に溶接等で接合されている。
【0033】
ホイールエプロンメンバ51の後方側には、サスペンションタワー52が配設されている。サスペンションタワー52は、フロントサイドメンバ2の車両幅方向外側の位置に配設されている。サスペンションタワー52は、車両幅方向内側においてフロントサイドメンバ2のフロントサイドメンバアウタ22に溶接等で接合されている。また、サスペンションタワー52は、車両幅方向外側においてアッパメンバ3のアッパメンバインナ31の側壁部311及び上壁部312に溶接等で接合されている。また、サスペンションタワー52は、前方側においてホイールエプロンメンバ51に溶接等で接合されている(後述する図3参照)。
【0034】
フロントサイドメンバ2とアッパメンバ3との間には、補強メンバ4が配設されている。補強メンバ4は、フロントサイドメンバ2からアッパメンバ3まで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されている。補強メンバ4の一部(後述する後端部402の一部)は、ホイールエプロンメンバ51及びサスペンションタワー52よりも車両幅方向内側にある。
【0035】
補強メンバ4は、補強基部41と、補強基部41の両端から延びる一対の補強側壁部42、43と、一対の補強側壁部42、43からそれぞれ延びる補強フランジ部44、45とを有している。また、補強メンバ4は、その前端部401に補強前端片部46を有し、その後端部402に補強後端片部47を有している。
【0036】
図2に示すように、補強メンバ4の前端部401は、アッパメンバ3と共に閉断面を形成するように、アッパメンバ3の前端部301に連結されている。具体的には、補強前端片部46がアッパメンバインナ31の上壁部312に溶接等で接合されている。また、補強メンバ4は、その前端部401において、補強フランジ部45がホイールエプロンメンバ51に溶接等で接合されている。
【0037】
また、補強メンバ4は、アッパメンバ3と共に閉断面を形成している部分において、アッパメンバ3と平行に配置されている部分を有している。具体的には、補強メンバ4の補強前端片部46は、アッパメンバインナ31の上壁部312と車両前後方向に平行に配置されている。また、補強メンバ4の補強基部41は、アッパメンバインナ31の側壁部311と所定の間隔を設けて車両前後方向に平行に配置されている。また、補強メンバ4の補強側壁部43は、アッパメンバインナ31の傾斜部313と所定の間隔を設けて車両前後方向に平行に配置されている。また、補強メンバ4の補強フランジ部45は、ホイールエプロンメンバ51を介してアッパメンバインナ31の下端部314と車両前後方向に平行に配置されている。
【0038】
図3に示すように、補強メンバ4の中間部403は、ホイールエプロンメンバ51及びサスペンションタワー52と共に閉断面を形成するように、ホイールエプロンメンバ51及びサスペンションタワー52に連結されている。具体的には、補強フランジ部44がサスペンションタワー52に溶接等で接合されている。また、補強フランジ部45がホイールエプロンメンバ51に溶接等で接合されている。
【0039】
図4に示すように、補強メンバ4の後端部402は、フロントサイドメンバ2と共に閉断面を形成するように、フロントサイドメンバ2の後端部202に連結されている。具体的には、一対の補強フランジ部44、45がフロントサイドメンバインナ21の上壁部212に溶接等で接合されている。また、補強後端片部47がフロントサイドメンバインナ21の側壁部211に溶接等で接合されている。
【0040】
次に、本実施形態の車両前部構造1における作用効果を説明する。
本実施形態の車両前部構造1は、フロントサイドメンバ2とアッパメンバ3とを繋ぐように、両者に連結された補強メンバ4を備えている。補強メンバ4は、フロントサイドメンバ2からアッパメンバ3まで、車両幅方向外側に向かって車両前方かつ斜め上方に延びるように配設されている。すなわち、補強メンバ4は、アッパメンバ3からフロントサイドメンバ2まで、車両幅方向内側に向かって車両後方かつ斜め下方に延びるように配設されている。
【0041】
そのため、車両の微小ラップ衝突時に、車両前部構造1において、車両前方側からフロントサイドメンバ2よりも車両幅方向外側の部分(特にアッパメンバ3)に入力される荷重の一部を、アッパメンバ3に連結された補強メンバ4を介して車両幅方向内側かつ車両後方側へと伝達し、さらに補強メンバ4に連結されたフロントサイドメンバ2へと伝達することができる。
【0042】
これにより、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を効率よく分散して吸収することができ、エネルギー吸収性能を高めることができる。そして、車両の微小ラップ衝突時における室内への影響を低減することができる。また、フロントサイドメンバ2とアッパメンバ3との間に、両者をつなぐ補強メンバ4を配設しているため、車両前部構造の剛性を高めることができる。これにより、車両前部の剛性を高めることができる。
【0043】
また、本実施形態において、補強メンバ4は、アッパメンバ3の前端部301に連結されている。そのため、車両の微小ラップ衝突時に、車両前方側からアッパメンバ3に入力される荷重を補強メンバ4によってさらに効率よく分散して吸収することができる。
【0044】
また、補強メンバ4(補強メンバ4の前端部401)は、アッパメンバ3と共に閉断面を形成するように、アッパメンバ3(アッパメンバ3の前端部301)に連結されている。また、補強メンバ4(補強メンバ4の後端部402)は、フロントサイドメンバ2と共に閉断面を形成するように、フロントサイドメンバ2に連結されている。そのため、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。
【0045】
また、補強メンバ4は、アッパメンバ3と共に閉断面を形成している部分において、アッパメンバ3と平行に配置されている部分(本実施形態では、補強前端片部46、補強基部41、補強側壁部43、補強フランジ部45)を有している。そのため、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をより一層高めることができる。
【0046】
また、補強メンバ4(補強メンバ4の後端部402)は、フロントサイドメンバ2の後端部202に連結されている。そのため、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。特に、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を補強メンバ4によって分散して吸収するという前述の効果をさらに高めることができる。
【0047】
また、アッパメンバ3は、ホイールエプロンメンバ51に連結され、補強メンバ4は、ホイールエプロンメンバ51と共に閉断面を形成するように、ホイールエプロンメンバ51に連結されている。また、アッパメンバ3は、サスペンションタワー52に連結され、補強メンバ4は、サスペンションタワー52と共に閉断面を形成するように、サスペンションタワー52に連結されている。本実施形態では、補強メンバ4は、その中間部403において、ホイールエプロンメンバ51及びサスペンションタワー52と共に閉断面を形成している。そのため、ホイールエプロンメンバ51及びサスペンションタワー52によって、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。
【0048】
また、補強メンバ4は、その一部(後端部402の一部)がホイールエプロンメンバ51よりも車両幅方向内側に配設されている。また、補強メンバ4は、その一部(後端部402の一部)がサスペンションタワー52よりも車両幅方向内側に配設されている。そのため、車両の微小ラップ衝突時に、車両前方側からアッパメンバ3に入力される荷重を補強メンバ4によって特に車両幅方向内側に効率よく分散して吸収することができる。
【0049】
このように、本実施形態によれば、車両前部の剛性を高め、かつ、車両の微小ラップ衝突時の入力荷重を効率よく分散して吸収することができる、エネルギー吸収性能に優れた車両前部構造1を提供することができる。
【0050】
(実施形態2)
本実施形態は、図5に示すように、補強メンバ4の形状を変更した例である。
図5に示すように、補強メンバ4は、フロントサイドメンバ2に連結された後端部202から分岐して形成された分岐部48を有している。分岐部48は、サスペンションタワー52に溶接等で接合されている。その他の基本的な構成は、実施形態1と同様である。
【0051】
本実施形態の場合、補強メンバ4は、フロントサイドメンバ2に連結された部分(後端部402)から分岐して他の部材(サスペンションタワー52)に連結する分岐部48を有している。そのため、車両前部の剛性、及び車両の微小ラップ衝突時のエネルギー吸収性能をさらに高めることができる。特に、微小ラップ衝突時の入力荷重を補強メンバ4の分岐部48によってさらに効率よく分散させることができる。その他の基本的な作用効果は、実施形態1と同様である。
【0052】
本実施形態では、補強メンバ4の分岐部48がサスペンションタワー52に連結されているが、それ以外の部材に連結されていてもよい。また、補強メンバ4に1つの分岐部48が形成されているが、例えば、複数の分岐部が形成されていてもよい。
【0053】
なお、本発明は、前述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A-6B】