【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の技術的解決法が本発明において与えられる。
【0007】
知識ポイントの黙示的な関係を取得するための方法は、すべての知識ポイントと説明に基づいて知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立するステップと、知識ポイントの明示的な関係のグラフに基づいて2つの知識ポイント間の単純パスの集合を計算するステップと、単純パスの集合内の各単純パスに対応する黙示的な関係の強度を計算するステップと、最大値を有し重要な黙示的な関係の強度としての所定の閾値よりも大きいパスの黙示的な関係の強度の値を設定するため各単純パスの黙示的な関係の強度の値を比較するステップを備える。
【0008】
任意選択的に、すべての知識ポイントと説明に基づく知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立するプロセスは、すべての知識ポイントと説明に基づく知識ポイントの順方向の明示的な関係を計算し、知識ポイントの順方向の明示的な関係の強度を設定するステップと、すべての知識ポイントと説明の集合に基づく知識ポイントの逆方向の明示的な関係を計算し、知識ポイントの逆方向の明示的な関係の強度の値を設定するステップと、知識ポイントの順方向の明示的な関係と知識ポイントの逆方向の明示的な関係に基づいて、知識ポイントの明示的な関係を計算し、知識ポイントの明示的な関係の強度の値を計算するステップと、知識ポイントの明示的な関係の強度の値に基づいて知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立するステップを含む。
【0009】
任意選択的に、知識ポイントの順方向の明示的な関係の強度の設定方法は、
【数1】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係の強度はf
P(i,j)=0.66に設定され;
【数2】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係の強度はf
P(i,j)=0に設定されることを含む;ここで、
【数3】
は、o
iからo
jへの順方向の明示的な関係を表し、
【数4】
であり、x
iは知識ポイントo
iのタイトルであり、y
jは知識ポイントo
iの説明であり、H(y
i)は、y
jに含まれる知識ポイントの集合で、i,j=1,2,...,n(nは知識ポイントの数である)である。
【0010】
任意選択的に、知識ポイントの逆方向の明示的な関係の強度の設定方法は、
【数5】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係の強度の値はf
N(i,j)=0.33に設定され;
【数6】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係の強度の値はf
N(i,j)=0に設定されることを含む;ここで、
【数7】
は、o
iからo
jへの逆方向の明示的な関係を表し、
【数8】
である。
【0011】
任意選択的に、知識ポイントの明示的な関係を計算する方法は、
【数9】
である。
【0012】
ここで、
【数10】
は、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの明示的な関係を表し、
【数11】
は、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係を表し、
【数12】
は、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係を表し、そして、すべての知識ポイント間の明示的な関係の集合R
Eは、
【数13】
である。
【0013】
知識ポイントの明示的な関係の強度を計算する方法は、
f
E(i,j)=f
P(i,j)+f
N(i,j)
である。
【0014】
ここで、f
E(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの明示的な関係の強度の値を表し、f
P(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係の強度の値を表し、f
N(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係の強度の値を表す。
【0015】
関係の強度の値は明示的な関係の集合R
E内のすべての知識ポイントに対し計算され、明示的な関係の強度行列Eに保存される。知識ポイントの明示的な関係のグラフは、明示的な関係の強度行列Eに基づき生成される。
【0016】
任意選択的に、明示的な関係のグラフは加重有向グラフGである。加重有向グラフGは、辺、加重及び頂点を備える。ここで、辺と加重を設定する方法は:加重有向グラフG内の知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの辺の加重の値はf
E(i,j)に設定されることを含み;f
E(i,j)=0のとき、加重有向グラフG内の知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの辺は存在しない;ここで、f
E(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの明示的な関係の加重の値を表し;加重有向グラフGの頂点は明示的な関係の強度行列Eの頂点と同じであり双方とも知識ポイントを表す。
【0017】
任意選択的に、2つの知識ポイント間の単純パスの集合を生成するアルゴリズムは、
集合D
ikの初期値が頂点iから頂点jへの辺に設定され、集合D
ik内のパスが頂点jにおいて集合D
jkと交差するとき頂点iから頂点kへの単純パスは2つのパスの結合として得られ、集合D
ikに保存されることを含む。ここでi,j,k=1,2,...,n(nは頂点の数)であり、k,i,jのすべての値は昇順でトラバースされ、集合D
ik内に保存される。
【0018】
任意選択的に、2つの知識ポイント間の単純パスの集合から、最初のkの単純パスがすべての単純パスの集合を近似するための削除アルゴリズムを用いて得られる。
【0019】
任意選択的に、単純パスの集合内の各単純パスに対応する黙示的な関係の強度を計算する方法は、Πf
E(m,n)である。ここで、
【数14】
、f
E(m,n)は知識ポイントo
mから知識ポイントo
nへの黙示的な関係の強度であり、m,nは知識ポイントのインデックスを表し、(o
m,o
n)は単純パスの辺である。
【0020】
任意選択的に、黙示的な関係の強度の所定の閾値はξに設定される。ここで、0.005≦ξ≦0.4である。好適には、黙示的な関係の強度の所定の閾値はξ=0.1である。
【0021】
知識ポイントの黙示的な関係を取得するためのシステムは、すべての知識ポイントとそれらの説明に基づいて、知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立するための知識ポイントの黙示的な関係のグラフ確立モジュールと、知識ポイントの明示的な関係のグラフに基づいて、2つの知識ポイント間の単純パスの集合を計算するための単純パス集合計算モジュールと、単純パスの集合内の各単純パスに対応する黙示的な関係の強度の値を計算するための黙示的な関係の強度計算モジュールと、重要な黙示的な関係の強度としての所定の閾値よりも大きく最大値を有するパスの黙示的な関係の強度の値を設定するため、各単純パスの黙示的な関係の強度を比較するための重要な黙示的な関係の強度設定モジュールとを備える。
【0022】
任意選択的に、知識ポイントの黙示的な関係のグラフ確立モジュールは、すべての知識ポイントとそれらの説明の集合に基づいて知識ポイントの順方向の明示的な関係を計算し知識ポイントの順方向の明示的な関係の強度の値を設定する知識ポイントの順方向の明示的な関係設定ユニットと、すべての知識ポイントとそれらの説明の集合に基づいて知識ポイントの逆方向の明示的な関係を計算し知識ポイントの逆方向の明示的な関係の強度の値を設定する知識ポイントの逆方向の明示的な関係設定ユニットと、知識ポイントの順方向の明示的な関係と知識ポイントの逆方向の明示的な関係に基づいて知識ポイントの明示的な関係を計算し知識ポイントの明示的な関係の強度の値を計算するための知識ポイントの明示的な関係の強度の計算ユニットと、知識ポイントの明示的な関係の強度の値に基づいて知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立する明示的な関係のグラフ確立ユニットを備える。
【0023】
任意選択的に、知識ポイントの順方向の明示的な関係の強度を設定する方法は、
【数15】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係の強度の値はf
P(i,j)=0.66に設定され;
【数16】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係の強度の値はf
P(i,j)=0に設定されることを含む;ここで、
【数17】
は、o
iからo
jへの順方向の明示的な関係を表し、
【数18】
x
iは知識ポイントo
iのタイトルであり、y
jは知識ポイントo
iの説明であり、H(y
i)は、y
jに含まれる知識ポイントの集合で、i,j=1,2,...,n(nは知識ポイントの数である)である。
【0024】
任意選択的に、知識ポイントの逆方向の明示的な関係の強度の値を設定する方法は、
【数19】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係の強度の値はf
N(i,j)=0.33に設定され;
【数20】
のとき、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係の強度の値はf
N(i,j)=0に設定されることを含む;ここで、
【数21】
は、o
iからo
jへの逆方向の明示的な関係を表し、
【数22】
である。
【0025】
任意選択的に、知識ポイントの明示的な関係を計算する方法は、
【数23】
である。
【0026】
ここで、
【数24】
は、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの明示的な関係を表し、
【数25】
は、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係を表し、
【数26】
は、知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係を表し、そして、すべての知識ポイント間の明示的な関係の集合R
Eは、
【数27】
である。
【0027】
知識ポイントの明示的な関係の強度を計算する方法は、
f
E(i,j)=f
P(i,j)+f
N(i,j)
である。
【0028】
ここで、f
E(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの明示的な関係の強度を表し、f
P(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの順方向の明示的な関係の強度の値を表し、f
N(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの逆方向の明示的な関係の強度の値を表す。
【0029】
関係の強度の値は明示的な関係の集合R
E内のすべての知識ポイントに対し計算され、明示的な関係の強度行列Eに保存される。知識ポイントの明示的な関係のグラフは、明示的な関係の強度行列Eに基づき生成される。
【0030】
任意選択的に、明示的な関係のグラフは加重有向グラフGである。加重有向グラフGは、辺、加重の値及び頂点を備える。ここで、辺と加重の値を設定する方法は:加重有向グラフG内の知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの辺の加重の値はf
E(i,j)に設定されること;f
E(i,j)=0のとき、加重有向グラフG内の知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの辺は存在しないこと、ここで、f
E(i,j)は知識ポイントo
iから知識ポイントo
jへの明示的な関係の加重の値を表し;加重有向グラフGの頂点は明示的な関係の強度行列Eの頂点と同じであり双方とも知識ポイントを表すことを含む。
【0031】
任意選択的に、2つの知識ポイント間の単純パスの集合を生成するアルゴリズムは、
集合D
ikの初期値が頂点iから頂点jへの辺に設定され、集合D
ik内のパスが頂点jにおいて集合D
jkと交差するとき頂点iから頂点kへの単純パスは2つのパスの結合として得られ、集合D
ikに保存されることを含む。ここでi,j,k=1,2,...,n(nは頂点の数)であり、k,i,jのすべての値は昇順でトラバースされ、集合D
ik内に保存される。
【0032】
任意選択的に、2つの知識ポイント間の単純パスの集合から、最初のk個の単純パスがすべての単純パスの集合を近似するための削除アルゴリズムを用いて得られる。
【0033】
任意選択的に、単純パスの集合内の各単純パスに対応する黙示的な関係の強度を計算する方法は、Πf
E(m,n)である。ここで、
【数28】
、f
E(m,n)は知識ポイントo
mから知識ポイントo
nへの黙示的な関係の強度の値であり、m,nは知識ポイントのインデックスを表し、(o
m,o
n)は単純パスの辺である。
【0034】
任意選択的に、黙示的な関係の強度の所定の閾値はξに設定される。ここで、0.005≦ξ≦0.4である。好適には、黙示的な関係の強度の所定の閾値はξ=0.1である。
【0035】
コンピュータによって実行されたとき知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法を実行するコンピュータ実行可能な命令を格納した1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体であって、その方法は、すべての知識ポイントと説明に基づいて知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立することと、知識ポイントの明示的な関係のグラフに基づいて2つの知識ポイント間の単純パスの集合を計算することと、単純パスの集合内の各単純パスに対応する黙示的な関係の強度を計算することと、最も重要な黙示的な関係の強度としての所定の閾値よりも大きく最大値を有するパスの黙示的な関係の強度の値を設定するため各単純パスの黙示的な関係の強度を比較することを含む。
【0036】
従来技術と比較して、本願明細書に開示される知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法は、以下の1つ以上の利点を有する。
【0037】
(1)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得するための方法は、すべての知識ポイントとそれらの説明に基づいて知識ポイントの明示的な関係のグラフを確立するステップと、知識ポイントの明示的な関係のグラフに基づいて2つの知識ポイント間の単純パスの集合を計算するステップと、単純パスの集合内の各単純パスに対応する黙示的な関係の強度を計算するステップと、重要な黙示的な関係の強度としての所定の閾値よりも大きく最大値を有するパスの黙示的な関係の強度を設定するため各単純パスの黙示的な関係の強度の値を比較するステップを備える。上記の方法は、知識ポイント間の黙示的な関係が知識ポイント間の関係の強度と関係の強度の比に基づいて取得されるのみで、関係の強度に対するいかなる正規化も実行されないため関係の強度の決定のための絶対的測定値の欠如を引き起こし代表的な黙示的な関係を取得することを困難にする従来技術での黙示的な関係の取得方法の不十分な精度の従来技術における問題点を効果的に回避できる。
【0038】
(2)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法は、明示的な関係に基づき、順方向の明示的な関係と逆方向の明示的な関係の強度の値の正規化を通して、明示的な関係の強度の値は、範囲[0, 0.99]内に設定され、一方、黙示的な関係の強度の値も、グローバル空間での知識ポイントの明示的な関係に基づいて最も代表的な黙示的な関係を取得するために使用される絶対的に測定可能な値を提供するために、範囲[0, 0.99]に制限される。
【0039】
(3)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法によれば、フランク ルービンによって提案されたアルゴリズムが2つの知識ポイント間の単純パスの集合を取得するためのアルゴリズムとして採用される:単純パスの集合を取得するためのアルゴリズムでは、単純パスの計算は、2つの知識ポイント間の単純パスの集合を取得するために頂点で2つのパスが交差している場合にのみ2つのパスを1つの単純パスに結合することにより実行される。この方法は、単純で、計算に便利であり、実装が容易である。
【0040】
(4)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法によれば、2つの知識ポイント間の単純パスの集合を取得するとき、最初のKの単純パスが削除アルゴリズムを用いて得られる。削除アルゴリズムの主なアイデアは、有向グラフ上の既存のパスから辺を削除し、次の選択的な単純パスを見つけるために代替の辺を調べることである。この方法では、新たな頂点は、知識ポイント間の最初のKの単純パスを発見するのに適した拡張された頂点の隣接辺を継承しつつ、頂点の前の集合に基づく拡張を通して得られる。
【0041】
(5)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法によれば、知識ポイントの明示的な関係の強度は、知識ポイントの順方向の明示的な関係の強度と逆方向の明示的な関係の強度を計算することにより得られる。2方向の関係の強度を評価する方法は、さらに、知識ポイントの明示的な関係の強度の精度を向上させる。
【0042】
(6)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法によれば、加重有向グラフへの明示的な関係の強度の行列の変換を介して、知識ポイント間の単純パスの計算が容易となり、アルゴリズムの実装の容易化と改良された動作速度が得られる。
【0043】
(7)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法によれば、黙示的な関係の強度の所定の閾値を設定することを通して、弱い黙示的な関係を持ついくつかの簡単パスが、実際には意味のないパスを直接的に排除するため除去される。
【0044】
(8)本願明細書の知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法によれば、知識ポイントの黙示的な関係を取得する方法を使用して、知識ポイント間の黙示的な関係が知識ポイント間の関係の強度と関係の強度の比に基づいて取得されるのみで、関係の強度に対するいかなる正規化も実行されないため関係の強度の決定のための絶対的測定値の欠如を引き起こし代表的な黙示的な関係を取得することを困難にする従来技術での黙示的な関係の取得方法の不十分な精度の従来技術における問題点を効果的に回避することが可能となる。
【0045】
本願発明の完全な理解のため、添付の図面を参照して説明する。