特許第6276405号(P6276405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276405
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】重合反応開始剤
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/46 20060101AFI20180129BHJP
   C08F 236/10 20060101ALI20180129BHJP
   C08F 8/00 20060101ALI20180129BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20180129BHJP
   C08L 15/00 20060101ALI20180129BHJP
   C07F 1/02 20060101ALI20180129BHJP
   C07F 7/10 20060101ALN20180129BHJP
【FI】
   C08F4/46
   C08F236/10
   C08F8/00
   C08L53/02
   C08L15/00
   C07F1/02
   !C07F7/10 F
【請求項の数】25
【全頁数】83
(21)【出願番号】特願2016-528362(P2016-528362)
(86)(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公表番号】特表2016-530361(P2016-530361A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】EP2013065399
(87)【国際公開番号】WO2015010710
(87)【国際公開日】20150129
【審査請求日】2016年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】510288530
【氏名又は名称】トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】スベン カー.ハー.ティーレ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン デーリング
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル レスル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ハイデンライヒ
【審査官】 中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−019192(JP,A)
【文献】 特開昭54−063186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00−301/00
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−13/08
C07F 1/00−19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式1
【化1】
によって表される重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
各M1は、独立して、リチウム、ナトリウム及びカリウムから選択され、
各R1は、独立して、1つ以上の(C6〜C12)アリール基で任意により置換され、共役ジエンモノマー及び芳香族ビニル化合物から選択される25モノマー単位以下を介してR12、H及びCが結合している炭素原子Cに任意により結合された(C1〜C100)アルキル及び(C2〜C100)アルケニルから選択され、
各R12は、独立して、水素、(C1〜C10)アルキル、(C6〜C12)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
各Y1は、独立して、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択され、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y1がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、及び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)から選択され、n及びoは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y1=Nであるとき、n+o=1であり、Y1=Sであるとき、n=o=0であり、Y1=Siであるとき、n+o=2であり、
mは、1、2及び3から選択される整数であり、
各Eは、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び−Y3(R9)(R10t(R11uから選択され、(式中、
3は、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選択され、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y3がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、及び−SiR202122(Y3がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)から選択され、t及びuは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y3=Nであるとき、t+u=1であり、Y3=Sであるとき、t=u=0であり、Y3=Siであるとき、t+u=2である)、
sは、0、1及び2から選択される整数であって、
各Fは、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び−Y2(R6)(R7q(R8rから選択され(式中、
2は、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選択され、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y2がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール、及び−SiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)から選択され、q及びrは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y2=Nであるとき、q+r=1であり、Y2=Sであるとき、q=r=0であり、Y2=Siであるとき、q+r=2である)、
pは、0、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは窒素、>C−H及び>C−Y3(R9)(R10t(R11uから選択され(式中、Y3、R9、R10、R11、t及びuは、独立して上記のとおりである))。
【請求項2】
前記モノマー単位がブタジエン、イソプレン及びスチレンから選択される、請求項1に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物。
【請求項3】
次式5
【化2】
で表される、請求項1または2に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
pは、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは窒素及び>C−Hから選択され、
すべての他の置換基または基は、請求項1の式1について記載されたとおりである)。
【請求項4】
請求項3に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物であって、
各R1は、独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキル、び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して(C1〜C16)アルキルから選択される)から選択され
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキル、び−SiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C16)アルキルから選択される)から選択される、前記重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
【請求項5】
請求項に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物であって、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、び−SiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
m及びpは、それぞれ独立して、1及び2の整数から選択される、前記重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
【請求項6】
次式6
【化3】
によって表される、請求項1または2に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
m及びpは、それぞれ独立して、1及び2から選択される整数であって、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、及びSiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
すべての他の置換基または基は、請求項1の式1について定義されたとおりである)。
【請求項7】
請求項に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物であって、
各R1は、独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキル、び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16は(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキル、び−SiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択される、前記重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
【請求項8】
次式17、18または19
【化4】
【化5】
【化6】
によって表される、請求項1または2に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
すべての他の置換基または基は、請求項1の式1について記載されたとおりである)。
【請求項9】
請求項に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物であって、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16は(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、び−SiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択される、前記重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
【請求項10】
請求項に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物であって、
各R1は、それぞれ独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキル、び−SiR141516(Y1がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R14、R15及びR16は(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択され
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキル、び−SiR171819(Y2がケイ素原子でない場合のみ)(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)から選択される、前記重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
【請求項11】
(i)式2
【化7】
の化合物を、
(ii)式3
11
式3
の少なくとも1種の化合物と共に反応させるステップを含む、請求項1〜10のいずれか一項に定義される重合開始剤またはそのルイス塩基付加物の作製方法であって、
式中、K、E、F、Y1、R3、R4、R5、R12、m、n、o、p及びs並びにM1及びR1は、それぞれ請求項1〜10に定義されたとおりである、作製方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、式2の前記化合物は、次式7、22、23または24
【化8】
(式中、K、Y1、Y2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、m、n、o、p、q及びrは、請求項2〜4のいずれか一項に定義されたとおりである)、
【化9】
【化10】
【化11】
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、m及びpは、それぞれ、請求項7の式17、18及び1について定義されているとおりである)、によって表される、前記方法。
【請求項13】
ポリマーの作製方法であって、
i)請求項1〜10のいずれか一項に定義されている重合開始剤またはそのルイス塩基付加物と、
ii)共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される重合性モノマーの少なくとも1種と、を反応させるステップを含む、前記作製方法。
【請求項14】
前記少なくとも1種の重合性モノマーは、1,3−ブタジエン、イソプレン及びスチレンから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
鎖末端部変性ポリマーを提供するために、前記ポリマーを1つ以上の鎖末端部変性剤と反応させるステップを更に含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の鎖末端部変性剤は次式8、9、10、11、12、13、14、15及び16、及びそのルイス塩基付加物によって表される、請求項15に記載の方法
【化12】
(式中、M3は、ケイ素原子またはスズ原子であり、
Tは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
23及びR26は、それぞれ独立して(C1〜C4)アルキルから選択され、
24、R25、R27及びR28は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
a及びcは、それぞれ独立して、0、1及び2から選択され、b及びdは、それぞれ独立して、1、2及び3から選択され、a+b=3であり、c+d=3である)、
【化13】
(式中、M4は、ケイ素原子またはスズ原子であり、
Uは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
29は、独立して、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
31、R32、及びR33は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
30は、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びR34−(C24O)g−O−(式中、R34は、(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アルキルアリールから選択される)から選択され、gは、4、5及び6から選択され、
eは0、1及び2から選択され、fは1、2及び3から選択され、e+f=3である)、
【化14】
(式中、Vは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
35は、独立して、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
37、R38、R39、R40、R41及びR42は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
36は、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びR43−(C24O)j−O−(式中、R43は、(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アルキルアリールから選択される)から選択され、jは、4、5及び6から選択され、
iは0、1及び2から選択され、hは1、2及び3から選択され、i+h=3である)、
【化15】
(式中、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C16)アルキル、(C6〜C16)アリール及び(C7〜C16)アルキルアリールから選択され、
50は、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換される)
【化16】
式中、R55、R56、R57、R58、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70及びR71は、水素、(C1〜C16)アルキル、(C6〜C16)アリール及び(C7〜C16)アルキルアリールからそれぞれ独立して選択され、
59は、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
Wは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
kは0、1及び2から選択され、lは1、2及び3から選択され、k+l=3であり、vは1〜20から選択され、
1及びF2は、独立して、水素、ヒドロキシ、塩素、臭素、ヨウ素、−SiR525354(式中、R52、R53、R54は同一であるか、または異なり、式12及び13について定義したとおりである)、ビニル、(C6〜C16)アリール、(C7〜C16)アルキルアリール及び(C1〜C16)アルキルから選択され、各ヒドロカルビル基は、ヒドロキシル、ジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ及びエポキシ基から選択される1つ以上の基にて任意により置換される)。
【請求項17】
請求項1316のいずれか一項に定義される方法によって得られるポリマー。
【請求項18】
請求項17記載のポリマー、及び(i)前記ポリマーを作製するために使用された重合プロセスに添加されるまたは前記重合プロセスの結果として形成される成分、及び(ii)前記重合プロセスから溶媒を除去後残存している成分から選択される1つ以上の更なる成分を含むポリマー組成物。
【請求項19】
エキステンダー油、安定剤及び更なるポリマーから選択される1つ以上の成分を含む、請求項18に記載のポリマー組成物。
【請求項20】
1つ以上のフィラーを更に含む、請求項18または19に記載のポリマー組成物。
【請求項21】
前記1つ以上のフィラーは、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、グラフェン、シリカ、カーボン−シリカ二相フィラー、粘土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リグニン、ガラス微粒子系フィラー、及びデンプン系フィラーから選択される、請求項20に記載のポリマー組成物。
【請求項22】
1つ以上の加硫剤を更に含む、請求項1821のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項23】
請求項22に定義されるポリマー組成物を加硫することによって、得られる加硫化ポリマー組成物。
【請求項24】
請求項17に定義されるポリマーを含む請求項22に定義されるポリマー組成物を加硫するステップを含む、加硫化ポリマー組成物の作製方法。
【請求項25】
請求項23に定義される加硫化ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成成分を含む物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合反応開始剤及びそれらの調製に関する。また、本発明は、本発明の反応開始剤を用いて調製された変性(すなわち、鎖末端部変性)ポリマーなどのポリマー及びそれらから作製されたポリマー組成物に関する。本発明は、更に、加硫組成物の調製及びそれらから調製された物品の使用に関する。ポリマー組成物は、比較的低いヒステリシスロス、良好な把持特性及び高耐摩擦性を有する加硫化すなわち架橋されたエラストマー系組成物の調製において有用である。このような組成物は、低発熱性、低転がり抵抗及び高耐摩擦性を、良好なバランスの他の所望の物理的特性及び化学的特性(例えば、良好なウェットグリップ及びアイスグリップ並びに引張強度及び最良の加工性など)と共に有するタイヤトレッドなど、多くの物品において有用である。
【背景技術】
【0002】
石油価格の上昇及び自動車の二酸化炭素排出の低減を求める国の法令により、タイヤ及びゴム製造業者は、「低燃費」タイヤ及びこうした省燃費タイヤの製造を強いられている。低燃費タイヤを得るための一般的な一方法は、ヒステリシス損失が低下したタイヤ配合物を製造することである。加硫エラストマーポリマーにおけるヒステリシスの主因は、自由ポリマー鎖末端、すなわち、最後の架橋とポリマー鎖の末端との間のエラストマーポリマー鎖のセクションにあると考えられている。ポリマーのこの自由末端は、効率的で弾性的に復元可能なプロセスに関与せず、その結果、ポリマーのこのセクションに伝達されたエネルギーは失われる。この消散エネルギーは、動的変形のもとでの顕著なヒステリシスをもたらす。加硫エラストマーポリマーにおけるヒステリシスの別の原因は、加硫エラストマーポリマー組成物中のフィラー粒子の不十分な分布にあると考えられている。架橋エラストマーポリマー組成物のヒステリシス損失は、60℃でのそのTanδ値に関連する(ISO4664−1:2005;Rubber,Vulcanized or thermoplastic;Determination of dynamic properties−part1:General guidanceを参照のこと)。一般に、60℃で比較的小さなtanδ値を有する加硫エラストマーポリマー組成物がより低いヒステリシス損失を有するので好ましい。最終タイヤ製品では、これはより低い転がり抵抗及びより良好な燃費につながる。
【0003】
転がり抵抗の低いタイヤは、ウェットグリップ性を低下させて製造される可能性があることが一般的に認められている。例えば、ランダム溶液スチレン−ブタジエンゴム(ランダムSSBR)において、全ポリブタジエン単位濃度に対してポリスチレン単位濃度が比較的低下し、1,2−ポリジエン単位濃度が一定に保たれるならば、SSBRガラス転移温度は低下し、その結果、60℃でのtanδ及び0℃でのtanδはどちらも減少し、これは、一般的にタイヤの転がり抵抗の改善やウェットグリップ性能の低下に対応する。同様に、ランダムSSBRにおいて、1,2−ポリブタジエン単位濃度が全ポリブタジエン単位濃度に関して比較的低下し、ポリスチレン単位濃度が一定に保たれるならば、SSBRガラス転移温度が低下し、その結果、60℃でのtanδ及び0℃でのtanδはどちらも減少し、これは一般的に、タイヤの転がり抵抗の改善及びウェットグリップ性能の低下に対応する。したがって、ゴム加硫物性能を正しく評価する場合、タイヤの発熱性に加えて、60℃でのtanδと関連付けた転がり抵抗、60℃でのtanδと関連付けたウェットグリップをいずれもモニターしなければならない。
【0004】
ヒステリシス損失を低下させるために一般に認められている一方法は、エラストマーポリマーの自由鎖末端の数を減少させることである。ポリマー鎖末端を官能化させることができ、例えばフィラーと、またはポリマーの不飽和部分となどエラストマー組成物の成分と反応することができる四塩化スズなどの「カップリング剤」の使用をはじめとする種々の技術が公開された文献で記載されている。そのような技術及びカップリング剤の例は、以下、米国特許第3,281,383号;米国特許第3,244,664号及び米国特許第3,692,874号(例えば、テトラクロロシラン);米国特許第3,978,103号;米国特許第4,048,206号;米国特許第4,474,908号;米国特許第6,777,569号(ブロックされたメルカプトシラン)及び米国特許第3,078,254号(1,3,5−トリ(ブロモメチル)ベンゼンなどの多ハロゲン置換炭化水素);米国特許第4,616,069号(スズ化合物及び有機アミノまたはアミン化合物);及び米国特許出願公開第2005/0124740号に記載されている。
【0005】
参考文献「Synthesis of end−functionalized polymer by means of living anionic polymerization」 Journal of Macromolecular Chemistry and Physics,197,(1996),3135−3148は、リビングポリマーとシリルエーテル及びシリルチオエーテル官能基を含むハロアルカンとの反応により得られるヒドロキシ(−OH)及びメルカプト(−SH)官能エンドキャップを有する「ポリスチレン含有」リビングポリマー及び「ポリイソプレン含有」リビングポリマーの合成を記載している。第3ブチルジメチルシリル(TBDMS)基は、停止反応において、−OH及び−SH官能基の保護基として好ましい。なぜなら、対応するシリルエーテル及びチオエーテルは、安定かつアニオン性リビングポリマーと適合性であることが判明しているからである。
【0006】
WO2007/047943号は、式(RO)x(R)ySi−R’−S−SiR3(式中、xは1、2または3であり、yは0、1または2であり、xとyとの合計は3であり、Rはアルキルであり、R’はアリール、アルキルアリールまたはアルキルである)により表されるシラン−スルフィドオメガ鎖末端変性剤を使用して、加硫エラストマーポリマー組成物、またはタイヤトレッド中の成分として使用される鎖末端変性エラストマーポリマーを生成することを記載している。
【0007】
さらに詳細には、WO2007/047943によると、シラン−スルフィド化合物をアニオン的開始リビングポリマーと反応させて、「鎖末端変性」ポリマーを得、これを続いてフィラー、加硫剤、促進剤またはオイルエクステンダーとブレンドして、低ヒステリシス損失を有する加硫エラストマーポリマー組成物を生成する。
【0008】
加硫エラストマーポリマー組成物は、特に対応する非変性ポリマーをベースとした化合物と比較して、0℃でのtanδ値及び加工性に負の影響を及ぼすことなく、60℃にて低tanδを示すと記載されている。変性ポリマーを含む各例示的硬化ポリマー配合物は、60℃でのtanδ及び発熱性の低減をもたらすが、0℃では等価tanδ値であることが示されている。これらのポリマーは、低転がり抵抗を有し、良好なウェットグリップ特性を維持するタイヤトレッドの製造に有用であるとして記述されている。変性因子が、2つまたは3つのアルコキシ基(x=2または3)を含む場合、その結果得られた官能基化ポリマーは、−Si−OR基及び−S−SiR3基を含み、官能基化ポリマーとフィラーとの反応混合中典型的に存在するなど、好適な条件下でシラノール基(−Si−OH)及びチオール基(−S−H)に転化される。シラノール基及びチオール基は、シリカなどのシラノール表面基を含有するフィラーに対して反応性である。したがって、官能化ポリマーとシリカとの間の結合形成が予期される。WO2007/047943に記述されている技術の適用によって、硬化ゴムヒステレシス特性を大いに向上させることはできるが、この技術の影響は、記述された変性化合物を用いることによって、1つのポリマー鎖末端部のみ官能基化できるという事実により限定されている。したがって、第2のポリマー鎖末端部を効率よく修飾させることが必要とされている。
【0009】
シリカ及びカーボンブラック含有加硫物の動的特性(タイヤの低ヒステリシス損失及び高摩擦抵抗性、対応する高ウェットグリップ性、低転がり抵抗性及び高摩擦抵抗性など)を更に最適化するために使用され得る、変性方法及び変性ポリマーなど、結果として得られるポリマーが必要とされている。加えて、熱暴露中及び機械的応力下において、加硫物発熱性を更に低下させる必要がある。これらのニーズは、以下の発明によって満たされる。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本発明は、式1
【化1】
(式中、
各M1は、独立して、リチウム、ナトリウム及びカリウムから選択され、
各R1は、独立して、1つ以上の(C6〜C12)アリール基で任意により置換され、共役ジエンモノマー及び芳香族ビニル化合物、特に、ブタジエン、イソプレン、及びスチレンから選択される25モノマー単位以下で、任意により炭素原子Cに結合された(C1〜C100)アルキル及び(C2〜C100)アルケニルから選択され、
各R12は、独立して、水素、(C1〜C10)アルキル、(C6〜C12)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
各Y1は、独立して、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択され、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y1がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、また、Y1がケイ素原子でない場合には、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)であり、n及びoは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y1=Nであるとき、n+o=1であり、Y1=Sであるとき、n=o=0であり、Y1=Siであるとき、n+o=2であり、
mは、1、2及び3から選択される整数であり、
各Eは、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び−Y3(R9)(R10t(R11uから選択され(式中、
3は、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選択され、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y3がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、また、Y3がケイ素原子でない場合には、−SiR202122(式中、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)であり、t及びuは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y3=Nであるとき、t+u=1であり、Y3=Sであるとき、t=u=0であり、Y3=Siであるとき、t+u=2である)、
sは、0、1及び2から選択される整数であって、
各Fは、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び−Y2(R6)(R7q(R8rから選択され(式中、
2は、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選択され、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y2がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、また、Y2がケイ素原子でない場合には、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)であり、q及びrは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y2=Nであるとき、q+r=1であり、Y2=Sであるとき、q=r=0であり、Y2=Siであるとき、q+r=2である)、
pは、0、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは、窒素、>C−H及び>C−Y3(R9)(R10t(R11uから選択される(式中、Y3、R9、R10、R11、t及びuは、独立して上記のとおりである))
による重合反応開始剤またはそのルイス塩基付加物を提供する。
【0011】
第2の態様では、本発明は、(i)式2
【化2】
(式中、K、E、F、Y1、R3、R4、R5、R12であって、m、n、o、p及びsは、それぞれ式1で定義されたとおりである)の化合物を
(ii)式3
11
式3
(式中、M1及びR1は、それぞれ式1に定義されたとおりである)の少なくとも1種の化合物と共に、
及び任意により、(iii)ルイス塩基と共に反応させるステップを含む、式1の重合開始剤(そのルイス塩基付加物を含む)を作製する方法を提供する。
【0012】
第3の態様では、本発明は、以下の反応生成物である変性ポリマーを含む、本発明のポリマーを提供する。
i)式1の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物、及び
ii)共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される重合性モノマーの少なくとも1種。
【0013】
第4の態様では、本発明は、以下を反応させるステップを含む、変性ポリマーを含む、本発明のポリマーを作製する方法を提供する。
i)式1の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物、及び
ii)共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される重合性モノマーの少なくとも1種。
【0014】
第5の態様では、本発明は、変性ポリマーを含む本発明のポリマーを含む、第1のポリマー組成物、及び(i)ポリマーを作製するために使用された重合プロセスに添加されるまたはその重合プロセスの結果として形成される成分、及び(ii)重合プロセスから溶媒を除去後残存している成分から選択される1つ以上の更なる成分を含むポリマー組成物を提供する。重合プロセスに添加される成分としては、特に、油(エキステンダー油)、安定剤及び更なるポリマーが挙げられる。
【0015】
第6の態様では、本発明は、変性ポリマーを含む本発明のポリマー及び1つ以上のフィラーを含む第2のポリマー組成物を提供する。第2のポリマー組成物は、重合プロセスから溶媒除去後得られるような変性ポリマー及び1つ以上のフィラー及び更なる任意の成分を含む、本発明のポリマーの機械的混合の結果である。
【0016】
第1ポリマー組成物及び第2ポリマー組成物は、任意により、更に、少なくとも1つの加硫剤を含んでもよい。
【0017】
第7の態様では、本発明は、少なくとも1つの加硫剤を含む第1のポリマー組成物または第2のポリマー組成物を加硫することによって得られる加硫化ポリマー組成物を提供する。
【0018】
第8の態様では、少なくとも1つの加硫剤を含む第1のポリマー組成物または第2のポリマー組成物を加硫するステップを含む、第7の態様の加硫化ポリマー組成物を作製する方法を提供する。
【0019】
第9の態様では、本発明は、また、本発明の加硫化ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品を提供する。物品は、例えば、タイヤ、タイヤトレッド、タイヤ側壁、自動車部品、履物部品、ゴルフボール、ベルト、ガスケット、シールまたはホースであってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
重合開始剤(二価開始剤化合物)
本発明の第1の態様の重合開始剤は、上述に定義したような式1の化合物である。本発明の重合開始剤は、それぞれ金属原子M1に結合している少なくとも2つのカルボアニオンを含む。
【0021】
1つの好ましい実施形態では、M1はリチウムであり、
1は同一であり、(C1〜C10)アルキルから選択され、
各R12は水素及び(C1〜C10)アルキル、好ましくは水素から独立して選択され、
1及びY2は同一であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、Y1がケイ素原子でないとき、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、(C1〜C18)アルキルからそれぞれ独立して選択される)であり、
各Eは、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
各Fは、独立して−Y2(R6)(R7q(R8rから選択され(式中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択される)、Y2がケイ素原子でないとき、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、(C1〜C18)アルキルからそれぞれ独立して選択される)であり、
pは、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは窒素及び>C−Hから選択され、かつ、
すべての他の置換基または基は、一般に、式1に定義されたとおりである。
【0022】
一実施形態では、Y1、Y2及びY3は、それぞれ硫黄原子である。別の実施形態では、Y1、Y2及びY3は、それぞれ、窒素原子である。更に別の実施形態では、Y1、Y2及びY3は、それぞれ、ケイ素原子である。
【0023】
「実施形態1」と称される好ましい一実施形態では、式1の重合開始剤は、次式5によって表される:
【化3】
またはそのルイス塩基付加物によって表される
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
pは、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは窒素及び>C−Hから選択され、かつ、
すべての他の置換基または基は、一般に、上記式I に定義されたとおりである)。
【0024】
式5の重合開始剤の一実施形態では、
各R1は、独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して(C1〜C16)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して(C1〜C16)アルキルから選択される)である。
【0025】
式5の重合開始剤の好ましい実施形態では、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
m及びpは、それぞれ独立して、1及び2の整数から選択され、
すべての他の置換基または基は、一般に、本明細書の実施形態1について定義されたとおりである。
【0026】
「実施形態2」と称される別の好ましい実施形態では、式1の重合開始剤重合開始剤は、次式6:
【化4】
またはそのルイス塩基付加物によって表される
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
m及びpは、それぞれ独立して、1及び2から選択される整数であって、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、Y2がケイ素原子でないとき、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
すべての他の置換基または基は、一般に、上記式1に定義されたとおりである)。
【0027】
式6の重合開始剤の一実施形態では、
各R1は、独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、(C1〜C10)アルキルからそれぞれ独立して選択され、Y1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、(C1〜C16)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、(C1〜C10)アルキルからそれぞれ独立して選択され、Y2がケイ素原子でないとき、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、(C1〜C10)アルキルからそれぞれ独立して選択される)である。
【0028】
更に特定の実施形態では、重合開始剤は次式17、18または19によって表され:
【化5】
【化6】
【化7】
またはそのルイス塩基付加物によって表される
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
すべての他の置換基または基は、一般に、上記式1に定義されたとおりである)。
【0029】
式17、18または19によって表される重合開始剤の一実施形態では、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、Y1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、Y2がケイ素原子でないとき、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、(C1〜C10)アルキルからそれぞれ独立して選択される)である。
【0030】
式17、18または19の一実施形態では、
各R1は、それぞれ独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は、(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、Y2がケイ素原子でないとき、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19は、(C1〜C10)アルキルからそれぞれ独立して選択される)である。
【0031】
式1、5、6、17、18及び19によって表される重合開始剤のうち、式6、17、18及び19の重合開始剤が好ましく、式18の重合開始剤が最も好ましい。
【0032】
ルイス塩基
本発明の式1の重合開始剤(式5、6及び17〜19の実施形態など、その実施形態を含む、)を用いてルイス塩基付加物を形成するために好適なルイス塩基としては、「ランダム化剤」の項に記載されているもの並びに次式20及び21によるものなどが挙げられる
【化8】
(式中、
72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79、R80、R81、R82、R83、R84及びR85は、水素、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールからそれぞれ独立して選択され、
zは、1、2及び3から選択される整数であり、
xは、1、2、3、4及び5から選択される整数である)。
【0033】
本発明の式1の重合開始剤に使用するための好ましいルイス塩基は、式20及び式21のもの、及び特に好ましくは、式21のものである(式中、zは、1、2及び3から選択される整数である)。
【0034】
重合開始剤の作製方法
本発明の重合開始剤は、本発明の第2の態様として、式2の対応する重合開始剤前駆体化合物から生成され、これには芳香環と共役する少なくとも2つのオレフィン結合を含む。
【0035】
式1の重合開始剤(そのルイス塩基付加物を含む)を作製する方法は、式2の開始剤前駆体化合物と式3の少なくとも1つの化合物及び任意によりルイス塩基とを反応させる工程を含む。反応は、通常は、モル当量で表して式3の化合物対式2の化合物の比率で1.1〜16(1.1:1〜16:1)、好ましくは、1.5〜4及び更により好ましくは1.8〜2.2で行われる。好ましくは、炭化水素溶媒(脂肪族溶剤及び芳香族溶剤を含む、好ましくは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、アイソパー、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンなどの脂肪族溶剤を含む)を含む、非極性溶媒において実施され、通常、2秒間〜3日間、好ましくは5秒間〜2日間、更により好ましくは、10秒間〜10時間、−60℃〜130℃、好ましくは0℃〜100℃、更により好ましくは20℃〜70℃の温度範囲で実施される。
【0036】
1が、25モノマー単位以下で炭素原子Cに結合されている本発明の重合開始剤は、式3の化合物と特にブタジエン、イソプレン及びスチレンなど、共役ジエンモノマー及び芳香族ビニル化合物から選択されるモノマーとを事前に反応させることによって得ることができる。このため、25モノマー単位以下のオリゴマー鎖によって、R1がM1に結合されている式3の化合物が生成される。その後、本明細書に記載されているように、この式3の「オリゴマー」は、式2の開始剤前駆体化合物と反応させる。
【0037】
ルイス塩基は、初めから反応中に存在するように、式3の化合物を添加し、それと反応させる前に、式2の前駆体化合物に添加させてもよい。あるいは、反応中または反応完了後に添加されてもよい。これらの任意の代替的添加により、式1の重合開始剤のルイス塩基付加物が形成される。ルイス塩基が、本発明の重合開始剤を作製するために反応させている間に存在するとき、これは、モル当量で表して、式2の開始剤前駆体化合物対ルイス塩基との比率で、0.1〜20、好ましくは0.4〜5.0及び更により好ましくは0.5〜3.0にて、通常、使用される。
【0038】
重合開始剤の保存安定性(貯蔵寿命)の上昇には、重合開始剤を含有し、アルカリ金属M1を含む得られた反応混合物を、制限された量の好ましくは、スチレン、ブタジエン及びイソプレンから選択される共役ジエンモノマー及び芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上の重合性モノマーと接触させることが可能である。この目的のため、アルカリ金属当量当たり1000当量以下、好ましくは200当量以下、最も好ましくは75当量以下の重合性モノマーを使用するのが好適である。
【0039】
式2及び3の反応及び化合物の好ましい実施形態は、重合開始剤の説明において、本明細書に定義されるとおり、式1の重合開始剤及びその実施形態が提供されるものである。
【0040】
「実施形態3」と称される一実施形態では、上記に定義された式5の重合開始剤は、次式7
【化9】
(式中、K、Y1、Y2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、m、n、o、p、q及びrは、式5について定義されたとおりである)
の化合物を式3の少なくとも1つの化合物(式中、M1及びR1は、式5について定義されたとおりであり、任意によりルイス塩基である)と反応させることによって得られる。
【0041】
実施形態3の反応並びに式7及び3の化合物の好ましい実施形態は、重合開始剤の説明において、本明細書に定義されるとおり、式5の重合開始剤が提供されるもの(実施形態1)及びその実施形態である。
【0042】
一実施形態では、上記に定義された式17の重合開始剤は、次式22
【化10】
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、m及びpは、式17について定義されているとおりである)の化合物を、
式3の少なくとも1つの化合物(式中、M1及びR1は、式17について定義されているとおりである)、及び任意によりルイス塩基と反応させることによって得られる。
【0043】
一実施形態では、上記に定義された式18の重合開始剤は、次式23
【化1】
(式中、R3、R4、R6、R7、R12、m及びpは、式18に定義されているとおりである)の化合物を、
式3の少なくとも1つの化合物(式中、M1及びR1は、式18に定義されているとおりである)、及び任意によりルイス塩基と反応させることによって得られる。
【0044】
一実施形態では、上記に定義された式19の重合開始剤は、次式24
【化12】
(式中、R3、R6、R12、m及びpは、式19に定義されているとおりである)の化合物を、
式3の少なくとも1つの化合物(式中、M1及びR1は、式19に定義されているとおりである)、及び任意によりルイス塩基と反応させることによって得られる。
【0045】
式22、23または24及び式3の反応及び化合物の好ましい実施形態は、それぞれ式17、18または19の重合開始剤が提供されるもの、及び重合開始剤の説明において、本明細書に定義されるとおり、その実施形態である。
【0046】
有用な重合開始剤前駆体化合物としては、以下が挙げられる:
【化13】
【化14】
【化15】
【0047】
ポリマー
変性ポリマーを含む、本発明の第三の態様のポリマーは、
i)式1の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物と
ii)共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される重合性モノマーの少なくとも1種との反応生成物である。
概して、本発明のポリマーを生成するために、本発明の1つ以上の重合開始剤が使用されてもよい。
【0048】
本発明のポリマーの特定の実施形態では、その調製に使用される重合開始剤は、重合開始剤の説明において、本明細書に定義されるとおり、実施形態及び好ましい実施形態から選択される1つ以上である。
【0049】
「実施形態4」と称される本発明のポリマーの一実施形態では、重合開始剤の説明において、本明細書に「実施形態1」として並びにその実施形態及び好ましい実施形態を含んで定義されるとおり、重合開始剤は、式5の化合物またはそのルイス塩基付加物である。
【0050】
本発明のポリマーの別の実施形態では、重合開始剤は、重合開始剤の説明において、本明細書に「実施形態2」として並びに実施形態及びその好ましい実施形態を含んで定義されるとおり、式6の化合物またはそのルイス塩基付加物である。
【0051】
本発明のポリマーの更に別の実施形態では、重合開始剤は、重合開始剤の説明において、本明細書に「実施形態2」として並びにその実施形態及び好ましい実施形態を含んで定義されるとおり、式17、18または19の化合物またはそのルイス塩基付加物から選択される。
【0052】
式5、6、17、18及び19の実施形態を含む式1の重合開始剤は、任意によりルイス塩基存在下において、所望のポリマーの作製に必要なモノマー総量の分画と反応させることができ、次に、重合化プロセスを完了するように更にモノマーの残量と反応させる前に、ある時間量、例えば、数秒間から数週間保管されることができる。一実施形態では、モノマー総量の分画は、重合開始剤の量に基づいて1〜40モノマー当量である。
【0053】
好ましい実施形態では、本発明のポリマーは、変性ポリマーであり、以下の生成物である。
式5、6、17、18及び19及びこれらの実施形態またはこれらのルイス塩基付加物を含む式1の重合開始剤を最初に共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される少なくとも1種の重合性モノマーと反応させ、オメガ,オメガ’−二価アニオン性リビングポリマーを形成し、
更に、以下に示すとおり、オメガ,オメガ’−二価アニオン性リビングポリマーを鎖末端部変性剤と反応させて、オメガ,オメガ−変性ポリマーとして、少なくとも2つのポリマー鎖末端部により修飾された変性ポリマーを形成する。
【0054】
変性ポリマーを含む、本発明の第三の態様によるポリマーは、構造的に、例えば次式P1〜P6:
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
及びこれらのルイス塩基付加物によって表される
(式中、
1及びP2は、それぞれ独立して、特に、ブタジエン、イソプレン、スチレン及びα−メチルスチレンなど、共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択されるモノマー単位によって形成されたポリマー鎖であって、1ポリマー分子当たりのモノマー単位の総数は、10〜50.000、好ましくは、20〜40.000の範囲であってもよく、
1及びW2は、水素及び本明細書に記載されるように、鎖末端部P1及び/またはP2と鎖末端部変性剤とを反応させることによって生成させた鎖末端部変性基からそれぞれ独立して選択され、
すべての他の置換基または基は、一般に、式1(P1について)、式5(式P2について)、式6(式P3について)、式17(式P4について)、式18(式P5について)及び式19(式P6について)に関して定義されるとおりである)。
【0055】
式P4、P5及びP6のポリマー及び変性ポリマーが好ましい。
【0056】
特定の好ましいポリマー及び変性ポリマーとしては、そのルイス塩基付加物を含む、以下のポリマーが挙げられる(P1及びP2は、本明細書で定義されるとおりである):
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0057】
トリアルキルシリル、トリアルキルアリールシリル及びトリアリールシリルを含む末端トリヒドロカルビルシリル基;トリアルキルスタンニル、トリアルキルアリールスタンニル及びトリアリールスタンニルを含むトリヒドロカルビルスタンニル基;ジアルキルシレンデイル(dialkylsilendeyl)、ジアルキルアリールシレンジイル(dialkylarylsilendiyl)及びジアリールシレンジイル(diarylsilendiyl)を含むジヒドロカルビルシレンジイル(dihydrocarbylstannendiyl)基;またはジアルキルスタンネンジイル、ジアルキルアリールスタンネンジイル、及び、ジアリールスタンネンジイルを含むジヒドロカルビルスタンネンジイル基を有する鎖末端変性剤を用いた鎖末端変性処理によって得られた部分は、意図していないポリマー鎖のその後の反応を阻止する保護基として機能すると考えられている。こうした保護基は、水、アルコール、アニオン性酸または有機酸(例えば、塩酸、硫酸またはカルボン酸)などの反応性ヒドロキシル基(−OH)を含む化合物に曝露することによって、除去されてもよい。こうした状態は、典型的には、加硫中に現れる。鎖末端部変性化合物の末端基が、スルフィド結合されている場合には、反応性ヒドロキシル基への曝露及び脱保護により、ポリマー鎖の末端基として、非保護チオール基(−SH)が形成される。変性ポリマーの精製条件(例えば、水蒸気蒸留)に依存して、非保護変性ポリマー及び保護変性ポリマーが双方とも存在することもある。
【0058】
非保護チオール基などのポリマーのある特定の末端基は、シリカ及び/またはカーボンブラックなどのフィラーに対して反応性であり、ポリマー組成物中のフィラーが更に均一な分布となり得る。
【0059】
非保護末端チオール基を含む特定の好ましいポリマーとしては、そのルイス塩基付加物を含む、以下のものが挙げられる(P1及びP2は、本明細書で定義されるとおりである):
【化27】
【化28】
【0060】
鎖末端部変性ポリマーとしての反応生成物は、典型的には、総量で、ポリマー1グラム当たり0.0001〜3.00mmol、好ましくはポリマー1グラム当たり0.0005〜1.8mmol、より好ましくはポリマー1グラム当たり0.0010〜1.0mmol及び更により好ましくはポリマー1グラム当たり0.0020〜0.2mmolのシラノール基及びアルコキシシリル基を含む。
【0061】
鎖末端部変性ポリマーとしての反応生成物は、好ましくは、総量で、ポリマー1グラム当たり0.0001〜0.80mmol、好ましくはポリマー1グラム当たり0.0005〜0.50mmol、さらに好ましくはポリマー1グラム当たり0.0010〜0.30mmol及びさらにより好ましくはポリマー1グラム当たり0.0020〜0.20mmolのスルフィド基(チオール基及び/またはスルフィド結合保護基の形態で)を含む。
【0062】
ほとんどの用途に関して、ポリマーは、好ましくは、共役ジオレフィンから誘導されたホモポリマー、共役ジオレフィンと芳香族ビニルモノマーとから誘導されたコポリマー及び/若しくは1種または2種の共役ジオレフィンと1種または2種の芳香族ビニル化合物のターポリマーである。特定の有用なポリマーの例としては、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー、ブタジエン、イソプレン及びスチレンのランダムまたはブロックコポリマー及びターポリマー、特にブタジエンとイソプレンのランダムコポリマー及びブタジエンとスチレンのランダムまたはブロックコポリマーが挙げられる。
【0063】
ポリマー中に使用する芳香族ビニルモノマーの量に関する特定の制限はないが、ほとんどの用途に関して、芳香族ビニルモノマーは、ポリマーの総重量を基準として、1〜60重量%、好ましくは2〜55重量%及び更に好ましくは5〜50重量%を占める。2重量%未満の量である場合、転がり抵抗、ウェットスキッド及び耐摩擦性のバランスの悪化並び引張強度の低下を招く可能性があり、また、60重量%超の量の場合は、ヒステリシス損失の上昇を招く可能性がある。ポリマーは、芳香族ビニルモノマーのブロックまたはランダムコポリマーであってもよく、芳香族ビニルモノマー単位の好ましくは40重量%以上は単一で結合され、10重量%以下では、8個以上の芳香族ビニルモノマーが連続して結合しているポリマー「ブロック」である(Tanaka et al(Polymer,Vol.22,pp.1721−1723(1981))によって開発されたオゾン分解−ゲル透過クロマトグラフィー方法によって、連続して結合している芳香族ビニル単位の長さは測定され得る)。この範囲外のコポリマーは、ヒステリシス損失の上昇を示す傾向にある。
【0064】
ポリマーの共役ジオレフィン部分の1,2−結合含有量及び/または3,4−結合含量(以下、「ビニル結合含量」と称する)に関する特定の制限は存在しないが、ほとんどの用途では、ビニル結合含量は、90重量%未満、特に好ましくは80重量%未満(ポリマー総重量を基準として)である。ポリマー中のビニル含量が、90重量%を超えると、その結果得られる生成物は、引張強度及び磨耗耐性の低下並びに比較的大きいヒステリシス損を示す可能性がある。
【0065】
モノマー
本発明のポリマーの調製に使用されるモノマーは、共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される。
【0066】
好適な共役オレフィンとしては、1,3−ブタジエン、2−アルキル−1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、2,4−ヘキサジエン及び1,3−シクロオクタジエン及びこれらの2つ以上を組み合わせたものなどの共役ジエンが挙げられる。1,3−ブタジエン及びイソプレンは、好ましい共役オレフィンであり、1,3−ブタジエンは特に好ましいものである。
【0067】
好適な芳香族ビニル化合物としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン及びスチルベン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン及びビニルピリジン及びこれらの2つ以上を組み合わせたものなどのC1-4アルキル置換スチレンが挙げられる。スチレンが特に好ましい芳香族ビニル化合物である。
【0068】
上記の共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物に加えて、C2〜C20 α−オレフィン及び非共役C4〜C20ジオレフィンなど、特に、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、4−ビニルシクロヘキセンのほかに、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン及び1,4−ジビニルベンゼンを含むジビニルベンゼンから選択される1つ以上のモノマーを使用することも可能である。
【0069】
一実施形態では、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン及び1,4−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼンの量は、1モル%以下(ポリマーの生成に使用されるモノマーのモノマーの総モル量を基準とする)である。
【0070】
鎖末端部変性剤
ポリマー特性の更なる制御のために、1つ以上の鎖末端部変性剤(または単に「変性剤」)は、本発明のポリマーにおいて、ポリマー鎖(複数可)末端部と反応させるのに使用可能である。一般に、WO2007/047943、WO2009/148932、US6,229,036及ビUS2013/0131263(それぞれその全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に開示されているものなどのシラン-スルフィドオメガ鎖末端部変性剤は、この目的のために、つまり、モノマー化合物として、本発明の重合開始剤化合物と共役オレフィンまたは芳香族ビニル化合物とを反応させることによって得られるポリマー(リビングアニオン性ポリマー)との反応によって、使用することができる。
【0071】
好ましい実施形態では、鎖末端部変性剤は、次式8、9、10、11、12、13、14、15及び16並びにそのルイス塩基付加物によって表される1つ以上の鎖末端部変性剤から選択される。
【化29】
式8では、M3はケイ素原子またはスズ原子であり、
Tは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
23及びR26は、それぞれ独立して(C1〜C4)アルキルから選択され、
24、R25、R27及びR28は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
a及びcは、それぞれ独立して、0、1及び2から選択され、b及びdは、それぞれ独立して、1、2及び3から選択され、a+b=3であり、c+d=3である。
【0072】
式8の鎖末端部変性剤の特定の好ましい種としては、以下の化合物及びこれらの対応するルイス塩基付加物が挙げられる:
(MeO)3Si−(CH23−S−Si(Me)2−S−(CH23−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH23−S−Si(Et)2−S−(CH23−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH23−S−Si(Bu)2−S−(CH23−Si(OMe)3
(EtO)3Si−(CH23−S−Si(Me)2−S−(CH23−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH23−S−Si(Et)2−S−(CH23−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH23−S−Si(Bu)2−S−(CH23−Si(OEt)3
(PrO)3Si−(CH23−S−Si(Me)2−S−(CH23−Si(OPr)、
(PrO)3Si−(CH23−S−Si(Et)2−S−(CH23−Si(OPr)3
(PrO)3Si−(CH23−S−Si(Bu)2−S−(CH23−Si(OPr)3
(MeO)3Si−(CH22−S−Si(Me)2−S−(CH22−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH22−S−Si(Et)2−S−(CH22−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH22−S−Si(Bu)2−S−(CH22−Si(OMe)3
(EtO)3Si−(CH22−S−Si(Me)2−S−(CH22−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH22−S−Si(Et)2−S−(CH22−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH22−S−Si(Bu)2−S−(CH22−Si(OEt)3
(PrO)3Si−(CH22−S−Si(Me)2−S−(CH22−Si(OPr)3
(PrO)3Si−(CH2)2−S−Si(Et)2−S−(CH22−Si(OPr)3
(PrO)3Si−(CH22−S−Si(Bu)2−S−(CH22−Si(OPr)3
(MeO)3Si−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−Si(OMe)3
(EtO)3Si−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−Si(OEt)3
(PrO)3Si−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−Si(OPr)3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)3
(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)3
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Me)2−S−(CH23−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Et)2−S−(CH23−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Bu)2−S−(CH23−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Me)2−S−(CH23−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Et)2−S−(CH23−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Bu)2−S−(CH23−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Me)2−S−(CH23−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Et)2−S−(CH23−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−Si(Bu)2−S−(CH23−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Me)2−S−(CH22−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Et)2−S−(CH22−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Bu)2−S−(CH22−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Me)2−S−(CH22−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Et)2−S−(CH22−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Bu)2−S−(CH22−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Me)2−S−(CH22−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Et)2−S−(CH22−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−Si(Bu)2−S−(CH22−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Si(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)3Si−(CH23−S−Sn(Me)2−S−(CH23−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH23−S−Sn(Et)2−S−(CH23−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH23−S−Sn(Bu)2−S−(CH23−Si(OMe)3
(EtO)3Si−(CH23−S−Sn(Me)2−S−(CH23−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH23−S−Sn(Et)2−S−(CH23−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH23−S−Sn(Bu)2−S−(CH23−Si(OEt)3
(PrO)3Si−(CH23−S−Sn(Me)2−S−(CH23−Si(OPr)、
(PrO)3Si−(CH23−S−Sn(Et)2−S−(CH23−Si(OPr)3
(PrO)3Si−(CH23−S−Sn(Bu)2−S−(CH23−Si(OPr)3
(MeO)3Si−(CH22−S−Sn(Me)2−S−(CH22−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH22−S−Sn(Et)2−S−(CH22−Si(OMe)3
(MeO)3Si−(CH22−S−Sn(Bu)2−S−(CH22−Si(OMe)3
(EtO)3Si−(CH22−S−Sn(Me)2−S−(CH22−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH22−S−Sn(Et)2−S−(CH22−Si(OEt)3
(EtO)3Si−(CH22−S−Sn(Bu)2−S−(CH22−Si(OEt)3
(PrO)3Si−(CH22−S−Sn(Me)2−S−(CH22−Si(OPr)3
(PrO)3Si−(CH22−S−Sn(Et)2−S−(CH22−Si(OPr)3
(PrO)3Si−(CH22−S−Sn(Bu)2−S−(CH22−Si(OPr)3
(MeO)3Si−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−Si(OMe)3
(EtO)3Si−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−Si(OEt)3
(PrO)3Si−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−Si(OPr)3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)3
(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)3
(MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)3
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Me)2−S−(CH23−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Et)2−S−(CH23−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Bu)2−S−(CH23−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Me)2−S−(CH23−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Et)2−S−(CH23−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Bu)2−S−(CH23−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Me)2−S−(CH23−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Et)2−S−(CH23−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−Sn(Bu)2−S−(CH23−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Me)2−S−(CH22−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Et)2−S−(CH22−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Bu)2−S−(CH22−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Me)2−S−(CH22−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Et)2−S−(CH22−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Bu)2−S−(CH22−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Me)2−S−(CH22−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Et)2−S−(CH22−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−Sn(Bu)2−S−(CH22−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−CMe2−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OMe)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OEt)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Me)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Et)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)2(Me)、
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−Sn(Bu)2−S−CH2−C(H)Me−CH2−Si(OPr)2(Me)。
【化30】
【0073】
式9では、M4はケイ素原子またはスズ原子であり、
Uは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
29は、独立して、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
31、R32、及びR33は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
30は、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びR34−(C24O)g−O−(式中、R34は、(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アルキルアリールから選択される)から選択され、gは、4、5及び6から選択され、
eは0、1及び2から選択され、fは1、2及び3から選択され、e+f=3である。
【0074】
式9の鎖末端部変性剤の特定の好ましい種としては、以下の化合物及びこれらの対応するルイス塩基付加物が挙げられる:
(MeO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(EtO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(PrO)3Si−(CH23−S−SiMe3
(BuO)3Si−(CH23−S−SiMe3、(MeO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(EtO)3Si−(CH22−S−SiMe3
(PrO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(BuO)3Si−(CH22−S−SiMe3、(MeO)3Si−CH2−S−SiMe3
(EtO)3Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)3Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−S−SiMe3
(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3
(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3
((MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3
(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3
(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3
(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−(CH23−S−SiMe3
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3
(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−(CH22−S−SiMe3、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3
(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiMe3
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3
((MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3
(MeO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe3
(PrO)Me)2Si−(CH23−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−(CH23−S−SiMe3
(MeO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3
(PrO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3、(BuO)(Me)2Si−(CH22−S−SiMe3
(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3
(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiMe3、(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3
(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3
(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiMe3、((MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3
(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3
(BuO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiMe3、(MeO)3Si−(CH23−S−SiEt3
(EtO)3Si−(CH23−S−SiEt3、(PrO)3Si−(CH23−S−SiEt3、(BuO)3Si−(CH23−S−SiEt3
(MeO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(EtO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(PrO)3Si−(CH22−S−SiEt3
(BuO)3Si−(CH22−S−SiEt3、(MeO)3Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)3Si−CH2−S−SiEt3
(PrO)3Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)3Si−CH2−S−SiEt3、(MeO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3
(EtO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3
(BuO)3Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、((MeO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3
(EtO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(PrO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3
(BuO)3Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3
(EtO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−(CH23−S−SiEt3
(MeO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(PrO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3
(BuO)2(Me)Si−(CH22−S−SiEt3、(MeO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3
(PrO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−S−SiEt3
(MeO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3
(PrO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3
((MeO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3
(PrO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(BuO)2(Me)Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3
(MeO)(Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(PrO)Me)2Si−(CH23−S−SiEt3
(BuO)(Me)2Si−(CH23−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3
(EtO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3、(PrO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3
(BuO)(Me)2Si−(CH22−S−SiEt3、(MeO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3
(PrO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−S−SiEt3
(MeO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3
(PrO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3、(BuO)(Me)2Si−CH2−CMe2−CH2−S−SiEt3
((MeO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3、(EtO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3
(PrO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3及び(BuO)(Me)2Si−CH2−C(H)Me−CH2−S−SiEt3
【化31】
【0075】
式10及び式11では、Vは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
35は、独立して、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
37、R38、R39、R40、R41及びR42は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
36は、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びR43−(C24O)j−O−(式中、R43は、(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アルキルアリールから選択される)から選択され、jは、4、5及び6から選択され、
iは0、1及び2から選択され、hは1、2及び3から選択され、i+h=3である。
【化32】
【0076】
式12及び13では、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C16)アルキル、(C6〜C16)アリール及び(C7〜C16)アルキルアリールから選択され、
50は、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換される。
【化33】
【0077】
式14、15、16では、R55、R56、R57、R58、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70及びR71は、水素、(C1〜C16)アルキル、(C6〜C16)アリール及び(C7〜C16)アルキルアリールからそれぞれ独立して選択され、
59は、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
Wは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
kは0、1及び2から選択され、lは1、2及び3から選択され、k+l=3であり、vは1〜20から選択され、
1及びF2は、独立して、水素、ヒドロキシ、塩素、臭素、ヨウ素、−SiR525354(式中、R52、R53、R54は同一であるか、または異なり、式12及び13について定義したとおりである)、ビニル、(C6〜C16)アリール、(C7〜C16)アルキルアリール及び(C1〜C16)アルキルから選択され、各ヒドロカルビル基は、ヒドロキシル、ジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ及びエポキシ基から選択される1つ以上の基にて任意により置換される。
【0078】
2つ以上の鎖末端部変性剤が鎖末端部変性の目的のために使用される場合、鎖末端部変性剤は、次々にリビングアニオン性ポリマー溶液に添加させることができるか、または、リビングアニオン性ポリマー溶液に得られた混合物を添加する前に、一緒に混合することができる。
【0079】
鎖末端部変性剤を重合中、断続的(または定期的に、または不規則な間隔で)にもしくは、継続して、添加してもよいが、好ましくは、80%超の重合転化率で、より好ましくは90%超の重合転化率で添加させる。好ましくは、相当量のポリマー鎖末端部は、鎖末端部変性剤と反応させる前に、末端処理されていない。すなわち、リビングポリマー鎖末端部が存在し、変性剤と反応させることができる。任意のカップリング剤の添加前、添加後、または添加中に、末端部変性反応が発生し得る。好ましくは、鎖末端部変性反応は、任意のカップリング剤添加後に完了させる。例えば、参照によって本明細書に組み込まれるWO2009/148932を参照されたい。
【0080】
一実施形態では、重合プロセスの間に形成されるポリマー鎖の20%超、好ましくは35%超、更により好ましくは50%超は(GPCによって測定)、ポリマー鎖末端部改質プロセスにおいて、鎖末端部変性剤と結合する。
【0081】
一実施形態では、本発明のリビングポリマーの50%超、好ましくは60%超、及び更に好ましくは75%超(GPCによって測定)(カップル剤の反応後も残存する)は、鎖末端部変性剤と反応する。
【0082】
鎖末端部変性剤の処理
本発明の重合開始剤は、モノマーと反応させて、本発明の「オメガ,オメガ’−カルバニオン」リビングポリマー分子を形成する。少なくとも1つのリビングポリマー分子と少なくとも1当量の鎖末端部変性剤とを反応させることによって、変性ポリマー分子が得られる。直鎖状ポリマー分子のポリマー鎖末端部がいずれも(2つのオメガ,オメガ’−カルバニオン末端位置を含む)、末端部変性剤によって修飾されている場合には、オメガ,オメガ’−二価変性直鎖状ポリマー分子が形成される。このため、各カルバニオンポリマー鎖末端部を1当量の鎖末端部変性剤と反応させる。カップリング剤(本明細書に記載されるような)を片方または双方のカルバニオンポリマー鎖末端位置と反応させると、分枝変性ポリマー分子が形成される。また、重合中、いつでも、ジビニルベンゼンなど、2つ以上の成長ポリマー鎖と反応させることができるモノマーを重合混合物に添加させると、この分子が形成され得る。
【0083】
鎖末端部変性剤は、希釈せずにポリマー溶液に直接添加してよいが、不活性溶媒(例えば、シクロヘキサン)中など、溶解した形態で変性剤を添加することが有益であり得る。重合化のために添加される鎖末端部変性剤の量は、モノマーの種、カップリング剤、鎖末端部変性剤、反応条件及び所望のポリマー特性に依存して変動し得るが、一般に、開始剤化合物中においては、アルカリ金属モル当量当たり0.1〜5モル当量、好ましくは0.2〜4.0モル当量、及び最も好ましくは0.5〜3.0モル当量である。鎖末端部変性反応は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜120℃及び更により好ましくは40℃〜100℃の温度範囲で行われてもよい。鎖末端部変性反応時間に関する制限はない。しかし、経済的な重合プロセスについては、例えば、バッチ重合プロセスである場合、鎖末端部変性反応は、通常、変性剤を添加後約5分〜60分にて停止する。
【0084】
本発明の変性ポリマーの作製方法は、少なくとも以下のステップA〜Cを含む。
ステップA:重合溶媒中において、式1、5、6、17、18または19(それぞれ本明細書で定義されるとおり)、好ましくは式6、17、18または19で示される本発明の重合開始剤を好ましくはブタジエン、スチレン、イソプレン、αメチル-スチレン及びこれらを組み合わせたものから選択される共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される1つ以上の重合性モノマーと反応させる。好適な、適した重合溶媒としては、非極性の脂肪族溶媒及び非極性芳香族溶媒、好ましくはヘキサン、ヘプタン、ブタン、ペンタン、アイソパー、シクロヘキサン、トルエン及びベンゼンが挙げられる。
【0085】
ステップB:任意により、ステップAの反応生成物のポリマー分子の一部とSnCl4、(R13SnCl、(R12SnCl2、R1SnCl3、SiCl4、(R13SiCl、(R12SiCl2、R1SiCl3、Cl3Si−SiCl3、Cl3Si−O−SiCl3、Cl3Sn−SnCl3、Cl3Sn−O−SnCl3、Sn(OMe)4、Si(OMe)4、Sn(OEt)4及びSi(OEt)4から選択される少なくとも1種のカップリング剤とを反応させる(式中、R1は、ヒドロカルビル基、好ましくはアルキル基である)。
【0086】
ステップC:ステップAまたはBの反応生成物と好ましくは、式8、9、10、11、12、13、14、15及び16(本明細書に記載されるように)から選択される少なくとも1つの鎖末端部変性剤と反応させて、鎖末端部変性ポリマーを形成する。
【0087】
ランダム化剤
好ましくは、本発明の重合二価開始剤を形成するために使用されるルイス塩基に加えて、追加のルイス塩基は、任意により、ジオレフィン型ホモポリマー、コポリマー若しくはターポリマーの共役ジオレフィン部分ミクロ構造(ビニル結合含有物など)を調整するために、または、共役ジエンモノマー含有コポリマー若しくはターポリマー中の芳香族ビニル化合物の組成分布を調整するために、重合混合物に添加されることができ、ランダム化成分の役割をする。追加のルイス塩基は、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル化合物、メチルテトラヒドロフリルエーテル、エチルテトラヒドロフリルエーテル、プロピルテトラヒドロフリルエーテル、ブチルテトラヒドロフリルエーテル、ヘキシルテトラヒドロフリルエーテル、オクチルテトラヒドロフリルエーテルなどのアルキルテトラヒドロフリルエーテル、テトラヒドロフラン、2,2−ビス(テトラヒドロフルフリル)プロパン、ビス(テトラヒドロフルフリル)ホルマール、テトラヒドロフルフリルアルコールのメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのブチルエーテル、α−メトキシテトラヒドロフラン、ジメトキシベンゼン、及びジメトキシエタン、及びトリエチルアミンのブチルエーテル、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、N,N−ジエチルエタノールアミンのメチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミン及びN,N−ジエチルエタノールアミンのエチルエーテルなどの三級アミン合成物である。
【0088】
カップリング剤
本発明の重合開始剤化合物は、任意により、1つ以上のカップリング剤と反応させて分枝鎖ポリマーを形成することができる。
【0089】
カップリング剤としては、四塩化物、四臭化スズ、四フッ化スズ、四ヨウ化スズ、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、アルキルスズ及びトリハロゲン化アルキルケイ素若しくは、ジアルキルスズ及びジハロゲン化ジアルキルケイ素が挙げられる。四ハロゲン化スズまたはケイ素と結合させるポリマーは、最大4つのアームを有し、トリハロゲン化アルキルスズ及びアルキルケイ素と結合させたポリマーは、最大3つのアームを有し、ジハロゲン化ジアルキルスズ及びジアルキルケイ素は、最大2つのアームを有する。ヘキサハロジシランまたはヘキサハロジシロキサンを、カップリング剤として使用してもよく、最大6つのアームを有するポリマーとなる。有用なハロゲン化スズ及びケイ素カップリング剤としては、SnCl4、(R13SnCl、(R12SnCl2、R1SnCl3、SiCl4、R1SiCl3、(R12SiCl2、(R13SiCl、Cl3Si−SiCl3、Cl3Si−O−SiCl3、Cl3Sn−SnCl3及びCl3Sn−O−SnCl3(式中、R1は、ヒドロカルビル基、好ましくはアルキル基である)が挙げられる。スズアルコキシド及カップリング剤びケイ素アルコキシドカップリング剤の例としては、更に、Sn(OMe)4、Si(OMe)4、Sn(OEt)4及びSi(OEt)4が挙げられる。最も好ましいカップリング剤としては、SnCl4、SiCl4、Sn(OMe)4及びSi(OMe)4が挙げられる。
【0090】
カップリング剤を重合中、断続的(または定期的に、または不規則な間隔で)にもしくは、継続して、添加してもよいが、好ましくは、80%超の重合転化率で、より好ましくは90%超の重合転化率で添加させる。カップリング剤は、典型的には、高反応率がすでに得られた後のみに添加される。
【0091】
例えば、非対称的カップリング剤が所望される場合には、カップリング剤は、重合中に連続的に添加され得る。このような連続的な添加は、通常、重合の大部分が行われる域とは異なる反応域で行われる。カップリング剤を、炭化水素溶液中、例えば、シクロヘキサン中で、分布及び反応に好適な混合により、重合混加物に添加させることができる。典型的には、4.0モル毎のリビングアニオン性ポリマー鎖末端部については、0.01〜2.0mol、好ましくは0.02〜1.5mol及びより好ましくは0.04〜0.6molのカップリング剤を使用する。
【0092】
好ましくは、相当量のポリマー鎖末端部は、カップリング剤と反応させる前に、末端処理されていない。すなわち、リビングポリマー鎖末端部が存在し、ポリマー鎖カップリング剤中においてカップリング剤と反応させることができる。任意の鎖末端部変性剤の添加前、添加後、または添加中に、カップリング反応が発生する。カップリング反応は、好ましくは、鎖末端部変性剤を添加する前に終了する。いくつかの実施形態では、5%〜20%のリビングポリマー鎖末端部(GPCによって計測したとおり)が、鎖末端部変性剤を添加する前にカップリング剤と反応した。他の実施形態では、20%〜35%のリビングポリマー鎖末端部が、鎖末端部変性剤を添加する前にカップリング剤と反応した。更に別の実施形態では、35%〜50%のリビングポリマー鎖末端部が、鎖末端部変性剤を添加する前にカップリング剤と反応した。
【0093】
また、Bu2SnCl2とSnCl4、Me2SiCl2とSi(OMe)4、Me2SiCl2とSiCl4、SnCl4とSi(OMe)4、SnCl4とSiCl4など、異なるカップリング剤の組み合わせを使用して、ポリマー鎖を結合し得る。シリカ及びカーボンブラックの双方を含有するタイヤトレッド化合物中にスズカップリング剤とケイ素カップリング剤とを組み合わせたものを使用することが、特に望ましい。こうした場合、スズ化合物対ケイ素化合物のモル比は、通常、20:80〜95:5、より典型的には40:60〜90:10及び好ましくは60:40〜85:15の範囲内になる。最も典型的には、ポリマー100グラム当たり約0.001〜4.5mmolの量のカップリング剤が使用される。通常、ポリマー100グラム当たり約0.05〜約0.5mmolのカップリング剤を使用して、所望のムーニー粘度を得て、引き続き残存しているリビングポリマー分画の鎖末端部官能基化が可能になることが好ましい。より量が多いと、末端反応基を含むポリマーを作製する傾向にある、または不十分なカップリングをもたらす蛍光にあり、不十分な鎖末端部の変性しか可能にならない。
【0094】
ポリマーカップリング反応は、0℃〜150℃、好ましくは15℃〜120℃及びより更に好ましくは40℃〜100℃の温度範囲で行われ得る。カップリング反応時間に関する制限はない。しかし、経済的な重合プロセスについては、例えば、バッチ重合プロセスである場合、カップリング反応は、通常、カップリング剤を添加後約5分〜60分にて停止する。
【0095】
ポリマーの作製方法
本発明の第4の態様によるポリマーの作製方法は、
i)式1の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物と、
ii)共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される重合性モノマーの少なくとも1種と、を反応させるステップを含む。
【0096】
ポリマーの作製方法の特定の実施形態では、重合開始剤は、重合開始剤の説明において、本明細書に定義されるとおり、実施形態及び好ましい実施態様から選択される1つ以上である。
【0097】
「実施形態5」と称される本発明のポリマー作製方法の一実施形態では、重合開始剤の説明において、本明細書に「実施形態1」として並びにその実施形態及び好ましい実施形態を含んで定義されるとおり、重合開始剤は、式5の化合物またはそのルイス塩基付加物である。
【0098】
ポリマーの作製方法の別の実施形態では、重合開始剤は、重合開始剤の説明において、本明細書に「実施形態2」並びに実施形態及びその好ましい実施形態を含んで定義されるとおり、式6の化合物またはそのルイス塩基付加物である。
【0099】
ポリマー作製方法の更に別の実施形態では、重合開始剤は、重合開始剤の説明において、本明細書に並びに実施形態及びその好ましい実施形態を含んで定義されるとおり、式17、18及び19の化合物またはそのルイス塩基付加物から選択される。
【0100】
好ましい実施形態では、変性ポリマーの作製方法は、以下のステップを含む。
始めに、式5、6、17、18及び19及びこれらの実施形態またはこれらのルイス塩基付加物を含む式1の重合開始剤を最初に共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される少なくとも1種の重合性モノマーと反応させ、オメガ,オメガ’−二価アニオン性リビングポリマーを形成し、
更に、以下の記述されているように、オメガ,オメガ’−二価アニオン性リビングポリマーを鎖末端部変性剤化合物と反応させ、これによって、少なくとも2つのポリマー鎖末端部で修飾されたオメガ,オメガ’−変性ポリマーとして、変性ポリマーが形成される。
【0101】
ポリマーの作製方法は、形成されたポリマーが実質的に反応混合物に可溶である溶液重合として、または形成されたポリマーは、実質的に反応媒体に不溶である懸濁液/スラリー重合として、重合溶媒中にて従来どおり実施される。好適な、適した重合溶媒としては、非極性の脂肪族溶媒及び非極性芳香族溶媒、好ましくはヘキサン、ヘプタン、ブタン、ペンタン、アイソパー、シクロヘキサン、トルエン及びベンゼンが挙げられる。溶液重合は、通常、低圧力、好ましくは10MPa未満で、好ましくは温度範囲0〜120℃で行われる。重合化は、通常、バッチ、連続または半連続重合条件下で行われる。
【0102】
それぞれ、開始剤の反応性を上昇させるため、芳香族ビニル化合物をランダムに配置するため、ポリマー中に取り込まれる1,2−ポリブタジエンまたは1,2−ポリイソプレンまたは3,4−ポリイソプレン単位をランダムに配置するための重合開始剤化合物、極性調整化合物及び加速剤などの重合技術、各化合物の量、モノマー(複数可)、及び好適なプロセス条件に関する一般に適用される情報は、WO2009/148932に記述され、参照することによって本明細書によって組み込まれる。
【0103】
本発明によるポリマーの作製方法は、従来どおり、反応溶媒中で、任意により、追加の(非発明性)非変性直鎖状ポリマー分子、分枝状ポリマー分子及び結合ポリマー分子及び追加(非発明性)の変性ポリマー分子と一緒に、変性ポリマーなどの本発明のポリマーを提供する。すべてのポリマー分子は、ポリマー重合プロセス中で形成されたリビングポリマー鎖で作製されている。本発明の変性ポリマー分子は、本明細書に記述されているとおり、変性剤を用いて、リビングポリマーの修飾により形成されてもよい。追加の(非発明性)非変性ポリマー分子及び追加の(非発明性)変性ポリマー分子は、追加の(非発明性)非変性ポリマー分子及び追加の(非発明性)変性ポリマー分子は、本発明の開始剤化合物に結合せず、極性基含有(非発明性)開始剤化合物、リビングポリマー鎖末端生成物若しくは鎖末端変性反応生成物、鎖移動反応生成物、またはリビングポリマー鎖連結反応生成物を用いた結果となり得、後者の場合、本明細書に記載のとおり、1つ以上のカップリング剤を用いて、任意により実施される。「追加の非変性ポリマー分子」または「追加の変性ポリマー分子」は、重合プロセスの結果として形成され、また、重合プロセスから溶媒を除去後に残存している成分を構成する。本発明のポリマーまたは変性ポリマーは、典型的には、本発明の方法で産生した総ポリマーの少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも60重量%及び最も好ましくは少なくとも80重量%を構成する。対照的に、追加の変性ポリマーまたは変性ポリマーは、通常は、本発明の方法で産生した総ポリマーの少なくとも1重量%以上、典型的には5重量%以上、及びより更に典型的には10重量%以上を構成する。
【0104】
ポリマー組成物
本発明の第5の態様による第1のポリマー組成物は、変性ポリマーを含む本発明のポリマー並びに(i)ポリマーを作製するために使用された重合プロセスに添加されるまたはその重合プロセスの結果として形成される成分、及び(ii)重合プロセスから溶媒を除去後残存している成分から選択される1つ以上の更なる成分を含むポリマー組成物を含む。一般に、第1のポリマー組成物は、ポリマーの作製方法からの溶媒非含有物であり、更に油(エキステンダー油)、安定化剤及び更なる(非発明性)ポリマーから選択される成分を含む。好適な油は、本明細書に定義したとおりである。更なるポリマーは、例えば、異なる重合反応器において、溶液中で、別途産生することができ、また、ポリマーのポリマー製造プロセスの終了前に反応器に添加することができる。
【0105】
本発明の第1ポリマー組成物は、重合プロセスから溶媒及び処理水を除去した後に得られるため、好ましくは、ムーニー粘度(ML1+4、100℃、ASTM D1646(2004)に従って、Monsanto MV2000機器を用いて測定)150以下、好ましくは、20〜120及び更に好ましくは30〜100である。ポリマー組成物のムーニー粘度が150超である場合、その処理性(フィラー組み入れ及び内部攪拌機の発熱性、ロールミル上のバンディング、押出率、押出し加工におけるダイスェウル、滑らかさ等)は、タイヤ製造業者によって使用される混合装置は、ムーニー粘度の高いゴム等級品を処理するよう設計されておらず、否定的な影響を受け、処理費用も高騰する。ムーニー粘度が20未満である場合には、非架橋型エラストマーポリマーのタック性及びコールドフローが増大し、その結果、取り扱いにくく、未処理強度が不十分であり、保管中の寸法安定性が低下するため、好ましくない可能性がある。その他の場合、ポリマー配合物中で、軟化剤、相溶化剤または加工助剤として使用されるとき、ムーニー粘度は20未満であることが好ましいこともある。
【0106】
重合プロセスの溶媒除去後に得られる、ポリマー組成物の好ましい分子量分布は、重量平均分子量対数平均分子量(Mw/Mn)の比率で示され、1.0〜10.0の範囲、好ましくは1.1〜8.0、より好ましくは1.2〜4.5の範囲である。
【0107】
第1の組成物では、存在するポリマーは、好ましくは、重合反応中に得られるポリマーの少なくとも15重量%、更に好ましくは少なくとも30重量%及びより更に好ましくは少なくとも45重量%から構成される。ポリマーの残りの量は、上記の更なるポリマーから構成される。好適なポリマーの例は、WO 2009/148932にて確認され、好ましくは、スチレン−ブタジエンコポリマー、天然ゴム、ポリイソプレン、及びポリブタジエンを含む。こうした更なるポリマーは、ムーニー粘度(ML1+4,100℃、ASTM D1646(2004)に従って計測したとおり)が20〜150、好ましくは30〜100の範囲であることが望ましい。
【0108】
本発明の第6の態様による第2のポリマー組成物は、変性ポリマーを含む本発明のポリマー及び1つ以上のフィラーを含む。第2のポリマー組成物は、典型的には、本発明のポリマー及び1つ以上のフィラーが関与する機械的混合プロセスの生成物である。この組成物には、典型的には、ポリマーまたは第1のポリマー組成物に添加され、機械的に混合された成分を含む。
【0109】
第1ポリマー組成物及び第2ポリマー組成物は、任意により、以下の定義されたとおり、少なくとも1つの加硫剤を更に含む。
【0110】
フィラーを含む第2のポリマー組成物は、混練機中で、140〜180℃で、任意により、油、安定化剤及び更なるポリマーから選択される1つ以上の成分を含む第1のポリマー組成物及び1つ以上のフィラーを混練することによって調製され得る。
【0111】
あるいは、第2のポリマー組成物は、第1のポリマー組成物と1つ以上のフィラーとを混練機中で、140〜180℃で、混練することによって調製し、「第一段階」の第2の組成物を形成し得る。「第一段階」の第2の組成物の形成は、1つ以上の混合ステップ、好ましくは2〜7の混合ステップを含んでもよい。冷却後、硫黄、加硫促進剤、任意により酸化亜鉛などの加硫剤を「第一段階」の第2組成物に添加し、得られた「第二段階」の第2組成物をブラベンダーミキサーまたはバンバリーミキサー若しくは開放型ロール機を用いてブレンドし、所望の形状に形成する。
【0112】

粘度若しくはムーニー値を低下させるため、若しくは第1のポリマー組成物の処理性及び(加硫化された)第2のポリマー組成物のさまざまな性能特性を向上させるため、1つ以上の油を非架橋ポリマーと組み合わせて使用してよい。
【0113】
油は、ポリマー調製プロセスの終了前に、本教示による第1のポリマー組成物調製プロセスまたは第2のポリマー組成物調製プロセスの別個の成分として、ポリマーに添加させ得る。代表的な例及び油の分類については、いずれも参照によってその全体が本明細書に組み込まれるWO 2009/148932及びUS 2005/0159513を参照されたい。
【0114】
代表的な油としては、MES(軽度抽出溶媒和物)、RAE(T−RAE(理残留芳香族系抽出物)及びS−RAEを含む残留芳香族抽出物)、DAE(TDAE(処理留出物芳香族系留出物)を含む蒸留物芳香族抽出物)及びNAP(Nytex4700、Nytex8450、Nytex5450、Nytex832、Tufflo2000及びTufflo1200などのナフテン系重油及び軽油オイル)が挙げられる。さらに、植物油などの天然油は、エキステンダー油として使用することが可能である。また、代表的油には、これらの油の官能基化された変化形態、特にエポキシ化油またはヒドロキシル化油なども挙げられる。油は、様々な濃度の多環式芳香族化合物、パラフィン系化合物、ナフテン系化合物及び芳香族系化合物を含んでいてもよく、異なるガラス転移温度を有してもよい。
【0115】
加工助剤
加工助剤は、任意により、第1のポリマー組成物に添加させ得る。通常、これらは、粘度を低減させるために添加される。その結果、混合期間が短縮し、かつ/または混合ステップ数が減少し、その結果、消費されるエネルギーも少なく、かつ/またはゴム配合押出しプロセス中の処理能力が高くなる。代表的な加工助剤は、Rubber Handbook,SGF,The Swedish Institution of Rubber Technology 2000 and in Werner Kleemann,Kurt Weber,Elastverarbeitung−Kennwerte und Berechnungsmethoden,Deutscher Verlag fur Grundstoffindustrie(Leipzig,1990)に記述され、いずれもその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。代表的な加工助剤の例としては、特に以下が挙げられる。
(A)オレイン酸、プリオレン(priolene)、プリステレン(pristerene)およびステアリン酸を含む脂肪酸、
(B)AktiplastGT、PP、ST、T、T-60、8、F;Deoflow S;Kettlitz DispergatorFL、FL Plus; Dispergum 18、C、E、K、L、N、T、R; Polyplastol 6、15、19、21、23;Struktol A50P、A60、EF44、EF66、EM16、EM50、WA48、WB16、WB42、WS180、WS280及びZEHDLを含む脂肪酸塩、
(C)Aflux 12、16、42、54、25;Deoflow A、D;Deogum 80;Deosol H;Kettlitz Dispergator DS、KB、OX;Kettlitz-Mediaplast 40、50、Pertac/GR;Kettlitz-Dispergator SI;並びにStruktol FL及びWB212を含む分散剤;並びに
(D)Struktol W33及びWB42を含む、高活性白色フィラー用の分散剤。
【0116】
フィラー
本発明の第2の組成物は、1つ以上のフィラーを含み、強化剤として機能する。好適なフィラーの例としては、カーボンブラック(導電性カーボンブラックを含む)、カーボンナノチューブ(CNT)(別個のCNT、中空カーボンファイバ(HCF)及び1つ以上の官能基を担持する変性CNTなど(ヒドロキシル基、カルボキシル基及びカルボニル基など)、黒鉛、グラフェン(別個のグラフェンプレートレットなど)、シリカ、カーボン−シリカ二相フィラー、粘土(膨張ナノクレイ及びオルガノクレイを含む層状ケイ酸塩)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リグニン、非晶質フィラー(ガラス粒子系フィラー、デンプン系フィラーなど)、及びこれらを組み合わせたものが挙げられる。好適なフィラーの更なる例としては、全体が参照によって本明細書に組み込まれるWO2009/148932に記述されている。
【0117】
好適なカーボンブラックの例としては、例えば、50〜200m2/gの窒素吸着比表面積及び80〜200ml/100グラムのDBP油吸収を有するFEF、HAF、ISAF、またはSAFクラスのカーボンブラック及び導電性カーボンブラックなど、ファーネス法(furnace method)によって従来どおり製造されたものが挙げられる。いくつかの実施形態では、高凝集性カーボンブラックを使用する。典型的には、ポリマー総量の100重量部当たり、2〜100重量部、または5〜100重量部、または10〜100重量部、または10〜95重量部の量でカーボンブラックを使用する。
【0118】
好適なシリカフィラーの実施例としては、湿式シリカ、乾式シリカ及び合成ケイ酸質系シリカが挙げられる。粒径が小さく、表面積が広いいシリカは、高強化効果を有する。小径、高凝集性シリカ(すなわち、表面積が広く、油吸収性が高い)は、ポリマー組成物中で最良の分散性を示し、その結果、加工性に優れる。シリカの一次粒子径の平均粒径は、5〜60nmまたは10〜35nmであり得る。シリカ粒子の比表面積(BET法によって計測)は、35〜300m2/gであってもよい。典型的には、ポリマー総量の100重量部当たり、10〜100重量部、または30〜100重量部、または30〜95重量部の量でシリカを使用する。
【0119】
シリカフィラーは、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボン−シリカ二相フィラー、グラフェン、グラファイト、粘土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びこれらの組み合わせたものなど他のフィラーと組み合わせて使用され得る。
【0120】
カーボンブラック及びシリカの総量は、一緒に添加し得、この場合、カーボンブラック及びシリカの総量は、ポリマー総量の100重量部当たり、30〜100重量部、または30〜95重量部の量である。
【0121】
カーボン−シリカ二相フィラーは、いわゆる、カーボンブラック表面上にシリカを被覆することによって産生されるシリカ被覆カーボンブラックであり、商品名CRX2000、CRX2002またはCRX2006で市販されている(Cabot Co.の製品)。カーボン−シリカ二相フィラーは、シリカに関して上述されたのと同じ量で添加される。
【0122】
シランカップリング剤
いくつかの実施形態では、シランカップリング剤(ポリマーとフィラーとの相溶化のために使用される)は、本発明のポリマー及びシリカを含む組成物、層状ケイ酸塩(マガディアイトなど)またはカーボン−シリカ二相フィラーに添加される。添加されるシランカップリング剤の典型的な量は、シリカ及び/またはカーボン−シリカ二相フィラー総量の100重量部当たり約1〜約20重量部であり、いくつかの実施形態では、約5〜約15重量部である。
【0123】
シランカップリング剤は、Fritz Rothemeyer, Franz Sommer:Kautschuk Technologie,(Carl Hanser Verlag 2006)に従って分類することができる:
(A)Si230((EtO)3Si(CH23Cl)、Si225((EtO)3SiCH=CH2)、A189((EtO)3Si(CH23SH)、[(EtO)3Si(CH23x(CH23Si(OEt)3](x=3.75(Si69)または2.35(Si75))、Si264((EtO)3Si−(CH23SCN)及びSi363((EtO)Si((CH2−CH2−O)5(CH212CH32(CH23SH))(Evonic Industries AG)、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン(NXT)などのニ官能性シラン及び
(B)Si203((EtO)3−Si−C37)及びSi208((EtO)3−Si−C817)などの単官能性シラン。
【0124】
シランカップリング剤の更に好適な例は、WO2009/148932に記述され、かつ、ビス−(3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル)ジスルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−ジメチルシリル−エチル)テトラスルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−ジメチルシリル−エチル)ジスルフィド、3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド及び3−ヒドロキシ−ジメチルシリル−プロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドが挙げられる。
【0125】
加硫剤
ゴム製品の製造において従来使用される任意の加硫剤を本発明において使用することができ、また、2つ以上の加硫剤を組み合わせたものを使用してもよい。
【0126】
硫黄、硫黄供与体として作用する硫黄含有化合物、硫黄促進剤系及び過酸化物は、最も一般的な加硫剤である。硫黄供与体として作用する硫黄含有化合物の例としては、ジチオジモルホリン(DTDM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラム(TETD)及びジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)が挙げられる。硫黄促進剤の例としては、アミン誘導体、グアニジン誘導体、アルデヒデアミン(aldehydeamine)縮合物、チアゾール、チウラム硫化物、ジチオカルバメート及びチオリン酸塩が挙げられる。過酸化物の例としては、ジ−tert.−ブチル−ペルオキシド、ジ−(tert.−ブチル−ペルオキシ−トリメチル−シクロヘキサン)、ジ−(tert.−ブチル−ペルオキシ−イソプロピル−)ベンゼン、ジクロロ−ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert.−ブチル−クミル−ペルオキシド、ジメチル−ジ(tert.−ブチル−ペルオキシ)ヘキサン、ジメチル−ジ(tert.−ブチル−ペルオキシ)ヘキシン及びブチル−ジ(tert.−ブチル−ペルオキシ)バレレートが挙げられる(Rubber Handbook, SGF, The Swedish Institution of Rubber Technolgy 2000)。
【0127】
加硫剤に関する更なる例及び追加情報は、Kirk−Othmer, Encyclopedia of Chemical technology 3rd編(Wiley Interscience, N.Y. 1982)、 volume 20,pp.365−468(具体的には、「Vulcanizing Agents and Auxiliary Materials」pp. 390−402)で見られる。
【0128】
スルフェンアミド型、グアニジン型またはチウラム型の加硫促進剤は、必要に応じて加硫剤と共に使用され得る。亜鉛白などの他の添加剤、加硫補助剤、抗加齢剤、加工補助剤などを任意により添加してもよい。加硫剤は、典型的には、0.5〜10重量部の量で、または、いくつかの実施例では、ポリマー総量の100重量部当たり、1〜6重量部で、ポリマー組成物に添加される。加硫促進剤の例及びポリマー総量に対するその添加量は、WO2009/148932に記述されている。
【0129】
硫黄促進系は、酸化亜鉛を含んでも含まなくてもよい。酸化亜鉛は、好ましくは、硫黄促進系の構成成分として使用される。
【0130】
加硫化ポリマー組成物
発明の第7の態様による加硫化ポリマー組成物は、少なくとも1つの加硫剤を含む第1のポリマー組成物または第2のポリマー組成物を加硫することによって得られる。本発明の加硫エラストマーポリマー組成物は、転がり抵抗及び動的発熱性が低く、ウェットスキッド性に優れるため、タイヤ、タイヤトレッド、側壁、タイヤカーケース並びにベルト、ホース、振動ダンパ及び履物部品などの他の工業製品の製造に使用するために非常に適している。
【0131】
加硫化ポリマー組成物は、(i)ポリマーと少なくとも1つの加硫剤との混合物、(ii)少なくとも1つの加硫剤を含む第1のポリマー組成物、または(iii)少なくとも1つの加硫剤を含む第2の組成物で行われる反応性ポリマー−ポリマー架橋形成プロセスの結果である。したがって、反応プロセスによって、本質的に非架橋ポリマーまたは本質的に非架橋ポリマー組成物、特に、第1のポリマー組成物または第2のポリマー組成物(それぞれ、少なくとも1つの加硫剤を含む)を加硫化(または架橋)ポリマー組成物に転化させる。
【0132】
本発明の架橋(加硫化)ポリマー組成物により、発熱性の低下、0℃での弾性反発レジリエンスの低下、及び物理的特性の良好なバランス(耐摩擦性、引張強度、モジュラス及び引裂きのうちの1つ以上)を示し、非架橋ポリマーを含む組成物(加硫前)は、良好な加工特性を維持する。この組成物は、低転がり抵抗、高ウェットグリップ、高アイスグリップ、低発熱性を有し、かつ、良好な耐摩耗性を維持するタイヤトレッドを作成するにあたって有用である。
【0133】
加硫ポリマーについては、ゲル含有量は、好ましくは、ポリマーの重量を基準にして、50重量%超、より好ましくは75重量%超、更により好ましくは90重量%超である。ゲル含量は、ポリマー0.2グラムをトルエン150mlに24時間、周囲温度で溶解させることによって、不溶物を分離し、不溶物を乾燥させて、その不溶物の量を測定することによって、測定することができる。
【0134】
また、本発明は、また、本発明の加硫化ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品を提供する。物品は、タイヤ、タイヤトレッド、タイヤ側壁、自動車部品、履物部品、ゴルフボール、ベルト、ガスケット、シールまたはホースであってもよい。
【0135】
自動車用タイヤを製造するには、本発明のポリマーと組み合わせて使用するために、以下の更なるポリマーが特に興味深い。天然ゴム;転移ガラス温度が−50℃を超える20重量%未満の1,2−ポリブタジエン、エマルションSBR(ESBR)及び溶液SBR(SSBR)ゴムを含む低cisポリブタジエン(LCBR);ニッケル、コバルト、チタン、バナジウム、ガドリニウムまたはネオジムをベースとした触媒を用いて得られるなど、高cis−1,4−単位含有量(>90%)を有するポリブタジエンゴム;及びビニル含有量0〜75%のポリブタジエンゴム;並びにこれらの混合物;例えば、5〜45wt%のスチレンを含有し、かつ、コポリマーのポリブタジエン分画中、高trans−1,4−ポリブタジエンゴム含有量(>75%)を有する高trans−1,4−単位含有量(>75%)またはSBRを有するポリブタジエンゴム。(各種ポリマー、SBRまたはBRは、以下により得られ得る。米国特許第6,693,160号;同第6,627,715号;同第6,489,415号;同第6,103,842号;5,753,579号;同第5,086,136号;及び同第3,629,213号(その全体が、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる)に記述されているようにアルカリ土類金属化合物を含む1つ以上の開始剤化合物を用いる、または米国特許第6310152号;同第5,834,573号;同第5,753,761号;同第5,448,002号及び同第5,089,574号及び米国特許出願公開第2003/0065114号(その全体が、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる)に記述されているようにコバルトをベースにした触媒を用いることによる;またはEP 1 367 069;JP 11301794及びU.S. 3,951,936(その全体が、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる)に記述されているようにバナジウムをベースにした触媒を用いることによる;またはEP 0 964 008,EP 0 924 214及び米国特許明細書第6,184,168号;同第6,018,007号;同第4931376号;同第5,134,199号及び同第4,689,368号(その全体が、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる)に記述されているように、ネオジムをベースにした触媒を用いることによる)。
【0136】
また、本発明の組成物は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)及びブタジエン変性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−スチレンコポリマー(ABS)(例えば、参照によって組み込まれるWO2009/148932参照のこと)。
【0137】
定義
特に指定されていない場合は、本明細書で使用される表現「ポリマー」は、未変性ポリマー及び変性(すなわち鎖末端部変性)ポリマーをいずれも包含する。
【0138】
本明細書で定義されているとおり、アルキル基としては、それ自体、またはアルキルアリールまたはアルコキシなどの他の基と関連して、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、n−ブチル(Bu)、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの直鎖状アルキル基、及びイソプロピル、tert−ブチルなどの分枝状アルキル基、及びシクロヘキシルなどの環状アルキル基をいずれも含む。
【0139】
本明細書で定義するとおり、アルコキシ基としては、メトキシ基(MeO)、エトキシ基(EtO)、プロポキシ基(PrO)、ブトキシ基(BuO)、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。
【0140】
本明細書で定義するとおり、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基及び他のベンゼノイド化合物が挙げられる。アリール基は、好ましくは、芳香環を1つのみ、最も好ましくはC6芳香環を含む。
【0141】
本明細書で定義するとおりアルキルアリール基は、例えば、アルキル−アリール、アリール−アルキル、アルキル−アリール−アルキル及びアリール−アルキル−アリールの形態で、1つ以上のアルキル基に結合された1つ以上のアリール基を組み合わせたものを示す。アルキルアリール基は、好ましくは、1つの芳香環のみ、最も好ましくは、C6芳香環を含む。
【実施例】
【0142】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために提供するものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例には、重合開始剤の調製、スルファニルシラン鎖末端変性剤の調製;ポリマーの調製及び試験;第1の及び第2のポリマー組成物、並びに加硫ポリマー組成物とも称される架橋または硬化組成物など、非架橋ポリマー組成物及び架橋ポリマー組成物の調製及び試験が含まれる。他に記載のない限り、すべての部及びパーセンテージは、重量を基準として表す。用語「一晩」とは、約16〜18時間を示す。「室温」とは、約20℃の温度を示す。重合は水分及び酸素排除下で、窒素またはアルゴン雰囲気下で行われた。ポリマー鎖の共役ジオレフィン部中のビニル含有量は、IR吸光分析(Morello法、IFS 66 FT−IR分光計(Bruker Analytic GmbH))によって測定した。IR試料は、膨潤剤として、CS2を用いて調製した。
【0143】
結合スチレン含有量:検量線をIR吸収スペクトル(IR(IFS 66FT−IR分光計Bruker Analytik GmbH)により作成した。IR試料は膨潤剤としてCS2を使用して調製した。スチレン−ブタジエンコポリマー中の結合スチレンのIR測定のために、以下の4本のバンドを評価した:a)966cm-1のtrans−1.4−ポリブタジエン単位のバンド、b)730cm-1のcis−1.4−ポリブタジエン単位のバンド、c)910cm-1の1.2−ポリブタジエン単位のバンド及び700cm-1の結合スチレン(スチレン芳香族結合)のバンド。バンドの高さは、適切な吸光係数に従って正規化し、合計100%に要約した。1H−NMR及び13C−NMRにより正規化を行った。代替的に、スチレン含有量をNMR法(Avance400装置(1H=400MHz;13C=l00MHz))Bruker Analytik GmbH)により測定した。
【0144】
1D NMRスペクトルを、5mmデュアル検出プローブを使用して、BRUKER Avance400 NMR分光計(BRUKER BioSpin GmbH)に収集した。磁場均一性は、重水素ロックシグナル(lock signal)を最大化することにより最適化した。試料は、重水素ロックシグナル(lock signal)を最適化することによりシム調製した。試料は室温(298K)で実行された。以下の重水素化溶媒を使用した。C661Hには7.16ppm;13C−NMRには128.06ppm)、CDCl31Hには7.24ppm;13C−NMRには77.03ppm)。内部標準として、重水素化溶媒の残留プロトンのシグナルをそれぞれ用いた。
【0145】
スペクトル処理には、BRUKER 1D WINNMRソフトウェア(バージョン6.0)を使用した。手動モードで、得られたスペクトルの位相調整、ベースライン補正、スペクトル統合を行った。取得パラメーターについては、表1を参照されたい。
【表1】
GPC法:狭い分布のポリスチレンスタンダードで較正されたSEC
試料の調製:
a1)オイルを含まないポリマー試料:
約9〜11mgの乾燥ポリマー試料(含水量<0.6%)を、10mLサイズの褐色バイアルを使用して、10mLのテトラヒドロフランに溶解させた。バイアルを200u/分で20分間振盪することによりポリマーを溶解した。
a2)オイルを含むポリマー試料:
約12〜14mgの乾燥ポリマー試料(含水量<0.6%)を、10mLサイズの褐色バイアルを使用して、10mLのテトラヒドロフランに溶解させた。バイアルを200u/分で20分間振盪することによりポリマーを溶解した。
b)ポリマー溶液を、0.45μmディスポーザブルフィルターを使用して2mLバイアルに移した。
c)2mLバイアルをGPC分析のために試料採取器上に置いた。
溶離速度:1.00mL/分
注入堆積:100.00μm(GPC−方法B 50.00μm)
測定は40℃のTHF中で行った。装置:Agilent Serie 1100/1200;モジュールセットアップ:イソポンプ(Iso pump)、自動試料採取器、サーモスタット(thermostat)、VW検出器、RI検出器、脱気装置;カラムPLミックスB/HPミックスB。各GPC装置において、3本のカラムが連結された状態で使用された。各カラムの長さ:300mm;カラムの種類:79911 GP− MXB、Plgel 10 μm MIXED−B GPC/SECカラム、Fa.Agilent Technologies。
GPCスタンダード:EasiCal PS−1 ポリスチレンスタンダード、スパーテルA+B
スチレンスタンダード製造業者:Polymer Laboratories(Varian Deutschland GmbH)
【0146】
多分散性(Mw/Mn)を分子量分布の幅の尺度として用いた。Mw及びMn(重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn))の計算は、2つの手順のうちの1つに基づいて行った。
【0147】
Mp1、Mp2、Mp3は、それぞれ、GPC曲線の1番目、2番目または3番目のピークで測定された(最大ピーク)分子量に相当する[1番目のピークMp1(最も低い分子量)は曲線の右側に位置し、最後のピーク(最も高い分子量)は曲線の左側に位置する]。最大ピーク分子量は、最大のピーク強度の位置におけるピークの分子量を意味する。Mp2及びMp3は1つの巨大分子にカップリングした2つまたは3つのポリマー鎖である。Mp1は1つのポリマー鎖である(基礎分子量−1つの高分子への2以上のポリマー鎖のカップリングなし)。全カップリング率は、全てのカップリングしたポリマー及びカップリングしていないポリマーの重量百分率の合計を包含する、全ポリマー重量に対するカップリングポリマーの重量百分率の合計を意味する。全カップリング率は下記に示したように計算される。
【0148】
CR(合計)=(Σ全てのカップリングしたピーク[最大Mp2のピーク〜最も高いインデックスを付けられたピーク最大値のピーク]の面積)/(Σ全てのピーク[ピーク最大値Mp1のピーク〜最も高いインデックスを付けられたピーク最大値のピーク]の面積)。
【0149】
個々のカップリング率(例えば、ピーク最大値Mp2のピークに相当するカップリングした2つのポリマーアーム)は、下記のように計算される。
【0150】
CR(2つのアーム)=(ピーク最大値Mp2のピーク面積)/(Σすべてのピーク[ピーク最大値Mp1のピーク〜最も高いインデックスを付けられたピーク最大値のピーク]の面積)。
【0151】
油展ポリマー中のオイル含有量は、マイクロ波抽出器具(MARS(CEM))及び試料重量1gを用いて、ASTM D 5574−95による抽出方法によって測定した。抽出したゴム試料は140℃で30分間乾燥させた。
【0152】
ゴム化合物は、2段階混合プロセスの後に、「380ccバンバリーミキサー(Labstation 350S from Brabender GmbH&Co KG)で、下記の表4に記載された成分を混合することにより調製した。第一段階−加硫パッケージの成分以外の全ての成分を一緒に混合し、第一段階の配合物を形成した。第二段階−加硫パッケージの成分を第一段階の配合物に混合させ、第二段階の配合物を形成した。
【0153】
ムーニー粘度は、Alpha Technologies(UK)製MV2000Eで、ASTM D 1646(2004)に従って、余熱時間1分、及びローター操作時間4分、温度100℃[ML1+4(100℃)]で測定した。ゴムのムーニー粘度測定は、乾燥した(溶媒非含有)生のポリマー(未加硫ゴム)で行う。生のポリマーのムーニー粘度は、表3に示す。化合物のムーニー粘度は、表4に従って調製された未硬化(未加硫)の第二段階のポリマー化合物試料で測定する。化合物のムーニー粘度は、表5に示す。
【0154】
未加硫流体学的性質の測定は、ASTM D 5289−95(再承認2001)に従い、ローターのない剪断レオメータ(MDR 2000 E from Alpha Technologies UK)を使用して、硬化時間(TC)を測定した。レオメータ測定は、表4に従って、未加硫の第二段階ポリマー配合物に対し、160℃の一定温度で行った。ポリマー試料の量は約4.5gである。試料の形状及び形状調製は標準化され、測定装置(Alpha Technologies(UK)社製MDR2000E)により規定された。TC50及びTC90値は、それぞれ、加硫反応の50%及び90%転化率を達成するために要する時間である。トルクを反応時間の関数として測定した。加硫転化率は発生したトルク対時間曲線から自動的に計算される。TS1及びTS2値は、加硫中にそれぞれのトルク最小値(ML)からトルクを1dNm及び2dNm上昇させるのに要するそれぞれの時間である。
【0155】
引張強度、破断点伸び及び300%伸び時におけるモジュラス(モジュラス300)を、ASTM D 412−98A(再承認2002)に従い、ダンベル抜き型C試験片を使用して、Zwick Z010で測定した。標準化されたダンベル抜き型C試験片のうち、厚さ2mmのものを使用した。引張強度測定は、室温で、表4に従って調製された、硬化(加硫)した第二段階ポリマー試料について、行った。第二段階の配合物は、16〜25分以内で、160℃でTC95(95%の加硫転化率)まで加硫した(表5の硬化データ参照)。
【0156】
発熱性は、ASTM D 623、方法Aに従って、Doli Goodrich Flexometerで測定した。発熱測定は、表5に従って、加硫された第二段階ポリマー試料について行った。第二段階配合物は、160℃でTC95(95%加硫転化率)まで加硫した(表5の硬化データを参照)。
【0157】
弾性反発レジリエンスは、DIN 53512に従って、0℃及び60℃にて、Zwick 5109で測定した。測定は、表4に従って調製した硬化(加硫)第二段階ポリマー試料について行った。第二段階配合物は、160℃でTC95(95%加硫転化率)まで加硫した(表5の硬化データを参照)。0℃での指数が小さいほど、ウェットスキッド抵抗が良い(低い方が良好)。60℃の温度での指数が大きいほど、ヒステリシス損失が低く、転がり抵抗も低い(高い方が良好)。
【0158】
DIN磨耗は、DIN 53516(1987−06−01)に従って測定した。指数が大きいほど、耐摩耗性は低い(低い方が良好)。摩耗測定は、表5に従って、加硫された第二段階ポリマー試料について行った。
【0159】
概して、破断点伸び、引張強度、モジュラス300及び60℃での弾性反発レジリエンスが高いほど、試料の性能は良好であり、発熱性、0℃での弾性反発レジリエンス及び摩耗が低いほど、試料の性能は良好である。好ましくは、TS1は>0.5分、TS2は>1.5分、TC50は3〜8分であり、TC90は8〜19分である。
【0160】
変性剤調製:4つの重合開始剤前駆体化合物(P1〜P4)、4つの重合開始剤(I1〜I4)及び2つの鎖末端部変性剤を使用した。重合開始剤前駆体化合物P1〜P4並びに重合開始剤I1、I2、I3、及びI4は、本発明による。
【0161】
ジビニリデン重合開始剤前駆体化合物の特性決定
ジビニリデン前駆体化合物P1〜P4は、米国特許第4,982,029号に記載されているプロセスによって合成させ、以下のように示し、特性を決定した。
【化34】
1H−NMR(300MHz, 23°C, CDCl3):δ = 7.42 (s, 1H, Ar−H),7.30 (s, 7H, Ar−H), 6.73(d, 4H,Ar−H),5.40(s, 2H,=CH2),5.28(s,2H,=CH2),2.98(s,12H, NCH3) ppm; 13C−NMR(7 MHz,23°C, CDCl3)δ=149.94,149.70,141.70,128.97,128.46,127.78,127.64,112.20,111.49,40.65 ppm。
【化35】
1H−NMR (400 MHz, 23°C, C66): δ = 7.50−7.48 (m, 2H, Ar−H), 7.45−7.42 (m, 4H, Ar−H), 6.50−6.48 (m, 4H, Ar−H), 5.50 (d, 2H, =CH2), 5.37 (d, 2H, =CH2), 2.93 (q, 8H, NCH2), 0.85 (t, 12H,NCH2CH3) ppm; 13C−NMR (101 MHz, 23°C, C66)δ = 150.70, 147.71, 143.06, 129.73, 129.22, 128.41, 128.32, 128.19, 111.74, 111.07, 44.34, 12.67 ppm。
【化36】
1H−NMR (300 MHz, 23°C, C66): δ = 7.28−7.09 (m, 12H, Ar−H), 5.36 (d, 4H, =CH2), 2.65 (t, 4H, SCH2), 1.47 (q, 4H, CH2), 1.24 (sext., 4H, CH2), 0.74 (t, 6H, CH3) ppm。
【化37】
1H−NMR(400 MHz, 23°C, C66):δ = 7.66 (m, 1H, Ar−H), 7.32−7.25 (m, 6H, Ar−H), 7.09−7.05 (m, 1H, Ar−H), 6.84−6.80 (m, 4H, Ar−H), 5.40 (d, 2H, =CH2), 5.35 (d, 2H, =CH2), 0.12 (s, 36H, Si(CH33) ppm; 13C−NMR(101 MHz, 23°C, C66)δ= 150.10, 148.05, 142.36, 137.12, 130.07, 128.82, 128.32, 128.16, 113.69, 2.26 ppm。
【0162】
開始剤化合物
反応開始剤I1の調製。
【化38】
【0163】
表2の実施例2の調製において使用されているような、I1を含む典型的な開始剤混合物は、以下のとおり調製した。前駆体化合物P1(36.9g、100mmol)は、400mLシクロヘキサン中で溶解させた。TMEDA(40.7g,350mmol)及びn−BuLi(63.4g,200mmol,20wt%溶液/シクロヘキサン中)を添加した。溶液の色は、すぐに暗赤色になり、二価アニオンI1が形成されたことがわかる。I1は、空気及び水分の感受性が非常に高いため、該化合物は、加水分解生成物I1aとして特性が決定された。したがって、開始剤混合物の試料を過剰のメタノールで加水分解し、NMR及びGC−MSにて特性決定を行った。
1H−NMR(400 MHz, 23°C, C66):δ = 6.94−6.86 (m, 8H, Ar−H), 6.33−6.31 (m, 4H, Ar−H), 3.63−3.58 (m, 2H, 2x Ar−CH−Ar), 2.22 (s,12H, NCH3), 1.82−1.76 (m, 2H, Ar2CH−CH2),1.07−0.88 (m, 12H, (CH23CH3),0.54(t, 6H, (CH23CH3)ppm; 13C−NMR(101 MHz, 23°C, C66) δ = 149.43, 146.72, 134.07, 128.86, 128.65, 128.16, 128.15, 127.91, 113.35, 50.99, 40.50, 36.63, 32.34, 28.28, 22.99 ppm。
GC−MS (EI, 70 eV): m/z (%) = 485 (M+, 22), 413 (M+ −CH3 -C49, 100), 327 (4), 207 (4), 171 (51), 134 (4)。
【0164】
開始剤I2、I3及びI4はin situで調製。
化合物I2〜I4を含む開始剤混合物の調製をin situにて、上記I1の手順に従って行った。I2、I3及びI4の構造式を次に示す。
【化39】
【0165】
鎖末端部変性剤
鎖末端部変性剤E1は、次の2つの調製経路によって調製した。
【化40】
【0166】
調製経路1(E1):
100mLのシュレンクフラスコにテトラヒドロフラン(THF)25ml、水素化リチウム79.5mg(10mmol)を入れ、その後に、γ−メルカプトプロピル(メチル)ジメトキシシラン1.18g(10mmol)(ABCR GmbHから)を入れた。反応混合物を室温で24時間攪拌し、さらに2時間50℃で攪拌した。tert−ブチルジメチルクロロシラン(1.51g(10mmol))を10gTHFに溶解し、次に得られた溶液をシュレンクフラスコに滴下した。リチウムクロリドが沈殿した。その懸濁液を、約24時間室温で撹拌し、さらに2時間50℃で撹拌した。THF溶媒を真空下で除去した。次にシクロヘキサン(30ml)を添加した。その後、白色沈殿物を濾過によって分離させた。シクロヘキサン溶媒を真空下(減圧下)で除去した。得られた無色溶液は、ガスクロマトグラフィーによって99%純粋であることがわかり、このため、さらなる精製は不要であった。鎖末端部変性剤E1の収率3.1g(9.3mmol)が得られた。
【0167】
調製経路2(E1):
100mLのシュレンクフラスコにγ−メルカプトプロピル(メチル)ジメトキシシラン1.18g(10mmol)(ABCR GmbHから)、テトラヒドロフラン(THF)25mLを入れ、続いて10mLのTHFに溶かしたナトリウムメタノラート(NaOMe)0.594g(11mmol)を入れた。反応混合物を室温で18時間攪拌した。その後、tert−ブチルジメチルクロロシラン(1.51g(10mmol))をTHF10gに溶かし、得られた溶液をシュレンクフラスコに滴下した。塩化ナトリウムが沈殿した。懸濁液を約24時間、室温で攪拌し、さらに2時間50℃で攪拌した。THF溶媒を減圧下にて除去した。次に、シクロヘキサン(30ml)を添加した。その後、白色沈殿物を濾過によって分離させた。シクロヘキサン溶媒を真空下(減圧下)で除去した。得られた無色溶液は、ガスクロマトグラフィーによって89%純粋であることがわかった。分画蒸留内での更なる精製及び鎖末端部変性剤E1の収率2.6g(7.9mmol)を得た。
【0168】
鎖末端部変性剤E2は、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランとして、ABCR GmbHから購入した。
【化41】
【0169】
ランダム化剤
TMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチル−エチレン−1,2−ジアミン)は、Sigma−Aldrichから購入し、使用前に分子ふるいにより乾燥させた。
【0170】
1,3−ブタジエンとスチレンとのコーポリマー化(実施例1〜11)
コ−ポリマー化は、二重壁10リットルスチール製反応器で行われ、有機溶媒、モノマー、極性調整化合物(polar coordinator compound)、開始剤化合物または他の成分を添加する前に、最初に窒素パージされた。重合反応器は、他に指定がなければ、60℃に調節した。次に以下の成分をシクロヘキサン溶媒(4600グラム);ブタジエンモノマー、スチレンモノマー、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)及び任意によりジビニルベンゼン(DVB;Bowden Chemicals Ltd.;0.16M溶液/シクロヘキサン;1,3−DVB/1,4−DVB=70/30)の順番で添加し、混合物は、40℃まで加熱して、その後、n−ブチルリチウムで滴定し、微量の水分または他の不純物を除去した。所望の重合開始剤化合物を重合反応器に添加し、重合反応を開始させた。80分間、重合温度が60℃を超えることのないように、重合を実施した。その後、他に指定がない限り、ブタジエンモノマー総量の2.3%を添加し、続いて末端部変性剤を添加した。20分後、メタノールを添加することによって重合を終了させた(開始剤を基準にして2当量)。安定剤として、ポリマー溶液に2.20gのIRGANOX1520を添加した。この混合物を10分間攪拌した。任意により、TDAEオイルを添加し、得られたポリマー溶液(実施例10及び11、表2及び表3)を30分間攪拌し、オイルを確実に均一に分布させた。その後、得られたポリマー溶液を蒸気で1時間ストリッピングし、溶媒及び他の揮発物を除去し、オーブン内で30分間70℃で乾燥させ、その次に、更に1日〜3日間、室温で乾燥させた。得られたポリマー組成物及びその特性のいくつかは、以下の表3にまとめる。特に明記のない限り、量は、ミリモル(mmol)で表される。
【0171】
特に指示がない限り、表2に示すすべての実験において、99重量%超のモノマー転化率が得られた。モノマー転化率は、重合溶媒及び任意の揮発性成分を除去した後、ポリマーの重量を表すポリマー固体含量として計測した。重合プロセスが終了する少し前に、対応するポリマー溶液試料を重合反応器から取り出した。
【0172】
表中、ダッシュ「-」は、添加された構成成分がないことを示す。「N.M.」は、計測が行われなかったことまたは対応するデータが利用できなかったことを示す。
【表2】
【表3】
【0173】
ポリマー組成物
ポリマー組成物は、380mlバンバリーミキサーの中で、下記表4に記載された成分を組み合わせ配合することにより調製し、160℃で20分間加硫した。各組成物の実施例の加硫プロセスデータ及び物理的特性を、下記表5及び6に示す。
【表4】
【表5】
【表6】
【0174】
驚くべきことに、本発明の開始剤化合物によりポリマー組成物及び加硫化ポリマー組成物の調製に使用可能なポリマーが産生されることが見出された。本発明の開始剤化合物を用いて作製されたポリマーを基準にした加硫化(または硬化)ポリマー組成物(例えば、表6の2Aを参照されたい)は、本発明の開始剤化合物により作製されていないポリマーをベースにした加硫化エラストマーポリマー組成物(表5及び表6の例1Aを参照されたい)と比較した場合、0℃で比較的低い(または低減した)弾性反発レジリエンスを有し、比較的低いタイヤ発熱性及び比較的低いDIN摩耗性を有する。ポリマー2を基準にしている例示的加硫組成物2Aは、本発明の反応開始剤I1から調製されており、発熱性値119.4℃を有し、非変性ポリマー1を基準にしている加硫組成物1Aは、n−ブチルリチウム開始剤から形成されており、比較的高い発熱性値124.1℃及び比較的高いDIN摩耗値150mm3(組成物2Aの139mm3と比較して)を有する。
【0175】
本発明の第1のポリマー組成物を、第2のポリマー組成物に転化させることができ(表4に従って、第一段階混合[シリカフィラーがポリマーに添加される混合ステップ]及びシリカフィラー及び本発明のポリマーに関する第二段階混合)、次に、例えば、本明細書に記載されているように、表4に従って、160℃で20分間、第二段階の混合物を硬化することによって、加硫化ポリマー組成物に転化されることができる。同じ日に同一の条件下で同一の操作員により調製された第2のポリマー組成物及び加硫化ポリマー組成物(表4及び表5に示したように)は、大文字Aにより識別される。加硫化ポリマー組成物内に収容されたポリマーは、ポリマー数、例えば、1、2などにより識別される。その結果、互いに直接比較することのできる1つの加硫化ポリマー組成物系(化合物1A、2A、3A、4A及び5Aを含む)が存在する。
【0176】
本発明にしたがって、開始剤化合物(I1、I2、I3またはI4など)と1つ以上の鎖末端部変性化合物(E1またはE2など)及び任意によりカップリング剤とを組み合わせたものにより、本発明のポリマーが形成され、本発明の重合開始剤化合物を用いて作製されたポリマーを含まない比較加硫化ポリマー組成物中のポリマーと比較して、加硫化ポリマー組成物中に存在すると、機械的ストレス下における比較的低い発熱性、0℃での低い弾性反発レジリエンス及び低耐摩擦性を有する。
【0177】
表5に示すように、本発明の変性ポリマーを含む加硫化ポリマー組成物の動的変性中の「発熱性」、0℃での弾性反発レジリエンス、化合物ムーニー及びDIN摩擦は低減する。ポリマー「発熱性」の低減により、得られた加硫化ポリマー組成物の耐性が改善され、加硫物のヒステレシスエネルギー損失を低減させ、転がり抵抗の低下を招き、全体の弾性を向上させ、かつタイヤの操作性を向上させると考えられている。低DIN磨耗値は、加硫物の耐性及び磨耗耐性の増大を示す。参照(非発明性)ポリマーを含む加硫物と比較して、0℃での加硫化ポリマー組成物の弾性反発レジリエンスが低下することにより、ウェット表面上のグリップ特性が向上したことがわかる。参照ポリマーを含むポリマー組成物と比較して、非硬化第1または第2のポリマー組成物の「化合物ムーニー」値は、低下するか、または少なくとも類似の範囲内にあり、化合物のムーニーの低下は、ポリマー組成物の粘度の低下を示し、更なる経済的混合プロセス(例えば、ポリマーとフィラー及び添加剤との混合など)となる。「引張強度」及び「モジュラス300」は、参照ポリマーと比較して、悪化または大きな悪化は認められず、これは、機械的ストレス下において、より高い抵抗性を有する安定化ポリマー網が形成されたことを示唆する。鎖末端部変性剤と組み合わせて本発明による変性開始剤化合物から調製されたポリマーを含む更に特定の加硫物(実施例5A、表6)では、参照ポリマーを含む加硫物(実施例1A、表6)と比較した場合、引張強度値及びモジュラス300が上昇し、シリカフィラーとの相互作用が向上する。いくつかの「破断点伸び」値はわずかに低下しているが、それでも、発熱性及び耐摩耗性値の改善度を考慮して、きわめて許容可能である。
【0178】
本発明によるSSBR−シリカ加硫物の効果は、以下の様に更に実証される。表5の実施例2Aにおいて、前駆体P1、n−ブチルリチウム及びTMEDAから調製され、重合開始剤化合物I1を組み合わせることによって作製したポリマーを含む加硫物は、重合開始剤化合物を含まずに調製された対応例1Aと比較して、比較的低い発熱性及びDIN摩耗性を有する。表6によれば、本発明2Aの硬化(加硫化)ポリマー組成物では、重合開始剤化合物を含まずに調製した対応実施例1Aに比較して、0℃での弾性反発レジリエンスが低い。更に、表5の実施例5Aでは、前駆体P1、n−ブチルリチウム及びTMEDAから調製され、重合開始剤化合物I1を鎖末端部変性剤E1と組み合わせることによって作製したポリマーを含む変性SSBR−シリカ加硫物は、重合開始剤化合物を含まずに調製された対応例(実施例1A)、及び重合開始剤化合物を含むが、鎖末端部変性剤を含まない対応例(実施例2A、3A、4A)と比較して、比較的低い発熱性及びDIN摩耗性を有する。表6によれば、重合開始剤化合物I1及び鎖末端部変性剤E1を用いることによって作製された、ポリマー5を含む本発明の加硫ポリマー組成物5Aは、重合開始剤化合物を含まずに調製した対応例(実施例1A)及び重合開始剤化合物を含むが、鎖末端部変性剤を含まずに調製した対応例(実施例2A、3A、4A)と比較して、0℃での弾性反発が低く、60℃での弾性反発レジリエンスが高く、モジュラス300が高い。したがって、本発明の開始剤を含まない、または重合開始剤を含むが、鎖末端部変性剤を含まない他の組成物と比較して、効果的な末端部変性剤と組み合わせた本発明の重合開始剤(例えば、E1)では、特定の加硫化ポリマー組成物の特性が向上する。
(態様)
(態様1)
次式1
【化2】
によって表される重合反応開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
各M1は、独立して、リチウム、ナトリウム及びカリウムから選択され、
各R1は、独立して、1つ以上の(C6〜C12)アリール基で任意により置換され、共役ジエンモノマー及び芳香族ビニル化合物、特に、ブタジエン、イソプレン、及びスチレンから選択される25モノマー単位以下で、任意により炭素原子Cに結合された(C1〜C100)アルキル及び(C2〜C100)アルケニルから選択され、
各R12は、独立して、水素、(C1〜C10)アルキル、(C6〜C12)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
各Y1は、独立して、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択され、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y1がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、また、Y1がケイ素原子でない場合には、−SiR141516であり(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択される)、n及びoは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y1=Nであるとき、n+o=1であり、Y1=Sであるとき、n=o=0であり、Y1=Siであるとき、n+o=2であり、
mは、1、2及び3から選択される整数であり、
各Eは、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び−Y3(R9)(R10t(R11uから選択され、(式中、
3は、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選択され、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y3がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、また、Y3がケイ素原子でない場合には、−SiR202122であり(式中、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、t及びuは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y3=Nであるとき、t+u=1であり、Y3=Sであるとき、t=u=0であり、Y3=Siであるとき、t+u=2である)、
sは、0、1及び2から選択される整数であって、
各Fは、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び−Y2(R6)(R7q(R8rから選択され(式中、
2は、窒素原子、硫黄原子、及びケイ素原子から選択され、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミン(Y2がケイ素原子である場合のみ)、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、また、Y2がケイ素原子でない場合には、−SiR171819であり(式中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、q及びrは、それぞれ0及び1から選択される整数であり、また、Y2=Nであるとき、q+r=1であり、Y2=Sであるとき、q=r=0であり、Y2=Siであるとき、q+r=2である)、
pは、0、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは窒素、>C−H及び>C−Y3(R9)(R10t(R11uから選択され(式中、Y3、R9、R10、R11、t及びuは、独立して上記のとおりである))。
(態様2)
次式5
【化3】
で表される、態様1に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
pは、1、2及び3から選択される整数であり、
Kは窒素及び>C−Hから選択され、
すべての他の置換基または基は、態様1の式1について記載されたとおりである)。
(態様3)
態様2に記載の重合開始剤であって、
各R1は、独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して(C1〜C16)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C16)アルキルから選択される)である、前記重合開始剤。
(態様4)
態様2に記載の重合開始剤であって、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
m及びpは、それぞれ独立して、1及び2の整数から選択される、前記重合開始剤。
(態様5)
次式6
【化4】
によって表される、態様1に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
m及びpは、それぞれ独立して、1及び2から選択される整数であって、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
すべての他の置換基または基は、態様1の式1について定義されたとおりである)。
(態様6)
態様5に記載の重合開始剤であって、
各R1は、独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は(C1〜C16)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)である、前記重合開始剤。
(態様7)
次式17、18または19
【化5】
【化6】
【化7】
によって表される、態様1に記載の重合開始剤またはそのルイス塩基付加物
(式中、
1はリチウムであり、
各R1は、独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、
すべての他の置換基または基は、態様1の式1について記載されたとおりである)。
(態様8)
態様7に記載の重合開始剤であって、
各R1は、独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)である、前記重合開始剤。
(態様9)
態様7に記載の重合開始剤であって、
各R1は、それぞれ独立して(C1〜C7)アルキルから選択され、
12は水素であり、
3、R4及びR5は、それぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択され、及びY1がケイ素原子でない場合、−SiR141516(式中、R14、R15及びR16は(C1〜C10)アルキルから選択される)であり、
6、R7及びR8は、それぞれ独立して(C1〜C18)アルキルから選択され、及びY2がケイ素原子でない場合、−SiR171819(式中、R17、R18及びR19はそれぞれ独立して(C1〜C10)アルキルから選択される)である、前記重合開始剤。
(態様10)
(i)式2
【化8】
の化合物を、
(ii)式3
11
式3
の少なくとも1種の化合物と共に反応させるステップを含む、態様1〜9のいずれか一項に定義される重合開始剤の作製方法であって、
式中、K、E、F、Y1、R3、R4、R5、R12、m、n、o、p及びs並びにM1及びR1は、それぞれ態様1〜9に定義されたとおりである、作製方法。
(態様11)
態様10に記載の方法であって、式2の前記化合物は、次式7、22、23または24
【化9】
(式中、K、Y1、Y2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、m、n、o、p、q及びrは、態様2〜4のいずれか一項に定義されたとおりである)、
【化10】
【化11】
【化12】
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R12、m及びpは、それぞれ、態様7の式17、18及び1について定義されているとおりである)、によって表される、前記方法。
(態様12)
ポリマーの作製方法であって、
i)態様1〜9のいずれか一項に定義されている重合開始剤またはそのルイス塩基付加物と、
ii)共役オレフィン及び芳香族ビニル化合物から選択される重合性モノマーの少なくとも1種と、を反応させるステップを含む、前記作製方法。
(態様13)
前記少なくとも1種の重合性モノマーは、1,3−ブタジエン、イソプレン及びスチレンから選択される、態様12に記載の方法。
(態様14)
鎖末端部変性ポリマーを提供するために、前記ポリマーを1つ以上の鎖末端部変性剤と反応させるステップを更に含む、態様12または13に記載の方法。
(態様15)
前記1つ以上の鎖末端部変性剤は次式8、9、10、11、12、13、14、15及び16、及びそのルイス塩基付加物によって表される、態様14に記載の方法
【化13】
(式中、M3は、ケイ素原子またはスズ原子であり、
Tは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
23及びR26は、それぞれ独立して(C1〜C4)アルキルから選択され、
24、R25、R27及びR28は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
a及びcは、それぞれ独立して、0、1及び2から選択され、b及びdは、それぞれ独立して、1、2及び3から選択され、a+b=3であり、c+d=3である)、
【化14】
(式中、M4は、ケイ素原子またはスズ原子であり、
Uは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
29は、独立して、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
31、R32、及びR33は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
30は、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びR34−(C24O)g−O−(式中、R34は、(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アルキルアリールから選択される)から選択され、gは、4、5及び6から選択され、
eは0、1及び2から選択され、fは1、2及び3から選択され、e+f=3である)、
【化15】
(式中、Vは、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換され、
35は、独立して、(C1〜C4)アルキル、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
37、R38、R39、R40、R41及びR42は、それぞれ独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C18)アルキルアリールから選択され、
36は、独立して、(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルコキシ、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及びR43−(C24O)j−O−(式中、R43は、(C5〜C23)アルキル、(C5〜C23)アルコキシ、(C6〜C18)アリール及び(C7〜C25)アルキルアリールから選択される)から選択され、jは、4、5及び6から選択され、
iは0、1及び2から選択され、hは1、2及び3から選択され、i+h=3である)、
【化16】
(式中、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R51、R52、R53及びR54は、それぞれ独立して、水素、(C1〜C16)アルキル、(C6〜C16)アリール及び(C7〜C16)アルキルアリールから選択され、
50は、少なくとも二価であり、(C6〜C18)アリール、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C1〜C18)アルキルから選択され、各基は、任意によりジ(C1〜C7ヒドロカルビル)アミノ、ビス(トリ(C1〜C12アルキル)シリル)アミノ、トリス(C1〜C7ヒドロカルビル)シリル、(C7〜C18)アルキルアリール及び(C6〜C18)アリールから選択される1つ以上の基によって置換される)。
(態様16)
態様12〜15のいずれか一項に定義されるプロセスによって得ることが可能なポリマーまたは鎖末端部変性ポリマー。
(態様17)
態様16に定義されるポリマーまたは鎖末端部変性ポリマー、及び(i)前記ポリマーを作製するために使用された重合プロセスに添加されるまたは前記重合プロセスの結果として形成される成分、及び(ii)前記重合プロセスから溶媒を除去後残存している成分から選択される1つ以上の更なる成分を含むポリマー組成物。
(態様18)
エキステンダー油、安定剤及び更なるポリマーから選択される1つ以上の成分を含む、態様17に記載のポリマー組成物。
(態様19)
1つ以上のフィラーを更に含む、態様17または18に記載のポリマー組成物。
(態様20)
前記1つ以上のフィラーは、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、グラフェン、シリカ、カーボン−シリカ二相フィラー、粘土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リグニン、ガラス微粒子系フィラー、デンプン系フィラーから選択される、態様19に記載のポリマー組成物。
(態様21)
1つ以上の加硫剤を更に含む、態様17〜20のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
(態様22)
態様21に定義されるポリマー組成物を加硫することによって、得られる加硫化ポリマー組成物。
(態様23)
態様22に定義されるポリマー組成物を加硫するステップを含む、加硫化ポリマー組成物の作製方法。
(態様24)
態様23に定義される加硫化ポリマー組成物から形成される少なくとも1つの構成成分を含む物品。