【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題は、独立請求項1の主題によって本発明にしたがって解決される。有利な実施形態は従属請求項の主題である。
【0008】
本発明は、インタークーラアセンブリの冷却器を、フローが通過可能なアセンブリのハウジングに対して当該冷却器の端部パーツによって接続すると共に、当該接続をフレキシブルに構成するという一般的概念に基づく。特に、端部パーツは、ハウジングに対して動けるように、ハウジングに取り付けられる。これにより、冷却器は、少なくとも端部パーツの領域において、ハウジングに対して動くことができる。したがって、例えば、冷却器および/またはハウジングの熱力学的な膨張または収縮を補償することができる。特に、これにより、冷却器内の温度差のために生じる変形を補償することができる。よって、アセンブリの、特に冷却器の耐用年数が長くなる。なぜなら、熱力学的な膨張および収縮によるアセンブリの損傷が回避されまたは少なくとも低減されるためである。また、これによりアセンブリがより高いストレスに耐えられるようになるため、アセンブリの効率、特に冷却器の冷却性能を向上させることができる。熱力学的な膨張および/または収縮ならびにそれによる変形は、特に冷却器内および/またはハウジング内の温度変化または温度差によって生じる。冷却器は、例えば内燃エンジンに供給される空気を冷却する機能を有しており、ここで当該空気は予め圧縮されまたは充填され、したがって給気として存在していてもよい。以下では「給気」の語を一貫して用いるが、アセンブリが非圧縮空気を冷却するためにも使用され得ることは言うまでもない。給気を冷却するために、冷却液、特に水が冷却器のパイプ構造体を流通する。また、給気も冷却器を流通可能であり、ここでパイプ構造体内の冷却液流れと冷却器内の給気流れとは流体的に分離される。したがって、給気は、冷却器を流通する際に、パイプ構造体によって間接的または直接的に冷却される。このため、冷却液は、有利には、給気よりも低温である。パイプ構造体は、2つの端部パーツ、すなわち第1端部パーツおよび第2端部パーツによって側方から囲まれている。2つの端部パーツは、有利には、パイプ構造体に機械的に接続されていて、互いに対向して設けられている。これにより、パイプ構造体は端部パーツによって一体的に保持され得る。このことは特に、端部パーツによってパイプ構造体の分解が防止されることを意味する。本発明によると、冷却器は、少なくとも1つの端部パーツ、好ましくは両方の端部パーツによってハウジングに接続されている。ここで、端部パーツのうち少なくとも1つは、ハウジングに対して動けるように、当該ハウジングに取り付けられている。したがって、特に冷却器がハウジングに当接しない範囲内で、少なくとも1つの可動方向における取付パーツの可動性が実現される。したがって、各可動方向における可動範囲内において、冷却器はハウジングに対して動くことができ、このため本発明によると、温度差に起因する収縮または膨張のためのスペースが作り出される。
【0009】
冷却される給気はパイプ構造体に沿って流れる。その過程で、給気は冷却される。それにより、パイプ構造体内で温度差が生じ、よってパイプ構造体または冷却器が変形し得る。この変形は、例えばパイプ構造体の曲がりという形で現れ得る。ここで、冷却器、特にパイプ構造体のうち比較的高温の領域における膨張、および/または冷却器、特にパイプ構造体のうち比較的低温の領域における収縮によって、冷却器またはパイプ構造体が曲がる。ここで、冷却器のうち比較的高温の領域は冷却器のうち給気流れに面する領域であることが多く、一方で、比較的低温の領域は給気流れから離れた領域であることが多い。当該変形は、本発明に係る解決策によって補償される。以下では、「変形」の語を、任意のタイプの膨張および収縮ならびにこれらの組合せに対して、特に曲がりに対して使用する。
【0010】
パイプ構造体は、1つ以上のパイプによって形成され得る、冷却液のための1つ以上の流路を有していてもよい。パイプは、有利には、端部パーツ間を延びかつ当該端部パーツに機械的に接続されている。冷却性能の向上のために、当該パイプを薄肉に構成することが好ましい。特に、平坦パイプがこのために使用されてもよい。ここで、本発明に係る解決策によると、より平坦なまたはより薄いパイプを使用することが考えられ、それにより給気とパイプ構造体との間における伝熱の改善を通じてアセンブリの効率を向上させることができる。
【0011】
アセンブリは、基本的に、例えば内燃エンジンの複数の燃焼室に給気を供給するために、複数の流体出口を有していてもよい。このため、通常は分流器が使用される。ここで、ハウジングは、分流ハウジングとして構成されていてもよいし、そのような分流器を有していてもよい。これらの場合において、冷却器は、ハウジング内における分流器の上流の任意の領域または分流器内に設けられているのが好ましい。もちろん、冷却器は、分流器の下流に設けられていてもよい。
【0012】
ハウジング内に冷却器を配置するために、ハウジングは、有利には、挿入開口を有しており、この挿入開口を介して、冷却器の取付け時および/または交換時に、挿入方向において冷却器を挿入しまたは引き出すことができる。挿入開口は、給気流れ方向に対して交差する方向に向いていることが好ましく、その場合、有利には挿入方向も給気流れ方向と交差する。端部パーツは、挿入方向において対向してまたは挿入方向に対して交差するように設けられていることが好ましく、特に対向しかつ挿入方向に対して垂直に設けられていることが好ましい。
【0013】
各端部パーツは、任意の態様で構成されていてもよい。とりわけ、各端部パーツを一体式の部品として構成することが考えられる。しかしながら、少なくとも1つの端部パーツを分割式の部品として構成することも考えられる。
【0014】
本発明によると、冷却器、特にパイプ構造体は、少なくとも1つの端部パーツによってハウジングに対して予圧されている。予圧の方向は
、給気の冷却時に生じることが予想される冷却器、特にパイプ構造体の変形の方向と逆向きである。このことは、冷却器、特にパイプ構造体が負に予圧されることを意味する。したがって、冷却時に生じる冷却器またはパイプ構造体の変形または曲がりによって予圧が相殺され、よって冷却器がその元の形に戻る。特に、変形または曲がりと逆向きに冷却器、特にパイプ構造体を予圧すること、および/またはそれを変形または曲がりに対して相補的に弾性変形させることが好ましい。ここで、冷却器、特にパイプ構造体を予圧する端部パーツは、ハウジングに対して移動不能にまたは固定的に取り付けられていてもよく、それにより安定した予圧が実現される。
【0015】
有利には、少なくとも1つの端部パーツは、ハウジングからまたはハウジングの壁部から離間して設けられている。ここで、当該端部パーツはハウジングに取り付けられていてもよい。端部パーツをハウジングに離間して取り付けることにより、ハウジングに対する当該端部パーツの移動自由度を実現し、または少なくともそうした効果の単純化を図ることができる。したがって、冷却器またはパイプ構造体の変形に対する優れた補償を行うことができる。
【0016】
端部パーツは、冷却器を機械的に安定させていることが好ましい。このために、少なくとも1つの端部パーツが好ましくは平面状に延びる壁を有することが有利である。当該壁は、冷却器の補強およびこれに対応した機械的安定性をもたらすものであって、空気流れの方向に、特に当該空気流れと平行に延びている。
【0017】
ハウジングに対する端部パーツの可動的な取付けは、弾性要素を用いて実現されてもよい。当該弾性要素は、好ましくは、端部パーツとハウジングとの間に設けられていて、端部パーツとハウジングとの間の相対運動を許容するように構成されている。弾性要素は、ハウジング内の状態および温度に適した樹脂から作られていることが好ましい。
【0018】
ハウジングと端部パーツとの間における弾性要素の取付けは、これによりハウジングと端部パーツとの間の相対運動が所望の範囲にわたって実現される限り、任意の対応でなされてもよい。このために、その内部に弾性要素が少なくとも所定範囲で配置され得る溝をハウジングの内面に設けることが考えられる。
【0019】
ここで、弾性要素は、任意の形状および/またはサイズを有しかつ任意の態様で延びていてもよい。好ましい変形例では、弾性要素は、対応する端部パーツに沿って、冷却器の周方向に延びている。これにより、ハウジングに対する端部パーツの最大限に均一な可動性が実現され得る。
【0020】
挿入方向において端部パーツが対向している場合、第1端部パーツが、当該端部パーツとハウジングとを互いに接続するために、ハウジングの対応するハウジングフランジと協働する端部フランジを有することが有利である。ここで、挿入開口の領域に設けられる端部パーツが端部フランジを有することが好ましく、それによりハウジング内における冷却器の取付けが簡略化される。したがって、ハウジングは、挿入開口の領域に、当該挿入開口を含むかまたは取り囲むハウジングフランジを有することが好ましい。
【0021】
少なくとも1つの端部パーツが突出エッジを有する実施形態が好ましく、当該突出エッジによって端部パーツがハウジングに接続される。ここで、各エッジは、端部パーツが延びる方向に、または当該方向と交差するように、特に直交するように端部パーツから突出している。これにより、冷却器の安定性が向上し、および/またはハウジングに対する端部パーツの可動性が向上する。
【0022】
エッジは、有利には、ハウジングの対応するスロットに差し込まれてハウジングに接続されている。その代わりに、エッジは、ハウジングの配置領域に配置されてそこでハウジングに接続されていてもよい。これにより、特に、当該エッジのハウジングに対する形状適合接続がなされ、それによって、対応するスロットに沿ったあるいは当該スロットと交差したエッジの移動、したがってハウジングに対する冷却器の相対運動が可能となる。
【0023】
追加的にまたは代替的に、任意の他の態様においてハウジングにエッジを接続することも考えられる。このために、エッジは、ハウジングに対して例えばロウ付けおよび/または溶接および/または接着されてもよい。
【0024】
ハウジングに対する端部パーツの相対運動が実現されるように、ハウジングに対して少なくとも1つの端部パーツをロウ付けおよび/または溶接および/または接着することも考えられる。
【0025】
冷却器は、第1および第2端部パーツに加えて、互いに対向する第3および第4端部パーツを有していてもよい。第3および第4端部パーツは、特に冷却器の安定性を高める機能を有する。ここで、第3および第4端部パーツは、第1および第2端部パーツと交差、特に直交して延びていて、パイプ構造体の対応する側面を囲んでいる。したがって、立方体状の基本形状を有する冷却器は、2つの対向する側面において流通可能となり、かつ他の側面において端部パーツにより区画される。この場合、冷却器は、端部パーツが空気流れの方向に、特に当該方向と平行に延びるように意図をもってハウジング内に配置され、それにより冷却器を流れる給気に対する抵抗が最小限に抑えられる。よって、特に4つの端部パーツのうち2つは挿入方向において互いに対向し、残りの2つは挿入方向と交差する方向において互いに対向する。
【0026】
好ましい構成では、互いに対向して設けられた2つの端部パーツは、固定具によって互いに接続されている。固定具による接続は、これにより接続される端部パーツが当該固定具と交差する方向におよび互いに、特に当該端部パーツの各伸張平面において動くことを可能とする。それにより、同様に、冷却中に生じた変形の補償が実現される。この効果は、少なくとも1つの別の端部パーツによって冷却器がハウジングに接続されることによってより顕著になる。隣り合う端部パーツが互いに接触しない態様で設けられている場合、さらに改善される。ここで、固定具は、任意の態様で構成されていてもよく、例えばシリンダおよび/またはねじおよび/またはバーであってもよい。ここで、各固定具は、パイプ構造体を通って延びていないことが好ましい。また、挿入方向に対して交差して延びかつ互いに対向して設けられた端部パーツが、そのような固定具によって互いに接続されていることが好ましい。
【0027】
パイプ構造体への冷却液の供給は回路によって行われるのが好ましく、それにより冷却液は、少なくとも1つの入口を通ってパイプ構造体に導入され、少なくとも1つの出口を通ってパイプ構造体から導出される。
【0028】
有利な実施形態によると、1つの端部パーツは冷却液ボックスを有するか、または同様に構成されている。このことは、挿入方向において挿入開口から離れた端部パーツに適用されることが好ましく、それによりハウジングへの冷却器の取付けが簡略化される。冷却液ボックスは、特に、パイプ構造体内の冷却液の流れ方向を変える機能を有する。このために、冷却液ボックスは、少なくとも1つの分岐室を有していてもよく、それにより第1パイプから流入した冷却液の向きを変えて第2パイプに導く。
【0029】
反対側の端部パーツ、すなわち挿入開口の領域に設けられた端部パーツもまた、そのような冷却液ボックスを有していてもよい。この冷却液ボックスは、冷却液を複数の第1パイプに分流するための分流室を有していてもよい。また、複数の第2パイプから流れてきた冷却液を集めるための捕集室が設けられまたは形成されていてもよい。したがって、少なくとも1つの入口が分流室に接続され、少なくとも1つの出口が捕集室に接続される。
【0030】
別の有利な実施形態では、冷却器は、端部パーツによってハウジング内に回動可能に設けられている。ここで、対応するピボット軸は、この端部パーツを通りかつ特に当該端部パーツに垂直に延びている。このことは、例えば、端部パーツがハウジングに対して例えば上記壁または上記エッジによって接続され、かつ当該壁またはエッジがハウジングに対して移動可能、特に回動可能であることにより実現され得る。
【0031】
各端部パーツは、ハウジングに対して任意の態様で取り付けられていてもよい。このために、ハウジングと端部パーツとは、互いにフランジ止め、特に圧着されていてもよい。これにより、特に、シンプルおよび/または可動的な取付けが可能となる。
【0032】
各端部パーツは、ハウジングに対して、ねじ止めまたはねじ、特につば付きねじによって取り付けられていてもよく、それによりシンプルおよび/または可動的な取付けが可能となる。
【0033】
本発明の別の重要な特徴および利点は、従属請求項から、図面から、および図面を参照した関連する図の説明から明らかになるだろう。
【0034】
上述したあるいは後述する特徴は、それぞれに示された組合せにおいてのみでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組合せまたは単独でも使用され得ることを理解されたい。