特許第6276509号(P6276509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276509
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】ドアミラー
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/06 20060101AFI20180129BHJP
【FI】
   B60R1/06 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-47323(P2013-47323)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2014-172522(P2014-172522A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】金子 嘉孝
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−182286(JP,A)
【文献】 特開2013−001191(JP,A)
【文献】 特開2004−216948(JP,A)
【文献】 特開2009−248693(JP,A)
【文献】 特開平09−291607(JP,A)
【文献】 特公昭46−011370(JP,B1)
【文献】 実開昭60−006272(JP,U)
【文献】 特開2004−142635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側部に設けられ、前記車体の進行方向後方に向けてミラーを支持するミラーハウジングを有するドアミラーにおいて、
前記ミラーハウジングは、
正面に前記ミラーを嵌め込むミラー用開口部が形成されているハウジング本体と、
前記ハウジング本体の背面に取り付けられ、前記ハウジング本体の背面を覆うように形成されたカバーとを有し、
前記ハウジング本体の背面、及び前記カバーの何れか一方に複数の係合突起を設けると共に、他方に前記複数の係合突起を受け入れ、これら係合突起に係合する複数の係合受部を設け、
前記カバーに、前記ハウジング本体に対する前記カバーの位置決めを行うための位置決め突起を設けると共に、前記ハウジング本体の背面に、前記位置決め突起を受け入れ、この位置決め突起を所定位置に導くガイドを設け、
前記位置決め突起は、
前記カバーの内面に沿うよう形成された本体部と、
前記本体部の長手方向両端に設けられ前記本体部を支持する一対の支持板とにより構成され、
前記本体部の短手方向において、この本体部の短手方向の幅よりも前記支持板の幅が広く設定されており、
前記ガイドは、前記本体部の一部と前記一対の支持板のうちの一方の前記支持板とが挿入されるスリットを備え
前記スリットは、前記本体部が挿入される本体部挿入孔と、前記一対の支持板のうちの一方が挿入され、且つ前記本体部挿入孔より前記本体部の短手方向に開口幅が広い支持板挿入孔を有することを特徴とするドアミラー。
【請求項2】
前記係合受部は、前記ハウジング本体の背面に形成された係合孔であり、
前記ハウジング本体の背面に前記ガイドを設ける一方、前記カバーに、前記係合孔に係合する係合突起、及び前記位置決め突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載のドアミラー。
【請求項3】
前記カバーの長手方向略中央に、前記位置決め突起を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のドアミラー。
【請求項4】
前記カバーは、前記車体の上下方向に分割可能な上部カバーと下部カバーとにより構成されており、
前記下部カバーの大きさよりも前記上部カバーの大きさが大きくなるように形成し、
前記上部カバーに、前記複数の係合突起、及び前記位置決め突起を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のドアミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアミラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車体の左右(運転席側と助手席側)に設けられているドアミラーは、車体の進行方向後方側である正面にミラー用開口部が形成され、且つ車体に対して傾動可能に設けられた樹脂製のミラーハウジングと、このミラーハウジングのミラー用開口部に嵌まり込むミラーとを有している。
【0003】
ここで、ミラーハウジングを、ミラー用開口部が形成されているハウジング本体と、このハウジング本体の背面側に取り付けられるカバーとにより構成し、ミラーハウジングへの塗装作業を簡略化しつつ、ミラーハウジングの美観性を高める技術が開示されている。
このような構成のもと、ハウジング本体にカバーを取り付けるには、例えば、ハウジング本体とカバーとに、それぞれ互いに係合可能なジョイントを複数設け、これらジョイントを係合させるように構成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62−8846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の従来技術にあっては、カバーの取付状態が美観性に直結したり、走行時の風切音の発生の要因になったりする。このため、ジョイントの寸法誤差を極力小さくすることにより、ジョイントの位置を高精度に決めたり、ジョイント同士を係合させた際のガタを極力無くしたりする必要がある。このような場合、ジョイントの寸法誤差が小さい分、複数のジョイント同士の位置をそれぞれ合わせて係合させる作業が煩わしくなるという課題がある。
【0006】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、美観性を維持し、走行時の風切音等の発生を抑えつつ、ハウジング本体へのカバーの取り付け作業を簡略化できるドアミラーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係るドアミラーは、車体の側部に設けられ、前記車体の進行方向後方に向けてミラーを支持するミラーハウジングを有するドアミラーにおいて、前記ミラーハウジングは、正面に前記ミラーを嵌め込むミラー用開口部が形成されているハウジング本体と、前記ハウジング本体の背面に取り付けられ、前記ハウジング本体の背面を覆うように形成されたカバーとを有し、前記ハウジング本体の背面、及び前記カバーの何れか一方に複数の係合突起を設けると共に、他方に前記複数の係合突起を受け入れ、これら係合突起に係合する複数の係合受部を設け、前記カバーに、前記ハウジング本体に対する前記カバーの位置決めを行うための位置決め突起を設けると共に、前記ハウジング本体の背面に、前記位置決め突起を受け入れ、この位置決め突起を所定位置に導くガイドを設け、前記位置決め突起は、前記カバーの内面に沿うよう形成された本体部と、前記本体部の長手方向両端に設けられ前記本体部を支持する一対の支持板とにより構成され、前記本体部の短手方向において、この本体部の短手方向の幅よりも前記支持板の幅が広く設定されており、前記ガイドは、前記本体部の一部と前記一対の支持板のうちの一方の前記支持板とが挿入されるスリットを備え、前記スリットは、前記本体部が挿入される本体部挿入孔と、前記一対の支持板のうちの一方が挿入され、且つ前記本体部挿入孔より前記本体部の短手方向に開口幅が広い支持板挿入孔を有することを特徴とする。
【0008】
このように構成することで、複数の係合突起、及び複数の係合受部の寸法誤差を極力小さくした場合であっても、位置決め突起とガイドとにより、ハウジング本体に対するカバーの位置決めをスムーズに行うことができるので、複数の係合突起と、これらに対応する係合受部とを容易に係合させることができる。このため、美観性を維持し、走行時の風切音等の発生を抑えつつ、ハウジング本体へのカバーの取り付け作業を簡略化できる。
【0009】
本発明に係るドアミラーの前記係合受部は、前記ハウジング本体の背面に形成された係合孔であり、前記ハウジング本体の背面に前記ガイドを設ける一方、前記カバーに、前記係合孔に係合する係合突起、及び前記位置決め突起を設けたことを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、簡素な構造でハウジング本体にカバーを取り付けることができると共に、美観性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係るドアミラーは、前記カバーの長手方向略中央に、前記位置決め突起を設けたことを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、ガイドに位置決め突起を合わせた際のカバー全体の位置決めを行い易くすることができる。
【0013】
本発明に係るドアミラーの前記カバーは、前記車体の上下方向に分割可能な上部カバーと下部カバーとにより構成されており、前記下部カバーの大きさよりも前記上部カバーの大きさが大きくなるように形成し、前記上部カバーに、前記複数の係合突起、及び前記位置決め突起を設けたことを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、例えば、車体の彩色に合わせて上部カバーの彩色だけ変化させるができる。このため、ドアミラーの製造コストを抑えつつ、ドアミラー全体の美観性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の係合突起、及び複数の係合受部の寸法誤差を極力小さくした場合であっても、位置決め突起とガイドとにより、ハウジング本体に対するカバーの位置決めをスムーズに行うことができるので、複数の係合突起と、これらに対応する係合受部とを容易に係合させることができる。このため、美観性を維持しつつ、ハウジング本体へのカバーの取り付け作業を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態におけるドアミラーを進行方向後方からみた斜視図である。
図2】本発明の実施形態におけるドアミラーを進行方向前方からみた斜視図である。
図3】本発明の実施形態におけるハウジング本体から上部カバーを取り外した状態の斜視図である。
図4】本発明の実施形態におけるカバーを前方からみた斜視図である。
図5】本発明の実施形態におけるハウジング本体の位置決めガイドを、後方からみた拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(ドアミラー)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ドアミラー1を進行方向後方からみた斜視図、図2は、ドアミラー1を進行方向前方からみた斜視図である。尚、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方、車幅方向(水平方向)を単に左右方向、車両の鉛直方向上下を単に上方、及び下方などと称して説明する場合がある。
図1図2に示すように、ドアミラー1は、車体2のフロントドア3に取り付けられている。ドアミラー1は、ドアミラー本体9と、このドアミラー本体9をフロントドア3に取り付けるための取付ステー10とを備えている。
【0018】
ドアミラー本体9は、後方に向けてミラー用開口部13を有するミラーハウジング14と、ミラー用開口部13を閉塞するように設けられ、車体2の後方を確認するためのミラー15と、ミラーハウジング14の前方側の面に取り付けられているターンランプ部16とにより外観構成されている。
ミラーハウジング14には、不図示の車内の操作スイッチによってミラーハウジング14を傾動させる電動格納ユニットと、ミラー15の反射角を調整するためのリモコンユニット(何れも不図示)が内装されている。このリモコンユニットの後方にミラー15が支持されるようになっている。
【0019】
ミラーハウジング14は、樹脂などにより成型されたものであって、ミラー用開口部13が形成されたハウジング本体17と、ハウジング本体17の前方である背面側に取り付けられるカバー20とで構成されている。カバー20は、上下方向に分割可能な下部カバー(カバーハウジング)21と上部カバー(スカルキャップ)22とにより構成されている。
【0020】
(ハウジング本体)
図3は、ハウジング本体17から上部カバー22を取り外した状態の斜視図である。
図1図3に示すように、ハウジング本体17は、ミラー用開口部13を形成するリム部23と、リム部23の内周縁に一体成形された容器部24とを有している。リム部23は、左右方向に長くなるように長円環状に形成されている。
【0021】
容器部24は、不図示の電動格納ユニットやリモコンユニットを収納可能な御椀状に形成されており、その開口部24aがリム部23の内周縁に接続されている一方、底部24bが前方に向いた形になっている。
そして、底部24bの外面のうち、上下方向中央よりもやや下側から底部24bの下部全体を覆うように下部カバー21が設けられている。ハウジング本体17に対する下部カバー21の取り付けは、ハウジング本体17に形成された係合孔(不図示)と、下部カバー21に突出形成された係合突起41(図4参照)とが係合することにより行われる。一方、底部24bの外面のうち、上下方向中央よりもやや下側から底部24bの上部全体を覆うように上部カバー22が設けられている。尚、上部カバー22の詳細については後述する。
【0022】
ここで、底部24bの上部カバー22に対応する位置には、この上部カバー22が取り付けられる範囲の外周に沿って5つの係合孔25a〜25eがほぼ等間隔に形成されている。これら係合孔25a〜25eは、平面視略矩形状に形成されている。これら係合孔25a〜25eは、上部カバー22に形成されている後述の係合突起31a〜31eと係合可能になっている。また、底部24bの略中央部、換言すれば、底部24bの長手方向略中央には、位置決めガイド26が形成されている。
【0023】
位置決めガイド26は、上部カバー22に形成されている後述の位置決め突起33を受け入れるためのものである。位置決めガイド26は、上下方向に延び、位置決め突起33が挿入されるスリット27と、スリット27を挟んで左右に配置され、底部24bから前方に向かって突出するように形成された一対のガイド板28a,28bとにより構成されている。また、一対のガイド板28a,28bは、その幅方向が左右方向に沿うように形成されている。さらに、一対のガイド板28a,28bの先端には、互いに対向する側縁に、平面取り部30が形成されている。平面取り部30は、スリット27に上部カバー22の位置決め突起33をスムーズに案内する役割を有している。
【0024】
(上部カバー)
図4は、カバー20を前方からみた斜視図である。
カバー20を構成する上部カバー22は、底部24bの外面のうち、上下方向中央よりもやや下側から底部24bの上部全体を覆うように湾曲形成されている。また、上部カバー22には、左右方向略中央から左右方向外側に至る間に切除部29が形成されている。この切除部29にターンランプ部16が配置される。
【0025】
さらに、上部カバー22の内面22aには、ハウジング本体17に形成されている5つの係合孔25a〜25eに対応する位置に、それぞれ係合突起31a〜31eが突出形成されている。各係合突起31a〜31eは、ハウジング本体17の係合孔25a〜25eの形状に対応するように形成された板状の立ち上がり部32aと、この立ち上がり部32aの先端に一体成形された鉤部32bとからなる。立ち上がり部32aは、弾性変形可能に構成されており、ハウジング本体17に上部カバー22を取り付ける際、係合孔25a〜25eにスナップフィット固定される。
【0026】
また、上部カバー22の内面22aには、ハウジング本体17に形成されている位置決めガイド26に対応する位置に、位置決め突起33が突出形成されている。すなわち、上部カバー22の長手方向略中央に、位置決め突起33が突出形成されている。
位置決め突起33は、位置決めガイド26のスリット27に挿入される板状の本体部33aと、本体部33aの長手方向両端に設けられ、本体部33aを支持する一対の支持板33b,33cとにより構成されている。そして、これら本体部33a、及び一対の支持板33b,33cと、上部カバー22の内面22aとにより、開口部34を形成した状態になっている。また、支持板33bは、先端に向かうに従って先細りとなるように、平面視略台形状に形成されている。
【0027】
ここで、このように構成された位置決め突起33は、ハウジング本体17に上部カバー22を取り付けた際、ハウジング本体17のスリット27に斜めに挿入された状態になる。以下に、詳述する。
図5は、ハウジング本体17の位置決めガイド26を、後方からみた拡大斜視図である。
同図に示すように、ハウジング本体17に上部カバー22を取り付けた状態では、ハウジング本体17のスリット27に、上部カバー22の位置決め突起33が斜めに挿入された状態になる。
【0028】
すなわち、位置決め突起33を構成する一対の支持板33b,33cのうち、上側の支持板33bのみスリット27に挿入された状態になる。そして、位置決め突起33の本体部33aは、長手方向中央よりもやや下部から長手方向上端に至る間が、スリット27に挿入された状態になる。このため、スリット27は、位置決め突起33の本体部33aの一部、及び一対の支持板33b,33cのうち、上側の支持板33bのみを挿入可能なように、略T字状に形成されている(図3参照)。
【0029】
このような構成のもと、ハウジング本体17に上部カバー22を取り付けるには、まず、上部カバー22の内面22aをハウジング本体17側に向ける。そして、ハウジング本体17に形成されている位置決めガイド26の一対のガイド板28a,28bの間に、上部カバー22に形成されている位置決め突起33の本体部33aを挿入する。
このとき、位置決めガイド26が、ハウジング本体17の底部24bの長手方向略中央に形成されていると共に、位置決め突起33が上部カバー22の長手方向略中央に形成されているので、上部カバー22をバランスよく把持しつつ、位置決めガイド26の一対のガイド板28a,28bの間に、上部カバー22の位置決め突起33を挿入させることができる。
【0030】
また、本体部33aがちょうど一対のガイド板28a,28bの間に位置していない場合であっても、一対のガイド板28a,28bにそれぞれ平面取り部30が形成されているので、この平面取り部30に本体部33aが当接することで、一対のガイド板28a,28bの間に、本体部33aがスムーズに案内される。
一対のガイド板28a,28bの間に本体部33aが挿入されると、ハウジング本体17と上部カバー22との相対位置が決まる。すなわち、ハウジング本体17に形成されている5つの係合孔25a〜25eと、上部カバー22の係合突起31a〜31eとが互いに対向した状態になる。
【0031】
この状態で上部カバー22をハウジング本体17に向けて押し込むと、ハウジング本体17の位置決めガイド26を構成するスリット27に、上部カバー22の位置決め突起33が挿入される。また、ハウジング本体17の5つの係合孔25a〜25eに、上部カバー22の係合突起31a〜31eが挿入されてスナップフィット固定される。これにより、ハウジング本体17への上部カバー22の取り付け作業が完了する。
【0032】
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、ハウジング本体17に形成されている5つの係合孔25a〜25e、及び上部カバー22に形成されている5つの係合突起31a〜31eの寸法誤差を極力小さくした場合であっても、ハウジング本体17の位置決めガイド26と上部カバー22の位置決め突起33とにより、5つの係合孔25a〜25eと5つの係合突起31a〜31eとを高精度に対向配置させることができる。このため、これら係合孔25a〜25eと係合突起31a〜31eとを、容易にスナップフィット固定させることができる。よって、簡素な構造で、美観性を維持し、走行時の風切音の発生等を抑制しつつ、ハウジング本体17への上部カバー22の取り付け作業を簡略化できる。
【0033】
また、ハウジング本体17に係合孔25a〜25e及び位置決めガイド26を形成する一方、上部カバー22の内面22aに係合突起31a〜31e及び位置決め突起33を形成している。このため、上部カバー22に余計な孔などが形成されず、上部カバー22の美観性を向上させることができる。
さらに、位置決めガイド26が、ハウジング本体17の底部24bの長手方向略中央に形成されていると共に、位置決め突起33が上部カバー22の長手方向略中央に形成されている。このため、上部カバー22をバランスよく把持しつつ、位置決めガイド26の一対のガイド板28a,28bの間に、上部カバー22の位置決め突起33を挿入させることができる。よって、上部カバー22の取り付け作業性をさらに向上させることができる。
【0034】
また、位置決め突起33を、板状の本体部33aと、本体部33aを支持する一対の支持板33b,33cとにより構成し、これら本体部33a、及び一対の支持板33b,33cと、上部カバー22の内面22aとにより、開口部34を形成している。このため、開口部34に例えば治具の爪を引っ掛けるなどして、上部カバー22に極力接触することなく、この上部カバー22を支持することも可能である。この結果、例えば、上部カバー22を塗装する際、上部カバー22全体をムラなく塗装することが可能になる。
そして、上部カバー22の長手方向略中央に位置決め突起33が形成されているので、位置決め突起33を利用して上部カバー22を支持した際、上部カバー22をバランスよく支持することができる。このため、例えば、上部カバー22の塗装作業性を向上させることができる。
【0035】
また、上部カバー22を下部カバー21よりも大きく形成することにより、例えば、車体2の彩色に合わせて上部カバー22の彩色だけを変化させ、車体2とドアミラー1との彩色バランスを保つことが可能になる。このため、ドアミラー1の製造コストを抑えつつ、ドアミラー1の全体の美観性を向上させることができる。
【0036】
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ハウジング本体17に上部カバー22を取り付けるにあたって、ハウジング本体17に5つの係合孔25a〜25eを形成する一方、上部カバー22に5つの係合突起31a〜31eを形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、係合孔25a〜25eや係合突起31a〜31eの数は、4つ以下であってもよいし、6つ以上であってもよい。また、ハウジング本体17に係合突起31a〜31eを形成する一方、上部カバー22に係合孔25a〜25eを形成してもよい。
【0037】
さらに、上述の実施形態では、ハウジング本体17の底部24bの長手方向略中央に位置決めガイド26を形成する一方、上部カバー22の長手方向略中央に位置決め突起33を形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、上部カバー22に位置決めガイド26を形成する一方、ハウジング本体17に位置決め突起33を形成してもよい。また、位置決めガイド26や位置決め突起33の位置は、ハウジング本体17の底部24bの長手方向略中央や上部カバー22の長手方向略中央に限られるものではなく、任意の位置とすることが可能である。
【0038】
そして、上述の実施形態では、ハウジング本体17の背面側に取り付けられるカバー20を、上下方向に分割可能な下部カバー21と上部カバー22とにより構成した場合について説明した。しかしながら、カバー20を分割構成しなくてもよい。
また、上述の実施形態では、位置決めガイド26を、スリット27と、スリット27を挟んで左右に配置された一対のガイド板28a,28bとにより構成する一方、位置決め突起33を、板状の本体部33aと、本体部33aの長手方向両端に設けられる一対の支持板33b,33cとにより構成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、位置決めガイド26及び位置決め突起33は、ハウジング本体17と上部カバー22との相対位置を決定することができる形状であればよい。
【符号の説明】
【0039】
1 ドアミラー
2 車体
13 ミラー用開口部
14 ミラーハウジング
15 ミラー
20 カバー
21 下部カバー
22 上部カバー
22a 内面
25a〜25e 係合孔
26 位置決めガイド(ガイド)
27 スリット
28a,28b ガイド板(ガイド)
31a〜31e 係合突起
33 位置決め突起
33a 本体部
33b,33c 支持板
図1
図2
図3
図4
図5