(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明における湿気硬化型ポリウレタンホットメルトは、融点が40〜100℃、遊離
イソシアネート基が1〜10重量%であって、120℃
で溶
融して表面温度20℃の試片上に約240g/m
2の塗布量で塗布した後、20℃雰囲気下、指触にてタックが消失するまでの時間が30秒〜10分の範囲に入るものが好ましい。そしてこのホットメルトは、常温で固体であり、加熱溶融させて流動性を付与させた状態で板表面に均一に塗布したときに、室温環境下で短時間のうちに流動性を失い固化し、基材表面上に均一な塗膜層を形成する。さらに、固化したこのホットメルトはウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基が周囲環境からの湿気によって活性化され、ウレタンプレポリマー同士が架橋して有機溶剤に対する難溶性成分(ゲル成分)を多く含む硬化物を形成し強固な塗膜強度を発現する。
【0009】
本発明において用いられるウレタンプレポリマーとは、分子末端に水酸基を有するポリオールと、分子末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネートとの付加反応により得られる末端にイソシアネート基を有する化合物である。
【0010】
上記分子末端に水酸基を有するポリオールとしては、ポリウレタンの製造に通常用いられている従来より公知のポリオールを使用することができる。このようなポリオールの例としてはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは2官能のポリオールが好適に用いられる。より具体的には、上記ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−1,5-ジカルボン酸、ナフタリン−2,6-ジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピクリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、又それ以外にε-カプロラクタムを開環重合して得られるポリ-ε-カプロラクトンポリオールが挙げられる。
【0011】
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、上記ポリアルキレンポリオー
ルとしてはポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられ、上記ポリカーボネートポリオールとしてはポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
上述したこれらのポリオールは単独で用いても良く、2種以上を併せて用いても良いが、本発明においては、互いに相溶性の乏しい2種以上のポリオールを併用するのが好ましい。例えば、結晶性ポリエステルポリオールと非結晶性ポリエステルポリオール、結晶性ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオール、結晶性ポリエステルポリオールと非結晶性ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオール等の組合せが挙げられ、お互いに相溶性の乏しいポリオールを併用することにより、得られたプレポリマーの溶融粘度が高くなりすぎるのが抑制されホットメルトとして好適に用いられる。
【0012】
また、上記ポリイソシアネートとしては、二官能のポリイソシアネートが好適に用いられ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の液状変性物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタリン-1,5-ジイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートのうち蒸気圧や毒性、扱いやすさの面からジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびその変性物が好ましい。
【0013】
上記ウレタンプレポリマーの合成方法としては特に限定されないが、例えば、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを、ポリオール中の水酸基(OH)に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(NCO)の比率(NCO/OH)がモル比で1.5〜2.5の割合で混合し、窒素気流中で、80〜100℃程度の温度で3〜5時間程度反応させる方法が好適である。NCO/OH(モル比)が1.5未満であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎて、湿気硬化型ホットメルトに用いることができないことがある。NCO/OH(モル比)が3.0を超えると、本発明のポリウレタン樹脂組成物の硬化時に発泡が起こり易くなって硬化物の凝集力が低下し、充分な塗膜強度を得られないことがある。
【0014】
本発明においてタックフリータイム(T.F.T.)とは、120℃
で溶
融しておいた被試験塗料(PUR)を表面温度20℃の試片上に240g/m
2の塗布量で塗布した後、20℃雰囲気下で、指触にて塗膜表面のタック(指への付着)が消失するまでの時間のことを言い、本発明のホットメルトの場合、その時間が30秒から10分、好ましくは30秒から5分の間に入ると良い。試片には、塗料の試験で通常使用されるガラス板などが用いられるが、実用的には南洋材合板を用いることが出来る。
T.F.T.が30秒未満の場合、塗料としての可使時間が短く、使用が困難である。また、T.F.T.が10分以上であった場合、塗装後も長い時間タックが残り、タックが消えるまで保管等で塗装品を積み上げることができず、生産性が悪化する。
【0015】
本発明における無機フィラーとしては、特に限定されず、例えば炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、酸化チタン、マイカ、ガラスフレーク等があり、この中でもさらに不定形無機フィラーが好ましい。これらは一種単独又は二種以上を併せて使用しても良いが、平均粒子径が0.5〜90μmであることが必須である。
平均粒径が0.5μm未満では、フィラーの総表面積が増えすぎ、粘度が高くなりすぎるため、塗料のハンドリングが難しくなる。90μmを超えるとフィラー混練時にフィラーが沈降するうえ、塗膜表面のざらつきが目立つようになり、仕上り感が悪くなる。
また、本発明の塗料組成物において無機フィラーの添加量は、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト(PUR)100重量部に対して、60〜480重量部である。
60重量部未満では粘度が低く、針葉樹合板の抜け節等の欠点部に対して良好に補修が
行えず、また、適度な脆性を得られないため、セパレートを通す穴を開ける際に塗膜と共に合板表面が大きく剥がれてしまい、コンクリートの硬化不良を起こす。480重量部を超えると塗料が非常に高粘度となり混合性が悪く、均一な塗膜が得られない。また、湿気硬化型ポリウレタンの比率が低くなりすぎてしまい、十分な塗膜強度が得られない。
【0016】
本発明に用いる炭化水素系合成ワックスとしては、融点が75℃以上であれば、特に限定されず、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用して配合しても良い。
融点が75℃未満では塗膜の硬化が遅く、著しく生産性が低下する。
本発明に用いるワックスの添加量は、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト100重量部に対して5〜25重量部である。5重量部未満では無機フィラー添加後の粘度が高く、混合が困難であるなどの作業性の悪化や、モルタル打設後、型枠を剥離することが困難となるなどの問題が起こり、25重量部を超えるとT.F.T.や、塗料の可使時間が短くなるなどの問題が起きる。
【0017】
本発明において光安定剤は、塗膜の安定性、耐候性、生産性を目的として配合される。光安定剤としては、ヒンダートアミン系光安定剤が好ましく、本発明の塗料が溶融状態で配合され塗布されることから、紫外線遮断性能の他に、相溶性、低揮発性(低昇華性)、溶融混合性のあるものが好ましい。
本発明に用いるヒンダートアミン系光安定剤としては、特に限定されず、液体又は固体の、様々な融点、分子量のものが使用可能であるが、生産性の面から常温固体のものが好ましく、単独または2種以上を併用して配合しても良い。
【0018】
本発明塗料には、所望により常法にしたがって可塑剤を配合することができる。本発明に用いる可塑剤としては、特に限定されず、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリノルマルアルキル等が挙げられる。可塑剤は、沸点350℃以上のものが好ましく、二種以上の可塑剤を併用して配合しても良い。
【0019】
更に、本発明においては、この分野で通常配合される以下に記載するポリオール、粘着付与剤、硬化剤等の助剤を適宜配合しても良い。
【0020】
本発明に用いるポリオールとしては、特に限定されず、従来より公知のポリオールを使用することができる。このようなポリオールの例としてはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは二官能のポリオールが好適に用いられる。より具体的には、上記ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−1,5-ジカルボン酸、ナフタリン−2,6-ジカルボン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピクリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、又それ以外にε-カプロラクタムを開環重合して得られるポリ-ε-カプロラクトンポリオールが挙げられる。
【0021】
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールまたはポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、上記ポリアルキレンポリオールとしてはポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられ、上記ポリカーボネートポリオールとしてはポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
上述したこれらのポリオールは、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
【0022】
本発明に用いる粘着付与剤としては、特に限定されず、例えばロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂等が含まれる。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン、およびこれらの誘導体(例えば、水素添加ロジン、不均化ロジン、脱水素ロジン、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル、マレイン酸付加物、ロジン金属塩)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテル、ミルセン、ボルニレン、カンフェン等のテルペン類の重合体であるテルペン樹脂、これらテルペン類をフェノール類で変性したフェノール変性テルペン系樹脂等が挙げられる。石油系樹脂には、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ベンチレン等の溜分を原料とした脂肪族石油系樹脂、脂環族石油系樹脂または芳香族石油系樹脂、シクロペンタジエンの単独または共重合体等が含まれる。石油系樹脂は、C5〜C9 程度の溜分を主成分として用いた重合体である場合が多く、水素添加シクロペンタジエン樹脂等のように水素添加されていても良い。スチレン系樹脂としては、スチレンの低分子量単独重合体、スチレンと、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、ブタジエンゴム等との共重合体等が挙げられる。クマロン系樹脂には、例えばクマロン−インデン樹脂、フェノール変性クマロン−インデン樹脂等が含まれる。フェノール系樹脂としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、トルエン、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応生成物、ロジン変性フェノール樹脂等が含まれる。粘着付与剤は、融点50℃〜150℃のものが好ましく、二種以上の粘着付与剤を併用して配合しても良い。
【0023】
本発明に用いる硬化剤としては、配合成分のいずれか一種もしくは二種以上と反応するものであれば特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、含水酸基化合物、酸、アルカリ、などが挙げられる。硬化剤は、二種以上の硬化剤を併用して配合しても良い。
【0024】
上記ワックス(C)、光安定剤(D)等をあらかじめ無機フィラー(B)と加熱混合し配合物としておくのが好ましい。このような配合物とすることにより、効率よく湿気硬化型ポリウレタンホットメルト(A)と混合することが可能となり、混合時間が短縮される。そのため、混合時における湿気硬化型ポリウレタンホットメルトの熱劣化を抑制し、塗料としての可使時間を伸ばすことが出来る。また、湿気硬化型ポリウレタンホットメルトとの混合にあたり無機フィラーの乾燥工程を省くことができ、更に無機フィラー中の水分による早期硬化を抑制できる。
【0025】
本発明のコンクリート型枠用塗料を合板等へ塗布するに際しては、塗布する部材は50℃〜150℃に温調可能なナイフコーター、ロールコーター、フローコーター、スプレーコーター、スクイズコーター、Tダイなどが使用できる。
【0026】
本発明コンクリート型枠用塗料を塗布可能な基材は、針葉樹合板、南洋材合板だけではなく、パーティクルボードやMDF、グラスウール、石膏ボードなどの単体、もしくは複
合板などが例示でき、上記塗布部材によって塗布可能である。
【0027】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明の趣旨は、もとよりこれに限定されるものではない。なお、以下で(A)は本発明の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト、(B)は無機フィラー、(C)は炭化水素系合成ワックス、(D)はヒンダートアミン系光安定剤を示す。また、部は重量部を示す。
【0028】
(実施例1)
(A)として、従来の技術で製造した融点50℃、遊離イソシアネート基含有量5.5%、T.F.T.1.5分の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト(製品名HP−P5 株式会社J−ケミカル製)を100部使用した。(B)として、無機フィラーとして平均粒子径1.8μm炭酸カルシウム(製品名ホワイトンP−30 東洋ファインケミカル株式会社製)を150部使用した。(C)としてフィッシャートロプシュワックス(製品名FT105 日本精蝋株式会社製)を17.5部使用した。(D)として常温液状のヒンダートアミン系光安定剤(製品名TINUVIN292 BASFジャパン株式会社製)を(A)(B)(C)総重量の1.0%添加した。
(A)(B)(C)(D)を120℃で混合し、塗料の性能評価、針葉樹合板への塗布試験を行った。また、モルタル打設試験、耐候性試験、セパ穴加工性試験は塗料を針葉樹合板へ塗布後、気温20℃、湿度50%の条件下で1週間養生させたものを使用した。
【0029】
(実施例2)
(A)、(B)、(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(D)として融点65℃(常温固体)のヒンダートアミン系光安定剤(製品名LA52 株式会社ADEKA製)を(A)(B)(C)総重量の1.0%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0030】
(実施例3)
(A)(B)は実施例1と同じものを同量、(D)は実施例2と同じものを同量使用した。(C)として融点136℃ポリプロピレンワックス(製品名NP055 三井化学株式会社製)を17.5部使用し、実施例1と同様の試験を行った。
【0031】
(実施例4)
(A)(C)は実施例1と同じものを同量、(D)は実施例2と同じものを同量使用した。(B)として無機フィラーとして平均粒子径85μm炭酸カルシウム(製品名G−60
三共製粉株式会社製)を150部添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0032】
(実施例5)
(A)(B)(C)(D)は実施例1と同じものを同量使用した。さらにトリメリット酸トリアルキルエステル可塑剤(製品名N-08 花王株式会社製)を15部添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0033】
(実施例6)
(A)(B)(C)(D)は実施例2と同じものを同量使用した。あらかじめ、(B)(C)(D)を120℃で混合しておき、配合物とした後、(A)と120℃で混合し、実施例1と同様の試験を行った。
【0034】
(比較例1)
(A)(B)(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(D)の光安定剤は無添加とし、実施例1と同様の試験を行った。
【0035】
(比較例2)
(A)(B)は実施例1と同じものを同量、(D)は実施例2と同じものを同量使用した。(C)のワックスは無添加とし、実施例1と同様の試験を行った。
【0036】
(比較例3)
(A)(B)は実施例1と同じものを同量、(D)は実施例2と同じものを同量使用した。(C)として融点72℃のフィッシャートロプシュワックス(製品名FT0070 日本精蝋株式会社製)を17.5部使用し、実施例1と同様の試験を行った。
【0037】
(比較例4)
(A)(B)は実施例1と同じものを同量使用した。(C)は実施例1と同じものを2.5部使用した。(D)は実施例2と同じものを(A)(B)(C)総量の1.0重量%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0038】
(比較例5)
(A)(B)は実施例1と同じものを同量使用した。(C)は実施例1と同じものを30部使用した。(D)は実施例2と同じものを(A)(B)(C)総量の1.0重量%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0039】
(比較例6)
(A)(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(B)は無機フィラーとして平均粒子径100μmシリカ(電気化学工業株式会社製)を150部使用した。(D)は実施例2と同じものを同量使用し、実施例1と同様の試験を行った。
【0040】
(比較例7)
(A)(B)(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(D)は、実施例2と同じものを(A)(B)(C)総量の0.05重量%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0041】
(比較例8)
(A)として、従来の技術で製造した融点60℃、遊離イソシアネート基含有量2.3%、T.F.T.0.33分(20秒)の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト(製品名HP−P3 株式会社J−ケミカル製)を100部使用した。(B)(C)は実施例1と同じものを同量、(D)は実施例2と同じものを同量使用し、実施例1と同様の試験を行った。
【0042】
(比較例9)
(A)として、従来の技術で製造した融点60℃、遊離イソシアネート基含有量2.3%、T.F.T.12分の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト(製品名HP−P4 株式会社J−ケミカル製)を100部使用した。(B)(C)は実施例1と同じものを同量、(D)は実施例2と同じものを同量使用し、実施例1と同様の試験を行った。
【0043】
(比較例10)
(A)(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(B)として実施例1と同じものを500部使用した。(D)は、実施例2と同じものを(A)(B)(C)総量の1.0重量%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0044】
(比較例11)
(A)(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(B)として実施例1と同じものを50部使用した。(D)は、実施例2と同じものを(A)(B)(C)総量の1.0重量%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0045】
(比較例12)
(A)(B)(C)は実施例1と同じものを同量使用した。(D)は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(製品名TINUVIN326 BASFジャパン株式会社製)を(A)(B)(C)総量の1.0重量%となるよう添加し、実施例1と同様の試験を行った。
【0046】
[評価方法]
(1)塗料混合後T.F.T.
(A)(B)(C)(D)の混合溶融液のT.F.T.を測定した。
【0047】
(2)混合作業性
(A)(B)(C)(D)混合作業時の作業性を評価した。
◎:混合が非常に容易である。○:混合が容易である。△:混合がやや難しい。×:混合が難しい。
【0048】
(3)生産性
◎:塗料塗布後の固化が早いため生産性が非常に良い。○:生産性が良い。△:生産性がやや悪い。×:固化が遅いため生産性が悪い。
【0049】
(4)塗料可使時間
(A)(B)(C)(D)を加熱混合後の可使時間を評価した。
◎:加熱した状態でもゲル化しにくいため、塗料可使時間が非常に長い。○:塗料可使時間が長い。△:塗料可使時間がやや短い。×:ゲル化しやすく、塗料可使時間が短い。
【0050】
(5)モルタル剥離性(モルタル打設試験)
試験片を底面とした型枠を組み立て、そこにポルトランドセメントと水を1:0.3の割合で混合したモルタルを流し込み、重しを載せ2日間養生した。養生後、モルタルと試験片の剥離のしやすさを確認した。
◎:モルタル剥離性がかなり良い。○:モルタル剥離性が良い。×:モルタル剥離性が悪い。
【0051】
(6)耐候性
試験片にウェザーメーター処理(照射時間80時間、照射強度255W/m
2、JIS A 1415 6.3 オープンフレームカーボンフレームアーク式 水噴射無し)を行った後、モルタル打設試験を行い、モルタルの硬化を確認した。
◎:モルタルの硬化不良なし。×:モルタル硬化不良。
【0052】
(7)セパ穴加工性試験
10mm径のドリルを使用し、セパレータを通す穴を開けた際の針葉樹塗装合板の表面、塗膜の状態を観察した。
塗膜の脆性 ◎:セパ穴加工後、塗膜、合板のささくれを容易に除去することが出来る、×:セパ穴加工後、塗膜、合板のささくれが残る。
【0053】
(8)表面平滑性
針葉樹合板へ塗料塗布後、塗膜表面の平滑性を目視で評価した。
◎:塗装表面が平滑である、○:塗装表面に僅かに凹凸が見られるが使用上問題ない、×:塗装表面に大きな凹凸が見られる。