特許第6276557号(P6276557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276557
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】LED発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20180129BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20180129BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20180129BHJP
【FI】
   H01L33/60
   H01L33/50
   H01L33/54
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-222445(P2013-222445)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2015-84374(P2015-84374A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123881
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100080931
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100134625
【弁理士】
【氏名又は名称】大沼 加寿子
(74)【代理人】
【識別番号】100085280
【弁理士】
【氏名又は名称】高宗 寛暁
(72)【発明者】
【氏名】宮下 純二
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−223216(JP,A)
【文献】 特開2004−241509(JP,A)
【文献】 特開2011−114096(JP,A)
【文献】 特開2011−138849(JP,A)
【文献】 特開2012−216596(JP,A)
【文献】 特開2006−130714(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0053929(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0221380(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数のLEDおよび蛍光体層を備えたLED発光装置であって、前記LEDを前記基板上に実装すると共に、前記LED間の各々に反射壁を設け全体を透光性樹脂で封止し、少なくともLEDの上面には蛍光体層と充填樹脂を形成したLED発光装置において、
前記蛍光体層は、前記透光性樹脂に蛍光体粒子を含有させ蛍光樹脂として一体的に形成し、
前記LEDの高さよりも前記反射壁の高さを高く形成するとともに、全体を封止した前記蛍光樹脂の高さを前記反射壁の高さより高く形成し、
前記反射壁の内部に光吸収部材を設けたことを特徴とするLED発光装置。
【請求項2】
前記反射壁は反射性の白色樹脂を用いて構成するとともに、前記光吸収部材は黒色樹脂を用いて構成したことを特徴とする請求項に記載のLED発光装置。
【請求項3】
前記蛍光体層は、複数の前記LEDの個々に付設して形成したことを特徴とする請求項1に記載のLED発光装置。
【請求項4】
前記反射壁は、複数の前記LEDを垂直に2等分する面上において、断面が三角形状を形成することを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載のLED発光装置。
【請求項5】
前記LEDを前記基板上にフリップチップ実装したことを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載のLED発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体発光素子を用いた発光装置に関し、特に各々の半導体発光素子間に白色樹脂による反射壁を設け照度を均一化する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体発光素子であるLED素子(以下LED:Light Emitting Diode)は長寿命で優れた駆動特性を有し、さらに小型で発光効率が良く、鮮やかな発光色を有することから、カラー表示装置のバックライトや照明器具等の発光装置として広く利用されるようになってきた。
【0003】
バックライトや照明器具等に用いられる発光装置は、基板上に配置したLEDを蛍光体または蛍光体を含有した樹脂で封止して構成した最小単位の発光モジュールを、線あるいは面状に並べて構成する。例えば最小単位の発光モジュールを一列に並べれば線光源を構成することが出来るし、この線光源を数行並べ平面状の光源を構成すればバックライトや照明器具が実現する。
【0004】
このようなバックライトや照明装置においては、光源は一般的に白色が広く用いられるため、青色LEDと黄色蛍光体とを用い、LEDが出射する青色光とLEDからの青色光が黄色蛍光体に作用し発生する黄色の蛍光とから、白色光を合成する発光モジュールがしばしば用いられる。さらにバックライトや照明装置においては、発光面の各ポイントでの照度が均一であることが重要な要件であるため、関連する技術が開示されている。(例えば特許文献1および特許文献2)
【0005】
以下、図24を用いて特許文献1に開示された従来技術について説明する。なお、理解し易いように発明の趣旨を外さない範囲において図面を一部簡略化し、また部品名称も発明の趣旨を外さない範囲において本願にそろえている。また以下の記述においてLEDが出射する光が周囲の蛍光体に作用し、その結果発生する波長の異なる蛍光を「励起光」と表現する。また、「蛍光体に作用」を、「蛍光体を励起」と表現することがある。
【0006】
図24は特許文献1に開示された発光装置の構造示す断面図であり、図24(1)は同発光装置の第1の実施例を示す断面図であり、図24(2)は同発光装置の第3の実施例を示す断面図である。
【0007】
図24(1)に示す様に発光装置200の第1実施例は、青色LED211と緑色LED212と、青色LED211からの青色光を吸収して黄色系の励起光を発する黄色蛍光体214と、緑色LED212からの緑色光を吸収して赤色系の励起光を発する赤色蛍光体215とを備え、黄色蛍光体214を分散混入した黄色封止樹脂226Aにより青色LED211を被覆して構成した青黄発光部221と、赤色蛍光体215を分散混入した赤色封止樹脂226Bにより緑色LED212を被覆して構成した赤緑発光部222とが互いに密接して基板10上に配設される構造としている。
【0008】
さらに図24(2)に示す様に、特許文献1に開示された発光装置の第3実施例では、発光装置400は、青黄発光部221と赤緑発光部222との間に光を遮蔽する隔壁部241を備えた構造としている。
【0009】
つぎに図25を用いて特許文献2に開示された従来技術について説明する。図25は特許文献2に開示された半導体発光装置100の構造をしめす断面図であり、半導体発光装置100を強い発光光源とするために半導体発光装置100に含まれるLEDの数を増やし、さらに大きい駆動電流を供給可能にするため、基板10に複数のLED20a〜LED20cをP極端子P、N極端子Nを介してフリップチップ実装し、基板10上に設けた接続電極200a〜200dにより直列接続し、基板10の裏面側に放熱用電極300a〜300dを設け、接続電極200a〜200dと放熱用電極300a〜300dとをビア400a〜400dで接続したのち蛍光体層30で封止し、複数のLED20a〜LED20cの放熱経路を確保するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−258479号 明細書(請求項、図2および図4
【特許文献2】特開2012−227230号 明細書(請求項、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら図24(1)に示す特許文献1に記載された発光装置の第一の実施例では、発光装置200は、青色LED211と緑色LED212との波長の異なる2種のLEDを必要とするので発光効率のバランスを管理するための管理コストがかかるばかりでなく、青色LED211からの光が離れた位置にある赤色蛍光体215に作用し、また緑色LED212からの光が離れた位置にある黄色蛍光体214に作用し、それぞれ新たに発生する励起光によって青黄発光部221および赤緑発光部222の本来の演色特性が損なわれ、色ムラや輝度ムラが発生するという課題がある。
【0012】
さらに別な課題として、図24(1)において青黄発光部221と赤緑発光部222とは隣り合わせの位置にあるので、例えば青黄発光部221から出射した白色光が他方の赤緑発光部222に入射し赤緑発光部222の215を再励起し、新たに赤色系の再励起光を生じることがある。
【0013】
この新たに生じた赤色系の再励起光と、赤緑発光部222が発生する本来の赤色系の励起光との色度ずれによって明度ムラや光色ムラが生じる。また青黄発光部221と赤緑発光部222とは一定の間隔があるので、一方の発光部からの光が隣接する他方の発光部に入射すると、光路長の違いによって同様の明度ムラや光色ムラが生じる。
【0014】
さらに図24(1)において、青色LED211または緑色LED212のいずれか一方から出射した光が他方のLEDに入射すると、入射した光は高い屈折率を有するLED内に閉じ込められLEDに内部損失が発生し、LEDの発光特性に影響を与える。
【0015】
また図24(2)に示す様に、特許文献1に記載された発光装置の第3の実施例では、発光装置400は、青黄発光部221と赤緑発光部222の間に隔壁部241を設ける構造としているが、隔壁部241の上端は青黄発光部221および赤緑発光部222の上端と同一の面上に位置しているため、LEDの光や蛍光体からの励起光はこの隔壁部241の上端に至らず、発光領域の不連続部が生じる。このため輝度ムラが発生するという課題がある。
【0016】
また図25に示す特許文献2に記載された半導体発光装置100では、強い発光光源を得るために、基板裏面の放熱用電極300a〜300dによって熱の拡散経路を設け、LEDの放熱を促進することでLED自身の発光特性は改善するものであるが、LED20a〜LED20cから出射する光や蛍光体からの励起光の導光構造については、図24に示す特許文献1に記載された発光装置と同様なので色ムラや輝度ムラが生じる課題がある。
【0017】
そこで本発明の目的は上記問題点を解決しようとするものであり、複数のLEDを用いた発光装置において、光源を構成する複数のLED間の光の再入射を抑制し、発光面における各ポイントの照度を均一にすると共に、色ムラおよび輝度ムラを防ぎ演色性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため本発明におけるLED発光装置は下記に記載の構成とする。
【0019】
すなわち本発明のLED発光装置は、基板上に複数のLEDおよび蛍光体層を備えたLED発光装置であって、前記LEDを前記基板上に実装すると共に、前記LED間の各々に反射壁を設け全体を透光性樹脂で封止し、少なくともLEDの上面には蛍光体層と充填樹脂を形成したLED発光装置において、前記蛍光体層は、前記透光性樹脂に蛍光体粒子を含有させ蛍光樹脂として一体的に形成し、前記LEDの高さよりも前記反射壁の高さを高く形成するとともに、全体を封止した前記蛍光樹脂の高さを前記反射壁の高さより高く形成し、前記反射壁の内部に光吸収部材を設けたことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、LED間の各々に設けられた反射壁によって、LEDから出射する光は隣接するLEDや周囲の蛍光体層に至ることがないため、光路長の長い光による再励起光で色ムラや輝度ムラを生じることがなく、各々の反射壁で囲われた光学的領域内においてLEDの光と励起光とが集中し、効率的に演色効果を生むことができる。
【0022】
上記構成によれば、特別に蛍光体層を設ける必要がないのでコストダウンに繋がるばかりでなく、透光性樹脂内に蛍光体層を均一に含有させることが可能になり、蛍光体層からの励起光が均一になるので、LEDからの光と励起光とが均一に作用し演色効果がさらに向上する。
【0024】
上記構成によれば、反射壁の高さはLEDの高さを上回り、かつ全体を封止した蛍光樹脂の高さより低いので、LEDから出射する光および蛍光体層によって励起された励起光は反射壁の上部にも至ることができるので、反射壁の上部の暗点により輝度ムラを生じるという問題もない。
【0026】
上記構成によればLEDから発射した光が反射壁の内部に至ったとしても、光吸収部材によって吸収されるので、反射壁を貫通した光が隣接するLEDに入射して屈折率の高いLED内に閉じ込められLEDの内部損失を発生するといった不具合を生じない。
【0027】
さらに反射壁は反射性の白色樹脂を用いて構成するとともに、光吸収部材は黒色樹脂を用いて構成することが望ましい。
【0028】
上記構成によれば、反射壁は反射性の高い白色樹脂で形成されるのでLEDからの光を効率よく反射し隣接するLEDに入射することを防ぎ、かつ反射壁の内部には光吸収能力が高い黒色樹脂を設けられているので、反射壁が全反射特性を備えていないために一部の光が反射壁の内部に入射したとしても、この光吸収能力が高い黒色樹脂によって殆どの発色光は吸収され、その結果隣接するLEDにまで至る光は極めて減少するので隣接するLEDの発光特性への影響を減少させることができる。
【0029】
また蛍光体層は、複数のLEDの個々に付設して形成してもよい。
【0030】
上記構成によれば、蛍光体層はLEDの表面に直接形成されるのでLEDからの光は効率良く蛍光体層に入射し、一部の光はそのまま出射し、一部の光は蛍光体層の蛍光体に作用して励起光を発生して外部に出射し、LEDから出射する光と励起光とはLEDの表面に形成された蛍光体層のごく近傍で混色する。よってLEDからの光と励起光との光路差は殆ど生じないので演色性を向上させることが可能となる。
【0034】
さらに反射壁は、複数の前記LEDを垂直に2等分する面上において、断面が三角形状を形成することが望ましい。
【0035】
上記構成によれば、LEDから出射する光および蛍光体層による励起光は三角形に形成された反射壁によって上方すなわち発光面側に向かい、基板側に向かう光は僅かとなるため、光損失が減少し結果として輝度ムラを減少させることができる。
【発明の効果】
【0036】
上記の如く本発明によれば、複数のLEDを用いた発光装置において、反射壁によって囲われた領域でのLEDの光と蛍光体層による励起光とは均一に混色すると共に、隣接するLEDおよびその領域への再入射は抑制されるので、発光面の各ポイントでの照度を均一し、色ムラおよび輝度ムラを防ぎ演色性を向上したLED発光装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明のLED発光装置の第1実施形態における側面図である。
図2図1に示すLED発光装置の裏面図である。
図3図2に示すLED発光装置のB−B断面図である。
図4図1に示すLED発光装置のA−A断面図である。
図5図1に示すLED発光装置の動作を示す断面図である。
図6図5に示すLED発光装置の発光面S側の平面図である。
図7図1に示すLED発光装置の反射壁が無い場合の動作を示す断面図である。
図8図7に示すLED発光装置の発光面S側の平面図である。
図9図1に示すLED発光装置の製造工程を示す断面図および斜視図である。
図10図1に示すLED発光装置の製造工程を示す断面図および斜視図である。
図11】本発明のLED発光装置の第2実施形態における構造を示す断面図である。
図12】本発明のLED発光装置の第1実施形態における光線の動態を示す断面図である。
図13】本発明のLED発光装置の第3実施形態における構造を示す断面図である。
図14図13に示すLED発光装置のE−E断面図である。
図15図13に示すLED発光装置の動作を示す断面図である。
図16図15に示すLED発光装置の発光面S側の平面図である。
図17図13に示すLED発光装置の製造工程を示す断面図である。
図18図13に示すLED発光装置の製造工程を示す断面図である。
図19】本発明のLED発光装置の第4実施形態における構造を示す断面図である。
図20図19に示すLED発光装置の発光面S側の平面図である。
図21】本発明のLED発光装置の第5実施形態における構造を示す断面図である。
図22】本発明のLED発光装置の第6実施形態における平面の構造を示す断面図である。
図23】本発明のLED発光装置の第7実施形態における平面の構造を示す断面図である。
図24】従来例のLED発光装置の構造を示す断面図である。
図25】従来例の半導体発光装置の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[第1実施形態]
以下図1図10を用いて第1実施形態におけるLED発光装置を説明する。
なお以下に示す実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、相対的配置等は特定的な記載がない限りは本発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係等は説明を明確にするために誇張していることがある。
さらに以下の説明において同一部品、同一構成要素には同一の名称、符号を付し詳細説明を適宜省略することがある。また図面において発明の趣旨を外さない範囲において、一部の要素を省略することがある。またLEDの実装方法としてフリップチップ方式を選択した例を用いて説明する。
【0039】
図1は第1実施形態におけるLED発光装置の側面図であり、図2は裏面図であり、図3図2のB−B断面図であり、図4図1のA−A断面図であり、図5は動作を示す断面図であり、図6図5の発光面S側の平面図であり、図7は反射壁が無い場合の動作を示す断面図であり、図8図7の発光面S側の平面図であり、図9および図10は製造工程を説明する断面図および斜視図である。
【0040】
(第1実施形態の構成説明)
図1図2を用いて第1実施形態におけるLED発光装置40の構成を説明する。図1はLED発光装置40の側面図であり図2はLED発光装置40の裏面図である。図1および図2に示すように、LED発光装置40は基板10上にLED20a〜LED20fの6個のLEDをフリップチップ実装し、各LED20を接続する接続導板12と、外部電源に接続するための端子導板11と端子導板13とを備えている。またLED発光装置40は反射壁50を備え、基板10およびLED20a〜LED20fの上部を蛍光体層30で封止している。
【0041】
さらに図3および図4を用いて詳述する。図3図2のB−B断面図であり、図4図1のA−A断面図である。図3において、基板10は、ガラスエポキシ基板またはセラミック基板を用い、フリップチップ実装パターン(図示せず)と端子導板11および端子導板13と接続導板12とを形成している。
【0042】
LED20a〜LED20fは、実施例では窒化ガリウム(GaN)を材料とし青色光を発光する素子を用い、3個ずつ2列に並べ計6個でLED発光装置40を構成したが、特にこの配列に限定されず、照明装置として必要な寸法になる様に、任意の形態を選択しうることは言うまでもない。
【0043】
蛍光体層30は、透光性樹脂であるエポキシ樹脂に、青色光を受け黄色光を励起光として出射するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系蛍光体を含有させ、LED20a〜LED20fと、後述する反射壁50とを充填封止し、少なくとも各LEDの上面には蛍光体層と充填樹脂が配設されるように形成している。なお透光性樹脂としてはエポキシ樹脂以外にもシリコーン樹脂やアクリル樹脂等を用いることが出来る。
【0044】
また、LED20a〜LED20fとして、近紫外光を発光する窒化物半導体を用いることも可能であり、この場合にはエポキシ樹脂に含有させる蛍光体としては、赤色蛍光体としてEuを添加したCaAlSiN3:Eu、また緑色蛍光体として(BaSr)2SiO4:Eu、さらに青色蛍光体としてSr10(PO4)6Cl2:Eu等を採用することが出来る。
【0045】
図4に示す様に、反射壁50は各LEDを取り囲む様に升目状に形成され、各LEDが発光した青色光Br(図示せず)と各LEDが発光した青色光Brが蛍光体層30内の蛍光粒子に作用し励起光として発生する黄色光Yr(図示せず)とが、反射壁50の升目状の各領域内で混色し効率よく白色光Wを発生するため、各LEDからの側方に向かう光を反射し各々のLEDの領域内に閉じ込める働きを有している。
【0046】
図3に示す様に、反射壁50の高さ50hは各LEDの高さ20hより高く、また蛍光体層30の高さ30hより低く形成されている。反射壁50の高さ50hが各LEDの高さ20hより高く形成した理由は、隣接するLEDからの光の入射を防ぐためであり、また蛍光体層30の高さ30hより低く形成した理由は、各LEDの間に存在する反射壁50の上部50hに光が至るように、言い換えれば暗部ないし明度の低い部分を生じさせないためである。なお実施例では反射壁50は各々のLEDの中間に、各々のLEDからほぼ等間隔であって、各々のLEDを升目状に囲う開口部50mを備えている。
【0047】
反射壁50の材料としては、透光性に優れたエポキシ樹脂、アクリル樹脂等のコーティング材に反射性のフィラーとして酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニューム、アルミナ、窒化ホウ素等の粒子を混入したものを用いることできるが、実施例ではシリコーン樹脂に酸化チタンを反射性フィラーとして含有させたものを用いた。
【0048】
(第1実施形態の動作の説明)
図5および図6を用いて第1実施形態におけるLED発光装置40の動作を説明する。図5図1に示すLED発光装置40の構造と動作を説明する断面図である。図5において、実線で青色光Brを示し、点線+実線で黄色光Yrを示すことによって、LED発光装置40における光線の動態を模擬的に表している。また図6図5の発光面S側を見た平面図である。なお図5において端子導板11および端子導板13と接続導板12とは図示していない。
【0049】
図5において、図示していない端子導板11〜端子導板13を通じてLED発光装置40に通電すると、各LEDは青色光Brを発光し、この青色光Brが蛍光体層30の蛍光粒子を励起し励起光である黄色光Yrが発生し、青色光Brと黄色光Yrとが混色し、白色光Wが発光面Sから外部に発光される。
【0050】
図5は、各LEDから出射する青色光Brと励起光である黄色光Yrとが混色し白色光Wrが発生する際の光線の動態を模擬的に表したものであり、「実線」は各LEDから直接発色された青色光Brを示し、「実線+点線」は、LED20から直接発色された青色光Brが蛍光体層30に含有されている蛍光体に作用し励起光である黄色光Yr生じる様子を示している。図5には、各LEDからの光および励起された直接光と、反射壁50で反射して上方に向かう反射光との2種類の光路が示されている。
【0051】
図5において「実線」で示される青色光Brと、「実線+点線」で示される黄色光Yrとが混色し白色光Wが発生するが、このとき青色光Brと、「実線+点線」で示される黄色光Yrとが等しい光路長であると混色は均一になる。
【0052】
図5および図6に示す様に、升目状に形成された反射壁50はLED20を囲む様に領域を形成しているので、LEDからの発色光は周辺に散逸する前に反射壁50で反射し、再び各々の領域内に導光されるので、光路長の異なる光の混色が少なくなる。
【0053】
(第1実施形態の効果の説明)
図6図8を用いて第1実施形態におけるLED発光装置40の効果を説明する。
図7図5の反射壁50を削除した場合の光線の動態を表したものであり、図8図7の発光面S側を見た平面図である。
【0054】
図5に示す様に、各LEDから出射する青色光Brと励起光である黄色光Yrとは、反射壁50によって各LEDの各々の範囲内に留まり範囲外に散逸しないので、光の損失がなく、さらに各々の範囲内に光が集中するので効率が向上する。また反射壁50によって、隣接するLED20から導光された光路長の異なる光との混色が減少するので、色ムラや輝度ムラが発生し難くなる。すなわち図6の斜線模様を施した部分に示す様に、白色光Wの均一部Atを生むことができる。
【0055】
さらに図7および図8を用いて補足説明をする。図7図5に示すLED発光装置40において、反射壁50を削除した場合の光線の動態を表したものであり、図8図7に示すLED発光装置40の各LEDに通電し発光させた場合の、発光面S側を見た平面図である。
【0056】
図7に示す様に、各LEDから出射する青色光Brと蛍光体層30に含有されている蛍光体から発生する励起光である黄色光Yrとは、円形放射状に一様に発光面S側に向かう。
各LEDの中央における発光面Sでは、青色光Brと黄色光Yrとはほぼ同じ光路を経由するので混色は均一になり、しかも各LEDから最も近い光路を辿ったので光の輝度は周辺に比べ相対的に高くなるため、図8の濃い斜線模様に示す様に円形状に白色の強い範囲Aatが出現する。
【0057】
一方図7に示す様に各LEDから出射された青色光のうち、LEDの発光面S側でなく、横方向に出射した青色光Brrおよびこの青色光Brrによる励起光である黄色光Yrrは、このLEDの上面を離れて隣接するLEDに向かい、隣接するLEDから横方向に同様の機序で出射した青色光Brrおよび黄色光Yrrと混色し、白色光Wmを生じる。
【0058】
このような機序で生じた白色光Wmは、長い光路長を有する青色光Brrおよび黄色光Yrrの混色によるので同じ白色光であっても白色光Wとは輝度や明度や色度の差があり、この結果、白色の強い範囲Aatの周囲に輝度の低い部分を生じる。
【0059】
図8を用いて補足説明をする。図8図7の発光面S側を見た平面図である。図8において各LEDの中央に斜線模様で示す様に円形状の白色が強い範囲Aatが生じ、上述の白色光Wmによって、白色が強い範囲Aatの周囲に白色の弱い同心円状の不均一部Amtが発生する。すなわち反射壁50の効果が明らかとなる。
【0060】
(第1実施形態の製造方法の説明)
次に図9図10を用いてLED発光装置40の製造工程を説明する。図9図10は、LED発光装置40の製造工程を説明する断面図および斜視図であり、図9は実装などの前工程を示し、図10は封止等の後工程を示している。なお図9および図10において端子導板11および端子導板13と接続導板12とは図示していない。
【0061】
図9(a)〜図9(c)を用いてLED発光装置40の前工程を説明する。図9(a)に示す様に、集合基板10bは複数のLED20を搭載できる大判のガラスエポキシ基板であり、図示していないが基板両面には各LEDをフリップ実装するための実装パターンおよび端子導板11と接続導板12と端子導板13とを有しており、半田ボール21を用いて各LED20を搭載しリフロー工程を通じて各LEDを一括フリップ実装する。
【0062】
図9(b)に示す様に、複数の升目状の開口部50mを備えた反射壁50を所定の数だけ集合基板10b上に設置する。図9(b−1)は反射壁50の一例を示す斜視図であり、図9(b−1)に示す様に実施例では6カ所の開口部50mを備えた反射壁50を2個用いたが、特に開口部は6個以外であっても、所定の機能を満たすための任意の開口部50mを備えた反射壁50を用いることができる。
【0063】
図9(c)に示す様に、2個の反射壁50を所定の位置に設置し、接着剤Rを用いて固着する。接着剤Rはシリコーン系やアクリル系もしくはエポキシ系の接着剤の何れかを選択可能であるが、実施例ではアクリル系接着剤を用いた。
【0064】
次に図10(d)〜図10(g)を用いて後工程を説明する。図10(d)に示す様に、各LED20をフリップチップ実装した実装済集合基板15の縦横を隙間なく収納可能かつ深さが反射壁上面50hを上回るディップ槽70にLED実装済み集合基板10bを設置し、ディスペンサDを用いて蛍光樹脂62を流し込み、実装済集合基板15および2個の反射壁50を蛍光樹脂62で封止する。
【0065】
図10(e)に示す様に、蛍光樹脂62によって、実装済集合基板15および2個の反射壁50を封止したのち、ディップ槽70から取り外し、図示していないが蛍光樹脂62を硬化処理して集合LED発光装置40bが完成する。
【0066】
図10(f)に示す様に、裁断手段を用いて集合LED発光装置40bを切断面Lで分割し、2個のLED発光装置40が得られる。以上の製造工程により第1実施形態におけるLED発光装置40が完成する。
【0067】
なお上記の説明では6個のLEDと1枚の集合基板10bと2個の反射壁50とを用いて2個のLED発光装置40を製造する場合に付いて述べたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばさらに多数のLEDを実装可能な集合基板10bとさらに多数の反射壁50を用いれば、一度の工程で製造するLED発光装置40をさらに増やすことが可能である。またLED発光装置40が擁するLEDの数をさらに増やすことで、広範囲の照明が可能なLED発光装置を製造することも可能であり、何れも本発明の範疇である。
【0068】
[第2実施形態]
図11及び図12を用いて本発明の第2実施形態におけるLED発光装置42の構造を説明する。図11はLED発光装置42の構造と動作を説明する断面図であり、図12図11に示すLED発光装置42の黒色樹脂52bを削除した場合の構造を示す断面図である。なお図1図10に示す第1実施形態のLED発光装置40と同じ要素には、同じ番号を付し重複する説明は省略する。また図11および図12において端子導板11および端子導板13と接続導板12とは図示していない。
【0069】
(第2実施形態の構成説明)
第2実施形態におけるLED発光装置42は、第1実施形態におけるLED発光装置40と比べ反射壁50の構造が異なる。すなわち図11に示す様に、第2実施形態におけるLED発光装置42は、白色樹脂51wと白色樹脂51wの内部に設けられた黒色樹脂52bとからなる反射壁50fを備えている点で、第1実施形態におけるLED発光装置40とは異なっている。
【0070】
図11を用いてLED発光装置42の構造を説明する。図11においてLED発光装置42の反射壁50fはシリコーン樹脂に酸化チタンを反射性フィラーとして含有させた白色樹脂51wの内部に、グラファイトの粉末をバインダーで固め、光吸収体として形成した黒色樹脂52bを収納し、両者を一体的に成形したものである。両者を一体的に成形する方法はインサートモールド法として一般的に知られた手法なので説明は省略する。また、第2実施形態におけるLED発光装置42の他の構造は第1実施形態におけるLED発光装置40と同様なので同じ要素には、同じ番号を付し重複する説明は省略する。
【0071】
なお、実施例では白色樹脂51wとしてシリコーン樹脂に反射性のフィラーとして酸化チタンを加えたものを用いたが、他にエポキシ樹脂、アクリル樹脂等のコーティング材にアルミナ、窒化ホウ素等の粒子を混入しても良い。また黒色樹脂52bとして実施例の様にグラファイト以外にも黒色顔料で塗装した金属や高分子材を用いてもほぼ同等の効果を生む。
【0072】
(第2実施形態の動作説明)
図11を用いてLED発光装置42の発光の動作を説明する。図11はLED発光装置42の構造と動作を説明する断面図であり、実線で示す青色光Br1〜青色光Br2および点線+実線示す黄色光Yr1〜黄色光Yr2は、LED発光装置42における光線の動態を模擬的に表している。
【0073】
図11において、図示していない端子導板11と接続導板12と端子導板13とを通じてLED発光装置42に通電するとLED発光装置42は発光動作を開始する。図11に示す様に、LED20bから側方に発光した青色光Br2およびこの青色光Br2が蛍光体層30の蛍光粒子を励起し発生した黄色光Yr2が反射壁50fに当たると、反射壁50fの表面には反射率の高い白色樹脂51wが形成されているので、青色光Br2および黄色光Yr2は共にLED20b側に反射される。
【0074】
一方LED20aから発光される青色光Br1やこの青色光Br1に励起された黄色光Yr1の様に、反射壁50fの白色樹脂51wによって完全に反射されずに反射壁50fの内部に至る光も存在する。反射壁50fは白色樹脂51wの内部に黒色樹脂52bを形成してあるので、50fの内部に向かう光は、黒色樹脂52bに入射しグラファイトで形成された光吸収能率の高い黒色樹脂52bの内部に吸収される。
【0075】
(第2実施形態の効果説明)
図11および図12を用いてLED発光装置42の効果を説明する。図11に示す様に、LED20aによる青色光Br1や黄色光Yr1の様に白色樹脂51w表面で反射せず内部に至った光は、黒色樹脂52bで吸収されLED20aの領域には至らないのでLED20bの青色光Br2や黄色光Yr2とは干渉しない。従って色ムラや輝度ムラを発生しない。
【0076】
さらに図12を用いて詳述する。図12図11に示すLED発光装置42の反射壁50fから黒色樹脂52bを削除し白色樹脂51wのみで反射壁50を構成した場合の、青色光Br1や黄色光Yr3の光線の動態を示したものである。図12に示す様にLED20aからの青色光Br1は白色樹脂51w表面で反射されるが、白色樹脂51w表面で反射せず内部に至った青色光Br1の一部は、隣接するLED20bの領域の蛍光粒子を再励起して黄色光Yr3を発生し、隣接するLED20bからの青色光Brと混色し光路長の違いによって明度や色度や輝度においてムラのある白色光Wmを生じる。
【0077】
さらに、図12に示す様に、LED20aから水平方向かう一部の青色光Brpや黄色光Yrpは白色樹脂51wを貫通し、隣接するLED20bに入射しLED20bで吸収され、LED20bの内部損失を増加し、LED20bの発光特性に影響を生じる。以上述べた様に、LED発光装置42の反射壁50fにおける黒色樹脂52bによって、色ムラや輝度ムラを防ぐばかりでなく、各LEDの発光特性への影響が減少する。
【0078】
LED発光装置42の構造を示す上面図および製造工程を示す工程図は、図1図10に示す第1実施形態のLED発光装置40と同様なので重複する説明は省略する。
[第3実施形態]
図13図18を用いて第3実施形態におけるLED発光装置43の構成を説明する。図13は本発明の第3実施形態におけるLED発光装置43の構造を示す断面図であり、図14は、図13のE−E断面図である。また図15および図16は動作および効果を説明する断面図および平面図であり、図17および図18は製造工程を説明する断面図である。なお図1図10に示す第1実施形態のLED発光装置40および、図11及び図12に示す第2実施形態のLED発光装置42と同じ要素には同じ番号を付し、重複する説明は省略する。なお図13および図14図18において端子導板11および端子導板13と接続導板12とは図示していない。
【0079】
(第3実施形態の構成説明)
第3実施形態におけるLED発光装置43の構造と、第1実施形態におけるLED発光装置40の構造で異なる点は、第1実施形態においては、蛍光体層30は反射壁50および各LEDを封止する透光性樹脂の中に含有されているが、第3実施形態においては、蛍光体層30は各LEDの表面に付設して、言い換えると各LEDを被覆する蛍光体層30sとして形成されていることである。
【0080】
図13および図14に示す様に、各LEDの表面には、より詳細には各LEDの上面および側面には蛍光体層30sが付設して形成されている。各LEDの表面に付設して形成されている蛍光体層30sは、透明エポキシ樹脂にYAG蛍光粒子を含有させ、加熱して各LEDの表面を被覆する様に付設し形成したものである。
【0081】
また基板10および各LEDおよび反射壁50は蛍光体を含まない透光性のある充填樹脂60で封止されている。実施例では充填樹脂60はシリコーン樹脂を用いた。その他の構造と要素については第1実施形態のLED発光装置40または第2実施形態のLED発光装置42と同じなので重複する説明は省略する。
【0082】
(第3実施形態の動作説明)
図15および図16を用いてLED発光装置43の動作を説明する。図15は、図13および図14に示すLED発光装置43の動作を説明する断面図であり、実線で示す青色光Brおよび点線+実線で示す黄色光Yrは、LED発光装置43における光線の動態を模擬的に表した物である。図16はLED発光装置43に通電し発光させた場合の図15の発光面S側を見た平面図である。
【0083】
図15に示す様にLED発光装置43に通電し発光させると、各LEDから出射した青色光Brは全て各LED表面に付設して形成されている蛍光体層30sを通過し、一部の青色光Brはそのまま蛍光体層30sの透明樹脂部を通過し、一部の青色光Brは蛍光体層30sに含まれるYAG蛍光体粒子を励起し黄色光Yrとなり、これらの青色光Brと黄色光Yrとが混色し白色光Wとなって発光面Sから発光する。
【0084】
すなわち第1実施形態におけるLED発光装置40の場合では各LEDから発光した青色光Brは各LEDから周囲に出射したのち、周囲の蛍光粒子層を励起し黄色光Yrとなって外部に向かうが、第3実施形態におけるLED発光装置43においては、各LEDから出射した全ての青色光Brは発光直後に各LEDの表面に付設して形成された蛍光体層30sを通過するので青色光Brの散逸がなく、かつ蛍光体層30sに含まれるYAG蛍光体粒子は各LEDの表面を覆うだけの最小限の量で良い。
【0085】
図16は、図15に示すLED発光装置43の各LEDに通電し発光させた場合の発光面S側を見た平面図であり、図16において斜線模様を施した均一部Atは白色光Wが均一な範囲を示している。図16に係わる他の動作の説明は第1実施形態におけるLED発光装置40と同じなので重複する説明は省略する。
【0086】
(第3実施形態の効果説明)
図15を用いて第3実施形態におけるLED発光装置43の効果を説明する。図15に示す様に各LEDからの発光は無駄なく蛍光体層30sを通るので散逸される光が減少し発光装置としての効率が向上する。また蛍光体層30sに含まれるYAG蛍光体粒子は各LEDの表面を覆うだけの最小限の量で良いため経済効果が上がる。図16に係わる他の効果の説明は第1実施形態におけるLED発光装置40と同じなので重複する説明は省略する。
【0087】
(第3実施形態の製造方法の説明)
【0088】
図17図18を用いてLED発光装置43の製造工程を説明する。図17はLED発光装置43の前工程を説明する断面図であり、図18はLED発光装置43の後工程を説明する断面図である。
【0089】
まず図17(a)〜図17(c)を用いて各LED20を10aに実装し、各LEDに蛍光体層30sを形成する前工程を説明する。
【0090】
図17(a)に示す様に、集合基板10bに複数のLEDをフリップチップ実装する。この工程は第1実施形態と同様なので重複する説明は省略する。
【0091】
図17(b)に示す様に、実装済回路基板15に、各LEDの上面と側面以外の部分を覆うマスキングシート80を貼付し、図示していないが加熱キュア等の処理で固着する。
なおマスキングシート80としては、紙やビニールの基材上にゴム系やアクリル系の粘着材を塗布したものを採用できる。
【0092】
図17(c)に示す様に、マスキングシート80を貼付した実装済回路基板15を上下反転し、蛍光体液35を満たしたディッピングトレイ82中に浸す。蛍光体液35は、透明エポキシ樹脂にYAG蛍光粒子を含有させ、加熱して流動性を高めた液である。
【0093】
次に図18(d)〜図18(f)を用いてLED発光装置43を組み立てる後工程を説明する。図18(d)に示す様に、実装済回路基板15をディッピングトレイ82から取りだし、図示していないが加熱キュア等で硬化し、蛍光体層30sを固着し形成する。
【0094】
図18(e)に示す様に、マスキングシート80を剥離法で機械的に除去し、蛍光体層付回路基板15zが完成する。
【0095】
図18(f)に示す様に、蛍光体層付回路基板15zに2個の反射壁50を配設する。
この工程および以後の工程は第1実施形態におけるLED発光装置40の製造工程と同じなので重複する説明は省略する。
【0096】
以上の製造工程により第3実施形態におけるLED発光装置43が完成する。
【0097】
LED発光装置43の構造を示す上面図およびその他の説明は、図1図10に示す第1実施形態のLED発光装置40と同様なので重複する説明は省略する。
【0098】
[第4実施形態]
次に図19および図20を用いて、本発明の第4実施形態におけるLED発光装置44の構成を説明する。図19は本発明の第4実施形態におけるLED発光装置44の構造と動作を説明する断面図であり、図20は蛍光体層30を充填する前の図19の発光面S側を見た平面図である。
【0099】
(第4実施形態の構成説明)
第4実施形態におけるLED発光装置44の特徴は反射壁50の形状にある。すなわち第3実施形態におけるLED発光装置43の反射壁50の断面が、LED発光装置40の垂直方向の断面において矩形であるのに対し、第4実施形態における反射壁50aは同断面において、三角形状を形成することである。
【0100】
図19に示す様に、反射壁50aの断面は三角形状を形成している。図20に示す様に反射壁50aは、各LEDを三角形状の反射壁によって、升目状に囲う様に形成されている。LED発光装置44のその他の構造は第3実施形態におけるLED発光装置43と同様なので重複する説明は省略する。なお図19において端子導板11および端子導板13と接続導板12とは図示していない。
【0101】
(第4実施形態の動作の説明)
図19を用いて第4実施形態におけるLED発光装置44の動作を説明する。図19に実線で示す青色光Br3〜青色光Br4および、点線+実線示す黄色光Yr3〜黄色光Yr4は、LED発光装置44における光線の動態を模擬的に表した物である。
【0102】
図19に示す様に、LED20aからの青色光Br3および蛍光体層30sからの黄色光Yr3の様に、横やや上方に向かう光は反射壁50aの斜めの壁に当たって発光面S方向に向かう。さらにLED20bからほぼ水平方向に向かう青色光Br4および黄色光Yr4についても、反射壁50aの壁が三角形状に形成されているので、同様に発光面S方向に向かう。
【0103】
すなわちLED20a〜LED20cが発光する横やや上方ないし水平方向に向かう殆どの光は三角形状に形成された斜めの壁に当たり反射して発光面S方向に向かう。すなわち各LEDのそれぞれの領域からの光が隣接するLEDの領域に再入射する確率は、三角形状の壁によって減少する。LED発光装置44のその他の動作は第3実施形態におけるLED発光装置43と同様なので重複する説明は省略する。
【0104】
(第4実施形態の効果の説明)
図19を用いて第4実施形態におけるLED発光装置44の効果を説明する。図19の各LEDから発光する青色光Br4および黄色光Yr4の様に各LEDから殆ど水平に出射する光であっても、反射壁50aの三角形状に形成された斜めの壁に当たって発光面S方向に向かので、各LEDからの発光の散逸が少なく、発光装置としての効率が向上する。LED発光装置44のその他の効果は第3実施形態におけるLED発光装置43と同様なので重複する説明は省略する。
【0105】
[第5実施形態]
次に図21を用いて、本発明の第5実施形態におけるLED発光装置45の構成を説明する。図21は本発明の第5実施形態におけるLED発光装置45の構造と動作を説明する断面図である。
【0106】
(第5実施形態の構成説明)
第5実施形態におけるLED発光装置45は、第4実施形態におけるLED発光装置44と比べ反射壁50の構造が異なる。すなわち第4実施形態におけるLED発光装置44の反射壁50aはシリコーン樹脂に酸化チタンを反射性フィラーとして含有させたものであるが、第5実施形態におけるLED発光装置45の反射壁50cは、図21に示す様に白色樹脂51wcと黒色樹脂52bcとから形成される。
【0107】
白色樹脂51wcと黒色樹脂52bcの材料や両者の一体成形法は、第2実施形態におけるLED発光装置42の反射壁50fと同様なので重複する説明は省略する。またLED発光装置45の構造を示す上面図およびその他の説明は、図13および図14図20に示す第3実施形態のLED発光装置43および第4実施形態のLED発光装置44と同様なので重複する説明は省略する。
【0108】
(第5実施形態の動作説明)
図21を用いてLED発光装置45の動作を説明する。図21において、実線で示す青色光Br1〜青色光Br2および点線+実線で示す黄色光Yr1〜黄色光Yr2は、LED発光装置45における光線の動態を模擬的に表している。図21において、LED20aから側方に向かう青色光Br1や黄色光Yr1の光の一部は、白色樹脂51w表面で反射せず内部に至り黒色樹脂52bcに入射する。黒色樹脂52bcはグラファイトで形成され光の吸収能率が高いので反射壁50bcの内部に至った光は黒色樹脂52bcで吸収される。
【0109】
(第5実施形態の効果説明)
図21を用いてLED発光装置45の効果を説明する。図21に示す様にLED20bから側方に向かう青色光Br2や黄色光Yr2は、まず第1に白色樹脂51wcの傾斜が付いた表面で上方に反射する。またLED20aから水平方向に発光した一部の青色光Br1や黄色光Yr1は、黒色樹脂52bcで吸収され、隣接するLED20bの青色光Br2や黄色光Yr2とは干渉しないので色ムラや輝度ムラを発生しない。LED発光装置45のその他の効果は第4実施形態におけるLED発光装置44と同様なので重複する説明は省略する。
【0110】
[第6、7実施形態]
次に図22および図23を用いて、本発明の第6実施形態におけるLED発光装置41および、第7実施形態におけるLED発光装置41Aの構成を説明する。図22は、本発明の第6実施形態におけるLED発光装置41の発光面S側の構造を示す断面図であり、図23は第7実施形態におけるLED発光装置41Aの発光面S側の構造を示す断面図である。
【0111】
(第6、7実施形態の構成および動作の説明)
図22および図23に示す様に、第6実施形態におけるLED発光装置41および第7実施形態におけるLED発光装置41Aは、第1実施形態におけるLED発光装置40と比べLEDの配列が異なる。すなわち図2に示すLED発光装置40ではLEDを3個並べたものを2列並べ、3個×2列で計6個のLEDを備えていたが、図22に示す様に、第6実施形態におけるLED発光装置41のLEDは3個並べたものを1列のみでLED発光装置41を構成している。また、図23に示す様に、第7実施形態におけるLED発光装置41Aは、2個LEDを並べたもの3個で構成している。
【0112】
すなわち第6実施形態におけるLED発光装置41は線状の範囲を照明する用途向けの実施例であり、第7実施形態におけるLED発光装置41Aは、面状の範囲を高輝度で照明する実施例である。
【0113】
第6実施形態におけるLED発光装置41および第7実施形態におけるLED発光装置41Aの動作については、第1実施形態におけるLED発光装置40と同様なので重複する説明は省略する。
【0114】
(第6、7実施形態の効果の説明)
図22に示す様に、第6実施形態におけるLED発光装置41は、各々のLED20間相互の光の干渉を防ぎ、輝度および明度ムラを防ぐと共にLED発光装置41全体を小型に線状に構成することが可能となる。
【0115】
また、図23に示す様に、第7実施形態におけるLED発光装置41Aは、2個のLEDを並べてフリップチップ実装し、2個のLEDを囲む反射壁50dを設け、2個のLEDと2個のLEDを囲む反射壁50dの周囲とを、蛍光体層30で封止したものである。
【0116】
第7実施形態におけるLED発光装置41Aにおいては、並べられたLEDの間で光の干渉は生じるが、反射壁50dによって2個のLEDと隣接する2個のLEDとの光の干渉を防ぐことが可能であるばかりでなく、LEDを2個並べたことによって発光強度を高めることが可能となり、本発明の一実施形態である。
【0117】
以上述べた様に本発明のLED発光装置によれば、複数のLEDを用いた発光装置において、光源を構成する複数のLED間の光の再入射を抑制し、発光面における各ポイントの照度を均一にすると共に、色ムラおよび輝度ムラを防ぎ演色性を向上したLED発光装置を提供することが可能となる。
【0118】
なお以上の説明において、LEDの実装としてベアチップを基板上にフェースダウンで搭載し基板との電極を半田ボールあるいは共晶ボールで結合するフリップチップ方式を選択した例を用いたが、特にこの方式以外にも、例えばワイヤ−ボンディング方式あるいはSMT(Surface Mount Technology)方式等を用いても実現可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0119】
10 基板
10b 集合基板
11、13 端子導板
12 接続導板
15 実装済回路基板
15z 蛍光体層付回路基板
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f LED
21 半田ボール
22 スルーホール
30、30s 蛍光体層
30h 蛍光体層上面
35 蛍光体液
40、41、41A、42、43、44、45 LED発光装置
40b 集合LED発光装置
50、50a、50c、50f、50d 反射壁
50h 反射壁上面
50m 開口部
51w、51wc 白色樹脂
52 光吸収部材
52b、52bc 黒色樹脂
55 反射層
60 充填樹脂
61 透光性樹脂
61s 透明樹脂板
61d 拡散性樹脂板
62 蛍光樹脂
70 ディップ槽
80 マスキングシート
82 ディッピングトレイ
100 半導体発光装置
200、400 発光装置
211青色LED
212緑色LED
214黄色蛍光体
215赤色蛍光体
221青黄発光部
222赤緑発光部
200a、200b、200c、200d 接続電極
300a、300b、300c、300d 放熱用電極
400a、400b、400c、400d ビア
Hs LED素子の高さ
Hr 反射壁の高さ
Hj 蛍光樹脂の高さ
S 発光面
W 白色光
Br、Br1、Br2、Br3、Br4、Brp 青色光
At 均一部
Aat 白色が強い範囲
Amt 不均一部
Yr、Yr1、Yr2、Yr3、Yr4、Yrp 黄色光
R 接着剤
D ディスペンサ
R 接着剤
L 切断面
P P極端子
N N極端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25