【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は
引戸(以下に述べる本発明の実施形態において参照符号Bで示す)の戸枠における上縁戸枠(A)もしくは下縁戸枠に取り付けられ、閉扉若しくは開扉されて閉扉側若しくは開扉側の側縁戸枠に近づいた引戸(B)に係合して捕捉する始端位置(
図1)と、捕捉した引戸と共に動いて当該引戸を閉扉若しくは開扉の最終位置にする終端位置(
図2)と、の間で引戸と共に移動可能な引戸捕捉装置(12)と、
該引戸が該始端位置にある該引戸捕捉装置によって捕捉されたときに、該引戸捕捉装置を該終端位置に動かし、当該引戸を該最終位置にする駆動装置(同実施形態における引っ張りコイルバネ14)と、
を有する引戸開閉補助装置(10)であって、
該引戸捕捉装置(12)が、
該引戸に取り付けられている被捕捉部材(ピン18)を受け入れて捕捉するための捕捉部材(フック20)であって、該被捕捉部材を受け入れる受入位置(
図3〜
図5)と、受け入れた該被捕捉部材を当該引戸捕捉装置から離脱しないように係合して捕捉する捕捉位置(
図6〜
図9)との間で変位可能とされた捕捉部材(20)と、
該捕捉部材と係合して該捕捉部材を該捕捉位置に固定する固定位置(
図6〜
図8)と、該捕捉部材が該受入位置となるのを許容する固定解除位置(
図9〜
図11)との間で変位可能な固定部材(24)とを有し、
該引戸捕捉装置が該始端位置(
図1)にあるときに、該捕捉部材(20)が該側縁戸枠に近づいてきた引戸の該被捕捉部材(18)を受け入れて該捕捉位置となるとともに該固定部材(24)が該捕捉部材を該捕捉位置に固定する該固定位置(
図6〜
図8)となり、この状態で当該引戸捕捉装置が該駆動装置(14)により該始端位置(
図1)から該終端位置(
図2)まで動かされるようにされており、
当該引戸開閉補助装置が、更に、
該引戸が該最終位置まで移動して該最終位置から戻る方向で動くときに該固定部材(24)を該固定解除位置(
図9〜
図11)に戻す固定解除装置(26)を備える、
引戸開閉補助装置を提供する。
【0007】
この引戸開閉補助装置においては、捕捉部材を捕捉位置に固定する固定位置にある固定部材を該固定解除位置にする固定解除装置は、引戸が閉扉又は開扉の最終位置まで移動して当該引戸が該最終位置から戻る方向で動くときに作用するものであり、引戸が最終位置になるまでは、捕捉部材による引戸の被捕捉部材の捕捉は解除されず、従って、引戸が前述したようにダンパーによって最終位置に至る前に戻される方向に動いても、従来の引戸開閉補助装置のように引戸が当該引戸捕捉装置から外れてしまうことがなく、このため、そのような途中での戻りの動きがあったとしても最終的には引戸は側縁戸枠まで確実に動かされることになる。
【0008】
具体的には、
該引戸捕捉装置(12)が該始端位置と終端位置との間で動くときに該引戸の開閉方向で並進可能な捕捉装置フレーム(17)を有し、該捕捉部材(20)は該捕捉装置フレームに枢着されて該受入位置と該捕捉位置との間で枢動可能とされ、該捕捉位置から該受入位置に向けて付勢されており、受け入れる該被捕捉部材によって該捕捉位置となるようにされており、該固定部材(24)が該捕捉装置フレームに枢着されて該固定位置と該固定解除位置との間で枢動可能とされ、該固定解除位置から該固定位置に向けて付勢されており、該捕捉部材(20)が該被捕捉部材を受け入れて捕捉位置となることに応じて該固定位置とされるようにすることができる。
【0009】
該固定解除装置(26)は、
該捕捉装置フレーム(17)に枢着されて、カム従動子(26A)を有する固定解除部材(26B)と、
該捕捉装置フレームに設けられ、該カム従動子と摺動係合し該カム従動子を介して該固定解除部材(26B)を枢動させるカム輪郭部(26C)であって、該引戸捕捉装置が終端位置に近づいた位置から該終端位置まで動くときは該固定解除部材(26B)を該固定位置にある該固定部材(24)と連結させる固定解除準備位置(
図8)とし、該引戸捕捉装置が該終端位置から始端位置に向かって動くときには該固定解除部材を該固定解除準備位置(
図8)から固定解除完了位置(
図9)まで枢動させて、該固定解除部材に連結した該固定部材を該固定解除位置(
図9〜
図11)に変位させるカム輪郭部(26C)とを有するようにすることができる。
【0010】
この場合、該引戸捕捉装置は、
該引戸が該最終位置から戻る方向へ動かされることにより該引戸捕捉装置が該終端位置から該始端位置まで動かされ、該引戸に取り付けられている該被捕捉部材が該捕捉部材から離れることにより該捕捉部材が該受入位置とされた状態において、該固定部材(24)を該固定解除位置(
図9〜
図11)に変位させた該固定解除部材(26B)の該固定部材(24)との連結を解除する連結解除部材(30)を有するようにすることができる。
【0011】
この場合、該捕捉部材が該被捕捉部材を受け入れて該受入位置から該捕捉位置とされた状態において、該連結を解除された該固定部材が該捕捉部材の外表面に形成された段面(20B)に係合して、該捕捉部材が受入位置に戻るのを阻止するようにすることができる。
【0012】
更にこの場合、該連結を解除された固定部材(24)は、該受入位置とされている該捕捉部材の外表面に向けて付勢され該外表面に係合し、該捕捉部材(20)が該被捕捉部材を受け入れて該捕捉位置になることに伴い、該外表面上を摺動して該段面(20B)と係合するようにすることができる。
【0013】
上記の場合において、該固定解除部材(26B)は、該固定解除部材に変位可能に取り付けられ、該固定解除部材と共に枢動可能とされている連結部材(26D)を備え、該連結部材は、該固定解除部材が該固定解除準備位置(
図8)に向けて変位するときには該固定位置にある固定部材(24)と摺動し、該固定解除部材(26B)が該固定解除準備位置(
図8)になったときに当該固定解除部材(26B)を該固定部材(24)に連結する位置に変位するように付勢されており、該固定解除部材が該固定解除準備位置から該固定解除完了位置(
図9)に枢動するときに、該固定部材を該固定解除部材に連結した状態で該固定解除位置(
図9)まで動かすようになっており、
該連結解除部材(30)は、該連結部材(26D)を付勢する力に抗して該連結部材を変位することにより該固定解除部材の該固定部材(24)との連結を解除するようにすることができる。
【0014】
この場合、該連結解除部材(30)が、該捕捉装置フレームに枢着されており、該捕捉部材が該受入位置にあるときに該連結部材(26D)を付勢する力に抗して該連結部材(26D)を変位することにより該固定解除部材(26B)の該固定部材(24)との連結を解除するようにされ、該捕捉部材が該受入位置から該捕捉位置に動くのに伴い枢動して、該連結部材(26D)が該固定部材(24)と摺動係合する位置となるのを許容するようにすることができる。
【0015】
この場合、該連結解除部材(30)が、該捕捉部材と同じ枢軸(17A)の周りで枢動可能に該捕捉装置フレームに取り付けられ、該捕捉部材が該受入位置において該被捕捉部材を受け入れて捕捉位置となるときに、該被捕捉部材によって係合されて該連結部材(26D)から離れて該連結部材(26D)が該固定部材(24)と摺動係合する位置となるのを許容するようにすることができる。
【0016】
以上の場合において、該駆動装置(14)は、一端が該引戸捕捉装置よりも該側縁戸枠側において該上縁戸枠に固定され、他端が該捕捉部材に取り付けられたバネ部材とされ、
該バネ部材は、該捕捉部材(20)を介して該引戸捕捉装置(12)を該側縁戸枠に向けて付勢するとともに、該捕捉部材(20)を該捕捉位置から該受入位置にむけて付勢するようにすることができる。
【0017】
該引戸捕捉装置は、該始端位置から該終端位置に向かうときに該引戸捕捉装置の動きに対して制動力をかけるダンパー(32)に接続することができる。
【0018】
以下、本発明に係る実施形態につき添付図面に基づき説明する。