特許第6276711号(P6276711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6276711エレベータの専用運転装置及び予約システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276711
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】エレベータの専用運転装置及び予約システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20180129BHJP
【FI】
   B66B1/14 F
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-272(P2015-272)
(22)【出願日】2015年1月5日
(65)【公開番号】特開2016-124676(P2016-124676A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西迫 竜一
(72)【発明者】
【氏名】金 政和
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−091097(JP,A)
【文献】 特開平04−358673(JP,A)
【文献】 特開2005−170541(JP,A)
【文献】 特開2007−031051(JP,A)
【文献】 特開2006−056677(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/024223(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00─ 1/52
B66B 3/00─ 3/02
B66B 5/00─ 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
群管理された複数台のエレベータに対して専用運転を実施するためのエレベータの専用運転装置であって、
前記専用運転の実施時刻、及び当該専用運転を実施する際に前記エレベータの乗りかごを呼ぶ設定階を含む利用設定情報を受信する受信制御部と、
専用運転を実行させるための暗号操作を検出し、その検出された暗号操作が行われた時刻が前記利用設定情報に含まれる実施時刻と一致し、かつ前記暗号操作が行われた階床が前記設定階に一致する場合に、前記専用運転を開始する指令を出力する専用運転管理部と、
を備えたことを特徴とするエレベータの専用運転装置。
【請求項2】
群管理された複数台のエレベータに対して専用運転を実施するためのエレベータの専用運転装置と、利用者端末装置と、前記エレベータの稼働状況を遠隔監視する遠隔監視サーバと、をネットワークを介して接続したエレベータの予約システムであって、
前記利用者端末装置は、前記エレベータに対する専用運転の実施時刻、及び当該専用運転を実施する際に前記エレベータの乗りかごを呼ぶ設定階を含む利用設定情報の入力を受け付けると、前記利用設定情報を前記遠隔監視サーバに送信する利用設定情報送信部を備え、
前記遠隔監視サーバは、前記利用設定情報を受信すると前記専用運転装置に対して前記利用設定情報を転送するサーバ通信制御部を備え、
前記専用運転装置は、前記利用設定情報を受信する受信制御部と、
専用運転を実行させるための暗号操作を検出し、その検出された暗号操作が行われた時刻が前記利用設定情報に含まれる実施時刻と一致し、かつ前記暗号操作が行われた階床が前記設定階に一致する場合に、前記専用運転を開始する指令を出力する専用運転管理部と、
を備えることを特徴とするエレベータの予約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの専用運転装置及び予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一の建物において複数台のエレベータが稼働する際に、これらのエレベータ群を一つのグループとみて昇降制御を行う群管理装置がある。この群管理装置による運転モードとして、通常運転及び専用運転がある。通常運転では、各エレベータは群管理装置の昇降制御に従って昇降する。一方、専用運転をするエレベータは、群管理装置の昇降制御ではなく、特定の乗り場呼びに従って昇降する。
【0003】
この専用運転に関する技術として、例えば特許文献1には、専用運転を利用する特定の利用者が、ネットワークに接続された端末を操作することによりかごを呼び寄せ、携帯電話からの指令または乗り場ボタンの操作により制御指令を行うことで、そのエレベータを特定の利用者の目的に沿うように専有する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、エレベータの希望利用時刻を利用者又は管理人が入力し、予約することで、指定時刻にかごを呼び寄せ、利用者がエレベータを専有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−56677号公報
【特許文献2】特開2004−43100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1及び特許文献2によれば、特定の利用者はあらかじめ希望したタイミングでエレベータのかごを呼び寄せて待機させることにより、特定の利用者の待ち時間を短縮して専用運転によりエレベータを稼働させることが出来る。しかし、特定の利用者がエレベータを専用運転により使用している間は、他の利用者はそのエレベータを利用することが出来ない。そのため、特定の利用者が予約した時刻にエレベータを利用しない場合やかごへの搭乗が遅れる場合に、他の利用者がエレベータを利用することが出来ない時間が長くなる事態が発生し、利便性が低下するという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、他の利用者の利便性の低下を軽減しつつ、エレベータの専用運転が行えるエレベータの専用運転装置及びエレベータの予約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、群管理された複数台のエレベータに対して専用運転を実施するためのエレベータの専用運転装置であって、前記専用運転の実施時刻、及び当該専用運転を実施する際に前記エレベータの乗りかごを呼ぶ設定階を含む利用設定情報を受信する受信制御部と、専用運転を実行させるための暗号操作を検出し、その検出された暗号操作が行われた時刻が前記利用設定情報に含まれる実施時刻と一致し、かつ前記暗号操作が行われた階床が前記設定階に一致する場合に、前記専用運転を開始する指令を出力する専用運転管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、群管理された複数台のエレベータに対して専用運転を実施するためのエレベータの専用運転装置と、利用者端末装置と、前記エレベータの稼働状況を遠隔監視する遠隔監視サーバと、をネットワークを介して接続したエレベータの予約システムであって、前記利用者端末装置は、前記エレベータに対する専用運転の実施時刻、及び当該専用運転を実施する際に前記エレベータの乗りかごを呼ぶ設定階を含む利用設定情報の入力を受け付けると、前記利用設定情報を前記遠隔監視サーバに送信する利用設定情報送信部を備え、前記遠隔監視サーバは、前記利用設定情報を受信すると前記専用運転装置に対して前記利用設定情報を転送するサーバ通信制御部を備え、前記専用運転装置は、前記利用設定情報を受信する受信制御部と、専用運転を実行させるための暗号操作を検出し、その検出された暗号操作が行われた時刻が前記利用設定情報に含まれる実施時刻と一致し、かつ前記暗号操作が行われた階床が前記設定階に一致する場合に、前記専用運転を開始する指令を出力する専用運転管理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特定の利用者がエレベータを専用運転で使用したい場合に、事前に専用運転を行う時間帯を設定し、乗り場での暗号操作により専用運転の実施を制御することで、特定の利用者の乗り場でのかご待ち時間を最小限にすることができる。また、利用者が設定階で暗号操作したことを検出してから専用運転が開始するので、利用者が設定階にいないにも関らず専用運転のために他の利用者がエレベータに搭乗できなくなるといった不具合が発生することがない。そのため、専用運転実施時における他の利用者に対する利便性の低下も必要最小限に抑えることができ、エレベータの利用者全体へのサービス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るエレベータ予約システム全体構成図である。
図2】群管理装置及び管制センタに設置される遠隔監視サーバのハードウェア構成を示すブロック図であって、(a)は群管理装置、(b)は遠隔監視サーバの構成を示す。
図3】利用者端末装置、遠隔監視サーバ、及び群管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
図4】本実施形態に係る専用運転実施時の処理の流れを表すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る専用運転の実施設定の処理の流れを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0013】
まず、図1を参照して、本実施形態に係るエレベータの全体構成を説明する。図1は、本実施形態に係るエレベータ予約システムの全体構造図である。
【0014】
図1に示すエレベータ予約システム1では、建物101に設置された二基のエレベータEV1、EV2を群管理する群管理装置102と、エレベータEV1、EV2の稼働状況を遠隔監視する管制センタ114に設置された遠隔監視サーバ117と、遠隔監視サーバ117に対してエレベータの専用運転の利用設定情報を送信する利用者端末装置115がネットワーク113を介して通信接続される。本実施形態では群管理装置102が専用運転の開始指令を行う。従って、群管理装置102が専用運転装置に相当する。利用者端末装置115はPC、携帯情報端末装置等、その種類は問わない。図1では二基のエレベータを例示したが、エレベータの台数はこれに限らない。エレベータEV1、EV2の其々は同じ構成なので、以下エレベータEV1の構成について説明し、EV2については重複説明を省略する。
【0015】
エレベータEV1は、電動機104と、電動機104を駆動し、群管理装置102に電気的に接続される駆動制御装置103と、かご105と、プーリー106と、かご105とバランスをとる釣り合い錘108と、プーリー106を介してかご105と釣り合い錘108とを連結するロープ107と、を備える。そして、電動機104の回転駆動に従ってプーリー106が従動し、ロープ107を介してかご105が上昇(下降)すると共に釣り合い錘108が下降(上昇)する。
【0016】
駆動制御装置103は秤装置110及び電動機104の其々に接続される。駆動制御装置103は秤装置110の重量検知情報を参照し、かご105内の搭乗者の有無を判定する。また、駆動制御装置103は通常運転時には群管理装置102からの制御信号に従って電動機104の駆動制御を行い、専用運転時には、専用運転の予約内容及び乗り場呼びにしたがって電動機104の駆動制御を行う。
【0017】
かご105の内部には、搭乗者が目的階を入力・登録するためのかご呼び登録装置109が設置され、かご105の下部には、かご105内の積載を検出する秤装置110が取付けられる。更に、建物101の各フロアに設置されたエレベータ乗場には、かご105を呼ぶための乗り場呼び登録装置111と、特定の利用者が持つ鍵によって動作するキースイッチ112と、が備えられる。
【0018】
次に、図2は、群管理装置102及び遠隔監視サーバ117のハードウェア構成を示すブロック図であって、(a)は群管理装置102、(b)は遠隔監視サーバ117の構成を示す。
【0019】
図2の(a)に示すように、群管理装置102は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、HDD(Hard Disk Drive)13、I/F14、及びバス15を含む。そして、CPU10、RAM11、ROM12、HDD13及びI/F14がバス15を介して互いに接続され構成される。
【0020】
群管理装置102は、I/F14を介してそれぞれのエレベータの駆動制御装置103に接続される。また、I/F14を介して外部通信装置16に接続される。
【0021】
遠隔監視サーバ117は、CPU180、RAM181、ROM182、HDD183、I/F184、及びバス185を含む。そして、CPU180、RAM181、ROM182、HDD183、I/F184及びI/O186がバス185を介して互いに接続され構成される。また、遠隔監視サーバ117はI/F184を介して外部通信装置187と接続され、これを介して利用者端末装置115に接続される。
【0022】
利用者端末装置115は遠隔監視サーバ117とデータ通信を行い、エレベータの専用運転を予約するためのエレベータ予約プログラムがインストールされている。
【0023】
図3を参照して、利用者端末装置、遠隔監視サーバ、及び群管理装置の内部構成について説明する。図3は、利用者端末装置、遠隔監視サーバ、及び群管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0024】
利用者端末装置115は、専用運転の利用設定情報の入力を受けつける利用設定入力部561と、専用運転の利用設定情報をネットワーク113を介して遠隔監視サーバ117に送信する利用設定情報送信部562とを含む。利用設定情報には、専用運転の予約情報、及び予約情報のキャンセル情報の双方を含む。
【0025】
利用設定入力部561及び利用設定情報送信部562とはこれらの機能を実現するソフトウェアを、利用者端末装置115を構成するハードウェアが実行することで構成される。
【0026】
利用設定入力部561は、特定の利用者が利用者端末装置115を操作して専用運転の利用希望日時及び利用設定階の入力及び設定を行う。利用設定入力部561は入力に基づき利用設定情報を生成し、利用設定情報送信部562に対して出力する。
【0027】
利用設定情報送信部562は、利用設定情報を遠隔監視サーバ117に対して送信する。
【0028】
遠隔監視サーバ117は、外部通信装置187を介してデータの送受信を行うサーバ通信制御部801と、遠隔監視対象となるエレベータの管理情報、例えば群管理装置102の通信アドレス(IPアドレス)や設置場所等を記憶するエレベータ管理情報記憶部802とを備える。
【0029】
サーバ通信制御部801はこの機能を実現するソフトウェアを遠隔監視サーバ117を構成するハードウェアが実行することで構成される。
【0030】
サーバ通信制御部801は、利用設定情報を受信すると、エレベータ管理情報を参照して対象となる群管理装置102の通信アドレスを抽出し、その通信アドレス先に利用設定情報を転送する。
【0031】
群管理装置102は、遠隔監視サーバ117から利用設定情報を受信する受信制御部200と、専用運転開始指令を出力する専用運転管理部210と、利用設定情報記憶する利用設定情報記憶部220と、利用設定情報の書込み処理を実行する利用設定情報編集部221と、専用運転をさせるエレベータの駆動制御装置103に対して専用運転開始指令を送信する送信制御部230と、計時部240(例えばReal Time Clock)とを含む。
【0032】
受信制御部200、専用運転管理部210、利用設定情報記憶部220、利用設定情報編集部221、送信制御部230はこれらの機能を実現するソフトウェアを、群管理装置102を構成するハードウェアが実行することで構成される。
【0033】
受信制御部200は、サーバ通信制御部801から受信した専用運転の利用設定情報を利用設定情報編集部221へ出力し、利用設定情報編集部221が利用設定情報記憶部220への書き込み動作を実行する。利用設定情報が専用運転の予約キャンセル情報である場合には、利用設定情報編集部221は利用設定情報記憶部220からの削除動作を実行する。
【0034】
専用運転管理部210は、計時部240から現在時刻情報を取得し、乗り場呼び登録装置111及びキースイッチ112からの暗号操作が実行された時刻(現在時刻)及び利用設定情報記憶部220に記憶された利用設定情報の時刻が一致するかを判定する時刻判定部211と、乗り場呼び登録装置111及びキースイッチ112において暗号操作が行われたことを検出する暗号操作検出部212と、暗号操作を検出した階床と利用設定情報に規定された階床との一致を判定する許可階判定部213と、エレベータのかご呼びを登録するかご呼び登録部214と、群管理された複数のエレベータの内、どのエレベータを専用運転させるかを選定するエレベータかご選定部215と、選定したエレベータかごに対する専用運転開始指令を生成し、送信制御部230に出力する専用運転指令生成部216と、特定の利用者によるエレベータの専用運転の利用が終わると、エレベータを通常の運転モードに復帰させる専用運転解除部217と、を含む。
【0035】
暗号操作検出部212は、利用者が専用運転をさせるための暗号操作を行ったことを検出する。暗号操作の例として、乗り場呼び登録装置111の上方向及び下方向の呼び釦を同時押下することや、乗り場に設けられたキースイッチ112の操作がある。
【0036】
次に図4及び図5を参照して本実施形態に係るエレベータの予約システム1の動作の流れについて説明する。図4は、本実施形態に係る専用運転実施時の処理の流れを表すフローチャートである。図5は、専用運転の利用設定の処理の流れを表すフローチャートである。以下、図4の各ステップ順に沿って説明する。
【0037】
特定の利用者は専用運転の予約を利用者端末装置115から行う(S301)。予約に際しては、特定の利用者は専用運転の実施時刻及び専用運転時に呼ぶ乗り場の階数(設定階数)の入力を行う。また、エレベータの設置場所、例えば建物を入力してもよい。
【0038】
本ステップの処理手順を図5に沿って説明する。即時開始設定で専用運転を利用する場合(S321/Yes)、利用者は利用者端末装置115のアプリケーションにおいて即時開始設定を選択し、専用運転を行う階床を許可階として登録する(S322)。
【0039】
専用運転の予約設定をする場合(S321/No、S323/Yes)、利用者は利用者端末装置115のアプリケーションにおいて、専用運転を実施したい期間の開始日時と終了日時を登録し(S324)、許可階を登録する(S322)。
【0040】
利用者は利用者端末装置115から即時開始設定又は予約設定情報、及び許可階を含む利用設定情報を遠隔監視サーバ117へ送信する。サーバ通信制御部801は、遠隔監視サーバ117から専用運転を行うエレベータの群管理装置102へ利用設定情報を転送する。受信制御部200は利用設定情報を利用設定情報編集部221へ出力し、利用設定情報編集部221が利用設定情報を利用設定情報記憶部220へ書き込む(S325)。
【0041】
専用運転の予約を取り消す場合(S323/No、S326/Yes)、利用者は利用者端末装置115のアプリケーションにおいて予約取消操作を行い、予約取消情報を含む利用設定情報が遠隔監視サーバ117を介して群管理装置102へ送信され、予約の取消処理が実行される(S327)。予約取消操作を行わない場合は(S326/No)、処理を終了する。
【0042】
専用運転の即時開始設定または予約設定が完了すると、図4に戻り、暗号操作検出部212が、乗り場呼び登録装置111及び/又はキースイッチ112において専用運転を開始する暗号操作がされたことを検出すると(S302/Yes)、時刻判定部211は、暗号操作がされた時刻(現在時刻)を取得し、利用設定情報記憶部220に記憶された利用設定情報を照合する(S303)。現在時刻に一致する利用設定情報があれば(S304/Yes)、許可階判定部213がその利用設定情報に含まれる設定階と暗号操作がされた階床とが一致するかを判定する。一致すれば(S305/Yes)、かご呼び登録部214は当該階床に向かうかご呼び登録情報を生成する(S306)。
【0043】
エレベータかご選定部215は、群管理装置102が管理しているエレベータのそれぞれの運行状況に基づいて、専用運転を実施するエレベータの選定を行う(S307)。選定条件として、例えば、かご呼び又はホール呼びがされていないこと、また秤装置110にてかご内積載が無人状態であること(かご105の積載の15%以内を無人状態と判定する)がある。
【0044】
専用運転指令生成部216は、ステップS306で生成されたかご呼びにのみ応じて昇降動させる専用運転開始指令を生成し、送信制御部230に出力する。送信制御部230は、ステップS307で選定されたエレベータの駆動制御装置103に対して専用運転開始指令を出力する(S308)。これにより選定されたエレベータが専用運転を実施し(S309)、利用者が専用運転の終了操作を行うまで(S310/No)、専用運転が継続する。利用者が専用運転の終了操作を行うと(S310/Yes)、専用運転が解除され(S311)、処理を終了する。
【0045】
暗号操作時刻と一致する利用設定情報がない場合(S304/No)、及び専用運転の利用設定により許可された階床以外での暗号操作であった場合(S305/No)、専用運転は実施しない。
【0046】
なお、S301で登録した許可階および設定時刻を満たしていれば、S311にて専用運転を解除した後に、許可階での暗号操作により、再び専用運転を実施する。
【0047】
本実施形態によれば、事前に利用者が利用者端末装置を用いて専用運転の開始階と利用時間帯を登録することができる。そのため、利用者は希望した時刻に設定階において専用運転の暗号操作を行うことで専用運転を実施できるので、かご待ち時間を最小限にすることができる。
【0048】
また、専用運転は、利用者が設定階において暗号操作をしたことを検出してから実施されるので、利用者が設定階にいないにも関らず、かごだけが設定階に到着した結果、他の利用者のエレベータの利用を阻害するという不具合が発生することがない。そのため、専用運転実施時における他の利用者に対する利便性の低下も必要最小限に抑えることができ、エレベータの利用者全体へのサービス性を向上させることができる。
【0049】
また、事前に利用設定情報が登録されていない場合、予め設定した時間外、及び設定階以外での専用運転は実施できないので、専用運転の不正利用を防ぐことができる。これにより、利用者全体の待ち時間に配慮したエレベータの運行制御サービスを提供することができる。
【0050】
上記は本発明の実施形態を例示したにすぎず、本発明を限定する趣旨ではない。本発明の趣旨を逸脱しない様々な変形態様は、本発明に含まれる。例えば、専用運転の設定時に、設定したい時間帯に、群管理装置102の管理を受ける複数台のエレベータのいずれにも対して、既に他の専用運転の登録がなされていた場合は、その旨を利用者端末装置115へ通知してもよい。
【0051】
また、暗号操作は利用者が設定階に着いてから利用者端末装置を用いて遠隔監視サーバ117宛にメールを送信することで行ってもよい。
【符号の説明】
【0052】
101:建物エレベータ建屋、102:群管理装置、103:駆動制御装置、105:かご、111:乗り場呼び登録装置、112:キースイッチ、115:利用者端末装置、117:遠隔監視サーバ
図1
図2
図3
図4
図5