特許第6276952号(P6276952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6276952PSAの上流の改良された温度制御を伴う脱硫段階を含む、変性炭化水素供給原料から高純度の水素を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6276952
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】PSAの上流の改良された温度制御を伴う脱硫段階を含む、変性炭化水素供給原料から高純度の水素を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/36 20060101AFI20180129BHJP
   C01B 3/32 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   C01B3/36
   C01B3/32 A
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-192488(P2013-192488)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-62040(P2014-62040A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2016年9月5日
(31)【優先権主張番号】1202495
(32)【優先日】2012年9月20日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ アンブロシノ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ボワイエ
(72)【発明者】
【氏名】カリーヌ シュルラ
【審査官】 村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−512336(JP,A)
【文献】 特開2003−253270(JP,A)
【文献】 特開2009−173479(JP,A)
【文献】 特開2004−277186(JP,A)
【文献】 特表2010−510159(JP,A)
【文献】 特開2008−115229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00−3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
50ppmの含有率までの硫黄性生成物を含有する、炭化水素またはエタノールの供給原料から高純度水素を製造する方法であって、
155〜180℃の温度で機能する供給原料の脱硫装置と、自己熱型改質反応器(ATR)と、一酸化炭素転化装置(WGS)と、PSA水素精製装置とを含み、PSA精製装置の上流に交換器(1006)があり、該交換器(1006)は、自己熱型改質反応器(ATR)から来る合成ガス中に含まれる水の完全な凝縮を可能にし、前記交換器(1006)は、プレート型交換器であり、2つの部分を有し、この2つの部分は、それぞれ、冷却されるべき合成ガスの流れに対して向流で機能し、
− 第1の部分は、脱硫供給原料を冷液として用いることによって合成ガスを冷却し、
− 第2の部分は、冷却水を用いて、15〜40℃の温度で合成ガス中に含まれる水が完全に凝縮するまで冷却を継続し、該冷却水自体は、冷蔵装置または冷却塔によって冷却され、
5〜35℃の温度および12〜16バールの圧力で利用される、ダクト(110)中の方法の供給原料の一部によって給送される起動バーナ(1017)を用いる、方法。
【請求項2】
供給原料の脱硫装置が機能する温度が155〜170℃である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質装置、好ましくは、自己熱型改質器を用いる改質装置における水素リッチガスの製造に関する。
【0002】
供給原料は、ガソリンからディーゼルまたは液体エタノール(好ましくはバイオマスから製造される)にわたり得る炭化水素供給原料から構成される。エタノールは、食物消費のためにエタノールが用いられることを回避するために、変性される。すなわち、所定量の有機生成物(通常は硫黄性の生成物)(変性剤)がそれに加えられ、それを消費にそぐわないようにされる。
【0003】
この変性剤は国によって異なる;米国では、エタノールは、チオフェンおよびそのアルキル誘導体等の硫黄性化学薬品を含有するガソリンと混合され得る。
【0004】
より一般的には、硫黄性供給原料の自己熱改質を通じて水素を製造するには供給原料の脱硫段階が必要とされ、水蒸気改質触媒は硫黄性不純物に対して非常にセンシティブである。
【0005】
炭化水素供給原料の自己熱改質を通じて水素を製造する方法自体は周知である。それは、自己熱型改質器(autothermal reformer:ATR)、それに続く、HおよびCOの関連した製造を増加させることを目的とするガスと水との反応を通じた一酸化炭素の転化(WGS)のための装置、および、1個以上の水素精製装置を含む。
【0006】
本発明では、この精製装置は、少なくとも1個のPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力スイング吸着)装置によって構成される。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、脱硫反応器の入口温度と自己熱型改質器(ATR)上流の合成ガス凝縮器(condenser)の出口温度とを正しく制御することである。
【0008】
炭化水素供給原料および変性エタノール供給原料の両方についての装置の全体的な性能を保証するために重用な点は、次の通りである。
【0009】
− 脱硫装置のための十分な供給原料温度;実際に、150℃の温度未満で反応器は、効率的な脱硫を保証することを可能にしない、
− 自己熱型改質器の上流の合成ガスの出口温度は十分に低く15〜40℃、好ましくは15〜35℃であり、これにより、合成ガス内に含まれる水が凝縮し、次いで、PSAの上流に置かれるドラム型分離器中でそれが分離される。
【0010】
実際に、過度に水に富むガスはPSAのモレキュラーシーブを劣化させるので、過度に水に富むガスは、PSA内で処理され得ないだろう。
【0011】
したがって、自己熱改質手順において必要とされる水の大部分が前記PSAの上流で回収されることが必須である。本発明の方法の目的の1つは、PSA上流の合成ガスに付随する水のほぼ完全な回復(recuperation)を精密に保証することである。
【0012】
したがって、本発明における炭化水素または変性エタノール供給原料の自己熱改質のための方法は、脱硫装置の入口温度およびPSA装置の上流の凝縮温度に関する上記2点に配慮しながら、炭化水素原料またはエタノール供給原料の脱硫を行うことを可能にする。
【背景技術】
【0013】
特許文献1には、硫黄性化合物を含まないエタノール供給原料により機能する装置の図表が記載されている。したがって脱硫の問題はない。それにもかかわらず、この発明に基づく方法の変形例では、処理されるべき装入物は、硫黄化合物を含有することができず、したがって、この方法の興味は、改善された熱効率にある。
【0014】
特許文献2には、特に、変性エタノール供給原料を再加熱して、それを、脱硫反応器に送ることを可能にする交換器の配置に関して、本発明の構成に比較的近い構成が開示されるが、液体炭化水素供給原料の温度は60〜150℃であり、これは、本発明において用いられる温度範囲の外側である。
【0015】
仕上げ装置(complete unit)の起動が特許文献3において記載されている。この特許では、装置は、空気および必要であれば脱硫装置中を通過した液体炭化水素供給原料を給送される専用バーナを用いて予熱される。
【0016】
特許文献4には、天然ガスから水素を製造するための方法であって、供給原料の脱硫のための装置、自己熱型改質器(ATR)、「水性ガスシフト」によって一酸化炭素を転化させる装置および圧力スイング吸着(PSA)による水素精製のための装置を含む、方法が記載されている。PSA装置の上流には、合成ガス中に含まれる水を凝縮させることを可能にする直列の4個の熱交換器がある。第1の交換器は、脱硫用の天然ガスを冷流体として用いる。第2の交換器(72)は、冷水を用い、第3の交換器(70)は、脱塩水を用い、第4の交換器(74)は、水および空気を用いる。
【0017】
特許文献5には、水素を製造する方法であって、供給原料−流出液交換器(feed-effluent heat exchanger)における並流熱交換による水蒸気改質反応器において炭化水素供給原料を改質することによって熱的に統合された、方法が記載されている。前記交換器を出る際の合成ガスの温度は、250〜400℃である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2107043号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2107042号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2262725号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2011/085967号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2468681号明細書
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明による方法の図であり、主要な装置は符号を付されている:脱硫反応器(1001)、自己熱型改質器(1003)、COの転化のためのWGS反応器(1004)、PSA精製装置(1008)、触媒バーナ(1009)、起動バーナ(1017)、WGS反応器(1004)の上流の合成ガス冷却交換器およびドラム型分離器(1007)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明が解決しようとする課題は、脱硫反応器の入口温度と自己熱型改質器(ATR)上流の合成ガス凝縮器の出口温度とを正しく制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するため、本発明は、50ppmの含有率までの硫黄性生成物を含有する、炭化水素またはエタノールの供給原料から高純度水素を製造する方法であって、155〜180℃、好ましくは155〜170℃の温度で機能する供給原料の脱硫装置と、自己熱型改質反応器(ATR)と、一酸化炭素転化装置(WGS)と、PSA水素精製装置とを含み、PSA精製装置の上流に交換器(1006)があり、該交換器(1006)は、自己熱型改質反応器(ATR)から来る合成ガス中に含まれる水の完全な凝縮を可能にし、前記交換器(1006)は、プレート型交換器であり、2つの部分を有し、この2つの部分は、それぞれ、冷却されるべき合成ガスの流れに対して向流で機能し、
− 第1の部分は、脱硫供給原料を冷液として用いることによって合成ガスを冷却し、
− 第2の部分は、冷却水を用いて、15〜40℃の温度で合成ガス中に含まれる水が完全に凝縮するまで冷却を継続し、該冷却水自体は、冷蔵装置または冷却塔によって冷却され、
5〜35℃の温度および12〜16バールの圧力で利用される、方法の供給原料の一部(110)によって給送される起動バーナ(1017)を用いる、方法を提供する。
【0022】
本発明において記載された方法は、以下に挙げられ得る課題を解決する。
【0023】
その目的は、シーブが水に対してセンシティブであるPSA装置を使用することができるように、信頼することのできる方法で、このPSA精製装置の上流の合成ガス中に含まれる水の完全な凝縮を保証することである。実際に、技術水準、特に、EP 2107042(特許文献2)によると、合成ガスを冷却し、次いで、前記合成ガス中に含有される水を凝縮させるために合成ガス回路上に2個の相異なる交換器がPSA装置の上流に置かれる。これらの交換器は、単純に直列に置かれ得ず、連結されていなければならない。実際に、合成ガスが凝縮を開始するのは、操作条件の幅広い範囲において、それが第1の交換器を出る時である。これにより、第2の交換器において不良な流体分布が起こり、それ故に、2流体の間の熱移動という不利益がもたらされる。
【0024】
第1の交換器の出口における凝縮水の存在は、第2交換器の入口における気/液混合物の分配を臨界にする。特別で複雑な分配器が用いられない限り、このタイプの構成により、不良な分配、すなわち、気体および液体の優先的な流れがもたらされるだろう。
【0025】
この不良な分配は、第2の交換器の熱交換効率をひどく低下させるという危険にさらし、それ故に、合成ガス自体中に存在する水の部分的凝縮をもたらす。
【0026】
本発明は、PSAの上流に位置する交換器であって、前記交換器の出口において水の完全な凝縮を保証することおよび合成ガスの流れにおけるあらゆる不連続性を回避することを可能にするものを記載する。
【0027】
本発明の別の局面は、予熱前の処理供給原料の使用に存在する:それは、加圧され、起動用バーナにおいて燃料として用いられる:
簡単には、本発明の方法は、50ppmの含有率までの硫黄性生成物を含有する炭化水素またはエタノールの供給原料から高純度の水素を製造する方法であって、脱硫装置、自己熱型改質反応器(ATR)、一酸化炭素転化装置(WGS)およびPSA水素精製装置を含み、PSA精製装置の上流に、交換器(1006)があり、この交換器(1006)は、自己熱型改質反応器(ATR)から来る合成ガス中に含有される水の完全な凝縮を可能にし、前記交換器(1006)は、2部分:
− 第1の部分:冷流体として脱硫された供給原料を用いることによって合成ガスを冷却する、
− 第2の部分:図示されていない冷蔵装置または冷却塔によってそれ自体冷却される水を用いて25〜35℃の温度で前記合成ガス中に含有される全ての水が凝縮するまで合成ガスの冷却を継続する
から構成される、方法として提示され得る。
【0028】
本発明に従って水素を製造する方法は、液相中の、好ましくは155〜180℃の温度、一層より好ましくは155〜170℃の温度での供給原料の脱硫に有利に働く。
【0029】
本発明による水素を製造する方法は、交換器(1006)を用い、これは、好ましくは、プレート型交換器であり、交換器の2つの部分は、冷却されるべき合成ガスの流れに関して、それぞれ、流れに対抗して機能する(すなわち、2つの流体は、平行に流れるが、反対方向である)。本発明の一層より好ましい変形例では、この交換器(1006)は、はんだ付けプレート型交換器である。
【0030】
交換器は、好ましくは、複数の平行なチャネルを区切るプレートの積み重ねから作られるべきである。これらのプレートは、同一の通過セクションを維持し、冷却工程および交換器全体を横切るチャネルにおいて起こる合成ガス中に含有される水の凝縮を行うことを可能にする。
【0031】
この構成の別の利点は、水の部分凝縮の場合における合成ガスの分配の問題をそれが回避することにある。実際に、この液体の出現は、理想的な方法で全てのチャネルに気体および液体を分配するための特別な装置を必要とするだろう。
【0032】
他のセクションにおいて、交換器(1006)の第1段階における変性エタノール中で予熱されるべき供給原料および交換器(1006)の第2段階における冷却水は、合成ガスのために用いられるプレートの間に位置するチャネルの2つの相異なるネットワーク中を流れる。
【0033】
本発明による水素製造方法の好ましい変形例において、起動バーナ(1017)は、12〜16バールの圧力下に5〜35℃の温度で取得される処理供給原料の一部(110)によって供給される。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、PSAの上流に位置する交換器であって、前記交換器の出口において水の完全な凝縮を保証することおよび合成ガスの流れにおけるあらゆる不連続性を回避することを可能にするものを記載する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明において用いられる水素製造方法を示す方法の図である。
【0036】
この方法は、
− 脱硫反応器(1001)、
− 自己熱型改質器(1003)、
− 生じた水素リッチガスの精製のためのセクション:水性ガスシフト一酸化炭素転化反応器(1004)と、それに続く、ドラム型分離器(1007)とを含む、
− PSA精製システム(1008)、
− PSAにより生じたパージガスを燃焼させる触媒バーナ(1009)、
− 装置を起動するために働くバーナ(1017)
を含む。
【0037】
熱の統合は、5個の熱交換器(1002)、(1005)、(1006)、(1014)および(1015)によって提供される。
【0038】
2個のポンプ(1000)および(1021)は、システムに、一方で水素供給原料を給送し、他方で水を給送する。
【0039】
圧縮機(1012)および2個の送風機(1010)および(1011)は、それぞれ、プロセスとバーナのために空気を提供する(燃焼のための一次空気および煙霧の温度を制御するための二次空気)。
【0040】
最後に、ドラム型分離器(1007)において回収された水は、装置(1019)における再処理の後に再循環させられる。
【0041】
反応によって消費された水および水精製システムの正しい機能に必要なダクト(702)中のパージを補填するために、ダクト(250)を介して余分な水が必要とされる。このようにして加えられた水も、装置(1018)において処理される。
【0042】
装置は、水素ダクト(500)中を流れる加圧された水素(H)の流れ、冷却ガスダクト(603)中を流れるガスの流れおよび水性パージガスダクト(702)中を流れる水性パージガスを生じさせる。
【0043】
本発明による方法において、自己熱型改質器は、流通ダクト(100)を介してポンプ(1000)によって供給原料を給送され、液体供給原料ダクト(101)を介して流通する加圧された液体供給原料が生じる。この供給原料は、交換器(1006)において予熱され、次いで、ダクト(102)を通じて脱硫装置(1001)に送られ、脱硫後に、それは、ダクト(103)を通じて出る。
【0044】
水は、水流通パイプ(200)を介してほぼ室温で装置に給送される。
【0045】
この水の一部(流れn°1とマーク付けされる)は、ダクト(201)を介して流通し、このものは、圧力下に供給原料流に加えられる。この流れの流量は、図上に現れない弁によって制御される。
【0046】
供給原料/水の混合物は、ダクト(104)を介して、並流的に交換器(1002)に導入される。供給原料に水を加えることによって、水−供給原料混合ダクト(104)中を流れる液体供給原料と水の流れの混合物に由来する流れの水対炭素の比(HO/C)を制御することが目的とされる。
【0047】
この比(HO/C)は、熱交換器(1002)中の供給原料のコーキングの有無に依存する。
【0048】
液体供給原料と水の流れの混合物に由来し、かつ、水−供給原料混合ダクト(104)を介して流通する流れの温度は、その沸点より低く、例えば140〜200℃であり、圧力は0.9MPaである(選ばれた水含有率に従って可変である)。ダクト(104)中の流れは、気化させられた後に気化供給原料−水ダクト(105)を介して自己熱型改質器に給送されなければならない。
【0049】
この水の第二の部分(流れn°2とマーク付けされる)は、水ダクト(203)を介して、交換器(1015)において気化させられ、ダクト(205)を介して現れる。
【0050】
流れの最後の部分(流れn°3とマーク付けされる)は、ダクト(202)を介して、交換器(1015)中で気化させられ、ダクト(204)を介して現れる。流れ(n°1)と同様に、流れ(n°2)および(n°3)についての流量は、図1における図上に示されない弁によって制御される。
【0051】
ダクト(204)および(205)中の流れは、ダクト(206)において混合される。
【0052】
自己熱型改質装置はまた、空気ダクト(300)を介して空気を供給される。この空気は、圧縮機(1012)によってプロセス圧力に至らされ、所望の圧力で、加圧空気ダクト(301)を介して流通する。この流れは、2つの流れに分割される:(302)および(303)。これらの流れの一方は、空気ダクト(302)を介してダクト(206)から来る蒸気と混合される。これは、ダクト(207)における第1の蒸気−空気の混合である。
【0053】
蒸気−空気の混合物は、交換器(1014)において過熱され、次いで、ダクト(208)中を流れる。
【0054】
この混合物は、ダクト(303)中を流れる空気の第2の流れに加えられ、(209)中の流れが作られる。
【0055】
ダクト(105)中を流れるエタノール−水の混合物およびダクト(209)中の空気−水混合物は、自己熱型改質器(1003)に給送される。これにより、高温の加圧合成ガスが合成ガスダクト(400)中を流れる結果となる。
【0056】
この加圧合成ガスは、重大な腐食(「メタルダスティング」)を回避するために迅速に冷却されなければならない。このために、供給原料−水混合ダクト(104)および合成ガスダクト(400)中を流れる流れは、並流の構成で熱交換器(1002)に導入される。
【0057】
その結果、気化させられかつ過熱された供給原料の流れは、気化供給原料−水ダクト(105)中を流れ、冷却された合成ガスの流れは、冷却合成ガスパイプ(401)中を流れる。
【0058】
冷却合成ガスは、その露点を超える温度に留まり、典型的には、0.9MPaの圧力で128〜168℃であり、好ましくは、148℃に等しい。
【0059】
熱交換器(1002)が供給原料の全体的な気化に適合しているとすると、気化供給原料−水ダクト(105)および冷却合成ガスダクト(401)中を流通する流れの温度条件は、水ダクト(201)中を流れる水の流れ(n°1)の流量を制御することによって制御されるが、ただし、最小限のHO/C比が保証されることが条件となる。熱交換器(1002)に注入される水の流れを制御することは、水ダクト(200)中を流れる水の流れの完全な気化のための3個の平行なダクトの使用を通じて可能である。
【0060】
この冷却合成ガスは、WGS反応器(1004)に注入され、水素生産が改善される。
【0061】
ダクト(402)中を流れるCOが激減した合成ガスは、熱交換器(1005)によって冷却される。熱は、水ダクト(202)中を流れる水供給原料の一部の気化によってこの熱交換器(1005)において再利用される。その結果、気化させられかつ過熱された、蒸気の流れは、気化供給原料ダクト(204)中を流れ、冷却されたCO激減合成ガスの流れは、ダクト(403)中を流れる。熱交換器(1006)において、冷却合成ガスダクト(403)中を流れる冷却合成ガスは、ダクト(404)ではその凝縮点未満に、すなわち、一般的には、15〜40℃の温度に至らされる。
【0062】
この交換器(1006)は、本発明の革新的部分を構成する。それは、2個の冷却セクションを有する。
【0063】
a)ダクト(101)中の液体供給原料による第1の冷却セクション。合成ガスの熱の一部は、この第1の交換を介して回復され、供給原料が加熱された後に、それは、脱硫反応器(1001)に入る。必要であれば、それが脱硫反応器に入る時に、供給原料の温度を制御するために供給原料流の一部をバイパスすることが可能である。
【0064】
b)交換器(1006)の第2のセクションは、ダクト(800)を介して交換器に入りかつダクト(801)を介して出る冷却水による熱交換によって、冷却を継続して、合成ガスに含まれる水を凝縮させることを可能にする。この冷却水は、冷蔵装置または冷却塔から来てもよい;これらは、図上に示されない。それが交換器(1006)を出た時に、ダクト(404)中の合成ガスは、ドラム型分離器に送られ、ダクト(700)中の凝縮水からダクト(405)中の乾燥合成ガスが分離される。ドラム(1007)は、コアレッサ(図示せず)によって補足されて、合成ガス中の水の除去の有効性が高められ得る。ドラム(1007)において回復された水は、再循環ダクト(700)において再循環させられる。この水は、溶解したCOおよび再使用され得る前に除去されなければならない夾雑物を含有する。この処理は、装置(1019)において行われる。
【0065】
反応によって消費された水および水精製システムの正しい機能のために必要なダクト(702)中のパージガスのための補填として、余分な水が必要とされる。
【0066】
ダクト(250)を介してこのようにして加えられた冷水も装置(1018)において処理された後に、ダクト(251)を介して装置(1019)における二次処理に入る。
【0067】
ダクト(701)中の得られた軟水は、ドラム(1020)に運ばれ、ポンプ(1021)を介してダスト(254)の方に汲み上げられる。この水の流れの一部は、ダクト(255)を介して水精製システムに送られる。他の部分は、改質方法自体において用いられ、ダクト(200)中を流れる。
【0068】
ドラム(1007)からの乾燥ガスは、ダクト(405)を介してPSA(Pressure Swing Adsorption)精製装置(1008)の方に送られる。PSAの出口において、水素ダクト(500)中を流れる水素が生じさせられる。後者において、H以外のほとんど全ての成分、典型的、かつ、非包括的に、空気中に存在するもの若しくはエタノール改質によって共製造されたもの、すなわち、N、CO、CO、CH、C、C、C、C、ArまたはHOは、一般的に、かつ、非包括的に、活性炭および/または鉱物性モレキュラーシーブから構成されるPSAにおける固体吸着床上に可逆的に吸着される。
【0069】
水素は保持されず、高い純度で生じさせられ、不純物は、痕跡量に低減させられ、一般的には500ppm未満である。
【0070】
吸着された成分は、パージガスダクト(406)を通じて、気相中の各物体のより低い分圧をもたらし、したがって、吸着された成分を脱着する、大気圧に近い圧力までPSA(1008)のチャンバ圧を下げることによって回収される。ダクト(406)中のこのパージガスは、脱着された水素のタイプも含有する。
【0071】
水および空気の流れを給送する方法を調節するために用いられる熱は、このパージガスの燃焼を通じて生じさせられる。これをするために、ダクト(406)中の流れは、触媒バーナ(1009)に送られる。パージガスの燃焼に必要なダクト(310)中の一次空気は、送風機(1010)によって加圧され、ダクト(311)中に加圧された空気が生じさせられ、このものは、触媒バーナ(1009)に注入される。二次空気ダクト(320)中を流れる二次空気は、第2ファン(1011)によって加圧される。加圧二次空気ダクト(321)中を流れる、加圧された二次空気は、ダクト(600)中を流通する、バーナからの燃焼排ガスの温度を制御することを可能にする。
【0072】
煙霧と二次空気の混合物は、ダクト(601)中を流れ、交換器(1014)に送られる。この交換器(1014)は、ガスの著しい熱の回復を通じて、ダクト(207)中の蒸気−空気混合物を過熱する。一部の冷却された煙霧は、ダクト(602)を介して出て、回路(203)中の水の気化・過熱を目的とする交換器(1015)に導入される。この結果、冷却された煙霧の流れは、冷却煙霧ダクト(603)中を流れ、通気孔または煙突(1016)を通じて排気される。
【0073】
起動期間の間に、供給原料が移されるのは、ダクト(110)によってそれがポンプ(1000)を出る時であり、起動バーナ(1017)に給送される。プロセスを予熱するために用いられる熱は、この供給原料の燃焼を通じて作られる。これをするために、ダクト(110)中の流れは、起動バーナ(1017)に送られる。燃焼に必要なダクト(320)中の一次空気は、送風機(1011)によって加圧され、ダクト(501)中に加圧空気が生じさせられ、バーナ(1017)に注入される。二次空気ダクト(310)中を流れる二次空気は、二次ファン(1010)によって加圧される。
【0074】
加圧二次空気ダクト(502)中を流れる加圧二次空気流は、煙道ダクト(503)中を流通するバーナからの煙道ガスの温度を制御することを可能にする。
【0075】
煙霧と二次空気の混合物は、ダクト(601)中を流れ、交換器(1014)に送られる。
【0076】
脱硫を既に経た炭化水素またはエタノールの供給原料を用いる方法の変形例では、上記に記載された配置から脱硫反応器を除いたものが用いられ得る。2セクションで機能する交換器(1006)を依然として含む図の重点は、より多く駆動される熱統合を行うことである。交換の第1の部分が、向流で流れる炭化水素または未変性エタノールの供給原料により行われるからである。
【0077】
上記のように予熱された供給原料は、ATR反応器の上流の余分な熱を制限することを可能にし、供給原料は反応器の入口の温度に至る。
【0078】
エネルギーにおける利得は、炭化水素供給原料との混合物でATR反応器中に注入される気化水の量を増加させるために、さらには、水素産出を増加させるために用いられ得る。このエネルギー利得は、ATR反応器の入口温度を上昇させるために用いられてもよく、これは、所望の改質温度に達するように反応器中の空気の流量を低減させることによってHのより良好な産出も可能にする。
【0079】
(本発明による実施例)
(実施例1)
下記の実施例は、本発明による水素製造方法のための操作条件を記載する。
【0080】
変性エタノール供給原料(95体積%のエタノール、5%のガソリン)から50Nm/hの水素の製造を行う。
【0081】
供給原料の流量は、31.4kg/hであり、ポンプにより汲み上げ、圧力下に交換器(1006)に注入する。
【0082】
供給原料は、2.5ppmの硫黄「S」を含有する。
【0083】
PSAの上流の交換器(1006)の第1部分において交換される熱の量は、以下のデータから算出される。
【0084】
合成ガスは、172℃(ダクト(403)中の流れ)から141.5℃に冷却され、すなわち、仕事率(power)は3.90kWである。
【0085】
流れに対抗して流れる変性エタノール供給原料は、それ故に、20℃から160℃に加熱され、反応器(1001)中で液相において脱硫を経る。
【0086】
PSAの上流の交換器(1006)の第2部分において交換された熱の量は、以下のデータから算出される。
【0087】
合成ガス中に含まれる水の凝縮は、流れに対抗して流れ、25℃で入り、35℃で出る水(流量5288kg/h)を冷温流体として用いることによって、141.5℃から29℃までで行われ(ダクト(404)中の流れ)、すなわち、仕事率は61.3kWである。ドラム型分離器に入るダクト(404)中の流れの温度は、29℃である。
【0088】
本実施例では、0.7重量%の合成ガスが凝縮させられ、すなわち、交換器(1006)における交換の第1部分から1.35kg/hである。
【0089】
ドラム型分離器(1007)を出る時にダクト(700)中に集められた水の量は、76.9kg/hである。
【0090】
ダクト(200)を介して導入される水の量は93.2kg/hである。
【0091】
交換器(1006)における交換の第1部分によって行われる熱統合は、交換器(1006)において交換された熱の全量において6%の利得を可能にし、すなわち、65.2kWである。
【0092】
変性エタノール供給原料の脱硫は、液相中、160℃の温度、16バールの絶対圧力下に行われ、脱硫反応器において液体のままである。
【0093】
(実施例2)
実施例2は、155℃以上、好ましくは155〜180℃の選ばれた吸着温度範囲の有利な効果を示すことを目的とする。
【0094】
AxTrap-405の名称の下でAxensによって販売されている、シリカ−酸化アルミニウム上に担持されたNi/NiO(ニッケル含有率:55〜60重量%)から構成される保護床が用いられる。この床は、COにより不動態化させられて供給される。空気と接触する際にニッケルが自然発火性であるからである。
【0095】
種々の硫黄含有率を有する種々のディーゼル燃料(現実の供給原料)の脱硫を、2cmの径および27cmの高さである小カラムである試験設備上で行った。
【0096】
すべての試験において用いられるVVH(固体吸着剤の質量に対する、処理されるべき供給原料の流量の関係)は5.6h−1である。
【0097】
塔出口における流出物のサンプルが定期的に取られ、気相クロマトグラフィーによって硫黄含有率が分析される。
【0098】
供給原料の脱硫の効率は、塔体積(Vc)に対する、硫黄「ドリリング(drilling)」に相当する処理された供給原料の体積(Vpとマークされる)(すなわち、Vp/Vc)によって測定される。
【0099】
この体積(Vp)が大きいほど、脱着がより効率的になる。
【0100】
下記表は、試験結果を示す。
【0101】
吸着温度は、全ての試験について170℃であった。
【0102】
S含有率0.35ppmを有する供給原料に相当する最後の2試験について、流出物のS含有率は、検出され得なかった(n.d.)。これは、100%に例えることができる脱硫率に相当する。
【0103】
吸着温度として選ばれた170℃の値が優れた脱硫率をもたらされるのは、特に、処理されるべき供給原料の硫黄含有率が10ppmより低い時である。
【0104】
【表1】
【符号の説明】
【0105】
1001 脱硫反応器
1002 熱交換器
1003 自己熱型改質器
1004 CO転化のためのWGS反応器
1005 熱交換器
1006 熱交換器
1007 ドラム型分離器
1008 PSA精製装置
1009 触媒バーナ
1014 熱交換器
1015 熱交換器
1016 通気孔または煙突
1017 起動バーナ
図1