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特許6277285光アクセスネットワークにおいて波長分割多重化された光上り信号を受信する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6277285
(24)【登録日】2018年1月19日
(45)【発行日】2018年2月7日
(54)【発明の名称】光アクセスネットワークにおいて波長分割多重化された光上り信号を受信する方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/079 20130101AFI20180129BHJP
   H04B 10/572 20130101ALI20180129BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20180129BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20180129BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20180129BHJP
【FI】
   H04B10/079 150
   H04B10/572
   H04B10/272
   H04J14/02
   H04L12/44 200
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-559920(P2016-559920)
(86)(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公表番号】特表2017-511655(P2017-511655A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2015054903
(87)【国際公開番号】WO2015150028
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年11月2日
(31)【優先権主張番号】14305471.6
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ぺールマン,ボルフガング
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−197489(JP,A)
【文献】 特表2012−510758(JP,A)
【文献】 特開2000−68982(JP,A)
【文献】 特開2011−35550(JP,A)
【文献】 特開2013−005113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
H04L 12/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光アクセスネットワークにおいて、波長分割多重化された光上り信号を受信する方法であって、
前記光上り信号(US)が、それぞれの波長を持ついくつかの光上り信号を含む総体的上り信号であり、前記光上り信号が、振幅変調によって変調され、
前記方法が、光回線終端装置(OLT1)において、
− 前記光上り信号(US)を、第1の光学フィルタ(OM2)および第2の光学フィルタ(OM1)へと、分割するステップと、
− 前記WDM光上り信号(US)を、第1のフィルタリングされた信号をもたらす前記第1の光学フィルタ(OM2)を用いてフィルタリングするステップであって、前記第1の光学フィルタ(OM2)が、フラットトップ形状通過帯域伝達関数(FTTF)を有する、フィルタリングするステップと、
− 前記WDM光上り信号(US)を、第2のフィルタリングされた信号をもたらす、前記第2の光学フィルタ(OM1)を用いてフィルタリングするステップであって、前記第2の光学フィルタ(OM1)が、中心波長(λ)を下回る波長値については厳密に単調増加し、前記中心波長(λ)を上回る波長値については厳密に単調減少する通過帯域伝達関数(GTF)を有する、フィルタリングするステップと、
− 前記第1のフィルタリングされた信号から、受信した上りデータを、導出するステップと、
− 前記第2のフィルタリングされた信号から、光信号パワーレベルを、導出するステップと、
− 光ネットワークユニット(ONU1)に対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、指示するステップと
を含み、
− 前記第2のフィルタリングされた信号から、前記光信号パワーレベルを、導出するステップと、
− 前記光ネットワークユニット(ONU1)に対し、前記導出された信号パワーレベルに応じた、前記波長シフトの望ましい方向を、指示するステップと
が、連続する各時間間隔に対して、連続的に実行される、方法。
【請求項2】
前記第1のフィルタ(OM2)の前記伝達関数(FTTF)および前記第2のフィルタ(OM1)の前記伝達関数(GTF)は、各々の中心波長(λ)が実質的に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のフィルタ(OM1)が、ガウス形状伝達関数(GTF)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記振幅変調が、オンオフキーイング変調である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
− 前記光ネットワークユニット(ONU1)に対し、前記導出された信号パワーレベルに応じた、前記波長シフトの望ましい方向を、指示するステップ
が、光下り信号を介して、前記波長シフトの望ましい方向を示すデータ要素(DF)を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
光アクセスネットワークにおいて、波長分割多重化された光上り信号を受信するための光回線終端装置であって、前記光上り信号(US)が、それぞれの波長を持ついくつかの光上り信号を含む総体的上り信号であり、前記光上り信号が、振幅変調によって変調され、
前記光回線終端装置(OLT1)が、
− 前記光上り信号(US)を、第1の光学フィルタ(OM2)および第2の光学フィルタ(OM1)へと、分割することと、
− 前記WDM光上り信号(US)を、第1のフィルタリングされた信号をもたらす前記第1の光学フィルタ(OM2)を用いてフィルタリングすることであって、前記第1の光学フィルタ(OM2)が、フラットトップ形状通過帯域伝達関数(FTTF)を有する、フィルタリングすることと、
− 前記WDM光上り信号(US)を、第2のフィルタリングされた信号をもたらす、前記第2の光学フィルタ(OM1)を用いてフィルタリングすることであって、前記第2の光学フィルタ(OM1)が、中心波長(λ)を下回る波長値については厳密に単調増加し、前記中心波長(λ)を上回る波長値については厳密に単調減少する通過帯域伝達関数(GTF)を有する、フィルタリングすることと、
− 前記第1のフィルタリングされた信号から、受信した上りデータを、データ受信ユニット(OLTRX’)を用いて、導出することと、
− 前記第2のフィルタリングされた信号から、光信号パワーレベルを、パワー検出ユニット(PDU)を用いて、導出することと、
− 光ネットワークユニット(ONU1)に対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、制御ユニット(CU1)および送信機(TX)を用いて、指示することと
を行うように動作可能であり、
前記光回線終端装置(OLT1)が、
− 前記第2のフィルタリングされた信号から、光信号パワーレベルを、導出することと、
− 光ネットワークユニット(ONU1)に対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、指示することと
を、連続する各時間間隔に対し、前記パワー検出ユニット、前記パワー検出ユニット(PDU)、前記制御ユニット(CU1)、および前記送信機(TX)を用いて、連続的に行うように動作可能な、光回線終端装置。
【請求項7】
前記第1のフィルタ(OM2)の前記伝達関数(FTTF)および前記第2のフィルタ(OM1)の前記伝達関数(GTF)は、各々の中心波長(λ)が実質的に等しい、請求項6に記載の光回線終端装置。
【請求項8】
前記第2のフィルタが、ガウス形状伝達関数(GTF)を有する、請求項6に記載の光回線終端装置。
【請求項9】
前記光回線終端装置(OLT1)が、
− 前記光ネットワークユニット(ONU1)に対し、前記導出された信号パワーレベルに応じた、前記波長シフトの望ましい方向を、指示すること
を、前記波長シフトの望ましい方向を示すデータ要素を含む光下り信号を、前記制御ユニット(CU1)および前記送信機(TX)を用いて送信することにより、行うように動作可能な、請求項6に記載の光回線終端装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アクセスネットワークにおいて、波長分割多重化(WDM)された上り信号を受信する方法、および、そのための光回線終端装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の顧客をコアネットワークに接続して、データの送信を可能とするために、受動光ネットワーク(PON)の形態を持つ光アクセスネットワークに依拠する手法がよく知られている。
【0003】
このような光アクセスネットワークにおいて、顧客は自身の機器を、光ネットワークユニット(光ネットワーク終端とも呼ばれ得る)に接続する。同アクセスネットワークに属する光ネットワークユニットは、光ファイバ経由でリモートノードへと接続されている。リモートノードは、光フィーダーファイバを介して、いわゆる中央局に設置された光回線終端装置(OLT)へと接続されている。この光回線終端装置が、コアネットワークに対する相互接続を形成する。
【0004】
WDM光アクセスネットワークでは、異なる光ネットワークユニットが、異なる上り信号を、異なる各々の波長で、リモートノードに向けて送信する。リモートノードは、これらの上り信号を結合し、フィーダーファイバ経由で光回線終端装置へと送信する。WDM光アクセスネットワークにおいて、各光ネットワークユニットは、各自の上り信号を、別々の、独立した波長で送信する。
【0005】
WDMの構想は、TWDMの構想にまで拡張することが可能であり、その場合、WDMの構想は、時分割多重(TDM)の構想と連動して打ち立てられる。このTWDM光アクセスネットワークでは、同一グループの2つ以上の光ネットワークユニットが、それぞれの上り信号用に、同じ波長を共有する。このとき、この同一波長による上り方向のデータ送信は、光ネットワークユニットのグループの中で、TDMを通じて分割される。
【0006】
OLTから光ネットワークユニットに向かう下り方向のデータ送信は、下り信号全体で、いくつかの異なる下り波長(4つ、または8つの異なる下り波長であると好ましい)を含むように行われる。下り波長の各々は、TDM分割により、フレームへと分割されることが好ましい。それにより、1つの下り波長を持つ、1つの下り信号が、いくつかの光ネットワークユニットに割り当てられる。
【0007】
フィーダーファイバの終端において、リモートノードはパワースプリッティングにより、下り波長を持つ下り信号を、さまざまな光ネットワークユニットへとつながる、さまざまなファイバ上に分割する。
【0008】
光ネットワークユニットでは、データ受信が実行される。それは、各光ネットワークユニットは、同調可能フィルタを利用して、各自に割り当てられた、当該の下り波長を持つ、当該の下り信号を受信することによる。さらに、特定の下り波長を持つ下り信号がTDM分割によってフレームへと分割される場合、光ネットワークユニットが、各自に割り当てられた、これらのデータフレームを選択する。
【0009】
光ネットワークユニットは、各自の上り信号を、オンオフキーイングと呼ばれる振幅変調の形式を用いて、上り方向に送信する。このオンオフキーイングによって送信波長が拡大され、その拡大は無視できないものとなる。
【0010】
OLTでの上り信号の受信については、それぞれ波長が異なる別々の上り信号が、固定の伝達関数を持つ各々のフィルタによってフィルタリングされる。これらのフィルタは、複合光学フィルタとして形成されてもよい。フィルタリングされた各信号は、それぞれの上り信号から、それぞれのデータ列を導出するために、それぞれの受信機へと提供され、その後、コアネットワークに向けたさらなるデータ送信に使用され得る。
【0011】
それぞれ異なる上り波長を持つ別々の上り信号が、光領域の固定のフィルタ関数を用いてOLTでフィルタリングされることから、光ネットワークユニットが、自身に割り当てられた波長であり、かつ、上り信号の各々がOLT内の指定の各受信機に到達するよう、対応する光学フィルタの伝達関数を同信号が通過可能となるような波長で、各自の上り波長を実際に送信するということが、不可欠な態様となる。
【0012】
光ネットワークユニットが各自に割り当てられた適正な波長で上り信号を送信することを保証するための一手法として、この光ネットワークユニット内の同調可能送信機を前もって考慮しておくということが挙げられ、このとき、送信波長は、同光ネットワークユニット内に設けられた制御デバイスによって監視可能となる。こうした解決策は、煩雑かつ高価なものとなり得る。
【0013】
文献EP2675089A1の開示する光回線終端装置では、上り信号が、受信ユニットに提供されるとともに、同上り信号の一部を制御ユニットに提供するためにタップを付けられる。この制御ユニットは、反復波長同調処理(光ネットワークユニットの波長が同調される)に向け、上り信号の波長を決定する。
【0014】
文献米国特許出願公開第2004/188600A1号には、フィルタリング範囲を持つ周期性フィルタが開示されている。これらのフィルタリング範囲には、同調可能レーザシステムの波長監視用となる、それぞれのピーク波長が存在する。
【0015】
文献米国特許第5729347A号には、増大する波長に対する単調増加フィルタ値を持った、光学フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2675089号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/188600号明細書
【特許文献3】米国特許第5729347号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
光アクセスネットワークにおいて、波長分割多重化(WDM)された光上り信号を受信する方法が提案される。本方法は、光回線終端装置において実行される、異なるステップからなる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
WDM光上り信号は、第1のフィルタリングされた信号をもたらす、第1の光学フィルタを用いてフィルタリングされる。第1の光学フィルタは、フラットトップ形状の通過帯域伝達関数を有する。
【0019】
さらに、WDM光上り信号は、第2のフィルタリングされた信号をもたらす、第2の光学フィルタを用いてフィルタリングされる。第2の光学フィルタは、伝達関数の中心波長を下回る波長値については厳密に単調増加し、伝達関数の中心波長を上回る波長値については厳密に単調減少する、通過帯域伝達関数を有する。
【0020】
受信した上りデータが、第1のフィルタリングされた信号から導出される。
【0021】
光信号パワーレベルが、第2のフィルタリングされた信号から導出される。
【0022】
最後に、導出した信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向が、光ネットワークユニットに対し、指示される。
【0023】
第1のフィルタの伝達関数および第2のフィルタの伝達関数は、各々の中心波長が実質的に等しいことが好ましい。
【0024】
第2のフィルタが、ガウス形状伝達関数を有することが好ましい。
【0025】
光上り信号が、それぞれの波長を持ついくつかの光上り信号を含む総体的上り信号であると好ましい。
【0026】
光上り信号が、振幅変調によって変調されると好ましい。
【0027】
この振幅変調が、オンオフキーイング変調であると好ましい。
【0028】
− 第2のフィルタリングされた信号から、光信号パワーレベルを、導出するステップと、
− 光ネットワークユニットに対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、指示するステップと
が、連続する各時間間隔に対して、連続的に実行されることが好ましい。
【0029】
光ネットワークユニットに対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を指示するステップに、波長シフトの望ましい方向を示すデータ要素を、光下り信号を介して送信するステップが含まれることが好ましい。
【0030】
また、光アクセスネットワークにおいて、波長分割多重化された光上り信号を受信するための、光回線終端装置も提案される。同光回線終端装置は、
− WDM光上り信号を、第1のフィルタリングされた信号をもたらす第1の光学フィルタを用いてフィルタリングすることであって、第1の光学フィルタが、フラットトップ形状通過帯域伝達関数を有する、フィルタリングすることと、
− WDM光上り信号を、第2のフィルタリングされた信号をもたらす、第2の光学フィルタを用いてフィルタリングすることであって、第2の光学フィルタが、中心波長を下回る波長値については厳密に単調増加し、中心波長を上回る波長値については厳密に単調減少する通過帯域伝達関数を有する、フィルタリングすることと、
− 第1のフィルタリングされた信号から、受信した上りデータを、データ受信ユニットを用いて、導出することと、
− 第2のフィルタリングされた信号から、光信号パワーレベルを、パワー検出ユニットを用いて、導出することと、
− 光ネットワークユニットに対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、制御ユニットおよび送信機を用いて、指示することと
を行うように動作可能である。
【0031】
同光回線終端装置は、
− 第2のフィルタリングされた信号から、光信号パワーレベルを、導出することと、
− 光ネットワークユニットに対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、指示することと
を、連続する各時間間隔に対し、パワー検出ユニット、制御ユニット、および送信機を用いて、連続的に行うように動作可能であることが好ましい。
【0032】
同光回線終端装置は、
− 光ネットワークユニットに対し、導出された信号パワーレベルに応じた、波長シフトの望ましい方向を、指示すること
を、波長シフトの望ましい方向を示すデータ要素を含む光下り信号を、制御ユニットおよび送信機を用いて送信することにより、行うように動作可能であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】光アクセスネットワークを示す図である。
図2】多重分離フィルタのフィルタリング機能を示す図である。
図3】一実施形態による、光回線終端装置のデータ受信ユニットを示す図である。
図4a】ガウス形状の伝達関数となることが好ましい、光学フィルタの伝達関数を示す図である。
図4b】フラットトップ形状の光学フィルタの伝達関数を示す図である。
図5】提案する光回線終端装置を示す図である。
図6】光ネットワークユニットに対し望ましい波長シフト方向を示すための、データメッセージ構造を示す図である。
図7】提案する光回線終端装置のデータ受信ユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、いくつかの光ネットワークユニットONU1、…、ONU3を、コアネットワークCNへと接続する、光アクセスネットワークOANを示している。
【0035】
光ユニットONU1、…、ONU3は、それぞれの光ファイバを介して、リモートノードRNへと接続されており、リモートノードRNは、光フィーダーファイバFFを介して、中央局COに設置された光回線終端装置OLTへと接続されている。光アクセスネットワークOANは、WDM型、またはより具体的にTWDM型に属するものである。TWDM光アクセスネットワークは、WDM光アクセスネットワークの特殊型とみなされる。図面を平明なものとするため、図1にはWDMの構想のみを示しているが、当業者であれば、異なる光ネットワークユニットが各自の上り信号を同一共有な波長でTDM方式によって送信することを予め想像することにより、図1に示すネットワークOANの構想を、TWDMネットワークにまで容易に拡張し得るであろう。
【0036】
ネットワークユニットONU1、…、ONU3は、各自の上り波長を、それぞれのネットワークユニットに割り当てられた、それぞれの波長λ、…、λで、上り方向USに送信する。後段で詳述するが、光ネットワークユニットONU1、…、ONU3は、各自の波長λ、…、λに同調される必要がある。
【0037】
リモートノードRNは、上り方向USの信号を結合し、それらをフィーダーファイバFFに沿って、OLTの光インタフェースOIへと送信する。
【0038】
回線終端装置OLTは、下り信号全体を、下り方向DSに、総体的な波長のセットであるλDSで、WDM方式によって送信する。この総体的波長セットλDSには、いくつかの下り波長(4つ、または8つの異なる下り波長であると好ましい)が含まれる。下り波長の各々が、TDM分割によってフレームへと分割されるのであれば、さらに好ましい。それにより、1つの下り波長を持つ1つの下り信号が、いくつかの光ネットワークユニットに割り当てられる。
【0039】
フィーダーファイバの終端において、リモートノードRNはパワースプリッティングにより、下り波長のセットλDSからなる下り信号を、別々の光ネットワークユニットONU1、…、ONU3へとつながる、別々のファイバ上に分割する。これらの光ネットワークユニットでは、データ受信が実行される。それは、各光ネットワークユニットONU1、…、ONU3は、同調可能フィルタを利用して、各自に割り当てられた、特定の下り波長を持つ、特定の下り信号を受信することによる。さらに、下り波長信号がTDM分割によってフレームへと分割される場合、光ネットワークユニットONU1、…、ONU3が、各自に割り当てられた、これらのデータフレームを選択する。
【0040】
ネットワークOANがWDMアクセスネットワークである場合、上り信号は、1524から1625ナノメートルの範囲にあり得ることが好ましい。
【0041】
アクセスネットワークOANがTWDM型、具体的にはNG−PON2型である場合、上り信号が1524から1544ナノメートルの範囲内であり、下り信号が1596から1603ナノメートルの範囲内となり得ることが好ましい。TWDMネットワークにおいて、下り波長の数は、4つ、または8つであると好ましい。NG−PON2型ネットワークでは、同ネットワーク内に存在する光ネットワークユニットの数は、最大で64とすることが好ましい。
【0042】
回線終端装置OLTにおいて、上り信号(総体的な上り信号を形成している)は、光多重化/多重分離器M1を介して、光増幅器OAに提供される。この増幅器OAは、光学フィルタM1の挿入損失、および/または、増幅器OAに続く光多重分離フィルタOMの挿入損失を補償するために、上り信号を増幅させる。
【0043】
光学フィルタOMは、いくつかの光伝達関数を備えており、これらの関数により、各波長λ、…、λのフィルタリング出力が行われる。フィルタOMに到達した総体的上り信号をフィルタリングする際、フィルタリングされた信号は、この総体的上り信号を、λの中心波長に対応する伝達関数を用いてフィルタリングすることによって得られる。得られたフィルタリングされた信号は、データ受信ユニットである、受信機OLTRXに提供される。光多重分離フィルタOM内で総体的上り信号をフィルタリングすることで得られる、さらなるフィルタリングされた信号の各々も、図1では明示されない、さらなる各受信機に提供されてよい。受信機OLTRXは、フィルタリングされた信号から、受信上りデータ、および、このフィルタリングされた信号の光信号パワーレベルを導出する。
【0044】
ここで、図1の受信機OLTRXを、図3において、より詳細に説明する。受信機OLTRXは、その入力に、フォトダイオードPD(PINダイオード、またはAPDダイオードであると好ましい)を備えている。フォトダイオードPDによって提供される電気信号は、トランスインピーダンス増幅器TIAを用いて増幅されることが好ましい。得られた電気信号ESは、受信ユニットORXに提供される。受信ユニットORXは、電気信号ESからデータを導出するために、オンオフキーイング受信を実行する。その後、導出されたデータは、データ処理ユニットC2に提供される。さらに、受信ユニットORXは、電気信号ESから、つまり、間接的には、受信機OLTRXに到達したフィルタリングされた光信号から、電気信号PLSを導出する。電気信号PLSは、光信号の光入力パワーを示すものである。換言すれば、電気出力信号PLSは、受信機OLTRXにおいて検出された光入力パワーに比例する。
【0045】
図1に戻り、光ネットワークユニット(たとえば、波長がλである光ネットワークユニットONU1)の波長を同調させるために信号PLSをどのように使用しうるかについて、以下で詳細に解説する。1つの光ネットワークユニットONU1に関する構想を検討するが、図1に示す他の光ネットワークユニットと同様に、いわゆるカラーレス送信機である。カラーレスとは、光ネットワークユニットの外部に由来する制御信号に依存した同調機構によって波長が決定される、光送信機をあらわす用語である。
【0046】
光ネットワークユニットONU1は、温度同調によって同調させることが可能な、送信レーザを備えている。この同調は、いわゆるオンチップヒータストライプによって実行されることが好ましい。このレーザは、分布帰還型レーザ(DFB)とすることができる。同調のために、DFBレーザの放射波長が持つ温度依存性が活用される。このとき、温度同調は、おおよそ、0.08ナノメートル毎ケルビンから0.1ナノメートル毎ケルビンという温度係数を用いて実行され得る。温度同調と併せて、バイアス電流同調も適用可能であると好ましい。
【0047】
図1の光ネットワークユニットONU1は、適正な波長λ(すなわち、回線終端装置OLT内のフィルタOMが持つ、対応する伝達関数を通過することが可能な波長)に、適正に同調させることができるとはいえ、この事実に起因して、ネットワークユニットONU1内部の送信機の波長は、種々の作用により、時間の経過とともにドリフトする可能性がある。したがって、受信機OLTRXにおいて受信される波長は、連続的な方式でチェックされる必要がある。
【0048】
図4aに示すような伝達関数GTFを持つフィルタを検討することができる。伝達関数GTFは通過帯域伝達関数であり、中心波長λを下回る波長値については厳密に単調増加し、中心波長λを上回る波長値については厳密に単調減少する。
【0049】
たとえば、図4aの伝達関数は、ガウス形状の伝達関数となり得る。図1の送信ユニットONU1が持つ波長λは、第1の時点(time instance)T1における、伝達関数GTFの中心波長λに一致すると仮定することができる。第2の時点T2において、この波長は、λT2として示す波長にドリフトしている可能性がある。よって、図1の受信機OLTRXにおいて、異なる時点T1およびT2についてそれぞれのパワーレベルPL1およびPL2を導出する際(このとき、パワーレベルPL1およびPL2は、伝達関数GTFの伝達関数に関するものである)、同受信機OLTRXでは、送信ネットワークユニットONU1の波長を同調させる必要があると検出できる。
【0050】
図1に戻る。受信機OLTRXにおいて検出された光入力パワーレベルを示す、電気信号PLSは、制御ユニットCU1に提供される。制御ユニットCU1は、メディアアクセス制御(MAC)ユニットである。この制御ユニットCU1は、ネットワークユニットONU1の送信機が実行することになる波長シフトの望ましい方向を、示されたパワーレベルを用いて決定する。制御ユニットCU1は、送信デバイスTXにおいて、光下り信号の送信を開始する。送信機TXは、多重化/多重分離フィルタM1を介して、光インタフェースOIへと連結されている。下り信号は、信号パワーレベルに応じて決定される、波長シフトの望ましい方向を、光ネットワークユニットONU1に示している。
【0051】
たとえば、下り信号は、光ネットワークユニットONU1に対し、所定の波長シフト分だけ(0.02から0.05ナノメートルの範囲内であると好ましい)高い波長へと、同ユニットの波長をシフトするように示す。ここで、ネットワークユニットONU1の送信レーザが、その波長を、より高い波長であるλT3にシフトさせると仮定すると、次に続く測定である第3の時間間隔内では、増大した光信号パワーが測定されることになる。この光信号パワーは、伝達関数GTFにおいて示される、値PL3に関連したものとなる。波長をより高い周波数の方向にシフトすると、増大した光パワーレベルPL3となるという事実から、送信波長をいっそう高い波長へと、さらにシフトさせることを要求することによって、同調手続きを継続させることが可能となる。より低い波長への波長シフトに求められる方向が、減少した光パワーレベルPL3’を持つ、波長λT3’へのシフトを引き起こす場合、この波長シフトの方向は、次に続く時点にむけて変更することができる。
【0052】
波長シフトの望ましい方向についての指示は、下り信号にデータフレームを埋め込むことによってなされ得る。このデータフレームには、波長シフトの望ましい方向を示すデータとともに、この波長シフトが要求されるネットワークユニットONU1を識別する識別データが含まれる。図6には、こうしたデータ構造の例が示されている。データフレームDF内では、ヘッダ情報HIが利用され得る。このとき、波長シフトが求められる光ネットワークユニットを識別する、識別データIDCが、ヘッダHI内に配置される。加えて、1つ以上の追加要素、すなわちデータビットが、波長シフトの望ましい方向を示すため、ヘッダ内に配置されてよい。データフレームDF内には、要求される波長シフトの量も示され得ることが好ましい。
【0053】
上述した、このような反復同調機構を用いると、ONUの波長が、中心波長λに等しい、またはほぼ等しい波長へと、波長収束することが可能となる。なぜなら、図4aに示した伝達関数GTFは、中心波長λを下回る波長値については厳密に単調増加する伝達関数であり、また、中心波長λを上回る波長値については厳密に単調減少するからである。
【0054】
換言すれば、総体的上り信号をフィルタリングするのに用いる光学フィルタOMは、図4aに関連して説明した型に対する伝達関数を使用するが、同フィルタの伝達関数形状の性質上、光ネットワークユニットONUの送信波長λを、中心波長λの近似値まで収束させることが可能となる。
【0055】
フィルタOMは、アレイ導波路格子(AWG)として設けられることが好ましい。フィルタOMを周回性アレイ導波路格子とすることができ、上り信号が持つ波長(波長λなど)が、波長のセットに含まれる、好ましい波長をとることが可能であれば、なお好ましいものとなる。図2は、異なる波長セットWS1、…、WS3を示しており、これらの波長セットの各々が、図1の光学フィルタOMとして周回性AWGを使用したときの、光ネットワークユニットを同調可能な波長の各セットを示している。たとえば、波長λは、セットWS1が持つ波長のうちの1つとなり得る。たとえば、図1のネットワークユニットONU2の波長λは、波長セットWS2に含まれる波長のうちの1つを帯びる可能性がある。たとえば、図1のネットワークユニットONU3の波長λは、波長セットWS3に含まれる波長のうちの1つをとる可能性がある。周回性AWGを用いた周回的同調は、クロストークを少なくすることが可能であり、また、数多くの波長セットを多重分離するよう設計可能であることから、その実装形態を選択するのに好都合なものとなる。さらに、波長グリッドが50GHzであると考えれば、光ネットワークユニットのDFBレーザは、最悪の場合でさえ、4つの波長セットから1つを選択するのに、200GHzにわたって同調させるだけで済む。
【0056】
図5は、提案する光回線終端装置OLT1を示している。回線終端装置OLT1は、自身の光インタフェースOIにおいて、フィーダーファイバFFからの信号を受信し、フィーダーファイバFFへと信号を送信する。図1に関連して先に述べたものと同様のフィルタM1は、上り方向USおよび下り方向DSに、上り信号および下り信号を分離するのに使用される。
【0057】
総体的な上り信号を形成する各上り信号は、異なる光学フィルタM1、OM2が引き起こす挿入損失値を補償するために、光増幅器OAによって増幅させることができる。分割ユニットSUは、総体的上り信号を、異なる2つの光多重分離フィルタOM1、OM2へと分割するために使用される。フィルタOM2は、各波長λ、λ、…に対し、図4bに示すようなフラットトップ形状を持つ、それぞれの伝達関数を備えた、多重分離フィルタである。フィルタOM2は、先に述べたように、AWGによって設けられることが好ましい。フィルタOM2は、先に述べたように、周回性AWGによって設けられると、なお好ましい。フィルタOM2は、各伝達関数のセットを持っており、各伝達関数の中心波長は、フィルタOM1によって与えられる伝達関数の中心波長と、実質的に等しい。
【0058】
フィルタOM2によってフィルタリングされた信号は、それぞれの受信機OLTRX’に提供される。
【0059】
図7は、受信機OLTRX’を、より詳細に示している。図3の受信ユニットORXとは対照的に、受信ユニットORX’はパワーレベル検出を実行しないという点で、受信機OLTRX’は、図3に示した受信機OLTRXとは異なっている。
【0060】
フィルタOM1に到達した総体的上り信号は、図4aに関連して説明した形状の伝達関数を有する各伝達関数によってフィルタリングされる。次いで、総体的上り信号をフィルタOM1の伝達関数を用いてフィルタリングすることで得られたフィルタリングされた信号は、各パワーレベル検出ユニットPDUに提供される。
【0061】
パワーレベル検出ユニットPDUはフォトダイオードPD1を備えており、このフォトダイオードPD1は、アナログデジタル変換器ADCにおいてデジタル信号へと変換される、電気信号を発生させる。パワーレベル検出器PDT(処理ユニットとも制御ユニットともなり得る)は、変換された電気信号のパワーレベルを決定する。このとき、同パワーレベルは、光学フィルタOM1によってフィルタリングされた信号から得られる光信号のパワーレベルに相当する。次いで、このように決定された光パワーレベルは、デジタルアナログ変換器DACを介して、電気信号ES1として提供される。この信号ES1は、フィルタOM1以降のフィルタリングされた信号に関する、受信した光信号パワーを示している。換言すれば、信号ES1とは、フィルタOM1によってフィルタリングされた信号が持つ光パワーに比例する電気信号である。
【0062】
電気信号ES1は、制御ユニットCU1に提供される。この制御ユニットCU1は、図1に関連して先に説明したものと同様のメディアアクセス制御ユニットである。次いで、制御ユニットCU1は、ONUの送信波長同調処理に関連して上で予め説明したように、導出した光信号パワーレベルに応じた、送信ユニットTXを介しての、波長シフトの望ましい方向に関する指示を開始する。
【0063】
提案する光回線終端装置OLT1が持つ利点は、図4aに関連して説明した形状の伝達関数を持つフィルタと、図4bに示した、フラットトップ形状の伝達関数を持つフィルタとを、比較したときに明らかとなる。異なるフィルタが持つ、伝達関数GTFとFTTFは、その中心波長が、実質的に等しい。図4aには、伝達関数GTFによって最大で1dBの減衰が生じる、光学範囲OR1が示されている。これに相当する、同じく最大減衰が1dBとなる光学範囲が、フラットトップ形状の伝達関数FTTFに関する図4bにおいて、光学範囲OR2として示されている。フラットトップな伝達関数FTTFの場合、1dBという範囲は、図4aの伝達関数GTFが持つ、1dBの光学範囲OR1のサイズの約2倍となる。図4bに示すように、振幅変調された上り信号は、単一の波長λとしての中心波長のみからなるものではなく、結果的に生じる変調帯域幅MBを波長λの前後に持つ帯域幅信号であることから、図4bのフラットトップなフィルタ伝達関数FTTFでは、図4aの伝達関数GTFと比較して、こうした上り信号への全体的な減衰が少なくなる。たとえば、50GHzのグリッド間隔を使用するとき、1dBという帯域幅は、ガウシアンフィルタに対しては約0.1ナノメートルとなるが、フラットトップ形状フィルタの場合では、約0.2ナノメートルとなる。
【0064】
ガウス形状、またはフラットトップ形状を持つフィルタの波長精度は、通常、約0.02ナノメートル以下の範囲内で類似したものとなる。ガウス形状フィルタの挿入損失が最大でも6dBなのに対し、フラットトップ形状フィルタは、挿入損失が最大で9dBとなり得るものの、このようなフラットトップ形状フィルタの高い挿入損失は、図5に示す回線終端装置OLT1内の増幅器OAにより、補償することが可能である。
【0065】
データ受信のために、図5のフラットトップ形状フィルタOM2を使用すれば、図4aに示した伝達関数を持つフィルタを図5のフィルタOM2として使用するよりも、信号減衰が少なくなることから、データ受信が改善され得ることは明らかである。
【0066】
一方、図4bに示したフラットトップ形状フィルタの伝達関数FTTFは、中心波長λx’以下では厳密な単調増加をせず、中心波長λx’以上でも単調減少することはないが、その代わり、伝達関数FTTFの変化がほぼ検出されない、いわゆるフラット領域FRを有しているという事実により、このフラットトップ形状フィルタは、先に触れた同調処理において、使用しづらいものとなる可能性がある。異なる時点ごとに、それぞれの受信した光信号パワーレベルを決定できるという事実により、同調処理は、中心波長λx’に等しいか、またはほぼ等しい上り送信波長へと必ずしも収束しない。収束するのはむしろ、受信した上り信号を、図4aに示した伝達関数を持つフィルタを用いてフィルタリングする場合である。したがって、図5の光回線終端装置OLT1において、図4aに示した伝達関数を持つフィルタを光パワーレベル検出のためのフィルタOM1として使用し、フラットトップ形状フィルタOM2をデータ受信のために使用すれば、その組み合わせにより、それぞれの利点を引き出すことが可能となる。
【0067】
さらに、図4bに示したフラットトップ形状のフィルタについて、1dB領域OR2を越えてからの信号レベルの減少量は、図4aに示した伝達関数を持つフィルタの1dB領域OR1を越えてからのものよりも大きくなる。よって、上り波長を同調する際、パワーレベル検出に使用される、受信したフィルタリングされた信号のパワーは、図4aに示した伝達関数を持つフィルタで上り信号をフィルタリングする場合よりも、図4bのフラットトップ形状のフィルタ伝達関数で上り信号をフィルタリングする場合のほうが、より劇的に減少し得る。
【0068】
提案する回線終端装置OLT1は、2つの恩恵をもたらすものである。
【0069】
第1に、受信機OLTRX’において、データ受信のための変調帯域幅MB全体にわたり、受信する上り信号の減衰が抑えられる。
【0070】
第2に、同調処理における、ONUの波長の収束が保証される。
【0071】
フィルタOM1およびフィルタOM2は、それらの中心波長を最大限に一致させるため、同一基板上に設けられることが好ましい。
【0072】
提案する発明を要約すると、本明細書に示した回線終端装置OLT1は、上り信号の波長を制御するための制御パスから独立した、データパスを備えている。したがって、回線終端装置OLT1の受信機は、波長ドリフトによりロバストであり、また、グリッドは100GHzではなく、より小さい50GHzで動作可能となり得れば好ましい。
【0073】
「制御ユニット」「コントローラ」「プロセッサ」「処理ユニット」または「ユニット」とラベルされた機能ブロックを含む、図面に示された種々の要素が持つ機能は、適切なソフトウェアと連携させてソフトウェアの実行が可能なハードウェアや専用のハードウェアを使用することを通じて提供され得る。プロセッサによって提供される場合、それらの機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、または複数の独立したプロセッサ(その一部が共用でもよい)によって提供され得る。さらに、「プロセッサ」、または「コントローラ」という用語が明示的に使用されたとしても、それはソフトウェアを実行可能なハードウェアのみを指すものと解釈されるべきではなく、限定するものではないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性ストレージなどが、暗に含まれ得る。その他のハードウェア(従来型および/またはカスタム)も、これに含まれてよい。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7