(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、撮影され落書きされた画像(または撮影画像)をサーバから携帯端末にダウンロードする場合、対象となる画像等を携帯端末で単にリスト表示やサムネイル表示するだけでは遊戯性が得られない。このことは、撮影された日付等でソートした後に(昇順または降順で)リスト表示したとしても変わらない。
【0006】
そこで、本発明は、撮影され落書きされた画像(または撮影画像)をサーバから携帯端末にダウンロードする場合、あるいは既にダウンロードされた画像を表示する場合に、遊戯性が十分に得られる態様で表示を行うことができる携帯端末、画像データ提供装置、写真撮影遊戯装置、画像データ提供システム、画像表示方法、及び画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末は、写真撮影遊戯装置によって生成された一次画像データを取得して表示を行うものである。この携帯端末は、前記写真撮影遊戯装置から送信される前記一次画像データを受信する受信手段と、前記受信手段によって取得された前記一次画像データを記憶する記憶手段と、撮影手段と、表示手段と、前記一次画像データに基づく二次画像データに係る合成対象画像と、前記撮影手段によって撮影された撮影画像とを組み合わせた合成画像を生成し、当該合成画像を前記表示手段に表示させる表示処理手段と、を備えている。
【0008】
この構成によれば、記憶手段にある一次画像データに基づく合成用の二次画像データに係る合成対象画像に、撮影手段で撮影された撮影画像と組み合わせて合成画像を生成することができるため、遊戯性を大きく向上することができる。また、写真撮影遊戯装置で撮影される撮影画像はその被写体以外の部分ほとんどが単一色とされるので、当該撮影画像に係る撮影画像データは、クロマキー処理や被写体を示すクロマキーマスクなどを利用することで、撮影された画像から被写体以外の領域を正確に削除したり透明化することができる。その結果、撮影画像から被写体部分だけをきれいに取り出した二次画像データを簡単に作成でき、見た目の良い上記合成画像を簡単に作成することができる。
【0009】
なお、本発明では、携帯端末において、合成画像を作成するための合成対象画像用の画像データを二次画像データと称し、この二次画像データを作成するためのもとになったものを一次画像データと称し、写真撮影遊戯装置や後述する画像データ提供装置で生成される。また、二次画像データは、合成画像を作成するためにクロマキー処理などの種々の処理を行った画像データであるが、例えば、これを写真撮影遊戯装置や画像データ提供装置で作成した場合には、一次画像データと二次画像データは同じものになる。また、写真撮影遊戯装置から送信される一次画像データは、写真撮影遊戯装置から直接送信されてもよいし、他の装置を介して間接的に送信されてもよい。
【0010】
また、本発明に係る画像処理装置は、写真撮影遊戯装置によって生成された一次画像データを取得して表示を行う画像処理装置であって、前記写真撮影遊戯装置から送信される前記一次画像データを受信する受信手段と、前記受信手段によって取得された前記一次画像データ、及びユーザが準備した準備画像に係る準備画像データを記憶する記憶手段と、表示手段と、前記一次画像データに基づく合成用の二次画像データに係る合成対象画像と、前記準備画像とを組み合わせた合成画像を生成し、当該合成画像を前記表示手段に表示させる表示処理手段と、を備えている。
【0011】
なお、本発明に係る画像処理装置は、写真撮影遊戯装置から一次画像データが送信され、これを処理する装置であれば、種々の装置に適用することができる。したがって、「画像処理装置」とは、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの端末装置のほか、端末装置との間でデータの受送信を行うサーバ装置も含まれる。また、この画像処理装置において、「ユーザが準備した準備画像」とは、画像処理装置に予め記憶されている画像のほか、フラッシュメモリなどの外部記憶手段から画像処理装置の記憶手段に記憶された画像、ネットワークを介してダウンロードされた画像、他の端末から送信された画像、撮影機能を有する画像処理装置で撮影された画像、または、これらの画像をユーザが加工したもの等が含まれる。また、上述した一次画像データ及び二次画像データの意味するところは、上述した携帯端末に係る発明と同じである。
【0012】
また、本発明の画像データ提供装置は、上記携帯端末に一次画像データを送信するものである。この画像提供装置は、前記一次画像データを記憶するサーバ記憶手段と、前記サーバ記憶手段に記憶された前記一次画像データを、前記携帯端末へ送信するサーバ送信手段とを備えている。なお、この発明における携帯端末は、上述した画像処理装置によって構成されてもよい。
【0013】
また、本発明の写真撮影遊戯装置は、上記携帯端末に一次画像データを送信するものである。この写真撮影遊戯装置は、被写体を含む写真を撮影し、当該写真に基づく撮影画像データを生成する撮影部と、前記撮影画像データに基づき、送信用の一次画像データを生成する編集部と、前記一次画像データを前記携帯端末に送信する送信手段と、を備えている。なお、写真撮影遊戯装置から送信される一次画像データは、写真撮影遊戯装置から直接携帯端末に送信されてもよいし、他の装置を介して間接的に送信されてもよい。また、この発明における携帯端末は、上述した画像処理装置によって構成されてもよい。
【0014】
また、本発明に係る画像データ提供システムは、上記写真撮影遊戯装置と、上記画像データ提供装置と、上記携帯端末と、を備え、前記写真撮影遊戯装置の出力部は、前記一次画像データを前記画像データ提供装置へ送信し、前記画像データ提供装置は、前記写真撮影遊戯装置から送信された前記一次画像データを前記サーバ記憶手段に記憶し、前記写真撮影遊戯装置、前記画像データ提供装置あるいは前記携帯端末が、前記撮影画像データにおける被写体を少なくとも残し、当該被写体以外の領域の少なくとも一部を削除または透明化した前記一次画像データを生成する。
【0015】
また、本発明に係る画像データ提供システムは、上記写真撮影遊戯装置と、上記携帯端末と、を備え、前記写真撮影遊戯装置または前記携帯端末が、前記撮影画像データにおける被写体を少なくとも残し、当該被写体以外の領域の少なくとも一部を削除または透明化した前記一次画像データを生成する。
【0016】
なお、上記各画像データ提供システムにおいて、写真撮影遊戯装置、画像データ提供装置あるいは携帯端末で作成される一次画像データは、そのまま二次画像データとして使用できる場合もあるし、これにさらに画像処理を施して二次画像データを作成する場合もある。また、各画像データ提供システムにおける携帯端末は、上述した画像処理装置で構成されてもよい。
【0017】
また、本発明の第1の画像表示方法は、撮影手段、表示手段、受信手段及び記憶手段を備え、写真撮影遊戯装置によって生成された一次画像データを取得して表示を行う携帯端末における画像表示方法である。この画像表示方法は、前記写真撮影遊戯装置から送信される前記一次画像データを受信手段により受信するステップと、前記受信手段によって取得された前記一次画像データを記憶手段に記憶するステップと、前記撮影手段により被撮影物を撮影するステップと、前記一次画像データに基づく合成用の二次画像データに係る合成対象画像と前記撮影手段によって撮影された撮影画像とを組み合わせた合成画像を生成し、当該合成画像を前記表示手段に表示させるステップとを備えている。
【0018】
本発明の第2の画像表示方法は、表示手段、受信手段、及び記憶手段を備え、写真撮影遊戯装置によって生成された一次画像データを取得して表示を行う画像処理装置における画像表示方法であって、前記写真撮影遊戯装置から送信される前記一次画像データを受信手段により受信するステップと、前記受信手段によって取得された前記一次画像データ、及びユーザが準備した準備画像に係る準備画像データを記憶手段に記憶するステップと、前記一次画像データに基づく合成用の二次画像データに係る合成対象画像と前記準備画像とを組み合わせた合成画像を生成し、当該合成画像を前記表示手段に表示させるステップとを備えている。
【0019】
また、本発明に係る第1の画像表示プログラムは、撮影手段、表示手段、受信手段及び記憶手段を備え、写真撮影遊戯装置によって生成された一次画像データを取得して表示を行う携帯端末のコンピュータに、前記写真撮影遊戯装置から送信される前記一次画像データを受信手段により受信するステップと、前記受信手段によって取得された前記一次画像データを記憶手段に記憶するステップと、前記撮影手段により被撮影物を撮影するステップと、前記画像データに基づく合成用の二次画像データに係る合成対象画像と前記撮影手段によって撮影された撮影画像とを組み合わせた合成画像を生成し、当該合成画像を前記表示手段に表示させるステップとを実行させる。
【0020】
本発明に係る第2の画像表示プログラムは、表示手段、受信手段、及び記憶手段を備え、写真撮影遊戯装置によって生成された一次画像データを取得して表示を行う画像処理装置のコンピュータに、前記写真撮影遊戯装置から送信される前記一次画像データを受信手段により受信するステップと、前記受信手段によって取得された前記一次画像データ、及びユーザが準備した準備画像に係る準備画像データを記憶手段に記憶するステップと、前記画像データに基づく合成用の二次画像データに係る合成対象画像と前記準備画像とを組み合わせた合成画像を生成し、当該合成画像を前記表示手段に表示させるステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、遊戯性が十分に得られる態様で画像の表示を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る画像データ提供システムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像データ提供システムの概略構成図である。
【0024】
<1.システムの全体構成および動作>
図1に示すように、この画像データ提供システムは、利用者により使用される写真撮影遊戯装置100(および各地に設置されている複数の写真撮影遊戯装置)と、この写真撮影遊戯装置100から画像データを送信する画像データ提供装置200と、利用者の使用する携帯端末300とで構成されている。このシステムでは、写真撮影遊戯装置100で撮影された画像を、3G方式の無線通信方式を採用した移動体通信網やインターネット等のネットワークNWを介して画像データ提供装置200に送信し、この画像データ提供装置200から携帯端末300に送信する。なお、ここでいう携帯端末300とは、画像データ等を受信して表示することができ、且つカメラ機能を有する携帯端末であれば、特に限定されず、携帯電話、スマートフォンのほか、一般的なパーソナルコンピュータ装置などを使用することもできる。
【0025】
<2.写真撮影遊戯装置>
写真撮影遊戯装置100は、利用者が入る撮影室101を備えており、この撮影室101には、利用者を撮影して撮影画像を取得する撮影部102が取り付けられている。そして、撮影室101の外部には、撮影部102に隣接して編集部103が設けられている。この編集部103は、撮影画像に対する利用者による落書きなどの編集操作を受け付け、撮影画像を編集した一次編集画像を生成するものである。そして、編集部103には、編集画像を出力する出力部104が隣接している。撮影室101の内部には、撮影部102が配置されている。より詳細には、撮影室101の内部に入る利用者から見て前の面に撮影部102のカメラが配置されている。また、撮影室101の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面にはクロマキー処理のための単一の色(例えば、青色または緑色)が付されている。すなわち、利用者(被写体)は、単一色を背景として撮影される。このように、撮影室101の背景を含むように撮影された画像であって、被写体以外の画像領域が撮影室の背景である単一色となっている画像を、以下、撮影画像という。
【0026】
撮影部102で撮影した撮影画像は、編集部103において編集される。例えば、文字、模様、図形などのいわゆる落書きをタッチペンなどの入力デバイスで入力し、撮影画像に重ね合わせた一次画像が生成される。また、予め準備されていた背景画像を重ね合わせることで一次画像を生成することもできる。なお、一次画像は、編集部103において生成されるほか、撮影の時点で撮影部102において、背景などが選択され、選択された背景画像が重ね合わされて一次画像が生成されることもある。そして、出力部104において利用者の操作に基づき、一次画像に基づく一次画像データから写真が印刷される。なお、上述した一次画像データには、他の画像データが付加され、これをまとめて一次画像データと称することがある。
【0027】
ところで、一次画像データは、以下の態様で画像データ提供装置200に送信される。また、携帯端末300に直接送信されることもある。但し、これらは例示であり、この他の態様も可能である。
(1) 被写体の画像(被写体画像)、背景画像が一体となった背景一体撮影画像を一次画像データとして送信する。
(2) まず、上述した撮影画像に対してクロマキー処理を行う。すなわち、上述した撮影室101の背面の単一色を透明とする処理を行い、利用者の被写体のみが現れた被写体画像を抽出する。そして、この被写体画像に加え、選択された背景画像を含めた一次画像データを送信する。
(3) クロマキー処理によって生成された被写体のみが表れた画像(被写体画像)に加え、選択された背景画像のIDを含めた一次画像データを送信する。背景画像のIDとは、選択された背景画像それぞれに割り当てられたIDであり、実際の背景画像に係る画像データを送信せず、IDのみを画像データ提供装置200に送信する。
(4) 撮影時に被写体部分を示すクロマキーマスクを生成する。そして、撮影画像および/または背景一体撮影画像にクロマキーマスクを含めた一次画像データを画像データ提供装置200に送信する。
(5) 被写体画像と背景画像とが一体化された背景一体撮影画像に加え、当該背景一体撮影画像に関する背景画像のIDを含めた一次画像データを画像データ提供装置200に送信する。
【0028】
写真が印刷された台紙には、プレイ日時(すなわち撮影された年、月、日、および時刻)を示すデータ、及びこの一次画像データを識別するための識別番号が印刷される。また、出力部104からは生成された一次画像データは、上記識別番号ととともに、画像データ提供装置200へ送信される。なお、出力部104には、ネットワークNWを通じて画像データを送信できるように、公知のアップロードルータが内蔵されている。
【0029】
なお、上記識別番号は、典型的には製造時に各写真撮影遊戯装置100に対して与えられるユニークなシリアルナンバー(例えば5桁)と、装置内で(製造後の初回の動作から)送信1回毎に順に付されるユニークな番号(例えば7桁)と、チェックサム(例えば2桁)とを含む。また、プレイ日時を示すデータは、写真撮影遊戯装置100内の計時部を参照して典型的には一次画像データ作成時に、一次画像データ内に書き込まれる。
【0030】
<3.画像データ提供装置>
図1に示すように、画像データ提供装置200は、上述した写真撮影遊戯装置100からの画像データを受信するとともに、携帯端末300からの要求に応じて画像データを携帯端末300に送信するものである。この画像データ提供装置200は、アップロード処理サーバ210と、少なくとも一つのウェブサーバ220と、データベースサーバ230と、を備えている。これらの装置は、例えばIEEE802.3に準拠するような所定のローカルネットワーク(LAN)を介して相互に接続される。なお、これらの装置の一部または全ては、専用のハードウェアであってもよいし、これらの機能を実現するためのソフトウェアがインストールされたコンピュータであってもよい。また、これらの機能のうちの複数または全てが1つのコンピュータにより実現されてもよい。以下では、一つのウェブサーバ220で処理が行われているものとして説明を行うが、例えば、複数のウェブサーバ220を使用する場合には、公知のロードバランサを用いて、利用者からの処理要求を適宜分散して割り当てることができる。
【0031】
アップロード処理サーバ210は、写真撮影遊戯装置100から受け取った一次画像データをその識別番号と関連付けて、データベースサーバ230に与える。データベースサーバ230は、アップロード処理サーバ210から受け取った一次画像データをその識別番号と関連付けて蓄積する。上述した背景画像のID、及び各IDに対応した背景画像データもデータベースサーバ230に記憶することができる。
【0032】
携帯端末300からは、上述した識別番号を伴って画像データのダウンロードの要求がなされる。この要求は、後述するアプリケーションによって行われるが、このような要求があると、画像データ提供装置200のウェブサーバ220は、データベースサーバ230から該当する一次画像データを読み出すとともに、これを縮小した縮小画像データ(サムネイル画像に係るデータ)を生成して携帯端末300に送信するように構成される。
【0033】
ウェブサーバ220は、写真撮影遊戯装置100から取得した一次画像データを、以下のように、携帯端末300に送信する。ここでは、写真撮影遊戯装置100の説明した一次画像データの態様の番号(1)〜(5)に即して説明する。
(1) 写真撮影遊戯装置100から取得した一次画像データ(背景一体撮影画像を含む画像データ)は、データベースサーバ230に保存され、これを携帯端末300からの要求に応じて、そのまま携帯端末300に送信する。なお、この一次画像データに含まれる背景画像が単一色の場合、この色を透明化することにより、当該一次画像データに係る背景一体撮影画像における被写体のみが現れる被写体画像を抽出することができる。この場合、抽出した被写体画像を当該一次画像データにさらに含めて携帯端末300に送信するようにしてもよい。
(2) 写真撮影遊戯装置100でクロマキー処理を施した一次画像データ(被写体画像および背景画像を含む画像データ)は、データベースサーバ230に保存され、これを携帯端末300からの要求に応じて、そのまま携帯端末300に送信する。
(3) 写真撮影遊戯装置100から送信された一次画像データには、背景画像のIDが含まれているため、以下のような処理が行われる。すなわち、携帯端末300からデータ送信の要求を受け付けると、ウェブサーバ220は、データベースサーバ230から対応する一次画像データを読み出すとともに、IDを参照し、記憶されている背景画像データを読み出す。そして、読み出された背景画像データと、写真撮影遊戯装置100から送信された一次画像データに含まれる被写体画像のデータとをそれぞれ含むデータを一次画像データとして携帯端末300に送信する。このとき、一次画像データに、背景画像のIDを含めて携帯端末300に送信することもできる。
(4) 写真撮影遊戯装置100から取得した一次画像データ(撮影画像および/または背景一体撮影画像、並びに、クロマキーマスクを含む画像データ)をそのまま携帯端末に送信する。あるいは、画像データ提供装置200において、当該一次画像データに含まれるクロマキーマスクを用いて、撮影画像および/または背景一体撮影画像から被写体画像のみを抽出した画像を生成し、これを携帯端末300に送信することができる。前者の場合、後者と同様の手法を用いることにより、携帯端末300側において被写体画像のみを抽出した画像を生成することができる。
(5) 写真撮影遊戯装置100からは、背景画像のIDを含む一次画像データが送信されるが、画像データ提供装置200では、背景画像のIDに対応した背景画像データをデータベースサーバ230から読み出すとともに、ウェブサーバ220において、読み出された背景画像を、背景一体撮影画像から差分するような処理を行う。こうして、背景一体撮影画像から背景画像が差分されると、被写体画像のみが抽出され、被写体画像テータが生成される。そして、携帯端末300には、被写体画像データを含む一次画像データが送信される。なお、被写体画像の抽出をウェブサーバ220で抽出しない場合は、読み出された背景画像と、それを含む背景一体撮影画像とを一次画像データとして携帯端末300に送信しておけば、携帯端末300にて当該背景一体画像から被写体画像の抽出を行うことができる。
【0034】
なお、上述した態様(3)〜(5)で示す画像処理は、携帯端末300で行うこともできる。また、上述した態様(2)〜(5)においては、被写体画像のみを携帯端末300に送信することもできる。この場合、被写体画像に係るデータが、後述する二次画像データとなる。
【0035】
次に、
図2を参照してウェブサーバ220の構成について説明する。
図2は、ウェブサーバ220の物理的構成を示すブロック図である。この
図2に示されるように、このウェブサーバ220は、バス221によって接続された制御部222、RAMやROM等のメモリ部223、ハードディスクドライブ(HDD)等からなる記憶部224、ネットワークインターフェース部225(ネットワークI/F)、液晶パネルやCRT等からなる表示部226、キーボードおよびマウス等からなる入力部227、及びDVD駆動部228を備えている。制御部222は、各種演算を行い各種機能を実現するCPU(Central Processing Unit)などで構成され、メモリ部223において、この各種機能を実現するため
に制御部222により実行されるプログラムが展開される。また、記憶部224には、制御部222により実行される後述するプログラムや画像データなどの各種情報が記憶される。上述した背景画像のID、及び各IDに対応した背景画像データは、データベースサーバ230のほか、この記憶部224に記憶することもできる。ネットワークI/F部225は、LANを介して他のサーバとデータの送受信を行う。なお、
図2に示されるウェブサーバ220の構成は一般的なコンピュータの構成と同一であり、その他のウェブサーバ220およびデータベースサーバ230と同一であるので詳しい説明は省略する。
【0036】
図2に示されるこれらの構成要素の機能は、典型的にはメモリ部223に展開された所定のプログラムを制御部222が実行することにより実現される。ここで、上記プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として内蔵されたDVD−ROM駆動装置228に装着され、そのDVD−ROMから上記プログラムが読み出されて記憶部224(もしくはその他の記憶装置)に記憶(典型的にはインストール)される。また、上記プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体や通信回線を介して提供されてもよい。そして、例えばウェブサーバ220の起動のための所定操作がなされると、記憶部224にインストールされた所定プログラムは、上記メモリ部223に転送されてそこに展開され(一時的に格納され)、制御部222によって実行される。これにより、上述したウェブサーバ220およびデータベースサーバ230の制御処理が実現される。
【0037】
<4.携帯端末>
次に、携帯端末300について説明する。
図3は、この携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、この携帯端末300は、バス301によって電気的に接続された近距離無線通信部310、制御部320、通信回路330、表示部340、入力部350、メモリ部360、非接触通信部370、カメラ部380、及びセンサ部390を備えている。以下、各部位について説明する。
【0039】
制御部320は、CPU(Central Processing Unit)などで構成されており、主として
、以下に説明する各部位の制御、各種プログラムの実行を行う。また、機能ブロックとしては、主として、後述する合成対象画像とカメラ部380で撮影される撮影画像とを組み合わせ、合成画像として表示したり、合成対象画像の位置などの表示方法を制御する表示処理手段、合成画像の静止画を合成画像データとして取得する画像取得手段、一次画像データから不要領域を削除または透明にした二次画像データを生成する画像処理手段を備えている。
【0040】
メモリ部360は、内蔵メモリとしてのROM(Read Only Memory)とRAM(Random
Access Memory)を備えている。ROMは、OS(Operating System)、制御部320が各部を制御するための制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納されている。また、このROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書
き換え可能なROMを含み、様々なアプリケーションプログラムにより扱われるコンテンツデータや、それら各コンテンツデータに関連した情報が記憶される。例えば、電話番号、電子メールアドレス、カメラや外部から送信された画像データや動画データ、音楽などを保存可能である。画像データについて、より詳細には、ダウンロードされた一次画像データ(サムネイル画像含む)、画像処理がなされた二次画像データが記憶される。また、後述するように、画像データ提供装置200から一次画像データをダウンロードするアプリケーション、カメラで撮影した撮影画像とダウンロードした合成対象画像とを合成するアプリケーションなども保存されている。一方、RAMは、制御部320により実行される各プログラムやデータの一時的な作業領域として機能する。
【0041】
通信回路330には、通信アンテナが接続されており、通話や電子メール等のデータ通信のための信号電波の送受信を行う。また、通信回路330は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。
【0042】
表示部340は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、そのディスプレイの表示駆動回路とを有し、制御部320からの画像信号により、ディスプレイ上に例えば文字や画像を表示する。また、後述するカメラ部380で撮影される動画や静止画をリアルタイムで表示することもできる。
【0043】
入力部350は、静電容量式又は抵抗膜式のタッチパネルや、タッチペン、各種ボタンキー等で構成されている。後述するカメラ部380のシャッターもここに含まれる。また、通常のパーソナルコンピュータの場合には、マウスやキーボードも含まれる。以下では、入力部350がタッチパネルで構成されている例を主として説明する。
【0044】
近距離無線通信部310は、近距離無線通信アンテナ(図示省略)を通じ、例えばいわゆるブルートゥース(BlueTooth:登録商標)方式、UWB(Ultra Wide Band)方式、無線LAN(Local Area Network)などによる近距離無線通信を行う。また、近距離無線通信部310は、近距離無線通信の全般的な制御と、制御部320との間でのデータのやり取りを行う。また、赤外線通信を行うための赤外線通信ユニットを内蔵することもできる。
【0045】
非接触通信部370は、非接触通信アンテナ(図示省略)を通じて、例えばいわゆるRFID(Radio Frequency-Identification:電波方式認識)や非接触型ICカード等で用いられる非接触通信を行う。
【0046】
カメラ部380は、静止画像や動画像を撮影するための内蔵カメラであり、光学レンズと撮像素子、フォーカス合わせやズーム倍率変更のために前記光学レンズを駆動するレンズ駆動機構及びその駆動回路、撮像素子からの撮像信号に画像処理を施す画像処理回路などからなる。このカメラ部380により得られた撮影画像データは、制御部320によってメモリ部330に蓄積される。
【0047】
センサ部390は、加速度センサやジャイロセンサなどで構成される。そして、表示部340のディスプレイの傾きを検出し、検出された傾きに応じて、制御部320は、表示部340に表示される画像の傾きを変更する。また、携帯端末300が受けた衝撃を検出するのにも使用される。
【0048】
その他、図示を省略するが、この携帯端末300には、一般的な携帯電話に設けられるスピーカ、マイク、外部インターフェース、バッテリなどを備えている。
【0049】
<5.携帯端末のアプリケーション>
次に、携帯電話300に保存される画像処理用のアプリケーションについて説明する。ここでは、画像データ提供装置200から画像データをダウンロードして閲覧する画像閲覧アプリケーション、ダウンロードした一次画像データのクロマキー処理を行う画像処理アプリケーション、及び携帯端末300のカメラで撮影した撮影画像とクロマキー処理を行った二次画像データとを合成して表示する合成処理アプリケーションについて説明する。
【0050】
<6.画像閲覧アプリケーションとその動作>
以下、画像閲覧アプリケーションについて、
図4から
図7を参照しつつ説明する。
図4は、画像閲覧アプリケーションの処理を示すフローチャート、
図5から
図7は、携帯端末300のディスプレイ340に表示される画面である。携帯端末300において、ダウンロードアプリケーションを起動すると、
図5の画面が表示される(S410)。この画面において、利用者は、識別番号の入力を促される。識別番号は、上述したように、写真撮影遊戯装置100で印刷された写真の台紙に記載された番号である。この識別番号を入力し、「OKボタン」を押下すると(S420)、携帯端末300は、画像データ提供装置200にアクセスし、該当する一次画像データのダウンロードを要求する(S430)。画像データ提供装置200は、この要求を受け付け(S510)、識別番号が正しいか否かを判定する(S520)。識別番号が正しくない場合には(S520のNO)、その旨を携帯端末200に送信し、再度の識別番号の入力を促す(S420)。そして、識別番号が正しい場合には要求を認め(S520のYES)、該当する一次画像データのサムネイル画像を作成し、携帯端末300に送信する(S530)。これにより、携帯端末300のディスプレイ340には、
図6に示すように、ダウンロードされた一次画像データの一覧が、サムネイル画像Aとして表示される(S440)。そして、閲覧を希望するサムネイル画像Aを押下すると(S450)、携帯端末300から画像データ提供装置200へ要求が送信され、これが画像データ提供装置200で受け付けられる(S540)。これにより、画像データ提供装置200は、データベースサーバ230から対応する一次画像データを読み出し、携帯端末300へ送信する(S550)。その結果、携帯端末300では、
図7に示すような画像が表示され、閲覧が可能になる(S460)。なお、ダウンロードされた一次画像データ(サムネイル画像を含む)は、メモリ部360に記憶される。
【0051】
<7.画像処理アプリケーションとその動作>
次に、一次画像データをクロマキー処理するアプリケーションについて、
図8から
図10を参照しつつ説明する。
図8は、画像処理アプリケーションの処理を示すフローチャート、
図9及び
図10は、携帯端末300のディスプレイ340に表示される画面である。ここで処理される一次画像データは、上述した5つの態様のうち、態様(1)で示した背景
一体撮影画像あるいは撮影画像を含む画像データに該当するものである。まず、
図8に示すように、上述した画像閲覧アプリケーションから画像処理対象となる画像を表示させる(S610)。すなわち、上述した手順で、
図7で示したように、一次画像データに係る一次画像を開く。そして、画面の下部にある画像処理のアイコンBを押下すると、
図9に示すように、画像処理アプリケーションが起動する(S620)。次に、クロマキー処理(所定の色の画素を透明に変換する処理)により、背景の透明化を行う(S630)。
図9の例では、一次画像の被写体の背景Dが単一色になっており、この背景Dの色が自動的に認識され、その色の部分が透明化される。このとき、ディスプレイ350の下部のボタン351を指でタッチして右側へスライドさせると、クロマキー処理が行われ、
図10に示すように、背景Dが透明に変化する(S640)。このとき、ボタン351のスライド量が大きくなると、背景Dの色のほか、この背景Dに類似する色も透明化されていくので、利用者は透明化される程度を見ながらボタン351のスライドを行う。これによれば、例えば、背景一体撮影画像における背景部分が背景Dのように完全な単一色でなく、類似する複数の色で構成されていたとしても、被写体画像だけをきれいに抽出することができる。
【0052】
ここで行うクロマキー処理は、公知のものを利用することができ、上記のように携帯端末300が自動的に背景Dを認識し、透明化の程度をマニュアルで入力するような半自動でクロマキー処理を行える。そのほか、利用者が任意にクロマキー処理を行う箇所を選択するように構成することもできる。これにより、背景一体撮影画像を構成する背景画像が背景Dのような単一色でない場合でも、背景部分を取り除いて被写体画像を抽出することができる。以下では、クロマキー処理がなされた画像データを二次画像データと称し、透明な背景以外の画像を合成対象画像と称することとする。そして、透明化された領域が本発明の不要領域となる。なお、ここでは、画像閲覧アプリケーションから処理対象となる画像を読み出しているが、画像処理アプリケーションを起動し、ここから携帯端末300に保存されている一次画像データを読み出したり、あるいは画像データ提供装置200にアクセスして一次画像データをダウンロードすることもできる。その場合の手順は、画像閲覧アプリケーションと同じである。このような処理が、主として機能ブロックにおける画像処理手段により行われる。なお、上述した態様(1)以外の一次画像データが送信され
た場合には、携帯端末300でクロマキー処理を行う必要はない。すなわち、携帯端末300には、被写体画像のみを抽出可能な態様の一次画像データが送信されるため、携帯端末300では、この一次画像データから被写体画像データのみを抽出し、これを二次画像データとする。このとき、被写体画像は、上述した合成対象画像となる。また、図示を省略するが、画像処理アプリケーションは、受信した一次画像データを識別し、態様(1)以
外であれば、自動的に、あるいはユーザの指示を受け付けた後、二次画像データを生成するように構成することもできる。
【0053】
<8.合成処理アプリケーションとその動作>
続いて、合成処理アプリケーションについて、
図11及び
図12も参照しつつ説明する。フローチャートは、
図8に示すものを引き続き使用する。
図11及び
図12は、携帯端末300のディスプレイ340に表示される画面である。ここでは、画像処理アプリケーションから合成処理アプリケーションを起動し、画像の合成を行う。
図10に示す画像処理アプリケーションの操作画面において、下部のボタンEを押下すると、合成処理アプリケーションが起動する(S650)。同時に、携帯端末300のカメラ部380も起動し、
図11に示すように、クロマキー処理が施された合成対象画像Xの背景に、カメラ部380で撮影された撮影画像Yがリアルタイムで表示される。これにより、合成対象画像Xと撮影画像Yとが合成された合成画像がディスプレイに表示される(S660)。この状態で、携帯端末300の筐体を移動させながら、背景として採用すべき被撮影物を選択し、シャッター350を押下すると(S670のYES)、合成画像が静止画である合成画像データとしてメモリ部360に記憶される(S680)。なお、撮影画像は、リアルタイムで表示されるため、シャッター350が押下されずに(S670のNO)、携帯端末300を移動させるとディスプレイ340には、撮影画像が動画のように表示される。これにより、現実世界と写真とを組み合わせた仮想世界を楽しむことができる。
【0054】
また、この例では、合成対象画像Xがディスプレイ340の下部に表示されているが、その表示位置などは任意に変更できるようにすることもできる。例えば、合成対象画像Xの位置、大きさ、及び回転角度の少なくとも一つを入力部350を操作することにより、自由に設定することができる。特に、入力部350をタッチパネルで構成した場合には、このような操作を指やタッチペンを利用して簡単にすることができる。また、このような操作を携帯端末300の筐体に衝撃を与えることで行うこともできる。例えば、
図12に示すように、携帯端末300の筐体の右側の側部を指で叩くと、これがセンサ部390で検知され、制御部320は、合成対象画像Xがその反対側、つまり筐体の左側に移動するように表示を行う。つまり、叩いた側と反対側に合成対象画像Xが移動するように構成することできる。
【0055】
なお、ディスプレイ340の表面を叩いた場合には、筐体の背面側に向かって移動するのを表すように、合成対象画像Xが縮小される。一方、筐体の背面側を叩いた場合には、合成対象画像Xが拡大する。また、以上の設定は、静止画の生成の前後のいずれでも行うことができる。さらに、筐体を叩く強度(衝撃度)を検出し、これに基づいて合成対象画像Xが移動する距離を決定することもできる。このような処理が、主として機能ブロックにおける表示処理手段及び画像取得手段により行われる。
【0056】
また、合成処理アプリケーションは、次のような処理を行うこともできる。この処理について、
図13から
図16を参照しつつ説明する。
図13は、画像処理アプリケーションの処理を示すフローチャート、
図14から
図16は、携帯端末300のディスプレイ340に表示される画面である。まず、
図14に示すように、処理対象となる画像をディスプレイに表示させる(S710)。このとき、クロマキー処理を行われていない一次画像を表示させるが、上述した二次画像でもよい。表示の手順は、種々の方法があるが、例えば、
図7に示すように、画像閲覧アプリケーションで一次画像を表示させた状態で、下部のアイコンFを押下して合成処理アプリケーションを起動させる方法がある。こうして、合成処理アプリケーションを起動して(S720)、処理対象となる画像を表示させると、画像において削除すべき領域を選択する。例えば、タッチペンや指で画像の一部をなぞって削除すべき領域を選択する。これにより、
図15に示すように、画像の一部が削除されて表示される(S730)。その後、ディスプレイ340の下部のアイコンGを押下すると、削除された領域Zには、
図16に示すように、カメラ部380で撮影された撮影画像がリアルタイムで表示され、合成画像が生成される(S740)。この状態で、携帯端末300の筐体を移動させながら、採用すべき被撮影物を選択し、シャッター350を押下すると(S750のYES)、合成画像が静止画である合成画像データとしてメモリ部360に記憶される(S760)。このような処理が、主として機能ブロックにおける画像処理手段、表示処理手段及び画像取得手段により行われる。また、上述した削除された領域Zが、本発明の不要領域となる。なお、合成画像をメモリ部360に記憶する場合、上記のように、シャッターを押下することで合成画像を固定して静止画を生成することもできるし、あるいは合成画像が生成された後、所定時間が経過したときに自動的に静止画を生成することもできる。
【0057】
また、上記のような合成処理アプリケーションの起動中に、携帯端末300を傾けると、センサ部390がこれを検知し、傾きに応じた表示をディスプレイ340に行う。例えば、
図11の例では、縦長のディスプレイ340に画像が表示されているが、ディスプレイ340の延びる方向が鉛直方向として検知され、縦長のディスプレイ340に合わせて画像が表示されている。ここから携帯端末300を90度傾けると、センサ部390がこれを検知し、
図17に示すように、合成画像を90度傾けてディスプレイ340に表示する。このとき、合成対象画像Xの位置が、ディスプレイ340の下部から中央へ移動するようにしているが、合成対象画像Xの位置については、任意に設定できるようにすることもできる。
【0058】
上記のように合成された合成画像は、種々の態様でメモリ部360に保存することができる。すなわち、合成対象画像と撮影画像とが一体となった態様のほか、撮影画像を分離可能とする態様で保存することもできる。
【0059】
<9.効果>
以上のように、本実施形態における画像データ提供システムでは、写真撮影遊戯装置において撮影され落書きされた一次画像を、写真撮影遊戯装置100から画像データ提供装置200に送信して記憶する。その後、携帯端末300がダウンロードした後、携帯端末300のカメラ部380で撮影した撮影画像Yと組み合わせて合成画像を生成することができる。したがって、単に写真撮影遊戯装置100で撮影した画像データをダウンロードするだけでなく、異なる環境で自由に撮影した画像とダウンロードした画像とを合成することができるため、遊戯性を大きく向上することができる。また、写真撮影遊戯装置100で撮影される撮影画像はその被写体以外の部分ほとんどが単一色とされるので、当該撮影画像に係る撮影画像データは、クロマキー処理や被写体を示すクロマキーマスクなどを利用することで、撮影された画像から被写体以外の領域を正確に削除したり透明化することができる。そのため、上述したように、態様(1)〜(5)のような被写体を抽出しやすい一次画像データを生成することができる。その結果、撮影画像から被写体部分だけをきれいに取り出した二次画像データを簡単に作成でき、見た目の良い上記合成画像を簡単に作成することができる。
【0060】
<10.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0061】
<10−1>
上記実施形態においては、写真撮影遊戯装置100から画像データ提供装置200を介して、携帯端末300に画像データが送信されているが、写真撮影遊戯装置100から携帯端末300へ直接画像データを送信することもできる。この場合、赤外線通信や近距離無線通信などで画像データの送信を行うことができる。その他、利用者が写真撮影遊戯装置100に電子メールのアドレスを入力すると、そのアドレス宛に画像データが添付されたメールを送信するように構成することもできる。
【0062】
<10−2>
上記実施形態では、
図6に示すサムネイル画像は、データベースサーバ230に記憶されている一次画像からウェブサーバ220によって作成され、携帯端末300に送信されるものとして説明したが、画像データ提供装置200が、このような縮小画像データを送信することなく、一次画像を送信する構成であってもよい。この構成では、データ送信量が大きくなるため、送信時間が掛かり、また画像縮小処理を携帯端末300において行うため、処理時間が掛かり、さらに携帯端末300に一時的に保存する必要があるため携帯端末300の記憶容量を圧迫する。しかし、利用者がその一次画像を見ようとしてサムネイル画像を押下するなどして選択する場合には、データベースサーバ230から一次画像をダウンロードしてくる必要がないので、一次画像を瞬時に表示することができる点で好適である。また、ウェブサーバ220における画像縮小処理の負荷を軽減することもできる。
【0063】
<10−3>
また上記実施形態では、専用のアプリケーションプログラムによって、画像データのダウンロード、閲覧、編集を行っているが、ウェブサーバ220において操作画面などの各種操作画面を表示するための制御言語を作成して携帯端末300に送信し、携帯端末300ではこれらの制御言語を解釈し表示するためのウェブブラウザなどの表示用アプリケーションを使用することにより上記各種操作画面を携帯画面に表示する構成であってもよい。また、画像データを取得する方法としては、例えば、携帯端末300から、画像データ提供装置200に対応するURLにアクセスする形で行うことができる。例えば、このURLは、画像データ提供装置200に対応するURL部分と、ダウンロードしたい一次画像を構成する一次画像データに対応するURL部分とを含むものであって、例えば、"http://decopika.jp/〜/select.aspx?did=012345678901"というように表記される。この表記例では、数字の部分がダウンロードしたい一次画像を構成する一次画像データに対応するURL部分であり、一次画像を構成する一次画像データに関連付けられたユニークな識別番号である。この画像データ提供装置200に対応するURL部分は予め定まっており、上記識別番号は写真撮影遊戯装置100によって付されるので、写真撮影遊戯装置100はこのURLを容易に作成し携帯端末300へ送信することができる。なお、上記識別番号に代えて、ファイル名やフォルダ名など他の画像データと区別することができる識別データが使用される構成であってもよい。
【0064】
<10−4>
上記実施形態では、サムネイル画像の縮小前の画像である一次画像は、写真撮影遊戯装置100において作成され、写真撮影遊戯装置100から画像データ提供装置200に送信される構成であるが、一次画像は、携帯端末300またはその他の携帯端末において撮影され画像データ提供装置200に送信される構成であってもよいし、携帯端末以外の各種コンピュータ装置に保存される一次画像データが画像データ提供装置200に送信される構成であってもよい。さらに、携帯端末に予め保存されている画像データや、携帯端末で撮影された撮影画像データ、あるいは携帯端末で作成された一次画像データを用いて、合成処理アプリケーションで画像の合成を行うこともできる。携帯端末で一次画像データを作成するには、例えば、
図18に示すように、文字、図形などを入力デバイスから任意に入力し、一次画像を作成することができる。そして、この一次画像データは、画像処理アプリケーションによりクロマキー処理を施して二次画像データとし、その画像である合成対象画像を合成処理アプリケーションで撮影画像と合成することができる。
【0065】
<10−5>
合成処理アプリケーションでは、画像処理アプリケーションでクロマキー処理などが行われた二次画像データが利用されるが、写真撮影遊戯装置100の編集部102または画像データ提供装置200のウェブサーバ220で一次編集画像データを予めクロマキー処理などして二次画像データとした後に、これを携帯端末300に送信しておくこともできる。これにより、携帯端末300でのクロマキー処理を行う必要がなく、負荷を低減することできる。また、写真撮影遊戯装置100または画像データ提供装置200から二次画像データを送信するときに、一次画像データとともに送信することもでき、合成処理アプ
リケーションで、送信された二次画像データを直接使用することもできる。
【0066】
<10−6>
また、上記実施形態では、クロマキー処理を行っているが、写真撮影遊戯装置100において、撮影画像とその被写体部分を示すクロマキーマスクを生成し、このクロマキーマスクを利用して撮影画像(一次画像)から被写体(合成対象画像)を抽出することもできる。この抽出処理は、写真撮影遊戯装置100、画像データ提供装置200または携帯端末300で行うことができる。ただし、画像データ提供装置200あるいは携帯端末300で抽出処理を行う場合は、写真撮影遊戯装置100から抽出処理を行う撮影画像(一次画像)の被写体部分を示すクロマキーマスクを取得しておく必要がある。そのため、この場合の一次画像データは、上記した一次画像データにさらに、それに対応するクロマキーマスクを含む。
<10−7>
なお、二次画像データは、被写体以外の背景を透明化または削除したもの(例えば、
図7から
図10を参照)に限定されず、例えば、写真撮影遊戯装置または携帯端末で施された落書きなどの付加画像を被写体とともに残すようにすることもできる。この場合、上述したように一次画像の背景(一次画像における、被写体および付加画像以外の領域)の色に対応するクロマキー処理を行ったり、被写体および付加画像を示すクロマキーマスク(付加画像を示すクロマキーマスクは、当該付加画像を生成するための落書きが行われた装置で生成する)を利用した画像処理により、背景(一次画像における、被写体および付加画像以外の領域)を透明化または削除すればよい。
【0067】
<10−8>
また、上記実施形態では、一つの画像をカメラ部380で撮影した撮影画像と組み合わせているが、2以上の画像を組み合わせることもできる。例えば、画像閲覧アプリケーションから2以上の画像を選択し、これを合成処理アプリケーション実行中におけるディスプレイ340に表示させることもできる。このとき、2以上の画像を表示させる位置、大きさおよび回転角度の少なくとも1つはそれぞれ任意に指定できるようにすることもできる。また、閲覧アプリケーションで選択された画像と、
図18のように選択された文図形等とをともに、合成処理アプリケーション実行中におけるディスプレイ340に表示させることもできる。
【0068】
<10−9>
ところで、上記実施形態では、合成処理アプリケーションにおいて、写真を撮影し、これを合成対象画像と組み合わせて合成画像を生成しているが、撮影画像以外を合成対象画像に合成することもできる。以下、この例について、
図19〜
図22を参照しつつ説明する。
図19〜
図22は携帯端末のディスプレイに表示される合成処理アプリケーションの画面である。まず、
図19に示すように構成された合成処理アプリケーションを立ち上げ、所望の画像を表示させる。ここまでの処理は、
図9に示す合成処理アプリケーションを起動させるまでの処理と同じであり、図示を省略するが、例えば、
図7に示す閲覧ソフトから任意のボタンを押下すると、
図19に示す合成処理アプリケーションが起動する。
【0069】
このアプリケーションでは、自動的、あるいは指示を入力することで、画像データ提供装置200から送信された一次画像データから被写体画像データを抽出し、ディスプレイ340に表示する。
図19に示すように、ディスプレイ340は、矩形状の画像表示部340aと、その下方にある落書き用アイコン部340bとに区画されている。そして、画像表示部340aには、抽出された被写体画像のみが表示され、背景Dは任意の色または模様が表示されている。落書き用アイコン部340bには、
図19の左側から細字ペンP1、太字ペンP2、UNDO(戻る)P3、REDO(進む)P4、背景色の選択P5、及び背景画像の選択P6を行うアイコンが配置されている。但し、これらは一例であり、種々の落書き用のアイコンを適宜配置することができる。
【0070】
例えば、細字ペンのアイコンP1をタッチすると、
図20に示すように、画像表示部340aに、ペンの色を選択できるパレットM1が表示され、いずれかの色のアイコンをタッチした上で、画像表示部340aに落書きを行うことができる。また、背景画像のアイコンP6をタッチすると、
図21に示すように、複数の背景画像の候補が表示される。この背景画像は、携帯端末300に予め記憶されている画像のほか、フラッシュメモリなどの外部記憶手段から携帯端末300の記憶手段に記憶された画像、ネットワークを介してダウンロードされた画像、他の端末から送信された画像、携帯端末300で撮影された画像、または、これらの画像をユーザが加工したものなどである(これらを準備画像ということがある)。そして、所望の背景画像をタッチすると、
図22に示すように、画像表示部340aの背景部分Dには、選択された背景画像が表示される。すなわち、被写体画像と背景画像が合成された合成画像が画像表示部340aに表示される。こうして合成された合成画像は、背景画像と被写体画像とが一体となった画像データとして保存するができるし、あるいは背景画像と被写体画像とが分離可能な状態で保存することもできる。
【0071】
また、こうして合成された合成画像の背景をさらに変更することもできる。特に、合成画像における被写体画像と背景画像とが一体化されている場合は、その合成画像の被写体画像に係るクロマキーマスクを使用すれば、合成画像から被写体画像を抽出できるので、背景画像の再変更が可能となる。
【0072】
また、
図19〜
図22に示す合成処理アプリケーションが実行された画面において、
図9に示すようなクロマキー処理用のボタン351、及びカメラを起動するボタンEをさらに配置することもできる。合成画像が画像表示部340aに表示された状態で、ボタン351をスライドすると、表示された合成画像から上記した方法によって当該合成画像に係る被写体画像のみが抽出される。そして、ボタンEを押下すると
図11に示すように、カメラ部380で撮影された撮影画像Yが、抽出した被写体画像の背景画像としてリアルタイムで表示(以下、「背景リアルタイム表示」という)され、その後は、
図11にて説明した各処理が行われる。なお、被写体画像のみが画像表示部340aに表示されている場合、そのままの被写体画像を用いて
図11で示した各処理が行われる。また、背景リアルタイム表示の最中に、アイコンP1がタッチされた場合、背景リアルタイム表示を継続しつつ画像表示領域340aに対してペンで落書きを行うことができる。なお、撮影画像Yが静止画像の場合も同様の落書きを行うことができる。
【0073】
但し、一次画像データが、上述した態様(2)〜(5)で生成されている場合には、クロマキー処理用のボタン351を押すまでもなく、カメラを起動するボタンEを押すだけで、自動的に被写体画像のみが抽出され、
図11に示すような背景リアルタイム表示を行うことができる。
【0074】
以上の例では、携帯端末300に送信された画像データに基づき、被写体画像のみを抽出して表示できるため、被写体画像の背景をユーザが自由に選択したり、切り替えたりすることができる。このように、背景画像をユーザによって適宜変更できるようにすると、同じ被写体画像であっても、画像全体としての印象を大きく変化させることができるため、遊戯性を大きく向上することができる。また、背景画像のほか、落書きも行うことができるため、遊戯性をさらに向上することができる。
【0075】
なお、背景画像の選択・変更、及び落書き処理は、上述したように、携帯端末300のアプリケーション上で行うこともできるし、画像データ提供装置200上で行うこともできる。すなわち、携帯端末300からの操作により、画像データ提供装置200に記憶されている任意の背景画像及び被写体画像を組み合わせて合成画像を生成することができる。これらの処理は、画像データ提供装置200上で行われ、合成画像をダウンロードして閲覧したり、携帯端末300に保存することができる。また、被写体画像の移動、回転、拡大、縮小等の処理については、
図11及び
図12を参照した説明と同じ方法で行うことができる。さらに、
図18のように携帯端末300で作成した一次画像に対して、背景画像を任意に設定することもできる。
【0076】
また、上記の
図19〜
図22に係る説明は、携帯端末300における画像処理を説明しているが、このような画像処理は、携帯端末に限らず、携帯端末との間でデータの受送信を行うサーバ上でも行うことができる。すなわち、携帯端末からの指令によって、被写体画像と背景画像等との合成処理をサーバ上で行うことができる。あるいは、サーバ上で、自動的に任意の背景画像等を選択し、これを合成する画像処理を行うこともできる。