特許第6277613号(P6277613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6277613
(24)【登録日】2018年1月26日
(45)【発行日】2018年2月14日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/00 20180101AFI20180205BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20180205BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20180205BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20180205BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20180205BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20180205BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20180205BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20180205BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180205BHJP
【FI】
   F21S8/12 140
   F21S8/10 170
   F21V5/04 300
   F21V5/04 350
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-134165(P2013-134165)
(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-11783(P2015-11783A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 和則
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−294434(JP,A)
【文献】 特開2011−181365(JP,A)
【文献】 特開2003−123509(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02237080(EP,A1)
【文献】 特開2011−228196(JP,A)
【文献】 特開2009−129572(JP,A)
【文献】 特開2005−276806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/12
F21S 8/10
F21V 5/04
F21W 101/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、半導体型光源と、を備え、
前記レンズは、前記半導体型光源からの直射光を前記レンズ中に入射させる入射面と、上段と中段と下段とに分割されている出射面と、から構成されていて、
前記上段の出射面および前記下段の出射面の焦点は、前記半導体型光源の発光面の中心もしくはほぼ中心に位置する前記レンズの基準焦点であり
前記上段の出射面および前記下段の出射面は、鉛直軸に対して左右対称若しくはほぼ左右対称である1つの曲面から構成されていて、拡散配光パターンを出射
前記中段の出射面は、左右に対向車線側、中央、走行車線側の3個に分割されていて、
前記中央の前記中段の出射面は、
下水平カットオフライン、斜めカットオフライン、及び上水平カットオフラインを含む配光パターンを出射し、
前記半導体型光源の左端辺から、前記基準焦点と前記半導体型光源の左端辺との間の所定点までの線分を焦線とし、
かつ、前記対向車線側の端部から前記走行車線側の端部の途中までの部分が、前記半導体型光源の左端辺上であって前記基準焦点を通る左右方向の水平軸上の点を焦点とする、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記中段の出射面は、正面視において、前記半導体型光源の中心から左右にほぼ等距離の位置にある2本の縦方向の分割線により分割されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記中段の出射面の左右両端は、正面視において、前記半導体型光源の中心からほぼ等距離の位置にある、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
記対向車線側の中段の出射面は、対向車線側の拡散配光パターンを照射し、
前記中央の中段の出射面は、中央の集光配光パターンを照射し、
前記走行車線側の中段の出射面は、走行車線側の拡散配光パターンを照射する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記半導体型光源の発光面の中心は、基準光軸もしくはその近傍に位置する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体型光源からの光(直射光)を、レンズに入射させてかつそのレンズから所定の配光パターンとして照射するレンズ直射型の車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。
【0003】
従来の車両用灯具は、発光素子と、投影レンズと、を備える。投影レンズの出射面が、自車線側水平カットオフラインを形成する自車線側の領域の第一屈折面と、対向車線側水平カットオフラインを形成する対向車線側の領域の第二屈折面と、斜めカットオフラインを形成する第一屈折面と第二屈折面との間の第三屈折面と、から構成されている。発光素子を発光させることにより、ロービームが照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−228196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる車両用灯具においては、製造コストを低減するために、車両の左側に搭載する左側灯具の投影レンズと車両の右側に搭載する右側灯具の投影レンズとが同一の投影レンズで使用できることが重要である。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、同じレンズを左右共通で使用できることが重要である、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明(請求項1にかかる発明)は、レンズと、半導体型光源と、を備え、レンズが、半導体型光源からの直射光をレンズ中に入射させる入射面と、上段と中段と下段とに分割されている出射面と、から構成されていて、上段の出射面および下段の出射面の焦点が、半導体型光源の発光面の中心もしくはほぼ中心に位置するレンズの基準焦点であり、上段の出射面および下段の出射面は、鉛直軸に対して左右対称若しくはほぼ左右対称である1つの面から構成されていて、拡散配光パターンを出射中段の出射面が、左右に対向車線側、中央、走行車線側の3個に分割されていて、中央の中段の出射面が、下水平カットオフライン、斜めカットオフライン、及び上水平カットオフラインを含む配光パターンを出射し、半導体型光源の左端辺から、基準焦点と半導体型光源の左端辺との間の所定点までの線分を焦線とし、かつ、対向車線側の端部から走行車線側の端部の途中までの部分が、半導体型光源の左端辺上であって基準焦点を通る左右方向の水平軸上の点を焦点とする、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項2にかかる発明)は、中段の出射面が、正面視において、半導体型光源の中心から左右にほぼ等距離の位置にある2本の縦方向の分割線により分割されている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項3にかかる発明)は、中段の出射面の左右両端が、正面視において、半導体型光源の中心からほぼ等距離の位置にある、ことを特徴とする。
【0010】
この発明(請求項4にかかる発明)は、対向車線側の中段の出射面が、対向車線側の拡散配光パターンを照射し、中央の中段の出射面が、中央の集光配光パターンを照射し、走行車線側の中段の出射面が、走行車線側の拡散配光パターンを照射する、ことを特徴とする。
【0011】
この発明(請求項5にかかる発明)は、半導体型光源の発光面の中心が、基準光軸もしくはその近傍に位置する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明の車両用灯具は、レンズの出射面が上段と中段と下段とに分割されていて、その上段の出射面の焦点および下段の出射面の焦点が、それぞれ、半導体型光源の発光面の中心もしくはほぼ中心に位置するものである。この結果、上段の出射面および下段の出射面がスクリーンの上下の垂直線に対して左右対称もしくはほぼ左右対称の拡散配光パターンを出射することができる。このために、上段の出射面の曲面および下段の出射面の曲面を、基準光軸を通る垂直線もしくはほぼ垂直線に対して左右対称もしくはほぼ左右対称の曲面に、構成することができる。これにより、同じレンズを左右共通で使用できることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示し、左右両側の車両用灯具を搭載した車両の平面図である。
図2図2は、ランプユニット(レンズ)を示す正面図である。
図3図3は、半導体型光源を示す斜視説明図である。
図4図4は、第1出射面における光路を示す説明図である。
図5図5は、第2出射面における光路を示す説明図である。
図6図6は、第3出射面における光路を示す説明図である。
図7図7は、第4出射面における光路を示す説明図である。
図8図8は、第5出射面における光路を示す説明図である。
図9図9は、補助レンズ部における光路を示す説明図である。
図10図10は、第1出射面、第2出射面、第3出射面、第4出射面、第5出射面、補助レンズ部により形成される配光パターンを示す説明図である。
図11図11は、ロービーム配光パターンおよびオーバーヘッドサイン配光パターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図5図7図10図11において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具を車両に搭載した際の前、後、上、下、左、右である。図中、レンズの断面図においては、光路を明確にするためにハッチングを省略してある。
【0015】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用灯具の構成について説明する。図中、符号1L、1Rは、この実施形態にかかる車両用灯具(たとえば、車両用前照灯、ロービーム用ヘッドランプなど)である。前記車両用灯具1L、1Rは、車両Cの前部の左右両端部に搭載されている。前記車両用灯具1L、1Rは、左側通行用の車両用灯具である。従って、走行車線側が左側であり、対向車線側が右側である。
【0016】
(ランプユニットの説明)
前記車両用灯具1L、1Rは、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、レンズ2と、半導体型光源3と、ヒートシンク部材(図示せず)と、図示しない取付部材(ホルダおよびレンズホルダなど)と、を備えるものである。
【0017】
前記レンズ2および前記半導体型光源3および前記ヒートシンク部材および前記取付部材は、ランプユニットを構成する。前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズは、灯室(図示せず)を画成する。前記ランプユニットは、前記灯室内に配置されていて、かつ、上下方向用光軸調整機構(図示せず)および左右方向用光軸調整機構(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。なお、前記灯室内には、前記ランプユニット以外のランプユニット、たとえば、フォグランプ、ハイビーム用ヘッドランプ、ローハイ用ヘッドランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプ、コーナーリングランプなどが配置されている場合がある。
【0018】
(半導体型光源3の説明)
前記半導体型光源3は、図2図9に示すように、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源3は、発光チップ(LEDチップ)30を封止樹脂部材で封止したパッケージ(LEDパッケージ)から構成されている。前記パッケージは、基板(図示せず)に実装されている。前記基板に取り付けられているコネクタ(図示せず)を介して前記発光チップ30には、電源(バッテリー)からの電流が供給される。前記半導体型光源3は、前記ヒートシンク部材に取り付けられている。
【0019】
前記発光チップ30は、平面矩形形状(平面長方形状)をなす。すなわち、4個の正方形のチップをX軸方向(水平方向)に配列してなるものである。なお、2個もしくは3個もしくは5個以上の正方形のチップ、あるいは、1個の長方形のチップ、あるいは、1個の正方形のチップ、を使用しても良い。前記発光チップ30の正面この例では長方形の正面が発光面31をなす。前記発光面31は、基準光軸(前記車両用灯具1L、1Rの基準光軸、前記レンズ2の基準光軸、基準軸)Zの前側に向いている。前記発光チップ30の前記発光面31の中心Oは、前記レンズ2の基準焦点Fもしくはその近傍に位置し、かつ、前記基準光軸Z上もしくはその近傍に位置する。
【0020】
図3において、X、Y、Zは、直交座標(X−Y−Z直交座標系)を構成する。X軸は、前記発光チップ30の前記発光面31の中心Oを通る左右方向の水平軸であって、この実施形態において、左側が+方向であり、右側が−方向である。また、Y軸は、前記発光チップ30の前記発光面31の中心Oを通る上下方向の鉛直軸であって、この実施形態において、上側が+方向であり、下側が−方向である。さらに、Z軸は、前記発光チップ30の前記発光面31の中心Oを通る法線(垂線)、すなわち、前記X軸および前記Y軸と直交する前後方向の軸(前記基準光軸Z)であって、この実施形態において、前側が+方向であり、後側が−方向である。
【0021】
(レンズ2の説明)
前記レンズ2は、図2図4図8に示すように、1個の入射面20と、複数個この例では5個の出射面、すなわち、第1出射面21、第2出射面22、第3出射面23、第4出射面24、第5出射面25(以下、「出射面21〜25」と記載する場合がある)と、から構成されている。前記レンズ2は、前記取付部材を介して前記ヒートシンク部材に、前記半導体型光源3と対向するように、取り付けられている。この例において、前記レンズ2の中心(図示せず)は、前記発光チップ30の前記発光面31の中心O(前記X軸、前記基準光軸Z)に対して、下に位置する。なお、前記レンズ2の中心と前記発光チップ30の前記発光面31の中心Oとを一致もしくはほぼ一致させても良いし、前記レンズ2の中心を前記発光チップ30の前記発光面31の中心Oに対して、上に位置させても良い。
【0022】
(入射面20の説明)
1個の前記入射面20は、前記半導体型光源3と対向する面であって、この例では2次曲面または複合2次曲面または自由曲面により連続的に形成されている。前記入射面20は、前記半導体型光源3からの光(直射光)を前記レンズ2中に入射させる。
【0023】
(出射面21〜25の説明)
前記出射面21〜25は、前記半導体型光源3と対向する面と反対側の面であって、この例では自由曲面または複合2次曲面または2次曲面からそれぞれ独立して形成されている。
【0024】
前記出射面21〜25は、全体が2本の水平分割段差面(横方向の分割線)2U、2Dにより、上段と中段と下段とに分割されていて、かつ、中段が2本の垂直分割段差面(縦方向の分割線)2L、2Rにより、左側(走行車線側)と中央と右側(対向車線側)とに分割されている。すなわち、前記中段の出射面22、23、24は、正面視(図2参照)において、前記半導体型光源3の中心O(前記発光チップ30の前記発光面31の中心O)から左右にほぼ等距離の位置にある2本の垂直分割段差面(縦方向の分割線)2L、2Rにより3個に分割されている。このように、前記出射面21〜25は、合計5個に分割されている。
【0025】
前記上段の出射面21は、前記中段の出射面22、23、24より、後側に凹んでいる。前記中段の出射面22、23、24は、前記下段の出射面25より、後側に凹んでいる。前記中央の中段の出射面23は、前記左右両側の中段の出射面22、24より、後側に凹んでいる。前記中段の出射面22、23、24の左右両端は、正面視(図2参照)において前記半導体型光源3の中心O(前記発光チップ30の前記発光面31の中心O)からほぼ等距離の位置にある。
【0026】
(上段の出射面21の説明)
前記上段の出射面21は、スクリーンの上下の垂直線VU−VDに対して左右対称もしくはほぼ左右対称の拡散配光パターンとしての第1配光パターンP1(図10(A)を参照)を出射する。
【0027】
前記上段の出射面21は、図4(A)に示すように、前記基準焦点Fを焦点とし、前記半導体型光源3(前記発光面31)からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L1として、所定の角度で左右に出射させる。前記出射光L1は、前記基準光軸Zを基準として、左右に行くに従って左右の偏向角が徐々に大きくなる。
【0028】
前記上段の出射面21は、図4(B)に示すように、前記基準焦点Fを焦点とし、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L1として、所定の角度で上下に出射させる。前記出射光L1は、前記基準光軸Zを基準として、上に行くに従って下の偏向角が徐々に大きくなる。この結果、前記基準光軸Zに最も近い前記出射光L1は、前記第1配光パターンP1の上縁に配光される。前記基準光軸Zから徐々に上に行く前記出射光L1は、前記第1配光パターンP1の上縁から徐々に下に配光される。
【0029】
前記上段の出射面21は、前記出射光L1を前記第1配光パターンP1の左右、上下の狙った位置に出射させる。前記出射光L1の狙った位置は、前記Y軸に対して、左右対称である。この結果、前記第1配光パターンP1は、スクリーンの上下の垂直線VU−VDに対して左右対称もしくはほぼ左右対称である。また、前記上段の出射面21は、前記Y軸に対して左右対称もしくはほぼ左右対称の曲面から構成される。
【0030】
(右側の中段の出射面22の説明)
前記右側の中段の出射面22は、右側の下水平カットオフラインCL1を有する拡散配光パターンとしての第2配光パターンP2(図10(B)を参照)を照射する。
【0031】
前記右側の中段の出射面22は、図5(A)、(B)、(C)に示すように、前記半導体型光源3(前記発光面31)の前記X軸上であって、前記基準焦点Fから前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍までの線分を焦線とする。すなわち、前記右側の中段の出射面22の右端(外周)は、前記基準焦点Fを焦点とする。前記右側の中段の出射面22の左端は、前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍の前記X軸上の点F1を焦点とする。前記右側の中段の出射面22の中央は、前記半導体型光源3の前記X軸上の前記基準焦点Fと前記焦点F1との中間点F2を焦点とする。
【0032】
前記右側の中段の出射面22は、図5(A)に示すように、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L2として、所定の角度で左右に出射させる。前記出射光L2は、前記右側の中段の出射面22の左端を基準として、右に行くに従って右の偏向角が徐々に大きくなる。
【0033】
前記右側の中段の出射面22の左端からの前記出射光L2は、図5(C)中の発光面像I21に示すように、前記第2配光パターンP2の左端に配光される。前記右側の中段の出射面22の右端からの前記出射光L2は、図5(C)中の発光面像I2に示すように、前記第2配光パターンP2の右端に配光される。前記右側の中段の出射面22の中央からの前記出射光L2は、図5(C)中の発光面像I22に示すように、前記第2配光パターンP2の中央に配光される。
【0034】
前記右側の中段の出射面22は、図5(B)に示すように、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L2として、所定の角度で上下に出射させる。前記出射光L2は、前記基準光軸Zを基準として、上下に行くに従って下の偏向角が徐々に大きくなる。この結果、前記基準光軸Zに最も近い前記出射光L2は、前記第2配光パターンP2の上縁に配光され、かつ、図5(C)中の発光面像I21、I22、I2の上辺を前記下水平カットオフラインCL1とする。前記基準光軸Zから徐々に上下に行く前記出射光L2は、前記第2配光パターンP2の上縁の前記下水平カットオフラインCL1から徐々に下に配光される。
【0035】
前記右側の中段の出射面22の左端における焦点の位置を、前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍の前記X軸上の点F1にすることにより、前記第2配光パターンP2の左端の位置(図5(C)中の発光面像I21の左辺の位置)を高精度に設計することができる。
【0036】
(中央の中段の出射面23の説明)
前記中央の中段の出射面23は、右側の下水平カットオフラインCL1、中央の斜めカットオフラインCL2、左側の上水平カットオフラインCL3を有する集光配光パターンとしての第3配光パターンP3(図10(C)を参照)を照射する。
【0037】
前記中央の中段の出射面23は、図6(A)、(B)、(C)に示すように、前記半導体型光源3(前記発光面31)の前記X軸上であって、前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍から、前記基準焦点Fと前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍との間の任意の点までの線分を焦線とする。すなわち、前記中央の中段の出射面23の右端から左端の途中までの部分23R、23Cは、前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍の前記X軸上の点F1を焦点とする。前記中央の中段の出射面23の左端は、前記X軸上であって、前記基準焦点Fと前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍との間の任意の点F3を焦点とする。前記中央の中段の出射面23の左端の部分23Lは、左端の前記焦点F1と任意の前記焦点F3との間の線分を焦線(焦点)とする。
【0038】
前記中央の中段の出射面23は、図6(A)に示すように、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L3として、所定の角度で左右に出射させる。前記出射光L3は、前記基準光軸Zを基準として、左右に行くに従って左右の偏向角が徐々に大きくなる。
【0039】
前記中央の中段の出射面23の右端の部分23Rからの前記出射光L3は、図6(C)中の発光面像I3Rに示すように、前記第3配光パターンP3の右端部に配光される。前記中央の中段の出射面23の中央の部分23Cからの前記出射光L3は、図6(C)中の発光面像I3Cに示すように、前記第3配光パターンP3の中央部に配光される。前記中央の中段の出射面23の左端の部分23Lからの前記出射光L3は、図6(C)中の発光面像I3Lに示すように、前記第3配光パターンP3の左端部に配光される。
【0040】
前記中央の中段の出射面23は、図6(B)に示すように、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L3として、所定の角度で上下に出射させる。前記出射光L3は、前記基準光軸Zを基準として、上下に行くに従って下の偏向角が徐々に大きくなる。この結果、前記基準光軸Zに最も近い前記出射光L3は、前記第3配光パターンP3の上縁に配光され、かつ、図6(C)中の発光面像I3R、I3C、I3Lの上辺を前記下水平カットオフラインCL1、前記斜めカットオフラインCL2、前記上水平カットオフラインCL3とする。前記基準光軸Zから徐々に上下に行く前記出射光L3は、前記第3配光パターンP3の上縁の前記下水平カットオフラインCL1、前記斜めカットオフラインCL2、前記上水平カットオフラインCL3から徐々に下に配光される。
【0041】
前記中央の中段の出射面23の右端から左端の途中までの部分23R、23Cにおける焦点の位置を、前記半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍の前記X軸上の点F1にすることにより、前記第3配光パターンP3の前記下水平カットオフラインCL1、前記斜めカットオフラインCL2、前記上水平カットオフラインCL3の位置(図6(C)中の発光面像I3R、I3Cの上辺の位置)を高精度に設計することができる。
【0042】
(左側の中段の出射面24の説明)
前記左側の中段の出射面24は、左側の上水平カットオフラインCL3を有する拡散配光パターンとしての第4配光パターンP4(図10(D)を参照)を照射する。
【0043】
前記左側の中段の出射面24は、図7(A)、(B)、(C)に示すように、前記半導体型光源3(前記発光面31)の前記X軸上であって、前記基準焦点Fから任意の前記焦点F3までの線分を焦線とする。すなわち、前記左側の中段の出射面24の左端(外周)は、前記基準焦点Fを焦点とする。前記左側の中段の出射面24の右端は、任意の前記焦点F3を焦点とする。前記左側の中段の出射面24の中央は、前記半導体型光源3の前記X軸上の前記基準焦点Fと任意の前記焦点F3との中間点F4を焦点とする。
【0044】
前記左側の中段の出射面24は、図7(A)に示すように、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L4として、所定の角度で左右に出射させる。前記出射光L4は、前記左側の中段の出射面24の右端を基準として、左に行くに従って左の偏向角が徐々に大きくなる。
【0045】
前記中央の中段の出射面24の右端からの前記出射光L4は、図7(C)中の発光面像I43に示すように、前記第4配光パターンP4の右端に配光される。前記左側の中段の出射面24の左端からの前記出射光L4は、図7(C)中の発光面像I4に示すように、前記第4配光パターンP4の左端に配光される。前記左側の中段の出射面24の中央からの前記出射光L4は、図7(C)中の発光面像I44に示すように、前記第4配光パターンP4の中央に配光される。
【0046】
前記左側の中段の出射面24は、図7(B)に示すように、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L4として、所定の角度で上下に出射させる。前記出射光L4は、前記基準光軸Zを基準として、上下に行くに従って下の偏向角が徐々に大きくなる。この結果、前記基準光軸Zに最も近い前記出射光L4は、前記第4配光パターンP4の上縁に配光され、かつ、図7(C)中の発光面像I44の上辺を前記上水平カットオフラインCL3とする。前記基準光軸Zから徐々に上下に行く前記出射光L4は、前記第4配光パターンP4の上縁の前記上水平カットオフラインCL3から徐々に下に配光される。
【0047】
前記左側の中段の出射面24の右端における焦点の位置を、任意の前記焦点F3にすることにより、前記第3配光パターンP3の左端と前記第4配光パターンP4の右端とを滑らかに繋げることができる。
【0048】
(下段の出射面25の説明)
前記下段の出射面25は、スクリーンの上下の垂直線VU−VDに対して左右対称もしくはほぼ左右対称の拡散配光パターンとしての第5配光パターンP5(図10(E)を参照)を出射する。
【0049】
前記下段の出射面25は、図8(A)に示すように、前記基準焦点Fを焦点とし、前記半導体型光源3(前記発光面31)からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L5として、所定の角度で左右に出射させる。前記出射光L5は、前記基準光軸Zを基準として、左右に行くに従って左右の偏向角が徐々に大きくなる。
【0050】
前記下段の出射面25は、図8(B)に示すように、前記基準焦点Fを焦点とし、前記半導体型光源3からの光であって、前記入射面20に入射した入射光を、出射光L5として、所定の角度で上下に出射させる。前記出射光L5は、前記基準光軸Zを基準として、下に行くに従って下の偏向角が徐々に大きくなる。この結果、前記基準光軸Zに最も近い前記出射光L5は、前記第5配光パターンP5の上縁に配光される。前記基準光軸Zから徐々に下に行く前記出射光L5は、前記第5配光パターンP5の上縁から徐々に下に配光される。
【0051】
前記下段の出射面25は、前記出射光L5を前記第5配光パターンP5の左右、上下の狙った位置に出射させる。前記出射光L5の狙った位置は、前記Y軸に対して、左右対称である。この結果、前記第5配光パターンP5は、スクリーンの上下の垂直線VU−VDに対して左右対称もしくはほぼ左右対称である。また、前記下段の出射面25は、前記Y軸に対して左右対称もしくはほぼ左右対称の曲面から構成される。
【0052】
(補助レンズ部4の説明)
前記レンズ2の下辺には、補助レンズ部4が一体に設けられている。前記補助レンズ部4は、入射面40と、全反射面41と、出射面42と、から構成されている。前記補助レンズ部4は、前記半導体型光源3からの光を前記入射面40から入射して、その入射光を前記全反射面41で全反射させ、その全反射光を前記出射面42から出射させ、その出射光L6により、図10(F)、図11(A)に示すオーバーヘッドサイン配光パターンP6として照射する。
【0053】
前記補助レンズ部4により形成される前記オーバーヘッドサイン配光パターンP6は、前記レンズ2により形成されるロービーム配光パターンLPの主配光パターンに対する補助配光パターンである。
【0054】
(フランジ部5の説明)
前記レンズ2および前記補助レンズ部4の周囲には、フランジ部5が一体に設けられている。前記フランジ部5は、前記取付部材に取り付けるためのものである。前記フランジ部5を介して前記レンズ2および前記補助レンズ部4は、前記取付部材に取り付けられる。
【0055】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0056】
半導体型光源3を点灯する。すると、半導体型光源3の発光面31からの光の大部分は、レンズ2の1個の入射面20からレンズ2中に屈折して入射する。このとき、入射光は、入射面20において配光制御される。その入射光は、レンズ2の5個の出射面21〜25から外部にそれぞれ屈折して出射する。このとき、出射光は、出射面21〜25において配光制御される。その出射光L1〜L5は、5個の配光パターンP1〜P5として車両Cの前方に照射される。
【0057】
すなわち、上段の出射面21からは、出射光L1(図4(A)、(B)参照)が出射されて図10(A)に示す第1配光パターンP1として車両Cの前方に照射される。右側の中段の出射面22からは、出射光L2(図5(A)、(B)参照)が出射されて図10(B) に示す下水平カットオフラインCL1を有する第2配光パターンP2として車両Cの前方に照射される。中央の中段の出射面23からは、出射光L3(図6(A)、(B)参照)が出射されて図10(C) に示す下水平カットオフラインCL1、斜めカットオフラインCL2、上水平カットオフラインCL3を有する第3配光パターンP3として車両Cの前方に照射される。左側の中段の出射面24からは、出射光L4(図7(A)、(B)参照)が出射されて図10(D)に示す上水平カットオフラインCL3を有する第4配光パターンP4として車両Cの前方に照射される。下段の出射面25からは、出射光L5(図8(A)、(B)参照)が出射されて図10(E) に示す第5配光パターンP5として車両Cの前方に照射される。
【0058】
前記の5個の配光パターンP1〜P5が重畳されることにより、図11(A)、(B)に示す下水平カットオフラインCL1、斜めカットオフラインCL2、上水平カットオフラインCL3を有するロービーム配光パターンLPが形成される。ここで、第1配光パターンP1および第5配光パターンP5の上縁は、下水平カットオフラインCL1、斜めカットオフラインCL2、上水平カットオフラインCL3より若干下側に位置する。
【0059】
一方、半導体型光源3からの光の一部は、補助レンズ部4の入射面40から補助レンズ部4中に屈折して入射する。このとき、入射光は、入射面40において配光制御される。その入射光は、補助レンズ部4の全反射面41で全反射する。このとき、全反射光は、反射面41において配光制御される。その全反射光は、補助レンズ部4の出射面42から外部に屈折して出射する。このとき、出射光L6は、出射面42において配光制御される。その出射光L6は、図10(F)、図11(A)に示すオーバーヘッドサイン配光パターンP6として車両Cの前上方に照射される。
【0060】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0061】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、上段の出射面21の焦点、下段の出射面25の焦点が、それぞれ、半導体型光源3の発光面31の中心Oもしくはほぼ中心Oすなわち基準焦点Fに位置するものである。このために、上段の出射面21、下段の出射面25が、出射光L1、L5を第1配光パターンP1、第5配光パターン、の左右、上下の狙った位置に出射させることができる。その出射光L1、L5の狙った位置が、Y軸に対して、左右対称である。この結果、第1配光パターンP1、第5配光パターンP5は、スクリーンの上下の垂直線VU−VDに対して左右対称もしくはほぼ左右対称である。また、上段の出射面21、下段の出射面25は、Y軸に対して左右対称もしくはほぼ左右対称の曲面から構成される。これにより、同じレンズ2を左右共通で使用できることができる。すなわち、車両Cの左側に搭載する左側の車両用灯具1Lのレンズ2と車両Cの右側に搭載する右側の車両用灯具1Rのレンズ2とが同一のレンズ2で使用することができる。このように、外観上左右共通化を図ることができる。この結果、製造コストを安価にすることができる。
【0062】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、上段の出射面21および下段の出射面25が1つの面から構成されているので、上段の出射面21の曲面および下段の出射面25の曲面を滑らかな曲面で結ぶことができる。これにより、滑らかな第1配光パターンP1および第5配光パターンP5が得られる。
【0063】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、中段の出射面22、23、24が、正面視において、半導体型光源3の中心Oから左右にほぼ等距離の位置にある2本の垂直分割段差面(縦方向の分割線)2L、2Rにより3個に分割されているものである。このために、左右2本の垂直分割段差面(縦方向の分割線)2L、2Rを左右対称もしくはほぼ左右対称とすることが容易である。レンズ2の外観の左右対称性の設計が容易である。
【0064】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、中段の出射面22、23、24の左右両端が、正面視において、半導体型光源3の中心Oからほぼ等距離の位置にあるものである。このために、右側の中段の出射面22の右端(外周)と左側の中段の出射面24の左端(外周)とを左右対称もしくはほぼ左右対称とすることが容易である。レンズ2の外観の左右対称性の設計が容易である。
【0065】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、右側の中段の出射面22の右端(外周)の焦点、および、左側の中段の出射面24の左端(外周)の焦点が、半導体型光源3の発光面31の中心Oもしくはほぼ中心Oすなわち基準焦点Fに位置するものである。このために、右側の中段の出射面22の右端(外周)と左側の中段の出射面24の左端(外周)とを左右対称もしくはほぼ左右対称とすることが容易である。レンズ2の外観の左右対称性の設計が容易である。
【0066】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、中段の出射面22、23、24が左右に3個分割されていて、右側の中段の出射面22が右側の下水平カットオフラインCL1を有する拡散配光パターンとしての第2配光パターンP2を照射し、中央の中段の出射面23が、右側の下水平カットオフラインCL1および中央の斜めカットオフラインCL2および左側の上水平カットオフラインCL3を有する集光配光パターンとしての第3配光パターンP3を照射し、左側の中段の出射面24が左側の上水平カットオフラインCL3を有する拡散配光パターンとしての第4配光パターンP4を照射する。この結果、理想的なロービーム配光パターンLPを得ることができる。
【0067】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、中央の中段の出射面23の右端から左端の途中までの部分23R、23Cが半導体型光源3の左端辺もしくはその近傍のX軸上の点F1を焦点とする。このために、第3配光パターンP3の下水平カットオフラインCL1、斜めカットオフラインCL2、上水平カットオフラインCL3の位置(図6(C)中の発光面像I3R、I3Cの上辺の位置)を高精度に設計することができる。
【0068】
この実施形態にかかる車両用灯具1L、1Rは、半導体型光源3の発光面31の中心Oが基準光軸Zもしくはその近傍に位置する。このために、半導体型光源3の中心Oを基準光軸Zに配置したままでレンズ2を設計することができる。これにより、中段の出射面(右側の中段の出射面22、中央の中段の出射面23、左側の中断の出射面24)を左右反転させることにより、左側通行用の車両用灯具1L、1Rを、右側通行用の車両用灯具として使用することができる。しかも、半導体型光源3を取り付けている取付部材およびヒートシンク部材を、左側通行用の車両用灯具1L、1Rと右側通行用の車両用灯具とに区別する必要がない。この結果、製造コストを安価にすることができる。
【0069】
(実施形態以外の例の説明)
この実施形態においては、車両用前照灯、ロービーム用ヘッドランプについて説明するものである。ところが、この発明においては、車両用前照灯、ロービーム用ヘッドランプ以外の車両用灯具たとえばフォグランプ、ハイビーム用ヘッドランプなどであっても良い。
【0070】
また、この実施形態においては、中段の出射面22、23、24が3個に分割されている場合について説明するものである。ところが、この発明においては、中段の出射面を1個の無分割の場合、もしくは、2個、4個以上の分割の場合であっても良い。この場合において、出射面の個数が多くなると、配光制御が行い易くなるが、その反面、半導体型光源3からの光の損失が多くなる。また、出射面の個数が少なくなると、半導体型光源3からの光の損失を少なく抑制することができるが、その反面、配光制御が難しくなる。このために、半導体型光源3からの光の損失と配光制御との兼ね合いで、出射面の個数を調整する。
【0071】
さらに、この実施形態においては、レンズ2の下辺に補助レンズ部4を設けて、オーバーヘッドサイン配光パターンP6を形成するものである。ところが、この発明においては、レンズ2の周辺に補助レンズ部を設けて、オーバーヘッドサイン配光パターンP6以外の補助配光パターンを形成するようにしても良い。また、複数個の補助レンズ部を設けて、複数個の補助配光パターンを形成しても良い。さらに、補助レンズ部を設けず、補助配光パターンを形成しなくても良い。
【0072】
さらにまた、この実施形態においては、中段の出射面22、23、24が2本の垂直分割段差面(縦方向の分割線)2L、2Rにより、左側(走行車線側)と中央と右側(対向車線側)とに3つに分割されているものである。ところが、この発明においては、中段の出射面を、4本以上であって複数本の垂直分割段差面(縦方向の分割線)により、5つ以上であって複数個に分割しても良い。
【符号の説明】
【0073】
1L、1R 車両用灯具
2 レンズ
20 入射面
21、22、23、24、25 出射面
2L、2R 垂直分割段差面
2U、2D 水平分割段差面
3 半導体型光源
30 発光チップ
31 発光面
4 補助レンズ部
40 入射面
41 全反射面
42 出射面
5 フランジ部
C 車両
CL1 下水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
CL3 上水平カットオフライン
F 基準焦点
F1、F2、F3、F4 焦点
HL−HR スクリーンの左右の水平線
I2、I21、I22、I3C、I3L、I3R、I4、I43、I44 発光面像
LP ロービーム配光パターン
O 中心
P1 第1配光パターン
P2 第2配光パターン
P3 第3配光パターン
P4 第4配光パターン
P5 第5配光パターン
P6 オーバーヘッドサイン配光パターン
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
X X軸
Y Y軸
Z 基準光軸(Z軸)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11